JP2003306656A - 水性粘着剤組成物及び粘着剤塗工物 - Google Patents

水性粘着剤組成物及び粘着剤塗工物

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JP2003306656A
JP2003306656A JP2002115303A JP2002115303A JP2003306656A JP 2003306656 A JP2003306656 A JP 2003306656A JP 2002115303 A JP2002115303 A JP 2002115303A JP 2002115303 A JP2002115303 A JP 2002115303A JP 2003306656 A JP2003306656 A JP 2003306656A
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JP2002115303A
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English (en)
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Shoichi Fukumoto
昌一 福本
Kimihide Shiozawa
公英 塩沢
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、これら従来の水性アクリル系共重
合体を含有する水性粘着剤の持つ欠点を克服し、溶剤型
アクリル系共重合体以上の耐水性と同等のその他諸粘着
物性を有する水性粘着剤組成物を提供することを目的と
する。 【解決手段】 反応性界面活性剤の存在下に乳化重合し
てなる水酸基含有アクリル共重合体エマルション(A)
と、炭酸ジルコニルアンモニウム(B)とを含有するこ
とを特徴とする水性粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル共重合体
エマルションと炭酸ジルコニルアンモニウムとを含有す
る水性粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を用いてなる粘
着剤塗工物に関する。詳しくはポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PETともいう)、ポリオレフィン、塩ビ
等のプラスチックフィルムを支持体とするた粘着剤塗工
物であって、更に詳しくは耐水性、被着体への粘着力、
裁断性、保持力の良好な粘着剤塗工物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルムを支持体と
する粘着塗工物の場合、粘着剤としては溶剤型アクリル
共重合体が用いられてきた。しかし、環境問題の要請か
ら溶剤型から水性アクリル共重合体への転換が図られて
はいるが、耐水性、被着体への粘着力、裁断性、保持力
などの要求を十分に充たすものは無かった。
【0003】例えば、水性アクリル共重合体を得るに際
し反応性乳化剤を用いると、粘着塗工物の耐水性が向上
するが、溶剤型と比較しうる程には各種被着体に対し十
分な粘着力、保持力、裁断性を持つものは得られていな
い。これは、下記の理由による。溶剤型の粘着剤を用い
てなる粘着塗工物は、一般に液体クロマトグラフィで計
測できる程度の分子量(200万〜300万以下)のア
クリル共重合体中の反応性官能基を架橋剤で架橋させ、
粘着剤層を形成する。
【0004】一方、水性粘着剤の場合は、比較的分子量
の低いアクリル共重合体が分散媒である水に分散してい
るエマルションを支持体や剥離性シートに塗工した後、
分散媒である水を揮散させ、粘着剤層を形成する。しか
し、このような水性粘着剤の場合、水が揮散する程度の
低温でアクリル共重合体と架橋し、十分な粘着特性を発
現し得る組成が存在しなかった。例えば、水性粘着剤に
分野における低温架橋可能な組み合わせとしては、ジケ
トンとヒドラジド、カルボン酸とエチレンイミン、カル
ボン酸とオキサゾリン、カルボン酸とカルボジイミド、
カルボン酸とエポキシ基等の組み合わせが挙げられる。
しかし、これらの組み合わせは、粘着物性と裁断性との
バランスが悪かったり、プラスチックフィルムを支持体
とする粘着剤塗工物としては粘着剤層の透明性の点で難
があったり、粘着剤層が熱の影響を受け黄変したり、ま
た粘着剤の経時安定性の点で難がある。
【0005】尚、「裁断性が良い」とは、例えば粘着剤
塗工物の原反等を切る際に、粘着剤層が刃に付着し難い
ことをいう。即ち、一般に各種粘着剤塗工物は、広幅か
つ長尺の塗工物、いわゆる原反をまず製造し、次いでこ
れを所望の幅や長さに切る。さらにラベルやシールと称
される小さな切片の場合、必要とする切片の周囲に切り
込みを入れたり、周辺部分を剥離性シートから切り取っ
てしまうこともある。このような加工の際に粘着剤層が
刃に付着し難いことが要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の難点故に、耐水
性のみならず粘着物性全てにわたって水性タイプの粘着
剤のレベルアップが望まれていた。本発明は、これら従
来の水性アクリル系共重合体を含有する水性粘着剤の持
つ欠点を克服し、溶剤型アクリル系共重合体以上の耐水
性と同等のその他諸粘着物性を有する水性粘着剤組成物
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(a)80〜99.8重量%、
重合性不飽和カルボン酸(b)0.1〜10重量%、及
びアルコール性水酸基を具有し、上記(a)、(b)と
共重合可能なビニルモノマー(c)0.1〜10重量%
からなるモノマー100重量部を、上記(a)〜(c)
と共重合可能なエチレン性不飽和基を具有する反応性界
面活性剤(d)0.1〜10重量部の存在下に、水媒体
中で乳化重合して得られるアクリル共重合体エマルショ
ン(A)と、炭酸ジルコニルアンモニウム(B)とを含
有することを特徴とする水性粘着剤組成物であり、
【0008】第2の発明は、アクリル共重合体エマルシ
ョン(A)の固形分100重量部に対して、炭酸ジルコ
ニルアンモニウム(B)を0.1〜5.0重量部含有す
ることを特徴とする第1の発明に記載の水性粘着剤組成
物であり、第3の発明は、アクリル共重合体エマルショ
ン(A)のゲル分率が20%〜50%であり、該エマル
ション中の分散粒子の平均粒子径が60〜300nmで
あることを特徴とする第1又は第2の発明に記載の水性
粘着剤組成物である。
【0009】さらに第4の発明は、第1ないし第3の発
明いずれかに記載の水性粘着剤組成物を用いてなる粘着
剤塗工物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いるアクリル共重合体
エマルション(A)について説明する。アクリル共重合
体エマルション(A)は、炭素数1〜14のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)8
0〜99.8重量%、重合性不飽和カルボン酸(b)
0.1〜10重量%、及びアルコール性水酸基を具有
し、上記(a)、(b)と共重合可能なビニルモノマー
(c)0.1〜10重量%からなるモノマー100重量
部を、上記(a)〜(c)と共重合可能なエチレン性不
飽和基を具有する反応性界面活性剤(d)0.1〜10
重量部の存在下に、水媒体中で乳化重合して得られるも
のである。尚、本発明でいうアクリル共重合体は、メタ
クリル酸アルキルエステルの共重合体をも含むものであ
る。
【0011】アルキル基の炭素数が1〜14個の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(a)は、アクリル共
重合体の主成分となるものであり、アルキル基の炭素数
が4〜12個の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが
好ましい。アルキル基の炭素数が1〜14個の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(a)としては、例えばア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸デシル、アクリル酸ドデシル等の直鎖または分岐
脂肪族アルコールのアクリル酸エステル及び対応するメ
タクリル酸エステルが挙げられる。これらは2種以上使
用することができる。アクリル共重合体を構成する際使
用される全モノマー100重量%中に、上記(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル(a)を50〜99.8重量
%含有する。
【0012】アクリル共重合体を得る際に使用される重
合性不飽和カルボン酸(b)としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン
酸、クロトン酸が挙げられ、これらは2種以上使用する
ことができる。アクリル共重合体を構成する際使用され
る全モノマー100重量%中に、全単量体100重量%
中に重合性不飽和カルボン酸(b)を0.1〜10重量
%含有することが重要である。
【0013】アクリル共重合体を得る際に使用されるア
ルコール性水酸基を具有し、上記(a)及び(b)と共
重合可能なビニル単量体(c)について説明する。ビニ
ル単量体(c)に由来するアルコール性水酸基は、後述
する炭酸ジルコニルアンモニウム(B)と反応する機能
を担う。アルコール性水酸基を有するビニル単量体
(c)としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシル
エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルプロピ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシルブチルが挙げ
られ、2種以上使用することができる。アクリル共重合
体を構成する際使用される全モノマー100重量%中
に、全単量体100重量%中にアルコール性水酸基を有
するビニル単量体(c)を0.1〜10重量%含有する
ことが重要である。
【0014】アクリル共重合体エマルション(A)を得
る際には、上記(a)〜(c)以外にもその他の共重合
可能なビニルモノマーを使用することができる。例え
ば、ポリエチレングリコールアクリレート、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、モノ−(2
−ヒドロキシルエチル−α−クロロアクリレート)アシ
ッドホスフェート、ビニルブロックトイソシアネート
等、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−メチルアミノエチルアクリレー
ト、N−トリブチルアミノエチルアクリレート、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリル
アミド、ビニルピロリドン、ビニルエステル、ビニルピ
リジン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、
クロロプレン等を使用することができる。これらその他
のモノマーは、2種以上使用することができる。尚、こ
こでいうその他のモノマーは後述する反応性界面活性剤
(d)以外のものを言う。これらその他のモノマーは、
全モノマー100重量%中に0〜5重量%の範囲で使用
することが好ましい。
【0015】本発明において使用されるアクリル共重合
体エマルション(A)を得る際には上記(a)〜(c)
と共重合可能なエチレン性不飽和基を具有する反応性界
面活性剤(d)を全モノマー100重量部に対して、
0.1〜10重量部を用いることが重要であり、0.1
〜5.0重量部用いることが好ましく、0.5〜2.0
重量部用いることがより好ましい。
【0016】反応性界面活性剤(d)のうちアニオン系
界面活性剤としては、ノニルフェニル骨格の旭電化工業
(株)製「アデカリアソープSE−10N」、第一工業
製薬(株)製「アクアロンHS−10、HS−20」
等、長鎖アルキル骨格の第一工業製薬(株)製「アクア
ロンKH−05、KH−10」、旭電化工業(株)製
「アデカリアソープSR−10N」等、燐酸エステル骨
格の日本化薬(株)製「KAYARAD」等が挙げられ
る。このようなアニオン系界面活性剤量は、使用する界
面活性剤成分100重量%中に50〜100重量%であ
ることが好ましい。
【0017】反応性界面活性剤(d)のうちノニオン系
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル類、ポリオキシエチレンフェニルエーテル類、ソル
ビタン高級脂肪酸エステル類、グリセリン高級脂肪酸エ
ステル類の分子末端あるいは中間部に不飽和二重結合を
具有し、上記した(a)〜(c)及びその他のモノマー
と共重合し得るものに限られる。例えば、旭電化工業
(株)製「アデカリアソープNE−10」、第一工業製
薬(株)製「アクアロンRN−10、RN−20、RN
−50」、日本乳化剤(株)製「アントックスNA−1
6」等が挙げられる。
【0018】アクリル共重合体エマルション(A)を得
る際には、さらに補助的に、耐水白化を妨げない程度の
非反応性界面活性剤の添加も可能である。例えば、非反
応性界面活性剤としては、日本乳化剤(株)製の「ニュ
ーコールSFシリーズ」、「ニューコール2360」、
「RA−9314」、「RA−9607」等が挙げられ
る。このような非反応性界面活性剤は、反応性界面活性
剤を主とする界面活性剤の総量100重量%中に0〜5
0重量%であることが好ましい。
【0019】本発明において使用されるアクリル共重合
体エマルション(A)は、反応性界面活性剤(d)の存
在下に、上記(a)〜(c)等を乳化重合してなるもの
である。重合反応を開始するに当たっては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩またはアゾビス
系カチオン塩または水酸基付加物等の水溶性の熱分解型
過重合開始剤を用いる。
【0020】またレドックス開始剤を用いることができ
る。レドックス開始剤としては、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイドなどの有機過酸化物とロンガリッ
ト、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わ
せ、または過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムとロン
ガリット、チオ硫酸ナトリウムなどの組み合わせ、過酸
化水素水とアスコルビン酸の組み合わせ等が用いられ
る。
【0021】さらに乳化重合するに際しては、得られる
アクリル共重合体の分子量や分子量分布を制御するため
に各種連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤
としてが、メルカプタン系、チオグリコール系、βメル
カプトプロピオン酸系のアルキルエステルを使用するこ
とができる。使用量は、モノマー全量100重量部に対
して0.01〜0.2重量部が好ましく、0.05〜
0.1重量部がより好ましい。
【0022】得られるアクリル共重合体エマルション
(A)のゲル分率は、20%〜50%でありことが好ま
しい。また粘着剤塗工物の耐水性を考慮すると分散粒子
の平均粒子径が60〜300nmであることが好まし
く、80〜250nmであることがより好ましい。ま
た、得られるアクリル共重合体エマルション(A)は、
BL型粘度計6000rpm、#4ローター、1分計測
したときの粘度が、1000〜10000mPa・sで
あることが好ましく、2000〜5000mPa・sで
あることがより好ましい。 またpHは径時保存安定
性、作業環境性の観点から4〜9であることが好まし
く、7.0〜8.5であることがより好ましい。
【0023】本発明の粘着剤組成物は、上記のアクリル
共重合体エマルション(A)に下記の構造を持つ炭酸ジ
ルコニルアンモニウム(B)を配合してなるものであ
る。 (NH42ZrO(CO32 炭酸ジルコニルアンモニウム(B)は、水中で加水分解
し、下記構造を呈するものと考えられる。 (NH42Zr(CO32(OH)2 そして、生じた水酸基が、アクリル共重合体のエマルシ
ョン(A)中のアルコール性水酸基を有するモノマー
(c)由来のアルコール性水酸基と以下のように反応
し、架橋構造を形成するものと考えられる。
【0024】
【化1】
【0025】このような炭酸ジルコニルアンモニウム
(B)としては、第一稀元素化学工業(株)製のジルコ
ゾールAC−7が例示される。
【0026】アクリル共重合体中のアルコール性水酸基
と炭酸ジルコニルアンモニウムの水酸基との反応を利用
する本発明の水性粘着剤組成物は、ジケトンとヒドラジ
ド、カルボン酸とエチレンイミン、カルボン酸とオキサ
ゾリン、カルボン酸とカルボジイミド、カルボン酸とエ
ポキシ基等の反応を利用する従来の粘着剤よりも、粘着
物性と裁断性のバランス、フィルム支持体用粘着剤とし
ての透明性、熱経時後の黄変性、粘着剤の経時安定性等
の点においてより優れている。また、エチレンイミンや
オキサゾリンを使用する場合には毒性の点でも難がある
のに対し、本発明の場合そのような懸念も無い。
【0027】本発明の水性粘着剤組成物は、上記アクリ
ル共重合体エマルション(A)の固形分100重量部に
対して、炭酸ジルコニルアンモニウム(B)を0.1〜
5.0重量部含有することが好ましく、0.15〜3.
0重量部含有することがより好ましい。
【0028】本発明の粘着剤組成物は、さらに粘着性付
与剤を含有する事も出来る。例えば、ロジン樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリテルペン、アセチレン樹脂、石油系炭
化水素樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、合成ゴム、
天然ゴム等を粘着性付与剤として粘着剤組成中に含有し
ても良い。
【0029】更には、本発明の粘着剤組成物の処方構成
上、必要に応じて種々の添加剤を含有することができ
る。例えば、濡れ剤(はじき防止の界面活性剤等)、消
泡剤、中和剤、可塑剤、増粘剤、充填剤、着色剤、防腐
剤、防黴剤、溶剤等が挙げられる。
【0030】次に本発明の粘着剤塗工物について説明す
る。本発明の粘着剤塗工物は、種々のシート状支持体の
少なくとも一方の面に上記粘着剤組成物から形成される
粘着剤層が積層されてなるものであり、粘着剤層の他方
の面は剥離性シートに被覆された状態で提供することが
できる。
【0031】本発明の粘着剤塗工物は、例えば以下のよ
うにして得られる。剥離性シート上に粘着剤組成物をコ
ンマコータ、リバースコータ、スロットダイコータ、リ
ップコータ等で塗工し、乾燥した後、粘着剤層の上にシ
ート状支持体を積層することにより得ることができる。
用いられるシート状支持体としては、PET、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、塩化ビニル等のプラスチッ
クフィルムが挙げられる。また、粘着剤塗工物の粘着剤
層は、乾燥重量で5〜50g/m2であることが好まし
く、15〜25g/m2であることがより好ましい。得
られた粘着剤塗工物は、フィルム・ラミネート用、ラベ
ル用、テープ用、建材用及び包装材料用粘着シートとし
て使用され、水滴のかかる場所など耐水性を必要とする
場所での使用においても有効な粘着性を保持し、汎用粘
着剤シートとしても有用なものである。
【0032】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 例中
「部」は「重量部」、「%」は「重量%」である。
【0033】[実施例1]アクリル酸ブチル48部、ア
クリル酸2エチルヘキシル48部、アクリル酸2部、ア
クリル酸ヒドロキシエチル2部、これら全モノマー10
0部に対してチオグリコール酸オクチル0.06部、反
応性アンモニア中和型アニオン性乳化剤として第一工業
製薬社製アクアロンKH−10を2.0部(固形分)、
イオン交換水28.5部(エマルション固形分が75%
になるように)を添加し、乳化して滴下ロートに仕込ん
だ。
【0034】攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備
えた重合槽に、イオン交換水80部及びアクアロンKH
−10を固形分で0.12部仕込み、窒素ガスで飽和さ
せて攪拌し、80℃に加熱し、5%過硫酸アンモニウム
水溶液を固形分で0.075部添加した。次いで、予め
乳化した上記滴下ロートのエマルションの滴下を開始
し、これと並行して5%過硫酸アンモニウム水溶液を固
形分で0.225部、3時間かけて滴下した。反応温度
を80℃に保ったまま滴下終了30分後、10%過硫酸
アンモニウム水溶液を固形分で0.04部を30分おき
に2回に分けて添加した。さらに攪拌しながら80℃で
2時間熟成した後、冷却してアンモニアで中和しアクリ
ル共重合体エマルションを取り出した。該エマルション
の不揮発分は45%、平均粒子径は150nm、ゲル分
率は38%であった。
【0035】不揮発分は、上記アクリル共重合体エマル
ションを電気オーブンで150℃−30分乾燥し、乾燥
前後の重量から求めた。また、平均粒子径の測定は、日
機装(株)製マイクロトラックで行った。ゲル分率は、
上記アクリル共重合体エマルションを50μPETフィ
ルムに乾燥膜厚が15〜20μになるように塗工、乾燥
した後、10cm×3cmの大きさに切り、12cm×
5cmの寸法の200メッシュのステンレス網に貼付
し、酢酸エチルの環留中に6時間浸漬し、浸漬の前後の
粘着剤層の重量から求めた。
【0036】上記で得たアクリル共重合体エマルション
に対して濡れ剤、防腐剤を加え、更にアンモニア水でp
Hを8.5に調整後、アクリル共重合体共重合体の固形
分100部に対して、第一稀元素化学工業(株)製のジ
ルコゾールAC−7(不揮発分13%)を固形分換算で
1部添加した。さらに増粘剤で3000mPa・s(B
L型粘度計、#4ロータ・60rpmにて測定)に増粘
し、粘着剤を得た。
【0037】該粘着剤をコンマコータで市販の離型紙に
乾燥膜厚20g/m2となるように塗工速度約4m毎分
で塗工し、ボディーオーブン中を90℃−35秒間通過
させ分散媒を除去した後に、25μPETフィルムをラ
ミネートして巻き取り、粘着剤塗工物を得た。これを2
3℃−50%の恒温室で9kg/(20cm×30cm)の荷重下
に48時間放置した。
【0038】<耐水性試験>上記粘着塗工物の剥離紙を
剥がし、粘着剤層にアルミ蒸着PETのアルミ面を積層
(ラミネート)し、PET/粘着剤層/アルミ蒸着PE
Tからなる積層物を得た。次いで該積層物を60℃温水
中に24時間浸漬し、取り出した後すぐにPET側から
L値(反射)を分光測色計(スガ試験機(株)製)によ
り計測した。
【0039】<HAZE(曇価)>上記粘着塗工物の剥
離紙を剥がし、粘着剤層をガラス板に貼着後、分光測色
計(スガ試験機(株)製)により計測した。
【0040】<接着力試験>上記粘着塗工物の剥離紙を
剥がし、粘着剤層を研磨したステンレス板またはポリエ
チレン板に、貼着し、2kgロールで1往復した後、2
4時間後の180℃剥離試験で計測した。
【0041】<保持力試験>10cm×25mmの上記
粘着塗工物の剥離紙を剥がし、粘着剤層を研磨したステ
ンレス板に25mm×25mmの面積で貼付し2kgロ
ールで1往復した後、40℃雰囲気で1kgの荷重をか
けて最大7万秒放置し、落下するまでの時間または貼付
位置のずれの距離を計測した。
【0042】<ボールタック>「JIS Z 0237
傾斜式ボールタック」に準拠して試験した。
【0043】<裁断性>上記粘着塗工物を10cm×1
0cmの大きさに切り、20枚重ねでカッターで切り落
とし、刃に粘着剤の付着する様子を観察した。
【0044】<加熱黄変性>上記粘着塗工物の剥離紙を
剥がし、粘着剤層をガラス板に貼着後、120℃−48
時間暴露前後のY値を分光測色計(スガ試験機(株)
製)により求め、その差を求めた。
【0045】[実施例2]実施例1においてアクリル共
重合体エマルションを得る際に、滴下用のモノマーエマ
ルション中に、モノマー100重量部に対して2.0重
量部含有させておいた重合用界面活性剤「アクアロンK
H−10」を1.5重量部とし、非反応性界面活性剤ニ
ューコール1860」(日本乳化剤(株)製)を0.5
重量部併用した。得られたアクリル共重合体エマルショ
ンの固形分100部に対して、ジルコゾールAC−7
(不揮発分13%)を固形分換算で2部添加した以外は
実施例1と同様にして粘着剤を得、評価した。
【0046】[実施例3]アクリル共重合体エマルショ
ン固形分100部に対して、ジルコゾールAC―7(不
揮発分13%)を固形分換算で5部添加した以外は実施
例1と同様にして粘着剤を得、評価した。
【0047】[実施例4]イオン交換水80重量部に対
しアクアロンKH−10を0.12部添加する代わり
に、イオン交換水80重量部に対しアクアロンKH−1
0を0.06部添した以外は実施例1と同様にして粘着
剤を得、評価した。
【0048】[比較例1]ジルコゾールAC―7を添加
しない以外は実施例1と同様にして粘着剤を得、評価し
た。
【0049】[比較例2]アクリル酸ヒドロキシエチル
2部の代わりにダイアセトンアクリルアミド2部用いて
重合を行い、アクリル共重合体エマルションを得、該ア
クリル共重合体エマルション固形分100部に対して6
%アジピン酸ジヒドラジド水溶液を1部添加した以外は
実施例1と同様にして粘着剤を得、評価した。
【0050】[比較例3]滴下用のモノマーエマルショ
ン中の反応性界面活性剤「アクアロンKH−10」の代
わりに、非反応性界面活性剤「RA−9614」(日本
乳化剤(株)製)を用い、重合槽には反応性界面活性剤
「アクアロンKH−10」を入れなかった以外は実施例
1と同様にして粘着剤を得、評価した。
【0051】[参考例]粘着剤組成物として溶剤型の東
洋インキ製造(株)製BPS−5160を用いた以外は
実施例1と同様にして粘着剤を得、評価した。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1〜4は、水性粘着剤組成物の比較
例1〜3及び溶剤型粘着剤組成物の参考例に比して、各
被着体への接着力の低下が無く、耐水白化、裁断性、加
熱経時黄変性等何れも良好な結果を得た。
【0054】
【発明の効果】本発明により、溶剤型粘着剤組成物と同
様以上の粘着物性、耐水白化、裁断性、加熱経時黄変性
の良好な水性粘着剤組成物を使用することにより、広範
囲な用途のフィルム基材の粘着剤ラベルシートを提供す
るものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 220/18 C08F 220:04 220:04 220:26 220:26) Fターム(参考) 4J004 AA10 AA18 CA04 CA05 CA06 4J011 KA06 KA09 KA14 KB14 KB29 4J040 DF041 DF051 GA05 GA07 HB15 HB30 HD41 JA03 KA38 LA03 LA06 LA07 4J100 AJ02Q AJ09Q AL03P AL04P AL05P AL08R BA03 CA04 CA05 FA20 JA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜14のアルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル(a)80〜9
    9.8重量%、重合性不飽和カルボン酸(b)0.1〜
    10重量%、アルコール性水酸基を具有し、上記
    (a)、(b)と共重合可能なビニルモノマー(c)
    0.1〜10重量%を含有するモノマー100重量部
    を、上記(a)〜(c)と共重合可能なエチレン性不飽
    和基を具有する反応性界面活性剤(d)0.1〜10重
    量部の存在下に、水媒体中で乳化重合して得られるアク
    リル共重合体エマルション(A)と、炭酸ジルコニルア
    ンモニウム(B)とを含有することを特徴とする水性粘
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル共重合体エマルション(A)の
    固形分100重量部に対して、炭酸ジルコニルアンモニ
    ウム(B)を0.1〜5.0重量部含有することを特徴
    とする請求項1記載の水性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル共重合体エマルション(A)の
    ゲル分率が20%〜50%であり、該エマルション中の
    分散粒子の平均粒子径が60〜300nmであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の水性粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の水性粘
    着剤組成物を用いてなる粘着剤塗工物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006045410A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 再剥離型水性粘着剤組成物
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JP2016196639A (ja) * 2009-09-25 2016-11-24 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co. KGaA 金属基材へポリマーを貼り合わせるための水系接着剤

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JP4707982B2 (ja) * 2004-08-06 2011-06-22 日本合成化学工業株式会社 再剥離型水性粘着剤組成物
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