JP2003303750A - 結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法 - Google Patents

結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法

Info

Publication number
JP2003303750A
JP2003303750A JP2002104469A JP2002104469A JP2003303750A JP 2003303750 A JP2003303750 A JP 2003303750A JP 2002104469 A JP2002104469 A JP 2002104469A JP 2002104469 A JP2002104469 A JP 2002104469A JP 2003303750 A JP2003303750 A JP 2003303750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
thermal expansion
aberration
coefficient
elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002104469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3870118B2 (ja
Inventor
Osamu Konuma
修 小沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002104469A priority Critical patent/JP3870118B2/ja
Publication of JP2003303750A publication Critical patent/JP2003303750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3870118B2 publication Critical patent/JP3870118B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子の熱変形による光学系全系に発生す
る収差を効果的に低減させることができる結像光学系、
該光学系を有する露光装置、収差低減方法を提供する。 【解決手段】 複数の反射素子を有する結像光学系であ
って、前記複数の反射素子は、第1の熱膨張係数を有す
る第1の反射素子と、前記第1の熱膨張係数とは異なる
第2の熱膨張係数を有する第2の反射素子とを有する結
像光学系を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ用の
単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基
板などの被処理体を露光する露光装置に関する。本発明
は、特に、露光光源として紫外線や極紫外線(EUV:
extreme ultraviolet)光を利用し
て露光を行う露光装置に好適である。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化及び薄型化の要
請から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への
要求はますます高くなっている。例えば、マスクパター
ンに対するデザインルールはライン・アンド・スペース
(L&S)0.1μm以下の寸法像を広範囲に形成する
ことが要求され、今後は更に80nm以下の回路パター
ン形成に移行することが予想される。L&Sは、露光に
おいてラインとスペースの幅が等しい状態でウェハ上に
投影された像であり、露光の解像度を示す尺度である。
【0003】半導体製造用の代表的な露光装置である投
影露光装置は、マスク又はレチクル(なお、本出願では
これらの用語を交換可能に使用する)上に描画されたパ
ターンをウェハに投影露光する投影光学系を備えてい
る。投影露光装置の解像度(正確に転写できる最少寸
法)Rは、光源の波長λと投影光学系の開口数(NA)
を用いて次式で与えられる。
【0004】
【数1】
【0005】従って、波長を短くすればするほど、及
び、NAを上げれば上げるほど、解像度はよくなる。近
年では、解像度はより小さい値を要求されNAを上げる
だけではこの要求を満足するには限界となっており、短
波長化により解像度の向上を見込んでいる。現在では、
露光光源は、KrFエキシマレーザー(波長約248n
m)及びArFエキシマレーザー(波長約193nm)
からFレーザー(波長約157nm)に移行してお
り、更には、EUV(extreme ultravi
olet)光の実用化も進んでいる。
【0006】しかし、光の短波長化が進むと光が透過す
る硝材が限られてしまうために屈折素子、即ち、レンズ
を多用することは難しく、投影光学系に反射素子、即
ち、ミラーを含めることが有利になる。更に、露光光が
EUV光になると使用できる硝材は存在しなくなり、投
影光学系にレンズを含めることは不可能になる。そこ
で、投影光学系をミラーのみで構成する反射型投影光学
系が提案されている。
【0007】反射型投影光学系においては、ミラーにお
ける反射率を高めるために(即ち、反射した光が強め合
うように)反射面には多層膜が形成されているが、その
反射率は小さく光吸収が大きい。吸収された光は、ミラ
ーを構成する部材の熱膨張係数に従ってミラーを膨張さ
せて収差を発生させ光学性能を劣化させる。そして、光
学性能の劣化の結果、所望の解像度が得られないという
問題を生じる。このため、通常、EUV光を露光光とす
るミラーの部材には低膨張ガラスを用いて光学性能への
影響を小さくしているが、熱膨張がゼロではないために
その影響が無視できない場合がある。そこで、ミラーの
熱膨張による変形を小さくする反射型投影光学系が、例
えば、公開特許平成11年243052号公報、米国特
許第5,986,795号及び公開特許平成11年34
5760号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】また、米国特許第5,
986,795号において提案されている反射型投影光
学系によれば、ミラーの背面に変形部材が設置されたデ
ィフォーマブルミラーで構成されており、このミラーの
変形により収差の調節をしている。
【0009】一方、公開特許平成11年345760号
公報において提案されている反射型投影光学系によれ
ば、ミラーとミラーを保持する保持部材を同一の熱膨張
係数を有する材料で構成し、ミラーの変形を小さくし、
収差の発生を小さくしている。
【0010】そこで、本発明は、上記従来技術と異なる
方法により所望の解像度を得ることができる結像光学
系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法を提供す
ることを例示的目的とする。本発明による新規な方法
は、単独、或いは上記の従来技術のいずれか一つと組み
合わせて結像光学系の収差を従来技術よりも低減する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一側面としての結像光学系は、複数の反射
素子を有する結像光学系であって、前記複数の反射素子
は、第1の熱膨張係数を有する第1の反射素子と、前記
第1の熱膨張係数とは異なる第2の熱膨張係数を有する
第2の反射素子とを有する。かかる結像光学系によれ
ば、第1の熱膨張係数を有する第1の反射素子と、第2
の熱膨張係数を有する第2の反射素子を最適に組み合わ
せることにより反射素子の熱変形に起因する結像光学系
の収差を低減させることができる。波長20nm以下の
EUV光を結像に用いる。前記第1及び第2の反射素子
は、非球面ミラーであることが好ましい。前記結像光学
系は、前記物体面を所望のパターンが形成されたマスク
とし、前記像面を被処理体とする投影光学系である。前
記第1及び第2の反射素子は、異なる材料から製造され
てもよい。
【0012】本発明の別の側面としての収差低減方法
は、複数の光学素子を有する結像光学系の収差を低減す
る方法であって、前記光学素子の各々の熱膨張係数を同
一の第1の熱膨張係数にした場合に、前記光束の受光に
よる熱変形に起因する収差を求めるステップと、前記求
められた収差が低減するように、前記複数の光学素子の
うち少なくとも一の熱膨張係数を前記第1の熱膨張係数
とは異なる第2の熱膨張係数にするステップとを有す
る。かかる収差低減方法によれば、結像光学系を構成す
る複数の光学素子の少なくとも一を他の光学素子の熱膨
張係数と異ならせることにより、結像光学系全体に発生
する光学素子の熱膨張に起因する収差を低減させること
を可能とする。
【0013】本発明の更に別の側面としての収差低減方
法は、複数の光学素子を有する結像光学系の収差を低減
する方法であって、前記光学素子の各々の熱膨張係数を
同一の第1の熱膨張係数にした場合に、前記光束の受光
による熱変形に起因する収差を求めるステップと、前記
求められた収差が低減するように、前記第1の熱膨張係
数とは異なる熱膨張係数を選択するステップとを有す
る。かかる収差低減方法によれば、第1の熱膨張係数と
異なる第2の熱膨張係数を最適に選択することで、光学
系全体に発生する光学素子の熱膨張に起因する収差を低
減させることができる。
【0014】本発明の更に別の側面としての露光装置
は、上述の結像光学系を有する。かかる露光装置によれ
ば、上述した結像光学系を構成要素の一部に有し、優れ
た解像度などの露光性能を実現することができる。
【0015】本発明の更に別の側面としてのデバイス製
造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光する
ステップと、露光された前記被処理体に所定のプロセス
を行うステップとを有する。上述の露光装置の作用と同
様の作用を奏するデバイス製造方法の請求項は、中間及
びその最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及
ぶ。また、かかるデバイスは、LSIやVLSIなどの
半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁
気ヘッドなどを含む。
【0016】本発明の更なる目的又はその他の特徴は、
以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によ
って明らかにされるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の例示的一態様である露光装置について説明する。但
し、本発明はこれらの実施例に限定するものではなく、
本発明の目的が達成される範囲において、各構成要素が
代替的に置換されてもよい。ここで、図1は、本発明の
一側面としての露光装置1の例示的一形態を示す概略構
成図である。
【0018】露光装置1は、図1によく示されるよう
に、照明装置100と、マスク200と、投影光学系3
00と、プレート400と、制御部500とを有する。
【0019】露光装置1は、露光用の照明光としてEU
V光(例えば、波長13.4nm)を用いて、例えば、
ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・
リピート方式でマスク200に形成された回路パターン
をプレート400に露光する投影露光装置である。かか
る露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下
のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態
では、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置
(「スキャナー」とも呼ばれる)を例に説明する。ここ
で、「ステップ・アンド・スキャン方式」は、マスクに
対してウェハを連続的にスキャン(走査)して回路パタ
ーンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了
後ウェハをステップ移動して、次のショットの露光領域
に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピ
ート方式」は、ウェハのショットの一括露光ごとにウェ
ハをステップ移動して、次のショットの露光領域に移動
する露光方法である。また、図1には図示しないが、E
UV光は大気に対する透過率が低いため、少なくともE
UV光が通る光路は真空雰囲気であることが好ましい。
【0020】照明装置100は、例えば、20nm以下
のEUV光(例えば、波長13.4nm)により転写用
の回路パターンが形成されたマスク200を照明し、光
源部110と、照明光学系120とを有する。
【0021】光源部110は、例えば、レーザープラズ
マ光源を使用する。レーザープラズマ光源は、真空中に
置かれたターゲット材に高強度のパルスレーザー光を照
射し、高温のプラズマを発生させる。そして、これから
放射される波長13.4nm程度のEUV光を利用する
ものである。ターゲット材は、金属薄膜、不活性ガス、
液滴などが用いられる。放射されるEUV光の平均強度
を高くするためには、パルスレーザーの繰り返し周波数
は高い方がよく、通常数kHzの繰り返し周波数で運転
される。あるいは、光源部110は、放電プラズマ光源
を用いる。放電プラズマ光源は、真空中に置かれた電極
周辺にガスを放出し、電極にパルス電圧を印加して放電
を起こし高温のプラズマを発生させる。そして、これか
ら放射させる波長13.4nm程度のEUV光を利用す
るものである。但し、光源部110は、これらに限定す
るものではなく、当業界で周知のいかなる技術も適用可
能である。
【0022】照明光学系120は、EUV光を伝播して
マスク200を照明する光学系であり、集光光学系、オ
プティカルインテグレーター、開口絞り、ブレード等を
含む。例えば、集光光学系は、ミラーから構成され、光
源部110からほぼ等方向に放射されるEUV光を集
め、オプティカルインテグレーターは、マスク200を
均一に所定の開口数で照明する。
【0023】なお、光源部110と照明光学系120の
間には、図示しないデブリ除去装置を配置してもよく、
EUV光が発生する際に同時に生じるデブリは、デブリ
除去装置によって除去される。
【0024】マスク200は、EUV光を反射させる多
層膜が施された反射型マスク又は透過型マスク(例え
ば、型抜きマスク)で、その上には転写されるべき回路
パターン(又は像)が形成され、マスクステージ210
に支持及び駆動される。マスク200から発せられた回
折光は、投影光学系300で反射されてプレート400
上に投影される。マスク200とプレート400とは、
光学的に共役の関係に配置される。露光装置1は、ステ
ップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、マ
スク200とプレート400を走査することによりマス
ク200に形成された回路パターンをプレート400上
に縮小投影する。
【0025】マスクステージ210は、マスク200を
支持して図示しない移動機構に接続されている。マスク
ステージ210は、当業界で周知のいかなる構成をも適
用することができる。図示しない移動機構はリニアモー
ターなどで構成され、制御部500に制御されながら少
なくともY方向にマスクステージを駆動することでマス
ク200を移動することができる。露光装置1は、マス
ク200とプレート400を制御部500によって同期
した状態で走査する。
【0026】投影光学系300は、物体面(例えば、マ
スク200面)からの光束を反射を利用して像面(例え
ば、プレート400などの被処理体面)に結像する反射
型投影光学系である。本実施形態において、投影光学系
300は、図2に示すように、例示的に、マスク200
側から光束を反射する順番に光学素子M1乃至M6を有
する。ここで、図2は、図1に示す投影光学系300の
例示的一形態を示す概略断面図である。
【0027】光学素子M1乃至M6は、反射を利用して
光束を結像させる。光学素子M1乃至M6は、例えば、
EUV光を反射させる多層膜が施されたミラーで構成さ
れ、かかる多層膜により光を強め合う作用を奏する。光
学素子M1乃至M6に適用可能な多層膜は、例えば、モ
リブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を反射面に交
互に積層したMo/Si多層膜、又は、Mo層とベリリ
ウム(Be)層を反射面に交互に積層したMo/Be多
層膜などが考えられる。波長13.4nm付近の波長域
を用いた場合、Mo/Si多層膜からなる光学素子M1
乃至M6は67.5%の反射率を得ることができ、ま
た、波長11.3nm付近の波長域を用いた場合、Mo
/Be多層膜からなる光学素子M1乃至M6では70.
2%の反射率を得ることができる。但し、光学素子M1
乃至M6に適用可能な多層膜は、上記した材料に限定さ
れず、これと同様の作用及び効果を有する多層膜の使用
を妨げるものではない。
【0028】投影光学系300は、異なる熱膨張係数を
有する光学素子M1乃至M6を組み合わせて構成されて
いる。従って、光学素子M1乃至M6は、露光光の受光
による熱変形に起因する収差への敏感度が符号及び大き
さともにそれぞれ異なる。即ち、投影光学系300は、
熱膨張係数の異なる光学素子M1乃至M6を最適に組み
合わせることで、投影光学系300全系としての収差を
低減させることができる。例えば、光学素子M1乃至M
6の熱変形による投影光学系300のフォーカス変化
は、各光学素子M1乃至M6に発生するフォーカス変化
の和になるので、投影光学系300のフォーカス変化が
低減するように、光学素子M1乃至M6の変形量、即
ち、熱膨張係数を決定する。
【0029】ここで、投影光学系300において、露光
エネルギー(像面)を0.1W、光学素子M1乃至M6
各面でのエネルギー吸収率を34%、光学素子M1乃至
M6部材の熱膨張係数を0.02E−6/Kとした時の
熱解析結果を、露光光のコヒーレンシーσ(照明光学系
120のマスク側の開口数/投影光学系300のマスク
側の開口数)を0.8として、光学像シミュレーション
して得た結果を示す。
【0030】ここでは、特に、投影光学系300の輪帯
スリットのスリット端におけるスリット長手方向(即
ち、スキャン直交方向)の像ずれ量をミラー毎に表1に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】これら各光学素子での像ずれ量の和が投影
光学系300での像ずれ量となる。従って、この場合の
投影光学系300の像ずれ量は−1.79nmとなり、
EUV光を用いた露光においては許容できない大きさで
ある。
【0033】ここで、例えば、光学素子M3の部材とし
て2倍の熱膨張係数(即ち、0.04E−6/K)を有
するものを用いたとすると、発生する収差量は熱変形に
比例することから表2に示すような像ずれ量が予想でき
る。
【0034】
【表2】
【0035】従って、この場合の投影光学系300の像
ずれ量は0.06nmとなり、光学素子M1乃至M6ま
で同じ熱膨張係数を有する部材で構成した場合に比較し
て、十分無視できるレベルの像ずれ量を達成することが
できる。
【0036】なお、光学素子M3で仮定した2倍の熱膨
張係数(即ち、0.04E−6/K)を有する部材は、
同じ材料から測定値をもって選別して適用してもよい
し、全く別の材料であっても構わない。
【0037】ここでは、単に、一つの収差に注目して、
一つの光学素子の熱膨張係数を異ならせることで、かか
る収差が低減することを説明したが、実際には、他の発
生収差と勘案しながら、投影光学系300全体としての
収差が低減するように、熱膨張係数の異なる光学素子を
組み合わせて投影光学系を構成すればよい。但し、投影
光学系300を構成する光学素子M1乃至M6の全てを
各々異なる熱膨張係数にする必要は必ずしもなく、収差
の発生を低減させる範囲において、一でも熱膨張係数の
異なる光学素子を組み込めばよい。
【0038】また、異なる熱膨張係数は2種類に限定さ
れず、投影光学系300全体としての収差が低減するな
らば、3種類の熱膨張係数、4種類の熱膨張係数など何
種類の熱膨張係数を組み合わせてもよい。例えば、光学
素子M1の熱膨張係数がK1、光学素子M2の熱膨張係
数がK2、光学素子M3の熱膨張係数がK3、光学素子
M4の熱膨張係数がK4、光学素子M5の熱膨張係数が
K2、光学素子M6の熱膨張係数がK5を有するように
構成する等である。
【0039】以上のように、投影光学系300は、熱膨
張係数の異なる光学素子M1乃至M6を最適に組み合わ
せて構成しているので、装置の大型化、コストの増加、
光学素子を配置する空間的位置の制御を招くことなく、
熱変形による収差の発生を低減して所望の解像度を得る
ことができる。
【0040】再び、図1に戻って、プレート400は、
ウェハや液晶基板などの被処理体でありフォトレジスト
が塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理
と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理
と、プリベーク処理とを含む。前処理は、洗浄、乾燥な
どを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと
下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活
性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(He
xamethyl−disilazane)などの有機
膜をコート又は蒸気処理する。プリベークは、ベーキン
グ(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであ
り、溶剤を除去する。
【0041】プレートステージ410は、プレート40
0を支持する。プレートステージ410は、例えば、リ
ニアモーターを利用してXYZ方向にプレート400を
移動する。マスク200とプレート400は、制御部5
00により制御され同期して走査される。また、マスク
ステージ210とプレートステージ410の位置は、例
えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定
の速度比率で駆動される。
【0042】制御部500は、図示しないCPU、メモ
リを有し、露光装置1の動作を制御する。制御部500
は、照明装置100、マスクステージ210(即ち、マ
スクステージ210の図示しない移動機構)、プレート
ステージ410(即ち、プレートステージ410の図示
しない移動機構)と電気的に接続されている。CPU
は、MPUなど名前の如何を問わずいかなるプロセッサ
も含み、各部の動作を制御する。メモリは、ROM及び
RAMより構成され、露光装置1を動作するファームウ
ェアを格納する。
【0043】露光において、照明装置100から射出さ
れたEUV光はマスク200を照明する。マスク200
の回路パターンを反映するEUV光は、投影光学系30
0によりプレート400上に結像される。本実施形態で
は、マスク200とプレート400を縮小倍率比の速度
比で走査することにより、マスク200の全面を露光す
る。
【0044】本実施例の投影光学系130は、マスク1
20側からプレート(ウェハ)140側にかけて、凸非
球面反射素子、凹非球面反射素子、凸非球面反射素子、
凹非球面反射素子、凸非球面反射素子、凹非球面反射素
子を有する光学系であるが、本発明が適用できる投影光
学系は、このような構成に限定されない。
【0045】例えば、反射素子の数は6枚以上でもよ
く、又、反射素子のパワー配置は凸凹凸凹凸凹に限定さ
れない。このような様々な投影光学系は公知であるの
で、当業者であれば、本願の開示に基づいて、公知の投
影光学系において、収差が低減するように、前記複数の
反射素子のうち少なくとも一の反射素子の熱膨張係数を
他の少なくとも一つの反射素子とは異なる熱膨張係数に
することはできる。
【0046】更に、本発明は、上記実施例のように投影
光学系が反射素子のみで構成される場合に限定されず、
良く知られたカタヂィオプトリック型の投影光学系に対
しても本発明は適用でき、同光学系の複数の屈折素子
(レンズ)と複数の反射素子(ミラー)のうち、収差が
低減するように、前記複数の反射素子のうち少なくとも
一の反射素子の熱膨張係数を他の少なくとも一つの反射
素子とは異なる熱膨張係数にすることはできる。
【0047】次に、図3及び図4を参照して、上述の露
光装置1を利用したデバイス製造方法の実施例を説明す
る。図3は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チッ
プ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフロー
チャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に
説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回
路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計し
た回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ
3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウ
ェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は、前
工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー
技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステッ
プ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によ
って作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程
であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された
半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの
検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成
し、それが出荷される。
【0048】図4は、ステップ4のウェハプロセスの詳
細なフローチャートである。ステップ11(酸化)で
は、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CV
D)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ
13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによ
って形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、
ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処
理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16
(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パター
ンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露
光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)
では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステ
ップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不
要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰
り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターン
が形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれ
ば、投影光学系300に発生する収差を低減することが
できるので従来よりも高品位のデバイスを製造すること
ができる。このように、かかる露光装置1を使用するデ
バイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発
明の一側面として機能するものである。
【0049】以上、本発明の好ましい実施例について説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないこと
はいうまでもなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変
更が可能である。例えば、本実施例の投影光学系を構成
する光学素子の数は6枚に限定されるものではなく、ま
た、ArFエキシマレーザーやFレーザーなどのEU
V光以外の波長200nm以下の紫外線を光源とする露
光装置に用いることもでき、ステップ・アンド・リピー
ト方式の露光装置(「ステッパー」とも呼ばれる)にも
適用可能である。更に、異なる熱膨張係数を有する光学
素子を組み合わせて全体として発生する収差を低減させ
る光学系を構成にする手法は、投影光学系だけではなく
照明光学系などにも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明の光学系によれば、光学素子の熱
変形による光学系全系に発生する収差を効果的に低減さ
せることができる。よって、かかる光学系を適用した露
光装置は、高品位なデバイスを解像度などの露光性能良
く提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一側面としての露光装置の例示的一
形態を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示す投影光学系の例示的一形態を示す
概略断面図である。
【図3】 デバイス(ICやLSIなどの半導体チッ
プ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフロー
チャートである。
【図4】 図3に示すステップ4のウェハプロセスの詳
細なフローチャートである。
【符号の説明】
1 露光装置 100 照明装置 200 マスク 210 マスクステージ 300 投影光学系 400 プレート 410 プレートステージ 500 制御部 M1乃至M6 光学素子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の反射素子を有する結像光学系であ
    って、前記複数の反射素子は、 第1の熱膨張係数を有する第1の反射素子と、 前記第1の熱膨張係数とは異なる第2の熱膨張係数を有
    する第2の反射素子とを有する結像光学系。
  2. 【請求項2】 波長20nm以下のEUV光を結像に用
    いる請求項1記載の結像光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の反射素子は、非球面
    ミラーである請求項1記載の結像光学系。
  4. 【請求項4】 前記結像光学系は、前記物体面を所望の
    パターンが形成されたマスクとし、前記像面を被処理体
    とする投影光学系である請求項1記載の結像光学系。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の反射素子は、異なる
    材料から製造される請求項1記載の結像光学系。
  6. 【請求項6】 複数の光学素子を有する結像光学系の収
    差を低減する方法であって、 前記光学素子の各々の熱膨張係数を同一の第1の熱膨張
    係数にした場合に、前記光束の受光による熱変形に起因
    する収差を求めるステップと、 前記求められた収差が低減するように、前記複数の光学
    素子のうち少なくとも一の熱膨張係数を前記第1の熱膨
    張係数とは異なる第2の熱膨張係数にするステップとを
    有する収差低減方法。
  7. 【請求項7】 複数の光学素子を有する結像光学系の収
    差を低減する方法であって、 前記光学素子の各々の熱膨張係数を同一の第1の熱膨張
    係数にした場合に、前記光束の受光による熱変形に起因
    する収差を求めるステップと、 前記求められた収差が低減するように、前記第1の熱膨
    張係数とは異なる熱膨張係数を選択するステップとを有
    する収差低減方法。
  8. 【請求項8】 前記光学素子は、非球面ミラーである請
    求項6又は7記載の収差低減方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至5のうちいずれか一項記載
    の結像光学系を有する露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の露光装置を用いて被処
    理体を露光するステップと、 露光された前記被処理体に所定のプロセスを行うステッ
    プとを有するデバイス製造方法。
JP2002104469A 2002-04-05 2002-04-05 結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法 Expired - Fee Related JP3870118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002104469A JP3870118B2 (ja) 2002-04-05 2002-04-05 結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002104469A JP3870118B2 (ja) 2002-04-05 2002-04-05 結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003303750A true JP2003303750A (ja) 2003-10-24
JP3870118B2 JP3870118B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=29389713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002104469A Expired - Fee Related JP3870118B2 (ja) 2002-04-05 2002-04-05 結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3870118B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7295284B2 (en) 2004-02-27 2007-11-13 Canon Kk Optical system, exposure apparatus using the same and device manufacturing method
JP2010056383A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Nikon Corp 光学系及び露光装置
JP2013095659A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Carl Zeiss Smt Gmbh Euvリソグラフィ用の光学機構及び該光学機構を構成する方法
JP2015122480A (ja) * 2013-10-30 2015-07-02 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 反射光学素子

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7295284B2 (en) 2004-02-27 2007-11-13 Canon Kk Optical system, exposure apparatus using the same and device manufacturing method
JP2010056383A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Nikon Corp 光学系及び露光装置
JP2013095659A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Carl Zeiss Smt Gmbh Euvリソグラフィ用の光学機構及び該光学機構を構成する方法
US9263161B2 (en) 2011-10-28 2016-02-16 Carl Zeiss Smt Gmbh Optical arrangement for EUV lithography and method for configuring such an optical arrangement
JP2015122480A (ja) * 2013-10-30 2015-07-02 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 反射光学素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP3870118B2 (ja) 2007-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7365826B2 (en) Projection optical system, exposure apparatus and method using the same
JP2003233001A (ja) 反射型投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法
JP2004252363A (ja) 反射型投影光学系
US7232233B2 (en) Catoptric reduction projection optical system and exposure apparatus using the same
JP2004252358A (ja) 反射型投影光学系及び露光装置
JP2003233002A (ja) 反射型投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法
JP2003233005A (ja) 反射型投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法
JP2002329655A (ja) 反射型縮小投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法
EP1441257A2 (en) Illumination apparatus, projection exposure apparatus, and device fabricating method
KR100514063B1 (ko) 투영광학계와 노광장치
JP2004226661A (ja) 3次元構造形成方法
JP3870118B2 (ja) 結像光学系、該光学系を有する露光装置、収差低減方法
JP4393227B2 (ja) 露光装置、デバイスの製造方法、露光装置の製造方法
TWI295577B (en) Exposure apparatus and method
JP2004080021A (ja) 光学系の調整方法及び装置、露光装置
TWI245324B (en) Projection optical system
JP4537087B2 (ja) 露光装置、デバイスの製造方法
JP4393226B2 (ja) 光学系及びそれを用いた露光装置、デバイスの製造方法
JP4819419B2 (ja) 結像光学系、露光装置及びデバイス製造方法
KR20080091014A (ko) 반사형 투영광학계, 노광장치, 및 디바이스의 제조방법
JP2004252362A (ja) 反射型投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法
JP2005302963A (ja) 露光装置
JP2006091202A (ja) 多層膜ミラーの製造方法、多層膜ミラー、露光装置及びデバイス製造方法
JP2003303749A (ja) 投影光学系、該投影光学系を有する露光装置及びデバイス製造方法
JP2004252359A (ja) 反射型投影光学系及び当該反射型投影光学系を有する露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees