JP2003301335A - カーボンナノファイバー及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノファイバー及びその製造方法

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JP2003301335A
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Yasumasa Yamamoto
泰正 山本
Yoji Matsuhisa
要治 松久
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配向制御に優れたカーボンナノファイバーおよ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】直径が500nm以下であり、かつアスペ
クト比が100万以上であることを特徴とするカーボン
ナノファイバー、および、複数の島成分を有する海島型
繊維であって、前記島成分は焼成により炭化してカーボ
ンナノファイバーとなる物質から構成され、海成分は焼
成または他の処理により飛散または除去される物質から
構成されており、かつ前記島成分の直径は700nm以
下であるカーボンナノファイバー前駆体繊維を焼成して
カーボンナノファイバーを得ることを特徴とするカーボ
ンナノファイバーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンナノファ
イバーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、気相成長炭素繊維として直径
が100nm前後から1000nm前後の繊維軸中心に
単一の中空部を有するいわゆるカーボンナノファイバー
が開発されているが、アスペクト比は10000前後で
あり、長さとしては1mmから長くても5cm程度の短
い物であった。そのためにこれを配向させることは困難
であった。さらに気相のカーボンを原料として製造する
方法であるために、生産性が低いという問題があった。
【0003】従来、これら問題への対策として、例え
ば、ピッチ原料を島、樹脂成分を海成分として複合紡糸
して前駆体繊維を紡糸した後、焼成することによりピッ
チ系極細炭素繊維を製造する方法が提案されているが
(例えば特許文献1参照)、繊維径が1ミクロン程度と
太く、引張強度も3.5GPa前後と通常の炭素繊維と
同等のレベルであった。
【0004】またフェノール樹脂とポリエチレンを混練
して溶融紡糸することにより、フェノール系極細炭素繊
維を製造する方法が提案がされているが(例えば特許文
献2参照)、繊維径が1ミクロン程度と太く引張強度が
0.7GPa前後の低物性の物であり、かつブレンド紡
糸であるので、太さや長さの制御がなりゆきとなり制御
しにくいという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開平1−282349号公報(全体)
【0006】
【特許文献2】特開2001−73226号公報(全
体)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術が有する問題点に鑑み、配向を制御しやすい配向を
制御しやすいカーボンナノファイバーおよびそれを得る
に適したカーボンナノファイバーの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を進めた結果、繊維製造技術を駆
使すればそれらが一挙に解決できることを見出し、本発
明に到達したものである。
【0009】本発明のカーボンナノファイバーは、上記
目的を達成するために、次の構成を有する。すなわち、
直径が500nm以下であり、かつアスペクト比が10
0万以上であることを特徴とするカーボンナノファイバ
ーである。
【0010】また、本発明のカーボンナノファイバーの
製造方法は、上記目的を達成するために、次の構成を有
する。すなわち、複数の島成分を有する海島型繊維であ
って、前記島成分は焼成により炭化してカーボンナノフ
ァイバーとなる物質から構成され、海成分は焼成または
他の処理により飛散または除去される物質から構成され
ており、かつ前記島成分の直径は700nm以下である
カーボンナノファイバー前駆体繊維を焼成してカーボン
ナノファイバーを得ることを特徴とするカーボンナノフ
ァイバーの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、カーボンナノフ
ァイバーとは直径が1ミクロン以下程度の非常に細い炭
素繊維を意味し、カーボンナノチューブとは異なり、繊
維中心部に中空部を有さない中実の構造を有する。
【0012】本発明のカーボンナノファイバーは、直径
が500nm以下であり、かつアスペクト比が100万
以上である。このようなカーボンナノファイバーとする
ことにより、これを配向させて所望の方向に配列するこ
とが容易となり、カーボンナノファイバーの機械的、物
理的あるいは化学的特性が優れたものとなり、ナノワイ
アのような用途に用いることができるようになる。
【0013】本発明のカーボンナノファイバーは、その
アスペクト比が100万以上であるが、大きいほど配向
制御しやすいので、好ましくは1000万以上、より好
ましくは1億以上、最も好ましいのは実質的に連続すな
わち無限大とすることである。しかし、実際上は巻き取
って切断するため、アスペクト比の上限は1000兆と
いったオーダーとなる。長さの絶対値としては、好まし
くは1mm以上、より好ましくは1cm以上、さらに好
ましくは1m以上、最も好ましいのは1km以上の連続
とすることである。本発明のカーボンナノファイバー
は、その直径が500nm以下であるが、細いほど物理
的、化学的あるいは機械的特性に優れている。かかる観
点から、直径としては、好ましくは100nm以下、よ
り好ましくは10nm以下、さらに好ましくは5nm以
下とする。直径の下限としては通常0.1nm以上であ
り、0.5nm以上が現実的である。ただし用途に応
じ、あるいは後述する製法での生産性との兼ね合いから
直径を適正化することが好ましい。ここでカーボンナノ
ファイバーの直径は透過型電子顕微鏡によって求めるこ
とができる。その際、加速電圧100〜500kV、倍
率50,000〜2,000,000の範囲で条件を適
宜調整して求めれば良い。測定装置としては、例えば、
日立製作所製H−9000UHRを挙げることができ
る。測定(透過型電子顕微鏡観察)の際のカーボンナノ
ファイバーのサンプリング法は特に限定されず、例え
ば、カーボンナノファイバーを目視レベルで粉状に砕い
たり切ったりして透過型電子顕微鏡の観察に適した大き
さにして観察すれば良いが、カーボンナノファイバーが
多かったり、バンドル(束)を形成したりして、カーボ
ンナノファイバーが重なり過ぎて観察しづらい場合は、
例えばエタノール等の有機溶媒にカーボンナノファイバ
ーの目視レベルでの粉状物を入れ、一般的な超音波洗浄
機(出力数十W)で数分〜10分程度の超音波振動を与
えると、ある程度分散するので、その液を透過型電子顕
微鏡に適した銅メッシュ(直径数〜数十μmの穴の空い
たマイクログリッド型が好ましい)に垂らし、乾燥さ
せ、銅メッシュに引っかかったカーボンナノファイバー
を観察すれば良い。また、カーボンナノファイバーの長
さは例えば焼成の巻取り装置の回転数および周囲長、時
間によって求めることが可能である。
【0014】本発明のカーボンナノファイバーは次のよ
うにして製造することができる。すなわち、複数の島成
分を有する海島型繊維であって、前記島成分は焼成によ
り炭化してカーボンナノファイバーとなる物質から構成
され、海成分は焼成または他の処理により飛散または除
去される物質から構成されており、かつ前記島成分の直
径は700nm以下であるカーボンナノファイバー前駆
体繊維を焼成するのである。このような海島型前駆体繊
維を焼成することにより、得られるカーボンナノファイ
バーの直径を自由に設定できるとともに、アスペクト比
が大きく、連続のカーボンナノファイバーを製造するこ
とが可能となる。前駆体繊維における島成分の直径は7
00nm以下であることが必須であり、得られるカーボ
ンナノファイバーの直径に対応して細いことが好まし
い。ここで前駆体繊維における島成分の直径は、上述し
たように透過型電子顕微鏡により測定することができ
る。ただし、前駆体繊維から例えばミクロトームで超薄
切片を切り出し、断面観察する場合、海成分と島成分を
識別しにくい場合は、どちらかを公知の透過型顕微鏡観
察に用いられる金属酸等を用いた各種染色法によって適
当に染色してコントラストが出るようにして観察するの
が好ましい。
【0015】島成分に用いる、焼成により炭化してカー
ボンナノファイバーになる物質としては、ポリイミド、
ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、セルロース、
ピッチ及びそれらが主成分となる共重合体などから選ば
れる1種または2種以上の混合物が用い得る。なかで
も、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、セルロース、
ピッチまたはそれらが主成分となる共重合体が好まし
く、ポリイミド、セルロース、ピッチまたはそれらが主
成分となる共重合体がより好ましい。
【0016】海成分に用いる、焼成あるいは他の処理に
よって飛散あるいは除去可能な物質としては、ポリエチ
レンテレフタレートなどの各種ポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66、低融点ナイロンなどの各種ポリアミ
ド、ポリスチレン、ポリエチレンなどから選ばれる1種
あるいは2種以上の混合物などが具体的に用い得る。
【0017】本発明において、海成分に用いる物質は、
焼成段階で飛散または除去するのが一般的ではあるが、
焼成以外のその他の処理で飛散または除去しても良い。
かかる処理としては、たとえば化学的処理などが適用で
き、具体的には、たとえば、スルホン酸基が導入された
イソフタル酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタ
レートであれば、アルカリ水溶液に溶解するので、好ま
しい処理の一例である。
【0018】前駆体繊維を得るための紡糸法としては、
基本的に溶融紡糸が生産性等から好ましい。さらに細い
カーボンナノファイバーを製造するためには、細いカー
ボンナノファイバー前駆体を製造することが重要であ
る。その方法として、カーボンナノファイバーになる物
質を単独で紡糸するのは細さの点で困難であるため、カ
ーボンナノファイバーになる物質が島成分、その周囲を
海成分とし、全体としては一般的な太さ(大略3μm以
上)として紡糸することが好ましい。このような島成分
と海成分からなる繊維を紡糸するためには、島成分の物
質と海成分の物質を充分に混練し、その混練物を紡糸す
るのが簡便で好ましく適用できる。更に、島成分の直径
を揃えるという点及びアスペクト比を高める点でよりい
っそう好ましいのは、海島型溶融紡糸、すなわち溶融紡
糸温度より高い温度で炭化する物質を、口金内で、溶融
紡糸温度より高い温度で除去される物質から成る海成分
中に吐出し、海成分と島成分を口金から吐出して溶融紡
糸する方法である。
【0019】また、溶融紡糸温度及び溶融押し出し温度
より高い温度で炭化する物質を溶融紡糸し、ついで該繊
維を、溶融紡糸温度及び溶融押し出し温度より高い温度
で除去される物質からなる樹脂で含浸することによっ
て、前記繊維を島とし、溶融紡糸温度及び溶融押し出し
温度より高い温度で除去される物質を海とする海島型構
造を有する繊維もしくはガットもしくはロッドもしくは
ローソク状物質を作製し、そのような繊維もしくはガッ
トもしくはロッドもしくはローソク状物質を、細孔から
溶融押し出しして引き取ることも有効である。
【0020】また、溶融紡糸温度及び溶融押し出し温度
より高い温度で炭化する物質を溶融紡糸し、ついで該繊
維を、溶融紡糸温度及び溶融押し出し温度より高い温度
で除去される物質からなる繊維と合わせて束にし、その
際好ましくは互いが融着するように加熱することによ
り、更に好ましくは加熱時に束の中心方向に向かって圧
力が加わるようにすることにより、実質的に海島型構造
を有する繊維もしくはガットもしくはロッドもしくはロ
ーソク状物質を作製し、該繊維もしくはガットもしくは
ロッドもしくはローソク状物質を、細孔から溶融押し出
しして引き取ることも有効である。なお、繊維を束にす
る際に好ましく採用される加熱において、好ましい温度
は、繊維の外周部を構成するポリマーのガラス転移点以
上融点以下である。また更に好ましく採用される加圧に
おいて、その方法は限定されるものではないが、例え
ば、熱収縮チューブ中に、その熱収縮チューブが自由収
縮したときの直径よりも太い直径の繊維の束を挿入して
加熱し、熱収縮チューブの収縮力が繊維の束に加わるよ
うにしたり、あるいは、繊維の束をフィルムで覆って密
閉し、適当な場所から真空引きにしてフィルムを収縮す
るようにしたりすれば良い。また、真空にすることは、
前記のフィルムを用いた場合のみならず、加熱する場合
にも、繊維の間に存在する空気を排除し、繊維同士を空
隙なく融着させることができるので好ましい。
【0021】また、溶融紡糸温度及び溶融押し出し温度
より高い温度で炭化する物質を芯部とし、溶融紡糸温度
及び溶融押し出し温度より高い温度で除去される物質を
鞘部とする芯鞘型繊維を溶融紡糸し、ついで該芯鞘型繊
維を上記と同様に束にすることにより、実質的に海島型
構造を有する繊維もしくはガットもしくはロッドもしく
はローソク状物質を作製し、そのような繊維もしくはガ
ットもしくはロッドもしくはローソク状物質を、細孔か
ら溶融押し出しして引き取ることも有効である。
【0022】以上のような方法で紡糸した繊維をさらに
延伸することも重要であり、2倍〜10万倍に延伸する
ことにより、さらなる細繊度化が可能である。そのため
にレーザー加熱による延伸も有効な手段である。
【0023】また、上記方法で得られるカーボンナノフ
ァイバー前駆体を、さらに複数本、上述したように、好
ましくは加熱、更に好ましくは加熱と加圧によって、ま
た更に好ましくは真空引きを併用して、束ねて繊維もし
くはガットもしくはロッドもしくはローソク状物質と
し、それを吐出孔に向かって先細りしている溶融紡糸口
金に押し込んで溶融紡糸することも有効であり、さら
に、上述した方法を繰り返し行うことによってより細く
することも有効である。
【0024】本発明において、前記した前駆体繊維を焼
成することにより、島成分をカーボンナノファイバーと
なす。焼成に際しては、ピッチやポリアクリロニトリル
など、不融化あるいは耐炎化させることが必要な物質を
島成分に用いた場合には、酸素を含む活性雰囲気中で不
融化あるいは耐炎化処理した後、アルゴン、ヘリウムあ
るいは窒素といった不活性雰囲気中で焼成することが重
要である。不融化あるいは耐炎化は200〜300℃の
温度で、続く不活性雰囲気中での焼成に耐える耐熱性を
付与するに必要な時間で処理することが重要である。不
活性雰囲気中での焼成は2000〜3000℃の温度で
処理することが重要である。焼成は緊張下、張力を付与
した状態で行うことが好ましい。
【0025】得られたカーボンナノファイバーはさらに
化学修飾を行い、用途に応じた官能基、ポリマーなどを
表面に付与することが好ましい。
【0026】このようにして得られた本発明のカーボン
ナノファイバーは、配向制御が容易でカーボンナノファ
イバーの特性を任意の方向に発現させることが可能とな
り、強度および弾性率の非常に高い超高性能複合材料あ
るいは連続的なナノワイヤ、送電線など、従来不可能で
あった高性能な材料を提供することを可能とする。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、カーボンナノファイバーや前駆体繊維
等の各種直径は透過型電子顕微鏡によって求め、カーボ
ンナノファイバーの長さは焼成の巻き取り装置の回転数
および周囲長、時間により求めた。尚、本実施例におい
て、透過型電子顕微鏡としては日立製作所製H−900
0UHRを用い、加速電圧を300kVとし、倍率は適
宜観察・測定しやすい倍率を選定した。また、以下の実
施例で用いたポリスチレン、ポリイミド、ポリエステ
ル、ノボラック型フェノール樹脂、低融点ナイロンに
は、溶融紡糸温度における溶融粘度が剪断速度500/
secの時に100〜500Pa・sとなるものを用い
た。 (実施例1)島成分を36個含む海島型複合紡糸口金
(島:海=70:30)を用い、ポリスチレンを海成分
とし、軟化点が270℃、キノリン不溶分が21%、光
学的異方性量が90%のピッチを島成分として、330
℃で芯鞘型複合溶融紡糸し、400m/分で巻き取っ
た。得られた繊維の直径は10μmであり、その中に含
まれる島成分の直径は700nmであった。
【0028】これを空気中で200℃で不融化処理した
後、アルゴン雰囲気で3000℃で焼成した。得られた
カーボンナノファイバーは直径450nm、長さは10
kmであった。 (実施例2)熱可塑性のポリイミドを320℃で溶融紡
糸し、400m/分で巻き取った。得られた繊維は直径
が14μmであった。これを、別途溶融紡糸したポリス
チレン繊維の束の中に分散するように配置し、真空下で
310℃に加熱して束ねた時のポリマー配置が実質的に
保持された直径2.5cmのローソク状物質を得た。こ
のローソク状物質を320℃にて口径150μmの口金
から溶融押し出しし、100m/分で引き取った。得ら
れた繊維は、直径12.6μm、熱可塑性ポリイミド繊
維が引き延ばされた部分の直径は12nmであった。こ
の繊維を、実施例1と同様に不融化し、焼成した。得ら
れたカーボンナノファイバーは直径8nm、長さは5k
mであった。 (実施例3)実施例1において、海成分のポリスチレン
に替えて、スルホイソフタル酸を2%共重合成分とする
ポリエチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1
と同様に紡糸した。これを、3%の水酸化ナトリウム水
溶液を用いて、90℃にて島成分の芯部及び海成分を除
去した。その後、不融化、焼成を行い、実施例1と同様
のカーボンナノファイバーを得たが、本実施例の方が、
カーボンナノファイバー同士の接着が少なかった。 (実施例4)融点約95℃のノボラック型フェノール樹
脂と融点約120℃の低融点ナイロンを10:90の重
量比で混練し、200℃で溶融紡糸した。得られた直径
50μmの繊維中の島成分のフェノール樹脂の直径は
0.8〜1.5μmであった。この繊維を束ね、直径5
0mmのシリコーンゴム製熱収縮チューブ(西日本電線
(株)製)の中に押し込み、150℃で加熱した。これ
により、直径35mmのローソク状物質ができた。これ
を旋盤加工して直径30mmのローソク状物質とし、入
り口内径30.5mmで、途中からは先細りして最終的
には出口内径1mmとなる筒に入れ、先細り部分を15
0℃に加熱してローソク状物質を先細り部に向かって押
し込んだ。筒の先細り部の内径1mmの穴から出てきた
ポリマーを50m/分で引き取った。得られた繊維中の
フェノール樹脂の直径は、25〜100nmであった。
この繊維を、ホルムアルデヒド水溶液と塩酸の混合液中
で90℃にて2時間処理した。その後、この繊維を20
00℃で焼成した。得られたカーボンナノファイバー
は、直径18〜80nm、長さ5mm以上であった。
【0029】(比較例1)実施例1において、島成分と
海成分を同じピッチにして、それ以外は実施例1と同様
に行った。得られた物は、直径9μmの炭素繊維であっ
た。
【0030】(比較例2)実施例2において、熱可塑性
ポリイミド単独でローソク状物質を作り、それ以外は実
施例2と同様に行った。得られた物は、直径10μmの
炭素繊維であった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、配向制御が容易なカー
ボンナノファイバーを提供することができる。また本発
明によれば、かかるカーボンナノファイバーを効率よく
製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径が500nm以下であり、かつアスペ
    クト比が100万以上であることを特徴とするカーボン
    ナノファイバー。
  2. 【請求項2】複数の島成分を有する海島型繊維であっ
    て、前記島成分は焼成により炭化してカーボンナノファ
    イバーとなる物質から構成され、海成分は焼成または他
    の処理により飛散または除去される物質から構成されて
    おり、かつ前記島成分の直径は700nm以下であるカ
    ーボンナノファイバー前駆体繊維を焼成してカーボンナ
    ノファイバーを得ることを特徴とするカーボンナノファ
    イバーの製造方法。
  3. 【請求項3】焼成により炭化する物質からなる島成分を
    口金内で、焼成または他の処理により飛散または除去さ
    れる物質からなる海成分中に吐出し、該海成分と前記島
    成分を口金から吐出し、前記海島型のカーボンナノファ
    イバー前駆体繊維を製造する工程を含むことを特徴とす
    る請求項2記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
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