JP2016044201A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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【課題】低燃費性、加工性、耐熱老化性、及び耐摩耗性、ウェットグリップ性能、低温グリップ性能、ドライグリップ性能、操縦安定性、ゴム強度、接着強度、耐リムずれ性、耐ブローアウト性などの各種性能をバランス良く改善したタイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、重量平均分子量(Mw)が800,000以上のスチレンブタジエンゴムとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年、燃料代の高騰や環境規制の導入により、低燃費性に優れたタイヤが要請され、燃費性能への寄与の大きいトレッド等の低燃費化が要求されている。タイヤ部材には、天然ゴムが多用されているため、タイヤ全体の低燃費化には、天然ゴムの低燃費化も進めることが必要となっている。
天然ゴムの改質による低燃費化として、例えば、特許文献1には、天然ゴムラテックスに界面活性剤を加えて洗浄処理する方法が開示されている。しかし、この方法で蛋白質やゲル分をある程度低減できるものの、充分なレベルではなく、tanδの更なる低減が望まれている。また、タイヤ用のゴムには耐熱老化性などの性能も要求されているが、特許文献1の方法では耐熱性が不充分で低燃費性と耐熱老化性の両立という点の改善も望まれている。
また、天然ゴムは、他の合成ゴムに比べて高ムーニー粘度で加工性が悪く、通常しゃっ解剤を添加して素練りを行い、ムーニー粘度を低下させた後に使用しているため、生産性が悪い。更に、素練りにより天然ゴムの分子鎖が切断されることで、天然ゴムが本来有する高分子量ポリマーの特性(良好な低燃費性、耐摩耗性、ゴム強度など)が失われるという問題もある。
一方、近年、タイヤの耐摩耗性が向上し、市場での使用期間が長期化しているため、タイヤの長期的な損傷や劣化によるゴム強度、接着強度、耐リムずれ性や、競技用タイヤ特有の耐ブローアウト性などの各種性能を改善することが要求されている。また恒常的に安全性、耐久性の面でグリップ性能(サマータイヤでは特にウェットグリップ性能、オールシーズンタイヤでは特に低温グリップ性能、競技用タイヤでは特にドライグリップ性能)、操縦安定性及び耐摩耗性などの性能を改善することも依然として要求されている。
以上のとおり、タイヤ用ゴム組成物において、低燃費性、加工性、耐熱老化性、及び耐摩耗性、ウェットグリップ性能、低温グリップ性能、ドライグリップ性能、操縦安定性、ゴム強度、接着強度、耐リムずれ性、耐ブローアウト性などの各種性能の更なる改善が望まれている。
特許第3294901号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、加工性、耐熱老化性、及び耐摩耗性、ウェットグリップ性能、低温グリップ性能、ドライグリップ性能、操縦安定性、ゴム強度、接着強度、耐リムずれ性、耐ブローアウト性などの各種性能をバランス良く改善したタイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、重量平均分子量(Mw)が800,000以上のスチレンブタジエンゴムとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記改質天然ゴムは、天然ゴムの非ゴム成分を除去した後、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7であることが好ましい。
前記改質天然ゴムは、ケン化天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7であることが好ましい。
前記改質天然ゴムは、脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7であることが好ましい。
前記改質天然ゴムのリン含有量が200ppm以下であることが好ましい。
前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.15質量%以下であることが好ましい。
前記pHは、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値であることが好ましい。
前記改質天然ゴムは、JIS K 6300:2001−1に準拠して測定したムーニー粘度ML(1+4)130℃について、下記式で表される耐熱老化性指数が75〜120%のものであることが好ましい。
Figure 2016044201
前記白色充填剤がシリカであることが好ましい。
前記スチレンブタジエンゴムの結合スチレン量が20質量%以上であることが好ましい。
IP346法で求めた多環式芳香族含有量が3質量%以上であるオイルを実質的に含まないことが好ましい。
前記改質天然ゴムが素練りする工程を経ずに作製されたものであることが好ましい。
本発明はまた、前記タイヤ用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、重量平均分子量(Mw)が800,000以上のスチレンブタジエンゴムとを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、低燃費性、加工性、耐熱老化性、及び耐摩耗性、ウェットグリップ性能、低温グリップ性能、ドライグリップ性能、操縦安定性、ゴム強度、接着強度、耐リムずれ性、耐ブローアウト性などの各種性能をバランス良く改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、重量平均分子量(Mw)が800,000以上のスチレンブタジエンゴムとを含む。
前記改質天然ゴムは、高純度化され、かつpHが2〜7に調整されたものである。
タンパク質、リン脂質などの非ゴム成分を除去して高純度化するとともに、ゴムのpHを適切な値にコントロールした改質天然ゴムであるため、加工性、低燃費性、耐摩耗性、ウェットグリップ性能、低温グリップ性能、ドライグリップ性能、操縦安定性、ゴム強度、接着強度、耐リムずれ性、耐ブローアウト性が改善される。また、非ゴム成分の除去やゴムが塩基性又は強酸性となることで、ゴムの劣化が進行し易くなるが、ゴムのpHを所定範囲に調整することで、保存中の分子量の低下が抑制されるので、良好な耐熱老化性が得られる。その結果、混練工程でのゴム物性の低下防止、充填剤の分散性向上が実現し、前記各種性能の性能バランスが改善される。更に本発明では、前記改質天然ゴムに加えて、Mwが800,000以上のスチレンブタジエンゴムを配合することで、前記各種性能の性能バランスが相乗的に改善され、前記性能バランスを顕著に改善することができる。
ここで、高純度化とは、天然ポリイソプレノイド成分以外のリン脂質、タンパク質等の不純物を取り除くことである。天然ゴムは、イソプレノイド成分が、前記不純物成分に被覆されているような構造となっており、前記成分を取り除くことにより、イソプレノイド成分の構造が変化して、配合剤との相互作用が変わってエネルギーロスが減ったり、耐久性が向上し、より良いゴム組成物を得ることができると推察される。
高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムとしては、非ゴム成分量を低減して高純度化され、かつゴムのpHが2〜7の改質天然ゴムであれば特に限定されず、具体的には、(1)天然ゴムの非ゴム成分を除去した後、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、(2)ケン化天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、(3)脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、等が挙げられる。
このように、前記改質天然ゴムは、ケン化天然ゴムラテックスや脱蛋白天然ゴムラテックスを、蒸留水などで水洗し、更に酸性化合物で処理する製法等により調製できるが、水洗に用いた蒸留水のpHに比べて、酸性化合物の処理により酸性側にシフトさせ、pHの値を下げることが重要である。通常、蒸留水のpHが7.00ということはなく、5〜6程度であるが、この場合は、酸性化合物の処理によりpHの値を5〜6よりも酸性側に低下させることが重要となる。具体的には、水洗に用いる水のpH値より、酸性化合物の処理でpH値を0.2〜2低下させることが好ましい。
前記改質天然ゴムのpHは2〜7であり、好ましくは3〜6、より好ましくは4〜6である。上記範囲内に調整することで、耐熱老化性の低下が防止され、前記各種性能を顕著に改善できる。なお、改質天然ゴムのpHは、ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値であり、具体的には後述の実施例に記載の方法で測定する。ここで、抽出については、超音波洗浄器などで1時間抽出してもゴム内部から完全に水溶性成分を抽出することはできないため、正確に内部のpHを知ることはできないが、本手法で抽出することでゴムの実体を知ることが可能になる点を本発明者は見出したものである。
前記改質天然ゴムは、前記(1)〜(3)等、各種方法により高純度化したものであり、例えば、該改質天然ゴム中のリン含有量は、好ましくは200ppm以下、より好ましくは150ppm以下である。200ppmを超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなったり、tanδが上昇し低燃費性を改善できないおそれがある。なお、リン含有量は、ICP発光分析等、従来の方法で測定できる。リンは、天然ゴムに含まれるリン脂質に由来するものと考えられる。
前記改質天然ゴムは、人工の老化防止剤を含んでいる場合、アセトン中に室温(25℃)下で48時間浸漬した後の窒素含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。0.15質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなったり、低燃費性の改善効果が充分に得られないおそれがある。高純度化した天然ゴムは天然ゴムが元々有しているといわれる天然の老化防止剤成分が除去されているため、長期の保存で劣化するおそれがある。そのため、人工の老化防止剤が添加されることがある。上記窒素含有量は、アセトン抽出によりゴム中の人工の老化防止剤を除去した後の測定値である。窒素含有量は、ケルダール法、微量窒素量計等、従来の方法で測定できる。窒素は、タンパク質やアミノ酸に由来するものである。
前記改質天然ゴムは、JIS K 6300:2001−1に準拠して測定したムーニー粘度ML(1+4)130℃が75以下であることが好ましく、より好ましくは40〜75、更に好ましくは45〜75、特に好ましくは50〜70、最も好ましくは55〜65である。75以下であることにより、ゴム混練前に通常必要な素練りが不要となる。従って、素練りする工程を経ずに作製された前記改質天然ゴムをゴム組成物の配合材料として好適に使用できる。一方、75を超えると、使用前に素練りが必要となり、設備の専有、電気や熱エネルギーロス、等が発生する傾向がある。
前記改質天然ゴムは、前記ムーニー粘度ML(1+4)130℃について、下記式で表される耐熱老化性指数が75〜120%のものであることが好ましい。
Figure 2016044201
前記式で示される耐熱老化性指数は、より好ましくは80〜115%、更に好ましくは85〜110%である。ゴムの耐熱老化性の評価として種々の方法が報告されているが、前記ムーニー粘度ML(1+4)130℃の80℃で18時間熱処理した前後の変化率で評価する方法を用いることで、タイヤ製造時やタイヤ使用時などの耐熱老化性を正確に評価できる。ここで、前記範囲内であれば優れた耐熱老化性が得られ、また、前記各種性能の性能バランスを顕著に改善できる。
前記(1)〜(3)などの高純度化され、かつpHが2〜7に調整された前記改質天然ゴムは、(製法1)天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1−1と、ケン化天然ゴムラテックスを洗浄する工程1−2と、酸性化合物で処理する工程1−3とを含む製造方法、(製法2)天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する工程2−1と、脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する工程2−2と、酸性化合物で処理する工程2−3とを含む製造方法、等により調製できる。
〔製法1〕
(工程1−1)
工程1−1では、天然ゴムラテックスをケン化処理する。これにより、ゴム中のリン脂質やタンパク質が分解され、非ゴム成分が低減されたケン化天然ゴムラテックスが調製される。
天然ゴムラテックスはヘベア樹などの天然ゴムの樹木の樹液として採取され、ゴム分のほか水、タンパク質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。本発明では、天然ゴムラテックスとして、ヘベア樹をタッピングして出てくる生ラテックス(フィールドラテックス)、あるいは遠心分離法やクリーミング法によって濃縮した濃縮ラテックス(精製ラテックス、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックス、亜鉛華とTMTDとアンモニアによって安定化させたLATZラテックスなど)を使用できる。
ケン化処理の方法としては、例えば、特開2010−138359号公報、特開2010−174169号公報に記載の方法により好適に行うことができ、具体的には下記方法などで実施できる。
ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することで実施でき、必要に応じて撹拌などを行っても良い。
ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましいが、これらに限定されない。界面活性剤としては特に限定されず、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などの公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられるが、ゴムを凝固させず良好にケン化できるという点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤が好適である。ケン化処理において、アルカリ及び界面活性剤の添加量、ケン化処理の温度及び時間は、適宜設定すればよい。
(工程1−2)
工程1−2では、前記工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程1−2は、例えば、前記工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを凝集させて凝集ゴムを作製した後、得られた凝集ゴムを塩基性化合物で処理し、更に洗浄することにより実施できる。具体的には、凝集ゴムの作製後に、水で希釈して水溶性成分を水層に移して、水を除去することで非ゴム成分を除去でき、更に凝集後に塩基性化合物で処理することで凝集時にゴム内に閉じ込められた非ゴム成分を再溶解させることができる。これにより、凝集ゴム中に強く付着したタンパク質などの非ゴム成分を除去できる。
凝集方法としては、ギ酸、酢酸、硫酸などの酸を添加してpHを調整し、必要に応じて更に高分子凝集剤を添加する方法などが挙げられる。これにより、大きな凝集塊ではなく、直径数mm〜1mm以下から、20mm程度の粒状ゴムが形成され、塩基性化合物処理によりタンパク質などが充分に除去される。上記pHは、好ましくは3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜4.5の範囲に調整される。
高分子凝集剤としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩の重合体などのカチオン性高分子凝集剤、アクリル酸塩の重合体などのアニオン系高分子凝集剤、アクリルアミド重合体などのノニオン性高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩−アクリル酸塩の共重合体などの両性高分子凝集剤などが挙げられる。高分子凝集剤の添加量は、適宜選択できる。
次いで、得られた凝集ゴムに対して、塩基性化合物による処理が施される。ここで、塩基性化合物としては特に限定されないが、タンパク質などの除去性能の点から、塩基性無機化合物が好適である。
塩基性無機化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの金属水酸化物;アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩などの金属炭酸塩;アルカリ金属炭酸水素塩などの金属炭酸水素塩;アルカリ金属リン酸塩などの金属リン酸塩;アルカリ金属酢酸塩などの金属酢酸塩;アルカリ金属水素化物などの金属水素化物;アンモニアなどが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ金属酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが挙げられる。
なかでも、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、アンモニアが好ましく、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アンモニアがより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが更に好ましい。上記塩基性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
凝集ゴムを塩基性化合物で処理する方法は、凝集ゴムを上記塩基性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを塩基性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに塩基性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。塩基性化合物の水溶液は、各塩基性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の塩基性化合物の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。0.1質量%未満では、タンパク質を充分に除去できないおそれがある。該含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。10質量%を超えると、多量の塩基性化合物が必要なわりにタンパク質分解量が増えるわけではなく、効率が悪い傾向がある。
上記塩基性化合物の水溶液のpHとしては、9〜13が好ましく、処理効率の点から、10〜12がより好ましい。
上記処理温度は適宜選択すればよいが、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。また、処理時間は、通常、1分以上であり、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。1分未満であると、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。上限に制限はないが、生産性の点から、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは16時間以下である。
塩基性化合物の処理後、洗浄処理が行われる。該洗浄処理により、凝集時にゴム内に閉じ込められたタンパク質などの非ゴム成分を充分除去すると同時に、凝集ゴムの表面だけでなく、内部に存在する塩基性化合物も充分に除去することが可能となる。特に、当該洗浄工程でゴム全体に残存する塩基性化合物を除去することにより、後述の酸性化合物による処理をゴム全体に充分に施すことが可能となり、ゴムの表面だけでなく、内部のpHも2〜7に調整できる。
洗浄方法としては、ゴム全体に含まれる非ゴム成分、塩基性化合物を充分に除去可能な手段を好適に用いることができ、例えば、ゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離する方法、静置してゴムを浮かせ、水相のみを排出してゴム分を取り出す方法が挙げられる。洗浄回数は、タンパク質などの非ゴム成分、塩基性化合物を所望量に低減することが可能な任意の回数を採用できるが、乾燥ゴム300gに対して水1000mLを加えて撹拌した後に脱水するという洗浄サイクルを繰り返す手法なら、3回(3サイクル)以上が好ましく、5回(5サイクル)以上がより好ましく、7回(7サイクル)以上が更に好ましい。
洗浄処理は、ゴム中のリン含有量が200ppm以下及び/又は窒素含有量が0.15質量%以下になるまで洗浄するものであることが好ましい。洗浄処理でリン脂質やタンパク質が充分に除去されることで、前記各種性能が改善される。
(工程1−3)
工程1−3では、工程1−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。前記のとおり、当該処理を施すことでゴム全体のpHが2〜7に調整され、前記各種性能に優れた改質天然ゴムを提供できる。なお、塩基性化合物の処理などに起因して耐熱老化性が低下する傾向があるが、更に酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
酸性化合物としては特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ほう酸、ボロン酸、スルファニル酸、スルファミン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸などの有機酸などが挙げられる。なかでも、酢酸、硫酸、ギ酸などが好ましい。上記酸性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
凝集ゴムを酸で処理する方法は、凝集ゴムを上記酸性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを酸性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに酸性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。酸性化合物の水溶液は、各酸性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の酸性化合物の含有量は特に限定されないが、下限は好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、上限は好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。該含有量が上記範囲内であると、良好な耐熱老化性が得られる。
上記処理温度は適宜選択すればよいが、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。また、処理時間は、通常、好ましくは3秒以上であり、より好ましくは10秒以上、更に好ましくは30秒以上である。3秒未満であると、充分に中和できず、本発明の効果が良好に得られないおそれがある。上限に制限はないが、生産性の点から、好ましくは24時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下である。
酸性化合物の水溶液への浸漬などの処理では、pHを6以下に調整することが好ましい。
このような中和により、優れた耐熱老化性が得られる。該pHの上限は、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。下限は特に限定されず、浸漬時間にもよるが、酸が強すぎるとゴムが劣化したり、廃水処理が面倒になるため、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。なお、浸漬処理は、酸性化合物の水溶液中に凝集ゴムを放置しておくこと等で実施できる。
処理後に、酸性化合物の処理に使用した該化合物を除去した後、処理後の凝集ゴムの洗浄処理を適宜実施してもよい。洗浄処理としては、上記と同様の方法が挙げられ、例えば、洗浄を繰り返すことで非ゴム成分を更に低減し、所望の含有量に調整すればよい。また、酸性化合物の処理後の凝集ゴムをロール式の絞り機等で絞ってシート状などにしてもよい。凝集ゴムを絞る工程を追加することで、凝集ゴムの表面と内部のpHを均一にすることができ、所望の性能を持つゴムが得られる。必要に応じて、洗浄や絞り工程を実施した後、クレーパーに通して裁断し、乾燥することにより、前記改質天然ゴムが得られる。なお、乾燥は特に限定されず、例えば、TSRを乾燥させるために使用されるトロリー式ドライヤー、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の通常の乾燥機を用いて実施できる。
〔製法2〕
(工程2−1)
工程2−1では、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する。これにより、タンパク質などの非ゴム成分が除去された脱蛋白天然ゴムラテックスが調製できる。工程2−1で使用する天然ゴムラテックスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
脱蛋白処理の方法としては、タンパク質の除去が可能な公知の方法を特に制限なく採用でき、例えば、天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素を添加して蛋白質を分解させる方法などが挙げられる。
脱蛋白処理に使用される蛋白質分解酵素としては特に限定されず、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもののいずれでも構わない。具体的には、プロテアーゼ、ペプチターゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ等を単独又は組み合わせて使用できる。
蛋白質分解酵素の添加量は、天然ゴムラテックス中の固形分100質量部に対して、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上である。下限未満では、蛋白質の分解反応が不十分になるおそれがある。
なお、脱蛋白処理において、蛋白質分解酵素と共に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤等が挙げられる。
(工程2−2)
工程2−2では、前記工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程2−2は、例えば、前記工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを凝集させて凝集ゴムを作製した後、得られた凝集ゴムを洗浄することにより実施できる。これにより、凝集ゴム中に強く付着したタンパク質などの非ゴム成分を除去できる。
凝集方法は、前記工程1−2と同様の方法で実施できる。更に必要に応じて、前述したような塩基性化合物で処理しても良い。凝集ゴムの作製後、洗浄処理が行われる。該洗浄処理は、前記工程1−2と同様の方法で実施でき、これにより、タンパク質などの非ゴム成分、塩基性化合物を除去できる。なお、洗浄処理は、前記と同様の理由により、ゴム中のリン含有量が200ppm以下及び/又は窒素含有量が0.15質量%以下になるまで洗浄するものであることが好ましい。
(工程2−3)
工程2−3では、工程2−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。塩基性化合物での処理はもちろん、酸凝集においても酸量が少ない場合、最終的に得られたゴムを水で抽出した際、アルカリ性〜中性になることに起因して耐熱老化性が低下する傾向がある。一般的に、好適に脱蛋白できるという理由から、蛋白質分解酵素として、アルカリ領域に至適pHを有する酵素が使用されており、当該酵素反応は、至適pHに合わせてアルカリ条件下で行われることが多く、最終的なゴム全体のpHを2〜7に調整するために、工程2−1における天然ゴムラテックスの脱蛋白処理は、pH8〜11で実施することが好ましく、pH8.5〜11がより好ましい。その後、凝集の時に酸性下で凝固されるが、そのゴムを水洗しただけでは、後述する抽出でpHが抽出液よりも上がり、この場合に特に耐熱老化性の低下が大きかった。これに対して、凝固後、必要に応じて塩基性化合物で処理後に、酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
酸性化合物としては、前記工程1−3と同様のものが挙げられる。また、凝集ゴムを酸で処理する方法は、凝集ゴムを上記酸性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを酸性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに酸性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。酸性化合物の水溶液は、各酸性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の酸性化合物の含有量は特に限定されないが、下限は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上であり、上限は好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。該含有量が上記範囲内であると、良好な耐熱老化性が得られる。
上記処理温度、処理時間は適宜選択すればよく、前記工程1−3と同様の温度を採用すればよい。また、酸性化合物の水溶液への浸漬などの処理では、pHを前記工程1−3と同様の値に調整することが好ましい。
処理後に、酸性化合物の処理に使用した該化合物を除去した後、処理後の凝集ゴムの洗浄処理を適宜実施しても良い。洗浄処理としては、上記と同様の方法が挙げられ、例えば、洗浄を繰り返すことで非ゴム成分を更に低減し、所望の含有量に調整すればよい。洗浄処理終了後、乾燥することにより、前記改質天然ゴムが得られる。なお、乾燥は特に限定されず、前述の手法などを採用できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
本発明では、ゴム成分として、上記改質天然ゴムと共に、重量平均分子量(Mw)が800,000以上のスチレンブタジエンゴム(以下、高分子量SBRともいう)が使用される。上記高分子量SBRと、前記改質天然ゴムとを併用することで、前記各種性能の性能バランスを顕著に改善できる。
前記高分子量SBRとしては、例えば、アニオン重合法、溶液重合法、乳化重合法等、公知の方法を用いて調製でき、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のモノリチウム開始剤、テトラメチレン−1,4−ジリチウム、ジリチオベンゼン、ジリチオメタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能重合開始剤などを用いて重合し、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ジヌチルジクロロシラン、四塩化スズ、テトラエトキシシラン等のスズ、ケイ素化合物などでカップリング反応させることで、重合体を得ることができる。また、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼンなどの多官能モノマーを添加してもよい。また、市販品も使用可能である。
前記高分子量SBRの重量平均分子量(Mw)は、800,000以上、好ましくは900,000以上、より好ましくは1,000,000以上である。800,000未満であると、本発明の効果が充分に発揮されないおそれがある。ポリマーの分散等、加工性が悪化しない程度であれば、該Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは3,000,000以下である。SBRの重量平均分子量(Mw)は、実施例で示す方法により、求めることができる。
前記高分子量SBRの結合スチレン量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。20質量%未満では、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。また、該結合スチレン量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、優れた低燃費性能が得られないおそれがある。また、シス含量は特に限定されない。
なお、本明細書において、SBRのスチレン量は、H−NMR測定により算出される。
前記高分子量SBRのビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満では、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。また、該ビニル含量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。65質量%を超えると、優れた低燃費性能が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、SBRのビニル含量とは、ブタジエン部のビニル含量のことを示し、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量部中、前記高分子量SBRの含有量(固形分)は、好ましくは3〜90質量%、より好ましくは5〜85質量%、更に好ましくは10〜80質量%である。3質量%未満であると、グリップ性能及びゴム強度が劣る傾向があり、90質量%を超えると、低燃費性及び加工性が低下する傾向がある。
前記高分子量SBRのスチレンユニット及びブタジエンユニットのランダム性は特に限定されず、用途に応じて、ランダムSBRや傾斜構造SBRを用いることができる。
前記高分子量SBRの分子量分布、単峰性・多峰性については特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。
前記高分子量SBRは、充填剤と親和性のある極性基で変性されていてもかまわない。導入される極性基は特に限定されないが、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、グリシジル基、アミド基、カルボキシル基、エーテル基、チオール基、シアノ基、スズやチタンなどの金属原子などが挙げられ、アルコキシシリル基、アミノ基が好ましい。
上記極性基の存在位置は特に限定されず、末端であっても、主鎖中であっても、主鎖から分岐したグラフト構造であってもよい。また、一つのポリマー鎖中に複数の変性基を有していてもよい。
前記高分子量SBRは、加工性向上の観点より、オイルで伸展されていることが好ましい。
伸展に用いるオイルは、特に限定されないが、環境の観点より、IP346法で求めた多環式芳香族含有量が3質量%未満であるオイル(低PCAオイル)を用いることが好ましい。このような低PCAオイルとしては、例えば、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル、植物油等が挙げられる。伸展油の含有量は、前記高分子SBR100質量部に対して、好ましくは10〜80質量部、より好ましくは20〜70質量部である。
低PCAオイルを用いた場合、従来のアロマオイルと比較して、耐摩耗性の低下することが知られているが、本発明における前記改質天然ゴムと併用することにより、物性を低下させることなく、環境に配慮することができる。
前記改質天然ゴム、上記高分子量SBR以外に使用できるゴム成分としては、天然ゴム(非改質)(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、上記高分子量SBR以外のスチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチル系ゴムなどが挙げられる。
上記高分子量SBR以外のSBRとしては特に限定されないが、溶液重合SBR(S−SBR)、乳化重合SBR(E−SBR)、これらの変性SBRなどが挙げられ、公知の方法で調製したものを用いても、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、日本ゼオン(株)製のNipol NS116R等が挙げられる。
上記高分子量SBR以外のSBRの結合スチレン量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。5質量%未満では、充分なグリップ性能やゴム強度が得られないおそれがある。また、該結合スチレン量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。60質量%を超えると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
上記高分子量SBR以外のSBRのビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満では、充分なグリップ性能やゴム強度が得られないおそれがある。また、該ビニル含量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。65質量%を超えると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。なお、本明細書において、SBRのビニル含量とはブタジエン部のビニル含量のことを示し、H−NMR測定により算出される。
低燃費性、ゴム強度及びウェットグリップ性能の観点から、上記高分子量SBR以外のSBRを配合することが好ましい。上記高分子量SBR以外のSBRを配合する場合、ゴム成分100質量%中の上記高分子量SBR以外のSBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果を充分に発揮できる。
BRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、ハイシス1,4−ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、変性ブタジエンゴム(変性BR)、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)などが挙げられる。
低温特性、耐久性を充分に確保するという理由から、BRのシス含有量は70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、97質量%以上が更に好ましい。
BRのムーニー粘度(ML1+4(100℃))は、好ましくは10以上、より好ましくは30以上である。10未満であると、フィラーの分散性が低下する傾向がある。該ムーニー粘度は、好ましくは120以下、より好ましくは80以下である。120を超えると、押し出し加工時のゴム焼け(変色)の発生が懸念される。
低温特性の観点から、BRを配合することが好ましい。BRを配合する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果を充分に発揮できる。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック及び/又は白色充填剤を含む。これにより、補強効果が得られる。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は好ましくは10m/g以上、より好ましくは20m/g以上、更に好ましくは23m/g以上である。また該NSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。10m/g未満であると、充分な補強効果が得られない傾向があり、300m/gを超えると、低燃費性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が充分に得られる。
白色充填剤としては、ゴム工業で一般的に使用されているもの、たとえば、シリカ、炭酸カルシウム、セリサイトなどの雲母、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタンなどを使用でき、補強性、低燃費性の観点から、シリカが好ましい。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
前記シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、80m/g以上が更に好ましい。40m/g未満では、加硫後の補強性が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、500m/g以下が好ましく、300m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましい。500m/gを超えると、低発熱性、ゴムの加工性が低下する傾向がある。なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
白色充填剤又はシリカを配合する場合、白色充填剤又はシリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。5質量部未満であると、低発熱性が不十分になるおそれがある。また、該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは130質量部以下である。200質量部を超えると、充填剤へのゴムへの分散が困難になり、ゴムの加工性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物において、カーボンブラック及び白色充填剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上である。該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果を充分に得られる。
本発明のゴム組成物は、シリカを配合する場合、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系、メルカプト系が好ましく、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。例えば、市販品として、デグッサ社製のSi69、Si75、Si363や、モメンティブ社製のNXT、NXT−LV、NXTULV、NXT−Zなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。上記シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1.5〜15質量部である。上記範囲内であると、本発明の効果が充分に発揮できる。
本発明のゴム組成物は、環境に配慮する観点より、可塑剤としてIP346法で求めた多環式芳香族含有量が3質量%以上であるオイル(アロマオイル)を実質的に含まないことが好ましい。即ち可塑剤として、IP346法で求めた多環式芳香族含有量が3質量%未満であるオイル(低PCAオイル)、液状SBR等の液状ポリマー、液状樹脂等を含むことが好ましい。本発明において、前記高分子量SBRに含まれる伸展油も当該可塑剤に該当する。
前記可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、該含有量は、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果が充分に発揮できる。なお、本発明において、前記高分子量SBRに含まれる伸展油も上記含有量に含まれる。
本発明のゴム組成物には、上記の材料以外にも、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル以外の可塑剤(ワックスなど)、加硫剤(硫黄、有機過酸化物など)、レジン、架橋剤、加硫促進剤(スルフェンアミド系、グアニジン系加硫促進剤など)などのタイヤ工業において一般的に用いられている各種材料が適宜配合されていてもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用できる。部材としては、キャップトレッド、ベーストレッド、アンダートレッド等のトレッド、サイドウォール、ウイング、プライトッピング、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、サイドウォール補強層、インナーライナー、チェーファー、ブレーカートッピングなどが挙げられる。なかでも、タイヤを構成する部材の占有比率が高く、本発明の効果が大きいキャップトレッドに好適できる。
本発明のゴム組成物を用いた空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車、トラック・バス(重荷重車)のサマータイヤ、スタッドレスタイヤ、オールシーズンタイヤ、競技用タイヤ等に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
フィールドラテックス:ムヒバラテックス社から入手したフィールドラテックス
エマールE−27C(界面活性剤):花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効成分27質量%)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
Wingstay L(老化防止剤):ELIOKEM社製のWingstay L(ρ−クレゾールとジシクロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
エマルビンW(界面活性剤):LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
タモールNN9104(界面活性剤):BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
Van gel B(界面活性剤):Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
NR:TSR20
シクロヘキサン:関東化学(株)製
1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製
スチレン:和光純薬工業(株)製
テトラヒドロフラン:関東化学(株)製
テトラメチレン−1,4−ジリチウム:アルドリッチ社製
1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン:グラスト社製
ジ−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製
TDAE:H&R社製のViva Tec 400
液状SBR:サートマー社製のRICON100(Mw:5000)
SBR1:下記調製例1により合成したSBR
SBR2:下記調製例2により合成したSBR
SBR3:下記調製例3により合成したSBR
SBR4:下記調製例4により合成したSBR
SBR5:下記調製例5により合成したSBR
SBR6:日本ゼオン(株)製のNipol NS116R(結合スチレン量:21質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(ハイシスBR、シス含有量:97質量%、ML1+4(100℃):40、5%トルエン溶液粘度(25℃):48cps、Mw/Mn:3.3)
カーボンブラック1:三菱化学(株)製のダイアブラックI(ISAF、NSA:114m/g)
カーボンブラック2:三菱化学(株)製のダイアブラックH(N330、NSA:79m/g)
カーボンブラック3:キャボットジャパン(株)製のN220(NSA:118m/g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:Momentive Performance Materials社製のNXTシラン(3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
レジン1:住友ベークライト(株)製のPR12686(カシューオイル変性フェノール樹脂)
レジン2:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンTO−125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点125℃)
HMT:大内新興化学工業(株)製のノクセラーH(ヘキサメチレンテトラミン)
KA9188:ランクセス社製のKA9188(1,6−ビス(ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<実施例及び比較例>
(老化防止剤分散体の調製)
水 462.5gにエマルビンW 12.5g、タモールNN9104 12.5g、Van gel B 12.5g、Wingstay L 500g(合計1000g)をボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製した。
(製造例1)
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(高純度天然ゴムA)を得た。
(製造例2)
製造例1においてpH1になるまで2質量%のギ酸を添加したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムB)を得た。
(比較製造例1)
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水1000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を1回行った。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間撹拌した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(高純度天然ゴムC)を得た。
(比較製造例2)
製造例1において炭酸ナトリウム水溶液で処理し、水洗を7回繰り返した後、2質量%ギ酸による酸処理をすることなく、水しぼりロールで水を絞ってシート状にしたほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムD)を得た。
(製造例3)
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更に燐酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。この操作を2回繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白ゴムラテックスを調製した。
このラテックスに2質量%ギ酸をpH4になるまで添加し、更にカチオン系高分子凝集剤を添加して0.5〜5mmのゴム粒を得た。これの水を極力取り除き、水をゴム分10gに対して50g添加の上、2質量%ギ酸をpH3になるまで添加した。30分後ゴムを引き上げ、クレーパーでシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(高純度天然ゴムE)を得た。
(製造例4)
製造例3において2質量%ギ酸をpH1になるまで添加したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムF)を得た。
(比較製造例3)
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更に燐酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。この操作をもう一度繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白ゴムラテックスを調製した。
このラテックスにゴムが固まるまで50質量%ギ酸を添加し、凝固したゴムを取り出した。このゴムをクレーパーで水で洗いながらシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(高純度天然ゴムG)を得た。
(比較製造例4)
比較製造例3において凝固したゴムを取り出した後、0.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、次いでクレーパーで水で洗いながらシート化した後、90℃で4時間乾燥したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムH)を得た。
前記で得られた固形ゴムについて、下記により評価し、結果を表1に示した。
<ゴムのpHの測定>
得られたゴム5gを5mm以下(約1〜2×約1〜2×約1〜2(mm))に切断して100mlビーカーに入れ、常温の蒸留水50mlを加えて2分間で90℃に昇温し、その後90℃に保つように調整しながらマイクロ波(300W)を13分(合計15分)照射した。次いで、浸漬水をアイスバスで冷却して25℃とした後、pHメーターを用いて、浸漬水のpHを測定した。
<窒素含有量の測定>
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
(測定)
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。
窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
<リン含有量の測定>
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
<ゲル含有率の測定>
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル約70mgを正確に計り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
<耐熱老化性>
80℃で18時間処理した前後の固形ゴムのムーニー粘度ML(1+4)130℃をJIS K 6300:2001−1に準拠して測定し、前記式により耐熱老化性指数を算出した。
Figure 2016044201
表1により、ゴムのpHが2〜7の範囲内の改質天然ゴムは、範囲外のゴムに比べて、耐熱老化性が優れていた。
<各種分子量SBRの作製>
(調製例1)
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン8L、1,3−ブタジエン1.5kg、スチレン0.6kgを仕込み、テトラヒドロフラン100g添加後、テトラメチレン−1,4−ジリチウム12mmolを添加して重合初期温度50℃で48時間重合を行った。重合反応中の最高温度は76℃であった。重合終了後、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン12mmolでカップリングしてポリマーを得て、その後ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100質量部に対して0.5質量部、伸展油(TDAE)をポリマー100質量部に対して50.0質量部加え、乾燥してSBR1を得た。得られたSBR1の重量平均分子量(Mw)は、1,550,000、結合スチレン量32質量%、ビニル含量36質量%であった。
(調製例2)
重合初期温度を40℃とし、反応時間を36時間に変更した以外は調製例1と同様の方法で、SBR2を得た。得られたSBR2のMwは、700,000、結合スチレン量34質量%、ビニル含量35質量%であった。
(調製例3)
ブタジエンを0.6kg、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン12mmolによるカップリングを行わず、油展も行わないこと以外は調製例1と同様の方法で、SBR3を得た。得られたSBR3のMwは、190,000、結合スチレン量18質量%、ビニル含量56質量%であった。
(調製例4)
伸展油(TDAE)の代わりに、液状SBRを用いた以外は、調製例1と同様の方法で、SBR4を得た。得られたSBR4の重量平均分子量(Mw)は、1,550,000、結合スチレン量32質量%、ビニル含量37質量%であった。
(調製例5)
伸展油(TDAE)の代わりに、液状SBRを用いた以外は、調製例2と同様の方法で、SBR5を得た。得られたSBR5のMwは、700,000、結合スチレン量34質量%、ビニル含量35質量%であった。
上記各種SBRの重量平均分子量及び結合スチレン量、ビニル含量は、以下の方法を用いて測定した。
(重量平均分子量)
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)を求めた。
(1)装置:東ソー社製HLC−8220
(2)分離カラム:東ソー社製HM−H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
(結合スチレン量、ビニル含量)
BRUKER社製AV400のNMR装置、データ解析ソフトTOP SPIN2.1を用いて測定した。
<未加硫ゴム組成物及び試験用タイヤの作製>
表2〜7に示す配合処方に従って、1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りした。次に、ロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、2.1mmのシート状に成形し、150℃で30分間加硫し、2mmの加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を下記性能について評価した。結果を各表に示す。各表の基準比較例は比較例1−3、2−3、3−3、4−3、5−3、6−3とした。キャップトレッド用ゴム組成物、ビードエイペックス用ゴム組成物、チェーファー用ゴム組成物、トレッド用ゴム組成物においては、キャップトレッド、ビードエイペックス、チェーファー又はトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で10分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15、乗用車用サマータイヤ(キャップトレッド、ビードエイペックス、チェーファー)及びオールシーズンタイヤ(キャップトレッド)、競技用タイヤ(トレッド))を製造した。
<加工性指数>
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300:2001−1に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃で測定した。基準比較例のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示している。
(加工性指数)=(基準比較例のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
<低燃費性(転がり抵抗指数)>
サマータイヤ用キャップトレッドゴム組成物及びオールシーズンタイヤ用キャップトレッドゴム組成物については、転がり抵抗試験機を用い、各試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、基準比較例を100とした時の指数で表示した。指数は大きい方が良好(低燃費)である。
<低燃費性(転がり抵抗指数)>
プライトッピング用ゴム組成物、ビードエイペックス用ゴム組成物、チェーファー用ゴム組成物については、加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み1%の条件下で各配合のtanδを測定し、基準比較例のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗性が優れる。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
<ウェットグリップ性能指数>
各試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は指数で表し、数字が大きいほどウェットスキッド性能(ウェットグリップ性能)が良好である。指数は次の式で求めた。
ウェットスキッド性能=(基準比較例の制動距離)/(各配合例の制動距離)×100
<低温グリップ性能指数>
試験用オールシーズンタイヤを用いて、下記の条件で氷上で実車性能を評価した。試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着した。試験場所は住友ゴム工業株式会社の北海道旭川テストコース(氷上)で行い、氷上気温は−1〜−6℃であった。
氷雪上グリップ性能指数(制動性能(氷上制動停止距離)):時速30km/hでロックブレーキを踏み停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、氷上での制動性能が良好であることを示す。
(氷雪上グリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
<ドライグリップ性能指数>
競技用タイヤ用トレッドゴム組成物については、各試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行い、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、基準比較例を100して指数表示した。指数が大きいほど、ドライ路面におけるグリップ性能に優れることを示す。
<耐摩耗性指数>
キャップトレッド用ゴム組成物については、各試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し下記の式により指数化した。指数が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗性指数=(各配合のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)/(基準比較例のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
<耐摩耗性指数>
競技用タイヤ用トレッドゴム組成物については、各試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行い、タイヤトレッドゴムの残溝量を測定し(新品時15mm)、耐摩耗性として評価した。残溝量が多いほど、耐摩耗性に優れる。基準比較例の残溝量を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
<ゴム強度指数>
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、加硫ゴム組成物の破断時伸び(EB)と破断時の引張り強度(TB)を測定した。なお、基準比較例のEB×TBを100とし、下記計算式により、各配合のEB×TBをそれぞれ指数表示した。指数が大きいほど破断強度に優れることを示す。
(破断強度指数)=(各配合のEB×TB)/(基準比較例のEB×TB)×100
<接着強度指数>
8本のコードを10mmの等間隔に並べ、その両側から0.7mm厚のトッピングゴム(未加硫ゴム組成物)を圧着させた。得られたゴム圧着コードを湿度60%の条件で保管した後、2枚のゴム圧着コードを90度の角度で貼り合わせ、更にその両側に補強用のゴムを圧着させた。得られた圧着物の形状は加硫用金型の形状に合わせて長方形とした。該金型で圧着物を165℃で20分加硫した後、得られた加硫物中の貼り合わせた2枚のゴム圧着コード間に裂け目を入れ、インストロン社製の引張試験機を用いて50mm/分の速度で180度の向きに引っ張り、ゴム圧着コード間の剥離力(kN/25mm)を評価した。結果は、基準比較例の剥離力を100として指数表示した。数値が大きいほど、コードとトッピングゴムとの接着性が良好であり、耐久性に優れることを示している。
<操縦安定性指数>
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。その際に、基準比較例の操縦安定性を100としてそれぞれ相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
<耐ブローアウト性指数>
得られた加硫ゴム組成物を用いて、フレクソメーター(レオ・ラボ(株)製)にて、繰り返し圧縮変形を与えて、ゴムを自己発熱させることによってブローアウトするまでの時間を測定した。試験条件は、繰り返し圧縮歪20%、周波数10Hzとし、基準比較例のブローアウトタイムを100として、指数化した。指数が大きいほど、ブローアウト時間が向上されており、耐ブローアウト性に優れることを示す。
<耐リムずれ性(耐摩耗性)指数>
JIS規格の最大荷重(最大内圧条件)の230%荷重の条件下で、試験用タイヤを速度20km/hで400時間ドラム走行させた後、リムフランジ接触部の摩耗深さを測定し、基準比較例の耐リムずれ性指数を100として、下記計算式により、各配合の摩耗深さ(耐リムずれ性)を指数表示した。なお、指数が大きいほど、リムずれしにくく、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐リムずれ性指数)=(基準比較例の摩耗深さ)/(各配合の摩耗深さ)×100
Figure 2016044201
表1、2より、サマータイヤ用キャップトレッドゴム組成物において、pHが2〜7である高純度天然ゴム及び高分子量SBRを併用した実施例では、低燃費性、加工性、耐熱老化性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能がバランス良く、顕著に改善されることが明らかとなった。
Figure 2016044201
表1、3より、オールシーズンタイヤ用キャップトレッドゴム組成物において、pHが2〜7である高純度天然ゴム及び高分子量SBRを併用した実施例では、低燃費性、加工性、耐熱老化性、耐摩耗性、低温グリップ性能及びウェットグリップ性能がバランス良く、顕著に改善されることが明らかとなった。
Figure 2016044201
表1、4より、プライトッピング用ゴム組成物において、pHが2〜7である高純度天然ゴム及び高分子量SBRを併用した実施例では、低燃費性、加工性、耐熱老化性、接着強度及びゴム強度がバランス良く、顕著に改善されることが明らかとなった。
Figure 2016044201
表1、5より、ビードエイペックス用ゴム組成物において、pHが2〜7である高純度天然ゴム及び高分子量SBRを併用した実施例では、低燃費性、加工性、耐熱老化性、ゴム強度及び操縦安定性がバランス良く、顕著に改善されることが明らかとなった。
Figure 2016044201
表1、6より、競技用タイヤ用トレッドゴム組成物において、pHが2〜7である高純度天然ゴム及び高分子量SBRを併用した実施例では、加工性、耐熱老化性、耐摩耗性、ドライグリップ性能及び耐ブローアウト性がバランス良く、顕著に改善されることが明らかとなった。
Figure 2016044201
表1、7より、チェーファー用ゴム組成物において、pHが2〜7である高純度天然ゴム及び高分子量SBRを併用した実施例では、低燃費性、加工性、耐熱老化性、ゴム強度及び耐リムずれ性がバランス良く、顕著に改善されることが明らかとなった。
以上の結果から、pHが2〜7である高純度天然ゴムと、高分子量SBRとを併用したタイヤ用ゴム組成物は、低燃費性等の前記各種性能を相乗的に改善できることが判明した。

Claims (13)

  1. 高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、カーボンブラック及び/又は白色充填剤と、重量平均分子量(Mw)が800,000以上のスチレンブタジエンゴムとを含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記改質天然ゴムは、天然ゴムの非ゴム成分を除去した後、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記改質天然ゴムは、ケン化天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記改質天然ゴムは、脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記改質天然ゴムのリン含有量が200ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.15質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記pHは、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記改質天然ゴムは、JIS K 6300:2001−1に準拠して測定したムーニー粘度ML(1+4)130℃について、下記式で表される耐熱老化性指数が75〜120%のものである請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2016044201
  9. 前記白色充填剤がシリカである請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. 前記スチレンブタジエンゴムの結合スチレン量が20質量%以上である請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  11. IP346法で求めた多環式芳香族含有量が3質量%以上であるオイルを実質的に含まない請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  12. 前記改質天然ゴムが素練りする工程を経ずに作製されたものである請求項1〜11のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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