JP2003305798A - バリアー性包装材料積層体および包装体 - Google Patents
バリアー性包装材料積層体および包装体Info
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Abstract
通常は優れた気密性を有するが開封時には強い抵抗感が
なく開封感が良好で、手でスムーズに開封することがで
きる、ガスバリア性、保香性、ラミネート接着性に優れ
た包装材料積層体及び前記包装材料積層体を用いた開封
性の優れた包装体を提供すること。 【解決手段】 プラスチックフイルムの少なくとも一方
の表面に金属あるいは無機薄膜層を設け、該無機薄膜層
上にポリエステル系樹脂もしくはポリウレタン系樹脂と
メラミン樹脂を含む樹脂組成物からなるコーティング
層、接着剤層、ヒートシール性樹脂層を順次積層してな
る バリアー性積層材料。
Description
包装体に関し、特に、プラスチックフィルムに無機酸化
物薄膜層を形成した、特にガスバリア性に優れ、食品、
医薬品、化学薬品、医療用機器、電子部品など包装時に
は気密性が要求され、かつ、内容物取り出し時には、容
易に開封することが求められる物品の包装に用いるのに
適した包装材料積層体及び包装体に関するものである。
スバリア性を有し、透明で、環境負荷の小さいフレキシ
ブルフィルムとして、プラスチックフィルム上に無機薄
膜層を形成したガスバリア性積層体が知られている。こ
のようなガスバリア性積層体上にさらにヒートシール性
を有する樹脂層を積層したものは、食品、医薬、化学薬
品、医療用機器、電子部品等の包装用に製袋し、包装体
として用いられる。
ム、それを用いたガスバリア性積層体は以下の様な問題
点がある。例えば、内容物を取出すときに包装袋や物品
の外装を開封するが、これらの包装材料を用いた包装袋
や物品の外装の破壊強度が高いために老人、子供の力で
は簡単に開封できない包装袋や物品の外装があり、ま
た、さらに力を入れて開封したときに、その勢いが強い
ため内容物が包装袋や物品の外装から一度に飛び出し、
飛散することがある。このような不便さは、特に無機蒸
着層を有するガスバリア積層体において顕著である。ま
た、無機蒸着薄膜からなるバリア層自体が可ぎょう性に
劣るため、フイルムにかかる力学的ストレスにより無機
蒸着薄膜にクラックが発生し、バリア性が著しく低下す
るという問題点もある。フイルムへのストレスとして
は、例えば取り扱い時の折り曲げ、印刷・ラミネート・
加工時のテンションによるフイルムの寸法変化、印刷イ
ンキ中の無機顔料による無機蒸着薄膜への擦過キズ、ド
ライヤーの熱による収縮・膨張等が挙げられる。これら
の問題に対して従来より各種コーティング剤を無機蒸着
薄膜層上に塗布する方法がとられていたが、耐水性が不
足しているため水分により接着性が低下するもの、また
それらを満足しても包装体として使用した際の開封性が
不足しているものしかなく、バリア性包装材料もしくは
包装体としての品質を満足するものは得られていない。
例えば、特開2001−096677に記載されている
ブタジエン系コーティング剤については開封性は優れる
ものの、高湿度下では接着性が低下するため用途が限定
されてしまう。また、特開平11−263379に記載
されている無機蒸着薄膜上にシランカップリング剤を含
む水・アルコール組成物をコーティングした場合には接
着性、バリアー性は良好なものが得られるが、開封性に
対しては効果が無い。
装材料積層体及び包装体の有する問題点を解決し、加工
時・取り扱い時のバリア性低下が無く、通常は優れた気
密性を有するが開封時には強い抵抗感がなく開封感が良
好で、手でスムーズに開封することができる、ガスバリ
ア性、保香性、ラミネート接着性に優れた包装材料積層
体及び前記包装材料積層体を用いた開封性の優れた包装
体を提供することを目的とする。
ため、本発明の包装材料積層体及び包装体は、プラスチ
ックフイルムの少なくとも一方の表面に金属あるいは無
機薄膜層を設け、該無機薄膜層上にポリエステル系樹脂
もしくはポリウレタン系樹脂とメラミン樹脂を含む樹脂
組成物からなるコーティング層、接着剤層、ヒートシー
ル性樹脂層を順次積層してなる バリアー性積層材料を
使用することによりガスバリア性、保香性、良好なラミ
ネート接着性を有し、かつ、強い抵抗感がなく、開封性
が良好で、手でスムーズに開封することができる包装体
を製造し得ることを発見した。
層が、少なくとも酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む
多元系無機酸化物薄膜であることが好適である。
ング層が無機酸化物薄膜層とラミネート用接着剤との間
にあることが好適である。
び包装体の実施の形態を説明する。
は、有機高分子樹脂からなり、溶融押出し後、長手方向
及び/又は幅方向に延伸し、さらに熱固定、冷却を施し
たフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2、6−ナフタレート、ナイロン6、ナイ
ロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリ塩化ビニー
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニールアルコール、全
芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルホンなどがあげられる。こ
れらの有機高分子は、他の有機重合体を少量共重合をし
たり、ブレンドしたりしてもよい。
体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
‐ε‐アミノへプタン酸(ナイロン7)、ポリ‐ε‐ア
ミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド
(ナイロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン1
2)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2・
6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4・
6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6・
6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・1
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6・1
2)、ポリオクタメチレンドデカミド(ナイロン6・1
2)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8・
6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン10・
6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン10・1
0)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン12・
12)、メタキシレンジアミン‐6ナイロン(MXD
6)などを挙げることができ、これらを主成分とする共
重合体であってもよく、その例としては、カプロラクタ
ム/ラウリンラクタム共重合体、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジぺート共重合体、ラウリ
ンラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート
共重合体、ヘキサメチレンジアンモニウムアジぺート/
ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体、エ
チレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレンジア
ンモニウムアジぺート共重合体、カプロラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジぺート/ヘキサメチレン
ジアンモニウムセバケート共重合体などを挙げることが
できる。これらのポリアミドには、フィルムの柔軟性改
質成分として、芳香族スルホンアミド類、p‐ヒドロキ
シ安息香酸、エステル類などの可塑剤や低弾性率のエラ
ストマー成分やラクタム類を配合することも有効であ
る。
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレートなど
が用いられるが、これらを主成分とする共重合体であっ
ても良く、ポリエステル共重合体を用いる場合、そのジ
カルボン酸成分の主成分がテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸又は2,6‐ナフタレンジカルボン酸など
の芳香族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリ
ロット酸などの多官能カルボン酸の他にアジピン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが用いられる。
また、グリコール成分の主成分がエチレングリコール又
は1,4‐ブタンジオールである他ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールな
どの脂肪族グリコール、p‐キシリレングリコールなど
の芳香族グリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環族グリコール、平均分子量が150〜2
0000のポリエチレングリコールなどが用いられる。
ポリエステル中の好ましい共重合成分の比率は20%以
下である。共重合成分が20%を超えるときはフィルム
強度、透明性、耐熱性などが劣る場合がある。これらの
有機高分子は、さらに他のの有機高分子を少量共重合し
たり、ブレンドしても良い。
物,例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑
剤、着色剤、などを添加されてもよく、フィルムとして
の透明度は特に限定するものではないが、透明性を有す
る包装材料積層体として使用する場合には、50%以上
の透過率をもつものが望ましい。本発明におけるプラス
チックフィルムは、本発明の目的を損なわないかぎりに
おいて、薄膜層を積層するに先行して、前記プラスチッ
クフィルムをコロナ放電処理、グロー放電、火炎処理、
表面粗面化処理等の表面処理を施しても良く、また、公
知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施されても良
い。本発明におけるプラスチックフィルムは、その厚さ
として3〜500μmの範囲が望ましく、さらに好まし
くは、6〜300μmの範囲である。
としてはマグネシウム、アルミニウム、チタン、クロ
ム、ニッケル、インジウムなど薄膜にできるものなら特
に制限はないが、コスト等の点で、より好ましくはアル
ミニウムである。
に加え、無機酸化物薄膜が挙げられる。例えば、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜に
できるものなら特に制限はないが、好ましくは酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムであり、さら
に好ましくは、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多
元系無機酸化物薄膜の方がカット性およびガスバリア性
に優れる。その理由としては、多元系無機酸化物薄膜は
薄膜中の無機物の比率により膜のフレキシブル性・バリ
ア性を変化させることが可能であり、性能バランスの取
れた、良好な薄膜を得ることができるためである。また
酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物
薄膜と接着剤層との間において高い密着力が得られやす
く、ヒートシール性樹脂層が剥離しにくいからである。
ここでいう、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元
系無機酸化物薄膜とは、無機酸化物からそれ自体公知の
方法で形成された薄膜であって、無機酸化物とは、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜
化できる無機酸化物であれば特に制限はないが、好まし
い無機酸化物は酸化アルミニウム、酸化ケイ素を含む多
元系無機酸化物薄膜、より好ましくは酸化ケイ素・酸化
アルミニウム二元系無機酸化物薄膜である。ここでいう
酸化ケイ素とはSi、SiOやSiO2などの各種珪素
酸化物の混合物からなり、酸化アルミニウムとは、Al
OやAl2O3などの各種アルミニウム酸化物の混合物か
らなり、各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの
製造条件によって異なってくるが、酸化ケイと酸化アル
ミニウムとを併用する場合は無機酸化物薄膜中に占める
酸化アルミニウムの含有量が、20〜99重量%である
のが好ましく、20〜75重量%であるのがより好まし
い。
酸化物薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(重量%)と
の関係を、D=0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄
膜中の酸化アルミニウムの重量%)で示すとき、b値が
1.6よりも小さい領域のときには、酸化ケイ素・酸化
アルミニウム系薄膜の構造が粗となり、また、b値が
2.2よりも大きい領域の場合、酸化ケイ素・酸化アル
ミニウム系薄膜が硬くなる傾向にある。
イ素・酸化アルミニウム系薄膜の比重は、前記薄膜の比
重と薄膜中の酸化アルミニウムの含有量(重量%)D=
0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アル
ミニウムの含有量)という関係式であらわすとき、b値
が1.6〜2.2であるのが好ましく、さらに好ましく
は1.7〜2.1であるが、もちろんこの範囲に限定さ
れるものではない。酸化ケイ素・酸化アルミニウムを含
み、さらに他の無機酸化物を含む多元系無機酸化物薄膜
もガスバリア性積層体としての効果は大きい。
ルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウ
ムの含有量が20重量%未満になると、ガスバリア性が
必ずしも十分ではなくなり、また、酸化ケイ素・酸化ア
ルミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウ
ム量が99重量%を超えると、蒸着膜の柔軟性が低下
し、ガスバリア性積層体の曲げや寸法変化に比較的弱
く、二者併用の効果が低下するといった問題が生じるこ
とがある。
常10〜8,000Å、好ましくは50〜5,000Å
である。膜厚が10Å未満では満足のいくガスバリア性
が得られ難く、また、8,000Åを超えて過度に厚く
しても、それに相当するガスバリア性の向上の効果は得
られず、耐屈曲性や製造コストの点でかえって不利とな
る。
ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜の形成により説明する
と、蒸着法による薄膜形成法としては真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着
法、あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用いら
れる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料と
してSiO2とAl2O3の混合物、あるいはSiO2とA
lの混合物などが用いられる。加熱には、抵抗加熱、高
周波誘導加熱、電子ビーム加熱などを採用することがで
き、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴ
ン、炭酸ガス、水蒸気などを導入したり、オゾン添加、
イオンアシストなどの手段を用いた反応性蒸着を採用す
ることも可能である。さらに、プラスチックフィルムに
バイアスを印加したり、プラスチックフィルムを加熱し
たり冷却するなど、成膜条件も任意に変更することがで
きる。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加熱・
冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用する場
合にも同様に変更可能である。
性に優れ各種処理、例えば、煮沸処理やレトルト処理、
さらにはゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐えることが
できる優れた性能の包装材料積層体及び包装体を得るこ
とが可能となる。かかる、プラスチックフィルムの表面
に無機薄膜層が形成されたガスバリア性積層体は、本発
明の包装材料積層体の少なくとも一部の構成層とされ
る。
ング層が形成されることにより、取り扱い・加工時のス
トレスによるバリアー性低下を防ぐことが可能となり、
更にカット性を向上させることができる。バリアー性低
下の原因は取り扱い時・加工時の各種ストレスにより薄
膜にクラックが発生するためであり、コーティング層に
より無機酸化物薄膜層を保持・保護してクラックを防止
することでバリアーフイルム本来のバリアー性を発揮す
ることができる。また無機酸化物薄膜層と接着剤層、ひ
いてはヒートシール層との密着力を十分に向上させるこ
とによりカット時におけるヒートシール層の剥離を抑制
することができ、切り込み部への応力の集中を可能にす
ることと、トップコート層自身の強度により、ヒートシ
ール層の伸度を抑えることが可能になりカット性の優れ
た積層体が得られる。このような効果が顕著なコーティ
ング層としては、硬化(架橋)樹脂が好ましいと考えら
れる。
する樹脂組成物について説明すると、まずポリエステル
系樹脂としては例えばテレフタル酸とエチレングリコー
ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、テレフタル酸とテトラメチレングリコ
ールとの重縮合により生成する熱可塑性ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、テレフタル酸と1,4−シクロヘキ
サンジメタノールとの重縮合により生成する熱可塑性ポ
リシクロエキサメチレンジメチレンテレフタレート樹
脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコール
との共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、テレフタル酸とエチレングリコールと
1,4−シクロヘキサンジメタノールとの共重縮合によ
り生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂、
テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとプ
ロピレングリコールとの共重縮合により生成する熱可塑
性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステルポリ
オール樹脂等を使用することができる。
するポリウレタン系樹脂としては、例えば多官能イソシ
アネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得
られるポリマー、具体的には例えば、トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメ
チレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポ
リイソシアネート、またヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシ
アネート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテルポ
リオール、ポリエステルポリオール、ポりアクリレート
ポリオール等のヒドロキシル基含有化合物との反応によ
り得られる一液ないし二液型ポリウレタン系樹脂を使用
することができる。
するシランカップリング剤としては、構造式R−Si≡
(X)3 またはR−Si≡(R’)(X)2 (式中、R
はビニル基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基、イソシ
アネート基またはメルカプト基を有する有機基を、R’
は低級アルキル基を、Xはメトキシ基、エトキシ基を表
わす。)で示されるものなら何れのものでもよく、例え
ば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、n−(ジメトキシメチルシリルプロピ
ル)エチレンジアミン等のアミノシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン等のビニルシラン等が挙げられる。
これらシランカップリング剤は2種以上併用してもよ
い。また、アミノ基、イソシアネート基等を持つシラン
カップリング剤はウレタン樹脂製造時に反応させても良
い。シランカップリング剤の含有量は、主成分である樹
脂に対して0.05重量%以上5.0重量%以下である。
より好ましくは1.0重量%以上3.0重量%以下であ
る。0.05重量%未満では接着性が低下する場合があ
る。また、5.0重量%を越えると、引き裂き性が低下
する場合がある。
ン樹脂とメラミン樹脂のコーティングを形成する方法と
しては、特に限定されないが、たとえばコーティングに
よる方法がある。透明蒸着層上へのオーバーコート、印
刷時の一層目のプライマーコートなどが挙げられる。こ
の時のコート厚みとしては0.01μm以上がのぞまし
く、より好ましくは0.1μm〜5μmである。0.0
1μmより少ないときは本発明の効果は望めない。また
必要に応じて充填剤、安定剤、架橋触媒、滑剤、紫外線
吸収剤、その他等の添加剤を本来の性能を阻害しないレ
ベルで添加することも可能である。
はロールコート、グラビアコート、エアーナイフコー
ト、ディップコート、スプレーコート法などのコーティ
ング方式がある。
層とは低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合
体(EVA)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・ア
クリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタアクリル
酸共重合体(EMA)、エチレン・メチルアクリレート
共重合体(EMAA)、エチレン・エチルアクリレート
共重合体(EEA)、エチレン・メチルメタアクリル酸
共重合体(EMMA)、アイオノマー(IO)などによ
り形成されたヒートシール性を有する樹脂層である。
て、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、線状低密度ポリエチレンを溶融押出し樹脂層として
用いたり、ウレタン系やポリエステルウレタン系などの
ドライラミネート用の接着剤を接着層として用いること
が挙げられる。この溶融押出し脂層の厚みとしては、3
〜100μm程度、好ましくは10〜70μm程度であ
るのが一般的である。
をヒートシール性樹脂層として用いることができる。
包装材料、包装体を食品包装について類型別に分ける
と、まず、収納する食品別では、乾燥食品用、水物食品
用、冷凍食品用などに便宜的に分けることができる。乾
燥食品用包装材料及び包装体とは次のような用途に使用
されるものである。適用できる内容物としては、ポテト
チップス、ポップコーンなどのスナック菓子、せんべ
い、おかきなどの米菓類、即席ラーメンやふりかけ、削
り節。海苔などの乾物品、緑茶、コーヒー、紅茶などの
嗜好品、小麦粉、米、麦などの穀物類があり、また、こ
れらに制限されるものではない。
する内容物の要求性に応じ各種フィルムや紙を用いて本
発明の包装材料積層体にラミネートしてよく、代表的な
ラミネート構成としては、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム/無機酸化物薄膜層/コーティング層
/ポリエチレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム/無機酸化物薄膜層/コーティング層/未延伸
ポリプロピレン、二軸延伸ナイロンフィルム/二軸延伸
ポリエチレンテレフタレート/無機酸化物薄膜層/コー
ティング層/ポリエチレン、二軸延伸ナイロンフィルム
/無機酸化物薄膜層/コーティング層/ポリエチレンな
どが考えられる。さらに、装飾又は内容物の説明のため
の印刷を施したり、意匠用フィルムあるいは補強剤など
と貼り合わせてもよい。
は、袋、蓋材、カップ、チューブ、スタンディングパッ
ク、トレイなどがあり、形状、種類に対し、特に制限は
なく、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイ
プ、三方シール、四方シールなどを用いることができ
る。これらの包装材料及び包装体の構成の全部あるいは
一部として本発明の包装材料積層体を用いる。
及び包装体用途で適用できる内容物としては、板・糸こ
んにゃく類、たくあん類、醤油漬け、奈良漬けなどの各
種漬け物類、各種味噌類やたれ、だしのもと、めんつゆ
などと同封された食品や醤油、ソース、ケチャップ、マ
ヨネーズなどの調味料などがあり、又、これらに制限さ
れるものではない。
容物の要求特性に応じ各種フィルムをラミネートして良
く、代表的なラミ構成としては、二軸延伸ナイロンィル
ム/無機酸化物薄膜層/コーティング層/ポリエチレ
ン、二軸延伸ナイロンフィルム/無機酸化物薄膜層/コ
ーティング層/未延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルム/無機酸化物薄膜層/コ
ーティング層/ポリエチレン、二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルム/無機酸化物薄膜層/コーティン
グ層/未延伸ポリプロピレンなどが考えられる。さら
に、装飾又は内容物の説明のための印刷を施したり、意
匠用フィルムあるいは補強剤などと貼り合わせてもよ
い。
は、袋、蓋材、カップ、チューブ、スタンディングパッ
ク、トレイなどがあり、形状、種類に対し特に制限はな
く、例えば、袋物の包装形式としては、ピロータイプ、
三方シール、四方シールなどを用いることができ、これ
らの包装材料及び包装袋の構成の全部あるいは一部とし
て本発明の包装材料積層体を用いる。本発明の包装材料
積層体を構成の一部又は全部とする包装材料及び包装体
は、使用温度範囲が広いため冷凍食品にも適用が可能で
ある。
包装体を形状別に分けると、ペーパーカートン、チュー
ブ用、袋用、カップ用、スタンディングパック用、トレ
イ用などの用途に分けられる。例えばペーパーカートン
とは、複合容器のことをいい、ペーパーカートン用包装
材料としては、紙、プラスチックフィルムなどとガスバ
リア性のあるフィルムとのラミネート品を用いる。形
状、種類としては屋根形(ゲーべルトップ:gable
top)、レンガ型(ブリック型:bricktyp
e)、直方型、カップ型など特に制限はない。また、内
袋、注出口などと組み合わせてよい。本発明におけるペ
ーパーカートン用途として適用できる内容物は、牛乳、
ヨーグルトジュース、炭酸飲料などの飲物、日本酒、焼
酎、ウイスキーなどのアルコール類、醤油、ソースなど
の調味料などがあり、特に、これらに限定されるもので
はない。
装体の他の使用例としては、非伝導性であることを利用
しての電子レンジやマイクロ殺菌用の包装材料や包装体
としても使用可能であり、また脱酸素剤入り包装剤など
の用途としても使われる。これらのラミネート構成、包
装体の形状も同様に各種存在する。本発明の包装材料及
び包装体を構成する包装材料積層体は透明であるととも
に高度なバリア性を有するものである。すなわち、ヒー
トシール層として用いる樹脂の種類、厚さによって異な
るが、例えば、未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ4
0μm)を用いると、酸素透過度が3.0cc/m2・
24hrs・atm以下で、かつ、水分透過率が3.0
g/m2・24hrs以下の優れたバリア性を有する。
したがって、本発明の包装材料積層体からなる包装材料
で包装した食品は長期保存が可能である。また、本発明
の包装材料積層体からなる包装材料は開封時には強い抵
抗感がなく開封感が良好でスムーズに開封することがで
きる。
ール部の端部の切り込み(ノッチ)より、切り込み部の
両端を把持して引き裂いたときの積層体の切れ易さのこ
とで、実際に人の手によって切り込み部の両端を互い違
いに引張り、その時の切れ易さを官能評価によりランク
付けした。加工時のストレスによるバリアー性低下の抑
制効果を確認する方法として、バリアーフイルムの無機
酸化物薄膜上もしくはコーティング層上にグラビア印刷
用インキ(大日精化社製:商品名 ハイラミックR63
0白/DEW添加剤)を用いてグラビア印刷機により速
度100m/minで印刷を実施し、その後ラミネート
によりヒートシール性樹脂を積層してバリアー性積層体
とした状態で JIS K7126 B法に準じ酸素透
過率測定装置(モダンコントロールズ社製OX−TRA
N2/20)を用いて酸素透過度の測定を行った。接着
性の評価としてはヒートシール部強度を測定した。積層
体のヒートシール性樹脂層面を対向させて重ね合わせた
状態でヒートシーラー温度160℃,シール圧力1kg
/cm2,シール時間1秒の条件でヒートシールを行
い、引張り試験機(東洋測機社製:テンシロンUTM)
により試料巾15mm,引張速度200mm/分の条件
で測定を実施した。
を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しな
い限り以下の実施例に限定されるものではない。
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを使用し、ポリ
エステル系樹脂50wt%、メラミン樹脂50wt%、
シランカップリング剤2wt%からなるコーティング組
成物を希釈溶媒として酢酸エチルを用いて固形分10w
t%となるように調製した。次に、二軸延伸ナイロンフ
ィルム上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化
物薄膜を蒸着した厚み15μmのバリア性二軸延伸ナイ
ロンフィルムの蒸着層上に、上記コーティング樹脂組成
物をグラビアロールコート法によってコーティングし、
100℃で5秒間乾燥して厚さ0.5g/m2のコーテ
ィング層を形成した。次に、上記で形成したコーティン
グ層上にポリエステル系2液硬化型接着剤を用いてドラ
イラミネート法により熱接着性樹脂として厚み40μm
の未延伸直鎖状低密度ポリエチレンを貼り合わせ、バリ
アー性積層体を作製した。
ポリエステル系樹脂をポリウレタン系樹脂に変更した以
外は実施例1と同様にコーティング、ドライラミネート
を実施しバリアー性積層体を作製した。
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを使用し、ポリ
エステル系樹脂50wt%、メラミン樹脂50wt%、
シランカップリング剤2wt%からなるコーティング組
成物を希釈溶媒として酢酸エチルを用いて固形分10w
t%となるように調製した。次に、二軸延伸ナイロンフ
ィルム上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無機
酸化物薄膜を蒸着した厚み15μmの二軸延伸ナイロン
フィルムの蒸着層上に、上記コーティング樹脂組成物を
グラビアロールコート法によってコーティングし、10
0℃で5秒間乾燥して厚さ0.5g/m2のコーティン
グ層を形成した。次に該コート層上に厚み20μmの低
密度ポリエチレンを介して、厚み40μmの未延伸直鎖
状低密度ポリエチレンを押出しラミネート法により貼り
合わせたバリアー性積層体を作製した。
フィルム上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無
機酸化物薄膜を蒸着した厚み12μmのバリア性二軸延
伸ポリエステルフィルムに変更した以外は実施例1と同
様にコーティング、ドライラミネートを実施しバリアー
性積層体を作製した。
フィルム上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無
機酸化物薄膜を蒸着した厚み12μmのバリア性二軸延
伸ポリエステルフィルムに変更した以外は実施例3と同
様にコーティング、押出しラミネートを実施しバリアー
性積層体を作製した。
に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無機酸化物薄
膜を蒸着した厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
の蒸着層上に、ポリエステル系2液硬化型接着剤を用い
てドライラミネート法により熱接着性樹脂として厚み4
0μmの未延伸直鎖状低密度ポリエチレンを貼り合わ
せ、バリアー性積層体を作製した。
シランカップリング剤を抜いた以外は実施例1と同様に
コーティング、ドライラミネートを実施しバリアー性積
層体を作製した。
メラミン系樹脂を抜いた以外は実施例2と同様にコーテ
ィング、ドライラミネートを実施しバリアー性積層体を
作製した。
に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無機酸化物薄
膜を蒸着した厚み15μmのバリア性二軸延伸ナイロン
フィルムの蒸着層上に厚み20μmの低密度ポリエチレ
ンを介して、厚み40μmの未延伸直鎖状低密度ポリエ
チレンを押出しラミネート法により貼り合わせたバリア
ー性積層体を作製した。
フィルム上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無
機酸化物薄膜を蒸着した厚み15μmのバリア性二軸延
伸ポリエステルフィルムに変更した以外は比較例1と同
様にドライラミネートを実施しバリアー性積層体を作製
した。
ム上に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系無機酸化
物薄膜を蒸着した厚み15μmのバリア性二軸延伸ポリ
エステルフィルムの蒸着層上に厚み20μmの低密度ポ
リエチレンを介して、厚み40μmの未延伸直鎖状低密
度ポリエチレンを押出しラミネート法により貼り合わせ
たバリアー性積層体を作製した。
て、γ−グリシドキシプロピルメトキシシランを使用し
二軸延伸ナイロンフィルム上に酸化ケイ素と酸化アルミ
ニウムの2元系酸化物薄膜を蒸着した厚み15μmの二
軸延伸ナイロンフィルムの蒸着層上に、上記コーティン
グ樹脂組成物をグラビアロールコート法によってコーテ
ィングし、100℃×10秒間乾燥して厚さ0.1g/
m2のコーティング層を形成した。次に、上記で形成し
たコーティング層上にポリエステル系2液硬化型接着剤
を用いてドライラミネート法により熱接着性樹脂として
厚み40μmの未延伸直鎖状低密度ポリエチレンを貼り
合わせ、バリアー性積層体を作製した。
のバリアー性積層体を前述の評価法を用いて比較評価し
た。その結果を表1に示す。
たガスバリア性、保香性、ラミネート接着性を有し、良
好な気密性を有するが、開封時には強い抵抗感がなく手
でスムーズに開封することができるバリアー性包装材
料、包装体が得られる。
体のヒートシール部の要部を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 プラスチックフイルムの少なくとも一方
の表面に金属あるいは無機薄膜層を設け、該無機薄膜層
上にポリエステルもしくはポリウレタンを主成分とした
樹脂にメラミン樹脂、シランカップリング剤を配合した
樹脂組成物からなるコーティング層を設けた バリアー
性積層体。 - 【請求項2】請求項1記載のバリアー性積層体に接着剤
層、ヒートシール性樹脂層または保護層を順次積層した
ことを特徴とする開封性に優れたバリアー性積層体包装
材料。 - 【請求項3】請求項1,2記載の無機薄膜層が、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムのいずれか
からなる無機酸化物薄膜層であることを特徴とするバリ
アー性積層体包装材料。 - 【請求項4】請求項1,2記載の無機薄膜層が、少なく
とも酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸
化物薄膜層であることを特徴とするバリアー性積層体包
装材料。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のバリアー
性積層体包装材料を用いてなることを特徴とする包装
体。
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