JP2003301073A - スチレンブタジエンゴム組成物及びその成形体 - Google Patents
スチレンブタジエンゴム組成物及びその成形体Info
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Abstract
耗性に優れた成形体を与えるスチレンブタジエンゴム組
成物並びにその成形体を提供する。 【解決手段】スチレンブタジエンゴムをゴム原料とし、
充填剤、可塑剤、添加剤、架橋剤を含有し、前記スチレ
ンブタジエンゴムが、(A)遷移金属メタロセン触媒、
(B)有機アルミニウム化合物及びアルミノキサンから
選択される少なくとも1種の化合物、及び(C)電子吸
引性化合物を添加してスチレンとブタジエンを共重合し
て得られたハイシススチレンブタジエンゴム(ハイシス
SBR)であるスチレンブタジエンゴム(SBR)組成
物とする。
Description
耗性に優れた加硫ゴムを与えるスチレンブタジエンゴム
組成物並びに該スチレンブタジエンゴム組成物を成形、
加硫して得られたスチレンブタジエンゴム成形体に関す
る。
広く使用されている合成ゴムであり、特に乗用車用タイ
ヤの路面接地部であるトレッド用のゴム材料として広く
使用されている。従来のSBRは、乳化重合法による
か、溶液アニオン重合法により製造されていた。
により製造されたSBRは、いずれもブタジエンのシス
1,4−結合の分率が40%以上にはならないものであ
った。このため、従来のSBRを使用したゴム組成物
は、動的な応力を受ける成形品に使用した場合、特性上
問題を有する。特にタイヤのトレッド部に使用した場合
には、転動抵抗(Rolling Resistance)、耐摩耗性に問
題があり、これらの特性の改良が求められている。
を向上させるためには、シス1,4−結合分率の高いS
BRとすることが有効と考えられるが、これまでシス
1,4−結合分率の高いSBRは知られていない。ブタ
ジエンの重合においてシス1,4−結合分率を高める重
合方法として、遷移金属メタロセン触媒を使用する製造
方法が公知である(Macromol.Chem.Ph
ys.,201,393,2000)。
属メタロセン触媒を使用した重合方法では、得られるS
BRの分子量が高くならず、ゴム組成物として成形品と
した時の機械的強度が十分ではなく、特にタイヤのよう
な高強度が要求される用途には使用できないものであっ
た。
高く、転動抵抗や耐摩耗性に優れた成形体を与えるスチ
レンブタジエンゴム組成物並びにその成形体を提供する
ことにある。
エンゴム(SBR)組成物は、スチレンブタジエンゴム
をゴム原料とし、充填剤、可塑剤、添加剤、架橋剤を含
有し、前記スチレンブタジエンゴムが、(A)遷移金属
メタロセン触媒、(B)有機アルミニウム化合物及びア
ルミノキサンから選択される少なくとも1種の化合物、
及び(C)電子吸引性化合物を添加してスチレンとブタ
ジエンを共重合して得られたハイシススチレンブタジエ
ンゴム(ハイシスSBR)であることを特徴とする。
率が高く、転動抵抗や耐摩耗性に優れた成形体を与え
る。
いては、前記ハイシススチレンブタジエンゴムは、重量
平均分子量20万以上かつシス1,4−結合含有率が6
0%以上であることが好ましい。
は有機溶剤中において重合反応を行ったものであること
が好ましい。
子量のスチレンブタジエンゴムを製造することができ
る。
100重量部中のハイシスSBRは、10〜100重量
部であることが好ましい。
の含有量が10重量部未満ではハイシスSBRの効果が
十分に発揮されない。ハイシスSBRの含有量は20重
量部以上であることがより好ましい。
は、請求項1〜3いずれかに記載のスチレンブタジエン
ゴム組成物を成形、加硫して得られたものであることを
特徴とする。
性に優れた成形体であり、特にタイヤの接地部、ベルト
コンベア、ローラー、クローラ等の耐摩耗性を要求され
る用途に適した成形体である。
(23℃)が55〜80であることが好ましい。
説明する。本発明のハイシススチレンブタジエンゴムの
製造方法は、(A)遷移金属メタロセン触媒、(B)有
機アルミニウム化合物及びアルミノキサンから選択され
る少なくとも1種の化合物、及び(C)電子吸引性化合
物を添加してスチレンとブタジエンとを共重合すること
を特徴とする。
子吸引性化合物を添加してスチレンとブタジエンとを共
重合することにある。
って実用的な機械的強度を有し、同時にブタジエンのシ
ス1,4−結合分率が高い共重合体が得られる。
モノマー(スチレン+ブタジエンなど)に対して(A)
成分は,モノマー/(A)=102 〜105 (モル比)
である。(A)/(B)の比率は、(B)成分として有
機アルミニウム化合物を使用する場合には1/0.1〜
1/1000(モル比)であることが好ましく、(B)
成分としてアルミノキサンを使用する場合には、1/1
0〜1/5000であることが好ましい。また(A)/
(C)の比率は、1/0.1〜1/10であることが好
ましい。
が、重量平均分子量20万以上かつシス1,4−結合分
率が60%以上であることが好ましい。
より、ゴム成形品とした場合に高い機械的強度を有する
SBRとなり、シス1,4−結合分率が60%以上であ
ることにより、特にタイヤとレッド材料として使用した
時に耐摩耗性に優れ、低転動抵抗となるSBRが得られ
る。
エンゴムは、重量平均分子量20万以上かつシス1,4
−結合分率が60%以上であることを特徴とする。
るブタジエンのシス1,4−結合、トランス1,4−結
合、1,2−結合の合計を100%としたときの分率
(%)である。本発明のシス1,4−結合分率は、赤外
線吸収スペクトル法により測定する。
は、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、(B)
有機アルミニウム化合物及びアルミノキサンから選択さ
れる少なくとも1種の化合物、及び(C)電子吸引性化
合物を用いて、スチレンとブタジエンとを共重合させる
ことによって得られる。
としては、周期表第4〜8族遷移金属化合物の公知のメ
タロセン型錯体を使用できる。具体的には、チタン、ジ
ルコニウムなどの周期表第4族遷移金属のメタロセン型
錯体(例えば、CpTiCl 3 など)、バナジウム、ニ
オブ、タンタルなどの周期表第5族遷移金属のメタロセ
ン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯
体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロ
セン型錯体が挙げられる。
メタロセン型錯体の使用が好適である。周期表第5族遷
移金属化合物のメタロセン型錯体としては、下記の一般
式にて表される化合物が挙げられる。 (1)RM・La (2)Rn MX2-n ・La (3)Rn MX3-n ・La (4)RMX3 ・La (5)RM(O)X2 ・La (6)Rn MX3-n (NR' ) (式中、nは1又は2、aは0,1又は2である) 上記の化合物の中でも、(1)RM・La ,(4)RM
X3 ・La ,(5)RM(O)X2 ・La の使用がより
好ましい。金属Mは、バナジウム、チタンの少なくとも
一方であることが好ましい。
はシクロペンタジエニル基(Cp)、置換シクロペンタ
ジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオ
レニル基又は置換フルオレニル基を示す。置換シクロペ
ンタジエニル基、置換インデニル基又は置換フルオレニ
ル基における置換基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−
ブチル、t−ブチル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化
水素基または分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリ
ル、ナフチル、ベンジルなど芳香族炭化水素基、トリメ
チルシリルなどのケイ素原子を含有する炭化水素基など
が挙げられる。さらに、シクロペンタジエニル環がXの
一部と互いにジメチルシリレン(Me2 Si)、ジメチ
ルメチレン(Me2 C)、メチルフェニルメチレン(P
hMeC)、ジフェニルメチレン(Ph2 C)、エチレ
ン、置換エチレンなどの架橋基で結合されたものも含ま
れる。
ては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタ
ジエニル基、1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、1−トリメチルシリル−
2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基
などが挙げられる。
2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデ
ニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデ
ニル基などが挙げられる。置換フルオレニル基の具体例
としては、メチルフルオレニル基などが挙げられる。
ジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、ペンタメ
チルシクロペンタジエニル基、インデニル基、1,2,
3−トリメチルインデニル基の使用がより好ましい。
素、ハロゲン(F,Cl,Br,I)、炭素数1から2
0の炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。
Xはすべて同じであっても、互いに異なっていてもよ
い。炭素数1から20の炭化水素基の具体例としては、
メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシ
ルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭
化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジルなど
の芳香族炭化水素基である。これらの中でも、メチル、
ベンジルなどが好ましい。Rは、トリメチルシリルメチ
ル基であってもよい。
シ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルキル
オキシ基が例示される。アミノ基としては、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが例
示される。
ス塩基であり、金属に配位できるルイス塩基性の一般的
な無機、有機化合物である。活性水素を有しない化合物
が特に好ましく、具体例としては、エ−テル、エステ
ル、ケトン、アミン、ホスフィン、シリルオキシ化合
物、オレフィン、ジエン、芳香族化合物、アルキンなど
が例示される。
けるNR' はイミド基であり、R'は炭素数1から25
の炭化水素置換基である。R' の具体例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i
−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オ
クチル、ネオペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基ま
たは分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、ナフチル、ベ
ンジル、1−フェニルエチル、6−ジメチルフェニルな
どの芳香族炭化水素基などが挙げられる。トリメチルシ
リルなどのアルキルシリル基であってもよい。
ロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期
表第5族遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニ
ル(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ト
ルエン)バナジウム、シクロペンタジエニル(キシレ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニル(フェロセン)
バナジウム、テトラメチルシクロペンタジエニル(ベン
ゼン)バナジウム、インデニル(ベンゼン)バナジウ
ム、シクロペンタジエニルテトラカルボニルバナジウム
などを挙げることができる。
れる化合物のうち、n=1、即ちシクロアルカジエニル
基を配位子として1個有する場合には、他のシグマ結合
性配位子として、水素原子、塩素などのハロゲン原子、
メチル基、フェニル基、ベンジル基、ネオペンチル基、
トリメチルシリル基などの炭化水素基、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基、ジメ
チルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基などのジアルキ
ルアミノ基を有することができる。
ミド、ホスフィン、エ−テル、ケトン、エステル、オレ
フィン、ジエン、芳香族炭化水素、アルキンなどの中性
のルイス塩基を有することもできる。活性水素のないル
イス塩基が好ましい。
れる化合物において、n=2、即ちシクロアルカジエニ
ル基を配位子として2個有する場合には、各々のシクロ
アルカジエニル環が互いにジメチルシリレン、ジメチル
メチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレ
ン、エチレン、置換エチレンなどの架橋基で結合された
ものであってもよい。
される化合物のうち、n=1であり、酸化数+2の周期
表第5族遷移金属化合物の具体例としては、クロロシク
ロペンタジエニル(テトラヒドロフラン)バナジウム、
クロロシクロペンタジエニル(トリメチルホスフィン)
バナジウムなどが挙げられる。
される化合物のうち、n=2、即ちシクロアルカジエニ
ル基を配位子として2個有する酸化数+2の周期表第5
族遷移金属化合物の具体例としては、ビスシクロペンタ
ジエニルバナジウム、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウム、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)バナジウムなどが挙げられる。
的な化合物のうち、n=1の化合物としては、シクロペ
ンタジエニルバナジウムジクロライド、メチルシクロペ
ンタジエニルバナジウムジクロライド,フルオレニルバ
ナジウムジクロライドなどのジクロライド体、あるいは
これらの化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル
体などが挙げられる。
合物としては、さらにシクロペンタジエニルバナジウム
ジメトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジi
−プロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジ
t−ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジ
フェノキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムメト
キシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムi−
プロポキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウ
ムt−ブトキシクロライド、シクロペンタジエニルバナ
ジウムフェノキシクロライドなどのアルコキシド体、あ
るいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換した
メチル体等例示される。
的な化合物のうち、n=2の化合物としては、ジシクロ
ペンタジエニルバナジウムクロライド、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)バナジウムクロライド、ビス
(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウム
クロライド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)バナジウムクロライド、ジインデニルバナジウム
クロライドなどのクロライド体、あるいはこれらの化合
物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体が挙げられ
る。
る化合物においては、Rが炭化水素基、シリル基によっ
て結合されたものであってもよい。かかる化合物として
は、ジメチルビス(η5 −シクロペンタジエニル)シラ
ンバナジウムクロライド、ジメチルビス(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)シランバナジウムクロ
ライドなどのクロライド体、あるいはこれらの化合物の
塩素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙げられ
る。
体的な化合物としては、以下の(i)〜(vii)の化
合物が挙げられる。
リクロライド,モノ置換シクロペンタジエニルバナジウ
ムトリクロライド、シクロペンタジエニルチタントリク
ロライド (ii)1,2−又は1,3−ジ置換シクロペンタジエ
ニルバナジウムトリクロライド、1,2−又は1,3−
ジ置換シクロペンタジエニルチタントリクロライド (iii)(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエ
ニル)バナジウムトリクロライド、1,2,4−トリメ
チルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド
等のトリ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロ
ライドが挙げられる。
ロペンタジエニルバナジウムトリクロライド (v)インデニルバナジウムトリクロライド、(vi)
置換インデニルバナジウムトリクロライド (vii);(i)〜(vi)の化合物の塩素原子をア
ルコキシ基で置換したモノアルコキシド、ジアルコキシ
ド、トリアルコキシド等 一般式(5)RM(O)X2 で表される具体的な化合物
としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジク
ロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウ
ムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙
げられる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換
したメチル体も挙げられる。
合物としては、またシクロペンタジエニルオキソバナジ
ウムジメトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナ
ジウムジi−プロポキサイドなどが挙げられる。上記の
各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体、
(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチルアミド)オキ
ソバナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−
プロピルアミド)オキソバナジウムなどが挙げられる。
される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニル
(メチルイミド)バナジウムジクロライド、シクロペン
タジエニル(フェニルイミド)バナジウムジクロライ
ド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル
イミド)バナジウムジクロライドなどが挙げられる。
化合物としては、さらにシクロペンタジエニルバナジウ
ム(フェニルイミド)ジメトキサイド、シクロペンタジ
エニルバナジウム(フェニルイミド)ジi−プロポキサ
イド、シクロペンタジエニルバナジウム(フェニルイミ
ド)(i−プロポキシ)クロライド、(シクロペンタジ
エニル)ビス(ジエチルアミド)バナジウム(フェニル
イミド)、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−プロ
ピルアミド)バナジウム(フェニルイミド)などが挙げ
られる。
ム化合物としては、公知の有機アルミニウム化合物が使
用可能である。具体的にはトリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等
のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムク
ロライド等のジアルキルハライド等が例示される。
アルミノキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮
合剤とを接触させることによって得られるものであっ
て、一般式(−Al(R’)O−)nで示される鎖状ア
ルミノキサンが挙げられる。R’は炭素数1〜10の炭
化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキ
シ基で置換されたものも含む。nは鎖状アルミノキサン
の重合度であり、5以上、好ましくは10以上である。
R’として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル
基が挙げられる。これらの中でもメチル基及びエチル基
が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有
機アルミニウム化合物としては、例えば、上述のトリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及
びその混合物などが挙げられる。
剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、こ
の他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意
のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙
げられる。
電子吸引性化合物が使用可能である。具体的には、トリ
クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の酢酸誘導体、テトラ
クロロベンゾキノン(クロラニール)、テトラフルオロ
ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体、テトラシアノキ
ノジメタン(TCNQ)等が例示される。これらの電子
吸引性化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
てはスチレンとブタジエンとから構成されるが、SBR
の特性を損なわない範囲において他のモノマーの共重合
体とすることは、特性の改善等の観点より好適な態様で
ある。このような共重合可能な他のモノマーとしては、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル
ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、4−メチルペンタ
ジエン等の共役ジエンモノマー、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1等のモノオレフィン、
ノルボルネン等の環状モノオレフィン、α−メチルスチ
レン等の芳香族モノオレフィン等が例示される。
の製造において使用する溶剤は、スチレンブタジエンゴ
ムの重合において使用する公知の溶剤は限定なく使用可
能である。具体的には、トルエン、キシレン、テトラリ
ン等の芳香族系溶剤、n−ヘキサン、n−ペンタン、n
−ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロ
ヘプタン、デカリン等の脂肪族系ないし脂環族系溶剤等
が好適な溶剤として例示される。
が使用可能である。重合は溶液重合、塊状重合のいずれ
であってもよいが、前述のように溶液重合であることが
好ましい。
溶剤、並びにスチレンモノマーとブタジエンモノマーと
を所定の比率で仕込み、所定温度に調整し、触媒を添加
することにより行う。
り、0〜120℃であることがより好ましい。重合時間
は、温度と目的とする分子量に応じて適宜設定される
が、3分〜10時間程度である。
溶剤や禁止剤を含む溶剤を重合系に添加、撹拌すること
により行う。重合完了後、例えば溶液をSBRの非溶剤
に再沈させ、ろ別した後、乾燥することにより、或いは
重合後の溶液から溶剤を除去することによりSBRを得
ることができる。
BRと併用可能であるゴム材料は、通常SBRとブレン
ドして使用されるゴム材料は限定なく使用可能であり、
例えば天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)等が好適なゴ
ム材料として例示される。
剤、添加剤、プロセスオイル、加硫剤、加硫促進剤を使
用する。これらは、ゴムの技術分野における公知の材料
が限定なく使用可能である(日本ゴム協会編「ゴム技術
の基礎」等参照)。
施例等について説明する。 <SBRの製造例> (製造例1)撹拌機付き1.5L容量のオートクレーブ
を窒素置換し、溶剤としてトルエンを300ml、シク
ロペンタジエニルチタントリクロライド(CpTiCl
3 )を2.1mmol,メチルアルミノキサン(MA
O)を210mmol,クロラニルを2.1mmol
(CpTiCl3 /クロラニル=1/1(モル比))投
入し、ブタジエン37.5mlとスチレン37.5ml
を添加して60℃にて30分間重合を行った。重合開始
10分後に、重合禁止剤であるp−t−ブチルカテコー
ルを少量溶解したメタノール溶液を重合溶液に添加し、
重合反応を停止させた。この溶液からトルエンを除去す
ることにより、SBRポリマー(サンプル1)を得た。
間を120分とした以外は製造例1と同様にしてSBR
ポリマー(サンプル2)を得た。
部、カーボンブラック(ISAF)70重量部、アロマ
系プロセスオイル35重量部、老化防止剤(N−フェニ
ル−N−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレン
ジアミン)1重量部、パラフィンワックス2重量部、ス
テアリン酸2重量部、酸化亜鉛(亜鉛華1号)2重量部
をバンバリーミキサーにて混練してマスターバッチを作
製した。バンバリーミキサーから排出したマスターバッ
チを混練ロールでシート化して冷却した後、混練ロール
を使用して硫黄(5%油処理粉末硫黄)1.5重量部、
加硫促進剤(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスル
フェンアミド)1.5重量部を混練してSBR組成物を
得た。
1)に代えてSBRポリマー(サンプル2)を100重
量部使用した以外は実施例1と同様にしてSBR組成物
を得た。
ー(サンプル1)50重量部と市販のエマルジョン重合
SBR(SBR1502(JSR製)、スチレン含量=
23.5%)50重量部とを使用した以外は実施例1と
同様にしてSBR組成物を得た。
2を100重量部使用した以外は実施例1と同様にして
SBR組成物を得た。
ー(サンプル1)5重量部と市販のエマルジョン重合S
BR1502の95重量部とを使用した以外は実施例1
と同様にしてSBR組成物を得た。
れた未加硫ゴム組成物は、金型内にて160℃、20分
加熱して成形体とし、耐摩耗性評価を行った。評価の結
果は、表2に記載した。
し、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)を使用
し、40℃にて測定を行い、標準ポリスチレン換算の重
量平均分子量、数平均分子量を求めた。
率、1,2−結合分率は、赤外線吸収スペクトル法によ
り測定した。測定にはパラゴン1000(パーキンエル
マー社製)を使用した。測定は、スチレンブタジエンゴ
ムのフィルムを作成して行った。結果は、ブタジエン単
位のシス1,4−結合に帰属される735cm-1の吸収
強度、トランス1,4−結合に帰属される967cm-1
の吸収強度、1,2−結合に帰属される911cm-1の
吸収強度をそれぞれ測定し、その強度比から求めた。
(サンプル2)、及びSBR1502の分子量とミクロ
構造の測定結果を示した。
し、荷重3kg、スリップ率20%、温度23℃にて測
定した。評価結果は、エマルジョン重合による市販のS
BR1502の評価結果を100とした指数にて表示し
た。サンプルは、JIS K 6264規定のサイズに
調製して使用した。
Rはシス1,4−結合が60%を超えるハイシスSBR
であると共に重量平均分子量が365000(サンプル
1)、585000(サンプル2)であり、従来のエマ
ルジョン重合SBRと同等の高分子量である。
物を加硫した加硫ゴムは、耐摩耗性が大変良好であるこ
とが分かる。
Claims (4)
- 【請求項1】 スチレンブタジエンゴムをゴム原料と
し、充填剤、添加剤、可塑剤、架橋剤を含有し、前記ス
チレンブタジエンゴムが、(A)遷移金属メタロセン触
媒、(B)有機アルミニウム化合物及びアルミノキサン
から選択される少なくとも1種の化合物、及び(C)電
子吸引性化合物を添加してスチレンとブタジエンを共重
合して得られたハイシススチレンブタジエンゴム(ハイ
シスSBR)であることを特徴とするスチレンブタジエ
ンゴム組成物。 - 【請求項2】 前記ハイシススチレンブタジエンゴム
が、重量平均分子量20万以上かつシス1,4−結合含
有率が60%以上である請求項1に記載のスチレンブタ
ジエンゴム組成物。 - 【請求項3】 前記ハイシススチレンブタジエンゴムは
有機溶剤中において重合反応を行ったものである請求項
1又は2に記載のスチレンブタジエンゴム組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のスチレン
ブタジエンゴム組成物を成形、加硫して得られたスチレ
ンブタジエンゴム成形体。
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