JP2003302947A - 電気光学装置及びその駆動方法 - Google Patents

電気光学装置及びその駆動方法

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JP2003302947A
JP2003302947A JP2002108521A JP2002108521A JP2003302947A JP 2003302947 A JP2003302947 A JP 2003302947A JP 2002108521 A JP2002108521 A JP 2002108521A JP 2002108521 A JP2002108521 A JP 2002108521A JP 2003302947 A JP2003302947 A JP 2003302947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の周期的な明滅の影響を受けることな
く、常時、高品質な画像を表示することの可能な電気光
学装置を提供する。 【解決手段】 本発明の電気光学装置は、液晶層及び該
液晶層に対向しマトリクス状に配列された画素電極を含
み該画素電極の一々に対応する画素部(100)の一々
を、サブフィールド駆動することによって、階調表示可
能な電気光学装置であって、前記液晶層に入射されるべ
き光を検知する受光素子(500)と、該受光素子によ
って検出された前記光の明滅の周波数を検出する周波数
検出回路(600)と、該周波数検出回路によって検出
された前記周波数に応じて、前記サブフィールド駆動に
係るフレーム周波数を変化させる駆動周波数制御回路
(210)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学装置及び
その駆動方法の技術分野に属し、特に、パルス幅変調に
より階調表示制御を行う電気光学装置及びその駆動方法
に適用されて好適なものである。
【0002】
【背景技術】従来、マトリクス状に配列された画素電極
及び該電極の各々に接続された薄膜トランジスタ(Thin
Film Transistor;以下適宜、「TFT」という。)、
該TFTの各々に接続され、行方向に平行に設けられた
走査線及び列方向に平行に設けられたデータ線等を備え
た電気光学装置が知られている。このような電気光学装
置においては、前記画素電極に対向するように対向電極
が設けられるとともに、両電極の間に液晶等の電気光学
物質(以下、「液晶」で代表させる。)が挟持されるこ
とで、マトリクス状に配列された画素電極の一々に対応
した、画素部の一々が構成されることになる。
【0003】このような画素部は、基本的に以下のよう
に駆動される。すなわち、まず、前記走査線に対する通
電により当該走査線に連なる前記TFTをONにすると
ともに、前記データ線を通じて画像信号を送ることによ
り、ONとされたTFTに接続される画素電極に対して
前記画像信号を印加することで、前記液晶に当該画像信
号に対応した電界を印加し、これによって液晶の配向状
態を変化させる、のである。この際、対向電極は所定の
電圧に維持されている。ここで、液晶の状態が変化する
のに応じて、当該液晶における光の透過率が変わる。し
たがって、前記液晶に対して何らかの光源から発せられ
た光を照射すれば、当該液晶の状態の変化に応じて、そ
の光の階調を変化させ得ることになる。このような原理
を利用して、画素部のそれぞれについての適当な光の透
過率の制御、すなわち階調制御を行うことにより、マト
リクス状に配列された画素全体として画像を表示するこ
とが可能となる。
【0004】ところで、このような画素部の駆動方法と
しては、パルス幅変調によるものが知られている。ここ
で、パルス幅変調というのは、前記画像信号として1
(オン)又は0(オフ)のみを利用するものであり、よ
り具体的には、1フレームないし1フィールド(以下で
は、「フレーム」及び「フィールド」を略同義の用語と
して使用する。)内を各々適当な間隔で分割した複数の
期間(以下、それぞれを「サブフィールド」という。)
を設け、これら複数のサブフィールドを単位としたオン
を何回実施するか、すなわち1フィールド中、前記オン
の実施回数に応じたパルス幅をどの程度とするかによっ
て、上述したような階調変化の制御を行うものである。
このような駆動方法によれば、オン又はオフのみを用い
るにもかかわらず、液晶に印加される電圧実効値を変化
させることが可能となるから、画像の表示が可能である
ことは勿論、画素部への印加信号がデジタル信号である
ことにより、素子特性や配線抵抗などの不均一性に起因
する表示ムラを抑えることが可能となるなど、より高品
質な画像を表示することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなサブフィールド駆動方式においては、次のよう
な問題があった。すなわち、液晶に対して照射すべき光
を発する前記光源が、一定の周期で明滅するような場合
においては、前記画像に輝度変化やフリッカを生じさせ
るおそれがあったのである。
【0006】例えば、東日本では周波数50Hzの交流
電源が供給され、西日本では周波数60Hzの交流電源
が供給されていることが広く知られているが、このこと
から、東日本の蛍光灯は周波数50Hzで明滅し、西日
本のそれは周波数60Hzで明滅することになる。そし
て、このような蛍光灯が前記光源として用いられ、か
つ、サブフィールド駆動の駆動周波数(フレーム周波
数)が50Hzであるような場合には、東日本では問題
なく画像を視認することができるが、西日本に移動した
結果フリッカが生じた、等というような場合が考えられ
ることになる。
【0007】より具体的に説明するため、いま例えば、
1フレーム内の最初のサブフィールドのみオンとし、残
りのサブフィールドについてはオフとするというパター
ンを仮定するとともに、そのようなパターンが、一定の
期間、複数のフレームにわたって、周波数50Hzで繰
り返される場合を仮定する。
【0008】このような仮定の下、更に、当該パターン
中における前記オンの印加時点と、同じく周波数50H
zで明滅を繰り返す蛍光灯の最高輝度時点とが一致する
場合であって、当該蛍光灯を光源として利用する場合を
想定すると、画像は、常に明るく表示されることにな
る。しかしながら、このようなオンの印加時点は、周波
数60Hzで明滅を繰り返す蛍光灯の最高輝度時点とは
一致しないから、当該蛍光灯を光源として利用する場合
を想定すると、画像上にフリッカが生じてしまうことに
なるのである。
【0009】このような問題は特に、上述した例示から
明らかな通り、反射型ないし半透過反射型の電気光学装
置において、より深刻である。というのも、反射型の電
気光学装置では、その内部に外部からの光を導入しこれ
を反射電極で反射することによって、液晶に対する光の
照射を行うからである。そして、前記光源及び前記外部
からの光としては、蛍光灯及び蛍光灯が発する光が一般
的に想定されるから、該蛍光灯が交流電源に接続されて
いれば、その光は一定の周期で明滅を繰り返しており、
上述したような問題がより発生しやすいのである。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、光源の周期的な明滅の影響を受けることな
く、常時、高品質な画像を表示することの可能な電気光
学装置を提供することを課題とする。また、本発明は、
そのような電気光学装置の駆動方法を提供することをも
課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電気光学装置
は、上記課題を解決するために、電気光学物質層に対向
しマトリクス状に配列された画素電極に対応する画素部
が表示すべき階調を規定する階調データに応じて、1フ
レームを分割したサブフィールドを単位とした当該画素
部のオン又はオフを実施することで、当該画素部を駆動
する電気光学装置であって、前記電気光学物質層に入射
されるべき光を検知する受光素子と、該受光素子によっ
て検出された前記光の明滅の周波数を検出する周波数検
出回路と、該周波数検出回路によって検出された前記周
波数に応じて、前記1フレームの繰り返し周波数たるフ
レーム周波数を変化させる駆動周波数制御回路とを備え
ている。
【0012】本発明の電気光学装置によれば、まず、画
素部の各々は、サブフィールド駆動されることになる。
ここで、サブフィールド駆動とは、既に述べたように、
1フレーム内を各々適当な間隔で分割した複数のサブフ
ィールドを設け、これら複数のサブフィールドを単位と
して、オン又はオフを何回実施するか、すなわち1フィ
ールド中、前記オンの印加回数に応じたパルス幅をどの
程度とするかによって、階調変化の制御を行う駆動方法
である。この点、従来広く行われていた通常の駆動方
法、すなわち1フレーム期間すべてにわたって、ある画
素部において表示すべき階調データに対応した種々の電
圧レベルを当該画素電極に書き込む駆動方法とは異な
る。
【0013】もう少し具体的に言えば、例えば、1フレ
ームが10個のサブフィールドに分割されているとし
て、ある一の画素部につき、1番目のフレームでは、1
〜3個目のサブフィールドに対してオンとするが4〜1
0番目のサブフィールドに対してはオフとし、2番目の
フレームでは、1〜3番目及び8〜10番目のサブフィ
ールドに対してはオンとするが4〜7番目のサブフィー
ルドに対してはオフとする、などといった印加態様が繰
り返されていくものを想定することができる。この場
合、電気光学物質層に対しては、1番目のフレームでは
3サブフィールド分のパルス幅に対応した電圧実効値が
印加されるに等しく、2番目のフレームでは6個のサブ
フィールド分のパルス幅に対応したそれが印加されるに
等しい状態を現出させることが可能となる。
【0014】そして、本発明にいう「フレーム周波数」
とは、上述した1番目のフレーム、2番目のフレーム、
・・・というように、フレームが繰り返される場合にお
ける、その周波数のことをいう。
【0015】なお、上述した具体例は、あくまでも例示
に過ぎず、本発明において、1フレームを何個のサブフ
ィールドに分割するか、あるいは各サブフィールドの長
さをそれぞれどの程度とするかは、基本的に任意である
ことは言うまでもない。
【0016】そして、本発明では特に、受光素子及び周
波数検出回路が備えられており、これらの作用によっ
て、電気光学物質層に入射されるべき光の明滅の周波数
が検出される。
【0017】ここで、「電気光学物質層に入射されるべ
き光」とは、最終的に画像を構成することとなる光であ
って、例えば、電気光学装置の内部に設置された内部光
源たるいわゆるバックライトを由来とし、あるいは電気
光学装置の外部に存在する外部光源たる蛍光灯等を由来
とする光である。ちなみに、内部光源を利用する場合、
本発明に係る電気光学装置は、いわゆる「透過型」とし
ての使用が可能である一方、外部光源を利用する場合に
は、いわゆる「反射型」としての使用が可能である。い
ずれにしても、本発明の範囲内にあることに変わりはな
い。また、透過型及び反射型双方の画像表示が可能な、
いわゆる「半透過反射型」の電気光学装置も、本発明の
範囲内にある。
【0018】そして、本発明では更に、駆動周波数制御
回路が備えられ、上述のような光の明滅の周波数に応じ
て、前記フレーム周波数が変化されることになるのであ
る。
【0019】より具体的には例えば、フレーム周波数
を、光源が発する光の明滅の周波数に同期させることが
可能となり、あるいはフレーム周波数を、前記周波数に
対して所定の位相分ずらしたりすること等が可能とな
る。
【0020】このようなことは、フレーム周波数の変化
分だけ、該フレームを構成するサブフィールドの「位
置」を全体的に変化させることを意味し、換言すれば、
該サブフィールドにおけるオン又はオフの印加時点を変
化させることを意味する。つまり、本発明では、最終的
に画像を表示することとなる光の明滅パターンに対し
て、オン又はオフの印加時点を好適に設定することが可
能となるのである。
【0021】これにより、従来問題となっていた、画像
上のフリッカの発生等といった不具合の発生を低減する
ことが可能となる。また、光の明滅の周波数が、経時的
に変化するような場合においても、変化前の周波数及び
変化後の周波数に対して、それぞれ好適にフレーム周波
数を変化させることも可能であるから、明滅の周波数の
変化前は画像が明るく、変化後は暗いなどといった事象
の発生も抑制することが可能となる。
【0022】結局のところ、本発明によれば、光の周期
的な明滅の影響を受けることなく、常時、高品質な画像
を表示することが可能となるのである。
【0023】なお、本発明にいう「電気光学物質層」と
は、例えば、印加される電気的作用に応じてその光学特
性が変化する液晶等の電気光学物質からなる層のことを
いい、代表例として、液晶層がある。また、「マトリク
ス状に配列された」とは、各画素行及び各画素列が縦横
にそれぞれ真っ直ぐに延びる場合の他、これらが蛇行或
いは千鳥足状に2次元配列される場合も含む広い概念で
ある。
【0024】本発明の電気光学装置の一態様では、前記
駆動周波数制御回路は、前記サブフィールドのそれぞれ
の開始点を規定するスタートパルスの供給時点を変更す
ることにより、前記フレーム周波数を変化させる。
【0025】この態様によれば、サブフィールド駆動を
実施するにあたり、典型的に利用されるスタートパルス
の供給時点を変更する。ここで、「スタートパルス」と
は、例えば、ある画素部が表示すべき階調を規定する階
調データに基づいて前記オン又はオフを決定するための
基となる二値信号を生成するデータ変換回路や、前記画
素電極の一々に接続され、かつ、行単位に設けられた走
査線に接続される薄膜トランジスタのON・OFFを制
御する走査線駆動回路等に供給される信号であって、当
該供給により、サブフィールドの開始点を規定するもの
のことをいう。
【0026】そして、本態様では、このようなスタート
パルスの供給時点を変更することにより、各サブフィー
ルドの長さが変更されることとなり、その結果、1フレ
ームの長さが変化することで、フレーム周波数が変化さ
れ得ることになるのである。この際、「スタートパルス
の供給時点を変更」する具体的な方法としては、例え
ば、当初に定められた各スタートパルス間の間隔(すな
わち、当初に定められた各サブフィールドの長さ)の比
率を維持したまま、当該間隔(すなわち、当該長さ)を
比例的に大きく又は小さくする方法等が考えられる。
【0027】このように、本態様によれば、より実効的
にフレーム周波数を変化させることが可能であるから、
上述した作用効果をより確実に享受することが可能とな
る。
【0028】本発明の電気光学装置の他の態様では、前
記駆動周波数制御回路は、前記フレーム周波数を、前記
光の明滅の周波数に同期させる。
【0029】この態様によれば、例えば、1フレームを
構成する最初のサブフィールドにおけるオンの印加時点
と、前記光の最高輝度時点とを一致させること等が可能
となる。ちなみに、このような場合にあって、当該最初
のサブフィールドに対してオンの印加を実施するパター
ンが繰り返される態様を想定すると、その画像は、常に
明るく表示されることとなる。
【0030】本発明の電気光学装置の他の態様では、前
記駆動周波数制御回路は、前記フレーム周波数を、前記
光の明滅の周波数に応じてずらす。
【0031】この態様によれば、上述したフレーム周波
数を、光の明滅の周波数に同期させる態様において発生
するおそれのある不具合を回避することが可能となる。
その不具合とは、フレーム周波数と光源の明滅の周波数
とを完全に「同期」させてしまうと、ある一のサブフィ
ールドにおけるオンの時点は常に光源の最高輝度時点に
一致するものの、他のサブフィールドに係るそれは、常
に光源の最低輝度時点に一致してしまう場合があるとい
うことを指す。このような場合において、当該一のサブ
フィールドに関する限りでオンを印加するパターンが連
続する画像表示では、それは常に明るく表示されるもの
の、当該他のサブフィールドに関する限りでオンを印加
するパターンが連続する画像表示では、逆に常に暗く表
示されることとなってしまう。
【0032】しかるに、本態様では、フレーム周波数
を、光の明滅の周波数に応じてずらすことにより、上述
のような不具合を被るおそれを低減することが可能とな
るのである。
【0033】なお、フレーム周波数を、光の明滅の周波
数に対してどの程度ずらすかは、該周波数の具体値等に
よって定まり、一概には決し得ない。ただ、やみくもに
ずらせばよいというものでないことは明らかで、その程
度には、適当な範囲が存在する。具体的には例えば、光
の明滅の周波数が50Hzである場合には、フレーム周
波数を75〜90Hz程度とすると好ましい。
【0034】本発明の電気光学装置の他の態様では、前
記電気光学物質層に入射されるべき光は、当該電気光学
装置の外部に存在する光源から発せられた光を含む。
【0035】この態様によれば、電気光学物質層に入射
されるべき光、換言すれば最終的に画像を構成すること
となる光は、当該電気光学装置の外部に存在する光源か
ら発せられた光を含む。このような光としては、例え
ば、交流電源に接続された蛍光灯が一般に考えられる
が、該蛍光灯が発する光は、東日本では50Hzで、西
日本では60Hzで明滅していることがよく知られてい
る。
【0036】したがって、そのような光の明滅に影響を
受けない本発明に係る電気光学装置の作用効果は、上述
したような状況下で、特に有効に発揮され得るといえ
る。
【0037】本発明の電気光学装置の他の態様では、基
板上に、前記画素電極、及び該画素電極に接続されたス
イッチング素子が形成されるとともに、前記受光素子も
また、前記基板上に形成される。
【0038】この態様によれば、本発明に係る受光素子
と、スイッチング素子の一例たる薄膜トランジスタや薄
膜ダイオード等とを同一基板上に形成することとなるか
ら、例えば、両者を同時に、あるいは厳密に言えば異時
ではあるが同一の機会に形成することなどが可能とな
り、製造コストの低廉化を実現することが可能となる。
【0039】ここで「両者を同時に」形成するというの
は、例えば、スイッチング素子を構成する半導体層をス
パッタリング法で成膜する際に、受光素子を構成する半
導体層を同時に形成したり、該スパッタリング法で成膜
された双方の半導体層に対し、同時にフォトリソグラフ
ィ法を利用してパターニングしたりする場合等を想定す
ることが可能である。また、「異時ではあるが同一の機
会に」形成するというのは、例えば、最初にスイッチン
グ素子を形成するとともに、その形成過程と一連となる
半導体プロセスを利用して(例えば、該半導体プロセス
を実行するにあたって要求される真空雰囲気を破壊しな
いまま)、受光素子を形成する場合等を想定することが
可能である。
【0040】なお、上述の「半導体層」としては、より
具体的には例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン、ア
モルファスシリコン、あるいはSOQ(Silicon On Qua
rtz)からなるもの等が該当する。
【0041】本発明の電気光学装置の他の態様では、基
板上に、前記画素電極、及び該画素電極に接続されたス
イッチング素子が形成される一方、前記受光素子は、前
記基板外に別体として形成される。
【0042】この態様によれば、例えば、受光素子の交
換やメンテナンスを容易にすることが可能となる。とい
うのも、受光素子は、「別体として」形成されるため、
その取替作業等が容易だからである。 本発明の電気光
学装置の他の態様では、前記階調データに応じた二値信
号を生成するデータ変換回路と、前記二値信号に基づい
て、前記画素部に対する前記オン又はオフの実施を所定
のタイミングで行う書込回路とを更に備え、前記データ
変換回路は、前記階調データ及び前記二値信号の少なく
とも一方を、少なくとも一画像分記憶することの可能な
フレームメモリを備えている。
【0043】この態様によれば、データ変換回路によっ
て、ある画素部についての階調データが二値信号に変換
された後、これが書込回路に供給され、該書込回路によ
り所定のタイミングで、当該画素部に対する前記オン又
はオフが行われることになる。ここで「所定のタイミン
グ」を計るにあたっては、前記サブフィールドの長さが
考慮されることは言うまでもない。より具体的には、本
態様にいう「オン又はオフの実施」は、一のサブフィー
ルドに関するオン又はオフの印加開始点よりも後であっ
て、次のサブフィールドに関するそれよりも前に実施し
なければならない。
【0044】しかしながら、本発明においては、上述し
たように、フレーム周波数を光の明滅の周波数に応じて
変化させる結果、前記データ変換回路によって二値信号
を生成するタイミングと書込回路との動作タイミングと
が、うまく噛み合わない場合が考えられるのである。つ
まり、場合によっては、二値信号の書込回路への供給タ
イミングを、通常よりも遅らせる必要が生じる場合があ
るのである。このことは、本発明に係る電気光学装置
を、上述したように、フレーム周波数と光の明滅の周波
数とをずらすような態様として構成する場合に、とりわ
け当てはまる。
【0045】しかるに、本態様では、フレームメモリに
より、階調データ及び二値信号の少なくとも一方を、少
なくとも一画像分保存することが可能であるから、適当
なタイミングで、パルス信号を書込回路へと供給するこ
とが可能となるのである。
【0046】本発明の電気光学装置の他の態様では、前
記フレーム周波数を変化させ得る手動による微調整手段
を更に備えている。
【0047】この態様によれば、上述したように、光の
明滅の周波数に同期させるか、あるいは該周波数に応じ
てずらすかされたフレーム周波数の微調整を実施するこ
とが可能となる。これにより、より高品質な画像の表示
が可能となる。
【0048】しかも、この微調整手段によれば、視認者
が実地に画像を視認した結果に基づき、その視認者自身
が好ましいと思われるような画像の調整を実施すること
が可能となるから、より好適な画像調整を実施すること
が可能となるのである。
【0049】本発明の電気光学装置の他の態様では、当
該電気光学装置は、反射型である。
【0050】この態様によれば、本発明にいう「電気光
学物質層に入射されるべき光」は、当該電気光学装置の
外部に存在する光源から発せられた光が、該装置の内部
に至って前記画素電極で反射した後、電気光学物質層に
至る、という経路を辿る光であることになる。ここで外
部に存在する光源としては、典型的には、一定の周波数
で明滅する蛍光灯を考えることができるから、本発明に
係る上述の作用効果をより確実に享受することが可能と
なる。
【0051】なお、この態様においては、例えば、画素
電極がAl(アルミニウム)等の反射電極からなる内面
反射方式の反射型電気光学装置であってもよい。或い
は、画素電極がITO(インジウム・ティン・オキサイ
ド)等の透明電極であり、表示画面側から見て画素電極
の裏側にAl等の反射板を備えた方式の反射型電気光学
装置であってもよい。本発明の電気光学装置は、上述し
た本発明独自の効果を奏しつつ、その他各種方式の反射
型の電気光学装置として構築可能である。
【0052】本発明の電気光学装置の他の態様では、当
該電気光学装置は、半透過反射型である。
【0053】この態様によれば、上述した反射型に加
え、透過型としての画像表示も可能となる。ここに、本
態様に係る電気光学装置を透過型として運用する場合に
は、本発明にいう「電気光学物質層に入射されるべき
光」は、当該電気光学装置の内部に存在する光源から発
せられた光が、前記画素電極を透過した後、電気光学物
質層に至る、という経路を辿る光であることになる。
【0054】このような半透過反射型の電気光学装置で
あっても、これを反射型として利用する場合には、上述
と略同様な作用効果が奏されるし、透過型として運用す
る場合にも、前記内部に存在する光源が、一定の周波数
で明滅を繰り返すような場合において、やはり略同様な
作用効果が奏される。
【0055】なお、この態様においては、例えば、画素
電極を、光透過用の孔や切り欠きからなる光透過領域と
それ以外の光反射領域とを有する半透過反射電極や、同
一領域で光を部分的に反射すると同時に部分的に透過す
る半透過反射電極から構成すればよい。或いは、画素に
対して小さめの反射電極を用いると共に、相隣接する反
射電極間の間隙を光透過領域とする方式を採用してもよ
い。本発明の電気光学装置は、上述した本発明独自の効
果を奏しつつ、その他各種方式の半透過反射型の電気光
学装置として構築可能である。
【0056】本発明の電気光学装置の駆動方法は、上記
課題を解決するために、電気光学物質層に対向するマト
リクス状に配列された画素電極に対応する画素部が表示
すべき階調を規定する階調データに応じて、1フレーム
を分割したサブフィールドを単位とした当該画素部のオ
ン又はオフを実施することで、当該画素部を駆動する電
気光学装置の駆動方法であって、前記電気光学物質層に
入射されるべき光を検知するステップと、前記光の明滅
の周波数を検出するステップと、前記周波数に応じて、
前記1フレームの繰り返し周波数たるフレーム周波数を
変化させるステップとを含む。
【0057】本発明の電気光学装置の駆動方法によれ
ば、上述の本発明の電気光学装置を好適に運用すること
が可能である。
【0058】本発明の電気光学装置の駆動方法の一態様
では、前記フレーム周波数を変化させるステップは、1
フレーム内を複数に分割した各サブフィールドのそれぞ
れの開始点を規定するスタートパルスの供給時点を変更
することにより、前記フレーム周波数を変化させるステ
ップを含む。また、本発明の電気光学装置の駆動方法の
他の態様では、前記フレーム周波数を、前記光の明滅の
周波数に同期させるステップを含み、本発明の電気光学
装置の駆動方法の更に他の態様では、前記フレーム周波
数を、前記光の明滅の周波数に応じてずらすステップを
含む。
【0059】これらの態様によれば、上述した本発明の
電気光学装置の一態様、及び他の態様の中で対応する態
様をもつ電気光学装置を好適に運用することが可能であ
る。
【0060】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0061】
【発明の実施の形態】(第1実施形態) (電気光学装置の構成)以下では、本発明の第1の実施
形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態
は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したもので
ある。
【0062】図1は、第1実施形態に係る電気光学装置
の電気的な構成を示すブロック図である。
【0063】図1において、素子基板上における画像表
示領域10aには、複数本の走査線3aが、図において
X方向に延在して形成され、これと交差するように複数
本のデータ線6aがY方向に延在して形成されている。
そして、画素部110は、走査線3aとデータ線6aと
の各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列さ
れている。なお、以下の説明では、便宜上、走査線3a
の総本数をm本、データ線6aの総本数をn本として
(m、nはそれぞれ2以上の整数)、m行×n列のマト
リクス型表示装置として説明する。ただし、本発明は、
このような実施形態に限定されるものでないことはいう
までもない。
【0064】画素部110の具体的な構成としては、例
えば、図2に示すようなものとすることができる。この
構成では、TFT30のゲートが走査線3aに、ソース
がデータ線6aに、ドレインが画素電極9aに、それぞ
れ接続されるとともに、画素電極9aと対向電極21と
の間に電気光学物質たる液晶50が挟持されて液晶層が
形成されている。また、画素電極9aと接地電位GND
との間においては、蓄積容量70が形成されて、液晶層
に蓄積される電荷のリークを防止している。
【0065】ここで、第1実施形態における画素電極9
aは、光反射能の高い材料で構成されている。これによ
り、当該画素電極9aはいわゆる反射電極となり、対向
基板及び対向電極21側から入射し一旦液晶層を透過し
た光は、該反射電極によって反射されて再び液晶層を透
過した後対向電極及び対向基板へ向かい、かつ、そこか
ら出射することとなる(すなわち、当該電気光学装置は
「反射型」となる。)。この場合においては、液晶層に
入射される光、言い換えると、最終的に視認者によって
視認されるべき画像を構成する光は、元来、電気光学装
置の外部から導入されたものであることになる。
【0066】ちなみに、画素電極9aにおいては、この
ような反射電極としての機能をもたせることに加え、該
画素電極9aに図示しない透過窓を形成するとともに、
該透過窓の裏側、すなわち画素電極9aを挟んで対向基
板のちょうど反対側に所定の光源を設ける形態としても
よい。なお、透過窓には、その形状に略一致する透明電
極を設ける。このような形態によれば、光源から発せら
れた光は、前記透過窓を介して液晶層に入射された後、
対向電極21及び対向基板を通じて出射されることとな
り、この光によって画像を構成することが可能となる。
この場合において、当該電気光学装置は、例えば、昼間
時や、蛍光灯の適当な照明光が存在する場所において
は、上述した反射型として使用することが可能であり、
夜間時や、適当な照明光が存在しない場所においては透
過型として使用することが可能となる(すなわち、当該
電気光学装置は「半透過反射型」となる。)。
【0067】なお、上述した対向電極21は、画素電極
9aと対向するよう対向基板の一面に形成される透明電
極である。
【0068】また、図2に示される構成では、TFT3
0として一方のチャネル型のみが用いられているため
に、オフセット電圧が必要となるが、Pチャネル型TF
TとNチャネル型TFTとを相補的に組み合わせた構成
(CMOS(Complementary MOS)型)とすれば、オフ
セット電圧の影響をキャンセルすることが可能となる。
ただし、この相補型構成では、走査信号として互いに排
他的レベルを供給する必要が生じるため、1行の画素部
に対して走査線3aのほかに、別の走査線が必要とな
る。
【0069】第1実施形態においては、このような画素
部110の各々について、図1に示す各種信号FR、D
Y、CLY、LP及びCLX等、そしてこれらの信号に
よりその動作が律される走査線駆動回路130及びデー
タ線駆動回路140等によって、サブフィールド駆動が
行われる。ここで簡単に、このサブフィールド駆動につ
いて説明する。
【0070】サブフィールド駆動とは、従来であれば、
ある画素部110における画素電極9aないし液晶50
に対して所定の電圧の印加を維持することをもって当該
画素部110における光透過率を一定に保持すべき期間
たる「1フィールド」を、複数の「サブフィールド」に
分割するとともに、当該複数のサブフィールドの各々の
期間につき、ある画素部110において実現すべき階調
に応じたオン又はオフを実施すること、すなわちパルス
幅変調制御を行うことで、液晶50に印加される電圧実
効値を変化させ、当該液晶50の光透過率を変化させる
駆動方法である。これを、全画素部110について実施
すれば、画像表示が可能となる。
【0071】より具体的には、例えば図3に示すような
タイミングチャートのようである。ここに図3は、画素
電極9aに印加される電圧を、フィールド単位で示すタ
イミングチャートである。この図において、1フィール
ドは、7つのサブフィールドSf1、Sf2、…、Sf
7に分割されており、このような各サブフィールドSf
1、Sf2、…、Sf7に対し、ある一の画素部110
につき、当該画素部110で実現すべき階調を表す階調
データD0、D1及びD2(そのそれぞれが1又は0を
とる。)に応じて、図3に示すような電圧印加が実施さ
れることになる。
【0072】例えば、階調データ(001)について
は、最初のサブフィールドSf1がオンで、残りのサブ
フィールドSf2、…、Sf7がオフとされる。また、
階調データ(101)では、最初から5番目までのサブ
フィールドSf1、…、Sf5がオンで、残りのサブフ
ィールドがオフとされる。このようなオン又はオフの態
様により、1フィールド期間内でパルス幅変調が実施さ
れているとみることができ、またこれにより、液晶50
に印加される電圧実効値は、当該パルス幅に応じて変化
することになる。
【0073】このように、サブフィールド駆動では、オ
ン又はオフのみのデジタル信号を用いて、画像表示を行
うことができることにより、素子特性や配線抵抗などの
不均一性に起因する表示ムラを抑えることなどが可能と
なるのである。
【0074】そして、第1実施形態では特に、図3に示
す1フィールドの長さ、すなわち該1フィールドを構成
する各サブフィールドSf1、Sf2、…、Sf7の長
さが、後述の受光素子500及び周波数検出回路600
によって検出される、前記液晶50に入射されるべき光
の明滅の周波数に応じて、変更を受けることに特徴があ
る。これについては、後の動作説明時に詳しく説明する
こととする。
【0075】なお、図3に示した各サブフィールドSf
1、Sf2、…、Sf7のそれぞれにおけるオン及びオ
フは、図1に示すように、データ線駆動回路140に供
給されるLCCOMと、これから絶対値Vだけそれぞれ
離れた+Vボルト及び−Vボルトの三つの電位を用いて
行われる。すなわち、第1実施形態においては、交流化
駆動信号FRがHレベルにある時(図3中左半分)にお
ける「オン」は+Vボルト、Lレベルにある時(図3中
右半分)における「オン」は−Vボルトというように、
ちょうど逆の関係となるようにされており、+V及び−
Vのいずれであっても、それが印加されるときには、画
素部110は「オン」とされていることになる。
【0076】また、図3においては、最初のサブフィー
ルドSf1及び最後のサブフィールドSf7が、その間
に位置されるサブフィールドSf2、…、Sf6に比べ
て長く設定されているが、これは、電圧実効値を好適に
設定する一例を示しているに過ぎず、その他様々なサブ
フィールドの分割方法を考えることができる(ちなみ
に、電圧実効値は、電圧瞬時値の2乗を1周期にわたっ
て平均化した平方根として求められる。)。すなわち、
1フィールドを幾つのサブフィールドに分割することと
するか、あるいは各サブフィールドの長さをどのように
設定するかは、達成しようとする階調表示に対応した電
圧実効値が実現され得る限り、基本的に任意である。
【0077】さて、図1に戻り、第1実施形態では、上
述のようなサブフィールド駆動を実現するため、図1に
示す各種信号FR、DY、CLY、LP及びCLX等
と、これらの信号によりその動作が律され、画素部11
0周りに配設される走査線駆動回路130、データ線駆
動回路140等その他の各種構成を備えている。
【0078】まず、図1に示す各種信号DY、CLY、
LP及びCLXの趣旨について説明しておく。スタート
パルスDYは、1フィールドを分割した各サブフィール
ドにおいて、最初に出力されるパルス状の信号である。
このスタートパルスDYは、後述するように、液晶50
に入射すべき光の明滅の周波数に応じて、その供給時点
が変更されることになる。クロック信号CLYは、走査
側の水平走査期間を規定する信号である。ラッチパルス
LPは、水平走査期間の最初に出力されるパルス状の信
号であって、クロック信号CLYのレベル遷移(すなわ
ち、立ち上がり及び立ち下がり)時に出力されるもので
ある。クロック信号CLXは、いわゆるドットクロック
を規定する信号である。これら各種の信号DY、CL
Y、LP及びCLX、並びに既述の交流化駆動信号FR
は、タイミング信号生成回路200により、図示しない
同期装置から供給される水平走査信号Hs、垂直走査信
号Vs及びドットクロック信号DCLKに従って生成さ
れることとなる。また、上述のスタートパルスDYは、
前記タイミング信号生成回路200の一部を構成する駆
動周波数制御回路210により生成される。
【0079】そして、これら各種信号と、画素部110
周りに配設される、その他各種構成との関係は、次のよ
うである。
【0080】走査線駆動回路130は、いわゆるYシフ
トレジスタと呼ばれるものであり、サブフィールドの最
初に供給されるスタートパルスDYを、クロック信号C
LYに従って転送し、走査線3aの各々に走査信号G
1、G2、…、Gmとして順次排他的に供給するもので
ある。
【0081】データ線駆動回路(本発明にいう「書込回
路」の一例に該当する。)140は、ある水平走査期間
において、H及びLの二値からなる二値信号Dsを、n
本のデータ線6aに相当する分だけ順次ラッチした後、
このn個の二値信号Dsを、次の水平走査期間におい
て、それぞれ対応するデータ線6aに画像信号d1、d
2、…、dnとして一斉に供給するものである。
【0082】データ線駆動回路140は、上述のような
動作を可能とするため、より具体的には例えば、図4に
詳しく示されているように、Xシフトレジスタ141
0、第1ラッチ回路1420、第2ラッチ回路1430
及び電圧選択回路1440からなる。ここで、Xシフト
レジスタ1410は、水平走査期間の最初に供給される
ラッチパルスLPを、クロック信号CLXに従って転送
し、ラッチ信号S1、S2、…、Snとして順次排他的
に供給するものである。そして、第1ラッチ回路142
0は、二値信号Dsを前記ラッチ信号S1、S2、…、
Snの立ち下がりにおいて順次ラッチするものであり、
第2ラッチ回路1430は、第1ラッチ回路1420に
よりラッチされた二値信号Dsを各々のラッチパルスL
Pの立ち下がりにおいて一斉にラッチするとともに、電
圧選択回路1440に供給する。電圧選択回路1440
は、交流化駆動信号FRのレベル及び二値信号Dsのレ
ベルに応じ、画像信号d1、d2、…、dnとして、+
V、−V及びLCCOMの各レベルによる出力を行う。
【0083】すなわち、交流化駆動信号FRがHレベル
であって二値信号DsがHレベルの時には、画像信号d
1、d2、…、dnは+V、交流化駆動信号FRがLレ
ベルであって二値信号DsがHレベルの時には、画像信
号d1、d2、…、dnは-V、DsがLレベルの時に
は画像信号d1、d2、…、dnはLCCOMとして、
データ線6aの各々に供給するものである。
【0084】データ変換回路300は、垂直走査信号V
s、水平走査信号Hs及びドットクロック信号DCLK
に同期して供給され、かつ、画素部110毎に対応する
3ビットの階調データD0、D1及びD2を、サブフィ
ールドSf1、Sf2、…、Sf7毎にH及びLの二値
からなる二値信号Dsに変換する構成となっている。こ
の二値信号Dsは、走査線駆動回路130及びデータ線
駆動回路140の動作に同期して出力される必要がある
ため、データ変換回路300には、図1に示すように、
スタートパルスDY、水平走査に同期するクロック信号
CLY、水平走査期間の最初を規定するラッチパルスL
P、ドットクロック信号に相当するクロック信号CLX
が供給されるようになっている。
【0085】また、データ変換回路300においては、
1フィールド中、現時点がどのサブフィールドであるか
を認識するための構成を備えている。この構成として
は、例えば、スタートパルスDYを計数するとともに、
その計数結果を交流化駆動信号FRのレベル遷移でリセ
ットするカウンタ等とするとよい。
【0086】なお、第1実施形態では、図3において示
したように、階調データが3ビットであることにより、
(000)、(001)、…、(111)の8階調にわ
たる階調表示を実現することが可能である。ただし、本
発明はこのような形態に限定されるものではなく、例え
ば、4ビットの階調データD0、D1、D2及びD3を
用いて16階調表示可能な形態としてよいことは勿論、
一般に、それ以上の階調データを用いてより多段階にわ
たる階調表示可能な形態としてもよい。いずれにせよ、
階調データのビット数が増加することによって、サブフ
ィールド駆動の本質的な考え方が変わるわけではない。
【0087】そして、第1実施形態における電気光学装
置は特に、受光素子500及び周波数検出回路600を
備えている。受光素子500は、液晶50に対して入射
される光を検知する素子であり、周波数検出回路600
は、その検知された光の明滅の周波数を検出する回路で
ある。また、周波数検出回路600は、その検出結果に
基づき、制御信号FMを生成し、これをタイミング信号
生成回路200を構成する駆動周波数制御回路210に
供給する。上記制御信号FMは、液晶50に対して入射
される光の明滅の周波数に応じて常に変更を受け得る。
【0088】ここで、受光素子500としては、より具
体的には例えば、Siフォトダイオード、InGaAs
PINフォトダイオード等を利用することが可能であ
る。また、電子冷却型を利用すれば、暗電流を低く抑え
ることができるから、より確実な光の検出が可能とな
る。また、プリアンプ付きフォトダイオード、アバラン
シェ・フォトダイオード等を利用することも可能であ
る。
【0089】なお、このような受光素子500について
は、素子基板上に設けるような形態としてもよいし、ま
た、基板とは別体の独立した部材として設けるような形
態としてもよい。前者の場合では特に、上述したTFT
30と同時に受光素子500を形成する形態とすれば、
その相応分製造コストを低減することが可能である。
【0090】(電気光学装置の動作)以下では、上述し
た構成となる第1実施形態に係る電気光学装置の動作の
態様について、図5乃至図7を参照しつつ説明する。
【0091】まず、第1実施形態に係る電気光学装置の
動作、すなわちサブフィールド駆動方法の典型例であっ
て、その基本的な部分につき、図5を参照しながら、簡
単に説明しておく。ここに、図5は、第1実施形態に係
る電気光学装置の動作を示すタイミングチャートであ
る。
【0092】図5において、交流化駆動信号FRは、1
フィールド(1f)毎にレベル反転する。一方、スター
トパルスDYは、1フィールド(1f)を、各階調の透
過率を規定する電圧実効値の大きさに応じた間隔に分割
された各サブフィールドの開始時に供給される。第1実
施形態において、このサブフィールドは、1フィールド
を7つ(Sf1、Sf2、…、Sf7)に分割すること
で得られている。
【0093】ここで、交流化駆動信号FRが、Hレベル
となる1フィールド(1f)において、サブフィールド
Sf1の開始を規定するスタートパルスDYが供給され
ると、走査線駆動回路130におけるクロック信号CL
Yに従った転送によって、走査信号G1、G2、…、G
mが期間(1Va)に順次排他的に出力される。なお、
期間(1Va)は、最も短いサブフィールドよりも更に
短い期間に設定されている。また、これら走査信号G
1、G2、…、Gmは、それぞれクロック信号CLYの
半周期に相当するパルス幅を有する。
【0094】以下、図1において上から数えて1本目
(すなわち、1行目)の走査線3aに対応する画素部1
10に対して、画像信号d1、d2、…、dnが書き込
まれる動作を代表的に説明する。
【0095】まず、走査信号G1は、既に述べたよう
に、クロック信号CLYの半周期に相当するパルス幅を
有し、かつ、スタートパルスDYが供給された後、クロ
ック信号CLYが最初に立ち上がってから、少なくとも
該クロック信号CLYの半周期だけ遅延して出力され
る。したがって、サブフィールドの最初のスタートパル
スDYが供給されてから、走査信号G1が出力されるま
でに、前記クロック信号CLYに反応して立ち上がった
ラッチパルスLPの1ショット(G0)が、データ線駆
動回路140に供給されることになる。
【0096】このラッチパルスLPの1ショット(G
0)が供給されると、まず、データ線駆動回路140に
おけるクロック信号CLXに従った転送によって、ラッ
チ信号S1、S2、…、Snが水平走査期間(1H)に
順次排他的に出力される。なお、ラッチ信号S1、S
2、…、Snは、それぞれクロック信号CLXの半周期
に相当するパルス幅を有している。
【0097】この際、データ線駆動回路140を構成す
る第1ラッチ回路1420は、ラッチ信号S1の立ち下
がりにおいて、1行目の走査線3aと、左から数えて1
本目(すなわち、1列目)のデータ線6aとの交差に対
応する画素部(以下、簡略化のため「(1,1)画素
部」、「(1,2)画素部」、…などと座標を用いて説
明する。)への二値信号Dsをラッチし、次に、ラッチ
信号S2の立ち下がりにおいて、(1,2)画素部への
二値信号Dsをラッチするというように、以下順に、
(1,3)画素部、(1,4)画素部、…、(1,n)
画素部に対応する画素部への二値信号Dsをラッチす
る。これにより、図1において、1行目の走査線3aに
接続される(1,x)画素部(ただし、x=1,2,…,
n)についての二値信号Dsが、第1ラッチ回路142
0により点順次的にラッチされることになる。なお、こ
の際、データ変換回路300は、第1ラッチ回路142
0によるラッチのタイミングに合わせて、各画素部11
0の階調データD0、D1及びD2を二値信号Dsに変
換して出力することとなる。
【0098】次に、クロック信号CLYが立ち下がっ
て、走査信号G1が出力されると、図1において1行目
の走査線3aが選択される結果、当該走査線3aに接続
されたTFT30がすべてONとなる。一方、当該クロ
ック信号CLYの立ち下がりによってラッチパルスLP
が出力される。そして、このラッチパルスLPの立ち下
がりのタイミングにおいて、データ線駆動回路140を
構成する第2ラッチ回路1430は、第1ラッチ回路1
420によって点順次的にラッチされた二値信号Ds
を、電圧選択回路1440に一斉に供給する。電圧選択
回路1440は、交流化駆動信号FRのレベル及び二値
信号Dsのレベルに応じて、+V、−V及びLCCOM
のいずれかを選択し、画像信号d1、d2、…、dnと
して一斉に供給する。このため、1行目の画素部110
には、画像信号d1、d2、…、dnの書き込みが同時
に行われることになる。なお、この書き込みと並行し
て、図1において(2,x)画素部なる1行分の二値信
号Dsが、第1ラッチ回路1420により点順次的にラ
ッチされる。 以降、同様な動作が、m本目の走査線3
aに対する走査信号Gmが出力されるまで繰り返され
る。これによって、まず、サブフィールドSf1に関す
る書き込み動作が完了することとなる。続いて、残るサ
ブフィールドSf2、Sf3、…、Sf7のそれぞれに
ついて、やはりスタートパルスDYの供給時点を開始点
とした上記と同様な動作が繰り返されて、1フィールド
に関する書き込みが完了する。
【0099】この時点において、各画素部110におい
ては、それぞれに印加されたパルス幅に応じた電圧実効
値が印加されているに等しい状態が実現されることにな
り、したがって、該各画素部110を構成する液晶の配
向状態は、それに応じた変化を受けるとともに、光透過
率もまた変化を受けることになる。このとき、画素電極
9aに一旦印加された電圧は、蓄積容量70の作用によ
り、所定の期間維持されることになる。
【0100】そして、第1実施形態では、このように光
透過率の変化を受けた液晶に入射される光は、電気光学
装置の外部から導入され、画素電極9aで反射した光で
ある。これは、上述したように画素電極9aが反射電極
の機能を有するよう構成されていたことによる。つま
り、第1実施形態において、画像を構成する光は、電気
光学装置の外部に存在する光源から発せられて画素電極
9aで反射し、上述のように各画素部110に応じて光
透過率の変更を受けた液晶50を透過し、対向電極21
及び対向基板を出射したところの光ということになる。
【0101】後は、上述のように書き込みが完了したフ
ィールドの次のフィールドに関する書き込み、すなわち
該次のフィールドを構成するサブフィールドSf1、S
f2、…、Sf7に関する書き込み動作に移行する、と
いうことが繰り返される。図5において示される画素電
極9aに対する印加電圧波形の様子からわかるように、
1番目のフィールドでは、階調データ(001)に対応
した電圧印加が、2番目のフィールドでは、階調データ
(011)に対応した電圧印加が、そして3番目のフィ
ールドでは、階調データ(101)に対応した電圧印加
がそれぞれ行われていることがわかる。また、1番目と
3番目のフィールドについては、交流化駆動信号FRが
Hレベルであることに応じて、+Vボルトによる電圧印
加が、2番目のフィールドについては、FRがLレベル
であることに応じて、−Vボルトによる電圧印加が、そ
れぞれ行われていることもわかる。
【0102】以上が、サブフィールド駆動方法の典型例
であって、その基本的な部分についての概略である。
【0103】そして第1実施形態では特に、上述のサブ
フィールド駆動方法にあって、そのスタートパルスDY
の供給態様、より具体的にはその供給時点が、前記受光
素子500及び周波数検出回路600の作用たる制御信
号FMによって変更を受けるのである。
【0104】すなわちまず、図1において、受光素子5
00は、常に外界の光を検知している。ここで、外界の
光とは、既に述べたように、最終的に画像を構成するこ
ととなる、電気光学装置の外部に存在する光源から発せ
られた光のことである。このとき、当該光源が蛍光灯で
あるとすれば、通常人間の目には止まらないものの、そ
れが発する光は一定の周波数をもって明滅していること
になる。
【0105】これを図示すると、例えば、図6の上段の
ようになる。この図中上段では、光源たる蛍光灯の明滅
の経時的変化を示しており、周期的に訪れる各ピークP
1、P2、…で最高輝度となることが示されている。な
お、この図では、光源が図中前半でL〔Hz〕の明滅を
し、後半(図中、ピークP4以降)でH(>L)〔H
z〕の明滅をすることが示されている。
【0106】第1実施形態における受光素子500は、
このような明滅の経時的変化を常に検知している。そし
て、この検知結果は周波数検出回路600へと供給さ
れ、該周波数検出回路600は、これを受けて制御信号
FMを生成する。第1実施形態においては、タイミング
信号生成回路200を構成する駆動周波数制御回路21
0が、この制御信号FMを受けて、スタートパルスDY
の供給時点を変化させるのである。
【0107】このことを、図6を用いてより具体的に説
明する。なお、図6の下段の(A)及び(B)において
は、説明を簡単にするため、ある一つの画素部110に
着目したオン又はオフの印加態様であって、サブフィー
ルドSf1のみをオンとするとともに、それが一定期間
持続するものを例示的に記載しており(図3で言えば、
階調データ(001)が、当該一つの画素部110につ
いて一定期間維持されることを意味する。)、図6
(A)は、第1実施形態に係る電気光学装置に関して、
前記の印加態様に基づいて画素電極9aに印加される電
圧をフィールド単位で示すタイミングチャートを示し、
図6(B)は、従来の電気光学装置に関する同趣旨のタ
イミングチャートを示している。つまり、図6(B)
は、図6(A)に対する比較例となる。ちなみに、フィ
ールド毎に、オンのレベルが反転されているのは、上述
したように、交流化駆動信号FRに応じた結果である
(図3参照)。
【0108】まず、図6の上段において、外部の光源が
L〔Hz〕の明滅をしている期間にあっては、1フィー
ルドの長さが比較的長期となるように、スタートパルス
DYの印加時点が変化される結果、画素電極9aに印加
される電圧の印加状態は、図6(A)の左方に示すよう
なものとなる。図6(A)左方では、当該1フィールド
の長さが、L〔Hz〕で明滅する一波長分の長さλ
略一致するように調整されている。
【0109】また、図6の上段において、外部の光源が
H〔Hz〕の明滅をしている期間にあっては、1フィー
ルドの長さが、比較的短期となるようにスタートパルス
DYの印加時点が変化される結果、画素電極9aに印加
される電圧の印加状態は、図6(A)の右方に示すよう
なものとなる。図6(A)右方では、当該1フィールド
の長さは、上述と略同様に、H〔Hz〕で明滅する一波
長分の長さλに略一致するように調整されている。
【0110】なお、上にいう「スタートパルスDYの印
加時点が変化される」とは、例えば図7に示すように、
図5に示した各スタートパルスDY間の当初の間隔の比
率を維持したまま、当該間隔を大きく(又は小さく)す
ることを意味している。これにより、当然ながら、1フ
ィールドの長さも変化を受けることになるのである。な
お、場合によっては、このような比例的な「変化」では
なく、よりランダムな「変化」を実現し得るような形態
としてよい。
【0111】このような制御を実施する結果、図6
(A)に示すように、光源の明滅の周波数が変化する場
合においても、オンの印加時点と光源の最高輝度時点と
を常に一致させるといった同期をとることが可能であ
る。なお、図6(A)においては特に、画像は、常に明
るく表示されることとなる。
【0112】一方、図6(B)の比較例では、図6
(A)に示すようなスタートパルスDYの供給時点の変
化が実施されないため、蛍光灯がL〔Hz〕の明滅を行
っている期間では、画像は明るくなるが、H〔Hz〕の
明滅を行っている期間では、オンの時点が光源の最低輝
度時点を含むこととなり、画像は暗くなってしまうこと
が示されている。
【0113】また、図6(B)のような一定周期の印加
態様では、光源の明滅の周波数如何によって、ある時は
オンの時点と最高輝度時点とが一致する場合が現れ、別
の時はオンの時点と最低輝度時点とが一致する場合が現
れるというような事象が生じることも容易に考えられる
が、このような場合においては、画像は明暗を繰り返す
こと、すなわちフリッカを生じさせることになる。
【0114】しかるに、第1実施形態においては、光源
の明滅の周波数を検出した後、該周波数に応じてスター
トパルスDYの供給時点を変化させることから、図6
(A)に示したように、サブフィールドSf1における
パルス信号の供給時点を、例えば光源の最高輝度時点に
一致させるというような同期制御を常に適切に行うこと
が可能となり、上述のような不具合発生の可能性を低減
することができるのである。
【0115】なお、図6では、第1実施形態に係る電気
光学装置の作用効果をより明瞭に把握するため、光源の
明滅の周波数がある時点から変更するという、やや例外
的な事例を取り扱ったが、第1実施形態の作用効果は、
そのような例外的な事例でのみ、発揮されるものではな
い。
【0116】例えば、図8に示すように、一定の周波数
で明滅を繰り返す光源の場合であっても、第1実施形態
に係る電気光学装置では、図8(A)に示すように、そ
の受光素子500及び周波数検出回路600の作用によ
り、サブフィールドSf1におけるオンの時点と光源の
最高輝度時点とを一致させることが当然に可能であり、
もって画像を常に明るく表示することが可能となる。
【0117】一方、図8(B)においては、サブフィー
ルドSf1におけるオンの時点と光源の「最低」輝度時
点とが一致しているため、画像は常に暗く表示されるこ
とになる。このようなことは、光源の明滅の周波数を電
気光学装置の使用者側で制御することが一般に不可能で
あるため、例えば、電気光学装置それ自体の電源投入時
点、あるいは画像を表示するタイミングが、光源の明滅
のどの位相の時点であるかによって起こり得る。
【0118】しかるに、第1実施形態においては、既に
述べたように、外部の光源の明滅に臨機応変に対応し
て、スタートパルスDYの供給時点を変化させることに
より、常に、同質の画像を表示し得る安定した運用が可
能であり、たとえ電源投入時等に図8(B)のような状
態であったとしても、即座に図8(A)に示すような状
態に遷移させることができるから、上述したような不具
合を被る可能性を低減することができるのである。
【0119】なお、上記の第1実施形態では、画素電極
9aが光反射能の高い材料で構成された反射型の電気光
学装置について主に述べたが、本発明は、このような形
態に限定されるものではない。既に述べたように、電気
光学装置には、半透過反射型のものや、また透過型のも
のが存在するが、本発明は、そのようなタイプの電気光
学装置においても適用可能である。この場合において、
図1に示す受光素子500は、内蔵された光源から発せ
られた光を検知するように構成され、かつ、用いられる
こととなる。
【0120】(第2実施形態)以下では、本発明の第2
の実施形態について説明する。なお、以下説明する各種
実施形態では、特段の断りがない限り、上述の第1実施
形態として説明した、電気光学装置のブロック的構成、
サブフィールド駆動方法の基本的部分等は、同様である
ものとする。
【0121】第2実施形態では、上述の第1実施形態と
対比して、スタートパルスDYの供給時点が異なる。す
なわち、図9に示すように、第2実施形態では、サブフ
ィールドSf1におけるスタートパルスDYの印加時点
と光源の最高輝度時点とが一致されているわけではな
く、両者は、経時的に、適当にずらされた関係となって
いる。つまり、フレーム周波数と光源の明滅の周波数と
は、適当に相違しているのである。
【0122】ただし、両者は、ただ単にずらされている
のではなく、フレーム周波数は外部の光源の明滅の周波
数に「応じて」ずらされているのであり、また、その
「ずらし」の量は、当該光源の明滅の周波数に応じて、
「適度」に設定されているのである。例えば、光源の明
滅の周波数が50Hzである場合には、フレーム周波数
を75〜90Hz程度とするとよい。
【0123】このようにすれば、以下のような作用効果
が得られる。すなわち、上記第1実施形態では、例えば
図6(A)において、サブフィールドSf1でオンとさ
れるパターンが続く限りでは、画像は常に明るく表示さ
れるものの、その隣のサブフィールドSf2もまたオン
とされる態様であって、そのようなパターンが一定期間
維持されるものを想定すると、それは最低輝度時点を常
に含むことになるから、本来であれば、より明るい画像
が表示されるべきところ、より暗い画像が表示される可
能性があるのである。
【0124】このような事情が、よりよく当てはまる事
例としては、例えば、図3と同趣旨の図10に示すよう
に、時間で重み付けされた三つのサブフィールドSf
1、Sf2及びSf3によるサブフィールド駆動を行う
場合が考えられる。すなわち、このような場合において
は、階調データ(001)、(010)及び(100)
に対応する電圧印加波形は、それぞれ、サブフィールド
Sf1のみ、Sf2のみ、及びSf3のみがオンとされ
る態様となる。したがって、このような場合に、サブフ
ィールドSf1がオンとされるパターンが続く限りで、
画像が常に明るく表示されるような「同期」をさせてし
まうと、階調データ(010)及び(100)に応じた
階調を表示し続ける場合、逆に、画像が常に暗く表示さ
れる可能性があるのである。
【0125】つまり、上記第1実施形態のように、フレ
ーム周波数と光源の明滅の周波数とを「同期」させてし
まうと、あるサブフィールドでオンとされる時点は、常
に光源の最高輝度時点に一致するものの、他のサブフィ
ールドでオンとされる時点は、常に光源の最低輝度時点
に一致してしまうという場合が考えられるのである。
【0126】しかるに、第2実施形態では、図9に示し
たように、フレーム周波数が、光源の明滅の周波数に応
じて、かつ、適度な量だけずらされていることにより、
上述のような不具合を被る可能性を低減することができ
るのである。これにより、第2実施形態によれば、上記
第1実施形態にも増して、常に、良質の画像の表示を実
現することができる。
【0127】(第3実施形態)以下では、本発明の第3
の実施形態について説明する。第3実施形態では、図1
に示したデータ変換回路300に係る構成が異なる。す
なわち、図11に示すように、第3実施形態におけるデ
ータ変換回路300は、その内部にフレームメモリ31
0を備えている。
【0128】このフレームメモリ310は、データ変換
回路300に供給される階調データD0、D1及びD
2、又は該階調データD0、D1及びD2を変換した結
果たる二値信号Dsを、少なくとも一画像分記憶するこ
との可能な記憶素子である。なお、このフレームメモリ
310は、ある一の画素部、また、ある一のサブフィー
ルドの対応付けをした上で、一組の階調データD0、D
1及びD2ないし一つの二値信号Dsを記憶する構成と
なっている。
【0129】このようなフレームメモリ310を備える
ことにより、以下のような作用効果が得られる。すなわ
ち、上述した実施形態のように、外部の光源に対応し
て、スタートパルスDYの供給時点を変更する形態にあ
っては、データ変換回路300が担う二値信号Dsの生
成タイミングと、データ線駆動回路140の動作タイミ
ングとが、うまく噛み合わない場合が考えられる。つま
り、場合によっては、二値信号Dsのデータ線駆動回路
140への供給タイミングを、通常よりも遅らせる必要
が生じる場合があるのである。このことは、上述の第2
実施形態のように、フレーム周波数と光源の明滅の周波
数とを意図的にずらす場合に、とりわけ当てはまる。
【0130】しかるに、第3実施形態では、フレームメ
モリ310により、所定の間隔でもって供給されてくる
階調データD0、D1及びD2をそのまま保存するか、
あるいは該階調データD0、D1及びD2を一旦二値信
号Dsに変換した上で保存することが可能であるから、
適当なタイミングで、二値信号Dsをデータ線駆動回路
140へと供給することが可能となるのである。
【0131】(第4実施形態)以下では、本発明の第4
の実施形態について説明する。第4実施形態では、図1
2に示すように、図1に示す構成のほか、微調整手段7
00が備えられている点で異なる。
【0132】この微調整手段700は、図12に示すよ
うに、駆動周波数制御回路210に対して制御信号FM
Mを供給するようになっている。これにより、駆動周波
数制御回路210により生成されるスタートパルスDY
の供給時点は、上述の受光素子500及び周波数検出回
路600による変更を受け得る他、微調整手段700に
よる変更をも受け得ることとなる。また、この微調整手
段700の具体的形態としては、例えば、ダイヤル式、
ボタン式、あるいはリューズ式等、視認者の手動によっ
て調整が可能な構成であれば、どのようなものも基本的
に採用可能である。
【0133】このような微調整手段700によれば、次
のような作用効果が得られる。すなわち、例えば上述し
た第1実施形態で説明したように、フレーム周波数を、
受光素子500及び周波数検出回路600等の作用によ
り、光源の明滅の周波数に対して自動的に「同期」させ
た後、当該フレーム周波数について、その微調整を実施
することが可能となるのである。つまり、ただ単に「同
期」を実現すると、第2実施形態のところで述べたよう
に、1フィールド内を構成するサブフィールドの相違に
応じて、画像の明暗の相違が生じるという不具合を被る
おそれのあるところ、第4実施形態では、両周波数の間
に若干の「ずらし」を手動によって設けることが可能と
なるので、上記不具合を解消することが可能となるので
ある。
【0134】しかも、この微調整手段700によれば、
視認者が実地に画像を視認した結果に基づき、その視認
者自身が好ましいと思われるような画像の調整を実施す
ることが可能となるから、より好適な画像調整を実施す
ることが可能となるのである。
【0135】なお、このような第4実施形態は、上述の
第1実施形態に限らず、第2実施形態のように、フレー
ム周波数と光源の明滅の周波数を「同期」させることな
く、当初から、両者を適当に異ならせるような形態に対
しても当然に適用することが可能である。
【0136】本発明は、上述した実施形態に限られるも
のではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる
発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可
能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその
駆動方法もまた、本発明の技術的範囲に含まれるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の電
気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画素部の具体的構成を示す回路図で
ある。
【図3】サブフィールド駆動方法の概要を説明する図で
あって、画素電極に印加される電圧を、フィールド単位
で示すタイミングチャートである。
【図4】図1に示すデータ線駆動回路の構成を示す回路
図である。
【図5】第1実施形態に係る電気光学装置の動作を示す
タイミングチャートである。
【図6】液晶層に入射されるべき光の明滅の周波数と、
該周波数に応じて変化されたフレーム周波数を有するパ
ルス信号の印加態様(A)及びそのような変化を受けな
い比較例(B)とを示す説明図である。
【図7】スタートパルスの印加時点の変化方法の一例を
示す説明図である。
【図8】図6とは別の形態となる説明図であって、液晶
層に入射されるべき光の明滅の周波数と、該周波数に応
じて変化されたフレーム周波数を有するパルス信号の印
加態様(A)及びそのような変化を受けない比較例
(B)とを示す説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係り、液晶層に入射さ
れるべき光の明滅の周波数と、該周波数に応じて変化さ
れたフレーム周波数を有するパルス信号の印加態様とを
示す説明図である。
【図10】図3と同趣旨の図であって、1フィールドを
時間で重み付けした三つのサブフィールドに分割した場
合における画素電極に印加される電圧を、フィールド単
位で示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置の
電気的な構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る電気光学装置の
電気的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
110…画素部 130…走査線駆動回路 140…データ線駆動回路 200…タイミング信号生成回路 210…駆動周波数制御回路 300…データ変換回路 500…受光素子 600…周波数検出回路 700…微調整手段 3a…走査線 6a…データ線 9a…画素電極 10a…画像表示領域 21…対向電極 30…TFT 50…液晶 70…蓄積容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 631 G09G 3/20 631B 641 641E 642 642F 642P 650 650J Fターム(参考) 2H093 NC06 NC12 NC13 NC15 NC16 NC22 NC26 NC28 NC34 NC42 NC44 NC56 NC62 NC90 ND04 ND05 ND06 ND10 ND32 ND34 ND49 NE10 NF04 5C006 AA14 AC11 AC28 AF03 AF44 AF52 AF63 AF71 BB16 BB28 BB29 BC03 BC20 BF02 BF03 BF04 BF24 BF39 BF42 FA23 FA56 5C080 AA10 BB05 DD06 EE29 FF11 GG15 GG17 JJ02 JJ03 JJ04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気光学物質層に対向しマトリクス状に
    配列された画素電極に対応する画素部が表示すべき階調
    を規定する階調データに応じて、1フレームを分割した
    サブフィールドを単位とした当該画素部のオン又はオフ
    を実施することで、当該画素部を駆動する電気光学装置
    であって、 前記電気光学物質層に入射されるべき光を検知する受光
    素子と、該受光素子によって検出された前記光の明滅の
    周波数を検出する周波数検出回路と、 該周波数検出回路によって検出された前記周波数に応じ
    て、前記1フレームの繰り返し周波数たるフレーム周波
    数を変化させる駆動周波数制御回路とを備えたことを特
    徴とする電気光学装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動周波数制御回路は、 前記サブフィールドのそれぞれの開始点を規定するスタ
    ートパルスの供給時点を変更することにより、前記フレ
    ーム周波数を変化させることを特徴とする請求項1に記
    載の電気光学装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動周波数制御回路は、 前記フレーム周波数を、前記光の明滅の周波数に同期さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動周波数制御回路は、 前記フレーム周波数を、前記光の明滅の周波数に応じて
    ずらすことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電気光学物質層に入射されるべき光
    は、当該電気光学装置の外部に存在する光源から発せら
    れた光を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光
    学装置。
  6. 【請求項6】 基板上に、前記画素電極、及び該画素電
    極に接続されたスイッチング素子が形成されるととも
    に、 前記受光素子もまた、前記基板上に形成されることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光
    学装置。
  7. 【請求項7】 基板上に、前記画素電極、及び該画素電
    極に接続されたスイッチング素子が形成される一方、 前記受光素子は、前記基板外に別体として形成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    電気光学装置。
  8. 【請求項8】 前記階調データに応じた二値信号を生成
    するデータ変換回路と、前記二値信号に基づいて、前記
    画素部に対する前記オン又はオフを所定のタイミングで
    実施する書込回路とを更に備え、 前記データ変換回路は、前記階調データ及び前記二値信
    号の少なくとも一方を、少なくとも一画像分記憶するこ
    との可能なフレームメモリを備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の電気光学装置。
  9. 【請求項9】 前記フレーム周波数を変化させ得る手動
    による微調整手段を更に備えたことを特徴とする請求項
    1に記載の電気光学装置。
  10. 【請求項10】 当該電気光学装置は、反射型であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の
    電気光学装置。
  11. 【請求項11】 当該電気光学装置は、半透過反射型で
    あることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に
    記載の電気光学装置。
  12. 【請求項12】 電気光学物質層に対向するマトリクス
    状に配列された画素電極に対応する画素部が表示すべき
    階調を規定する階調データに応じて、1フレームを分割
    したサブフィールドを単位とした当該画素部のオン又は
    オフを実施することで、当該画素部を駆動する電気光学
    装置の駆動方法であって、 前記電気光学物質層に入射されるべき光を検知するステ
    ップと、 前記光の明滅の周波数を検出するステップと、 前記周波数に応じて、前記1フレームの繰り返し周波数
    たるフレーム周波数を変化させるステップと、 を含むことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記フレーム周波数を変化させるステ
    ップは、 前記サブフィールドのそれぞれの開始点を規定するスタ
    ートパルスの供給時点を変更することにより、前記フレ
    ーム周波数を変化させるステップを含むことを特徴とす
    る請求項12に記載の電気光学装置の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記フレーム周波数を変化させるステ
    ップは、 前記フレーム周波数を、前記光の明滅の周波数に同期さ
    せるステップを含むことを特徴とする請求項12に記載
    の電気光学装置の駆動方法。
  15. 【請求項15】 前記フレーム周波数を変化させるステ
    ップは、 前記フレーム周波数を、前記光の明滅の周波数に応じて
    ずらすステップを含むことを特徴とする請求項12に記
    載の電気光学装置の駆動方法。
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