JP2003300921A - アルキルフェノール類の安定化方法 - Google Patents
アルキルフェノール類の安定化方法Info
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Abstract
色することのないアルキルフェノール類の提供。 【解決手段】 アルキルフェノール類にトリフェニルホ
スファイトのような亜リン酸トリアリールエステル類を
添加することによって、酸素、熱などに対してアルキル
フェノール類を安定化する。
Description
安定化方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、アル
キルフェノール類における空気、熱による着色等の保存
安定性を改善する方法に関する。 【0002】 【従来技術】一般に、アルキルフェノール類は、保存中
に空気酸化を受けて経時的に着色してくることが知ら
れ、着色の度合いは酸素、熱等に曝されることにより促
進される。一方、アルキルフェノール類は、樹脂等の重
合体の安定剤原料、塗料・接着剤の原料、医・農薬の原
料又は電子材料の原料等々として広範な用途に使用され
ているが、これらの着色は商品価値を低下させるのみな
らず、それを原料とする誘導品の品質にも重大な影響を
与える場合があり、アルキルフェノール類を、酸素、熱
など対し経時的に着色することなく安定化させることは
工業的に重要な課題である。従来、アルキルフェノール
類の安定化方法に関しては、例えば、特開昭52−68
134号公報には、フェノール誘導体にヒドラジン又は
水加ヒドラジンを添加する方法が開示されている。ま
た、特開昭57−165332号公報には、フェノール
類にジエチルヒドロキシアミン又はその塩を添加する方
法が開示されている。 【0003】 【発明が解決すべき課題】しかしながら、このような従
来の方法はいずれも窒素含有化合物の添加であり、毒性
を有するか又は臭気がする等の欠点があり、そのため、
工業的に取り扱う場合、作業環境対策等の問題がある。
本発明者らは、アルキルフェノール類の安定化に優れる
とともに、従来の問題点を解決したアルキルフェノール
類の安定化方法を開発すべく鋭意検討した結果、本発明
を完成した。すなわち、本発明は、アルキルフェノール
類の酸素、熱などに対する経時的な着色を防止すると共
に、工業的な取り扱いが容易な安定化方法を提供するこ
とを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明では、アルキルフ
ェノール類に亜リン酸トリアリールエステル類を添加す
ることを特徴とするアルキルフェノール類の安定化方法
を提供する。本発明において、アルキルフェノール類と
しては、例えばフェノールにアルキル基が1〜3個置換
したものであり、アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、直鎖乃至分岐状のプロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられ
る。従って、アルキルフェノール類として、具体的に
は、例えばクレゾール、キシレノール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノール、ジメチルフェノール、トリメ
チルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、メチル−t−ブチルフェノー
ル、エチル−t−ブチルフェノール、プロピル−t−ブ
チルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール等が挙げら
れ、これらはアルキル基の置換位置が異なっていてもよ
い。これらのうちメチル−t−ブチルフェノールが好ま
しい。 【0005】また、本発明において保存安定剤として用
いられる亜リン酸トリアリールエステル類としては、具
体的には、例えばトリフェニルホスファイト、トリトリ
ルホスファイト、トリキシリルホスファイト、トリビフ
ェニルホスファイト、トリナフチルホスファイト等が挙
げられが、なかでもトリフェニルホスファイト、トリト
リルホスファイトが好ましく、特にトリフェニルホスフ
ァイトが好ましい。 【0006】これらの亜リン酸トリアリールエステル類
は、単独で用いてもよいし、これらの混合物として用い
てもよい。また、亜リン酸トリアリールエステル類のア
ルキルフェノール類に対しての添加方法については、特
に制限はなく、例えば、そのまま添加し、必要に応じて
加温し、溶解させるか、又は有機溶剤の溶液として添加
溶解させる等の方法で用いることが出来る。本発明にお
いて安定剤として加えられる亜リン酸トリアリールエス
テル類の添加量は、アルキルフェノール類の種類、アル
キルフェノール類の初期着色の程度、保存条件又は着色
防止期間等により最適使用量は変化するが、通常、アル
キルフェノールに対して、重量比で10ppm〜1%、
好ましくは20ppm〜2000ppm、より好ましく
は50ppm〜500ppmである。 【0007】 【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。なお、実施例において熱安定性試験はASTM―155
4−63Tの方法により行い、得られた値をガードナー
表示した。 【0008】 【実施例1】50mlのガラス製試験管に4−メチル−
2−t−ブチルフェノール(色相ハーゼン番号APH
A:20)25gを入れ、これにトリフェニルホスファ
イト(純度95%以上)100ppmを添加し、溶解さ
せて、窒素ガス雰囲気下65℃において、下記の時間保
存した後、着色度合いを測定した。その結果を表1に示
す。 【0009】 【表1】【0010】 【発明の効果】樹脂等の重合体の安定剤原料、塗料・接
着剤の原料、医・農薬の原料又は電子材料の原料等々と
して広範な用途に使用されている有用な工業原料のアル
キルフェノール類は、保存中に酸素、熱等に曝されるこ
とにより経時的に着色してくることが知られているが、
本発明では、アルキルフェノール類に亜リン酸トリアリ
ールエステル類を保存安定剤として加えることによって
効果的に着色を防止することができる。本発明において
安定化されたアルキルフェノール類は、酸素、熱などに
対し経時的に着色することが少ないので、これを原料と
する誘導品の品質に影響を及ぼすことがなく、商品価値
を下げることがない。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】アルキルフェノール類に亜リン酸トリアリ
ールエステル類を添加することを特徴とするアルキルフ
ェノール類の安定化方法。
Priority Applications (1)
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JP2002107570A JP2003300921A (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | アルキルフェノール類の安定化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002107570A JP2003300921A (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | アルキルフェノール類の安定化方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007339095A Division JP2008115192A (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | アルキルフェノール類の安定化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003300921A true JP2003300921A (ja) | 2003-10-21 |
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Family Applications (1)
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JP2002107570A Pending JP2003300921A (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | アルキルフェノール類の安定化方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003300921A (ja) |
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2002
- 2002-04-10 JP JP2002107570A patent/JP2003300921A/ja active Pending
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