JP2003302774A - 電子写真感光体の製造方法及びそれにより製造された電子写真感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法並びにプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体の製造方法及びそれにより製造された電子写真感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法並びにプロセスカートリッジ

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JP2003302774A JP2002212285A JP2002212285A JP2003302774A JP 2003302774 A JP2003302774 A JP 2003302774A JP 2002212285 A JP2002212285 A JP 2002212285A JP 2002212285 A JP2002212285 A JP 2002212285A JP 2003302774 A JP2003302774 A JP 2003302774A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機光導電層を有する電子写真感光体の表面
が高度な硬度及び耐摩耗性を有し、プリントの画像品質
の耐久性があり、クリーニング性能に優れ、高湿環境に
おいても鮮明な画像を得ることが出来る電子写真感光
体、その製造方法、画像形成装置、並びに交換サイクル
の長いプロセスカートリッジを提供する。 【解決手段】 印加電極とアース電極で構成される対向
電極の電極間を、大気圧もしくはその近傍の圧力として
反応性ガス及び希ガスまたは窒素ガスを含有する反応ガ
スを導入し、該電極間に高周波電圧を印加して放電させ
ることによって反応ガスをプラズマ状態とし、該電子写
真感光体の導電性支持体上の有機光導電層面を該プラズ
マ状態の反応ガスにさらすことによって保護層を形成す
ることによって達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧プラズマ放
電処理により導電性支持体上の有機光導電層上に保護層
を形成する新規な電子写真感光体の製造方法、この方法
で製造した電子写真感光体、これを用いた画像形成方
法、画像形成装置並びにプロセスカートリッジに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真画像形成装置において、
有機光導電性物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送層
を有する電子写真感光体が最も広く用いられている。有
機光導電性物質は可視光から赤外光まで各種の露光光源
に対応した材料を開発し易いこと、環境汚染の少ない材
料を選択出来ること、製造コストが安いことなど、他の
感光体に対して有利な点が多くある反面、機械的強度が
低く、多数枚プリントした時の感光面の摩耗等の感光体
表面の劣化や傷が発生し易いなど、耐久性が劣ってい
た。
【0003】上記のような欠点を改良して、これらの特
性を満たすため、これまで様々な検討がなされて来た。
【0004】上記のような有機光導電性物質の耐久性を
向上させるための課題として、クリーニングブレードや
紙との接触及び剥離等により摩擦や傷を改良することが
強く求められて来た。そのためのアプローチの一つとし
て、感光体の表面に高い強度を有する保護層を設ける技
術が検討されて来た。
【0005】一方、電子写真の画像形成装置において、
感光体の交換に際し、高電圧による交換時の危険性、ト
ナーによる汚れ、品質の不安定等多くの問題があった
が、近年感光体を組み込み容易に交換出来るプロセスカ
ートリッジ化が進み、これらの課題は解決されるように
なった。しかし、電子写真画像形成プロセスにおいて、
帯電方式は感光体と帯電極とが非接触のコロナ帯電方式
が主流であったが、感光体の交換が容易なプロセスカー
トリッジ方式となり、画像形成装置のコンパクト化と排
出オゾン量の低減などに有利なローラやブラシなどを用
いた接触型の帯電方式が主流になり、このような面から
も感光体表面が摩耗し易く、また傷が付き易くなるとい
う新たな問題が付加されるようになった。その結果、プ
ロセスカートリッジの交換頻度が多くなり、使用者のコ
ストアップになるばかりでなく、使用済みのプロセスカ
ートリッジの廃棄が環境に影響を及ぼすことも考えら
れ、プロセスカートリッジの寿命を長くするという新た
な課題がクローズアップして来た。カートリッジの寿命
を長くするには、感光体の安定性、特に耐摩耗性が重要
であり、交換までの期間の長いプロセスカートリッジが
求められていた。
【0006】このような高い強度を有する保護層は、有
機光導電層の上に塗布に代表される湿式製膜法により金
属酸化物を含有する層が形成され、あるいはスパッタリ
ング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空
系での乾式製膜法により金属薄膜や金属酸化物薄膜が形
成されていた。湿式製膜法は、生産性が高い点有利であ
るが、塗布液中の物質が、乾燥後に塗布層中に金属酸化
物や硬化性樹脂の未反応物質として残り易く、経時によ
り塗布層が劣化したり、変性し易い。例えば、特開平6
−118681号公報には電子写真感光体の表面層とし
て、コロイダルシリカ含有硬化性シロキサン樹脂を用い
ることが記載されているが、硬化性シロキサン樹脂は未
反応のシラノール基やコロイダルシリカが水分子や活性
ガスの吸着サイトとなり、高温高湿下での画像流れを引
き起こす等問題が多い。また、有機光導電層の劣化防止
のために、塗布層の硬化温度を150℃以下にする必要
があるが、この温度範囲では高密度の緻密で強固な塗布
層が得にくくなるという欠点を生じた。一方、真空中で
の乾式製膜法については、セレン感光層の上にアモルフ
ァスシリコン等をプラズマCVD法や光CVD法で積層
する方法が特開昭57−179859号及び同59−5
8437号公報に開示されており、また、グロー放電に
より非晶質炭化水素膜を保護膜として設ける方法として
特開昭63−220166号公報などを挙げることが出
来る。プラズマCVD法、グロー放電分解法あるいは光
CVD法により有機光導電層の上に水素を含有するダイ
ヤモンド状カーボンをもしくは非晶質カーボン構造を有
する層を順次積層し硬度の高い表面保護層を形成する真
空の技術が特開平9−101625号公報に開示されて
いる。このような乾式製膜法に用いる真空装置は、基材
を多量にすればするほど装置が大型化するし、値段も高
額になり、更にバッチ生産になるため、真空にするにも
排気するにも膨大に時間を費やし、生産性が極端に低下
し、デメリットが大きい。その結果、本来の金属酸化物
薄膜や金属化合物薄膜に期待されるような高い強度を有
する薄膜表面が得にくく、または硬度が高すぎたり、薄
膜が不均一になり、しかも表面の摩擦係数が増大するな
どの不具合が多く存在していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、少
なくとも導電性層、有機光導電層を有する電子写真感光
体の表面が、高度な硬度及び耐摩耗性を有し、プリント
の画像品質を長期にわたり維持出来る耐久性を有し、プ
リント時のクリーニングブレードとの摩擦係数が小さ
く、クリーニング性能に優れ、更に高湿環境においても
鮮明な画像を得ることが出来る電子写真感光体の製造方
法及びその方法で作製された電子写真感光体を提供する
こと、また、第2の目的は、上記高品質のコピーを長期
間にわたって得ることの出来る画像形成装置、及び画像
形成装置から脱着可能で、交換サイクルの長いプロセス
カートリッジを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成より
なる。
【0009】(1) 導電性支持体の上に少なくとも有
機光導電層を形成し、該有機光導電層上に保護層を形成
する電子写真感光体の製造方法において、印加電極とア
ース電極で構成される対向電極の電極間を、大気圧もし
くはその近傍の圧力として反応性ガス及び希ガスまたは
窒素ガスを含有する反応ガスを導入し、該電極間に高周
波電圧を印加して放電させることによって反応ガスをプ
ラズマ状態とし、該有機光導電層面を該プラズマ状態の
反応ガスにさらすことによって保護層を形成することを
特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0010】(2) 該有機光導電層面を、電極間外で
プラズマ状態の反応ガスにさらすことによって、前記有
機光導電層上に保護層を形成することを特徴とする
(1)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0011】(3) 前記有機光導電層面を、電極間に
おいてプラズマ状態の反応ガスにさらすことによって、
前記有機光導電層上に保護層を形成することを特徴とす
る(1)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0012】(4) 前記導電性支持体がシート状また
はフィルム状であって、該導電性支持体を移送させなが
ら前記有機光導電層の上に保護層を形成することを特徴
とする(1)乃至(3)の何れか1項に記載の電子写真
感光体の製造方法。
【0013】(5) 前記導電性支持体が、外周面に導
電性層を有する円筒形状であり、該導電性支持体を円筒
の円周方向に回転させながら前記有機光導電層の上に保
護層を形成することを特徴とする(1)または(2)に
記載の電子写真感光体の製造方法。
【0014】(6) 前記対向電極が、印加電極及びア
ース電極の平行する2個の平板固定電極であることを特
徴とする(1)乃至(5)の何れか1項に記載の電子写
真感光体の製造方法。
【0015】(7) 前記アース電極をロール状回転電
極とし、該ロール状回転電極の外周面より大きい同心円
の円弧上に電極面が連続または不連続に配置された固定
電極を印加電極として、シート状またはフィルム状の導
電性支持体を該ロール状回転電極に密着して巻き回しな
がら前記有機光導電層の上に保護層を形成することを特
徴とする(1)、(3)または(4)に記載の電子写真
感光体の製造方法。
【0016】(8) 前記対向電極の少なくとも一方の
電極が、少なくとも金属母材とその上に被覆した誘電体
で構成されているものであることを特徴とする(1)乃
至(7)の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0017】(9) 前記アース電極がシート状または
フィルム状の導電性支持体を電極としたシート状または
フィルム状の導電性支持体電極であり、該導電性支持体
電極と印加電極の対向電極間で前記有機光導電層の上に
保護層を形成することを特徴とする(1)に記載の電子
写真感光体の製造方法。
【0018】(10) 前記印加電極が平板固定電極で
あって、該平板固定電極と、該平板固定電極面と平行に
移動するシート状またはフィルム状の導電性支持体電極
の対向電極間で保護膜を形成することを特徴とする
(9)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0019】(11) 前記印加電極が絶縁性ロール状
回転体の外周面より大きい同心円の円弧上に電極面を有
する連続または不連続に配置された固定電極であり、該
固定電極と、該絶縁性ロール状回転体に巻き回しながら
移動する前記導電性支持体電極との対向電極間で、前記
有機光導電層の上に保護層を形成することを特徴とする
(9)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0020】(12) 前記アース電極が、外周面に導
電性層を有する円筒状の導電性支持体を電極とする円筒
状の導電性支持体電極であり、該円筒状の導電性支持体
電極と印加電極の対向電極間で前記有機光導電層の上に
保護層を形成することを特徴とする(9)に記載の電子
写真感光体の製造方法。
【0021】(13) 前記印加電極が、該円筒状の導
電性支持体電極の外周より大きい同心円の円周上または
円弧上に電極面が連続または不連続に配置された固定電
極であり、該円筒状の導電性支持体電極と固定電極の対
向電極間で前記有機光導電層の上に保護層を形成するこ
とを特徴とする(12)に記載の電子写真感光体の製造
方法。
【0022】(14) 前記固定電極が凹面を有する凹
面状固定電極であることを特徴とする(7)、(11)
または(13)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0023】(15) 前記固定電極が、複数のパイプ
状電極からなる電極群であることを特徴とする(7)、
(11)または(13)に記載の電子写真感光体の製造
方法。
【0024】(16) 前記固定電極が、筒抜けの円筒
状電極であることを特徴とする(13)に記載の電子写
真感光体の製造方法。
【0025】(17) 前記円筒状の導電性支持体を回
転させながら前記有機光導電層の上に保護層を形成する
ことを特徴とする(12)乃至(16)の何れか1項に
記載の電子写真感光体の製造方法。
【0026】(18) 外周面に導電性層を有する円筒
状の導電性支持体の該導電性層の上に少なくとも有機光
導電層を形成し、該円筒状の導電性支持体をアース電極
としての導電性支持体電極とし、該円筒状の導電性支持
体電極を円周方向に回転させ、且つ該円筒状の導電性支
持体電極の円筒の軸方向、または円筒の軸に直角方向
に、印加電極に沿って移動させながら、該有機光導電層
上に保護層を形成する電子写真感光体の製造方法におい
て、回転し且つ移動する複数の円筒状の導電性支持体電
極と印加電極との対向電極間で、大気圧もしくはその近
傍の圧力下、該電極間に高周波電圧を印加して放電させ
ることにより該電極間に導入した反応性ガス及び希ガス
または窒素ガスを含有する反応ガスをプラズマ状態と
し、該有機光導電層面を該プラズマ状態の反応ガスにさ
らすことによって、保護層を形成することを特徴とする
電子写真感光体の製造方法。
【0027】(19) 前記印加電極を平板固定電極と
し、該平板固定電極面に平行に沿って、円周方向に回転
しながら円筒の軸と直角の方向に連続的に移動する複数
の円筒状の導電性支持体電極と、該平板固定電極との対
向電極間で前記有機光導電層上に保護層を形成すること
を特徴とする(18)に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0028】(20) 前記印加電極を前記円筒状の導
電性支持体電極の外周より大きい同心円の円弧上にある
樋状の凹面を有する凹面状固定電極とし、該凹面状固定
電極と、該凹面状固定電極の樋状の凹面に沿って、円周
方向に回転しながら且つ軸方向に連続して移動する複数
の円筒状の導電性支持体電極とで対向電極を構成し、該
対向電極間で前記有機光導電層上に保護層を形成するこ
とを特徴とする(18)に記載の電子写真感光体の製造
方法。
【0029】(21) 前記印加電極を前記円筒状の導
電性支持体電極の外周より大きい同心円の筒抜けの円筒
状電極とし、該円筒状電極と、該円筒状電極の中を円周
方向に回転しながら且つ軸方向に連続して移動する複数
の円筒状の導電性支持体電極とで対向電極を構成し、該
対向電極間で前記有機光導電層上に保護層を形成するこ
とを特徴とする(18)に記載の電子写真感光体の製造
方法。
【0030】(22) 前記筒抜けの円筒状電極が、前
記円筒状の導電性支持体電極の外側を円周方向に回転す
ることを特徴とする(21)に記載の電子写真感光体の
製造方法。
【0031】(23) 前記印加電極を円筒状の導電性
支持体電極の外周より大きい同心円に配置された複数の
パイプ状電極で構成されるパイプ状電極群とし、該パイ
プ状電極群の内側を該円筒状の導電性支持体電極が円周
方向に回転しながら且つ軸方向に連続的に移動する複数
の円筒状の導電性支持体電極とで対向電極を構成し、該
対向電極間で前記有機光導電層上に保護層を形成するこ
とを特徴とする(18)に記載の電子写真感光体の製造
方法。
【0032】(24) 前記パイプ状電極群が前記円筒
状の導電性支持体電極の外側を円周方向に回転すること
を特徴とする(23)に記載の電子写真感光体の製造方
法。
【0033】(25) 前記印加電極が、少なくとも金
属母材とその上に被覆した誘電体で構成されていること
を特徴とする(9)乃至(24)の何れか1項に記載の
電子写真感光体の製造方法。
【0034】(26) 前記誘電体が6〜45の比誘電
率の無機物であることを特徴とする(8)または(2
5)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0035】(27) 前記高周波電圧が連続したサイ
ン波であることを特徴とする(1)乃至(26)の何れ
か1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0036】(28) 前記高周波電圧を100kHz
を超えた電圧とし、且つその時供給する電力を1W/c
2以上とすることを特徴とする(1)乃至(27)の
何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0037】(29) 前記反応ガスが90.0〜9
9.9体積%の希ガスまたは窒素ガスを含有しているこ
とを特徴とする(1)乃至(28)の何れか1項に記載
の電子写真感光体の製造方法。
【0038】(30) 前記反応性ガスが、金属化合
物、有機金属化合物、有機化合物、酸素、オゾン、過酸
化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選ば
れる少なくとも一つを有することを特徴とする(1)乃
至(29)の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造
方法。
【0039】(31) 前記反応ガスが、酸素、オゾ
ン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素
から選ばれる反応性ガスを0.01〜5体積%含有して
いることを特徴とする(1)乃至(30)の何れか1項
に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0040】(32) 前記有機金属化合物がアルコキ
シド基、アルキル基、β−ケトン基、アルキルカボキシ
基が金属に結合した化合物であることを特徴とする(3
0)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0041】(33) 前記金属化合物がハロゲン原
子、窒素原子、ホウ素原子から選ばれ少なくとも一つが
結合したものであることを特徴とする(30)に記載の
電子写真感光体の製造方法。
【0042】(34) 前記有機金属化合物または前記
金属化合物の金属が、Al、Si、Ti、V、Cr、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、In、Sn、Wから選ば
れるものであることを特徴とする(30)、(32)ま
たは(33)に記載の電子写真感光体の製造方法。
【0043】(35) (1)乃至(34)に記載の方
法により金属酸化物を主成分とする保護層が形成された
ことを特徴とする電子写真感光体。
【0044】(36) 保護層が炭素含有率0.2〜5
質量%の炭素を含有していることを特徴とする(35)
に記載の電子写真感光体。
【0045】(37) 前記炭素含有率が0.3〜3質
量%であることを特徴とする(36)に記載の電子写真
感光体。
【0046】(38) 前記保護層が10〜10,00
0nmの厚さを有することを特徴とする(35)乃至
(37)の何れか1項に記載の電子写真感光体。
【0047】(39) (35)乃至(38)の何れか
1項に記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯
電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各工程を経
て画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0048】(40) (35)乃至(38)の何れか
1項に記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯
電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段を経
て画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0049】(41) 電子写真感光体を有し、且つ少
なくとも帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの
各手段を有する画像形成装置に使用するプロセスカート
リッジにおいて、(35)乃至(38)の何れか1項に
記載の電子写真感光体と、帯電器、像露光器、現像器及
びクリーニング器から選ばれる少なくとも一つと一体に
組み合わさっており、且つ画像形成装置に脱着自在に設
計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0050】本発明を詳述する。本発明は、大気圧もし
くはその近傍の圧力下で、対向する電極間において高周
波電圧を印加し、そこに導入された反応性ガスと希ガス
または窒素ガスを含有する反応ガスをプラズマ状態にし
たガスに処理すべき基材表面をさらすことによって、基
材表面に薄膜を形成させる大気圧プラズマ放電処理方法
(本発明において、このように表現することにする)を
用いて、上記基材が導電性層を有し、その上に有機光導
電層を有する電子写真感光体の導電性支持体に保護層を
形成した電子写真感光体及びその製造方法に関する。ま
たこの製造方法で製造した電子写真感光体を用いた画像
形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関
する。
【0051】なお、以降の本発明において、保護層を薄
膜という場合があり、本来薄膜を形成する装置または方
法であるため、このような渾然とした使い方となるが、
特に使い分けない限り保護層と薄膜は同義とする。
【0052】本発明において、対向電極間で発生するプ
ラズマ状態の反応ガスに、被薄膜形成体としての電子写
真感光体の導電性支持体(詳しくは、導電性支持体の上
にある後述の有機光導電層であるが、単に導電性支持体
とする場合がある)をさらすことによって、該導電性支
持体上に保護層を形成させる方法の他に、対向電極の一
方が被薄膜成基材の電子写真感光体の導電性支持体それ
自体が電極の役目を担いながら該対向電極間で発生する
プラズマ状態の反応ガスに該導電性支持体をさらすこと
によって、該導電性支持体上に保護層を形成させる方法
が本発明の特徴の一つとなっている。
【0053】本発明において、有機光導電層とは電子写
真感光体の構成には必要不可欠な電荷発生機能及び電荷
輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせ
て構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷
発生物質または有機電荷輸送物質から構成された感光
体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成し
た感光体等公知の有機電子写真感光体を全て包含する。
【0054】本発明に使用する電子写真感光体の有機光
導電層に用いられる有機光導電性化合物としては、例え
ば、特開2000−305291に記載されている化合
物を挙げることが出来、何れも本発明において有用であ
る。
【0055】電子写真感光体の導電性支持体の上の有機
光導電層には、電荷発生機能を有する有機光導電性化合
物と電荷輸送機能を有する有機光導電性化合物を1層の
中に混合物の層とする場合と、性質の異なる有機光導電
層を別々に電荷発生層と電荷輸送層に分けた積層とする
場合とがある。本発明においては、何れの場合にも「導
電性支持体の上に有機光導電層を有する」というよう
に、電荷発生層と電荷輸送層を分けずに単に有機光導電
層という言葉で表現し説明することとする。また有機光
導電層を省略して「導電性支持体上に保護層を設ける」
というような言葉の使い方をする場合があることを断っ
て置く。
【0056】本発明において、電子写真感光体に使用さ
れる導電性を有する導電性支持体としては、そのものが
導電体であるもの、あるいは、絶縁体の表面に導電層を
有しているものとがある。例えば前者では、アルミニウ
ム、鉄、ステンレススティール、銅、チタン、ニッケル
等の金属あるいはそれらの合金製の導電性支持体、また
後者では、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタ
レート、略してPET)、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ガラス、紙等の絶縁性基材上に、アルミニウム、
銀、金等の金属、酸化インジウムあるいは酸化錫等を蒸
着した導電性支持体を挙げることが出来る。
【0057】本発明における有機光導電層を有する電子
写真感光体には、大まかに言って2通りの形態がある。
その一つは、表面に導電層を有している円筒状の導電性
支持体の上に有機光導電層を有するものと、他の一つは
表面に導電層を有している絶縁性のプラスティックフィ
ルム状またはシート状の導電性支持体の上に有機光導電
層を有するものとがある。前者は円筒形の電子写真感光
体自体がロール状(あるいは、シリンダー状、ドラム
状)で回転する方式で、本発明においては円筒状の導電
性支持体といい、回転することによりエンドレスに画像
を形成するのに必要な円筒状の支持体を意味し、その真
直度として0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲
にある導電性支持体が好ましい。この真直度及び振れの
範囲を超えると良好な画像形成が困難になる。
【0058】また、後者は、ベルト型の電子写真感光体
として、二つのロール間に張られたエンドレスベルトと
して回転する方式である。また、板状であってもよい。
【0059】いずれもエンドレスに連続して帯電、露
光、現像、転写、クリーニングの電子写真の各プロセス
が繰り返されるようになっている。
【0060】本発明において、円筒状の導電性支持体
は、上記のように円筒自体が導電性のものであっても、
また絶縁体の樹脂製の表面が導電性のものであってもよ
い。前者の場合は金属製の円筒状支持体であってもよ
く、また後者の場合、絶縁性の樹脂円筒の表面に導電性
の層を有しているか、または金属製の筒で覆われていて
もよい。
【0061】次に、本発明に係る大気圧プラズマ放電処
理装置及び薄膜形成方法について説明する。
【0062】本発明に係る大気圧プラズマ放電処理方法
は、従来のCVD法(化学蒸着法:Chemical
Vapor Deposition法)のような常圧で
高温(例えば1,000℃)において基材表面に薄膜を
析出させる方法のように超高温状態での処理はプラステ
ィック支持体や有機光導電性物質を傷められ使用に耐え
られない程、燃焼、破損してしまう方法ではなく、ま
た、PVD法(Phisical Vapor Dep
osition法)である真空蒸着やスパッタは系内を
高真空にしその中でプラズマ放電処理するバッチ式で、
高真空下のため高密度のプラズマ放電が得にくいばかり
でなく、バッチ式に起因する真空にしたり常圧に戻した
りする生産形態が不連続で、特に高真空にするには非常
に長い時間がかかり、品質としてはある程度満足するも
のが得られるものの、生産性が悪く、大量処理が出来な
いことなどの課題が多い。また、プラズマCVD法、グ
ロー放電分解法、光CVD法においては、超高温に比べ
比較的低温で電子写真感光体上に保護層(前出の特開平
9−101625号公報)の薄膜が形成されるものの薄
膜形成物質の密度が低く、耐傷性、耐すり傷性、耐摩耗
性、耐高温高湿性等、本発明者が求める薄膜レベルに達
せず、満足するものには至らなかった。これらに対し
て、本発明に係る大気圧プラズマ放電処理方法は、放電
温度がより低いにも拘わらず、効率的にプラズマを発生
し易く、被処理体の導電性支持体や有機光導電層が破壊
されず、しかも連続的に処理が出来、且つ本発明者が求
める緻密で強固な良質な保護層を有機光導電層の上に形
成することが出来る。更に、製造が容易で、大量生産に
適し、生産性が優れていることなど、優位な製造方法で
あるといえる。
【0063】本発明において、大気圧もしくはその近傍
の圧力下でのプラズマ放電処理における大気圧もしくは
その近傍の圧力とは、20〜200kPaの圧力を表す
が、本発明に記載の効果を好ましく得るためには90〜
110kPa、特に93〜104kPaが好ましい。
【0064】本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処
理方法は、特開2000−185362、同2000−
147209、同2000−121804、同2000
−072903、特願2001−175475、同20
01−131663等に記載されているように、対向す
る電極間においてプラズマ放電を大気圧もしくはその近
傍の圧力下で反応性ガス及び希ガスまたは窒素ガスを含
有する反応ガスを存在させて発生させて反応ガスをプラ
ズマ状態とし、該プラズマ状態の反応ガスに基材の表面
をさらし、求める物質層を形成させる処理方法である。
本発明において、基材なる語は、導電性支持体または導
電性支持体の上にある有機光導電層を意味し、元来被薄
膜形成体のことであり、これらは本発明においては同義
である。
【0065】本発明において、大気圧プラズマ放電処理
する導電性支持体側の電極をアース電極とし、これに対
向する電極を印加電極とする。印加電極には下記の如き
高周波電源を接続し、アース電極にはもちろんアースに
接地する。
【0066】本発明に係る薄膜形成方法においては、対
向する電極間に、1kHz〜150MHzの高周波電圧
を印加し、反応ガスを励起してプラズマを発生させるこ
とによって緻密な薄膜を導電性支持体表面に設けること
が出来るが、更に本出願人は、100kHzを越えた高
周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力を供給し、
反応ガスを励起してプラズマを発生させるハイパワーの
電界を印加することによって、より緻密で、膜厚均一性
の高い高機能性の薄膜を、生産効率高く得ることが可能
であることを本出願人は既に見い出している(特願20
01−175475)。
【0067】本発明において、電極間に印加する高周波
電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下
である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、
1kHz、好ましくは5kHzより好ましくは100k
Hzを越える周波数、更に好ましくは200kHz以
上、特に好ましくは800kHz以上である。
【0068】印加電極に電圧を印加する高周波電源とし
ては、特に限定はないが、本発明において使用し得る高
周波電源としては、神鋼電機製高周波電源(5kHz、
50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(連続モー
ド使用、100kHz)、パール工業製高周波電源(2
00kHz)、パール工業製高周波電源(800kH
z)、パール工業製高周波電源(2MHz)、パール工
業製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高
周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(1
50MHz)等を好ましく使用出来る。
【0069】また、電極間に供給する電力の下限値は、
0.5W/cm2であり、好ましくは1.0W/cm2
上、より1.2W/cm2以上であり、上限値として
は、好ましくは50W/cm2以下、更に好ましくは2
0W/cm2以下である。尚、電極における電圧の印加
面積(1/cm2)は、放電が起こる範囲の面積のこと
を指す。
【0070】印加電極に印加される電圧の値は適宜決定
されるが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、電
源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調
整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モード
と呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモ
ードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モ
ードのどちらを採用しても良いが連続モードの方がより
緻密で良質な膜が得られる。
【0071】高周波電界はサイン波形を有すが、パルス
化された電界を印加することも可能である。このパルス
化の意味は、ON/OFFのデューティ比を変化させる
ことでプラズマガス温度の変化が可能になる。これによ
り、表面凹凸の形状を変化させることも可能となる場合
がある。特開平10−130851号公報の図1の
(a)〜(d)のパルス波形であってもよい。
【0072】また、電極間に印加する高周波電圧は、断
続的なパルス波であっても、連続したサイン波であって
も構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続
したサイン波であることが好ましい。
【0073】本発明においては、ハイパワーの電圧を印
加しても、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電
極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
【0074】このような電極としては、金属母材上に誘
電体を被覆したものであることが好ましい。対向する印
加電極とアース電極の少なくとも一方の放電面に誘電体
を被覆すること、更に好ましくは、対向する印加電極と
アース電極の両方に誘電体を被覆することである。本発
明においては、上記のような金属母材とその上に誘電体
を被覆した印加電極と対向するアース電極が電子写真感
光体の導電性支持体である場合は、印加電極には必ず金
属母材とその上に被覆した誘電体を有する電極を用いる
ことが重要である。
【0075】誘電体被覆電極は、金属等の導電性母材
と、セラミックスやガラス等の誘電体素材の複合部品で
あり、供給する電力、特にトータル電力が大きい場合に
は、誘電体の脆弱な部分から破壊されやすく、安定した
プラズマ放電を維持することが難しい。特に、大きい放
電面積を有する誘電体被覆電極においては、それが顕著
であり、本発明のハイパワーを用いる薄膜形成方法を実
施するためには、それに耐えうる誘電体被覆電極が必要
となる。
【0076】本発明の誘電体被覆電極に用いられる誘電
体としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化
合物であることが好ましく、また、このような誘電体と
しては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるい
は、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスラ
イニング材等がある。この中では、後述のセラミックス
を溶射したものやガラスライニングにより設けたものが
好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ま
しい。
【0077】誘電体被覆電極において、上述のような大
電力に耐える仕様の一つとして、本発明者らが鋭意検討
した結果、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましく
は8体積%以下であることを本発明者らは見いだした。
好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。尚、
誘電体の空隙率は、誘電体の厚み方向に貫通性のある空
隙率を意味し、水銀ポロシメーターにより測定すること
が出来る。後述の実施例においては、島津製作所製の水
銀ポロシメーターにより導電性母材に被覆された誘電体
の空隙率を測定したものである。誘電体が、低い空隙率
を有することにより、高耐久性が達成される。このよう
な空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述
の大気圧プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラ
ミックス溶射被膜等を挙げることが出来る。さらに空隙
率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
【0078】また、誘電体被覆電極の他の好ましい仕様
としては、誘電体を、溶融法により得られるガラスを用
いてガラスライニング法で形成したものである。このと
きの誘電体は、泡混入量の異なる2層以上の層からなる
ことがより耐久性を高める。前記泡混入量としては、導
電性母材に接する最下層が20〜30体積%であり、次
層以降が5体積%以下であることが好ましい。泡混入量
は、ガラス自体の固有密度と、ガラスライニング層の密
度との関係から算出することが出来る。ガラスへの泡混
入量の制御方法としては、もともとガラスの溶融物には
泡が混入しているため、脱気を行うが、該脱気度合いを
変化させることによって所望の値とできる。このような
泡混入量をコントロールし、層状に設けたガラスライニ
ング法による誘電体も、耐久性の高い電極が得られる。
また、このときの誘電体層のトータル厚みは0.5〜
2.0mmであり、更に最下層の膜厚が、0.1mm以
上あり次層以降のトータル膜厚が0.3mm以上あるこ
とが好ましい。
【0079】また、本発明の誘電体被覆電極において、
大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が
100℃以上であることである。更に好ましくは120
℃以上、特に好ましくは150℃以上である。尚、耐熱
温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態
において耐えられる最も高い温度のことを指す。このよ
うな耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量
の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用
したり、下記導電性母材と誘電体の線熱膨張係数の差の
範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせるこ
とによって達成可能である。
【0080】また、本発明の誘電体被覆電極において、
別の好ましい仕様としては、誘電体と導電性母材との線
熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わ
せのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、さら
に好ましくは5×10-6/℃以下、さらに好ましくは2
×10-6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知
の材料特有の物性値である。
【0081】線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電
性母材と誘電体との組み合わせとしては、 1)導電性母材がチタン金属またはチタン合金で、誘電
体がセラミックス溶射被膜 2)導電性母材がチタン金属またはチタン合金で、誘電
体がガラスライニング 3)導電性母材がステンレススティールで、誘電体がセ
ラミックス溶射被膜 4)導電性母材がステンレススティールで、誘電体がガ
ラスライニング 5)導電性母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、
誘電体がセラミックス溶射被膜 6)導電性母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、
誘電体がガラスライニング 7)導電性母材がセラミックスおよびアルミの複合材料
で、誘電体がセラミックス溶射皮膜 8)導電性母材がセラミックスおよびアルミの複合材料
で、誘電体がガラスライニング 等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1)
及び2)および5)〜8)が好ましく、1)及び2)が
より好ましく、更に1)が好ましい。
【0082】また、本発明の誘電体被覆電極において、
大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚
みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動
は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以
下、さらに好ましくは1%以下である。
【0083】上記、導電性母材に対し、セラミックスを
誘電体として高密度に、高密着に溶射する方法として
は、大気圧プラズマ溶射法が挙げられる。大気圧プラズ
マ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラ
ズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子と
して被覆対象の母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術
である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子
に解離させ、さらにエネルギーを与えて電子を放出させ
た高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射
速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べ
て、溶射材料が高速で母材に衝突するため、密着強度が
高く、高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特
開2000−301655に記載の高温被曝部材に熱遮
蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。こ
の方法によれば、被覆する誘電体(セラミック溶射膜)
の空隙率を上記のようにすることが可能である。
【0084】誘電体の空隙率をより低減させるために
は、セラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封
孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物として
は、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素
(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
【0085】封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応に
より硬化して形成したものであることが好ましい。封孔
処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものであ
る場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セ
ラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化す
る。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合に
は、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ま
しい。
【0086】ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギ
ー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理として
は、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射
などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈
し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、より
いっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出
来る。
【0087】本発明の誘電体被覆電極の金属アルコキシ
ド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティン
グした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場
合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60mol%以
上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドと
してアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSi
x(xは2以下)含有量が60mol%以上であるこ
とが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSによ
り誘電体層の断層を分析することにより測定する。
【0088】また、誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨
仕上げする等の方法により、電極の表面粗さRmax
(JIS B 0601)を10μm以下にすること
で、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つこ
とが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差
や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつ、高精度
で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表
面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体
において行われることが好ましい。
【0089】このような電極を用いた大気圧プラズマ放
電処理装置について、アース電極と、対向する位置に配
置された印加電極との間で放電させ、当該電極間に反応
ガスを導入してプラズマ状態とし、導電性支持体を前記
プラズマ状態の反応ガスにさらすことによって、薄膜を
形成するものであるが、本発明に係るの薄膜形成方法を
実施する装置としてはこれに限定されるものではなく、
グロー放電を安定に維持し、薄膜を形成するために反応
ガスを励起してプラズマ状態とするものであればよい。
【0090】本発明における対向電極間の距離は、電極
の金属母材に被覆した誘電体の厚さ、印加電圧の大き
さ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。
対向電極の一方に誘電体を被覆した場合の誘電体表面と
他方の電極表面の距離、対向電極の双方に誘電体を被覆
した場合の誘電体表面同士の距離、あるいは対向電極の
片方に電極の被覆された誘電体表面と、他方が導電性支
持体電極の場合の導電性支持体電極表面の距離は、いず
れの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mm
が好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmであ
る。
【0091】本発明の電子写真感光体のプラズマ放電処
理装置及び方法について図を用いて説明する。
【0092】大気圧プラズマ放電処理のための基本的な
装置は、後述の図4において述べるが、主たるものとし
て、印加電極とアース電極で構成する対向電極、印加電
極に高周波電圧を供給する高周波電源、反応ガスを供給
する系統、電極の温度調節系統等の構成からなってい
る。ここではおおむね請求項の順に従って説明すること
とする。
【0093】図1及び2は、対向電極間で発生したプラ
ズマ状態の反応ガスを電極間外部にジェット状に導き、
そのプラズマ状態の反応ガスに導電性支持体をさらすこ
とにより保護層を形成させる例を示したものである。
【0094】図1は、対向電極間で発生するプラズマ状
態の反応ガスをジェット状にしてシート状またはフィル
ム状の導電性支持体の表面に保護層を形成させる大気圧
プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。高周
波電源4により高周波電圧を印加する印加電極1とアー
ス電極2の対向電極の電極間で放電を起こさせ、該電極
間に反応ガスGを導入し、そこでプラズマ状態の反応ガ
スG°(点線で表している)がジェット状に下方に流れ
(ジェット方式)、電極の下において移送して来るシー
ト状またはフィルム状の導電性支持体CF上の有機光導
電層面が処理位置3に来たところで該有機光導電層面に
保護層を形成させる。導電性支持体CFは、図示してな
い基材の元巻ロールから巻きほぐされて搬送されるか、
あるいは前工程から搬送されて来る。G′は処理排ガス
である。1A及び2Aは印加電極1及びアース電極2の
金属母材であり、1B及び2Bは誘電体である。
【0095】図2は、対向電極間で発生するプラズマ状
態の反応ガスをジェット状にして円筒状の導電性支持体
の表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装
置の一例を示す概略図である。図2は、図1のシート状
またはフィルム状の導電性支持体CFを、円筒状の導電
性支持体CDに変えた図である。この方法により、シー
ト状またはフィルム状の導電性支持体でなくとも同様な
装置で保護層を形成することが出来る。円筒状の導電性
支持体CDは処理を均一化するために、回転させること
が好ましい。
【0096】図3〜7は、対向電極間において、プラズ
マ状態の反応ガスにシート状またはフィルム状の導電性
支持体上の有機光導電層をさらし、その上に保護層を形
成させるものである。図3は、印加電極とアース電極に
平板固定電極を用いその電極間に導電性支持体を通す形
式で、また、図4と7は、アース電極にロール状回転電
極を使用し、導電性支持体を該ロール状回転電極に巻き
回しながら通す形式である。
【0097】図3は、予備室を有し、2個の平板固定電
極の対向電極間でシート状またはフィルム状の導電性支
持体の表面に保護層を形成させるプラズマ放電処理装置
の一例を示す概略図である。10は大気圧プラズマ放電
処理装置、11はプラズマ放電処理容器である。図示し
てない元巻ロールから巻きほぐされて搬送されるか、あ
るいは前工程から搬送されて来るシート状またはフィル
ム状の導電性支持体CFは、大気圧もしくはその近傍の
圧力下、連続的にプラズマ放電処理する処理室12に移
送され、印加電極の平板固定電極13及びアース電極の
平板固定電極14の対向電極間でプラズマ放電処理され
る。処理室12は前記シート状またはフィルム状の導電
性支持体CFの入口12ENと出口12EXによって間
仕切りされている。処理室12に隣接して該導電性支持
体CFの入口側に予備室20が設けられ、その予備室2
0に隣接して更に予備室21が設けられている。出口1
2EX側にも処理室12に隣接して予備室22が設けら
れている。予備室を設ける場合、該導電性支持体CFの
入口12EN側に二つ、出口12EX側に一つを設ける
態様であってもよいが、これに限定されず、該導電性支
持体CFの出入口側に一つづつ設けてもよく、入口12
EN側に二つ設け、出口12EX側に設けなくともよ
く、あるいは入口12EN側に二つ以上、出口12EX
側に二つ以上設けてもよい。いずれの態様であっても、
該処理室12内の内圧が、隣接する予備室20の内圧よ
り高いことが必要であり、好ましくは0.25Pa以上
高いことである。このように処理室12と予備室20の
間でも圧力差を設けることにより、外部空気の混入を防
止し、反応ガスの有効使用が可能となり、処理効果も更
に向上する。また処理室12に隣接して入口12EN側
に二つ以上、出口12EX側に二つ以上予備室を設けた
場合、その予備室20と隣り合う予備室21の間の差圧
は、処理室12に近い側の予備室20の内圧が高く設定
されることが好ましく、0.25Pa以上高く設定され
ることが好ましい。このように複数の予備室同士の間で
も圧力差を設けることによって、外部空気の混入をより
効率的に防止し、反応ガスの有効使用がより可能とな
り、処理効果も更に向上する。予備室20あるいは21
には、反応ガスの少なくとも1成分を有していることが
反応ガスの効率的な使用と処理効果の向上の観点から好
ましい。更に予備室を複数設けて圧力差を設けるには、
減圧手段23を設けることが好ましい。この減圧手段と
しては、吸引ファンあるいは真空ポンプ等を挙げること
が出来る。前記処理室12と予備室20、予備室21同
士の部屋には間仕切りされていることが必要であり、か
かる間仕切り手段としては、入口12EN側に少なくと
も1対のニップロール17、出口12EX側に少なくと
も一対のニップロール18を設けることが好ましい。か
かるニップロール17または18は、該導電性支持体C
Fに対して接触しながら閉鎖ないし間仕切りする機能を
有するが、部屋同士を完全に間仕切り出来ないので、圧
力差を設ける手段が有効に機能するのである。また間仕
切り手段としては、該導電性支持体CFに対して所定の
間隙を保ち、且つ非接触での手段であってもよい。かか
る態様としては図示しないがエアーカーテン方式等も採
用出来る。なお、予備室を設けない場合には、処理室と
外部の間に間仕切りがされればよい。
【0098】また13A及び14Aは対向する平板固定
電極13及び14の金属母材であり、13B及び14B
は誘電体である。この対向する平板固定電極13及び1
4のうち一方の平板固定電極13は印加電極として高周
波電源15に続され、他方の平板固定電極14はアース
電極として、アース16に接地され、対向する平板固定
電極13及び14間に高周波電圧が印加される。
【0099】なお、この図3において示されている処理
室12または予備室20や21は、本発明における他の
図においても必要なものであるが、図の関係から処理室
または予備室が省略されて示されている場合がある。
【0100】プラズマ放電処理容器11はパイレックス
(R)ガラス製やアルミ、または、ステンレススティー
ルのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けたも
のでも良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い
絶縁性をとっても良い。電極との絶縁がとれれば金属製
を用いることも可能である。また、更にプラズマ放電処
理容器20の内側の処理室12を対向電極の平板固定電
極13及び14の側面部、基材搬送部等の側面を囲むこ
とによって安定した処理を行うことが出来好ましい。本
発明に係る図1〜17には、プラズマ放電処理容器が図
によって描かれてあったり、無かったりしているが、本
発明の全ての図に設置されるものであって、ないものに
ついては、図の都合によって省略されているものであ
る。なお、導電性支持体の張力はニップロール17及び
18において調節され、その間で弛みやツレが生じない
ようになっている。
【0101】図3のバリエーションとして、図示してな
いが、平板固定電極13及び14の電極間隙を狭くし、
シート状またはフィルム状の導電性支持体CFをアース
電極の平板固定電極14に接しながら移送させてもよ
い。
【0102】図4は、プラズマ放電処理装置のロール状
回転電極とパイプ状電極群とで対向電極を構成し、該対
向電極間でシート状またはフィルム状の導電性支持体の
表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置
の一例を示す概略図である。
【0103】図4は、大気圧プラズマ放電処理装置及び
それに付随するプラズマ放電処理装置30、ガス充填手
段50、電圧印加手段40及び電極温度調節手段60が
図示されており、本発明に係るプラズマ放電処理装置の
基本的な構成が示されている。本発明の他の図において
は、図の関係からこれらの手段が省略されている場合が
あるが、すべて必要な手段であることを断っておく。
【0104】図4は、アース電極としてのロール状回転
電極35と印加電極のパイプ状固定電極群36として、
シート状またはフィルム状の導電性支持体CFをプラズ
マ放電処理して保護層を形成させるものである。図4
は、本発明の態様の一例を示すものである。シート状ま
たはフィルム状の導電性支持体CFは図示されていない
元巻きから巻きほぐされて搬送して来るか、または前工
程から搬送されて来てガイドロール64を経てニップロ
ール65で基材に同伴して来る空気等を遮断し、ロール
状回転電極35に接触したまま巻き回されながらパイプ
状固定電極群36との間を移送され、ニップロール6
6、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機
で巻き取られるか、次工程に移送する。反応ガスはガス
充填手段50で、ガス発生装置51で発生させた反応ガ
スGを、流量制御して給気口52より処理室32のプラ
ズマ放電処理容器31内に入れ、該プラズマ放電処理容
器31内を反応ガスGで充填し処理排ガスG′を排気口
53より排出するようにする。次に電圧印加手段40
で、高周波電源41によりパイプ状固定電極群36に電
圧を印加し、ロール状回転電極35にはアースを接地
し、放電プラズマを発生させる。ロール状回転電極35
及びパイプ状固定電極群36を電極温度調節手段60を
用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温
度調節手段60で温度を調節した媒体を送液ポンプPで
配管61を経てロール状回転電極35及びパイプ状固定
電極群36内側から温度を調節する。プラズマ放電処理
の際、基材の温度によって得られる保護層の物性や組成
は変化することがあり、これに対して適宜制御すること
が好ましい。媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料
が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方
向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生
じないようにロールを用いた回転電極の内部の温度を制
御することが望まれる。なお、68及び69はプラズマ
放電処理容器31と外界を仕切る仕切板である。
【0105】なお、パイプ状固定電極群36のパイプ状
電極というのは、断面形状は角でも円でも形はどのよう
でもよいが、ロール状回転電極より断面の大きさは小さ
く、ロール状回転電極の回りに複数配置される電極群を
構成し得る大きさのものである。両端は閉じられてい
て、内部は中空で温度調節用の媒体で満たされるように
なっている。更に母材と誘電体の構造に関しては後述の
図6で説明する。このようにパイプ状電極の断面形状は
特に限定はないが、角パイプ状電極や丸パイプ状電極が
好ましい。角パイプ状電極は丸パイプ状電極に比べ角パ
イプ状の方が放電範囲を広げる効果があり好ましい。角
パイプ状電極の回転電極に相対している面は、該回転電
極の中心とを結ぶ線に対して直角であることが好まし
い。更に該回転電極に相対している面は該回転電極の断
面の円の同心円の円弧を有する面であることが好まし
い。図4のパイプ状固定電極群36のそれぞれの電極は
角パイプ状電極として表されている。
【0106】本発明に係る電極は金属母材とその上に被
覆されている誘電体から構成されているが図4において
は省略されている。
【0107】図5は、金属母材とその上に被覆されてい
る誘電体の状態を示すロール状回転電極の斜視図であ
る。図5において、アース電極であるロール状回転電極
35aは、前述のように、導電性の金属母材35Aに対
しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理し
たセラミックの誘電体35Bを被覆した組み合わせで構
成されているものである。誘電体35Bを片肉で1mm
被覆してある。金属母材35Aにライニングにより無機
材料を設けたライニング処理された誘電体35Bを被覆
した組み合わせ、また、溶射に用いるセラミックス材と
しては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられる
が、この中でもホワイトアルミナが加工し易いので、更
に好ましく用いられるまたせてもよい。金属母材25A
は、熱媒体による温度調節手段を有するジャケットロー
ルとなっている。
【0108】本発明の導電性支持体電極以外の図1〜1
7の電極は金属母材及び誘電体を共通して有している。
【0109】図6は金属母材とその上に被覆されている
誘電体の状態を示す上記角パイプ状電極の斜視図であ
る。図6において、印加電極である角パイプ状電極36
aは放電中に熱媒体が満たされ循環されるようになって
いる。角パイプ状電極36aは上記ロール状回転電極3
5aと同様に、または金属の導電性を有する金属母材3
6A(例えば、チタン金属)に対しセラミックス溶射
後、無機質物質により封孔処理により、またはライニン
グにより誘電体36Bを被覆された組み合わせとなって
いる。後述の図9、図13及び図17の角パイプ状電極
も図6のものと同様である。
【0110】なお、ロール状回転電極35aの直径は、
目的に応じて設定すればよいが、加工性、コスト面等か
らセラミック被覆処理した誘電体35B及び36Bの被
覆後200mm程度が好ましい。また角パイプ状電極3
6aの大きさは、目的に応じて設定すればよいが、ロー
ル状回転電極35の直径を200mmとした場合、セラ
ミック被覆処理した誘電体35B及び36Bの被覆後1
2〜15mmとすることが好ましく、当該パイプ状固定
電極群の電極の数は、上記ロール状回転電極35の円周
上に沿って14本設置程度設定される。
【0111】図7は、シート状またはフィルム状の導電
性支持体を、ロール状回転電極と凹型固定電極の対向電
極間で保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置
の一例を示す概略図である。シート状またはフィルム状
の導電性支持体CFは、ガイドロール84を経てニップ
ロール86により導かれ、印加電極のロール状回転電極
81に密着して巻き回されながらアース電極としての凹
型固定電極82とロール状回転電極81との間隙の処理
部83においてプラズマ放電により該導電性支持体CF
の有機光導電層上に保護層が形成される。そして、該導
電性支持体CFはニップロール92及びガイドロール9
3を経て次工程へ搬送されるか巻き取られる。該ロール
状回転電極81及び凹型固定電極82はそれぞれ金属母
材81A及び82Aとそれらの上に被覆されている誘電
体81B及び82Bを有している。反応ガスGは給気口
88から導入され、処理部83でプラズマ状態となり、
該導電性支持体CFの有機光導電層表面に保護層を形成
し、処理排ガスG′は排気口96から排気される。ま
た、プラズマ放電処理容器90にも給気口87から同様
な成分の反応ガスGが導入され、電極の周りを経て排気
口94から排出される。プラズマ放電処理容器90は該
導電性支持体CFが導入されるところのニップロール8
6と該ニップロール86を遮蔽するために仕切板89と
で、また保護層が形成された導電性支持体の出口にもニ
ップロール92と仕切板95で外界と遮断されている。
85は高周波電源で、凹型固定電極82に接続されてお
り、ロール状回転電極81にはアースが接地されてい
る。凹型固定電極82の処理部83の所の凹面はロール
状回転電極81の外周より大きい同心円の円弧により形
成されている。
【0112】以下の図8〜10の特徴は、シート状また
はフィルム状の導電性支持体が電極で、対向電極の一方
を形成していることである。これらの大気圧プラズマ放
電処理装置は従来のものとは異なり、新規な電極を用い
る装置及び方法である。導電性支持体の導電層に通電さ
せる方法としては、有機光導電層が上に設けられている
導電性支持体上で導電層が露出している部分に、例えば
導電性のガイドロール面にその導電層が接触するとか、
導電層に針状の金属部材を接触させるという方法を挙げ
ることが出来るが、通電する方法であれば制限なく使用
することが出来る。
【0113】図8〜10の装置は、アース電極をシート
状またはフィルム状の導電性支持体電極とし、該導電性
支持体電極と印加電極の固定電極の対向電極間で保護層
を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示し
たものである。図8ではシート状またはフィルム状の導
電性支持体と平行した平板状固定電極の対向電極間で、
図9及び10では絶縁性ロール状回転体に導電性支持体
を巻き回しながら移送するシート状またはフィルム状の
導電性支持体電極とその周囲にある固定電極の対向電極
間で保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の
一例を示したものである。
【0114】図8は、シート状またはフィルム状の導電
性支持体電極と平板固定電極とで対向電極を構成し、シ
ート状またはフィルムの導電性支持体表面に保護層を形
成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略
図である。アース電極としてのシート状またはフィルム
状の導電性支持体CFは、該導電性支持体CFの導電層
(図示してない)が接している導電性のガイドロール1
07からアースに接続し導電性支持体電極となってい
る。該導電性支持体電極と、高周波電源109が接続さ
れている印加電極の平板固定電極101の対向電極間の
処理部102においてプラズマ放電が発生する。該導電
性支持体CFはガイドロール103と104により平板
固定電極101と平行に保たれ、給気口110から処理
部102に導入された反応ガスGがプラズマ状態となり
該導電性支持体CFの有機光導電層の上に保護層が形成
される。該導電性支持体CFはガイドロール107を経
てプラズマ放電処理容器112に導入する。該プラズマ
放電処理容器112はニップロール105及び106と
で外界と遮断されている。処理後の導電性支持体はガイ
ドロール108を経て、次工程または巻き取り機(図示
してない)へと搬送される。処理排ガスG′は排気口1
11から排出される。なお、101Aは平板固定電極1
01の金属母材であり、101Bはその上に被覆されて
いる誘電体である。該導電性支持体CFをガイドロール
103と104で支える張力としては図3と同様に10
〜100N/m程度あればよい。また、図示してない
が、図8において、導電性支持体CFが平板固定電極に
対して平行の平板(材質は金属でも、絶縁体であっても
よい)の上を滑るように移送する態様であってもよく、
導電性支持体電極の弛みやつれなどがなくなり保護層形
成が安定するので好ましい。
【0115】図9は、絶縁性ロール状回転体に密着して
巻き回される導電性支持体を導電性支持体電極とパイプ
状の固定電極群とで対向電極を構成し、該導電性支持体
表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置
の一例を示す概略図である。図9は図4と類似している
が、異なるのはアース電極がロール状回転電極ではな
く、絶縁性ロール状回転体に巻き回されている導電性支
持体電極であることである。図9のパイプ状固定電極群
は図4と同様に角筒状固定電極群として示してある。大
気圧プラズマ放電処理装置130において、シート状ま
たはフィルム状の導電性支持体CFはガイドロール13
4及びニップロール137を経て、絶縁性ロール状回転
体136に巻き回される。絶縁性ロール状回転体136
に巻き回されているアース電極としての導電性支持体電
極133と印加電極としてのパイプ状固定電極群131
との電極間の処理室132に導入された反応ガスGが放
電によりプラズマ状態となり、導電性支持体CF上の有
機光導電層の上に保護層が形成される。パイプ状固定電
極群131は高周波電源140に接続され、導電性支持
体電極133は、アースに接地されている。反応ガスG
は給気口146からプラズマ放電処理容器145に導入
され、処理室132でプラズマ状態になり、放電処理
後、処理排ガスG′は排気口147から排出される。プ
ラズマ放電処理容器145はニップロール137及び1
38と仕切板141及び142とで外界と遮断されてい
る。
【0116】図10は、絶縁性ロール状回転体に密着し
て巻き回される導電性支持体電極と凹面を有する凹型固
定電極とで対向電極を構成し、導電性支持体表面に保護
層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示
す概略図である。図10は図7と類似しているが、図9
と同様に、シート状またはフィルム状の導電性支持体C
Fをアース電極の導電性支持体電極としているところが
異なっている。有機光導電層を有する導電性支持体CF
が外界と遮断するニップロール161を経てプラズマ放
電処理容器150に導入され、導電性ニップロール15
4で絶縁性ロール状回転体153に密着して巻き回さ
れ、アース電極の導電性支持体電極と高周波電源163
に接続している印加電極としての凹型固定電極151と
の電極間の処理部152に給気口157から放電処理容
器156を経て導入された反応ガスGは電極間の高周波
電圧によりプラズマ放電発生してプラズマ状態となり導
電性支持体の有機光導電層の上に保護層が形成される。
処理後導電性支持体はニップロール155及び162を
経てプラズマ放電処理容器150の外に出る。プラズマ
放電処理容器150の内部には給気口159から同じ成
分の反応ガスを導入して満たし、該容器内を流れ排気口
160から外界へと排出される。凹型固定電極151の
処理部152の所の凹面は絶縁性ロール状回転体153
の外周より大きい同心円の円弧により形成されている。
なお、凹型固定電極151は金属母材151Aと誘電体
151Bから構成されている。
【0117】図11〜13の特徴は、円筒状の導電性支
持体がアース電極を形成していることである。この円筒
状の導電性支持体電極に通電する方法としては、露出し
ている金属部分からとればよく、それが心棒であっても
よい。円筒状の導電性支持体の有機光導電層の上に均一
に保護層を形成させるために、円筒状の導電性支持体を
ムラなく回転させる必要がある(図2と同様に)。
【0118】図11は円筒状の導電性支持体電極と凹面
を有する樋状の凹型固定電極とで対向電極を構成し、導
電性支持体表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放
電処理装置の一例を示す概略図である。図11は図10
と類似しているが、シート状またはフィルム状導電性支
持体電極を、円筒状の導電性支持体電極202に変えた
ものである。アース電極としての円筒状の導電性支持体
電極202は、印加電極としての樋状の凹型固定電極2
01の樋の中で回転しながら保護層の形成が行われる。
高周波電源205に接続している印加電極の樋状の凹型
固定電極201は、アース電極としての円筒状の導電性
支持体電極202の外周よりも大きい同心円の円弧の凹
面を有している。両電極の間隙の処理部203に、給気
口206からの反応ガスGをガス調整容器204に満た
し、流れが均一になるようにして導入し、処理排ガス
G′を排気口207から排出する。円筒状の導電性支持
体電極202は軸を中心に回転しているため、保護層は
均一に形成される。給気口208から同じ組成の反応ガ
スGをプラズマ放電処理容器200の中に導入して満た
し、外界と完全に遮断した空間となっている。その処理
排ガスG′は排気口209から排出される。この装置に
おいて、円筒状の導電性支持体を1個処理した後は、出
来るだけ反応ガスの雰囲気を維持するようにするが、次
の該導電性支持体に入れ替え時、雰囲気を再び反応ガス
で満たすようにする。
【0119】図12は、円筒状の導電性支持体電極と該
導電性支持体の外側に配置された円筒型固定電極とで対
向電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成させ
る大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図であ
る。円筒型の大気圧プラズマ放電処理装置220は、高
周波電源224に接続されている印加電極の該円筒型固
定電極221とその内側のアース電極としての該円筒状
の導電性支持体電極222で構成されている。該両電極
は同心円状に配置されている。該円筒状の導電性支持体
電極222は、保護層の形成を均一化するために、その
中心を軸として回転するようになっている。円筒状の導
電性支持体電極は導電性層が円筒の外周面に、更にその
上に有機光導電層がある。電極の間隙の処理部223で
プラズマ状態となった反応ガスにより有機光導電層の上
に保護層を形成される。該円筒型固定電極221は金属
母材221Aとその上の誘電体221Bが被覆された構
成になっている。反応ガスの給気口や排気口は図から省
略されているが、反応ガスの導入は円筒の一方の端から
均一に行うのが好ましい。
【0120】図13は円筒状の導電性支持体電極と該導
電性支持体の外側に円形に配置されたパイプ状固定電極
群とで対向電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を
形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概
略図である。この大気圧プラズマ放電処理装置230
は、高周波電源235が接続されている円形に配された
印加電極の該パイプ状固定電極群231がアース電極の
該円筒状の導電性支持体電極232に対して同心円状に
配置されており、該円筒状の導電性支持体電極232
は、保護層の形成を均一化するために、その中心軸が回
転するようになっている。なお、該パイプ状固定電極群
231は、図4に記載のパイプ状固定電極群36と同様
なものであり、図13のパイプ状固定電極群は図4のそ
れより円形に近い形に配置されている。図13におい
て、パイプ状固定電極群231を構成している金属母材
と誘電体は省略されているが、図6の角パイプ状電極3
6aと同様に金属母材36A及び誘電体36Bを有して
いる。この大気圧プラズマ放電処理装置230は該パイ
プ状固定電極群231の外側にプラズマ放電処理容器2
34を有しており、反応ガスGが給気口236を通して
プラズマ放電処理容器234内に導入され、処理室23
3においてプラズマ状態の反応ガスにより該円筒状の導
電性支持体電極232の表面に有する有機光導電層の上
に保護層が形成される。
【0121】図14〜17は、円筒状の導電性支持体を
アース電極とし、該円筒状の導電性支持体電極と印加電
極の固定電極または回転可能な電極とで対向電極を構成
し、円筒状の導電性支持体電極を印加電極に沿って移動
させて連続して複数の円筒状の導電性支持体表面に保護
層を形成させる新規な大気圧プラズマ放電処理装置を示
している。図14は、円筒状の導電性支持体を平板固定
電極の長手方向に沿って回転させながら、その回転方向
に連続して移動する様子を示している。この対向電極間
で該円筒状の導電極性持体上に保護層を形成させるので
ある。図15は、樋状の凹型固定電極の樋の中を円筒状
の導電性支持体が回転しながら円筒の円形の平面(例え
ば底面)方向に連続して移動する様子を示しており、こ
の対向電極間で保護層が形成されるのである。また、図
16及び17は円筒電極及び円形に配置されたパイプ状
固定電極群の中を(内側を)図15と同様に円筒状の導
電性支持体(電極)が回転しながら移動し、この対向電
極間で保護層が形成されるのである。
【0122】図14は、回転しながら移動する円筒状の
導電性支持体電極群と平板固定電極とで対向電極を構成
し、該導電性支持体の表面に保護層を形成させる大気圧
プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。この
大気圧プラズマ放電処理装置300は、高周波電源30
5に接続されている長方形の印加電極の平板固定電極3
01と、アース電極の円筒状の導電性支持体電極群30
2との電極間の処理部303でプラズマ放電を発生さ
せ、該電極間隙幅を維持しつつ、該平板固定電極302
の長辺方向(長手方向)に回転しながら移動して円筒状
の導電性支持体電極群302の表面の有機光導電層の上
に保護層が形成されるようになっている新しい保護層形
成方法である。平板固定電極301は金属母材301A
と誘電体301Bとで構成され、回転しながら移動する
導電性支持体電極群をプラズマ放電処理容器304で囲
われており、反応ガスGの給気口306から該プラズマ
放電処理容器304内に導入され処理部303にも行き
渡るようになっている。処理排ガスG′は排気口307
から排出される。円筒状の導電性支持体電極302は次
から次へと移動して来る。平板固定電極301のところ
に移動して来る前は、プラズマ放電処理容器304と同
じような容器(図示されていない)があり、反応ガスG
と同様な成分のガスで満たされている。円筒状の導電性
支持体302の運送は、例えば図示したような導電性の
レールまたはチェーン308等により行われるようにな
っており、該導電性レールまたはチェーン308を通し
てアースに通じている。導電性のレールまたはチェーン
308は必ずしもそのものでなくとも良く、導電性があ
り連続的に円筒状の導電性支持体群302を運ぶ(移動
させる)ものであれば制限なく用いることが出来る。
【0123】図15は樋状の凹型固定電極とその樋の中
を回転しながら移動する円筒状の導電性支持体電極群と
で対向電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成
させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略的
斜視図である。高周波電源324に接続されている印加
電極としての該樋状の凹型固定電極321とアース電極
としての移動する円筒状の導電性支持体電極群とで対向
電極を構成し、その電極間の処理部323でプラズマ状
態の反応ガスにより導電性支持体上に保護層が形成され
る。該樋状の凹型固定電極321の凹面は、該円筒状の
導電性支持体電極群322は該円筒状の導電性支持体電
極群322の外周より大きい同心円の円弧となってお
り、該樋状の凹型固定電極の凹面の樋の中を、円筒状の
導電性支持体電極群322は回転移動軸325を中心に
回転しながら移動する。回転移動軸325は円筒状の導
電性支持体電極群322の心棒がそれぞれ繋がって、円
筒状の導電性支持体電極群322となってムラのない回
転をしながら移動するようになっている。図15の搬送
方法は1例として示したものであるが、該円筒状の導電
性支持体は該回転移動軸325は吊り具327で上部の
同期して可動する架線326と共に移動する。該架線3
26からパンタグラフ328のようなものを通してアー
スに接続されている。図15ではプラズマ放電処理容
器、給気口、排気口は略されている。なお、321Aは
樋状の凹型固定電極321の金属母材であり、また32
1Bは誘電体である。
【0124】図16は回転しながら移動する円筒状の導
電性支持体電極群と円筒型電極とで対向電極を構成し、
導電性支持体表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ
放電処理装置の一例を示す概略図である。図16は図1
2と同じような構造をしている。円筒型の大気圧プラズ
マ放電処理装置340は高周波電源344に接続されて
いる印加電極の該円筒型電極341とその筒の内側のア
ース電極の該円筒状の導電性支持体電極342がそれら
の中心を同じにして配置されているが、該円筒型電極3
41の円筒は長く、該円筒型電極の中を複数個の円筒状
の導電性支持体が繋がった円筒状の導電性支持体電極群
をなし、回転しながら移動するようになっている。アー
ス電極の該円筒状の導電性支持体電極342と、印加電
極の該円筒型電極341との対向電極間の処理部343
でプラズマ状態の反応ガスにより円筒状の導電性支持体
電極の円筒の外側の面の有機光導電層に保護層が形成さ
せる。該円筒型電極341は金属母材341Aとその上
の誘電体341Bが被覆された構成になっている。反応
ガスの給気口や排気口は図から省略されているが、反応
ガスの導入は円筒の一方の端から均一に行うのが好まし
い。外側の該円筒型電極は回転する可動型電極であって
も、不動の固定電極であってもよいが、より均一な保護
層を得るためには回転させた方が好ましい。該円筒型電
極341の回転は円筒の外周に歯車をつけ、衛星歯車に
より回転させてもよく、回転させる方法には回転させる
ものであれば制限なく用いられる。
【0125】図17は、回転しながら移動する円筒状の
導電性支持体電極群と円形に配したパイプ状電極群とで
対向電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成さ
せる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図で
ある。図17は図13と同じような構造をしており、ま
た図16の円筒型電極がパイプ状電極群に変わった構造
になっている。この大気圧プラズマ放電処理装置360
は、円形に配された印加電極としての該パイプ状電極群
361がアース電極としての該円筒状の導電性支持体電
極群362の周りに同心円状に配置されており、該円筒
状の導電性支持体電極群362の円筒状の導電性支持体
は、より均一な保護層を得るために回転するようになっ
ている。なお、該パイプ状電極群361は、図4に記載
のパイプ状固定電極群36と同様なものであり、また、
図17のパイプ状電極群361は図13のそれと同様な
円形に配置されている。図17において、パイプ状電極
を構成している金属母材と誘電体は省略されているが、
図6の角パイプ状電極36a、金属母材36A、誘電体
36Bと同様な構造を有している。高周波電源365が
接続されている印加電極の該パイプ状電極群361には
アース電極の該円筒状の導電性支持体電極群362との
対向電極間の処理部363において、プラズマ状態の反
応ガスにより該円筒状の導電性支持体電極群362の円
筒状の導電性支持体表面に有する有機光導電層の上に保
護層が形成される。この大気圧プラズマ放電処理装置3
60には該パイプ状電極群361の外側にプラズマ放電
処理容器364を有しており、反応ガスGが給気口36
6から該プラズマ放電処理容器364内に導入されるよ
うになっている。
【0126】本発明の薄膜形成方法に係る反応ガスにつ
いて説明する。本発明の薄膜形成方法を実施するにあた
り、使用する反応ガスは、導電性支持体上の有機光導電
層上に設けたい保護層の種類によって異なるが、基本的
に、希ガスまたは窒素ガスと保護層を形成する成分の反
応性ガスを混合した反応ガスである。保護層の膜厚とし
ては、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
【0127】上記希ガスとは、周期表の第18属元素、
具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプト
ン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記載
の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく
用いられる。
【0128】本発明の電子写真感光体の保護層を形成す
る成分を有する有用な反応性ガスは、金属化合物または
有機金属化合物のガスまたは気化器でガス化したもので
あり、これらの金属としては、例えば、Li、Be、
B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、
In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、T
a、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u等を挙げることが出来る。これらのうち、主にAl、
Si、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、In、Sn、Wがとくに保護層として硬度を有する
被膜を形成することが出来好ましい。またSi、Ti、
Ni、Snがより好ましく、特に好ましくはSiであ
る。上記より好ましい金属に他の金属を混合させてもよ
く、更に強固な保護層を得ることが出来るので好まし
い。
【0129】有機金属化合物は金属アルコキシド、アル
キル化金属、β−ケトン金属錯体であることが好まし
く、これらの基の混合した例えば、アルキルアルコキシ
金属、アルキル金属β−ケトン錯体、アルコキシ金属β
−ケトン錯体も好ましい。
【0130】本発明において、上記金属のうち、Al、
Si、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、I
n、Sn、Wの金属について、金属化合物または有機金
属化合物について例示すると、トリイソプロポキシアル
ミニウム、ジイソプロポキシアルミニウムアセトアセト
ナート、テトラエトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシ
ラン、ジメチルシランプロピレングリコラート、トリイ
ソプロポキシシランアセトアセトナート、シラントリフ
ルオロアセトナート、テトラ(トリフルオロエトキシ)
シラン、トリエトキシクロロシラン、ジエトキシジクロ
ロシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジクロロエチル
ジクロロシラン、テトラクロロシラン、トリイソプロポ
キシチタン、メチルジプロポキシチタン、テトラエトキ
シチタン、ジエトキシチタンアセトアセトナート、エチ
ルチタンチタンジアセトアセトナート、トリクロロチタ
ン、トリブトキシコバルト、銅ジアセトアセトナート、
ジクロロ銅、ジエトキシ亜鉛、ジクロロ亜鉛、トリブト
キシインジウム、ジクロロインジウム、ジエトキシ錫、
ジブトキシ錫、ジメチルジメトキシ錫、錫ジアセトアセ
トナート、ジメチル錫ジメチルアセトアセトナート、ジ
クロロジクロロエチル錫等を挙げることが出来るが、こ
れらに限定されない。これらのうち、特に有機珪素化合
物または珪素金属化合物が好ましい。
【0131】上記のごとき金属化合物または有機金属化
合物を放電部に導入するには、常温常圧で、気体、液
体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合
は、そのまま放電空間に導入出来るが、液体、固体の場
合は、加熱、減圧、超音波照射等の気化手段により気化
させて使用することが好ましい。常温で液体で、沸点が
200℃以下である金属化合物または有機金属化合物の
場合には、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶
媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有
機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。尚、これら
の希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、
原子状に分解される為、導電性支持体上への保護層の形
成、保護層の組成などに対する影響は殆ど無視すること
が出来る。金属化合物または有機金属化合物を有機溶媒
に溶解させて溶液とした後、加熱して、反応ガスに使用
する希ガス、例えばアルゴンを有機金属化合物溶液にバ
ブリングして気化させることが出来る。気化には市販の
ものを使用することが出来、例えば、リンテック社製気
化器を挙げることが出来る。
【0132】また、上記記載の反応ガス中に反応性ガス
の補助ガスとして水素ガスを酸素、オゾン、過酸化水
素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択され
る成分を0.01〜10体積%含有させることにより、
反応が促進され、且つ、緻密で良質な著しく硬度の高い
保護層を形成することが出来る。
【0133】また、有機フッ素化合物を補助ガスとして
用いることが出来る。有機フッ素化合物としては、フッ
化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられ
る。フッ化炭素ガスとしては、四フッ化炭素、六フッ化
炭素、具体的には、四フッ化メタン、四フッ化エチレ
ン、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等が挙
げられる。前記のフッ化炭化水素ガスとしては、二フッ
化メタン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フ
ッ化プロピレン等を挙げることが出来る。
【0134】更に、一塩化三フッ化メタン、一塩化二フ
ッ化メタン、二塩化四フッ化シクロブタン等のフッ化炭
化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン
等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るが
これらに限定されない。また、これらの化合物が分子内
にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合
物は単独でも混合して用いても良い。
【0135】上記記載の金属化合物または有機金属化合
物及び補助ガスを合わせた反応性ガスの反応ガス中の含
有率は、0.01〜10体積%であることが好ましい
が、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0136】上記の反応ガスをプラズマ状態にして形成
された保護層は、金属酸化物を主成分として形成され、
金属酸化物が主成分を50質量%以上保護層中に含有し
ていることであり、好ましくは60質量%、より好まし
くは80質量%、特に好ましくは90質量%である。使
用するガスによっては金属窒化物、金属炭化物や塩化ホ
ウ素化合物も得られ、本発明において何れも好ましい保
護層を得ることが出来る。特に本発明においては保護層
の硬度、湿気の遮断等に優れていることから金属酸化物
が好ましく、保護層中のほとんどが金属酸化物であるこ
とが望ましい。このことにより金属酸化物が高密度で緻
密に保護層を形成することが出来る。
【0137】本発明に係る大気圧プラズマ放電処理方法
により保護層を形成することにより、保護層内に炭素を
少量含有し、このことが膜の強度にも関係し、硬度を上
げる効果を有するらしい。保護層内の炭素含有量は0.
2〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ま
しい。炭素含有量が5質量%を超えるとむしろ硬度が低
下し、また0.2未満でも膜の脆さが増してくる。他の
方法、例えば真空蒸着のような方法で作製した保護層に
は炭素がほとんど含有されておらず、脆弱な膜しか形成
されない。
【0138】図18は本発明の画像形成装置の1例とし
ての断面図である。図18において500は像担持体で
ある感光体ドラムで、接地されて時計方向に駆動回転さ
れる。520はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム
500周面に対し一様な帯電が与えられる。この帯電器
520による帯電に先だって、前画像形成での感光体の
履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部5
10による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0139】感光体への一様帯電ののち像露光器530
により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の
像露光器530は図示しないレーザーダイオードを露光
光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレン
ズ等を経て反射ミラー542により光路を曲げられた光
により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成
される。
【0140】その静電潜像は次いで現像器540で現像
される。感光体ドラム500周縁にはトナーとキャリア
とから成る現像剤を内蔵した現像器540が設けられて
いて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現
像スリーブ541によって現像が行われる。現像剤は、
例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁
性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレン
アクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着
色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンか
らなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したト
ナーとからなるもので、現像剤は層形成手段によって現
像スリーブ541上に100〜600μmの層厚に規制
されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通
常は感光体ドラム500と現像スリーブ541の間に直
流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現
像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触ある
いは非接触の状態で現像される。
【0141】記録紙pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー570の回転作動により転
写域へと給紙される。
【0142】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム500の周面に転写ローラー(転写
器)580が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して
転写される。
【0143】次いで記録紙pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)590によっ
て除電がなされ、感光体ドラム500の周面により分離
して定着装置600に搬送され、熱ローラー601と圧
着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着し
たのち排紙ローラー610を介して装置外部に排出され
る。なお前記の転写ローラー580及び分離ブラシ59
0は記録紙pの通過後感光体ドラム500の周面より退
避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0144】一方記録紙pを分離した後の感光体ドラム
500は、ブレードクリーニング器620のブレード6
21の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光
部510による除電と帯電器520による帯電を受けて
次なる画像形成のプロセスに入る。
【0145】尚、700は感光体、帯電器、転写器・分
離器及びブレードクリーニング器が一体化されている着
脱自在のプロセスカートリッジである。
【0146】このように画像形成方法は、帯電、像露
光、現像、転写、ブレードクリーニングを繰り返し行わ
れるから、感光体面は常に新鮮であり、変化しにくいこ
とが求められるが、大気圧プラズマ放電処理による本発
明の電子写真感光体の製造方法で形成された保護層は、
高密度且つ緻密で、耐傷性、硬度、耐温湿性、耐摩耗性
に優れ、電子写真の感光体とした時の画像形成性、例え
ば、高温高湿時の画像品質、耐使用回数等において優れ
た性質を示す。これにより、上記のような性質を有する
画像形成装置を形成することが出来る。
【0147】上記画像形成装置を用いて画像形成を行う
ことにより、数十万枚という多量のプリントを行っても
ほとんど変化しない高品質の画像を得ることが出来、画
期的な画像形成方法が得られる。
【0148】本発明の電子写真感光体が、帯電器、像露
光器、現像器、転写または分離器、クリーニング器から
選ばれる少なくとも一つと一体に組み合わさっており、
且つ画像形成装置に脱着自在になるようになっている本
発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体の耐摩
耗性の著しい向上と長寿命化により、従来のものとは異
なり、交換サイクルを驚くほど長くすることが出来た。
【0149】プロセスカートリッジには、一般には以下
に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがあ
る。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像
器、転写または分離器、及びブレードクリーニング器の
少なくとも1つを感光体とともに一体に構成し、装置本
体に着脱可能な構成であり、分離型カートリッジとは感
光体とは別体に構成されている帯電器、像露光器、現像
器、転写または分離器、及びクリーニング器であるが、
装置本体に着脱可能な構成であり、装置本体に組み込ま
れた時には感光体と一体化される。本発明におけるプロ
セスカートリッジは上記双方のタイプのカートリッジを
含む。
【0150】また、上記画像形成装置は、感光体ドラム
と、帯電器、現像器、クリーニング器あるいはリサイク
ル部材等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジ
を搭載する形態にすることが好ましい。
【0151】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0152】実施例1 〔有機導電層を有する導電性支持体の作製〕 《PETフィルム導電性支持体への有機光導電層の作
製》真空蒸着によりアルミニウム蒸着された100μm
厚さ、幅360mmのPETフィルムを用意した。
【0153】〈下引層の塗設〉アルミニウム蒸着PET
フィルムのアルミニウム層の上に下記組成の下引層塗布
液をワイヤーバーを用いて乾燥後の膜厚が0.5μmと
なるように塗布し、乾燥させた。
【0154】 《下引層塗布液》 TC−750(松本製薬社製、チタンキレート化合物) 30質量部 KBM−503(信越化学社製、シランカプリング剤) 17質量部 2−プロパノール 150質量部 〈電荷発生層の塗設〉下引層の上に下記組成の電荷発生
層塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥後の膜厚が0.2
μmとなるように塗布、乾燥した。
【0155】《電荷発生層塗布液》Y型チタニルフタロ
シアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、
ブラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピーク
を有するチタニルフタロシアニン)を用意した。
【0156】 T型チタニルフタロシアニン 60質量部 X−40−1211M(信越化学社製、シリコーン変性ブチラール樹脂) 700質量部 2−ブタノン 2,000質量部 を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。
【0157】〈電荷輸送層の塗設〉電荷発生層の上に下
記の組成の電荷輸送層塗布液をアプリケーターを用いて
塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、有機
光導電層を有するフィルム状の導電性支持体を作製し
た。
【0158】 《電荷輸送層塗布液》 電荷輸送剤(1) 225質量部 ポリカーボネート(帝人社製、粘度平均分子量30,000) 300質量部 酸化防止剤(1−3) 6質量部 ジクロロメタン 2,000質量部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
【0159】
【化1】
【0160】〔保護層を有する電子写真感光体1の作
製〕図1に示したジェット方式の大気圧プラズマ放電処
理装置(外界を遮断した)を50mm間隔で4基並べ
て、下記条件(4基とも同条件)で、上記有機光導電層
を有するPETフィルム導電性支持体を長さ方向に移送
して、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚
さになるようにプラズマ放電処理を行い、保護層を有す
る電子写真感光体1を作製し、下記測定及び評価に供し
た。
【0161】《条件》印加電極として、幅380mm、
長さ100mm、高さ400mmの平板固定電極を用
い、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャ
ケット付きのチタン合金T64とし、該金属母材の上に
溶射アルミナセラミックス(溶射アルミナホワイト)を
1mm被覆し、その上にテトラメトキシシランを酢酸エ
チルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬
化させて封孔処理を行い、Rmaxが1μmの溶射アル
ミナホワイト誘電体(比誘電率10)で被覆した。アー
ス電極は印加電極と同じものを使用した。高周波電源と
してパール工業製高周波電源CF−50000−2M
(2MHz)を使用し、出力密度を10W/cm2とし
た。反応ガスは、希ガスをアルゴンとし98.25体積
%、反応性ガス1をテトラエトキシシラン0.25体積
%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して
気化)とし、反応性ガス2として水素を1.0体積%と
した。更に電極間隙を10mm、電極温度を80℃、気
圧を103kPa、電極末端とPETフィルム導電性支
持体の処理位置との距離を1mmとした。
【0162】実施例2 〔有機光導電層を有する円筒状アルミニウム製導電性支
持体の作製〕肉厚3mm、直径(外径)80mm、長さ
360mm、最大表面粗さ1μmのアルミニウム製の円
筒状導電性支持体を用意した。
【0163】〈下引層の塗設〉該円筒状アルミニウム製
導電性支持体に実施例1に記載の下引層塗布液を浸漬塗
布法により乾燥後の膜厚が0.5μmになるように塗布
し、乾燥した。
【0164】〈電荷発生層の塗設〉下引層の上に実施例
1に記載の電荷発生層塗布液を乾燥後の膜厚が0.2μ
mとなるように浸漬塗布法により塗布、乾燥し電荷発生
層を形成した。
【0165】〈電荷輸送層の塗設〉電荷発生層の上に実
施例1に記載の電荷輸送層塗布液を浸漬塗布法により塗
布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、有機光
導電層を有する円筒状の導電性支持体を作製した。
【0166】〔保護層を有する電子写真感光体2の作
製〕図2に示したジェット方式の大気圧プラズマ放電処
理装置(外界を遮断した)を用いて、下記条件で、上記
有機光導電層を有する円筒状アルミニウム製導電性支持
体を回転数10rpmで回転しながら、保護層の膜厚が
480〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズ
マ放電処理を行い、保護層を有する電子写真感光体2を
作製し、下記測定及び評価に供した。
【0167】《条件》印加電極及びアース電極としては
実施例1と同じものを1基使用した。出力密度を20W
/cm2円筒状の導電性支持体の有機光導電層表面の処
理位置との距離を1mmとし、円筒状の導電性支持体を
回転させた以外は実施例1と同様の条件で行った。
【0168】実施例3 〔保護層を有する電子写真感光体3〕図3に示した外界
を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記条
件で、実施例1で使用したものと同様な有機光導電層を
有するPETフィルム導電性支持体を用い、平板固定電
極の長さ方向に平行に移送して、保護層の膜厚が480
〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電
処理を行い、保護層を有する電子写真感光体3を作製
し、下記測定及び評価に供した。
【0169】《条件》印加電極を幅380mm、長さ6
00mm、高さ60mmの平板固定電極とし、該印加電
極が厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付きのチ
タン合金T64金属母材と実施例1の印加電極の誘電体
と同じものを被覆し、アース電極は印加電極と同じもの
を使用した。高周波電源としてパール工業製高周波電源
CF−50000−2M(2MHz)を使用し、出力密
度を20W/cm2、反応ガスは実施例1と同じものを
使用し、電極間隙を5mm、電極温度を60℃とし、気
圧を104kPaとして行った。
【0170】実施例4 〔保護層を有する電子写真感光体4〕図4に示した外界
を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記条
件で、実施例1で使用したものと同様な有機光導電層を
有するPETフィルム導電性支持体をロール状回転電極
に巻き回しながら移送して、保護層の膜厚が480〜5
00nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理
を行い、保護層を有する電子写真感光体4を作製し、下
記測定及び評価に供した。
【0171】《条件》印加電極を長さ380mm、幅1
5mm(誘電体処理後の寸法)、高さ15mm(誘電体
処理後の寸法)の角筒状固定電極14本を角筒状固定電
極群とし、それぞれの角筒型固定電極の金属母材を厚さ
4mmの中空、温度調節ジャケット付きのチタン合金T
64とし、誘電体は実施例1の電極の誘電体と同じ被覆
とした。アース電極については、直径200mm(誘電
体処理後の寸法)、長さ360mmロール状回転電極と
し、その金属母材には厚さ20mmの中空、温度調節ジ
ャケット付きのチタン合金T64を用い、誘電体として
は実施例1の印加電極の誘電体被覆と同様にした。高周
波電源としてはパール工業製高周波電源CF−5000
0−2M(2MHz)を用い、出力密度は20W/cm
2、反応ガスは実施例1のものと同じものを使用し、電
極間隙を5mmとし、電極温度を60℃、気圧を104
kPaとして行った。
【0172】実施例5 〔保護層を有する電子写真感光体5〕図7に示した外界
を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記条
件で、実施例1で使用したものと同様な有機光導電層を
有するPETフィルム導電性支持体をロール状回転電極
に巻き回しながら移送して、保護層の膜厚が480〜5
00nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理
を行い、保護層を有する電子写真感光体5を作製し、下
記測定及び評価に供した。
【0173】《条件》印加電極を長さ380mm、幅1
50mm、高さ80mの凹型固定電極とし、その金属母
材を厚さ20mmの中空の温度調節ジャケット付きのチ
タン合金T64を用い、誘電体は実施例1の電極の誘電
体の被覆と同じにした。アース電極は直径200mm
(誘電体処理後の寸法)、長さ360mmのロール状回
転電極とし、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度
調節ジャケット付きのチタン合金T64とし、誘電体は
実施例1の電極と同じ被覆とした。高周波電源にパール
工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)
を用い、出力密度を15W/cm2、反応ガスを希ガス
としてアルゴンを98.25体積%、反応性ガス1とし
てジブチルジエトキシシラン0.25体積%(リンテッ
ク社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)し、反
応性ガス2として水素1.0体積%とし、電極間隙を3
mmとし、電極温度を60℃、気圧を104kPaとし
て行った。
【0174】実施例6 〔保護層を有する電子写真感光体6の作製〕図8に示し
た外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、
下記条件で、平板固定電極と実施例1で使用したものと
同様な有機光導電層を有するPETフィルム導電性支持
体を該平板固定電極面に平行して移動する導電性支持体
電極として、保護層の膜厚が480〜500nm間の一
定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い、保護層
を有する電子写真感光体6を作製し、下記測定及び評価
に供した。
【0175】《条件》印加電極として幅380mm、長
さ600mm、高さ80mmの平板固定電極を用い、そ
の金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット
付きのチタン合金T64とし、誘電体を実施例1の電極
の被覆と同じにした。アース電極には有機光導電層を有
するPETフィルム導電性支持体(有機光導電層が印加
電極と対向している)を用いた。高周波電源にはパール
工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)
を用い、出力密度を8W/cm2とし、反応ガスを希ガ
スとしてアルゴン98.25体積%、反応性ガス1をシ
ラントリイソプロポキシアセトアセトナート0.25体
積%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合し
て気化)とし、反応性ガス2に水素1.0体積%を用い
た。更に電極間隙を5mmとし、印加電極温度を120
℃、気圧を104kPaとして行った。
【0176】実施例7 〔保護層を有する電子写真感光体7の作製〕図9に示し
た外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、
下記条件で、実施例1で使用したものと同様な有機光導
電層を有するPETフィルム導電性支持体をポリカーボ
ネート製の絶縁性ロール状回転体に巻き回しながら移送
して、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚
さになるようにプラズマ放電処理を行い、保護層を有す
る電子写真感光体7を作製し、下記測定及び評価に供し
た。
【0177】《条件》印加電極を長さ380mm、幅1
5mm(誘電体処理後の寸法)、高さ15mm(誘電体
処理後の寸法)の角筒状固定電極を14本の角筒状固定
電極群とし、その金属母材として、厚さ4mmの中空、
温度調節ジャケット付きのチタン合金T64角パイプ状
電極を用い、誘電体としては実施例1の電極の被覆と同
じとした。アース電極には有機光導電層を有するPET
導電性支持体(有機光導電層が印加電極と対向してい
る)を用い、ポリカーボネート製の絶縁性ロール状回転
体(長さ390mm、直径200mm)に密着して巻き
回して移送した。高周波電源としてはパール工業製高周
波電源CF−50000−2M(2MHz)を用い、出
力密度を15W/cm2とし、反応ガスとして、希ガス
にアルゴン98.25体積%、反応性ガス1にテトラブ
トキシシラン0.25体積%(リンテック社製気化器に
てアルゴンガスに混合して気化)、反応性ガス2に水素
1.0体積%を用い、電極間隙を3mmとし、印加電極
温度を120℃、気圧を104kPaとして行った。
【0178】実施例8 〔保護層を有する電子写真感光体8の作製〕図10に示
した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用
い、下記条件で、実施例1で使用したものと同様な有機
光導電層を有するPETフィルム導電性支持体を絶縁性
ロール状回転体に巻き回しながら移送して、保護層の膜
厚が480〜500nm間の一定の厚さになるようにプ
ラズマ放電処理を行い、保護層を有する電子写真感光体
8を作製し、下記測定及び評価に供した。
【0179】《条件》印加電極を長さ380mm、幅1
50mm、高さ80mの凹型固定電極とし、その金属母
材をして厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付き
のチタン合金T64を用い、誘電体は実施例1の電極の
被覆と同じにした。アース電極として有機光導電層を有
するPET導電性支持体(有機光導電層が印加電極と対
向している)を用い、ポリカーボネート製の絶縁性ロー
ル状回転体(長さ390mm、直径200mm)に密着
して巻き回して移送した。高周波電源としてはパール工
業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)を
使用し、出力密度を15W/cm2、反応ガスとして希
ガスにアルゴン98.25体積%、反応性ガス1をテト
ライソプロポキシシラン0.25体積%(リンテック社
製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)とし、反応
性ガス2に水素1.0体積%を用いた。更に電極間隙を
3mm、印加電極温度を120℃、気圧を104kPa
として行った。
【0180】実施例9 〔保護層を有する電子写真感光体9〕図11に示した外
界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、印加
電極を樋状の凹型固定電極とし、下記条件で、該樋状の
凹型固定電極の樋の中を、実施例2で作製した有機光導
電層を有する円筒状アルミニウム製導電性支持体を10
rpmで回転させながら、保護層の膜厚が480〜50
0nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を
行い、保護層を有する電子写真感光体9を作製し、下記
測定及び評価に供した。
【0181】《条件》印加電極を長さ380mm、幅1
50mm、高さ80mの凹型固定電極を使用し、その金
属母材に厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付き
のチタン合金T64を用い、誘電体を実施例1の電極の
被覆と同じにした。アース電極として、直径80mm、
長さ360mmの有機光導電層を有する円筒状アルミニ
ウム製導電性支持体(有機光導電層が印加電極と対向し
ている)を用いた。高周波電源としてパール工業製高周
波電源CF−50000−2M(2MHz)を用い、出
力密度を20W/cm2とし、反応ガスを、希ガスとし
てアルゴン98.25体積%、反応性ガス1としてテト
ラエトキシシラン0.25体積%(リンテック社製気化
器にてアルゴンガスに混合して気化)、反応性ガス2と
して水素1.0体積%を用いた。更に電極間隙を3m
m、印加電極温度を120℃、気圧を104kPaとし
て行った。
【0182】実施例10 〔保護層を有する電子写真感光体10の作製〕図12に
示した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用
い、円筒状固定電極を印加電極とし、その内側に実施例
2で作製した有機光導電層を有する円筒状アルミニウム
製導電性支持体をアース電極として、該円筒状アルミニ
ウム製導電性支持体を10rpmで回転させながら保護
層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さになるよ
うにプラズマ放電処理を行い、保護層を有する電子写真
感光体10を作製し、下記測定及び評価に供した。
【0183】《条件》印加電極を外径120mm、内径
85mm、長さ400mmの円筒状固定電極とし、その
金属母材を厚さ10mmの中空、温度調節ジャケット付
きのチタン合金T64とし、誘電体は実施例1の電極の
被覆と同じにした。アース電極としては直径80mm、
長さ360mmの有機光導電層を有する円筒状アルミニ
ウム導電性支持体(有機光導電層が印加電極と対向して
いる)を用いた。高周波電源としてパール工業製高周波
電源CF−50000−2M(2MHz)を用い、出力
密度を20W/cm2、反応ガスとして、希ガスをアル
ゴン98.25体積%とし、反応性ガス1としてテトラ
イソプロポキシシラン0.25体積%(リンテック社製
気化器にてアルゴンガスに混合して気化)を、反応性ガ
ス2として水素1.0体積%を用いた。更に電極間隙を
3mm、印加電極温度を120℃、気圧を104kPa
として行った。
【0184】実施例11 〔保護層を有する電子写真感光体11の作製〕図13に
示した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用
い、角筒型固定電極群を印加電極とし、その内側に実施
例2で作製した有機光導電層を有する円筒状アルミニウ
ム製導電性支持体をアース電極として、該円筒状アルミ
ニウム製導電性支持体を10rpmで回転させながら保
護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さになる
ようにプラズマ放電処理を行い、保護層を有する電子写
真感光体11を作製し、下記測定及び評価に供した。
【0185】《条件》印加電極を長さ380mm、幅1
5mm(誘電体処理後の寸法)、高さ14mm(誘電体
処理後の寸法)の角筒状固定電極を104mmの円の上
に15本配置して角筒状固定電極群とした。その金属母
材を厚さ4mmの中空、温度調節ジャケット付きのチタ
ン合金T64とし、誘電体は実施例1の電極の被覆と同
じにした。アース電極は直径80mm、長さ360mm
の有機光導電層を有する円筒状アルミニウム導電性支持
体(有機光導電層が印加電極と対向している)を用い
た。高周波電源にはパール工業製高周波電源CF−50
000−2M(2MHz)を用い、出力密度を20W/
cm2とした。反応ガスは、希ガスとしてアルゴン9
8.25体積%、反応性ガス1たしてジエチルジエトキ
シシラン0.25体積%(リンテック社製気化器にてア
ルゴンガスに混合して気化)、反応性ガス2を水素1.
0体積%を使用した。更に電極間隙を5mm、印加電極
温度を120℃、気圧を104kPaとして行った。
【0186】実施例12 〔電子写真感光体12の作製〕図14に示した外界を遮
断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、平板固定電
極を印加電極とし、実施例2で作製した有機光導電層を
有する円筒状アルミニウム製導電性支持体をアース電極
として、該円筒状アルミニウム製導電性支持体を平板固
定電極の誘電体側に平行に10rpmで回転させながら
移動させて、更に40mm間隔で連続して該円筒状アル
ミニウム製導電性支持体をチェーンで移動させて電極群
とし、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚
さになるようにプラズマ放電処理を行い保護層を有する
電子写真感光体12を作製し、下記測定及び評価に供し
た。
【0187】《条件》印加電極を幅390mm、長さ8
00mm、高さ100mmの平板固定電極とし、その金
属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付き
のチタン合金T64とし、誘電体を実施例1の電極の被
覆と同じにした。アース電極は直径80mm、長さ36
0mmの有機光導電層を有する円筒状アルミニウム導電
性支持体(有機光導電層が印加電極と対向している)を
40mm間隔で、回転方向にチェーンで連続的に移動す
る円筒状アルミニウム製導電性支持体電極群とした。高
周波電源としてはパール工業製高周波電源CF−500
00−2M(2MHz)を用い、出力密度を20W/c
2とし、反応ガスとして、希ガスをアルゴン98.2
5体積%、反応性ガス1をトリイソプロポキシシランア
セトアセトナート0.25体積%(リンテック社製気化
器にてアルゴンガスに混合して気化)、反応性ガス2を
水素1.0体積%用いた。更に電極間隙を5mm、印加
電極温度を120℃、気圧を104kPaとして行っ
た。
【0188】実施例13 〔保護層を有する電子写真感光体13の作製〕図15に
示した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用
い、樋状の凹型固定電極の樋の中を、実施例2で作製し
た有機光導電層を有する円筒状アルミニウム製導電性支
持体を10rpmで回転させながら長さ方向に連結して
移動する電極群とし、保護層の膜厚が480〜500n
m間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い
保護層を有する電子写真感光体13を作製し、下記測定
及び評価に供した。
【0189】《条件》印加電極を幅120mm、長さ1
000mm、高さ120mmの樋状の凹型固定電極と
し、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャ
ケット付きのチタン合金T64とし、誘電体は実施例1
の電極の被覆と同じにしたものを使用した。アース電極
としては直径80mm、長さ360mmの有機光導電層
を有する円筒状アルミニウム導電性支持体(有機光導電
層が印加電極と対向している)を80mm間隔で、回転
しながら樋の中を連続して移動する円筒状アルミニウム
製導電性支持体電極群を用いた。高周波電源にはパール
工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)
を用い、出力密度を20W/cm2とし、反応ガスとし
て、希ガスをアルゴン98.25体積%、反応性ガス1
をエチルトリエトキシシラン0.25体積%(リンテッ
ク社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)、反応
性ガス2を水素1.0体積%を用いた。更に、電極間隙
を8mm、印加電極温度を120℃、気圧を104kP
aとして行った。
【0190】実施例14 〔電子写真感光体14の作製〕図16に示した外界を遮
断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、円筒状固定
電極を印加電極とし、その内側に実施例2で作製した有
機光導電層を有する円筒状アルミニウム製導電性支持体
を10rpmで回転させながら長さ方向に連結して移動
する電極群とし、保護層の膜厚が480〜500nm間
の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い保護
層を有する電子写真感光体14を作製し、下記測定及び
評価に供した。
【0191】《条件》印加電極に外径120mm、内径
85mm、長さ400mmの円筒状固定電極を用い、そ
の金属母材を厚さ10mmの中空、温度調節ジャケット
付きのチタン合金T64とし、誘電体を実施例1の電極
の被覆と同じものとした。アース電極は直径80mm、
長さ360mmの有機光導電層を有する円筒状アルミニ
ウム導電性支持体(有機光導電層が印加電極と対向して
いる)を80mm間隔で、回転しながら長さ方向に連続
的に移動する円筒状アルミニウム製導電性支持体電極群
とした。高周波電源としてパール工業製高周波電源CF
−50000−2M(2MHz)を用い、出力密度を2
0W/cm2とし、反応ガスには希ガスをアルゴン9
8.25体積%、反応性ガス1をテトラエトキシシラン
0.25体積%(リンテック社製気化器にてアルゴンガ
スに混合して気化)、反応性ガス2を水素1.0体積%
としたものを用いた。更に電極間隙を8mm、印加電極
温度を100℃、気圧を104kPaとして行った。
【0192】実施例15 〔保護層を有する電子写真感光体15の作製〕図17に
示した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用
い、パイプ状固定電極群を印加電極とし、その内側に実
施例2で作製した有機光導電層を有する円筒状アルミニ
ウム製導電性支持体を10rpmで回転させながら長さ
方向に連結して移動する電極群とし、保護層の膜厚が4
80〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマ
放電処理を行い保護層を有する電子写真感光体15を作
製し、下記測定及び評価に供した。
【0193】《条件》印加電極に長さ380mm、幅1
5mm(誘電体処理後の寸法)、高さ14mm(誘電体
処理後の寸法)の角パイプ状電極を104mmの円の上
に15本の角パイプ状電極群を配置し、その金属母材と
して厚さ4mmの中空、温度調節ジャケット付きチタン
合金T64とし、誘電体は実施例1の電極の被覆と同じ
にした。アース電極は直径80mm、長さ360mmの
有機光導電層を有する円筒状アルミニウム導電性支持体
(有機光導電層が印加電極と対向している)を80mm
間隔で、回転しながら長さ方向に連続して移動する円筒
状アルミニウム製導電性支持体電極群を用いた。高周波
電源にはパール工業製高周波電源CF−50000−2
M(2MHz)を使用し、出力密度を20W/cm2
し、反応ガスとして、希ガスをアルゴン98.25体積
%、反応性ガス1をテトラエトキシシラン0.25体積
%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して
気化)、反応性ガス2を水素1.0体積%を使用した。
更に電極間隙を8mm、印加電極温度を120℃、気圧
を104kPaとして行った。
【0194】比較例1 〔保護層を有する電子写真感光体16の作製〕特開平9
−101625号公報の実施例1の図5に記載のプラズ
マCVD装置と同様な装置を用い、実施例2で作製した
直径80mm、長さ360mmの円筒状アルミニウム製
導電性支持体を装着し、下記条件で保護層の膜厚が48
0〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマC
VD処理を行い保護層を有する電子写真感光体16を作
製し、下記測定及び評価に供した。
【0195】《条件》高周波電源として、第1及び第2
電極のメッシュ電極にはパール工業製高周波電源、周波
数13.56MHzを使用し、第3電極として複数の円
筒状アルミニウム製導電性支持体を電極として配置し、
パール工業製高周波電源200kHzを使用した。出力
としては第1及び第2電極共に100Wとし、反応ガス
として、希ガスをアルゴン98.25体積%、反応性ガ
ス1をテトラエトキシシラン0.25体積%(リンテッ
ク社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)、反応
性ガス2を水素1.0体積%用いた。気圧は高真空の
1.33Paとした。
【0196】比較例2 〔保護層を有する電子写真感光体17の作製〕実施例1
で作製した有機光導電層を有するPET導電性支持体
に、KP−851(シリコーンハードコート剤、信越化
学社製)を保護層塗布液とし、アプリケーターで硬化後
の保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さに
なるように塗布し、120℃で1時間乾燥硬化を行い保
護層を有する電子写真感光体17を作製し、下記測定及
び評価に供した。
【0197】比較例3 〔保護層を有しない電子写真感光体18〕実施例2で作
製した有機光導電層を有する円筒状アルミニウム製導電
性支持体を保護層を形成させないでそのまま使用し、保
護層を有しない電子写真感光体18として、下記測定及
び評価に供した。
【0198】〔測定・評価方法〕 《電位特性の測定》評価機としてコニカ社製デジタル複
写機Konica 7060(コロナ帯電、レーザ露
光、反転現像、静電転写、爪分離、ブレードクリーニン
グ、クリーニング補助ブラシローラ採用プロセスを有す
る)を用い、初期と1万回の帯電及び露光を行った後の
露光部電位(VL)と未露光部電位(VH)を測定し
た。なお、上記実施例及び比較例において作製した保護
膜を有するまたは有しない電子写真感光体を、支持体が
PETフィルムの場合には、アルミニウム製円筒(直径
79.8mm、長さ360mm)に一回転するように巻
いて末端をアルミニウム製円筒表面に接着テープで貼り
付けたものを該複写機に装着して測定を行い、また円筒
状導電性支持体の場合には、そのまま該複写機に装着し
て測定を行った。
【0199】《摩擦係数の測定》表面性試験器(Hei
don社製)を用いて、上記実施例及び比較例において
作製した保護膜を有するまたは有しない電子写真感光体
の表面の摩擦係数を測定した。硬度70°、反発弾性3
5%の弾性ゴムブレードをトレイル方向に押圧し、荷重
を変化させた時のトルク変動より算出した。
【0200】《傷の付く荷重の測定》同上の表面試験器
を用いて、上記において作製した保護層を有する電子写
真感光体の表面に傷の付く荷重の測定を行った。測定は
ダイアモンド針(先端径0.1mm)を該電子写真感光
体表面に接触させ、荷重を変化させた場合の傷の入り始
めの荷重を測定した。
【0201】《摩耗量の測定》テーバー摩耗試験器(東
洋精機社製)を用いて、上記実施例及び比較例において
作製した保護膜を有するまたは有しない電子写真感光体
の表面に500gの荷重を負荷したCS−5の摩耗輪に
て1500回転させた後の摩耗量を測定した。
【0202】《画像評価》上記実施例及び比較例におい
て作製した保護膜を有するまたは有しない電子写真感光
体を、それぞれ電位特性の測定の項で使用したのと同じ
ように複写機に装着し、30℃、85%RHの高温高湿
環境において、帯電、露光及びクリーニングを3時間繰
り返し行った後に出力した印字率7%の文字画像を目視
で下記のレベルで評価した。
【0203】 A:良好である B:軽微な解像度の低下がある C:画像流れ発生がある。
【0204】《炭素含有率の測定》炭素含有率は、VG
サイエンティフィックス社製ESCALAB−200R
のXPS表面分析装置を用いて測定した。X線アノード
にはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エ
ミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解
能は、正常なAg3d5/2ピークの半値幅で規定した
とき、1.5〜1.7eVとなるように設定した。測定
をおこなう前に、汚染による影響を除くために、保護層
の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッチ
ング除去する必要がある。表面層の除去には、希ガスイ
オンが利用出来るイオン銃を用いることが好ましく、イ
オン種としては、He、Ne、Ar、Xe、Krなどが
利用出来る。本測定においては、Arイオンエッチング
を用いて表面層を除去した。
【0205】先ず、結合エネルギー0eVから1100
eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定
し、いかなる元素が検出されるかを求めた。
【0206】次に、検出された、エッチングイオン種を
除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.
2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークにつ
いてナロースキャンをおこない、各元素のスペクトルを
測定した。得られたスペクトルは、測定装置、あるい
は、コンピューターの違いによる含有率算出結果の違い
を生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−J
APAN製のCOMMON DATA PROCESS
ING SYSTEM (Ver.2.3以降が好まし
い)上に転送した後、同ソフトで処理をおこない、炭素
含有率の値を原子数濃度(atomic concen
tration)として求めた。
【0207】定量処理をおこなう前に、各元素について
Count Scaleのキャリブレーションを行い、
5ポイントのスムージング処理をおこなった。定量処理
では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度
(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理に
は、Shirleyによる方法を用いた。
【0208】Shirley法については、D.A.S
hirley,Phys.Rev.,B5,4709
(1972)を参考にすることが出来る。
【0209】上記電子写真感光体1〜18について上記
測定及び評価を行い、結果を表1に示した。
【0210】
【表1】
【0211】(結果)本発明の大気圧プラズマ放電処理
装置を用いて、有機光導電層を有する電子写真感光体表
面に保護層を形成する方法において、印加電極及びアー
ス電極の形状が変わっても、また、アース電極がフィル
ム状の導電性支持体電極であっても、円筒状アルミニウ
ム導電性支持体電極であっても、更に、該円筒状アルミ
ニウム導電性支持体電極が回転しながら移動してプラズ
マ放電処理しても、電位特性、画像特性及び物理的性質
何れもほとんど変わらない緻密で硬い保護膜を形成する
ことが出来た。これに対して、プラズマCVD方法で行
ったものは電位特性、物理的性質が極端に劣り、粗雑な
保護層が形成されていた。塗布方式により保護層の形成
したものは、画像特性及び物理的性質が劣っていること
がわかった。保護層のない有機光導電層は電位特性、画
像特性と摩擦係数は保護層のある本発明の電子写真感光
体とあまり変わらなかったが、耐傷性及び摩耗性が劣っ
ていた。このように本発明の大気圧プラズマ放電処理方
法により形成した保護層は優れた性質を有し、そのため
に電子写真感光体としての性質が著しく向上したことが
わかった。
【0212】実施例16 《プロセスカートリッジ交換サイクル試験:プリント枚
数試験による》プロセスカートリッジ交換サイクル試験
を、5万枚をめどにプリントを行い、画像カブリや傷に
よる黒スジの発生する枚数を交換する時として試験し
た。
【0213】電子写真感光体は表2に記載した保護層を
有する電子写真感光体2、9、10、11、12、1
3、14、15及び比較例の16、更に保護層を有しな
い電子写真感光体18を使用し、これらの電子写真感光
体と現像手段、転写・分離手段、ブレードクリーニング
手段を一体型に組み込んだプロセスカートリッジとし、
ヒューレットパッカード製レーザービームプリンター
「レーザージェット4plus」にこれらのプロセスカ
ートリッジを装着して試験を行った。複写紙は普通紙を
使用し、トナーは該プリンターに使用するものを用い
た。結果を表2に示した。
【0214】
【表2】
【0215】(結果)本発明の電子写真感光体は何れも
5万枚以上のプリントにおいても画像のカブリや黒スジ
の発生はなかった。これに対して、比較例の電子写真感
光体16は2万枚で、また、保護層のない比較例の電子
写真感光体18は1万枚に至る前に画像カブリ、黒スジ
の発生があった。このように、本発明の保護層を有する
電子写真感光体のプロセスカートリッジの交換サイクル
は、保護層を有しないものに比べて5倍以上、また本発
明によらない保護層を有する電子写真感光体のものに比
べて2.5倍以上であった。
【0216】
【発明の効果】大気圧プラズマ放電処理法を用いて、電
子写真感光体の有機光導電層の上に金属化合物、金属酸
化物等の保護層を形成させることによって、硬度が高
く、耐久性があり、耐摩耗性があり、大量プリントして
も、また高温高湿環境においても、品質の高いコピーを
得ることが出来る電子写真感光体を提供することが出来
た。また高画質を形成し、大量プリントが可能な画像形
成装置を提供出来、更に交換サイクルの長いプロセスカ
ートリッジを提供出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】対向電極間で発生するプラズマ状態の反応ガス
をジェット状にしてシート状またはフィルム状の導電性
支持体の表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電
処理装置の一例を示す概略図である。
【図2】対向電極間で発生するプラズマ状態の反応ガス
をジェット状にして円筒状の導電性支持体の表面に保護
層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示
す概略図である。
【図3】2個の平板固定電極の対向電極間でシート状ま
たはフィルム状の導電性支持体の表面に保護層を形成さ
せるプラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図4】プラズマ放電処理装置のロール状回転電極とパ
イプ状電極群とで対向電極を構成し、該対向電極間でシ
ート状またはフィルム状の導電性支持体の表面に保護層
を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す
概略図である。
【図5】金属母材とその上に被覆されている誘電体の状
態を示すロール状回転電極の斜視図である。
【図6】金属母材とその上に被覆されている誘電体の状
態を示すパイプ状固定電極群のうちの1本の角パイプ状
電極の斜視図である。
【図7】シート状またはフィルム状の導電性支持体を、
ロール状回転電極と凹型固定電極の対向電極間で保護層
を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す
概略図である。
【図8】シート状またはフィルム状の導電性支持体電極
と平板固定電極とで対向電極を構成し、シート状または
フィルムの導電性支持体表面に保護層を形成させる大気
圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図9】絶縁性ロール状回転体に密着して巻き回される
導電性支持体を導電性支持体電極とパイプ状の固定電極
群とで対向電極を構成し、該導電性支持体表面に保護層
を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す
概略図である。
【図10】絶縁性ロール状回転体に密着して巻き回され
る導電性支持体電極と凹面を有する凹型固定電極とで対
向電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成させ
る大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図であ
る。
【図11】円筒状の導電性支持体電極と凹面を有する樋
状の凹型固定電極とで対向電極を構成し、導電性支持体
表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置
の一例を示す概略図である。
【図12】円筒状の導電性支持体電極と該導電性支持体
の外側に配置された円筒型固定電極とで対向電極を構成
し、導電性支持体表面に保護層を形成させる大気圧プラ
ズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図13】円筒状の導電性支持体電極と該導電性支持体
の外側に円形に配置されたパイプ状固定電極群とで対向
電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成させる
大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図であ
る。
【図14】回転しながら移動する円筒状の導電性支持体
電極群と平板固定電極とで対向電極を構成し、該導電性
支持体の表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電
処理装置の一例を示す概略図である。
【図15】樋状の凹型固定電極とその樋の中を回転しな
がら移動する円筒状の導電性支持体電極群とで対向電極
を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成させる大気
圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略的斜視図であ
る。
【図16】回転しながら移動する円筒状の導電性支持体
電極群と円筒型電極とで対向電極を構成し、導電性支持
体表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装
置の一例を示す概略図である。
【図17】回転しながら移動する円筒状の導電性支持体
電極群と円形に配したパイプ状電極群とで対向電極を構
成し、導電性支持体表面に保護層を形成させる大気圧プ
ラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図18】本発明の画像形成装置の1例としての断面図
である。
【符号の説明】
35A、36A 金属母材 35B、36B 誘電体 41 高周波電源 30 プラズマ放電処理装置 35、35a ロール状回転電極 36 パイプ状固定電極群 36a 角パイプ状電極 40 電圧印加手段 50 ガス充填手段 51 ガス発生装置 60 電極温度調節手段 500 感光体ドラム 510 露光部 520 帯電器 530 像露光器 540 現像器 570 給紙ローラー 580 転写ローラー(転写器) 590 分離ブラシ(分離器) 600 定着装置 610 排紙ローラー 620 ブレードクリーニング器 700 プロセスカートリッジ G 反応ガス G° プラズマ状態の反応ガス G′ 処理排ガス CF シート状またはフィルム状の導電性支持体 CD 円筒状の導電性支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/10 G03G 5/10 B 5/147 501 5/147 501 502 502 H05H 1/24 H05H 1/24 Fターム(参考) 2H068 AA02 AA08 AA21 BA57 BA58 CA01 CA05 CA21 CA29 CA34 CA36 CA39 CA41 CA43 CA45 CA46 CA48 EA25 FA03 FA07 FA27 FC15 4G075 AA24 BA02 CA25 CA63 DA02 EB41 EB42 EC21 ED01 ED04 ED09 EE02 FB02 FB04 FB06 FB12 FC11 FC15 4K030 AA11 AA17 BA02 BA05 BA06 BA11 BA14 BA16 BA18 BA20 BA21 BA29 BB12 CA02 CA07 CA12 CA16 FA03 JA01 JA06 JA16 JA18 JA19 JA20 KA15 KA16 KA47 LA17

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体の上に少なくとも有機光導
    電層を形成し、該有機光導電層上に保護層を形成する電
    子写真感光体の製造方法において、印加電極とアース電
    極で構成される対向電極の電極間を、大気圧もしくはそ
    の近傍の圧力として反応性ガス及び希ガスまたは窒素ガ
    スを含有する反応ガスを導入し、該電極間に高周波電圧
    を印加して放電させることによって反応ガスをプラズマ
    状態とし、該有機光導電層面を該プラズマ状態の反応ガ
    スにさらすことによって保護層を形成することを特徴と
    する電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 該有機光導電層面を、電極間外でプラズ
    マ状態の反応ガスにさらすことによって、前記有機光導
    電層上に保護層を形成することを特徴とする請求項1に
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機光導電層面を、電極間において
    プラズマ状態の反応ガスにさらすことによって、前記有
    機光導電層上に保護層を形成することを特徴とする請求
    項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記導電性支持体がシート状またはフィ
    ルム状であって、該導電性支持体を移送させながら前記
    有機光導電層の上に保護層を形成することを特徴とする
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子写真感光体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導電性支持体が、外周面に導電性層
    を有する円筒形状であり、該導電性支持体を円筒の円周
    方向に回転させながら前記有機光導電層の上に保護層を
    形成することを特徴とする請求項1または2に記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記対向電極が、印加電極及びアース電
    極の平行する2個の平板固定電極であることを特徴とす
    る請求項1乃至5の何れか1項に記載の電子写真感光体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アース電極をロール状回転電極と
    し、該ロール状回転電極の外周面より大きい同心円の円
    弧上に電極面が連続または不連続に配置された固定電極
    を印加電極として、シート状またはフィルム状の導電性
    支持体を該ロール状回転電極に密着して巻き回しながら
    前記有機光導電層の上に保護層を形成することを特徴と
    する請求項1、3または4に記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記対向電極の少なくとも一方の電極
    が、少なくとも金属母材とその上に被覆した誘電体で構
    成されているものであることを特徴とする請求項1乃至
    7の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記アース電極がシート状またはフィル
    ム状の導電性支持体を電極としたシート状またはフィル
    ム状の導電性支持体電極であり、該導電性支持体電極と
    印加電極の対向電極間で前記有機光導電層の上に保護層
    を形成することを特徴とする請求項1に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記印加電極が平板固定電極であっ
    て、該平板固定電極と、該平板固定電極面と平行に移動
    するシート状またはフィルム状の導電性支持体電極の対
    向電極間で保護膜を形成することを特徴とする請求項9
    に記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記印加電極が絶縁性ロール状回転体
    の外周面より大きい同心円の円弧上に電極面を有する連
    続または不連続に配置された固定電極であり、該固定電
    極と、該絶縁性ロール状回転体に巻き回しながら移動す
    る前記導電性支持体電極との対向電極間で、前記有機光
    導電層の上に保護層を形成することを特徴とする請求項
    9に記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アース電極が、外周面に導電性層
    を有する円筒状の導電性支持体を電極とする円筒状の導
    電性支持体電極であり、該円筒状の導電性支持体電極と
    印加電極の対向電極間で前記有機光導電層の上に保護層
    を形成することを特徴とする請求項9に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記印加電極が、該円筒状の導電性支
    持体電極の外周より大きい同心円の円周上または円弧上
    に電極面が連続または不連続に配置された固定電極であ
    り、該円筒状の導電性支持体電極と固定電極の対向電極
    間で前記有機光導電層の上に保護層を形成することを特
    徴とする請求項12に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記固定電極が凹面を有する凹面状固
    定電極であることを特徴とする請求項7、11または1
    3に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記固定電極が、複数のパイプ状電極
    からなる電極群であることを特徴とする請求項7、11
    または13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記固定電極が、筒抜けの円筒状電極
    であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記円筒状の導電性支持体を回転させ
    ながら前記有機光導電層の上に保護層を形成することを
    特徴とする請求項12乃至16の何れか1項に記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  18. 【請求項18】 外周面に導電性層を有する円筒状の導
    電性支持体の該導電性層の上に少なくとも有機光導電層
    を形成し、該円筒状の導電性支持体をアース電極として
    の導電性支持体電極とし、該円筒状の導電性支持体電極
    を円周方向に回転させ、且つ該円筒状の導電性支持体電
    極の円筒の軸方向、または円筒の軸に直角方向に、印加
    電極に沿って移動させながら、該有機光導電層上に保護
    層を形成する電子写真感光体の製造方法において、回転
    し且つ移動する複数の円筒状の導電性支持体電極と印加
    電極との対向電極間で、大気圧もしくはその近傍の圧力
    下、該電極間に高周波電圧を印加して放電させることに
    より該電極間に導入した反応性ガス及び希ガスまたは窒
    素ガスを含有する反応ガスをプラズマ状態とし、該有機
    光導電層面を該プラズマ状態の反応ガスにさらすことに
    よって、保護層を形成することを特徴とする電子写真感
    光体の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記印加電極を平板固定電極とし、該
    平板固定電極面に平行に沿って、円周方向に回転しなが
    ら円筒の軸と直角の方向に連続的に移動する複数の円筒
    状の導電性支持体電極と、該平板固定電極との対向電極
    間で前記有機光導電層上に保護層を形成することを特徴
    とする請求項18に記載の電子写真感光体の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記印加電極を前記円筒状の導電性支
    持体電極の外周より大きい同心円の円弧上にある樋状の
    凹面を有する凹面状固定電極とし、該凹面状固定電極
    と、該凹面状固定電極の樋状の凹面に沿って、円周方向
    に回転しながら且つ軸方向に連続して移動する複数の円
    筒状の導電性支持体電極とで対向電極を構成し、該対向
    電極間で前記有機光導電層上に保護層を形成することを
    特徴とする請求項18に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記印加電極を前記円筒状の導電性支
    持体電極の外周より大きい同心円の筒抜けの円筒状電極
    とし、該円筒状電極と、該円筒状電極の中を円周方向に
    回転しながら且つ軸方向に連続して移動する複数の円筒
    状の導電性支持体電極とで対向電極を構成し、該対向電
    極間で前記有機光導電層上に保護層を形成することを特
    徴とする請求項18に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記筒抜けの円筒状電極が、前記円筒
    状の導電性支持体電極の外側を円周方向に回転すること
    を特徴とする請求項21に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  23. 【請求項23】 前記印加電極を円筒状の導電性支持体
    電極の外周より大きい同心円に配置された複数のパイプ
    状電極で構成されるパイプ状電極群とし、該パイプ状電
    極群の内側を該円筒状の導電性支持体電極が円周方向に
    回転しながら且つ軸方向に連続的に移動する複数の円筒
    状の導電性支持体電極とで対向電極を構成し、該対向電
    極間で前記有機光導電層上に保護層を形成することを特
    徴とする請求項18に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記パイプ状電極群が前記円筒状の導
    電性支持体電極の外側を円周方向に回転することを特徴
    とする請求項23に記載の電子写真感光体の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記印加電極が、少なくとも金属母材
    とその上に被覆した誘電体で構成されていることを特徴
    とする請求項9乃至24の何れか1項に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記誘電体が6〜45の比誘電率の無
    機物であることを特徴とする請求項8または25に記載
    の電子写真感光体の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記高周波電圧が連続したサイン波で
    あることを特徴とする請求項1乃至26の何れか1項に
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記高周波電圧を100kHzを超え
    た電圧とし、且つその時供給する電力を1W/cm2
    上とすることを特徴とする請求項1乃至27の何れか1
    項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記反応ガスが90.0〜99.9体
    積%の希ガスまたは窒素ガスを含有していることを特徴
    とする請求項1乃至28の何れか1項に記載の電子写真
    感光体の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記反応性ガスが、金属化合物、有機
    金属化合物、有機化合物、酸素、オゾン、過酸化水素、
    二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選ばれる少な
    くとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至29
    の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記反応ガスが、酸素、オゾン、過酸
    化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選ば
    れる反応性ガスを0.01〜5体積%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至30の何れか1項に記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記有機金属化合物がアルコキシド
    基、アルキル基、β−ケトン基、アルキルカボキシ基が
    金属に結合した化合物であることを特徴とする請求項3
    0に記載の電子写真感光体の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記金属化合物がハロゲン原子、窒素
    原子、ホウ素原子から選ばれ少なくとも一つが結合した
    ものであることを特徴とする請求項30に記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  34. 【請求項34】 前記有機金属化合物または前記金属化
    合物の金属が、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、C
    o、Ni、Cu、Zn、In、Sn、Wから選ばれるも
    のであることを特徴とする請求項30、32または33
    に記載の電子写真感光体の製造方法。
  35. 【請求項35】 請求項1乃至34に記載の方法により
    金属酸化物を主成分とする保護層が形成されたことを特
    徴とする電子写真感光体。
  36. 【請求項36】 保護層が炭素含有率0.2〜5質量%
    の炭素を含有していることを特徴とする請求項35に記
    載の電子写真感光体。
  37. 【請求項37】 前記炭素含有率が0.3〜3質量%で
    あることを特徴とする請求項36に記載の電子写真感光
    体。
  38. 【請求項38】 前記保護層が10〜10,000nm
    の厚さを有することを特徴とする請求項35乃至37の
    何れか1項に記載の電子写真感光体。
  39. 【請求項39】 請求項35乃至38の何れか1項に記
    載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、像露
    光、現像、ブレードクリーニングの各工程を経て画像を
    形成することを特徴とする画像形成方法。
  40. 【請求項40】 請求項35乃至38の何れか1項に記
    載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、像露
    光、現像、ブレードクリーニングの各手段を経て画像を
    形成することを特徴とする画像形成装置。
  41. 【請求項41】 電子写真感光体を有し、且つ少なくと
    も帯電、像露光、現像、ブレードクリーニングの各手段
    を有する画像形成装置に使用するプロセスカートリッジ
    において、請求項35乃至38の何れか1項に記載の電
    子写真感光体と、帯電器、像露光器、現像器及びクリー
    ニング器から選ばれる少なくとも一つと一体に組み合わ
    さっており、且つ画像形成装置に脱着自在に設計されて
    いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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