JP2003305526A - すり割り加工方法 - Google Patents

すり割り加工方法

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JP2003305526A JP2003107018A JP2003107018A JP2003305526A JP 2003305526 A JP2003305526 A JP 2003305526A JP 2003107018 A JP2003107018 A JP 2003107018A JP 2003107018 A JP2003107018 A JP 2003107018A JP 2003305526 A JP2003305526 A JP 2003305526A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板金製Vプーリーなどの製造に際しブランク
外周面の板厚方向の任意位置で正確にかつ容易に割るこ
とが可能なすり割り加工方法を提供する。 【解決手段】 円板状の金属製のブランク1が載置され
る回転下型4の上面に、ブランク1の板厚より浅い深さ
のブランク収容凹部5を形成する。すり割りローラーダ
イス11は、これの外周に刃先12を有して、ローラー
軸心まわりに回転させながら前記刃先をブランク収容凹
部5より突出するブランク1の外周部10に押し付けて
半径方向内方へ移動させることにより該外周部10を板
厚方向に二つに割ってすり割り部10a,10bを形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、板金製Vプーリや
板金製ブレーキシューなどの製造に際しブランクの外周
部を板厚方向に二つに割るすり割り加工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、板金製Vプーリの製造に際して
円板状のブランクの外周部を板厚方向に二つに割るすり
割り加工方法とし、円板状の金属製のブランクの外周部
をすり割りローラーダイスによって板厚方向に二つに割
るというものである。そこで使用されるすり割りローラ
ーダイスは外周面の軸方向中央部に楔状の刃部をその円
周方向に突設してあり、その楔状の刃部をブランクの外
周面の板厚方向中央部に押し付けながら、すり割りロー
ラーダイスとブランクとを同期回転させることにより、
ブランクの外周部を板厚方向に二つに割っている(例え
ば、特許文献1参照。)。 【0003】 【特許文献1】特許第2520095号公報 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記すり割
り加工方法では、すり割りローラーダイスの刃部の刃先
が、すり割り当初にブランクの外周面を板厚方向にすべ
り易いため、ブランク外周面の板厚方向の任意位置で割
ることが容易でなかった。とくに、板厚の薄いブランク
を用いる場合、ブランク外周面の板厚方向中央部をすり
割るときのセンター決めや均等割りの不安定、困難性が
顕著であった。 【0005】本発明の目的は、ブランク外周面の板厚方
向の任意位置で正確にかつ容易に割ることが可能なすり
割り加工方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係るすり割り加
工方法は、円板状の金属製のブランクを回転上下型の間
に挟んで保持し、上記ブランクの外周部にすり割りロー
ラーダイスを押し付けて、該ブランクの外周部を板厚方
向に二つに割るすり割り加工方法において、上記回転下
型のブランクが載置される上面に、ブランクの板厚より
浅い深さのブランク収容凹部が形成されており、上記回
転上型は、上記ブランク収容凹部内のブランクの外周部
上面を露出するよう上記回転下型の外径よりも小さい外
径に形成されており、上記すり割りローラーダイスは、
これの外周に刃先を有して、ローラー軸心まわりに回転
させながら前記刃先をブランク収容凹部より突出するブ
ランクの外周部に押し付けて半径方向内方へ移動させる
ことにより該外周部を板厚方向に二つに割るというもの
である。 【0007】 【作用】この方法によれば、回転下型のブランク収容凹
部より突出するブランクの外周部の、ローラーダイス案
内面の高さと一致する位置(すり割り位置)を、すり割
りローラーダイスの刃先で位置ずれなく確実にすり割る
ことができる。したがって、例えば、ブランクの外周部
を板厚方向に均等な厚みで二つに割る場合は、ブランク
収容凹部にブランクを板厚の半分のみが突出するよう収
容しておきさえすれば、ブランクの外周部の板厚方向中
央部を確実にすり割ることができる。つまり、ブランク
の外周部の所望のすり割り位置がローラーダイス案内面
の高さと合うようにブランクをブランク収容凹部に収容
しておけば、ブランク外周部の板厚方向の任意位置で正
確に容易に割ることが可能になる。ブランクの外周部を
含む全体を回転下型の収容凹部内で支持した下で、その
外周部を安定かつ確実にすり割ることができるので、と
くに、板厚の薄いブランクの外周部のすり割りに最適で
ある。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明のすり割り加工方法では、
まず、すり割り工程において、図1の(a)に示すよう
に、プレス成形で円板状に作られた鋼板等の金属製のブ
ランク1を用いる。そのブランク1には中心孔2を設け
ている。ブランク1は第1の回転上型3と回転下型4間
で挟み付けて保持される。その回転下型4のブランク1
を載置する上面には該ブランク1を収容するためのブラ
ンク収容凹部5を環状に形成するとともに、このブラン
ク収容凹部5の外周壁5aの上端外周に連続してローラ
ーダイス案内面6を水平に形成している。 【0009】ブランク収容凹部4の内周側にはブランク
1の中心孔2が嵌合する環状のボス7がこれの中心を回
転上下型3,4の回転軸心と一致するように形成され、
このボス7の上端面7aはブランク収容凹部5内のブラ
ンク1の上面1aと面一になるように形成している。環
状のボス7で囲まれる中央凹部8には回転上型2の下面
中央に突設した突起9が同心状に嵌合するようにしてあ
る。 【0010】回転上型3の外径は回転下型4のそれより
も小径に形成して、ブランク収容凹部5内のブランク1
の外周部10が回転上型3の外周面3aから外側へ所定
量のすり割り深さ分だけ露出するようにしている。 【0011】上記ブランク収容凹部5の深さはブランク
1の板厚よりも浅く設定されて、ブランク1を収容する
と該ブランク1の上面1aがローラーダイス案内面6よ
りも高く突出するようにしている。ブランク収容凹部5
内のブランク1の外周部10の、ローラーダイス案内面
6の高さと一致する位置が、すり割り位置となる。した
がって、ブランク1の板厚とブランク収容凹部5の深さ
との具体的な関係において、例えば、ブランク1の外周
部10の板厚方向中央部をすり割る場合は、ブランク収
容凹部5にブランク1が全厚の半分だけローラーダイス
案内面6よりも高く突出するように収容される。ブラン
ク1の外周部10を板厚方向に1:2の厚み割合ですり
割る場合は、ブランク収容凹部5にブランク1が全厚の
1/3または2/3の厚み分だけローラーダイス案内面
6よりも高く突出するように収容されることになる。つ
まり、ブランク1のブランク収容凹部5からの突出量を
変えることにより、ブランク1の外周部10の板厚方向
の任意位置ですり割ることができる。 【0012】また、すり割り工程では、すり割りローラ
ーダイス11を用意する。このすり割りローラーダイス
11はこれの外周に断面略V形状の刃先12を有してお
り、その刃先12が回転下型4のローラーダイス案内面
5上を半径方向に滑って進退移動するように回転上下型
3,4の一側方に配置される。その際、すり割りローラ
ーダイス11はこれのローラー軸心O2 が回転上下型
3,4の回転軸心O1 に対し傾斜するように配置させて
刃先12でブランク1の外周部10を容易にすり割りで
きるように、また刃先12の背12aがローラーダイス
案内面6に当たって焼き付くことのないように逃げ角α
(例えば、5゜程度)をとってある。刃先12の焼き付
きを防止するためにローラーダイス案内面6には耐摩耗
性に優れる滑剤を塗布することもできる。刃先12のす
くい面12bは凹曲面に形成している。 【0013】すり割りに際しては、すり割りローラーダ
イス11とブランク1とを同期回転させながらすり割り
ローラーダイス11を図1の(a)に矢印aで示すよう
にブランク1の外周部10に近接移動させ、その刃先1
2をローラーダイス案内面6上を半径方向内方に滑らし
て回転上型3の外側でブランク収容凹部5より突出する
ブランク1の外周部10に押し付けながら該外周部10
を板厚方向に二つに割って、一方の刃先12のすくい面
12b上を滑りつつすくわれる上側のすり割り部10a
を、他方のブランク収容凹部5内の下側のすり割り部1
0bから離れるよう立ち上げる。図1の(b)にそのす
り割り状態を示している。この場合、ブランク1のブラ
ンク収容凹部5からの突出量を変えることにより、ブラ
ンク1の外周部10の任意位置を板厚方向に二つにすり
割ることができる。 【0014】すり割りローラーダイス11の押し付けに
よりブランク1の外周部10が上下二つのすり割り部1
0a,10bに形成されるに従い、ブランク1の材料が
その外周方向に引っ張られて移動する現象が生じる。こ
れによりブランク1の中心孔2に拡径方向の変形が生じ
やすい。これを防止するには、図1の(a)に示すごと
くブランク収容凹部5内にブランク1をこれの外周部1
0の最外周面100の少なくとも下側コーナ部100a
がブランク収容凹部5の外周壁5aに当接するように収
容することによって、ブランク1の前述した材料移動現
象を阻止できるようにしておくことが好ましい。ブラン
ク収容凹部5の外周壁5aはその内底面5bに対し直角
な直壁に形成してもよいが、ブランク1をこの収容凹部
5に嵌め込み易くするためには図1の(a)に示すごと
く外周壁5aの高さ方向全長にわたってテ−パ13を付
けるか、または図4に示すごとく外周壁5aの上端とロ
ーラーダイス案内面6が交わるコーナのみにテ−パ13
を付けておくことが好ましい。 【0015】このようにすり割りされたブランク1は、
次の拡開成形工程に移される。この拡開成形工程では、
図2の(a)に示すように、第2の同一外径の回転上下
型14,15と、拡開成形用ローラーダイス16を使用
する。拡開成形用ローラーダイス16はこれの外周面の
軸方向中間部に断面山形状の拡開用刃部17をその円周
方向に突設し、この拡開用刃部17の軸方向上下側に断
面円弧状の溝部18a,18bを形成してなる。そし
て、第2の回転上下型14,15の間にブランク1を上
下のすり割り部10a,10bが回転上下型14,15
の外周面14a,15aより外方へ突出するように挟ん
で保持し、拡開用ローラーダイス16を図2の(a)に
矢印bで示すようにブランク1に近接移動させることに
より、図2の(b)に示すごとくすり割り部10a,1
0bが溝部18a,18bを滑りながら拡開用刃部17
で回転上下型14,15の外周面14a,15aに対し
押し付けられて上下方向に真っ直ぐに拡開する。これに
より回転上下型14,15間で挟持されたブランク1の
一部よりなるウェブ19と、このウェブ19の外周部の
板厚方向両側方へ環状に張り出すすり割り部10a,1
0bよりなるリム20a,20bとを有する形のすり割
り加工品が得られる。 【0016】仕上げ工程では、図3の(a)に示すよう
に、外周面21aに幅強制用溝22をその円周方向に形
成した仕上げ用ローラーダイス21を用い、この仕上げ
用ローラーダイス21を図3の(a)に矢印cで示すよ
うにリム20a,20bに近接移動させて、その幅強制
用溝22で該リム20a,20bを回転上下型14,1
5の外周面14a,15aに対し更に強く押し付けるこ
とにより、図3の(b)のようにリム20a,20bを
真っ直ぐにかつ所定の幅寸法に仕上げることができる。
その際、前工程で図3の(a)に示すごとくリム20
a,20b間の中央に凹部20cが残っている場合はこ
の凹部20cの消失成形をも行う。なお、幅強制用溝2
2の内底面22aは軸心と平行な垂直面に形成するより
も200R程度のアール(図3の(a)中、破線P参
照)を付けておくことが、リム20a,20bが残留ひ
ずみにより仮想線G(図3の(b)参照)で示すごとく
反るのを抑えることができて幅方向に真っ直ぐに仕上げ
られる点で好ましい。 【0017】このようにウェブ19の外周にリム20
a,20bをつけたすり割り加工品は、更に、次工程
で、例えば、リム20a,20bの外周に単一のV溝を
つけることにより板金製Vプーリ(図示せず)を、また
図5に示すごときリム20a,20bの一方または両方
にポリV溝23aを付けることにより板金製ポリVプー
リ23をそれぞれ製造することができる。なお、図5に
示す板金製ポリVプーリ23の加工に使用されるすり割
り加工品としてはウェブ19の中央に中心孔2を囲むボ
ス19aを形成したものが使用されている。また、上記
すり割り加工品は、図6に示すごとくリム20a,20
bの外周面を凸円弧形状に仕上げることにより板金製背
面プーリ24を製造することができ、そのほかに図7に
示すごとき板金製ブレーキシュー25を製造することが
できる。 【0018】上記すり割り加工品を用いて、ドラムブレ
ーキに使用される図7に示すごとき板金製ブレーキシュ
ー25を製造する場合について説明する。図8に示すよ
うに、ウェブ19の外周にリム20a,20bをつけた
上記すり割り加工品を、レーザーあるいはプラズマ溶断
などによりカット線Cに沿って所要形状に切断する。こ
れにより、図7に示すごとくリム20a,20bの一部
で構成される部分円弧形状のシューリム25aと、この
シューリム25aの内周から突設した、ウェブ19の一
部で構成されるシューリブ25bとを有する板金製ブレ
ーキシュー25を簡単に製造することができる。なお、
このブレーキシュー25のシューリム25aの外面に
は、その後、図7に示すごとく摩擦ライニング26が接
着される。その際、摩擦ライニング26の接着強度を上
げるために、摩擦ライニング26を接着する前に、シュ
ーリム25aの外面にローレット加工を施しておくこと
が好ましい。 【0019】図1の(b)のようにすり割りされたブラ
ンク1は、図9のように上側のすり割り部10aを下側
のすり割り部10bに対し直角に整形することにより中
心孔2を有するウェブ19の片面にすり割り部10aで
構成されるボス27を有する形のすり割り加工品とする
こともできる。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、板金製Vプーリや板金
製ブレーキシューなど板金製加工品の製造に際しブラン
クの外周部の板厚方向の任意位置で正確にかつ容易にす
り割ることができ、板金製加工品の精度、品質の向上に
寄与することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】(a)はすり割り加工方法におけるすり割り工
程のすり割り前の説明図、(b)はすり割り加工方法に
おけるすり割り工程の作用説明図である。 【図2】(a)はすり割り加工方法における拡開成形工
程の拡開成形前の説明図、(b)はすり割り加工方法に
おける拡開成形工程の作用説明図である。 【図3】(a)はすり割り加工方法における仕上げ工程
の仕上げ加工前の説明図、(b)はすり割り加工方法に
おける仕上げ工程の作用説明図である。 【図4】すり割り加工方法に使用する回転下型の他例を
示す要部の断面図である。 【図5】すり割り加工品より得られる板金製ポリVプー
リの断面図である。 【図6】すり割り加工品より得られる板金製背面プーリ
の断面図である。 【図7】すり割り加工品より得られる板金製ブレーキシ
ューの断面図である。 【図8】図7の板金製ブレーキシューの製造工程のうち
の切断工程を説明するための正面図である。 【図9】すり割り加工品の他例を示す断面図である。 【符号の説明】 1 ブランク 3 回転上型 4 回転下型 5 ブランク収容凹部 10 ブランクの外周部 11 すり割りローラーダイス

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 円板状の金属製のブランクを回転上下型
    の間に挟んで保持し、前記ブランクの外周部にすり割り
    ローラーダイスを押し付けて、該ブランクの外周部を板
    厚方向に二つに割るすり割り加工方法において、 前記回転下型のブランクが載置される上面に、ブランク
    の板厚より浅い深さのブランク収容凹部が形成されてお
    り、 前記回転上型は、前上記ブランク収容凹部内のブランク
    の外周部上面を露出するよう前記回転下型の外径よりも
    小さい外径に形成されており、 前記すり割りローラーダイスは、これの外周に刃先を有
    して、ローラー軸心まわりに回転させながら前記刃先を
    ブランク収容凹部より突出するブランクの外周部に押し
    付けて半径方向内方へ移動させることにより該外周部を
    板厚方向に二つに割ることを特徴とするすり割り加工方
    法。
JP2003107018A 2003-04-10 2003-04-10 すり割り加工方法 Expired - Lifetime JP3686902B2 (ja)

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