JP2003300894A - 糖尿病合併症を予防する組成物 - Google Patents

糖尿病合併症を予防する組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖尿病合併症を予防する。 【解決手段】 大豆発酵産物を主成分とし、アルドース
還元酵素阻害作用、タンパク質非酵素的糖化抑制作用及
びアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する糖尿病合
併症を予防する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病合併症を予
防することができる組成物及び当該組成物を含む食品に
関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の慢性合併症として特徴的な病変
は、細小血管障害であることが知られている。細小血管
障害は特に、網膜、腎、末梢神経で組織変性を引き起こ
し、糖尿病の3大合併症と呼ばれる、網膜症、腎症、神
経症等を発症する。その結果、患者の生活の質、そして
生命の予後に重要な影響を与えることが多い。糖尿病合
併症の成因は一次元的なものでなく、以下に示す複数の
因子が関わっていると考えられている。 アルドース還元酵素を介するポリオール経路の代謝亢
進 タンパクの非酵素的糖化 血管平滑筋や内皮細胞におけるβ2型プロテインキナ
ーゼCの活性化 酸化ストレスの亢進 ところで、大豆醗酵産物にはコレステロール低下作用、
フィトエストロゲン作用、抗酸化作用などが知られてい
るが、合併症の発症・進展を効果的に予防するような食
品を構成する組成物は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、糖
尿病合併症を予防できる組成物及び当該組成物を含む食
品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、大豆発酵産物が糖
尿病合併症の予防に効果的に作用することを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下を
包含する。
【0005】(1)大豆発酵産物を主成分とし、アルド
ース還元酵素阻害作用、タンパク質非酵素的糖化抑制作
用及びアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する糖尿
病合併症を予防する組成物。 (2)上記大豆発酵産物は、イソフラボノイド類を含有
することを特徴とする(1)記載の組成物。 (3)上記イソフラボノイド類が下記式(I)で表さ
れ、式中、側鎖R4’、R 5、及びR7が水素、水酸基、
アルコキシル基(RO-基、Rは炭素数1〜10のアルキル
基)又はグリコキシル基であることを特徴とする(1)
記載の組成物。
【0006】
【化2】
【0007】(4)上記イソフラボノイド類がダイゼイ
ン及び/又はビオカニンAであることを特徴とする(3)
記載の組成物。 (5)上記大豆発酵産物は、超臨界流体による抽出物又
は有機溶媒若しくは水との混合物による抽出物であるこ
とを特徴とする(1)記載の組成物。 (6)上記大豆発酵産物は、大豆を発酵させてなる培養
物を、超臨界流体により抽出した抽出物又は有機溶媒若
しくは水との混合物により抽出した抽出物であることを
特徴とする(1)記載の組成物。
【0008】(7)上記大豆発酵産物は、3-O-[α-L-ア
ラビノピラノシル-(1→6)-β-D-グルコピラノシル]オク
ト-1-エン-3-オールを含むことを特徴とする(1)記載
の組成物。 (8)上記大豆発酵産物は、1-メチル-2,3,4,9-テトラ
ヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸を含むことを特
徴とする(1)記載の組成物。 (9)(1)〜(8)いずれか1項記載の組成物を含む
食品。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る組成物は、大豆発酵産物を主成分として含
有するものである。大豆発酵産物とは、大豆及び/又は
豆乳を、グリコシド結合加水分解能を有する微生物によ
り発酵させることにより得られる。または、大豆発酵産
物とは、大豆及び/または豆乳を乳酸菌や酵母などの微
生物により単独及び/または混合培養により醗酵させて
得られる培養物を意味する。
【0010】本発明に係る組成物は、大豆発酵産物を主
成分として含有すことによって、アルドース還元酵素阻
害作用、タンパク質非酵素的糖化抑制作用及びアンジオ
テンシン変換酵素阻害作用を示すこととなり、その結
果、糖尿病合併症に対する優れた予防効果を示すことと
なる。
【0011】大豆としては、Glycine max (L) MERR.に
属する品種であれば如何なる品種の大豆をも使用するこ
とができる。例えば、大豆品種としては、ツルマメ(Gl
ycine soja SIRB. et Zucc.)等を使用することができ
る。また、このなかでも、大豆としてはGlycine max
(L.) MERR.を使用することが好ましい。大豆発酵産物の
原料としては、大豆そのもの及び/又は大豆を加熱、抽
出、分離、凝固させたものを使用することができる。こ
のうち、大豆発酵産物の原料としては、特に豆乳が好ま
しい。豆乳としては、全脂豆乳、脱脂豆乳、調整豆乳、
無調整豆乳のいずれを用いてもよい。豆乳は、大豆又は
大豆の粉砕物から常法により製造できる。豆乳中の固形
物含量は特に制限はないが、例えば1〜30%重量が好
ましい。
【0012】発酵に使用する微生物は、グリコシド結合
加水分解能を有する微生物であれば如何なる微生物を使
用することができる。例えば、微生物としては、ラクト
バチルス属、ビフィドバクテリウム属、ラクトコッカス
属、ルコノストック属の乳酸菌、サッカロマイセス属、
ピッチア属の酵母等を使用することができる。また、こ
の中でも、微生物としてはラクトバチルス属、サッカロ
マイセス属を併用して使用することが好ましい。
【0013】微生物を用いて大豆を発酵させる手法とし
ては、従来より公知の如何なる手法を使用することがで
きる。例えば、上述した微生物を単独或いは混合して培
養した後、上述した豆乳等の原料を培地として培養発酵
させる方法等を挙げることができる。
【0014】例えば、培地として豆乳を使用する場合、
乳酸菌1種につき105〜106個/ml、酵母1種につき
104〜105個/mlとなるように豆乳に単独或いは混合
して接種し、20〜37℃で4〜10日間培養する。こ
れにより豆乳を発酵させてなる大豆発酵産物を得ること
ができる。
【0015】大豆発酵産物は、大豆を発酵させてなる培
養物から水溶性画分を除去して得られたものであること
がより好ましい。培養物から水溶性画分を除去すること
によって糖尿病合併症を予防する効果がより顕著に現れ
るためである。培養物から水溶性画分を除去する方法と
しては、限定されないが、例えば、ダイアイオンHP-20
又は活性炭等を充填したカラムを用いることができる。
【0016】さらに、大豆発酵産物は、大豆を発酵させ
てなる培養物をエタノール抽出、例えば50%エタノール
で抽出して得られたものであることがより好ましい。培
養液をエタノール抽出することによって、糖尿病合併症
を予防する効果がより顕著に現れるためである。
【0017】また、大豆発酵産物は、大豆を発酵させて
なる培養物そのもの、当該培養物を乾燥させたもの、当
該培養物を冷凍したもの、冷凍した培養物を解凍したも
の、冷凍した培養物を粉砕又は破砕したものであっても
よい。ここで、乾燥とは、風乾、乾燥炉による乾燥、熱
風乾燥、凍結乾燥又はスプレードライを単独で行っても
良いし、それらを組み合わて行ってもよい。乾燥の程度
は、目的にもよるが、水分含有量0〜50重量%。好ましく
は0〜10重量%となるまでとする。冷凍は、特に限定され
ないが、通常の方法、ドライアイスや液体窒素等により
行うことができる。
【0018】さらに、大豆発酵産物は、大豆を発酵させ
てなる培養物を、超臨界流体により抽出した抽出物又は
有機溶媒若しくは水との混合物により抽出した抽出物で
あることが好ましい。大豆を発酵させてなる培養物をこ
れら抽出物とすることによって、糖尿病合併症を予防す
る効果がより顕著に現れるためである。
【0019】培養物を超臨界流体により抽出するとは、
いわゆる超臨界抽出法を用いて培養物から抽出すること
を意味する。超臨界流体としては、例えば、二酸化炭
素、二酸化炭素にメタノール及びエタノール等の有機溶
媒を混合したもの、又はペンタン等を使用できる。
【0020】有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、n-若しくはイソプロパノール、n-、イソ、第二若し
くは第三ブタノール、n-、イソ、第二若しくは第三ペン
タノール、n-、イソ、第二若しくは第三ヘキサノール等
のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエ
ステル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化
物、ジエチルエーテル等のエーテル類、へキサン、ペン
タン等の炭化水素を単独又はこれらの混合物として使用
できる。培養物を、有機溶媒若しくは水との混合物によ
り抽出する際には、冷浸、温浸、還流冷却下での過熱等
の方法を適宜使用できる。
【0021】また、培養物を、超臨界流体により抽出す
る又は有機溶媒若しくは水との混合物により抽出する際
には、所望により超音波をかけながら行ってもよい。抽
出は、連続式で行ってもバッチ式で行ってもよく、例え
ば常温から溶媒の沸点の範囲の温度で、加圧、常圧、ま
たは減圧下で行う。抽出時間は、抽出方法、抽出溶媒等
に応じて、適宜決定し得る。例えば、室温での抽出の場
合、1〜10日間、好ましくは1〜3日間、特に1〜1
2時間であり、溶媒の沸点付近の温度での抽出の場合、
10分間〜10時間、好ましくは10分間〜5時間、特
に、1〜3時間である。
【0022】得られた抽出物は、常圧または減圧下で溶
媒を留去して濃縮または乾固するか、凍結乾燥したもの
であってもよい。得られた抽出物は大豆発酵産物として
も良いが、濃縮または乾固した後、水、エタノール等の
溶媒に溶解し、不溶物を濾去してもよい。この場合、濾
液はそのまま、または所望により濃縮、乾固または凍結
乾燥することによって、大豆発酵産物とすることができ
る。
【0023】さらに、大豆発酵産物としては、上述した
抽出物をクロマトグラフィーによって得られた画分を含
む分画物であってもよい。分画物とは、上述した抽出操
作後の抽出溶媒中の成分又は抽出操作後に溶媒を留去し
て得られた残留物をさらに他の溶媒に溶解した溶液中の
成分を、クロマトグラフィーにより分画し、集められた
画分そのものであってもよいし、当該画分を所望により
濃縮、乾固又は凍結乾燥したものであってもよい。クロ
マトグラフィーとしては、カラムクロマトグラフィー、
薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー
等を使用できる。クロマトグラフィーに用いる充填剤と
しては、シリカゲル、ODS又はHP-20等のポリマーを使
用でき、クロマトグラフィーに用いる溶出溶媒は、水、
メタノール、エタノール等のアルコール類等の有機溶媒
を単独で又はそれらの混合物として使用できる。特に、
分画物は、充填剤としてHP-20を使用し、水-メタノー
ル混合溶媒により、メタノールの濃度を増しながら展開
し、メタノール70〜100%、特に100%メタノー
ルで得られる画分を含むことが好ましい。
【0024】ところで、大豆発酵産物は、アルドース還
元酵素阻害作用、AGE生成抑制作用及びアンジオテンシ
ン変換酵素阻害作用を示す有効成分としてイソフラボノ
イド類を含むものである。イソフラボノイド類として
は、限定されないが、例えば、下記式(I)で表される
化合物が挙げられる。
【0025】
【化3】
【0026】ここで、式(I)において、側鎖のR4’、
5、及びR7は水素、水酸基、炭素数1〜10のアルコ
キシル基又はグリコキシル基を示している。特に、大豆
発酵産物は、側鎖のR7が水酸基であるイソフラボノイ
ド類を含むことが好ましい。
【0027】すなわち、イソフラボノイド類としては、
フォルムオノネチン(Formononetin)、ビオカニンA(Bioc
hanin A)、ダイゼイン(Daidzein)、ダイジン(Daidzi
n)ゲニステイン(Genistein)、ゲニスチン(Genisti
n)、オノニン(Ononin)およびシスソトリン(Sissotrin)
等を挙げることができる。
【0028】これらイソフラボノイド類は、定法に従っ
て化学合成により得ることができる。例えば、PSBEM (1
995) (208) 27-32に記載されたKristiina Wahalaらの
合成法に準じてイソフラボノイド類を合成できる。ま
た、これらイソフラボノイド類は、SIGMA、フナコシ、
和光純薬などの会社から購入することもできる。さら
に、大豆発酵産物には、3-O-[α-L-アラビノピラノシル
-(1→6)-β-D-グルコピラノシル]オクト-1-エン-3-オー
ル(下記式に示す)が含まれている。
【0029】
【化4】
【0030】この3-O-[α-L-アラビノピラノシル-(1→
6)-β-D-グルコピラノシル]オクト-1-エン-3-オール
は、大豆に含まれていることが新規であり、酸化ストレ
ス抑制作用、アルドース還元酵素阻害作用を有する。し
たがって、大豆発酵産物に3-O-[α-L-アラビノピラノシ
ル-(1→6)-β-D-グルコピラノシル]オクト-1-エン-3-オ
ルが含まれていることによって、より優れた糖尿病合併
症予防効果を奏することとなる。さらにまた、大豆発酵
産物には、1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カル
ボリン-3-カルボン酸(下記式に示す)が含まれてい
る。
【化5】
【0031】この1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-
β-カルボリン-3-カルボン酸は、Vladimir BantseevらB
iochemistry and Molecular Biology International (1
997),(42)6, 1189-1197に記載されるように、水晶体保
護作用を有する。したがって、大豆発酵産物に1-メチル
-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン
酸が含まれることによって、より優れた糖尿病合併症予
防作用、特に糖尿病性白内障予防作用を奏することとな
る。
【0032】大豆発酵産物は、発酵前の大豆を含む試料
(例えば、豆乳)と比較して、優れた糖尿病合併症予防
作用を奏する。糖尿病合併症としては、例えば、糖尿病
性白内障、糖尿病性神経症、糖尿病性腎疾患、糖尿病性
網膜症、糖尿病性角膜症及び動脈硬化を挙げることがで
きる。
【0033】特に、大豆発酵産物は、以下の3つの作用
において、発酵前の大豆を含む試料(例えば、豆乳)と
比較して優れた特性を有する。 アルドース還元酵素の阻害作用 タンパク質の非酵素的糖化の抑制作用 アンジオテンシン変換酵素の阻害作用
【0034】アルドース還元酵素の阻害作用とは、アル
ドース還元酵素活性、すなわち、グルコース等のアルド
ースをソルビトール等のポリオールに変換する活性を阻
害することを意味する。アルドース還元酵素活性を阻害
するとは、後述する活性測定方法で測定したアルドース
阻害率が25%以上であることを意味する。
【0035】活性測定方法としては、基質、NADPH(還
元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドフォスフェ
ート)及びアルドース還元酵素を含む反応溶液に測定対
象のサンプルを添加し、NADPHを補酵素とする酵素反応
により生成されるNADPの蛍光強度を測定する方法が挙げ
られる。本方法において、基質としては、グルコース、
DL-グリセルアルデヒド、D-グルクロン酸、L-グロン酸
及び各種アルドース等を使用できる。アルドース還元酵
素としては、市販の組換え体ヒト筋肉由来アルドース還
元酵素、ラット、マウス及びウシ等の水晶体から抽出さ
れたアルドース還元酵素等を使用できる。
【0036】また、本方法において、NADP蛍光強度が7
5%以下、すなわちアルドース還元酵素によるNADP生成
量を75%以下に減少させることをもって、アルドース
還元酵素阻害作用を有すると定義する。したがって、大
豆発酵産物を測定対象のサンプルとした場合、大豆発酵
産物は、反応溶液中のアルドース還元酵素活性を阻害
し、NADP蛍光強度を75%以下に低下させる。
【0037】なお、現在までに、アルドース還元酵素に
関しては以下の知見が得られている。高血糖状態では、
解糖系、TCAサイクルで処理しきれない過剰グルコース
はポリオール代謝経路に入り、経路内でアルドース還元
酵素によりソルビトールへ還元される。ソルビトールは
細胞膜を通過できないので細胞内に蓄積する。ソルビト
ールの蓄積は浸透圧を上昇させ、NADPHを消費し抗オキ
シダントを生じる。ミオイノシトールは細胞膜のリン脂
質の原料であるが構造はグルコースと酷似するので、高
血糖により細胞内への取り込みが阻害される。ミオイノ
シトール不足はミオイノシトール代謝を障害し、Na、K-
ATPase活性を低下させるので、神経障害を生じやすい。
更に、ポリオール代謝経路の活性化に起因するソルビト
ール、フルクトースの蓄積は、タンパク質の糖化反応
(AGE産生)の亢進などにより細胞障害の誘引となる。
アルドース還元酵素は、この経路の律速酵素であり、神
経シュワン細胞、角膜上皮細胞や腎糸球体メサンギウム
細胞などに存在する。
【0038】一方、タンパク質の非酵素的糖化とは、生
体内のタンパク質が非酵素的にグルコースと結合し、シ
ッフ塩基からアマドリ化合物になり、さらに反応過程を
経て最終的に後期糖化生成物(Advanced Glycation End
-products以下「AGE」と称する)になる反応のことを意
味する。なお、この反応はメイラード反応とも呼ばれ
る。例えば、血中グルコースは酵素の働きなしに血管壁
ないしは血球を構成するタンパク質と結合する(グリケ
ーション)。グリケーションはグルコース濃度に依存し
て進行する。数週間から数ヶ月の経過で脱水、縮合、酸
化、転位などの複雑な反応を経て最終的には不可逆的な
最終産物AGEが生成される。細胞外基質はAGE化によって
細胞外基質蛋白間の架橋形成をきたし、その構造・機能
的障害が引き起こされる。
【0039】タンパク質の非酵素的糖化の抑制作用と
は、上述した反応によるAGEの生成を抑制することを意
味する。AGEの生成、すなわち、タンパク質の非酵素的
糖化反応は、Monnierらの方法(Sience 211, 491-494
(1981))に準じて行うことができる。すなわち、所定の
タンパク質をグルコース又はグルコース-6-フォスフェ
ートとともに暗下でインキュベーションしてタンパク質
の非酵素的糖化により生じたAGEを、反応溶液の紫外線
吸光度及び蛍光強度を測定することによって定量する。
したがって、タンパク質の非酵素的糖化の抑制作用は、
前述の方法において、測定対象サンプルの存在下で非酵
素的糖化反応させ、生成したAGEを定量することで検討
することができる。
【0040】本方法において、タンパク質としては、ウ
シ血清アルブミン(BSA)、N-ωアセチルリジン等を使
用できる。また、グルコース及びグルコース-6-フォス
フェートの他に、単糖鎖状構造でヘミアセタール水酸基
の存在によるアルデヒド構造を作りうる化合物等を使用
できる。また、インキュベーションは、37〜60℃で
行うことが好ましく、6〜12時間行うことが好まし
い。
【0041】特に、作用物質非存在下と比較して作用物
質存在下でAGE量が75%以下に減少した場合、作用物
質がタンパク質の非酵素的糖化抑制作用を有すると定義
する。なお、大豆発酵産物を作用物質とした場合、大豆
発酵産物は、660μg/mlの濃度で39.4%のタンパク質の
非酵素的糖化抑制作用を示す。
【0042】なお、現在までに、AGEはアルドース還元
酵素のメッセンジャーRNAを誘導し、細胞内アルドース
還元酵素の蛋白量を増加させることも明らかになってお
り、AGEと、アルドース還元酵素の関与するポリオール
経路活性亢進は糖尿病合併症の重要な成因の1つである
と考えられている。
【0043】さらに、アンジオテンシン変換酵素の阻害
作用とは、アンジオテンシン変換活性、すなわち、レニ
ン(腎臓から分泌される分解酵素)の作用で生成したア
ンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する活性
を阻害することを意味する。なお、アンジオテンシン変
換酵素は、C末端側の活性中心(「Cドメイン」と称す
る)とN末端側の活性中心(「Nドメイン」と称する)と
を有する。したがって、アンジオテンシン変換酵素の阻
害作用とは、Cドメインの活性を阻害する及び/又はNド
メインの活性を阻害する作用を意味する。
【0044】アンジオテンシン変換酵素のCドメイン活
性は、例えば、Cushman及びCheungらの原理(Biochem.
Pharmacol. 20, 1637-1648(1971))をもとにSimonett
aが考案したUV検出法(CLIN. CHEM vol. 29, no. 6, 10
93-1096 (1983))に従って測定できる。すなわち、基質
であるn-(3-[2-フリル]アクリロイル)フェニルアラニル
-L-グリシル-L-グリシン(以下、「FAPGG」と称する)
を、アンジオテンシン変換酵素によってフリルアクリロ
イルフェニルアラニンとグリシルグリシンとに加水分解
し、その結果として生じる波長328nmにおける吸光度の
減少を測定する方法によって、アンジオテンシン変換酵
素のCドメイン活性を測定できる。本方法において、基
質としてはFAPGG以外にヒプリル-ヒスチジル-ロイシン
(HHL)等を使用できる。また、アンジオテンシン変換
酵素は、市販のウサギ肺由来のアンジオテンシン変換酵
素や、ウシ又はヒト体細胞由来のアンジオテンシン変換
酵素等を使用できる。
【0045】また、本方法において、アンジオテンシン
変換酵素の非存在条件での波長328nmにおける吸光度を
基準とし、アンジオテンシン変換酵素及び作用物質の存
在下で波長328nmにおける吸光度が上記基準の吸光度と
比較して65%以下であることをもって、作用物質がア
ンジオテンシン変換酵素阻害作用を有すると定義する。
なお、大豆発酵産物を作用物質とした場合、大豆発酵産
物は、570μg/mlの濃度で36.7%のアンジオテンシ
ン変換酵素阻害作用を示す。
【0046】アンジオテンシン変換酵素のNドメイン活
性は、例えば、Aziziら(Hypertension June 2000 1226
-1231)が考案した高速液体クロマトグラフィ(以下、H
PLCと称する)法により測定できる。すなわち、基質で
あるアセチル-セリル-アスパルチル-(N-アセチル)-リ
シル-プロリン(以下、AcSDAcKPと称する)をアンジオ
テンシン変換酵素により加水分解し、生じたアセチル-
リシル-プロリン(以下、AcKPと称する)をHPLCにより
波長200nmで測定する方法によって、アンジオテンシン
変換酵素のNドメイン活性を測定できる。本方法におい
て、基質としてはAcSDAcKP以外にAcSDKP等を使用でき
る。また、アンジオテンシン変換酵素は、ヒト体細胞由
来のアンジオテンシン変換酵素や、Cドメインの活性を
低下させた変異型アンジオテンシン変換酵素、ヒト腸閉
塞由来アンジオテンシン変換酵素等を使用できる。
【0047】また、本方法において、AcKPに起因する波
長200nmをHPLCで検出し、作用物質を含まない場合と比
較してAcKP生成量を65%以下に低下させることをもっ
て、作用物質がアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有
すると定義する。したがって、大豆発酵産物を作用物質
とした場合、大豆発酵産物は、反応溶液中のアンジオテ
ンシン変換酵素活性を阻害し、波長200nmにおけるピー
クを65%以下に抑える。
【0048】なお、現在までに、アンジオテンシン変換
酵素に関しては以下の知見が得られている。糖尿病性腎
症の発症に腎臓内血行動態異常が関与しており、その本
体は主として輸入細動脈系の拡張に起因する糸球体高血
圧であることが知られている。その是正には、輸出細動
脈系を拡張させる機能を有するアンジオテンシン変換酵
素阻害剤(以下、ACE阻害剤)が有効である。更に、ACE
阻害剤が、微量アルブミン尿、尿中アルブミン排泄量を
減少させるとともに、早期腎症から顕性腎症への進展率
を抑制するため、血圧管理とは別に、ACE阻害剤の意義
が確認されている。
【0049】大豆発酵産物は、上述した3つ全ての作用
について、発酵前の大豆を含む試料と比較して優れた作
用を示す。大豆発酵産物がこれら3つの優れた作用を示
すため、本発明に係る組成物は、上述したような糖尿病
合併症の予防に優れた効果を示すといえる。糖尿病合併
症の予防効果は、例えば、高血圧モデル動物における降
圧作用を確認することによって検証できる。また、糖尿
病合併症の予防効果は、例えば、赤血球ソルビトール生
成量の測定、水晶体AGE量の測定及び尿中微量アルブミ
ン量の測定等によって検証できる。本発明に係る組成物
は、糖尿病合併症を予防する目的で、以下のようにして
使用することができる。例えば、上述した組成物を滅菌
処理した後、健康食品、食品添加原料として使用でき
る。
【0050】健康食品としては、エキス剤、カプセル
剤、顆粒剤、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ
剤、流エキス剤等の形態であってもよい。これらは当該
分野で知られている方法により製剤化することができ
る。これらの製剤形態の健康食品は、医薬品を製剤化す
る際に一般的に使用される補助剤を含有していてもよ
い。
【0051】健康食品としては、一般加工食品等の食品
に、本発明に係る組成物を添加した食品、いわゆる機能
性食品であってもよい。機能性食品としては、例えば、
上記組成物を添加した飴、ガム、ゼリー、ビスケット、
クッキー、煎餅、パン、麺、魚肉・畜肉練製品、茶、清
涼飲料、コーヒー飲料、乳飲料、乳清飲料、乳酸菌飲
料、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン等が挙げられ
る。さらに、健康食品は、上記組成物を飲用アルコール
につけて得られる健康酒であってもよい。さらにまた、
健康食品は、上記組成物を、生、乾燥、または加熱(醤
油、砂糖、アミノ酸等の調味料と共に茹でる、煮る又は
油で炒める場合を含む)した状態のものであってもよ
い。
【0052】これら機能性食品は、各々の食品原料に、
上記組成物を所要量添加すること以外は、通常の製造方
法により製造することができる。この場合、上記組成物
の所要量は、機能性食品の種別により異なるが、上記大
豆発酵産物が乾燥重量として例えば、0.001〜20重量
%、好ましくは0.01〜10重量%となるようにする。ま
た、大豆醗酵産物の抽出物または分画物として配合する
場合には、大豆醗酵産物の抽出物または分画物を0.001
〜5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%とする。
【0053】また、本発明に係る組成物は、いわゆる健
康茶の形態で提供されてもよい。この場合は、上記組成
物を半乾燥及び/又は粉末化することが好ましい。この
場合、上記健康茶には、緑茶、紅茶、ウーロン茶、プー
アール茶、ハトムギ茶、ドクダミ茶、クワ茶、ムギ茶、
ハブ茶等の他の茶葉、一般に用いられている健康茶及び
これら茶葉並びに健康茶の原料から選ばれる一種類以上
が配合されていてもよい。
【0054】本発明に係る組成物は、上述したようない
かなる形態であっても、人体にとって無毒性であるから
その摂取量について特に制限はないが、糖尿病合併症予
防を目的とする観点からは、大豆発酵産物の抽出物とし
て1〜1000mg/kg体重/日、好ましくは、10〜50
00mg/kg体重/日程度の摂取量とすることが好ましい。
また、食品の特性、呈味性あるいは経済性等を考慮した
場合、本発明に係る組成物の食品に対する添加量として
は0.1〜20%、好ましくは0.2〜10%程度であ
ればよい。
【0055】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明に係る組成物を
更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、これら
の実施例に限定されるものではない。実施例1 <大豆発酵産物の調製>乾燥大豆を、重量換算で10倍量
の水に一夜浸せきした後、ミキサーで破砕し弱火にかけ
約1時間煮た後、ガーゼで濾した液をさらにオートクレ
ーブ滅菌(115℃、10分)したものに菌を接種し37℃
で144時間培養し、40LのL6培養物を得た。菌とし
ては、ラクトバチルス・デルゴルエキイ、ラクトバチル
ス・アシドフィラス、ラクトバチルス・プランタラム、
ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・カ
ゼイ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトコッカス
・ラクティス、サッカロマイセス・セレビジエとの混合
微生物を用いた。
【0056】次に、L6培養液を減圧下で濃縮し、4℃に
て一晩放置後、析出した淡黄白色の沈殿物を3G11グラス
フィルター(IWAKI社製)で除去した。得られたろ液を
再度濃縮し、沈殿が析出しなくなるまで、上述した除去
及び濃縮を繰り返し行い、L6培養液から水溶性画分を分
離した。
【0057】次に、分離した水溶性画分をダイアイオン
HP-20カラムクロマトグラフィー(三菱化学社製)に供
し、H2O、20%-MeOH、40%-MeOH、70%-MeOH、100%-MeOHに
て順次溶出させ、5フラクションに分画した。そして、H
2Oで分画したフラクションをI分画とし、20%-MeOHで分
画したフラクションと40%-MeOHで分画したフラクション
とを併せてII分画とし、70%-MeOHで分画したフラクショ
ンをIII分画とし、100%-MeOHで分画したフラクションを
IV分画とした。
【0058】なお、IV分画を順相及び逆相の低温カラム
クロマトグラフィーを繰り返し行うことによってダイジ
ン、ゲニスチン、ダイゼイン及びゲニステインを単離・
精製できた。また、III分画を逆相の高速液体クロマト
グラフィーを繰り返し行うことによって3-O-[α-L-アラ
ビノピラノシル-(1→6)-β-D-グルコピラノシル]オクト
-1-エン-3-オールを単離・精製できた。さらに、II分画
からは、1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボ
リン-3-カルボン酸を単離・精製できた。また、これら4
つの分画の他に、L6培養液に等量のエタノールで抽出し
て得られたL6-50%エタノール抽出物を調製した。
【0059】<アルドース還元酵素阻害作用の検討>得ら
れた4つの分画及びL6-50%エタノール抽出物を用いてア
ルドース還元酵素に対する活性阻害作用を検討した。ア
ルドース還元酵素としては、組換え体ヒト筋肉由来アル
ドースレダクターゼ(和光純薬社製、試薬生化学用547-
00581)を用いた。アルドース還元酵素の活性は、1mMの
DL-グリセルアルデヒド(SIGMA社製 G5001)と、0.1Mの
(NH4)2SO4を含む0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.0)とを含む反
応溶液(全量200μL)中で、β-NADPH(SIGMA社製 N163
0)から生成されるNADPの蛍光強度を測定することによ
って評価した。
【0060】具体的には、I〜IV分画及びL6-50%エタノ
ール抽出物のいずれかを反応溶液に混合した後にアルド
ース還元酵素を添加し、37℃で20分間インキュベーショ
ンした後、0.5MのHClを0.03mL添加することで酵素反応
を停止させた。反応停止後の反応溶液に、10mMのイミダ
ゾールを含有する6MのNaOHを0.1mL加え、60℃で10分間
インキュベーションした後、励起波長360nm、測定波長4
50nmにて、生成したNADP量を測定した。測定には、Fluo
roskan Ascent FL(Labsystems社製)を用いた。なお、コ
ントロールとしてはIII画分、IV画分およびL6-50%エタ
ノール抽出物に代えてDMSOを添加したものを、陽性コン
トロールとしてはIII画分、IV画分およびL6-50%エタノ
ール抽出物に代えてケルセチン(SIGMA社製、Q0125)を
使用した。なお、検体は終濃度300μMとなるようにDMSO
に溶解し、調整した。活性の測定は下記式により阻害率
を算出した。 阻害率 (%)=(1−(Sample-Blank))/((Control-Blan
k))×100 式中、Sampleは測定した試料溶液についての蛍光値、Bl
ankは酵素をあらかじめ反応停止させ、インキュベート
した溶液の蛍光値であり、Controlは試料を含まない試
料溶解溶液(DMSO)の蛍光値である。
【0061】結果を図1に示す。なお、図1において、
縦軸はアルドース還元酵素の活性阻害率を示し、横軸は
I〜IV分画及びL6-50%エタノール抽出液の最終濃度を示
している。図1から判るように、III分画、IV分画及びL
6-50%エタノール抽出液に関しては、優れたアルドース
還元酵素の活性阻害作用を示した。
【0062】また、上述した方法と同様にして、豆乳を
用いてアルドース還元酵素の活性阻害作用を検討したと
ころ、豆乳の反応溶液における濃度が300μg/mLで、ア
ルドース還元酵素の活性阻害率が7.2%であった。したが
って、大豆発酵産物は、豆乳と比較して優れたアルドー
ス還元酵素の活性阻害作用を示すことが明らかとなっ
た。
【0063】<タンパク質の非酵素的糖化抑制作用の検
討>得られた4つの分画及びL6-50%エタノール抽出液を用
いてタンパク質の非酵素的糖化抑制作用を検討した。本
例では、BSA(ウシ血清アルブミン 和光純薬社製013-07
492)の非酵素的糖化に対する阻害作用について検討し
た。
【0064】具体的には、BSA50 mg/mL、リン酸緩衝液
(SIGMA社製 D-1408)、0.5M-D(−)リボース(SIGMA
社製 R7500)及びリン酸緩衝溶液を等量混和し、I〜IV
画分および、L6-50%エタノール抽出物のいずれかを含む
反応溶液に混合した。混合後に、直ちにFluoroskan Asc
ent FL (Labsystems社製)を用いて、励起波長370nm、測
定波長440nmにて蛍光測定し、0時間反応液の値とした。
【0065】非酵素的糖化反応は、40℃、モイストチャ
ンバー内にて一晩以上インキュベートすることにより生
成する蛍光物質を励起波長370nm、測定波長440nmにて蛍
光強度を測定し、試料反応液の値とした。なお、コント
ロールとしてはIII画分、IV画分およびL6-50%エタノー
ル抽出物に代えてDMSOを添加したものを、陽性コントロ
ールとしてはIII画分、IV画分およびL6-50%エタノール
抽出物に代えてケルセチンを用いたものを使用した。な
お、検体は終濃度660μMとなるようにDMSOに溶解し、調
整した。活性の測定は下記式により阻害率を算出した。 阻害率 (%)=(1−(試料反応液-0時間反応液))/((Co
ntrol-Blank))×100 式中、Blankは0時間反応の試料溶解溶液(DMSO)の蛍光
値であり、インキュベート後の試料溶解溶液(DMSO)の
蛍光値ある。
【0066】結果を図2に示す。なお、図2において、
縦軸はコントロールの蛍光強度を基準とした阻害率を示
している。図2からわかるように、III画分、IV画分お
よびL6-50%エタノール抽出物を用いた場合、BSAに対す
る非酵素的糖化を抑制している。これに対して、豆乳を
用いた場合にはBSAに対する非酵素的糖化を抑制してい
るとは言えない。このことから、大豆醗酵産物は、タン
パク質の非酵素的糖化を抑制することが明らかとなっ
た。
【0067】<アンジオテンシン変換酵素阻害作用の検
討>得られたL6-50%エタノール抽出液を用いてアンジオ
テンシン変換酵素に対する活性阻害作用を検討した。本
例では、アンジオテンシン変換酵素として、ウサギ肺由
来のアンジオテンシン変換酵素(SIGMA社製、A6778)を
用い、FAPGG(SIGMA社製、F7131)を基質とした酵素反
応により当該アンジオテンシン変換酵素のCドメインの
活性に対する活性阻害作用を検討し、AcSDAcKP(アコー
ド社製合成受託)を基質とした酵素反応により当該アン
ジオテンシン変換酵素のNドメインの活性に対する活性
阻害作用を検討した。
【0068】I.アンジオテンシン変換酵素のCドメイン
の活性 具体的に、所定の濃度のL6-50%エタノール抽出液、1mM
のFAPGG及び0.25Unitのウサギ肺由来のアンジオテンシ
ン変換酵素を、10nMのZnSO4と0.5MのNaClを含む100mMの
トリス-マレイン酸塩緩衝液(pH8.3)中で37℃で20分間
インキュベーションした。インキュベーション後、FAPG
Gに起因する328nmの吸光度を測定し、吸光度の減少をC
ドメインに基づく活性として評価した。
【0069】L6-50%エタノール抽出液の濃度を変えて、
ウサギ肺由来のアンジオテンシン変換酵素のCドメイン
に基づく活性を評価した結果を図3に示す。図3におい
て、縦軸はCドメインの阻害率を、横軸はL6-50%エタノ
ール抽出物の濃度を示している。活性の測定は下記式に
より阻害率を算出した。 阻害率 (%)=(1−(試料の吸光度減少))/((Control
吸光度減少))×100 式中、試料の吸光度減少は37℃、20分間328nmの吸光度
の減少率であり、Control吸光度減少は、37℃、20分間3
28nmの試料溶解溶液(DMSO)の吸光度の減少率である。
【0070】図3から判るように、L6-50%エタノール抽
出物は、ウサギ肺由来アンジオテンシン変換酵素のCド
メインに基づく活性を阻害することが判った。このこと
から、大豆発酵産物は、アンジオテンシン変換酵素のC
ドメインに基づく活性を阻害することが明らかとなっ
た。これに対して、L6-50%エタノール抽出液の代わりに
同用量の豆乳を用いた場合には阻害率が5%程度であ
り、豆乳にはアンジオテンシン変換酵素のCドメインに
基づく活性を阻害する作用が認められなかった。
【0071】II.アンジオテンシン変換酵素のNドメイン
の活性 所定の濃度のL6-50%エタノール抽出物、2mMのAcSDAcKP
及び0.25Unitのウサギ肺由来のアンジオテンシン変換酵
素を、0.05MのNaCl及び10nMのZnSO4を含む100mMのトリ
ス-マレイン酸塩緩衝液(pH 7.5、全量200μL)中で 37℃
で1時間インキュベーションした。次いで、50μLの5%ト
リフルオロ酢酸(TFA)を加えることで反応を停止した。
【0072】反応停止後、5μm CapcellPak C18 column
(資生堂HPLC機器社製のカラム:CapcellPak C18, 1.5 m
m i.d.×250 mm)を用いた逆相HPLCで、AcKPとAcSDAcKP
とを分離し、定量した。逆相HPLCは、0.1%のTFA中のCH3
CN濃度を10分間で1%〜25%に上昇させ、その後、5分間
で50%まで上昇させる濃度勾配とし、展開液の流速を200
μL/min(200nm)とし、200nmの吸光度にて検出した。酵
素反応により生成されるAcKPの保持時間は8.5分であ
り、AcSDAcKPの保持時間は12分であった。活性の測定を
ピーク面積法により測定し、下記式により阻害率を算出
した。 阻害率 (%)=(1−(サンプル添加時のAcKP量))/(Control
AcKP量)×100 式中、サンプル添加時のAcKP量は、試料添加し37℃、60
分間インキュベートした後のAcKPのピーク面積であり、
Control AcKP量は、試料溶解溶液(DMSO)添加し37℃、
60分間インキュベートした後のAcKPのピーク面積であ
る。
【0073】L6-50%エタノール抽出物の濃度を変えて、
ウサギ肺由来アンジオテンシン変換酵素のNドメインの
活性を評価した結果を図4に示す。なお、図4におい
て、縦軸はNドメインの阻害率を、横軸はL6-50%エタノ
ール抽出物の濃度を示している。図4から判るように、
L6-50%エタノール抽出物は、ウサギ肺由来アンジオテン
シン変換酵素のNドメインに基づく活性に対しては影響
を及ぼさないことが判った。したがって、大豆発酵産物
は、アンジオテンシン変換酵素のNドメインよりもCドメ
インに基づく活性を阻害する作用を有することが判っ
た。
【0074】実施例2 本実施例では、実施例1で得られた培養液、III分画及
びIV分画に含まれるイソフラボノイド類(ゲニステイ
ン、ゲニスチン、ダイゼイン及びダイジン)を定量し、
豆乳に含まれるイソフラボノイド量と比較した。イソフ
ラボノイド類の定量はHPLCを用いて行った。
【0075】HPLCは、0.1%のTFA中のCH3CN濃度を30分間
で10%〜90%に上昇させる濃度勾配とし、展開液の流速を
1000μL/min(200nm)とし、262nmの吸光度にて検出し
た。定量は、ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジン及び
ゲニスチンの標準品を用いた絶対検量線法による検量線
を作成し、これら検量線に基づいて算出した。ダイゼイ
ンの検量線は、y=6465.2x(R2=0.9996)で与えられる。
ゲニステインの検量線は、y=9135.8x(R2=1)で与えら
れる。ダイジンの検量線は、y=9683.2x(R2=0.9998)で
与えられる。ゲニスチンの検量線は、y=8831.3x(R2=0.
9998)で与えられる。なお、上記式中R2は相関係数であ
る。なお、ダイゼインの保持時間は21.6分であり、ゲニ
ステインの保持時間は24.6分であり、ダイジンの保持時
間は15.6分であり、ゲニスチンの保持時間は18.5分であ
る。結果を表1及び図5に示す。
【0076】
【表1】
【0077】表1及び図5から判るように、イソフラボ
ノイド類は、発酵前(豆乳)及び発酵後(培養液、III
分画及びIV分画)との間で異なる組成で存在している。
特に、発酵後においては、アグリコン(ゲニステイン及
びダイゼイン)の含有量が配糖体(ゲニスチン及びダイ
ジン)の含有量と比較して顕著に増加していることが判
る。
【0078】アグリコンは、配糖体と比較して消化管等
における吸収速度や、エストロゲン作用に優れているこ
とが知られている。このことからも、大豆発酵産物は、
実施例1で示したアルドース還元酵素の活性阻害作用、
タンパク質の非酵素的糖化抑制作用及びアンジオテンシ
ン変換酵素の活性阻害作用を、体内において効果的に発
揮することが考えられる。したがって、大豆発酵産物
は、糖尿病合併症を予防する作用を有することが明らか
となった。
【0079】実施例3 本例では、大豆発酵産物に含まれるイソフラボノイド
類、3-O-[α-L-アラビノピラノシル-(1→6)-β-D-グル
コピラノシル]オクト-1-エン-3-オール(本例において
「化合物5」と呼ぶ)及び1-メチル-2,3,4,9-テトラヒ
ドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸(本例において
「化合物6」と呼ぶ)について、実施例1と同様にし
て、アルドース還元酵素の活性阻害作用、タンパク質の
非酵素的糖化抑制作用及びアンジオテンシン変換酵素の
活性阻害作用を検討した。
【0080】アルドース還元酵素の活性阻害作用につい
て、実施例1と同様に検討した結果を図6及び7に示
す。なお、図6は、イソフラボノイド類、すなわち、ダ
イゼイン、ゲニステイン、ビオカニンA、ダイジン及び
ゲニスチンにおけるアルドース還元酵素の活性阻害率を
示している。図7は、化合物5及び化合物6並びに対照
として用いたてケルセチン(フラボノイド類)における
アルドース還元酵素の活性阻害率を示している。
【0081】図6及び7に示すように、大豆発酵産物に
含まれるイソフラボノイド類、化合物5及び化合物6
は、アルドース還元酵素の活性阻害作用を有することが
明らかとなった。特に、アグリコンであるダイゼイン、
ゲニステイン及びビオカニンAは、優れたアルドース還
元酵素の活性阻害作用を示すことが明らかとなった。
【0082】また、タンパク質の非酵素的糖化抑制作用
について、実施例1と同様に検討した結果を図8及び9
に示す。なお、図8は、イソフラボノイド類、すなわ
ち、ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジン及びゲニスチ
ンにおけるタンパク質の非酵素的糖化抑制作用を示して
いる。図9は、化合物5及び化合物6におけるタンパク
質の非酵素的糖化抑制作用を示している。
【0083】図8及び9に示すように、大豆発酵産物に
含まれるイソフラボノイド類、化合物5及び化合物6
は、タンパク質の非酵素的糖化抑制作用を有することが
明らかとなった。特に、アグリコンであるダイゼイン及
びゲニステインは、優れたタンパク質の非酵素的糖化抑
制作用を示すことが明らかとなった。
【0084】さらに、アンジオテンシン変換酵素の活性
阻害作用について、実施例1と同様に検討した。アンジ
オテンシン変換酵素のCドメインに対する活性阻害作用
を検討した結果を図10に示す。図10に示すように、
大豆発酵産物に含まれるイソフラボノイド類は、アンジ
オテンシン変換酵素のCドメインに対する活性阻害作用
を有することが明らかとなった。特に、ビオカニンA
は、優れたオテンシン変換酵素のCドメインに対する活
性阻害作用を有することが明らかとなった。
【0085】アンジオテンシン変換酵素のNドメインに
対する活性阻害作用を検討した結果を図11に示す。図
11に示すように、大豆発酵産物に含まれるダイゼイン
は、アンジオテンシン変換酵素のNドメインに対する阻
害活性を有することが明らかとなった。
【0086】以上、図6〜11に示した結果から、大豆
発酵産物に含まれるイソフラボノイド、化合物5及び化
合物6は、糖尿病合併症の予防に効果を示すことが示唆
された。すなわち、大豆発酵産物にも糖尿病合併症の予
防に効果を示すことが示唆された。特に、大豆発酵産物
に比較的多量に含まれるイソフラボンアグリコンは、糖
尿病合併症の予防に特に効果的であることが示唆され
た。言い換えると、大豆発酵産物は、実施例2で示した
ようにイソフラボンアグリコンを比較的多量に含むた
め、糖尿病合併症の予防に特に効果的であることが示唆
された。
【0087】実施例4 本例では、大豆発酵産物に含まれるイソフラボノイド類
をモデル動物に投与し、降圧作用について検討した。モ
デル動物としては、日本チャールズリバー株式会社より
購入した雄性の実験的高血圧モデル動物(以下、「雄性
SHR」と呼ぶ)を用いた。雄性SHRは、ステンレスケージ
内で1〜2週間個別に予備飼育した後、本実験に用い
た。なお、予備飼育は、固形飼料(オリエンタル酵母工
業株式会社製、CMF)を用い、水道水を自由に摂取させ
た。
【0088】先ず、予備飼育後、体重薬200gの雄性SHR
(10〜12週齢)の体重と血圧を測定し、各群の体重及び
血圧の平均値がほぼ均一になるように、1群3匹に群分け
した。投与物質としては、カプトプリル(陽性対照、SI
GMA社製、C4042)、生理食塩水(陰性対照)、ダイゼイ
ン、ダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン及びビオカニ
ンAを用いた。なお、カプトプリルは1.0mg/kg体重とな
るように投与した。ダイゼイン、ダイジン、ゲニステイ
ン、ゲニスチン及びビオカニンAは、15mg/kg体重となる
ように投与した。上記投与物質は全て経口投与とし、そ
れぞれ3群に1回投与した。
【0089】投与前、投与2時間後及び投与5時間後の収
縮期血圧を測定した。収縮期血圧の測定は、雄性SHRの
尾部で測定した。結果を図12に示す。図12に示すよ
うに、大豆発酵産物に含まれるフラボノイドのうちで、
ダイゼイン及びビオカニンAは、雄性SHRの血圧を降下さ
せる作用を有することが明らかとなった。この結果よ
り、ダイゼイン及びビオカニンAを含む大豆発酵産物
は、雄性SHRに対する血圧降下作用を有するものであ
り、糖尿病合併症に対する予防作用を示すことが判る。
【0090】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、アルドース還元酵素阻害作用、タンパク質非酵
素的糖化抑制作用及びアンジオテンシン変換酵素阻害作
用を有し、糖尿病合併症を効果的に予防できる組成物を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】I〜IV分画及びL6-50%エタノール抽出液につい
て濃度とアルドース還元酵素の活性阻害率との関係を示
す特性図である。
【図2】豆乳、III分画、IV分画、L6-50%エタノール抽
出液及びケルセチンについて、タンパク質の非酵素的糖
化作用の阻害率を示す特性図である。
【図3】L6-50%エタノール抽出液について、濃度とアン
ジオテンシン変換酵素のCドメイン活性に対する阻害率
との関係を示す特性図である。
【図4】L6-50%エタノール抽出液について、濃度とアン
ジオテンシン変換酵素のNドメイン活性に対する阻害率
との関係を示す特性図である。
【図5】豆乳、培養物、及び、III分画及びIV分画の混
合に含まれるイソフラボノイドを定量した結果を示す特
性図である。
【図6】ダイゼイン、ゲニステイン、ビオカニンA、ダ
イジン及びゲニスチンについて、濃度とアルドース還元
酵素の活性阻害率との関係を示す特性図である。
【図7】化合物5、化合物6及びケルセチンについて、
濃度とアルドース還元酵素の活性阻害率との関係を示す
特性図である。
【図8】ダイゼイン、ゲニステイン、ダイジン及びゲニ
スチンについて、濃度とタンパク質の非酵素的糖化阻害
率との関係を示す特性図である。
【図9】化合物5及び化合物6について、濃度とタンパ
ク質の非酵素的糖化阻害率との関係を示す特性図であ
る。
【図10】ビオカニンA、ダイゼイン、ゲニステイン、
ダイジン及びゲニスチンについて、濃度とアンジオテン
シン変換酵素のCドメイン活性阻害率との関係を示す特
性図である。
【図11】ビオカニンA、ダイゼイン、ゲニステイン、
ダイジン及びゲニスチンについて、濃度とアンジオテン
シン変換酵素のNドメイン活性阻害率との関係を示す特
性図である。
【図12】ビオカニンA、ダイゼイン、ゲニステイン、
ダイジン及びゲニスチンについて、投与後時間と雄性SH
Rの収縮血圧変化との関係を示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/437 A61K 31/437 31/7028 31/7028 31/7048 31/7048 A61P 3/10 A61P 3/10 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 大越 絵実加 東京都新宿区西新宿6−5−1 新宿アイ ランドタワー20F 株式会社エイ・エル・ エイ内 (72)発明者 三浦 一志 東京都新宿区西新宿6−5−1 新宿アイ ランドタワー20F 株式会社エイ・エル・ エイ内 (72)発明者 藤本 康雄 東京都練馬区大泉学園町8−32−8 Fターム(参考) 4B018 MD58 ME03 MF01 MF13 4C086 AA01 AA02 BA08 CB05 EA05 MA03 MA04 NA14 ZC20 ZC35 4C088 AB59 AC04 AD17 AD22 BA08 BA13 BA14 BA33 CA08 CA10 CA25 MA70 ZC20 ZC35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆発酵産物を主成分とし、アルドース
    還元酵素阻害作用、タンパク質非酵素的糖化抑制作用及
    びアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する糖尿病合
    併症を予防する組成物。
  2. 【請求項2】 上記大豆発酵産物は、イソフラボノイド
    類を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 上記イソフラボノイド類が下記式(I)
    で表され、式中、側鎖R4’、R5、及びR7が水素、水
    酸基、アルコキシル基(RO-基、Rは炭素数1〜10のア
    ルキル基)又はグリコキシル基であることを特徴とする
    請求項1記載の組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 上記イソフラボノイド類がダイゼイン及
    び/又はビオカニンAであることを特徴とする請求項3記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 上記大豆発酵産物は、超臨界流体による
    抽出物又は有機溶媒若しくは水との混合物による抽出物
    であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 上記大豆発酵産物は、大豆を発酵させて
    なる培養物を、超臨界流体により抽出した抽出物又は有
    機溶媒若しくは水との混合物により抽出した抽出物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 上記大豆発酵産物は、3-O-[α-L-アラビ
    ノピラノシル-(1→6)-β-D-グルコピラノシル]オクト-1
    -エン-3-オールを含むことを特徴とする請求項1記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 上記大豆発酵産物は、1-メチル-2,3,4,9
    -テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-3-カルボン酸を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項記載の組成物
    を含む食品。
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