JP2021065882A - 安定化されたアルコキシ−n−置換プロパンアミド組成物 - Google Patents

安定化されたアルコキシ−n−置換プロパンアミド組成物 Download PDF

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JP2021065882A
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明理 平田
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明理 平田
増田 英樹
Hideki Masuda
英樹 増田
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Abstract

【課題】熱、光、酸素などの劣化因子による悪影響を受けず、長期貯蔵や長期使用、外気下での使用などに備え、劣化のない安定化されたアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物及びそれを含有する各種製剤、製品を提供すること。【解決手段】劣化防止剤を含有することを特徴とするアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物。

Description

本発明は、熱、光及び酸素等に対して安定化されたアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物及びその用途に関する。
アミド系溶剤は、水をはじめ各種の有機、無機物をよく溶解し、また、沸点、引火点が高く、熱的、化学的に安定であり、反応や精製の溶剤、洗浄剤、レジスト剥離剤などとして広く工業的に使用されている。従来から、アミド系溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)が代表的に知られているが、これらは皮膚や目に接触すると炎症を発生し易く、また発がん性や催奇形性の疑いがあるなど、人体への有害性が問題となっている。そこで、最近では、アミド基、アルキル基およびエーテル結合を持ち、溶解力が高く、皮膚刺激性の低い溶剤としてアルコキシ−N−置換プロパンアミドが注目されてきて、その製造方法が盛んに検討されてきた(特許文献1、2)。
しかし、アルコキシ−N−置換プロパンアミドが構造上にエーテル結合とアミド結合を有するため、自然環境下において、酸素の作用によりゆっくりと過酸化物に変わっていく、いわゆる自動酸化や加水分解などの光、熱、酸素、金属イオン、水分と微生物などにより引き起こされる劣化、及びこれらの主因子の複合作用による劣化が、経時的に進行していく欠点を有する。
以上述べたように長期貯蔵や外気下での使用に備え、劣化のない安定化されたアルコキシ−N−置換プロパンアミドが望まれているが、有効な安定化方法はまだ知られていない。
WO2008−102615号公報 特開2013−189411号公報
本発明は、熱、光、酸素などの劣化因子による悪影響を受けず、長期貯蔵や長期使用、外気下での使用などに備え、劣化のない安定化されたアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物及びそれを含有する各種製剤、製品を提供することが課題である。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、劣化防止剤を含有するアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物を見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(1)に示されアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤を含有する組成物、
Figure 2021065882
(式中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルエーテル基、或いは各々独立に炭素数6〜18の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を表し、Rは水素又はメチル基を表す。また、RとRは各々独立に水素原子(同時に水素原子である場合を除く)、或いはそれらを担持する窒素原子と一緒になって、飽和5〜7員環(酸素原子を有するものを含む。)を形成したものを含む。)
(2)劣化防止剤は熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、pH安定剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、脱水乾燥剤、防腐剤、防錆剤、金属イオン封鎖剤であることを特徴とする前記(1)に記載の組成物、
(3)劣化防止剤はアルコール系安定剤、フェノール系安定剤、アミン系安定剤、リン系安定剤、硫黄系安定剤、ヒンダード系安定剤、ハイドロキノン系安定剤、ベンゾエート系安定剤、天然系安定剤からなる群より選択される1種又は2種以上の劣化防止剤であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載する組成物、
(4)劣化防止剤が0.0001〜20重量%を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の組成物、
(5)一般式(2)で表されるβ−アルコキシ−N−アルキルプロパンアミドとβ−アルコキシ−N,N−ジアルキルプロパンアミドであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の組成物、
Figure 2021065882
(式中、Rは炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、RとRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し(同時に水素原子である場合を除く)、Rは水素又はメチル基を表す。)
(6)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の溶解に用いられることを特徴とする溶媒、
(7)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する希釈剤であって、樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の希釈に用いられることを特徴とする希釈剤、
(8)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する分散剤であって、樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマー、導電性材料および炭素材料の分散に用いられることを特徴とする分散剤、
(9)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、化学反応に用いられることを特徴とする溶媒、
(10)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、液体クロマトグラフィー(HPLC)及び/又はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の分析に用いられることを特徴とする溶媒、
(11)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、希釈剤、抽出剤、洗浄剤、剥離剤、、膨潤剤、減容剤、除去剤、脱脂剤、浸透剤、吸収剤、分散剤、平版印刷版用修正剤に用いられることを特徴とする溶媒、
(12)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ(アミド−イミド)樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂の製造及び/又は溶解に用いられる溶媒、
(13)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する洗浄剤であって、製造設備、製造器具、工業製品、工業部品、プラスチック成型品、金属部品、電子部品、記録装置フィルター、三次元造形物、インクジェットノズルおよびインクカートリッジの液体流路の洗浄に用いられることを特徴とする洗浄剤、
(14)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する剥離剤であって、プラスチック成形品表面の有機塗膜層、三次元粗造形物のサポート材、金属薄膜上のレジスト、UV樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂の剥離に用いられることを特徴とする剥離剤、
(15)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する液晶配向処理剤であって、液晶分子の配向処理に用いられる液晶配向処理剤、
(16)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物を含有する電解液であって、二次電池の製造に用いられる非水電解液
を提供するものである。
本発明のアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤を含有する組成物(以下はアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物と略して称する。)は、熱、光、酸素などの劣化因子による悪影響を受けることがなく、長期貯蔵や長期使用、外気下での使用などに備え、劣化のない安定化されたものである。該組成物の主成分であるアルコキシ−N−置換プロパンアミドの経時劣化について、メカニズムは不明であるが、熱、光、酸素、金属イオン、水、微生物等の影響因子の総合作用によるものと本発明者らは考える。本発明の組成物は、特定な劣化防止剤と共存することにより、高純度品(純度99%以上)は勿論のことであるが、工業品グレード(純度95%以上かつ99%未満)のアルコキシ−N−置換プロパンアミドを用いても、熱、光、酸素などの劣化因子に対する安定性が高く、長期貯蔵や各種製剤、製品に使用することができる。
以下、本発明を詳細に記載する。
本発明の組成物はアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤から構成される。アルコキシ−N−置換プロパンアミドは一般式(1)(式中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルエーテル基、或いは各々独立に炭素数6〜18の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を表し、Rは水素又はメチル基を表す。また、RとRは各々独立に水素原子(同時に水素原子である場合を除く)、或いはそれらを担持する窒素原子と一緒になって、飽和5〜7員環(酸素原子を有するものを含む。)で表されるβ−アルコキシ−N−置換プロパンアミドとβ−アルコキシ−N,N−二置換プロパンアミドである。
Figure 2021065882
β−アルコキシ−N−置換プロパンアミドとβ−アルコキシ−N,N−二置換プロパンアミドは、R、RとRに示す官能基を任意に組み合わせで構成される化合物であり、具体的に例えば、β−メトキシ−N−メチルプロパンアミド(RとRはメチル基、Rは水素原子である場合)、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(R、RとRは全てメチル基である場合)、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(Rはブチル基、RとRはメチル基である場合)、β−ラウロキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(Rはラウリル基、RとRはメチル基である場合)、β−ステアロキシ−N−ヒドロキシエチルプロパンアミド(Rはステアリル基、Rは水素原子、Rはヒドロキシエチル基である場合)、β−フェニロキシ−N,N−メチルエチルプロパンアミド(Rはフェニル基、Rはメチル基、Rはエチル基である場合)、β−イソオクチロキシ−N−ジメチルアミノプロピルプロパンアミド(Rはイソオクチル基、Rは水素原子、Rはジメチルアミノプロピル基である場合)、β−シクロヘキシロキシ−N,N−メチルオレイルプロパンアミド(Rはシクロヘキシル基、Rはメチル基、Rはオレイル基である場合)等が挙げられる。これらの化合物は1種類単独で使用しても良いし、また2種類以上併用してもよい。
また、β−アルコキシ−N−置換プロパンアミドとβ−アルコキシ−N,N−二置換プロパンアミドは、一般式(2)(式中、Rは炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、RとRはそれぞれ独立に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し(同時に水素原子である場合を除く)、Rは水素又はメチル基を表す。)で表される化合物であることが、安価な工業品原料を入手しやすく、立体的障害の低い構造により高収率に工業的製造できるため、好ましい。さらに、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとβ−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドが作業者や環境に対する安全性が高く、工業品として一般的に取り扱われているため、特に好ましい。
Figure 2021065882
本発明に用いられる劣化防止剤は、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの経時劣化を防止又は抑制できれば、特に限定せず用いることができる。具体的に、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、pH安定剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、脱水乾燥剤、防腐剤、防錆剤、金属イオン封鎖剤などが挙げられる。これらの劣化防止剤は1種類単独で使用しても良いし、2種類以上併用してもよい。また、これらの劣化防止剤は、異なる環境や使用条件における作用機能が変化することもあり、ときには熱安定剤、ときには酸化防止剤、光安定剤などとして作用することが可能で、1種類の化合物は同時に多機能を作用することも可能であり、多品種の劣化防止剤として用いることができる。さらに、異なる劣化防止剤による相乗効果を奏するので、併用することが好ましい。
本発明に用いられる熱安定剤とは、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの熱に対する安定性を改善することができる任意の添加剤である。アルコキシ−N−置換プロパンアミドは構造によって常圧における沸点が異なるが、例えば、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの沸点は216℃、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの沸点は252℃、β−ヘキサロキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの沸点は推算で270℃(実測値120℃/1torr)、β−オクチロキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの沸点は推算で296℃(実測値146℃/1torr)、β−ラウロキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの沸点は推算で360℃(実測値170℃/1torr)であり、高沸点溶媒や洗浄剤、剥離剤などとして高温においても使用できるが、200℃程度の高温環境下で長期間に渡って安定的に用いられるため、熱安定剤を添加することが好ましい。
熱安定剤としてホスファイト系、チオエーテル系、ヒンダードフェノール系、フェノール系、芳香族アミン類、アミノフェノール類、脂肪酸、芳香族カルボン酸、アミノ酸等の有機酸の金属塩類及びニトロキシラジカルの窒素原子が環の一部を形成するN−複素環式化合物が挙げられる。また、これらの熱安定剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
熱安定剤として用いられるホスファイト系化合物は、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビスステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデン−ビス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)モノ−p−ノニルフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、テトラアルキル(C=12〜16)−4,4’−イソプロピリデン−(ビスフェニル)ジホスファイト、亜リン酸モノ又はジフェニルモノ又はジアルキル(又はアルコキシアルキル,C=8〜13)、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリスデシルホスファイトおよびトリフェニルホスファイトなどが挙げられる。これらのホスファイト系化合物は熱安定剤として1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。ホスファイト系化合物の熱安定剤としての含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
熱安定剤として用いられるチオエーテル系化合物は、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリストリルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネートおよび2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。これらのチオエーテル系化合物は熱安定剤として1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。チオエーテル系化合物の熱安定剤としての含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
熱安定剤として用いられるヒンダードフェノール系化合物は、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、グリセリントリス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどが挙げられる。これらのヒンダードフェノール系化合物は熱安定剤として1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。ヒンダードフェノール系化合物の熱安定剤としての含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
熱安定剤として用いられるニトロキシラジカルの窒素原子が環の一部を形成するN−複素環式化合物が、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの自動酸化で発生する過酸化物に対しても安定化効果を有するため、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの劣化防止剤として添加することが好ましい。具体的に、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、ビス(1−オキシル−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルモノフォスフェートまたは3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジニルオキシなどが挙げられる。また、これらのN−複素環式化合物は熱安定剤として1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。N−複素環式化合物の熱安定剤としての含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられる酸化防止剤とは、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの酸素に対する安定性を改善することができる任意の添加剤である。フェノール系、リン系、チオエステル系、ヒドロキシルアミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。また、これらの酸化防止剤は使用条件によって熱安定剤や光安定剤などとして用いることができる。酸化防止剤は1種類単独で使用しても良いし、2種類以上併用してもよい。さらに、これらの劣化防止剤は、異なる環境や使用条件における作用機能が変化することもあり、ときには熱安定剤、ときには酸化防止剤、光安定剤などとして作用することが可能で、1種類の化合物は多機能の劣化防止剤として用いることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、具体的に、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオヂエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−メチル−4,6−ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、2,2’−オキサミド−ビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−エチルヘキシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−エチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸及びC13〜15アルキルのエステル、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(アデカパルマロマール社製商品名AO.OH998)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[モノエチル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネートカルシウム塩、5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2(3H)−ベンゾフラノンとo−キシレンとの反応生成物、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、DL−a−トコフェノール(ビタミンE)、2,6−ビス(α−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、ビス[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。また、これらのフェノール系酸化防止剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。フェノール系酸化防止剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜5重量%が好ましく、0.01〜2重量%がより好ましい。
リン系酸化防止剤は、前記熱安定剤として用いられるホスファイト系化合物と同じ構造を有してもよく、異なる構造を有してもよい。具体的に、トリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピルグリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス[2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル]ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニル−テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、(1−メチル−1―プロパニル−3−イリデン)トリス(2−1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(2−[(2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]エチル)アミン、3,9−ビス(4−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル−2−ブチル−2エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’−イソプロピリデンジフェノールC12−15アルコールホスファイト、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらのリン系酸化防止剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。リン系酸化防止剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜5重量%が好ましく、0.01〜2重量%がより好ましい。
チオエステル系酸化防止剤はアルコキシ−N−置換プロパンアミドの酸素に対する安定性を改善すると同時に、耐熱性も大幅に改善できるので、好ましい。具体的に、テトラキス[メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル−4−[3−n−アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5−t−ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−チオビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、ジステアリル−ジサルファイド等が挙げられる。また、これらのチオエステル系酸化防止剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。チオエステル系酸化防止剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜5重量%が好ましく、0.01〜2重量%がより好ましい。
本発明に用いられる紫外線吸収剤とは、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、2,4,6−トリアリールトリアジン系およびシアノアクリレート系の化合物により紫外線のエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの紫外線に対する安定性を改善することができる添加剤である。具体的に、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類、各種の金属塩、又は金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、又はキレート類等が挙げられる。また、これらの紫外線吸収剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。紫外線吸収剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられる光安定剤は光によるアルコキシ−N−置換プロパンアミドの酸化劣化を防ぐことができる添加剤である。具体的に、汎用な高分子量型、中分子量型、低分子量型、反応型のヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられ、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]アミノウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]アミノウンデカン、ビス{4−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジル}デカンジオナート、ビス{4−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ウンデシルオキシ)ピペリジル)カーボナート等が挙げられる。また、これらの光安定剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。光安定剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられるpH安定剤は、長期間使用におけるアルコキシ−N−置換プロパンアミドのpH安定性を確保できる添加剤である。例えば、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの使用時、pH6〜10を維持できるものが好ましく、またpH7〜9に維持できるものがより好ましい。pH調製剤やpH緩衝液などが好適に使用することができ、具体的に、クエン酸及びその塩、リン酸及びその塩、炭酸及びその塩、酒石酸及びその塩、フマル酸及びその塩、酢酸及びその塩、アミノ酸及びその塩、コハク酸及びその塩、乳酸及びその塩が挙げられる。また、これらのpH安定剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。着色防止剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられる着色防止剤は、アルコキシ−N−置換プロパンアミドが溶媒、希釈剤、分散剤などとして使用される際に、外空気、光、加熱による着色を防ぐことができる添加剤であって、具体的にトリフェニルホスフィン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,1,3,3,3−へキサメチルジシラザンハイドロキノン、メトキシフェノール、ターシャリーブチルカテコール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジフェニルアミン、フェニルヒドラジン、ベンゾフェニルヒドラゾン、ジアセチルヒドラジン等が挙げられる。また、これらの着色防止剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。着色防止剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜5重量%が好ましく、0.01〜2重量%がより好ましい。
本発明に用いられる脱水乾燥剤は、アルコキシ−N−置換プロパンアミド中に含有する水分或いは外部から侵入してくる水分を低減させ、即ち乾燥の目的に使用できる添加剤であって、具体的にモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13X、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸カルシウム(ドライライト)等が挙げられる。また、これらの乾燥剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。乾燥の含有量は、組成物全量に対して、0 .1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
本発明に用いられる防腐剤は、アルコキシ−N−置換プロパンアミド中に微生物の侵入、発育、増殖を防止する目的に使用できる添加剤であって、具体的にソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、スルファメトキサゾール、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、銅ピリチオン、2−メルカプトピリジン−1−オキシド、ビス(1−オキシ−2−ピリジル)ジスルフィド、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロプロパンジオール−(1,3)、4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。また、これらの防腐剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。防腐剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられる防錆剤は、アルコキシ−N−置換プロパンアミド又はアルコキシ−N−置換プロパンアミド中の不純物による腐食を防止する目的に使用できる添加剤であって、具体的には、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、t−ブチル安息香酸塩、アゼライン酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール塩、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールモリブデン酸ナトリウム塩、モリブデン酸カリウム塩、モリブデン酸リチウム塩、モリブデン酸カルシウム塩、モリブデン酸アンモニウム塩などが挙げられる。また、これらの防錆剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。防錆剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられる金属イオン封鎖剤は、アルコキシ−N−置換プロパンアミド中に含有する微量の金属イオン或いは外部から混入してくる金属イオンによる影響を抑制するために用いられるものである。具体的には、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、エチレングリコールジエーテルジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸等のアミノカルボン酸系物質、グリコール酸、ジグリコール酸、乳酸、酒石酸、カルボキシメチル酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、酢酸、モノクロル酢酸、シュウ酸、コハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸等のカルボン酸系物質、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、ゼオライト等が挙げられる。また、これらの金属イオン封鎖剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属イオン封鎖剤の含有量は、組成物全量に対して、0 .001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
本発明に用いられる劣化防止剤は、組成物の用途に合わせて1種のみでもよく、2種以上を混合して使用してもよい。特に異なる品種の劣化防止剤は混合による相乗効果が期待できるため、好ましい。本発明に用いられる劣化防止剤の総含有量は、組成物の主成分であるアルコキシ−N−置換プロパンアミドの化学構造や純度及び応用分野によって異なってくるが、本発明の組成物全体に対して0.0001〜20重量%であることが好ましい。劣化防止剤の含有量が0.0001重量%以上である場合、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの経時劣化を十分に防止又は抑制でき、また、劣化防止剤の含有量が20重量%以下であれば、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの溶媒としての溶解性、分散剤としての分散性、剥離剤としての剥離性、洗浄剤としての洗浄性など、様々な特性に悪影響を与える恐れがない。また、劣化防止剤の含有量が0.001%〜10重量%であることがより好ましく、0.005%〜5重量%であることが最も好ましい。
本発明の組成物は様々な化合物、樹脂等に対する溶解性、濡れ性、浸透性、膨潤性、剥離性、分散性に優れ、各種材料、分野に用いられる溶媒、希釈剤や分散剤、化学反応に用いられる溶媒、クロマトグラフィー分析に用いられる溶媒、希釈剤や抽出剤に用いられる溶媒、各種樹脂の製造と溶解に用いられる溶媒、金属表面や設備、樹脂部品など様々な化学産業界に用いられる洗浄剤、レジスト或いは立体造形物に用いられる剥離剤、液晶分子の配向処理に用いられる液晶配向処理剤、二次電池の製造に用いられる非水電解液等として好適に使用することができる。また、本発明の組成物が単独でも、アルコール類やアミン類などの有機溶媒、蒸発制御剤、増粘剤、界面活性剤、表面調整剤などの各種添加物を加えて使用することもできる。
本発明の組成物はその用途や使用方法によって必要な配合量が変化するが、5重量%以上含有することが好ましく、10重量%以上含有することがより好ましく、20重量%以上含有することが最も好ましい。例えば、分散剤として用いる場合、本発明の組成物の含有量が5〜100重量%、溶媒として用いる場合、本発明の組成物の含有量が10〜100重量%、剥離剤として用いる場合、本発明の組成物の含有量が20〜100重量%等が挙げられる。
本発明の組成物はその用途に応じて、水や汎用の有機溶媒と併用することができる。この併用は事前に水や有機溶媒を用いて本発明の組成物と適宜の比例で混合してから使用してもよく、水や有機溶媒で調製された混合物中に添加して使用すること又はその逆の手順でもよい。汎用有機溶媒は極性溶媒も非極性溶媒も含まれ、又極性溶媒においては水溶性溶媒も非水溶性溶媒も含まれる。本発明の組成物と水や汎用の有機溶媒の混合は用途に応じて任意の比例で行うことが可能である、本発明の組成物と併用できる汎用の有機溶媒として、例えば、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができる。また、これらの汎用の有機溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、またはこれらの異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜6のアルコールである。
上記多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等が挙げられる。
上記多価アルコールの低級アルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ− n − プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
上記エステル類としては、例えば、エチルアセテート、プロピレンカルボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、及びε−カプロラクトン等の環状エステル等が挙げられる。
上記窒素含有化合物類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ビニルピロリドン、ピペリドン、N−メチルピペリドン、N−エチルピペリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、メチルオキサゾリジノン、エチルオキサゾリジノン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
更に、汎用の有機溶媒としてエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのカーボネート類、ジメチルスルホキシドなどスルホキシド類、テトラメチレンスルホンなどのスルホン類を挙げることができる。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。紫外線照射、または過酸化水素添加などにより滅菌した水を用いることにより、製品を長期保存する場合にカビまたはバクテリアの発生を防止することができるので好ましい。
本発明の組成物は樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の溶解に用いられる溶媒として好適に用いることができる。アルコキシ−N−置換プロパンアミドはウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等難溶解性樹脂に対する溶解性が高く、金属やプラスチック等の非極性物質への親和性、密着性が良好であるため、本発明のアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤を含有する組成物はウレタン塗料やアクリル塗料の溶媒として使用することができ、プラスチック材料と金属材料、プラスチック材料同士又は金属材料同士の接着に用いるウレタン接着剤、エポキシ接着剤、フッ素系エポキシ接着剤の溶媒として使用することができる。また、本発明の組成物はインクジェット記録用水性インク中の水溶性有機溶媒や非水性インク中の極性溶媒として、インク粘度を低く抑えることができ、インクの吐出安定性を向上でき、各種インク用溶媒として好適に用いることができる。
本発明の組成物は樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマー、導電性材料の溶媒としての使用は、特に限定することはなく、汎用の有機溶媒と同様に取り扱えばよい。また、溶解時、保存中や使用時の環境温度、湿度、光の照度等に応じて適宜に劣化防止剤を選択して配合することができる。例えば、接着性インクの加熱圧着等の過酷条件下の操作や塗料、インクの長期間貯蔵を対応するため、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、防腐剤、脱水乾燥剤を含有することが好ましく、クリア又は白色のインク、塗料の溶媒として用いる場合、更に着色防止剤、紫外線吸収剤を含有することがより好ましい。劣化防止剤の含有量は、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの構造、劣化防止剤の品種及び使用温度や湿度などの作業環境、操作条件によって異なってくるが、0.0001〜20重量%であることが好ましく、0.001〜10重量%であることがより好ましく、0.01〜5重量%であることが最も好ましい。これらの劣化防止剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
アルコキシ−N−置換プロパンアミドは低分子量の有機化合物に対しても高分子量のポリマーに対しても優れる溶解性を有し、アクリル系ポリマーやポリエステル、ポリウレタンなどの汎用ポリマーからポリイミド、ポリアミド、フッ素含有ポリマーなどの難溶解ポリマーまで完全に溶解することが可能であり、そのため、本発明のアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤を含有する組成物は液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)用溶媒として好適に用いられる。HPLC法もGPC法も、細孔を有する充填剤が充填されたカラムに分析対応物質を溶解させた溶液を導入し、分子量の違いによって異なる順番で溶出されるという原理を利用して物質の分離や、分子量と分子量分布を測定するものであって、測定前にカラムに封入した溶媒を分析用溶媒に置換し、分析後に何れの溶媒を封入して保管する必要がある。封入溶媒として保存中の劣化防止のため、また、分析溶媒として高温(135〜145℃)や超高温(最高250℃)を維持しながら分析する高温GPCが対応させるため、本願発明のアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤を含有する組成物を使用することが好ましい。
本願発明の組成物はHPLC、GPC用溶媒として用いる場合、劣化防止剤として熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、脱水剤を含有することが好ましい。また、劣化防止剤の含有量は、アルコキシ−N−置換プロパンアミドの構造、劣化防止剤の品種及び使用温度や圧力などの分析条件によって異なってくるが、0.0001〜3重量%であることが好ましく、0.0005〜2重量%であることがより好ましく、0.001〜1重量%であることが最も好ましい。更に、劣化防止剤は1種類単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」「/」は特記しない限りすべて重量基準である。
実施例及び比較例に用いられる材料は以下のとおりである。
1.アルコキシ−N−置換プロパンアミド(純度97.0〜99.99%)
NMPA:β−メトキシ−N−メチルプロパンアミド
MPA:β−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド
BPA:β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド
LPA:β−ラウロキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド
SHEPA:β−ステアロキシ−N−ヒドロキシエチルプロパンアミド
FMEPA:β−フェニロキシ−N,N−メチルエチルプロパンアミド
IODMPA:β−イソオクチロキシ−N−ジメチルアミノプロピルプロパンアミド
CHMOPA:β−シクロヘキシロキシ−N,N−メチルオレイルプロパンアミド
2.劣化防止剤
(a)熱安定剤
a−1:N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド](BASFジャパン(株)社製、Irganox1098)
a−2:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン(株)社製、Irgafos168)
a−3:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)(東京化成工業(株)、試薬)
(b)光安定剤
b−1:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) セバケート(低分子量ヒンダードアミン系光安定剤、UV−770DF)(BASFジャパン(株)社製、Tinuvin770DF)
b−2:高分子量ヒンダードアミン系光安定剤((BASFジャパン(株)社製、Chimassorb944LD)
(c)酸化防止剤
c−1:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー(BHT)(東京化成工業(株)、試薬)
c−2:トリスノニルフェニルホスファイト(TNPP)(城北化学工業(株)製、JP−351)
c−3:ジラウリルチオジプロピオネート(DLTP)(東京化成工業(株)、試薬)
(d)pH安定剤
d−1:りん酸緩衝液(pH 7.4)(ナカライテスク社、試薬)
d−2:グアニジン塩酸塩緩衝液(pH 8.7)(東京化成工業(株)、試薬)
(e)紫外線吸収剤
e−1:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(DHBP)(東京化成工業(株)、試薬)
e−2:ベンゾトリアゾリルドデシルP−クレゾール(UV−571)(BASFジャパン(株)社製、Tinuvin 571)
(f)脱水乾燥剤
f−1:モレキュラーシ−ブ3A(東京化成工業(株)、試薬)
f−2:硫酸ナトリウム(東京化成工業(株)、試薬)
(g)防腐剤
g−1:パラオキシ安息香酸プロピル(東京化成工業(株)、試薬)
g−2:プロキセルGXL(S)(アーチケミカルズジャパン(株)製)
g−3:塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(東京化成工業(株)、試薬)
(h) 金属イオン封鎖剤
h−1:トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(東京化成工業(株)、試薬)
3.その他
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業(株)、試薬)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド(東京化成工業(株)、試薬)
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド(東京化成工業(株)、試薬)
DMSO:ジメチルスルホキシド(東京化成工業(株)、試薬)
THF:テトラヒドロフラン(東京化成工業(株)、試薬)
BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業(株)、試薬)
実施例A−1
ポリイミド前駆体の合成と評価
攪拌棒、温度計、滴下ロート、ガス導入管を備えた容量1000mLの4つ口フラスコに、溶媒として組成物1(MPA/BHT/Irganox1098=99.9/0.08/0.02重量比)300gとジアミン化合物としてジアミノジフェニルエーテル(ODA)25.0g(125mmol)を仕込んだ後、窒素ガスを通しながら室温で30分間攪拌し、無色、透明な溶液を得た。その後、溶液の温度を40℃に維持するように、テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)37.8g(128mmol)をゆっくり滴下した。40℃で6時間攪拌を続けた後、室温に冷却し、無色、透明な粘性のあるポリイミド前駆体ワニスを得た。得られたワニスの粘度測定と固形分分析を下記方法により行い、結果を表1に示した。また、ワニスの透明性を目視で観測し、結果を表1に示した。
(粘度測定)
コーンプレート型粘度計(東機産業(株)社製、RE550型粘度計)を使用し、JIS K5600−2−3に準じて、25℃にてワニスの粘度を測定した。
(固形分濃度)
アルミ製シャーレにワニス1gを量り取り(重量W1)、熱風乾燥機中120℃で10分間、250℃で10分間、350℃で30分間加熱処理して、加熱処理後の重量(W2)を測定し、固形分濃度(重量%)は、下記式によって算出した。
固形分濃度(重量%)=(W2/W1)×100
ポリイミドフィルムの合成と評価
得られたポリイミド前駆体ワニスをガラス基板に塗布し、熱風乾燥機を用いて、窒素気流下、120℃で10分間、250℃で10分間、350℃で30分間加熱処理した。ポリイミドフィルムとガラス基板の積層体を水に10分間浸漬し、ガラス基板からポリイミドフィルムを剥離し、熱風乾燥機を用いて80℃で10分間乾燥し、膜厚が約10μmの無色、透明なポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの外観、光透過性、強度、伸度、線熱膨張係数を下記方法により評価を行い、結果を表1に示した。
(ポリイミドフィルムの外観)
得られたポリイミドフィルムを用いて、目視によって観察し、発泡や割れなどの不具合の発生状況を確認した。
◎:淡黄色、透明で、発泡も割れもないものである。
〇:淡黄色〜黄色、透明で、発泡或いは割れが僅かにあるものである。
△:黄色または半透明で、発泡或いは割れが数個あるものである。
×:黄色〜褐色または不透明で、発泡或いは割れが多数あるものである。
(光透過性)
温度23℃、相対湿度50%の条件下、得られたポリイミドフィルムを一晩静置した後、光透過率を測定した。測定はヘイズメーター(日本電色工業製、NDH−2000)を用いて、JIS K7105に準拠して測定を行った。光線透過率が高いほど、ポリイミドフィルムの透明性がよい。
(引張強度と引張伸度)
得られたポリイミドフィルムを長さ100mm、幅10mmの試験片を裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下、一晩静置した後、引張試験機(ORIENTEC社製、テンシロンRTA−100)を用い、チェック間50mm、引張速度50mm/min、n=5で試験を行った。引張強度が高いほど、ポリイミドフィルムの強度が高い。また、引張伸度が高いほど、ポリイミドフィルムの伸度が高い。
(熱線膨張係数)
得られたポリイミドフィルムを長さ20mm、幅2mmの試験片に裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下、一晩静置した後、熱機械分析装置(エスアイアイナノテクノロジー社製、EXSTAR6000)を用い、窒素気流下で測定を行った。測定方法は、5℃/minのレートで室温から220℃までに昇温、降温し、その後、5℃/minで2回目昇温し、50℃〜200℃の平均線膨張係数を測定した。平均線膨張係数が低いほど、耐熱性や寸法安定性が高い。
実施例A−2〜A−4と比較例A−5〜A−6
実施例A−2〜A−4において、表1に記載のジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物成分、溶媒(組成物2〜4)を用いた以外、実施例A−1と同様にし、ポリイミド前駆体ワニスの合成とポリイミドフィルムの作製を行い、得られたワニスとフィルムの評価を同様に実施し、結果を表1に示した。また、比較例A−5〜A−6において、溶媒としてNMP、劣化防止剤を含有しないMPAを用いて、実施例A−1と同様にポリイミド前駆体ワニスの合成とポリイミドフィルムの作製を行い、得られたワニスとフィルムの評価結果を表1に示した。
Figure 2021065882
表1に示した結果から分かるとおり、本発明のアルコシキ−N−置換プロパンアミド組成物は劣化防止剤を含有することによって、高透明性、低粘度のポリイミド前駆体ワニスを製造することができ、さらにこれらのワニスを用いて得られるポリイミドフィルムは高透明性、高光透過性、低着色性を有し、かつ強度、伸度と耐熱性や寸法安定性に優れていることが分かる。本発明の効果はアルコシキ−N−置換プロパンアミドの優れる溶解力と劣化防止剤の安定化力による相乗効果によるものであり、アルコシキ−N−置換プロパンアミドのみ或いは劣化防止剤とその他の溶剤の組み合わせで得られるものではない。
本発明の上記組成物を溶媒として製造されたポリイミドフィルムが優れた物性を示し、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜、有機EL素子の絶縁層やスペーサー層、薄膜トランジスタ基板の平坦化膜、有機トランスジスタの絶縁膜、フレキシブルプリント基板、フレキシブルのデバイス用基板や液晶ディスプレイ用基板、有機ELディスプレイ用基板、電子ペーパー用基板、薄膜太陽電池用基板等の受光デバイスとして基板等、さらにリチウムイオン二次電池の電極用バインダー、半導体用接着剤等として好適に用いることができる。
また、本発明組成物は液晶配向剤の主成分であるポリアミック酸(ポリアミド酸)等のポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドに対して優れる溶解性を有するため、液晶配向剤の製造に好適に用いられる。特にスマートフォンや携帯電話等のモバイル用途向けの軽量化と薄型化のニーズにより、機械的強度の高く、膜硬度の大きく、電気特性の良好な液晶配向膜が望まれている。このような高性能の液晶配向膜の製造において、本発明の組成物が液晶配向剤の溶媒として不可欠である。本発明の組成物はアルコシキ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤から構成され、ポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドを均一且つ高濃度に溶解できると同時に、得られた液晶配向剤を基板に塗布、乾燥、焼成して塗膜を作製する成膜工程において、膜厚が精密に制御され、誘電率や導電率等の電気特性に優れる液晶配向膜を取得することができる。
実施例B−1
ポリスチレン0.5部と組成物5(劣化防止剤としてc−1 2ppmを含有するMPA)99.5部を混合し、室温(25℃)で30分間撹拌を行った後、一晩静置し、目視により溶解性を評価した。得られたポリマー溶液を0.45μmメンブレンフィルターでろ過し、ろ液を用いてGPC測定(GPCシステムとして島津製作所のProminence Series、カラムとして東ソーのTSKgel(α−M)カラムを2本連結、検出器としてshodexの示差屈折率検出器(RI−101)を使用した。)を5回行い、標準ポリスチレン換算により得られた重量平均分子量(Mw)の再現性を評価した。また、溶媒として組成物5を10時間流して、ベースラインの安定性を確認した。それぞれの評価結果を表2に示す。
(溶解性)
一晩静置後のポリマー溶液を目視により溶解性を確認した。
○:透明性が高く、白濁や分離が全く確認されず、完全溶解の状態である。
△:層分離はしてないが、白濁しているか、一部溶解の状態である。
×:層分離しているか、不溶の状態である。
(再現性)
GPCによる分子量測定の再現性は下記方法により評価を行った。
5回のGPC測定で得られた分子量(重量平均)の平均値と上下限差(最大値−最小値)を求め、誤差(%)(上下限差/平均値×100%)を算出した。
○:誤差は5%以下で、再現性がよい。
△:誤差は5%を超えるが、10%以下で、概ね再現性がある。
×:誤差は10%を超え、再現性がない。
(安定性)
測定条件下、溶媒(組成物)のみを10時間を流して、ベースラインの安定性を評価した。
○:ベースラインが平坦で、安定した。
△:ベースラインのドリフトが確認されたが、マイナスのピークやスパイク状のピークが殆どなかった。
×:ベースラインのドリフトも、マイナスのピークやスパイク状のピークも多数確認された。
実施例B−2〜B−6と比較例B−7〜B−10
実施例B−2〜B−6において、表2に記載のポリマー、溶媒(組成物6〜10)、測定温度を変え、実施例B−1と同様にし、GPC分析を行った。ポリマーの溶解性、分子量の再現性とベースラインの安定性を同様に評価し、結果を表2に示す。また、比較例B−7〜B−10において、溶媒として劣化防止剤を含有しないMPAと汎用溶媒を用いて、実施例B−1と同様に分子量測定と評価を行い、結果を表2に示した。
Figure 2021065882
表2に示した結果から、本発明のアルコシキ−N−置換プロパンアミド組成物は劣化防止剤を含有することによって、室温においても汎用ポリマーから難溶解ポリマーまで優れる溶解性を有するとともに、長時間や高温のGPC分析に対して安定なベースラインと良好な分子量の再現性が得られ、溶媒として高い安定性を有するが分かる。一方、THF、DMF、DMSOなどの汎用溶媒を用いた場合、難溶解ポリマーが完全に溶解することができず、分子量の再現性が悪かった。また、劣化防止剤を含有しない場合、アルコシキ−N−置換プロパンアミドの劣化による再現性も安定性も低下し、長時間、高温のGPC分析には好適に用いることができなかった。本発明の効果はアルコシキ−N−置換プロパンアミドの優れる溶解力と劣化防止剤の安定化力による相乗効果であり、アルコシキ−N−置換プロパンアミドのみ或いは劣化防止剤とその他の溶剤の組み合わせで得られるものではない。
実施例C−1
水性インクジェットインクの調製と評価
バインダー樹脂としてポリプロピレン系樹脂エマルジョン(日本製紙ケミカル(株)製、スーパークロンE−480T)20部、カーボンブラック水性顔料分散体としてホスタファインブラックTS(クラリアントジャパン(株)製)23部、溶媒として本発明の組成物11(MPA/a−2/b−1/d−1=95/0.5/3/1.5)30部、界面活性剤ニューコール291GL(日本乳化剤(株)製)2部、イオン交換水25部を混合し、ハイスピードミキサーを用いて30分撹拌し、その後、1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、水性インクジェットインク1を得た。
実施例C−2〜C−5と比較例C−6〜C−8
実施例C−2〜C−5と比較例C−6〜C−8において、表3に記載のバインダー樹脂、顔料分散体、溶媒(実施例C−2〜C−5は組成物12〜15、比較例C−6〜C−8は水溶性有機溶剤を使用した。)及び各種添加物を用いて、実施例C−1と同様の手順にて水性インクジェットインク2〜8を調製した。得られたインク1〜8の保存安定性、レべリング性、膜耐性、耐ブロッキング性を下記方法により評価を行い、結果を表3に示した。
(保存安定性)
調製した水性インクジェットインク1〜8において、粘度計(東機産業(株)製、RE100L型)を用いて25℃の粘度を測定し、その後、密閉容器に入れ、60℃で30日保存した。保存後のインクを取り出し、同様に25℃の粘度を測定し、粘度変化率[(保存後の粘度−保存前の粘度)/保存前の粘度]を算出し、保存安定性を下記基準で評価した。
○:粘度変化率が±10%未満である。
△:粘度変化率が±10%以上、20%未満である。
×:粘度変化率が20%以上である。
(レべリング性)
調製した水性インクジェットインク1〜8に用いて、インクジェットプリンター(セイコーアイ インフォテック社製、IP−6500)にて表面無処理のポリ塩化ビニルシートにベタ印字を行い、印刷物のレベリング性を目視にて評価を実施した。
○:はじきが見られなく、ムラの無い印刷物である。
△:はじきが少々見られ、多少ムラのある印刷物である。
×:はじきが見られ、ムラのある印刷物であった。
(膜耐性)
調製した水性インクジェットインク1〜8に用いて、インクジェットプリンター(セイコーアイ インフォテック社製、IP−6500)にて表面無処理のポリ塩化ビニルシートにベタ印字を行い、得られた印刷面を50%エタノール水溶液を浸した綿棒で10往復擦ったときの印刷面の状態を目視で評価を行った。
○:印刷面の剥がれは10%未満であった。
△:印刷面の剥がれは10%以上、50%未満であった。
×:印刷面の剥がれは50%以上であった。
(耐ブロッキング性)
調製した水性インクジェットインク1〜8に用いて、インクジェットプリンター(セイコーアイ インフォテック社製、IP−6500)にて表面無処理のポリ塩化ビニルシートにベタ印字を行い、次に印刷面と裏面を重ね合わせ、ブロッキングテスターにより5kg/cm2の荷重をかけて、温度40℃、湿度80%の条件で24時間放置した。その後、評価用印刷物を取り出し、裏写りの有無を確認した。
○:インクが裏面に裏写りしていない。
△:インクが裏面に少し裏写りしている。
×:インク裏面にかなり裏写りしている。
Figure 2021065882
表3に示した結果から、本発明のアルコシキ−N−置換プロパンアミド組成物は劣化防止剤を含有することによって、実施例C1〜C5のインクは優れる保存安定性を有し、それらを用いた場合の印刷特性(レベリング性)がよく、得られた印刷物の膜耐性も良好であった。一方、比較例C6〜C8のインクは保存中の劣化による粘度が著しく変化し、印刷のレベリング性や得られた印刷物の膜耐性、耐ブロッキング性においても満足できるものではなかった。
実施例D−1〜D−8と比較例D−9〜D−12
(レジスト基板作製)
基板として日立金属(株)製の成膜ガラス(サイズ100mm×100mm)を用いて、レジストとしてナフトキノンジ アジド/ノボルトラック樹脂(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ (株)製、HPR204)を用いた。レジストを基板上に塗布した後、150℃で15分間オーブン中にてベーキングし、レジスト基板を作製した。レジスト基板を10mm×5mmに切断し、剥離試験用試験片として用いた。
(レジスト剥離剤の調製)
本発明の組成物、イオン交換水と汎用有機溶媒を用いて、表4に示す組成により実施例D−1〜D−8及び比較例D−9〜D−12に使用する剥離剤を調整した。
(剥離性)
サンプル瓶に剥離剤とレジス基板の試験片を入れ、試験片を剥離剤中に浸漬させた。40℃で攪拌しながら液中の基板が無色透明になるまでの時間を測定し、下記のように評価を行った。なお、剥離の所要時間は3枚の試験片を試験した結果の平均値である。
〇:所要時間が30秒未満である。
△:所要時間が30秒以上、60秒未満である。
×:所要時間が60秒以上である。
(防錆性)
サンプル瓶に剥離剤を入れ、その中に直径0.5mmの銅線100mmを丸めて浸漬させた。サンプル瓶を密閉し、50℃で1週間を放置した後、剥離剤の着色度合いを観察し、防錆性を評価した。
〇:全く変色しなかった。
△:僅かに淡青色に変色した。
×:明確に青色に変色した。
Figure 2021065882
上記試験結果から、全ての実施例においては良好な剥離性と防錆性が確認された。比較例においては、劣化防止剤を含有しないアルコキシ−N−置換プロパンアミド(比較例D−9)を含む、剥離性と防錆性が何れも満足できるものではなかった。
以上説明してきたように、本発明のアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物は熱、光、酸素などの劣化因子による悪影響を受けず、長期貯蔵や長期使用、外気下での使用などに備え、劣化のない安定化されたアルコキシ−N−置換プロパンアミド組成物であり、それを含有することにより各種製剤、製品を提供することができる。具体的に、本発明の組成物を含有する樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の溶解に用いられる溶媒、本発明の組成物を含有する樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の希釈に用いられる希釈剤、本発明の組成物を含有する樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマー、導電性材料および炭素材料の分散に用いられる分散剤、本発明の組成物を含有する化学反応に用いられる溶媒、本発明の組成物を含有するHPLC(液体クロマトグラフィー)及び/又はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の分析に用いられる溶媒、本発明の組成物を含有する希釈剤、抽出剤、洗浄剤、剥離剤、除去剤、脱脂剤、浸透剤、吸収剤、分散剤、平版印刷版用修正剤に用いられる溶媒、本発明の組成物を含有するポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ(アミド−イミド)樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂の製造及び/又は溶解に用いられる溶媒、本発明の組成物を含有する製造設備、製造器具、工業製品、工業部品、プラスチック成型品、金属部品、電子部品、記録装置フィルター、三次元造形物、インクジェットノズルおよびインクカートリッジの液体流路の洗浄に用いられる洗浄剤、本発明の組成物を含有するプラスチック成形品表面の有機塗膜層、三次元粗造形物のサポート材、金属薄膜上のレジスト、UV樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂の剥離に用いられる剥離剤、本発明の組成物を含有する液晶分子の配向処理に用いられる液晶配向処理剤、本発明の組成物を含有する二次電池の製造に用いられる非水電解液などとして好適に用いることができる。

Claims (16)

  1. 一般式(1)に示されるアルコキシ−N−置換プロパンアミドと劣化防止剤を含有する組成物。
    Figure 2021065882
    (式中、R〜Rは各々独立に炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルエーテル基、或いは各々独立に炭素数6〜18の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素を表し、Rは水素又はメチル基を表す。また、RとRは各々独立に水素原子(同時に水素原子である場合を除く)、或いはそれらを担持する窒素原子と一緒になって、飽和5〜7員環(酸素原子を有するものを含む。)を形成したものを含む。)
  2. 劣化防止剤は熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、pH安定剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、脱水乾燥剤、防腐剤、防錆剤、金属イオン封鎖剤であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 劣化防止剤はアルコール系安定剤、フェノール系安定剤、アミン系安定剤、リン系安定剤、硫黄系安定剤、ヒンダード系安定剤、ハイドロキノン系安定剤、ベンゾエート系安定剤、天然系安定剤からなる群より選択される1種又は2種以上の劣化防止剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する組成物。
  4. 劣化防止剤が0.0001〜20重量%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 一般式(2)で表されるβ−アルコキシ−N−置換プロパンアミドとβ−アルコキシ−N,N−二置換プロパンアミドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure 2021065882
    (式中、Rは炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、RとRがそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し(同時に水素原子である場合を除く)、Rは水素又はメチル基を表す。)
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の溶解に用いられることを特徴とする溶媒。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する希釈剤であって、樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマーおよび導電性材料の希釈に用いられることを特徴とする希釈剤。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する分散剤であって、樹脂、塗料、インク、接着剤、医薬、農薬、香料、顔料、染料、セルロース誘導体、有機ケイ素ポリマー、導電性材料および炭素材料の分散に用いられることを特徴とする分散剤。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、化学反応に用いられることを特徴とする溶媒。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、HPLC(液体クロマトグラフィー)及び/又はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)の分析に用いられることを特徴とする溶媒。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、希釈剤、抽出剤、洗浄剤、剥離剤、膨潤剤、減容剤、除去剤、脱脂剤、浸透剤、吸収剤、分散剤、平版印刷版用修正剤に用いられることを特徴とする溶媒。
  12. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する溶媒であって、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ(アミド−イミド)樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂の製造及び/又は溶解に用いられる溶媒。
  13. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する洗浄剤であって、製造設備、製造器具、工業製品、工業部品、プラスチック成型品、金属部品、電子部品、記録装置フィルター、三次元造形物、インクジェットノズルおよびインクカートリッジの液体流路の洗浄に用いられることを特徴とする洗浄剤。
  14. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する剥離剤であって、プラスチック成形品表面の有機塗膜層、三次元粗造形物のサポート材、金属薄膜上のレジスト、UV樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂の剥離に用いられることを特徴とする剥離剤。
  15. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する液晶配向処理剤であって、液晶分子の配向処理に用いられる液晶配向処理剤。
  16. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物を含有する電解液であって、二次電池の製造に用いられる非水電解液。
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