JP2003300268A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2003300268A
JP2003300268A JP2002106555A JP2002106555A JP2003300268A JP 2003300268 A JP2003300268 A JP 2003300268A JP 2002106555 A JP2002106555 A JP 2002106555A JP 2002106555 A JP2002106555 A JP 2002106555A JP 2003300268 A JP2003300268 A JP 2003300268A
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layer
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Yoshio Matsumura
喜雄 松村
Hironobu Shinohara
弘信 篠原
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HS PLANNING KK
JSR Corp
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    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/111Anti-reflection coatings using layers comprising organic materials

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、帯電防止性に優れ、反射率が低
く、反射防止膜に有用な積層フィルムを得る。 【解決手段】 透明樹脂フィルムの少なくとも一方の表
面に(A)透明樹脂フィルムの屈折率よりも高い屈折率
を有する光学的に透明な化合物からなる層を設け、さら
にその上に(B)透明性および導電性を有する化合物か
らなる層を設けた積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
する。さらに詳しくは、反射防止機能と帯電防止機能を
併せ持つ積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、透明樹脂フィルムに反射防止
層を設けた反射防止フィルムが広く電子機器分野などに
おいて使用されている。例えば、ポリエステルフィルム
やポリカーボネートフィルムなどに複数の無機酸化物層
をスパッタや蒸着などにより設けたり、フッ素含有化合
物をコーティングして反射防止層を設けた透明フィルム
が、ブラウン管や液晶パネルなどの表示機器などに使用
され、画像をより見やすくすることに貢献している。し
かしながら、従来の反射防止層は、実質的に導電性を有
さないため帯電しやすく、埃などが静電吸着して汚れや
すい問題がある。このため、ベースフィルムに帯電防止
剤を配合したり、反射防止フィルムにさらに透明導電層
を設けたりして帯電を防止する施策が施されることが多
い。しかしながら、係る施策を施すと、例えば、帯電防
止剤の配合の場合は、ベースフィルムの透明性低下や着
色など光学特性の低下が発生したり、配合した帯電防止
剤のブリードによる表面のベタツキが発生したり、ある
いは、耐熱性や耐久性の低下が発生したりする場合があ
る。また、透明導電層を設ける場合は、透明導電層に起
因して透明性低下や着色などの光学特性の低下が発生し
たり、加工コストが大幅にアップする場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点を解決すべく鋭意検討を進めた結果、透明樹脂から
なる透明ベースフィルムの少なくとも一方の表面に、
(A)ベースフィルムの屈折率よりも高い屈折率を有す
る光学的に透明な化合物からなる層(以下、「(A)
層」ともいう)を設け、次いで(A)層の上に(B)透
明性および導電性を有し、かつ、好ましくは(A)層の
化合物の屈折率よりも低い屈折率を有する化合物からな
る層(以下、「(B)層」ともいう)を積層すること
で、上記問題点を解決できることを見出し本発明の完成
に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明樹脂フィ
ルムの少なくとも一方の表面に(A)透明樹脂フィルム
の屈折率よりも高い屈折率を有する光学的に透明な化合
物からなる層を設け、さらにその上に(B)透明性およ
び導電性を有する化合物からなる層を設けたことを特徴
とする積層フィルムに関する。ここで、フィルム表面に
積層される(A)層を構成する化合物の屈折率は、その
上に積層される(B)層を構成する化合物の屈折率より
も高いことが好ましい。さらに、(B)層を構成する化
合物としては、導電性高分子化合物が好ましい。さら
に、本発明の積層フィルムの基材となる透明樹脂フィル
ムは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含むものが好まし
い。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の積層フィルムにおいて、基材層を構成
する透明樹脂フィルムにおける「フィルム」とは、ロー
ル状もしくは枚葉何れでもよく、その厚みは、通常、
0.1μm〜10,000μm、好ましくは1μm〜
5,000μm、さらに好ましくは、10μm〜3,0
00μmの板状の成形品を表し、その表面にドットやプ
リズムなどの形状を有していてもよい。その製造方法に
ついても特に限定はなく、射出成形法、押出成形法ある
いは溶剤流延法など公知の方法により成形されたものが
使用できる。また、本発明において、「屈折率」とは、
特段の断りのない限り、JIS K7105に準拠し、
アッベ屈折計を用いて23℃で測定した値を意味する。
【0006】本発明のフィルムの素材としては、透明樹
脂であれば使用可能であるが、成形性を考慮すると熱可
塑性樹脂であることが好ましい。具体的には、アクリル
樹脂、アセチルアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノルボルネ
ン系樹脂などが挙げられる。さらに、これらのうちで
も、耐熱性、耐水(湿)性および光学特性のバランスが
優れている点で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が好まし
い。係る熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、例え
ば、下記一般式(1)〜(4)で表される構造単位を含
む樹脂が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】上記一般式(1)〜(4)中、R1〜R
4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜30の炭化水素基、または酸素原子、窒素原子、
硫黄原子、リン原子およびケイ素原子から選ばれた少な
くとも1種の原子を含む1価の有機基である。mは0〜
3の整数を表す。さらに、Xは、−C−C−もしくは−
C=C−を示す。
【0012】本発明で使用される上記一般式(1)〜(4)
で表される構造単位を含む熱可塑性ノルボルネン系樹脂
しては、例えば、下記〜に示す重合体を挙げること
ができる。 上記一般式(1)〜(4)の構造単位に対応するノルボル
ネン系単量体(以下、「特定単量体」という。)の付加
重合体または開環重合体 特定単量体と共重合性単量体との付加共重合体または
開環共重合体 上記開環(共)重合体の水素添加重合体 上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応によ
り環化した後、水素添加した(共)重合体 特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重
合体
【0013】<特定単量体>好ましい特定単量体として
は、上記一般式(1)〜(4)中、R1およびR3が水素原
子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およ
びR4が水素原子または一価の有機基であって、R2およ
びR4の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以
外の極性基を示し、mが0〜3の整数(さらに好ましく
はmが0〜2、特に好ましくはmが0または1)である
ものを挙げることができる。また、上記極性基として
は、例えば、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜15
の、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボ
ニル基もしくはアリロキシカルボニル基、シアノ基、ア
ミノ基、アミド基、イミド環含有基、シリル基、およ
び、ハロゲン原子、アルコキシ基またはアシルオキシ基
で一部もしくは全て置換されたシリル基などが挙げられ
る。
【0014】これらの中で、特に、式−(CH2nCO
OR5で表される炭素数1〜15のアルコキシカルボニ
ル基またはアリロキシカルボニル基の誘導体基を有する
特定単量体は、得られる熱可塑性樹脂組成物が高いガラ
ス転移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で好まし
い。上記アルコキシカルボニル基またはアリロキシカル
ボニル基の誘導体基にかかる式において、R5は炭素原
子数1〜12の炭化水素基、好ましくはアルキル基であ
る。また、nは通常0〜5であるが、nの値が小さいも
のほど、得られるノルボルネン系樹脂のガラス転移温度
が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量
体は、その合成が容易である点で好ましい。
【0015】上記特定単量体の具体例としては、次のよ
うな化合物が挙げられる。ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−8
−デセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.
3,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシ
クロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペ
ンタデセン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−
ウンデセン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン5−メトキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシ
カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5
7,10〕−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセン、8−
メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8
−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−ブトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−メトキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−
3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデ
セン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12, 5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12, 5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13
−3−ヘキサデセン、ヘプタシクロ[8.7.0.1
3,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイ
コセン、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18
13,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、5
−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、5−フェニルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フェニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−トリフルオロメチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンタフルオロエチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジ
フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(トリ
フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフ
ルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラフルオ
ロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,
6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジフルオロ
−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5,
6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−5
−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−
6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ−5−
ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロ
メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5,6−ジクロロ−5,6−ビ
ス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフ
ルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプ
ロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8
−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロメチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリフルオロメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8,
9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17 ,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフ
ルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、8,8,9−トリス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12, 5.17,10]−3
−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオロテトラシ
クロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオ
ロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8,9
−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9−ト
リフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプ
ロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフルオロエ
チル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロ
ピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロ−
8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロ−
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエト
キシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、ジシクロペンタジエン、など
を挙げることができる。
【0016】さらに、シリル基含有単量体としては、5
−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−ジメト
キシクロロシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシク
ロロメチルシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシヒ
ドリドメチルシリル−2−ノルボルネン、5−ジメトキ
シヒドリドシリル−2−ノルボルネン、5−メトキシジ
メチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシ
リル−2−ノルボルネン、5−ジエトキシクロロシリル
−2−ノルボルネン、5−エトキシクロロメチルシリル
−2−ノルボルネン、5−ジエトキシヒドリドシリル−
2−ノルボルネン、5−エトキシジメチルシリル−2−
ノルボルネン、5−エトキシジエチルシリル−2−ノル
ボルネン、5−プロポキシジメチルシリル−2−ノルボ
ルネン、5−トリフェノキシシリル−2−ノルボルネ
ン、5−ジフェノキシメチルシリル−2−ノルボルネ
ン、5−トリメトキシシリルメチル−2−ノルボルネ
ン、5−(2−トリメトキシシリル)エチル−2−ノル
ボルネン、5−(2−ジメトキシクロロシリル)エチル
−2−ノルボルネン、5−(1−トリメトキシシリル)
エチル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシ
リル)プロピル−2−ノルボルネン、5−(1−トリメ
トキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、5−トリ
エトキシシリルエチル−2−ノルボルネン、5−ジメト
キシメチルシリルメチル−2−ノルボルネン、5−トリ
メトキシプロピルシリル−2−ノルボルネン、5−ノル
ボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピ
ル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシ
リルプロピル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメ
トキシメチルシリルプロピル、2−メチル−5−ノルボ
ルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメト
キシメチルプロピル、2−メチル−5−ノルボルネン−
2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、などが挙
げられる。
【0017】これらの特定単量体のうち、8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5.17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラ
シクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセ
ン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.1
7,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.1
2 ,5.19,12.08,13〕−3−ペンタデセンは、これを
重合させて得られるノルボルネン系樹脂が高いガラス転
移温度と低い吸湿性を有するものとなる点で好ましく、
特に、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシク
ロ〔4.4.0.1 2,5.17,10〕−3−ドデセンが好
ましい。上記の特定単量体は、必ずしも単独で用いる必
要はなく、2種以上を用いて共重合反応を行うこともで
きる。
【0018】<共重合性単量体>本発明に用いられるノ
ルボルネン系樹脂を得るための重合工程においては、上
記の特定単量体を単独で重合させてもよいが、当該特定
単量体と共重合性単量体とを共重合させてもよい。この
場合に使用される共重合性単量体の具体例としては、例
えばエチレン、プロピレン、ブテンなど炭素数2〜1
2、好ましくは2〜8のオレフィン系化合物シクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙
げることができる。シクロオレフィンの炭素数として
は、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12で
ある。さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共
重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二
重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に
特定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場合
に得られる開環重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大き
い樹脂の原料として有用である。
【0019】<開環重合触媒>本発明において、開環重
合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタ
セシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から
選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表
IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素
(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、
Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alな
ど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIV
B族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であ
って、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当
該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも
1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触
媒の活性を高めるために、後述の添加剤が添加されたも
のであってもよい。
【0020】<付加重合触媒>付加重合触媒としては、
通常、周期律表8族のNi、Pd、Coなどのカチオン
錯体またはカチオン錯体を形成する触媒が用いられる。
【0021】<飽和共重合体を得る際に使用する触媒>
特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との共重合反応
に使用される触媒としては、バナジウム化合物と有機ア
ルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。バナジ
ウム化合物としては、一般式VO(OR)aXbまたは
V(OR)cXd(ただし、Rは炭化水素基、0≦a≦
3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0
≦d≦4、3≦(c+d)≦4)で表されるバナジウム
化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物が用いられ
る。電子供与体としては、アルコール、フェノール類、
ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸
のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキ
シシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミ
ン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体
などが挙げられる。有機アルミニウム化合物触媒成分と
しては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合ある
いはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた
少なくとも1種が用いられる。触媒成分の比率は、バナ
ジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)
で2以上、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜2
0の範囲である。
【0022】<分子量調節剤>重合体の分子量の調節
は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行う
ことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反
応系に共存させることにより調節することが好ましい。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレ
ン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
センなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げるこ
とができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが
特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるい
は2種以上を混合して用いることができる。分子量調節
剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量
体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは
0.02〜0.5モルとされる。
【0023】<重合反応用溶媒>重合反応において用い
られる溶媒(特定単量体、メタセシス触媒および分子量
調節剤を溶解する溶媒)としては、例えばペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのア
ルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオ
クタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン
類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘ
キサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレ
ンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラ
クロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;ハロゲン化
芳香族化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸is
o−ブチル、プロピオン酸メチルなどの飽和カルボン酸
エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることがで
き、これらは単独であるいは混合して用いることができ
る。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の
使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、
通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは
1:1〜5:1となる量とされる。本発明で用いられる
環状オレフィン系重合体の分子量は、固有粘度[η]で
0.2〜5の範囲のものが好適である
【0024】<水素添加触媒>以上のようにして得られ
る(共)重合体は、そのまま本発明のノルボルネン系樹
脂として使用することもできるが、分子中にオレフィン
性不飽和結合が存在する場合は、それらが水素添加され
た水素添加(共)重合体を本発明のノルボルネン系樹脂
として使用することが好ましい。水素添加反応は、通常
の方法、すなわち、(共)重合体の溶液に水素添加触媒
を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜2
00気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜
180℃で作用させることによって行われる。水素添加
触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反
応に用いられるものを使用することができる。この水素
添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が公
知である。不均一系触媒としては、パラジウム、白金、
ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質
を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体
に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均
一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルア
ルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチ
ルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチ
ウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモ
ノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルト
リス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ
カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも
粒状でもよい。これらの水素添加触媒は、「(共)重合
体:水素添加触媒(重量比)」が、1:1×10-6
1:2となる割合で使用されるのが好ましい。このよう
に、水素添加することにより得られる水素添加(共)重
合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工
時や製品としての使用時の加熱によってはその特性が劣
化することはない。ここに、水素添加率は、通常、50
%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%
以上、特に好ましくは95%以上、就中98%以上であ
る。
【0025】本発明で用いられる熱可塑性ノルボルネン
系樹脂の30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度
[η]は、0.2〜5dl/gであることが好ましい。
さらに好ましくは、0.4〜4dl/gであり、5dl
/gを超えると、溶液粘度が高くなりすぎ、加工性が低
下し、0.2dl/g未満であると成形品強度に問題が
生じることがある。また、本発明に用いられるノルボル
ネン系樹脂の分子量としては、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン
換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜1,00
0,000、重量平均分子量(Mw)が10,000〜
3,000,000が好ましく、さらに数平均分子量
(Mn)が8,000〜700,000、重量平均分子
量(Mw)が20,000〜1,000,000の範囲
のものが好適である。
【0026】本発明に使用される上記熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂は、上記のような開環(共)重合体、水素添
加(共)重合体、飽和共重合体、または付加型(共)重
合体およびその水素添加(共)重合体より構成される
が、これに公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加
してさらに安定化することができる。また、加工性を向
上させるために、滑剤などの従来の樹脂加工において用
いられる添加剤を添加することもできる。
【0027】本発明において、上記熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂からなるシート(フィルム)の形成方法として
は、該ノルボルネン系樹脂を溶液流延法または溶融成形
法によりシートとし、これを延伸、表面プレス、ダイス
に通すなどして、均一の厚みの樹脂フィルムを得る方法
が挙げられる。溶液流延法の溶媒としては、トルエンな
ど、上記重合反応用溶媒として挙げられた溶媒を適宜使
用できる。溶融成形法としては、T型ダイから押出成形
する方法や、インフレーション法などの方法が用いられ
る。溶融成形法の場合、溶融温度は、好ましくは200
〜350℃、さらに好ましくは250〜330℃、特に
好ましくは280〜320℃である。なお、本発明にお
いて、反射防止膜を形成する前に、アンカーコート剤の
コーティングや、ケミカルエッチング処理、コロナ処
理、プラズマ処理などの前処理を、あらかじめシート材
に対し行ってもよい。
【0028】次に、本発明の(A)層に使用される化合
物としては、光学的に透明でありかつベースフィルムの
屈折率よりも高い屈折率を有する化合物であれば特に限
定されるものではないが、ベースフィルムとの密着性や
耐熱性などを考慮して選択する必要がある。なお、ここ
で「光学的に透明」の意味は、使用する膜厚における全
光線透過率(JIS K7105 測定法Aに準拠して
測定)が、通常、50%以上、好ましくは70%以上、
さらに好ましくは80%以上であることを意味する。係
る化合物としては、一般的には、アクリル系、アクリル
ウレタン系、エポキシ系などの透明な有機系コーティン
グ材が使用される。これら有機系コーテイング材は、溶
剤乾燥型、熱硬化型、紫外線などの活性エネルギー線硬
化型など各種市販されているが、本発明の要件に合致す
るものであればいずれも使用可能である。また、Al、
Si、Tiなどの透明な金属酸化物やITOなどの無機
化合物も(A)層として使用することができる場合があ
る。
【0029】ベースフィルムに(A)層を形成する方法
としては、例えば、有機系のコーテイング材の場合であ
れば、ディプ法、印刷法、スピンコート法、コーターを
使用した方法などの公知の方法が挙げられる。また、金
属酸化物を使用する場合は、蒸着法やスパッタ法などの
公知の方法が挙げられる。なお、ベースフィルムに
(A)層を形成するにあたり、ベースフィルムと(A)
層との密着性を向上させるためにプラズマ処理や酸処理
などの公知の表面処理をベースフイルムに施してもよ
い。また、プライマー材をコートしてもよい。ただし、
プライマー材を使用する場合は、プライマー材の屈折率
が(A)層の化合物の屈折率よりも低い必要がある。
(A)層の厚みとしては、通常、0.01μm〜1μ
m、好ましくは0.03μm〜0.3μm、さらに好ま
しくは0.05μm〜0.15μmである。0.01μ
mより薄い場合、あるいは1μmより厚い場合には反射
防止機能が不十分になる場合がある。また、反射防止機
能を最大限発揮させるためには、後述する(B)層の厚
みを考慮する必要がある。
【0030】なお、本発明において、有機系コーティン
グ材を用いて(A)層を形成する方法としては、例え
ば、有機化合物を有機溶媒に溶解し、その溶液をバーコ
ーターなどを用いてキャスト法などにより、上記シート
材上に塗布し、乾燥および/または硬化させる方法が挙
げられる。硬化を加熱により行う場合、加熱条件として
は、加熱温度は好ましくは80〜165℃、さらに好ま
しくは100〜150℃、加熱時間は好ましくは10分
〜3時間、さらに好ましくは30分〜2時間である。硬
化を紫外線などの活性エネルギー線を照射して行う場
合、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うことが好まし
い。照射エネルギーは、使用するエネルギー線の種類に
より適宜選択されるが、例えば紫外線の場合、通常、5
0mJ/cm2〜10J/cm2、好ましくは100mJ
/cm2〜5J/cm2、さらに好ましくは300mJ/
cm2〜3J/cm2とされる。
【0031】次に、本発明の(B)層に使用される化合
物としては、光学的に透明でありかつ導電性を有する高
分子化合物が好ましい。なお、ここで「光学的に透明」
の意味は、使用する膜厚における全光線透過率(JIS
K7105 測定法Aに準拠して測定)が、通常、5
0%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは8
0%以上であることを意味する。また、「導電性」と
は、室温での導電率が通常1×10-12Ω-1・cm-1
上、好ましくは1×10-10Ω-1・cm-1以上であるこ
とを意味する。係る化合物としては、具体的には、ポリ
アニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラ
ン、ポリセレノフェンおよびこれらの化合物の構造単位
に置換基が結合した置換誘導体などが挙げられる。
【0032】なお、本発明において、フィルム表面に積
層される(A)層を構成する化合物の屈折率は、その上
に積層される(B)層を構成する化合物の屈折率より高
いことが好ましい。このようにすると、反射防止効果が
より高まるという効果が得られる。
【0033】(A)層の上に(B)層を形成する方法と
しては、例えば、上記(B)層に使用される化合物を溶
剤に溶解もしくは分散させ、しかる後、ディプ法、印刷
法、スピンコート法、コーターを使用した方法などの公
知の方法でコーティングする方法やCVD法、気相重合
法などが挙げられる。また、透明性および導電性を有す
る化合物からなるフィルムをラミネートすることでも
(B)層を形成することが可能である。(B)層の厚み
としては、通常、0.01μm〜1μm、好ましくは
0.03μm〜0.3μm、さらに好ましくは0.05
μm〜0.15μmである。0.01μmより薄い場合
には反射防止機能あるいは帯電防止性が不十分な場合が
あり、一方、1μmより厚い場合には透明性の確保が困
難になる場合がある。なお、本発明において反射防止機
能を最大限に発揮するためには、(A)層と(B)層の
トータルの厚みを制御することが望ましく、通常、
(A)層と(B)層の厚みの合計が0.03μm〜1.
5μm、好ましくは0.05μm〜0.5μm、さらに
好ましくは0.08μm〜0.25μmである。
【0034】また、本発明の積層フィルムは、透明であ
る。ここで、透明性は、反射防止膜としたときに、その
全光線透過率を多光源分光測色計を用いて測定した値で
ある。この全光線透過率は、90%以上が好ましく、さ
らに好ましくは91%以上、特に好ましくは92%以
上、最も好ましくは94%以上である。
【0035】本発明の積層フィルムは、透明性、帯電防
止性に優れ、反射率が低く、例えば、各種表示装置の視
認性向上のための反射防止フィルムとして好適に使用す
ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限
定されるものではない。なお、実施例中の部および%
は、特に断らない限り重量部および重量%である。ま
た、実施例中の各種の測定は、次のとおりである。
【0037】数平均分子量(Mn) 東ソー(株)製、HLC−8020型、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)装置で、東ソー
(株)製、Hタイプカラムを用い、テトラヒドロフラン
(THF)を溶媒として、40℃で測定した。得られた
分子量は、標準ポリスチレン換算値である。水素添加率 水素添加単独重合体の場合には、60MHz、H−N
MRを測定し、エステル基のメチル水素とオレフィン系
水素のそれぞれの吸収強度の比、またはパラフィン系水
素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比から水
素化率を測定した。また、水素添加共重合体の場合に
は、重合後の共重合体のH−NMR吸収と水素化後の
水素添加共重合体のそれを比較して算出した。ガラス転移温度(Tg) セイコーインスツルメント(株)製走査熱量計(DS
C)DSC−6200により、チッ素雰囲気下におい
て、10℃/分の昇温速度で測定した。フィルムの厚み ダイヤル式厚みゲージにより測定した。
【0038】全光線透過率 JIS K 7105(測定法A)に準拠して測定し
た。反射率の測定 積分球付分光光度計(日立U3410型)を使用し、5
50nmの光線波長で測定した。帯電防止性 乾燥したフェルト布を使用し、1kg加重で15回10
cm角のフィルム表面(積層面)を満遍なく擦った。次
いで、乾燥したタルク粉(200メッシュ通過品)をフ
ェルト布で擦ったフィルム表面に満遍なく散布した。そ
の後、タルク粉を散布した面から30cm離れたところ
からヘアードライヤーを用いて冷風(ヒーターを切った
状態)を5分間あて、タルク粉の残存状況を目視にて評
価した。なお、本評価は全て23℃、相対湿度15%の
環境で実施した。評価基準を以下に示す。 ○:フィルムの透明性に変化が認められない。 △:フィルムにやや濁りが認められるが、フィルムを通
して反対側を視認することは可能。 ×:タルク粉が付着したままでありフィルムの透明性が
著しく低下し、フィルムを通して反対側を視認すること
が困難。
【0039】合成例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17 ,10]−3−ドデセン100
g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサン
240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミニ
ウムクロライド0.96モル/リットルのトルエン溶液
3.4mlを、内容積1リットルの窒素置換したオート
クレーブに入れた。一方、別のフラスコに六塩化タング
ステンの0.05モル/リットルの1,2−ジメトキシ
エタン溶液20mlとパラアルデヒドの0.1モル/リ
ットルの1,2−ジメトキシエタン溶液10mlを窒素
雰囲気下で混合した。この混合溶液4.9mlを、上記
オートクレーブの中の混合物に添加した。次いで、オー
トクレーブ中の温度が80℃になるように加熱し、4時
間撹拌してメタセシス開環重合反応を行なった。得られ
た重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシクロヘ
キサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重合体/
溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタノール
アミン20gを加えて室温で10分間撹拌した。この溶
液に、さらにメタノール500gを加えて30分間撹拌
して静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノ
ール500gを加えて撹拌、静置して上層を除いた。同
様の操作をさらに2回行い、得られた下層をシクロヘキ
サン、1,2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体
濃度が10%のシクロヘキサン/1,2−ジメトキシエ
タン溶液を得た。この溶液に20gのパラジウム/シリ
カマグネシア(日揮化学株式会社製、パラジウム量=5
%)を水素添加触媒として加えて、オートクレーブ中で
水素圧40kg/cm2として165℃で4時間反応さ
せた後、水素添加触媒をろ過して取り除き、水添重合体
溶液を得た。得られた水添重合体溶液に、酸化防止剤と
してペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]を、水添重合体に対して0.1%加えてから、3
60℃で減圧下に脱溶媒を行った。次いで、窒素雰囲気
下、溶融押出機を用いて水添重合体をペレット化した。
このようにして得られた水添重合体を「樹脂A」とす
る。樹脂Aの、ポリスチレン換算重量平均分子量は7.
0×104、400MHzの1H−NMRで測定された水
素添加率は実質的に100%、また、DSCにより測定
されたガラス転移温度は168℃であった。
【0040】合成例2 5−エチリデン−2−テトラシクロドデセンを、合成例
1と同様にしてメタセシス開環重合した後、水素添加
し、ペレット化して「樹脂B」を得た。樹脂Bの、ポリ
スチレン換算重量平均分子量は5.5×104、400
MHzの1H−NMRで測定された水素添加率は実質的
に100%、また、DSCにより測定されたガラス転移
温度は140℃であった。
【0041】合成例3 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン75g、5−
ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン3
6g、トルエン555g、1−ヘキセン2.0ミリモル
を2リットルのオートクレーブに窒素下で仕込んだ。ト
リエチルアルミニウム2.0ミリモル、三フッ化ホウ素
エチルエーテラート1.8ミリモル、予め、ヘキサン溶
液のオクタン酸Niを六フッ化アンチモン酸を−10℃
でモル比1:1で反応させ、副生する沈殿したNi(S
bF62を除去し、トルエン溶液で希釈したオクタン酸
Niの六フッ化アンチモン酸変性体をNi原子として
0.20ミリモルの順に触媒成分を仕込み、30℃で3
時間撹拌して付加重合反応を行った。その後、メタノー
ルで重合反応を停止した。得られた重合体溶液にトルエ
ン500mlを添加し、水660ml、乳酸47.5ミ
リモルを加えて、攪拌、混合して、触媒成分と反応さ
せ、共重合体溶液と水を静置分離した。触媒成分の反応
物を含む水相を除去した重合体溶液を4リットルのイソ
プロパノールに入れて重合体を凝固し、未反応単量体と
残る触媒残さを除去した。凝固した重合体を乾燥し、
「樹脂C」を得た。樹脂Cのポリスチレン換算の数平均
分子量は12.5×104、また、DSCにより測定さ
れたガラス転移温度は316℃であった。
【0042】実施例1 樹脂Aをメチレンクロライドに溶解し、濃度30%の溶
液を得た。次いで、この溶液を鏡面のガラス板に塗工
し、常圧下40℃で8時間、次いで常圧下120℃で8
時間、最後にガラスから剥がして120℃の真空乾燥機
中で8時間乾燥し、残留溶媒量が0.5%以下の厚み1
00μmのフィルムAを得た。フィルムAの全光線透過
率は94%であり、屈折率は1.51であった。得られ
たフィルムAの一方の表面に、JSR株式会社製「オプ
スター JN7102」をスピンコート法で硬化膜厚が
0.12μmとなるように塗布・硬化した。硬化は、1
20℃、10分の加熱で行った。なお、「オプスター
JN7102」の硬化物の屈折率は1.68であった。
次いで、「オプスター JN7102」の硬化皮膜の上
に、ポリ(3−オクチルチオフェン)のクロロホルム溶
液(0.05mmol/リットル)をスピンコート法で
塗布し、乾燥膜厚0.09μmの皮膜を形成した。得ら
れた積層フィルムをフィルムA−1とする。
【0043】実施例2 樹脂Bをシクロヘキサンに溶解し、濃度30%の溶液を
得た。次いで、この溶液を鏡面のガラス板に塗工し、常
圧下50℃で8時間、次いで常圧下120℃で8時間、
最後にガラスから剥がして120℃の真空乾燥機中で8
時間乾燥し、残留溶媒量が0.5%以下の厚み100μ
mのフィルムBを得た。フィルムBの全光線透過率は9
4%であり、屈折率は1.52であった。得られたフィ
ルムBを用いて、実施例1と同様にして積層フィルムを
得た。得られた積層フィルムをフィルムB−1とする。
【0044】実施例3 樹脂Cをトルエンに溶解し、濃度30%の溶液を得た。
次いで、この溶液を鏡面のガラス板に塗工し、常圧下6
0℃で8時間、次いで常圧下150℃で8時間、最後に
ガラスから剥がして150℃の真空乾燥機中で8時間乾
燥し、残留溶媒量が0.5%以下の厚み100μmのフ
ィルムCを得た。フィルムCの全光線透過率は94%で
あり、屈折率は1.52であった。得られたフィルムC
を用いて、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムをフィルムC−1とする。
【0045】比較例1 フィルムAの一方の表面に、実施例1と同様にして「オ
プスター JN7102」の硬化皮膜を形成した。次い
で、「オプスター JN7102」の硬化皮膜の上に、
JSR株式会社製「オプスター JN7215」をスピ
ンコート法で硬化膜厚が0.09μmとなるように塗布
・硬化した。硬化は、120℃、60分の加熱で行っ
た。なお、「オプスター JN7215」の硬化物の屈
折率は1.41であった。得られた積層フィルムをフィ
ルムA−2とする。
【0046】比較例2 フィルムAの一方の表面に、ポリ(3−オクチルチオフ
ェン)のクロロホルム溶液(0.05mmol/リット
ル)をスピンコート法で塗布し、乾燥膜厚0.09μm
の皮膜を形成した。得られた積層フィルムをフィルムA
−3とする。
【0047】フィルムA−1〜A−3、B−1およびC
−1について反射率の測定と帯電防止性の評価を実施し
た。結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の積層フィルムは、透明性、帯電
防止性に優れ、反射率が低く、例えば、各種表示装置の
視認性向上のための反射防止フィルムとして好適に使用
することができる。
フロントページの続き (72)発明者 篠原 弘信 東京都町田市高ヶ坂810番地1 Fターム(参考) 2K009 AA02 BB14 CC21 DD02 EE03 4F100 AK01C AK02A AR00A AR00B AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C BA25 GB48 GB90 JA07 JB16A JG01C JG03 JN01A JN01B JN01C JN06 JN08 JN18A JN18B 5G435 AA01 GG32 HH02 HH03 HH12 HH20 KK07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂フィルムの少なくとも一方の表
    面に(A)透明樹脂フィルムの屈折率よりも高い屈折率
    を有する光学的に透明な化合物からなる層を設け、さら
    にその上に(B)透明性および導電性を有する化合物か
    らなる層を設けたことを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム表面に積層される(A)層を構
    成する化合物の屈折率がその上に積層される(B)層を
    構成する化合物の屈折率よりも高い請求項1に記載の積
    層フィルム。
  3. 【請求項3】 (B)層を構成する化合物が導電性高分
    子化合物である請求項1または2記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 透明樹脂フィルムが熱可塑性ノルボルネ
    ン系樹脂を含むものである請求項1〜3いずれか1項に
    記載の積層フィルム。
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