JP2003300007A - レンズコーティング膜の剥離方法、レンズコーティング膜の剥離装置、およびレンズ - Google Patents
レンズコーティング膜の剥離方法、レンズコーティング膜の剥離装置、およびレンズInfo
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Abstract
法、剥離装置、およびレンズコーティング膜が剥離され
たレンズを提供すること。 【構成】 レンズコーティング膜を有する有機高分子の
レンズLを、オゾン水溶液などの水とオゾンを主成分と
する、好ましくさらにラジカルスカベンジャーを含む剥
離剤で処理する剥離方法。オゾン発生装置2、被処理レ
ンズLを上記の剥離剤で処理するコーティング膜剥離槽
3、当該剥離槽3に上記剥離剤を供給する剥離剤供給装
置4を備えた剥離装置。上記の剥離方法あるいは剥離装
置で得られてレンズコーティング膜の剥離されたレンズ
(基体レンズ)。
Description
用などの各種のプラスチックレンズについての、レンズ
コーティング膜の剥離方法、レンズコーティング膜の剥
離装置、および上記剥離方法または上記剥離装置を用い
てレンズコーティング膜が剥離されたレンズに関するも
のである。
比べて、軽い、割れにくい、染色し易い、などの長所を
有するので、眼鏡用、写真カメラ用、ビデオカメラ用な
どの用途に多用されている。しかしプラスチックレンズ
は、かかる長所を有する反面、傷が付き易く耐熱性に劣
るので、その表面に様々なコーティング膜、例えばプラ
イマー膜、擦傷に対する保護膜などが施される。以下に
おいて、かかるコーティング膜が施される前の、言わば
裸のレンズを基体レンズと称する。
ンズの製造においては、当該膜のコーティング不良によ
る歩留まり低下の問題があり、またコーティング不良の
レンズを再利用する要求もある。特にコーティング不良
レンズの再利用は、レンズ製造コストの削減や資源の再
利用の面から近時においては一層重要となっている。
はコーティング膜の除去が必要であって、従来は、コー
ティング膜を物理的に剥離または剥ぎ取る方法、あるい
は水酸化ナトリウム水溶液などの強アルカリ性液に浸漬
して当該膜を化学的に分解除去する方法などに限られて
いた。しかし上記の物理的方法や化学的分解除去方法
は、概して除去に長時間を要したり除去が不十分となる
問題があり、化学的分解除去方法では、さらに処理条件
や基体レンズを形成する材料の種類によっては強アルカ
リ性液により基体レンズ表面が侵食されて表面荒れを惹
起する問題などもある。
は、強アルカリ性液を用いながら基体レンズ表面の侵食
や表面荒れを低減したコーティング膜の除去技術が開示
されているが、その技術は未だコーティング膜の剥離作
用が必ずしも満足のいくものではなく、しかも強アルカ
リ性液を用いる限り、それの廃液処理の問題を回避する
ことはできず、近年における環境負荷の低減が求めら
れ、環境規制の強化されるなかにあっては廃液処理に要
するコストが大きくなる問題もある。
本発明者らの研究から、上記のコーティング膜は、水の
存在下でオゾンと接触すると、強アルカリ性液で処理す
る場合よりも容易に剥離することが判明した。
おける如上の現況に鑑み、また上記の新知見に基づいて
開発されたものであって、コーティング膜を良好に剥離
可能であって、しかも廃液処理が容易なレンズコーティ
ング膜の剥離方法、レンズコーティング膜の剥離装置、
および上記剥離方法または上記剥離装置を用いて得られ
るレンズ(基体レンズ)を提供することを課題とするも
のである。
レンズコーティング膜の剥離方法は、レンズコーティン
グ膜を有するレンズを水とオゾンを主成分とする剥離剤
で処理して上記レンズコーティング膜を剥離することを
特徴とするものである。
グ膜の剥離方法は、請求項1において、上記レンズは、
有機高分子から形成されたものであることを特徴とする
ものである。
グ膜の剥離方法は、請求項2において、上記有機高分子
は、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系重
合体、ウレタン系重合体、および分子中に少なくとも2
個のエピチオ基を有するモノマー系重合体から選ばれた
少なくとも一種であることを特徴とするものである。
グ膜の剥離方法は、請求項1において、上記レンズコー
ティング膜は、プライマー膜、有機ケイ素系膜、および
無機酸化物膜から選ばれた少なくとも一種であるである
ことを特徴とするものである。
グ膜の剥離方法は、請求項4において、上記レンズコー
ティング膜は、プライマー膜と当該プライマー膜の上に
設けられた有機ケイ素系膜とから構成されたもの、上記
プライマー膜と当該プライマー膜の上に設けられた無機
酸化物膜とから構成されたもの、または上記プライマー
膜と当該プライマー膜の上に設けられた有機ケイ素系膜
と当該有機ケイ素系膜の上に設けられた無機酸化物膜と
から構成されたものであることを特徴とするものであ
る。
グ膜の剥離方法は、請求項1において、上記剥離剤は、
オゾンと水蒸気の混合体であることを特徴とするもので
ある。
グ膜の剥離方法は、請求項1において、上記剥離剤は、
オゾンを水にバブリングすることにより得られたオゾン
水溶液であることを特徴とするものである。
グ膜の剥離方法は、請求項6または請求項7において、
上記剥離剤は、オゾンとしてオゾン濃度が少なくとも5
0g/Nm3のオゾン含有ガスを用いて得られたもので
あることを特徴とするものである。
グ膜の剥離方法は、請求項1、請求項6〜請求項8のい
ずれか一項において、上記剥離剤は、ラジカルスカベン
ジャーを含むことを特徴とするものである。
ング膜の剥離方法は、請求項1において、上記剥離剤で
処理する前に、レンズコーティング膜を有するレンズを
酸水溶液で前処理することを特徴とするものである。
ング膜の剥離方法は、請求項10において、上記酸水溶
液は、フッ酸水溶液であることを特徴とするものであ
る。
ング膜の剥離装置は、レンズコーティング膜を有するレ
ンズを水とオゾンを主成分とする剥離剤で処理するコー
ティング膜剥離装置、および上記コーティング膜剥離装
置に上記剥離剤を供給する剥離剤供給装置を備えたこと
を特徴とするものである。
ング膜の剥離装置は、請求項12において、上記剥離剤
供給装置は、上記コーティング膜剥離装置に水または水
蒸気を供給する水供給部と上記コーティング膜剥離装置
にオゾンを供給するオゾン供給部とから構成されたこと
を特徴とするものである。
ング膜の剥離装置は、請求項12において、上記剥離剤
供給装置は、上記コーティング膜剥離装置にオゾン水溶
液を供給するオゾン水溶液供給部から構成されたことを
特徴とするものである。
ング膜の剥離装置は、請求項12〜請求項14のいずれ
か一項において、上記剥離剤供給装置は、上記コーティ
ング膜剥離装置にラジカルスカベンジャーを供給するラ
ジカルスカベンジャー供給部を含むことを特徴とするも
のである。
ング膜の剥離装置は、請求項12において、レンズコー
ティング膜を有するレンズを酸水溶液で前処理する前処
理装置を備えたことを特徴とするものである。
項1〜請求項11のいずれか一項記載の剥離方法により
レンズコーティング膜が剥離されたことを特徴とするも
のである。
項12〜請求項16のいずれか一項記載の剥離装置によ
りレンズコーティング膜が剥離されたことを特徴とする
ものである。
は、本発明のレンズコーティング膜の剥離装置について
の実施の形態1を説明するものであって、図1は実施の
形態1の概略ブロック図であり、図2は図1におけるコ
ーティング膜剥離槽の拡大詳細断面図である。
となるレンズコーティング膜(以下、コーティング膜)
を有するレンズL(以下、被処理レンズL)に対する前
処理装置、2は前記したオゾン供給部の一例としてのオ
ゾン発生装置、3は前記したコーティング膜剥離装置の
一例としてのコーティング膜剥離槽、4は水とオゾンを
主成分とする剥離剤をコーティング膜剥離槽3に供給す
る剥離剤供給装置、5は排オゾン水溶液の排水処理塔、
6は被処理レンズLの後処理装置、7は排オゾン処理塔
である。剥離剤供給装置4は、コーティング膜剥離槽3
に水を供給する水供給部の一例としての水道管41、オ
ゾン発生装置2で発生したオゾンをコーティング膜剥離
槽3に供給するガス管42、コーティング膜剥離槽3と
排水処理塔5とを繋ぐ排水管37から分岐して水道管4
1に接続された分岐管43、および分岐管43に設けら
れた送水ポンプ44とから構成されている。
1、剥離槽本体31の天井に設置されたスプレー32、
剥離槽本体31の底面の近くに設置された散気管33、
剥離槽本体31の左右の内壁に固定されたレンズ支持棚
34、剥離槽本体31の天井に設けられた排気口35、
および剥離槽本体31の底面の近くに設けられた排水口
36から構成されており、レンズ支持棚34の上には支
持枠8に支持された複数の被処理レンズLがスプレー3
2の直下の位置に置かれている。レンズ支持棚34およ
び支持枠8は、本発明において用いられる剥離剤が複数
の被処理レンズLの各全面と良好に接触するように、オ
ゾンに対して耐食性の材料、例えばポリエチレン、ポリ
塩化ビニル、SUSなどで形成されたメッシュなどの透
気性および透液性の材料で構成されている。
42で接続されており、剥離槽本体31と排水処理塔5
とは排水口36を介して排水管37で接続されており、
水道管41はスプレー32に接続されており、また剥離
槽本体31と排オゾン処理塔7とは排気口35を介して
接続されている。なお図2では、剥離槽本体31に接続
された上記の各種管路は、一部分を除いて図の簡略化の
ために実線で示す。
その動作を説明する。コーティング膜の剥離対象となる
被処理レンズLは、支持枠8に支持された状態とされ
て、前処理装置1においてフッ酸水溶液などの酸水溶液
で前処理される。この前処理は、本発明においては必須
ではないが、一般的に本発明によるコーティング膜の剥
離を容易にし、特にコーティング膜が後記する有機ケイ
素系膜や無機酸化物膜を含む場合には効果がある。
8に支持された状態のままでコーティング膜剥離槽3に
移されて図2に示すようにレンズ支持棚34の上に設置
され、水がスプレー32から被処理レンズLに向けて霧
状に噴霧され、且つガス管42からオゾン含有ガスが散
気管33に供給される。一方、散気管33からのオゾン
は、剥離槽本体31内に張られた水中でバブリングして
湿潤状態となって、換言すると水蒸気との混合体となっ
て剥離槽本体31内の気相部に充満する。その際、上記
バブリングにより剥離槽本体31内に生じたオゾン水溶
液の一部は、送水ポンプ44の稼動により分岐管43を
経由して水道管41内の水と合流してスプレー32から
噴霧される。
のオゾン濃度が過度に低いと、コーティング膜剥離の作
用が低下して剥離に長時間を要することがあるので、上
記オゾン濃度は少なくとも50g/Nm3(約3重量
%)、特に少なくとも150g/Nm3(約10重量
%)であることが剥離工程の能率上から好ましい。その
場合、剥離槽本体31内での剥離処理の所要時間は、室
温での作業において十数分〜数時間程度である。上記し
たオゾン含有ガスのオゾン濃度や剥離処理の所要時間な
どについては、後続の実施の形態についても該当する。
32からの散布水で濡れた状態で湿潤オゾンと接触する
ので、その表面のコーティング膜は、強アルカリ性液で
処理する場合よりも容易に剥離する。この剥離のメカニ
ズムは、目下のところは定かではないが、水の存在下で
のオゾンによるコーティング膜形成材料に対する化学的
劣化作用によるものと思われる。なお、水中でバブリン
グされた湿潤オゾンだけでも被処理レンズLのコーティ
ング膜を剥離する効果はあるが、被処理レンズLが水、
殊にオゾン水溶液が混入した水で濡れていると、換言す
ると被処理レンズLの表面に水の膜があると、湿潤オゾ
ンによる剥離作用は一層向上してコーティング膜の剥離
がさらに容易となる。
ーティング膜が剥離された基体レンズは、後処理装置6
に移されてそこでリンスや乾燥され、次いで再利用に供
される。剥離処理後において剥離槽本体31内に残留す
るオゾン水溶液は、排水処理塔5に送られ、そこで残留
オゾンが分解されてから屋外に排出される。なお排水処
理塔5に送られる上記のオゾン水溶液には、コーティン
グ膜剥離工程において被処理レンズLから剥離落下した
コーティング膜片が含まれる場合があるが、かかるコー
ティング膜片は後処理装置6に設けられた活性炭にトラ
ップされて活性炭と共に後続のコーティング膜片に対す
る濾過層を形成する。さらに当該濾過層中のコーティン
グ膜片の大部分は、長時間にわたりオゾン水溶液と接触
する間に分解し、未分解の膜片は必要に応じて後処理装
置6を逆洗浄して除去される。一方剥離槽本体31内の
気相部のガスは、排オゾン処理塔7に送られて残留オゾ
ンが分解され、屋外に排出される。実施の形態1では、
オゾン発生装置2から供給されたオゾンは、散気管33
を介して剥離槽本体31に供給されたが、剥離槽本体3
1の気相部に直接供給してもよい。なお送水ポンプ44
は、剥離槽本体31において剥離処理が進行している
間、常時稼動させなくてもよい。
レンズの表面に設けられて剥離の対象とされるコーティ
ング膜とから構成されているが、本発明においては基体
レンズ並びにコーティング膜としては、斯界で従来から
周知あるいは公知のものであってよい。以下ではそれら
のうちで、好ましい例を示す。
レンズと通称されている、有機高分子から形成されたも
のが好ましい。上記有機高分子としては、例えばメチル
メタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと他
のモノマーの少なくとも1種との共重合体などのメチル
メタクリレート系重合体類、ポリアクリル、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート単独重合体、ジエチレングリコールビスアリル
カーボネートとジアリルイソ(テレ)フタレートとベン
ジルメタクリレートとの3元共重合体などのジエチレン
グリコールビスアリルカーボネートと他のモノマーの少
なくとも1種との共重合体などのジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート系重合体類、特開昭63−46
213号公報、特開平2−270859号公報、特開平
3−56525号公報などに開示された硫黄含有ポリウ
レタンあるいはその他のポリウレタンなどのウレタン系
重合体、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプト
プロピオネート)、1,3−ビス(β−エピチオプロピ
ルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオ
プロピルチオ)シクロヘキサン、ビス[4−(β−エピ
チオプロピルチオ)シクロヘキシル]メタン、ビス[4−
(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル]スルフ
ィドなどの分子中に少なくとも2個のエピチオ基を有す
るモノマー系の重合体類、例えばm−キシリレンジイソ
シアネートとペンタエリスリトールテトラキス(メルカ
プトプロピオネート)との重合体、などである。就中、
上記のジエチレングリコールビスアリルカーボネート系
重合体類、ウレタン系重合体、分子中に少なくとも2個
のエピチオ基を有するモノマー系重合体類が好ましい。
特開昭52−11261号公報、特開昭53−1113
36号公報などに開示されたコーティング組成物、後記
するような有機ケイ素化合物あるいはその加水分解物、
あるいはかかる化合物に無機酸化物微粒子を添加したコ
ーティング組成物から形成された有機ケイ素系膜、反射
防止などの目的で設けられる無機酸化物膜などが例示さ
れる。コーティング膜としては、特に、プライマー膜、
プライマー膜と当該プライマー膜の上に設けられた有機
ケイ素系膜とから構成されたもの、上記プライマー膜と
当該プライマー膜の上に設けられた無機酸化物膜とから
構成されたもの、または上記プライマー膜と当該プライ
マー膜の上に設けられた有機ケイ素系膜と当該有機ケイ
素系膜の上に設けられた無機酸化物膜とから構成された
ものが好ましい。
シリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケー
ト、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、
sec−ブチルシリケート、t−ブチルシリケート、4
アセトキシシランなどの4官能有機ケイ素化合物類、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
メチルジメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロ
ポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルト
リフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラ
ン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシ
メチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエ
トキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシ
ラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β
−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポ
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラ
ン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシ
ラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ
−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメ
トキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルト
リメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロ
メチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシ
シラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリエトキシシランなどの3官能有機ケイ素化合物類、
グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシド
キシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシ
エチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチ
ルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメ
チルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチル
ジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノ
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジア
セトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビ
ニルジエトキシシランなどの2官能有機ケイ素化合物類
などである。有機ケイ素系膜は、上記の有機ケイ素化合
物の1種または2種以上を用いて形成される。
酸化物微粒子としては、例えば上記有機ケイ素系膜の屈
折率、耐摩傷性、耐水性などを向上させる目的で用いら
れて、ケイ素、アンチモン、チタン、アルミニウム、ス
ズ、タングステン、ジルコニウム、あるいはその他の元
素の酸化物であって、就中、粒径が1〜300nm程度
の微粒子が例示され、それらは水、有機溶媒あるいはこ
れらの混合溶媒に分散させた分散液やコロイド液の形態
で用いられる。
ケイ素系膜などのレンズ保護膜の基体レンズへの接着力
の向上、耐衝撃性の改善などの目的で、レンズ保護膜と
基体レンズとの間に設けられる周知のものを制限なく対
象としてよい。例えば後記のポリイソシアネートとポリ
オールを原料としてウレタン系の膜を形成するもの、特
開平3−109502号公報に開示されたものなどであ
る。上記のポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、4,4‘−シクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなどから選ばれた
数分子種を種々の方法で結合させたもの、イソシアヌレ
ート、アロファネートビュウレット、カルボジイミドを
アセト酢酸、マロン酸、メチルエチルケトオキシムなど
でブロックしたものなどであり、上記のポリオールとし
ては、例えば、水酸基を1分子中に複数個有するポリエ
ステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカ−
ボネート、ポリアクリレートなどである。また屈折率の
調節のために、塩素、臭素、ヨウ素、および硫黄からな
る群から選ばれた1種以上の元素を含有するポリオー
ル、ポリチオール、ポリイソシアネートなども挙げられ
る。プライマー膜は、上記した材料の1種または2種以
上を用いて形成される。またさらには、上記したものに
金属の酸化物、例えばケイ素、アンチモン、チタン、ア
ルミニウム、スズ、タングステン、ジルコニウム、タン
タル、インジウム、あるいはその他の金属の酸化物、の
ゾルを1〜60重量%程度添加したものも挙げられる。
ム、セリウム、ハフニウム、インジウム、ランタン、ネ
オジウム、アンチモン、スカンジウム、ケイ素、タンタ
ル、チタン、イットリウム、亜鉛、ジルコニウム、など
の酸化物の1種または2種以上を用いて形成される。
ーティング膜の剥離装置についての実施の形態2を説明
するものであって、前記図2に対応した、コーティング
膜剥離槽の拡大詳細断面図である。実施の形態2は、前
記実施の形態1におけるスプレー32や散気管33を排
除し、剥離槽本体31とオゾン発生装置2(図1参照)
との間にエジェクタ45を設け、複数の被処理レンズL
を支持する支持枠8を剥離槽本体31内のオゾン水溶液
中に水没する状態とした点で実施の形態1と主として異
なる。しかして実施の形態2における剥離剤供給装置4
は、エジェクタ45、剥離槽本体31に水を供給する水
道管41、当該本体31の天井に設けられた給水管41
1、オゾン発生装置2で発生したオゾン含有ガスをエジ
ェクタ45に供給するガス管42、エジェクタ45と当
該本体31を繋ぐ管路451、当該本体31の側壁に設
けられた採水口38とエジェクタ45とを繋ぐ管路45
2、および管路452に設けられた送水ポンプ453と
から構成されている。
その動作を説明する。給水管411から水が剥離槽本体
31内に供給され、採水口38が水没する状態とされ
る。ついで送水ポンプ453を稼動させて当該本体31
内の水を、当該本体31、採水口38、管路452、エ
ジェクタ45、および管路451を循環させる。その循
環中にオゾン発生装置2からガス管42を介してオゾン
含有ガスをエジェクタ45に供給する。かくすると、エ
ジェクタ45からは、一部のオゾンが溶解し、残部はバ
ブルの状態で存在すことにより、多数のバブルを含むオ
ゾン水溶液が放出されるので、剥離槽本体31内の水は
かかるバブル含有オゾン水溶液となる。その間に、被処
理レンズLは、実施の形態1の場合と同様に前処理装置
1(図1参照)で前処理され、支持枠8に支持された状
態で剥離槽本体31内のレンズ支持棚34の上に置か
れ、当該本体31内のオゾン水溶液と接触して剥離処理
される。その際、コーティング膜は、オゾン水溶液中の
溶解オゾンとバブル中の湿潤オゾンの両方から作用され
るので効果的に剥離する。
ゾン水溶液中に残存するコーティング膜の剥離片、排オ
ゾン水溶液、排オゾンなどは、前記実施の形態1の場合
と同様の方法で処理でされる。
ーティング膜の剥離装置についての実施の形態3を説明
するものであって、前記図2に対応した、コーティング
膜剥離槽の拡大詳細断面図である。図4において、46
は前記ラジカルスカベンジャー供給部の一例としての、
ラジカルスカベンジャー水溶液を収容した収容槽、46
1は収容槽46と水道管41とを繋ぐ管路、462は管
路461に設けられた送水ポンプである。しかして実施
の形態3は、前記実施の形態1とは、剥離剤供給装置4
において収容槽46、管路461、および送水ポンプ4
62が付加された点において異なり、その他の構成は同
じである。
その動作を説明する。オゾン水溶液中の溶解オゾンは、
当該水溶液中の水酸イオンと反応して水酸基ラジカル
(・OH)を微量ながら生ぜしめる。生成した水酸基ラ
ジカルは、自体、酸化剤として機能すると同時に、連鎖
反応で溶解オゾンと反応してオゾンを消費してオゾン水
溶液の溶解オゾン濃度を減少させる問題がある。この問
題に対しては、ラジカルスカベンジャーは、上記の水酸
基ラジカルと反応してオゾンの消費を防止する機能を有
する。かかるラジカルスカベンジャーとしては、上記の
機能を有する薬剤であれば制限なく採用可能であり、就
中、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩類、燐酸ナト
リウムなどの燐酸塩類が好ましい。それらの塩類は、オ
ゾン水溶液中での濃度が少なくとも0.01モル/リッ
トルであれば上記の効果があり、飽和濃度であっても同
様であるが、好ましい濃度範囲は、上記の効果および環
境負荷の観点から0.1モル/リットル〜1.0モル/
リットル程度である。よって収容槽6内のラジカルスカ
ベンジャー水溶液は、剥離槽本体31内のオゾン水溶液
中のラジカルスカベンジャー濃度が上記の範囲内となる
ように送水ポンプ462により送られる。
ゾン水溶液中に残存するコーティング膜の剥離片、排オ
ゾン水溶液、排オゾンなどは、前記実施の形態1、2の
場合と同様の方法で処理される。なおラジカルスカベン
ジャーの添加方法は、上記の方法に限らず、実施の形態
1における水道水中に添加してもよく、実施の形態2に
おける剥離槽本体31内のオゾン水溶液中に添加しても
よい。
なコーティング膜剥処理条件を説明したが、本発明の剥
離装置は実施の形態1〜3に限定されるものではなく、
種々の変形形態を包含する。例えば、実施の形態1、3
においてはスプレー32を一つ設けた構造としたが、コ
ーティング膜の剥離上から、水が確実に被処理レンズに
スプレーされることが肝要であるので、複数個のスプレ
ーを分散設置するようにしてもよい。また、実施の形態
1〜3では、いずれも剥離槽本体31を1槽設けたもの
であったが、複数槽設けてそれらを循環使用して単位時
間あたりの被処理レンズの処理枚数の増大を図ることも
できる。またオゾン水溶液を用いた場合に、当該水溶液
中に残存するコーティング膜の剥理残渣の処理対策とし
て、本発明の剥離装置に当該剥理残渣を濾別するフィル
ターを適当な個所に設けることも好ましい。かかるフィ
ルターとしては、メッシュサイズが0.01〜1.0m
m程度、特に0.1〜0.5mm程度のものが好まし
い。
子を付加して、上記剥離剤による剥離作用の過程におい
て基体レンズとコーティング膜との界面での互いの結合
力が弱まるように、あるいはコーティング膜の一部が剥
離すると、その剥離した個所に上記剥離剤が一層作用し
易いようにするとよい。さらに上記剥離剤による剥離作
用を促進するために、剥離槽本体に加熱手段を設けて剥
離処理温度を高めることも好ましい。またさらに、本発
明における剥離処理においては、オゾン水溶液のpHは
3〜9程度が適当であるので、剥離槽本体の内あるいは
外にオゾン水溶液に対するpH調節装置を設けることも
好ましい。
〜16により、本発明のレンズコーティング膜の剥離方
法について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形
態に限定されるものではない。
3の3種が、プライマー膜の形成材料として後記のプラ
イマーa〜プライマーdの4種が、有機ケイ素系膜の形
成材料として後記の有機ケイ素材A〜有機ケイ素材Bの
2種がそれぞれ用意され、またそれぞれ後記の条件でレ
ンズコーティング膜に加工された。また無機酸化物αの
膜は、後記の方法で形成された。以下において部や%
は、いずれも重量部、重量%である。
のエピチオ基を有するモノマー系重合体(屈折率;1.
71)から形成されたものであって、HOYA(株)社
の商品名テスラリッドが使用されている。基体レンズ2
は、硫黄含有ポリウレタン(屈折率;1.6)から形成
されたものであって、HOYA(株)社の商品名アイア
スが使用されている。基体レンズ3は、ジエチレングリ
コールビスアリルカーボネート系重合体(屈折率;1.
5)から形成されたものであって、HOYA(株)社の
商品名CR−39が使用されている。
オール(住友バイエルウレタン(株)社の商品名、デス
モフェンA−565使用)19.3部、ブロック型ポリ
イソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社の商品
名、BL−3175使用)15.23部、硬化触媒とし
てジブチル錫ジラウレート0.18部、レベリング剤と
してフッ素系レベリング剤(住友スリーエム(株)社の
商品名、フロラードFC−430使用)0.06部、溶
媒としてメチルエチルケトン54.12部、および屈折
率調整用の金属酸化物ゾルとしてTi、Si、Zrの単
体または複合ゾル34.3部からなる混合物を均一な状
態になるまで充分攪拌して得られた。かくして得られた
液状のプライマーaは、前処理としてのアルカリ処理さ
れた基体レンズ上に浸漬法(引き上げ速度:17.5c
m/分)にて塗布され、100℃で30分加熱して硬化
され、厚さ1.3〜2μmのプライマー膜とされた。
物ゾルとしてSn、Zr、Wとした以外はプライマーa
と同じ組成であって、かくして得られた液状のプライマ
ーbは、前処理としてのアルカリ処理された基体レンズ
上に浸漬法(引き上げ速度:24cm/分)にて塗布さ
れ、90℃で30分加熱して硬化され、厚さ2〜2.5
μmのプライマー膜とされた。
リオール(住友バイエルウレタン(株)社の商品名、デ
スモフェンA−670使用)6.65部、ブロック型ポ
リイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社の商
品名、BL−3175使用)6.08部、硬化触媒とし
てジブチル錫ジラウレート0.17部、レベリング剤と
してフッ素系レベリング剤(住友スリーエム(株)社の
商品名、フロラードFC−430使用)0.17部、お
よび溶媒としてジアセトンアルコール95.71部から
なる混合物を均一な状態になるまで充分攪拌して得られ
た。かくして得られた液状のプライマーcは、前処理と
してのアルカリ処理された基体レンズ上に浸漬法(引き
上げ速度:24cm/分)にて塗布され、100℃で4
0分加熱して硬化され、厚さ2〜3μmのプライマー膜
とされた。
(株)社の商品名、LQ3510、固形分濃度30重量
%(ポリアルキレンアジペート使用))をトルエンとイ
ソプロピルアルコールとの混合溶媒(トルエン/イソプ
ロピルアルコールの重量比は2/1)にて固形分濃度1
0重量%に希釈し、この希釈液50部に攪拌下でゆっく
りシリコン系界面活性剤(日本ユニカ(株)社の商品
名、L−7002)0.03部を加えて得られた。かく
して得られた液状のプライマーdは、前処理としてのア
ルカリ処理された基体レンズ上に浸漬法(引き上げ速
度:10cm/分)にて塗布され、120℃で30分加
熱して乾燥され、厚さ8μmのプライマー膜とされた。
た。即ち、マグネチックスターラを備えたガラス容器に
γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン142部を投
入し、それを攪拌しながら0.01規定の塩酸1.4部
と水32部を滴下し、滴下終了後、24時間攪拌を続
け、γ−グリシドキシプロピルメトキシシランの加水分
解物を得た。つぎに酸化第二錫−酸化ジルコニウム複合
体ゾル(上記2種の酸化物の合計含有量が31.5%の
メタノール分散液であって、平均粒子径は10〜15μ
m)460部、エチレンセロソルブ300部、滑剤とし
てのシリコーン系界面活性剤0.7部、および硬化剤と
してのアルミニュームアセトネート8部を上記加水分解
物に加え、充分に攪拌した後、濾過を行って有機ケイ素
材Aを得た。かくして得られた液状の有機ケイ素材Aに
プライマー膜が形成された基体レンズを浸漬して、引き
上げ速度14cm/分の速度で引き上げ、120℃に設
定されたオーブン中で1時間加熱して硬化して有機ケイ
素材Aからの有機ケイ素系膜を形成した。
た。即ち、マグネチックスターラを備えたガラス容器に
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン70部を
投入し、それを攪拌しながら0.1規定の塩酸16部を
滴下し、滴下終了後、24時間攪拌を続け、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解物を得
た。つぎに特開平3−172369号公報に記載の酸化
タングステンに被覆された酸化錫微粒子の水分散液(固
形分含有量20%、平均粒子径は15μm)15部、溶
媒としてのイソプロピルアルコール80部、エチレンセ
ロソルブ80部、滑剤としてのシリコーン系界面活性剤
1部、および硬化剤としてのアルミニウムアセチルアセ
トネート4部を上記加水分解物に加え、充分に攪拌した
後、濾過を行って有機ケイ素材Bを得た。かくして得ら
れた液状の有機ケイ素材Bにプライマー膜が形成された
基体レンズを浸漬して、引き上げ速度14cm/分の速
度で引き上げ、130℃に設定されたオーブン中で2時
間加熱して硬化して有機ケイ素材Bからの有機ケイ素系
膜を形成した。
された基体レンズにイオンスパッタリング法により、順
次形成されたSiO2(0.125λ0)、Ta2O
5(0.05λ0)、SiO2(0.5λ0)、Ta2O
5(0.125λ0)、SiO2(0.05λ0)、Ta2
O5(0.25λ0)、SiO2(0.25λ0)の7層か
ら構成された反射防止膜である。
プライマーd、有機ケイ素材A〜有機ケイ素系膜材B、
および無機酸化物αを図5に示す通りに組み合わせ使用
し、またそれら膜材は、前記した方法並びに条件にてそ
れぞれプライマー膜、有機ケイ素系膜、あるいは無機酸
化物膜とされ、かくしてNo.1〜No.7の7種の被
処理レンズを得た。それら被処理レンズの各コーティン
グ膜は、クロスハッチ法による評価では、密着性は良好
であった。
施の形態3と同様の剥離装置並びに方法にて室温下で剥
離処理し、剥離処理後は水洗し、乾燥してコーティング
膜が剥離された基体レンズを得た。その際、送水ポンプ
44を常に稼動させてスプレー32からは剥離槽本体3
1内のオゾン水溶液の一部と水との混合水が被処理レン
ズに向けて霧状に噴霧されるようにした。ラジカルスカ
ベンジャーとしての炭酸水素ナトリウム水溶液は、実施
の形態4、7、9、11、および13ではそれを使用せ
ず、残余の実施の形態5、6、8、10、12、14、
15および16において使用した。なおフッ酸水溶液を
用いた前処理は、実施の形態16のみについて行った。
図5には、剥離槽本体31に供給されたオゾン含有ガス
のオゾン濃度、当該オゾン含有ガスの流量、スプレー3
2からの水流量、ラジカルスカベンジャーとしての炭酸
水素ナトリウム水溶液の炭酸水素ナトリウム濃度、剥離
処理時間、並びにコーティング膜の剥離の容易さの程度
についての評価結果を示す。また比較例1、2として、
No.1とNo.2の被処理レンズを対象に、40℃の
10%水酸化ナトリウム水溶液で4時間処理した結果を
も表1に示す。
については、剥離槽本体31内での処理のみあるいは当
該処理後の水洗にて剥離した場合は◎、当該処理後に有
機溶剤(アセトン)で拭くと容易に剥離した場合は○、
当該処理後に有機溶剤(アセトン)で拭いても剥離する
のにかなりの時間を要した場合は△とした。
酸化ナトリウム水溶液で処理した後に有機溶剤で拭いて
もコーティング膜の剥離は困難であった。これに対して
実施の形態4〜16では、コーティング膜は、剥離槽本
体31内での処理にて実質的に剥離しており、水洗およ
び乾燥して得られたそれらからの基体レンズは、表面に
損傷はなく、再度、プライマー膜、有機ケイ素系膜、無
機酸化物膜などをコートして、新品の基体レンズを用い
た場合と何ら遜色のないレンズの製造を可能にするもの
であった。
法は、以上説明した通り、レンズコーティング膜を有す
る有機高分子製などのレンズ、例えばジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート系重合体、ウレタン系重合
体、および分子中に少なくとも2個のエピチオ基を有す
るモノマー系重合体から選ばれた少なくとも一種など、
を水とオゾンを主成分とする剥離剤、例えばオゾンと水
蒸気の混合体、オゾンを水にバブリングすることにより
得られたオゾン水溶液、で処理して上記レンズコーティ
ング膜、例えば、プライマー膜、有機ケイ素系膜、ある
いは無機酸化物膜など、を剥離するものであって、従来
の強アルカリ性液を用いた技術では困難であった上記レ
ンズコーティング膜を容易に剥離することができ、しか
も剥離剤廃液の処理も従来の強アルカリ性液の処理と比
較して格段に容易である大きな効果がある。
膜と当該プライマー膜の上に設けられた有機ケイ素系膜
とから構成されたもの、上記プライマー膜と当該プライ
マー膜の上に設けられた無機酸化物膜とから構成された
もの、または上記プライマー膜と当該プライマー膜の上
に設けられた有機ケイ素系膜と当該有機ケイ素系膜の上
に設けられた無機酸化物膜とから構成されたものである
と、有機ケイ素系膜や無機酸化物膜の剥離が容易とな
る。
濃度が少なくとも50g/Nm3のオゾン含有ガスを用
いて得られたものであると、レンズコーティング膜の剥
離作用が一層向上する。
ーを含むものであると、オゾン水溶液中の溶解オゾン
は、当該水溶液中の水酸イオンと反応して水酸基ラジカ
ル(・OH)を微量ながら生ぜしめ、オゾン水溶液中の
溶液オゾン濃度を減少させる問題があるところ、ラジカ
ルスカベンジャーは上記の水酸基ラジカルと反応してオ
ゾンの消費を防止する作用があって、結果的に上記剥離
剤によるレンズコーティング膜の剥離作用を高度に維持
する。
コーティング膜を有するレンズを酸水溶液、例えばフッ
酸水溶液で前処理すると、前記したレンズコーティング
膜、就中、有機ケイ素系膜や無機酸化物膜の剥離が一層
容易となる。
装置は、以上説明した通り、レンズコーティング膜を有
するレンズを水とオゾンを主成分とする剥離剤で処理す
るコーティング膜剥離装置、および上記コーティング膜
剥離装置に上記剥離剤を供給する剥離剤供給装置、例え
ば上記コーティング膜剥離装置に水または水蒸気を供給
する水供給部と上記コーティング膜剥離装置にオゾンを
供給するオゾン供給部とから構成されたもの、あるいは
上記コーティング膜剥離装置にオゾン水溶液を供給する
オゾン水溶液供給部から構成されたもの、を備えたもの
であって、特殊なあるいは高価な部品を必要としない簡
単な構造であるので、低コストで製作が可能であり、し
かも維持管理も容易である。
ィング膜剥離装置にラジカルスカベンジャーを供給する
ラジカルスカベンジャー供給部を含むもの、あるいはレ
ンズコーティング膜を有するレンズを酸水溶液で前処理
する前処理装置を備えたものであると、それぞれレンズ
コーティング膜の剥離に関する前記した効果がある。
記の剥離方法あるいは前記の剥離装置によりレンズコー
ティング膜が剥離されたものであって、表面に損傷はな
く、再度、プライマー膜、有機ケイ素系膜、無機酸化物
膜などをコートして、新品の基体レンズを用いた場合と
何ら遜色のないレンズの製造を可能にする大きな効果が
ある。
概略ブロック図。
細断面図。
おけるコーティング膜剥離槽の拡大詳細断面図。
おけるコーティング膜剥離槽の拡大詳細断面図。
1,2を説明するための図。
置、 3 コーティング膜剥離槽、31 剥離槽本体、32
スプレー、 33 散気管、34 レンズ支持棚、4 剥離剤供給装
置、41 水道管、 411 給水管、42 ガス管、44 送水ポンプ、4
53 送水ポンプ、 46 ラジカルスカベンジャー水溶液収容槽、462
送水ポンプ、 5 排水処理塔、6 後処理装置、7 排オゾン処理
塔、8 支持枠。
Claims (18)
- 【請求項1】 レンズコーティング膜を有するレンズを
水とオゾンを主成分とする剥離剤で処理して上記レンズ
コーティング膜を剥離することを特徴とするレンズコー
ティング膜の剥離方法。 - 【請求項2】 上記レンズは、有機高分子から形成され
たものであることを特徴とする請求項1記載のレンズコ
ーティング膜の剥離方法。 - 【請求項3】 上記有機高分子は、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート系重合体、ウレタン系重合
体、および分子中に少なくとも2個のエピチオ基を有す
るモノマー系重合体から選ばれた少なくとも一種である
ことを特徴とする請求項2記載レンズコーティング膜の
剥離方法。 - 【請求項4】 上記レンズコーティング膜は、プライマ
ー膜、有機ケイ素系膜、および無機酸化物膜から選ばれ
た少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載
のコーティング膜の剥離方法。 - 【請求項5】 上記レンズコーティング膜は、プライマ
ー膜と当該プライマー膜の上に設けられた有機ケイ素系
膜とから構成されたもの、上記プライマー膜と当該プラ
イマー膜の上に設けられた無機酸化物膜とから構成され
たもの、または上記プライマー膜と当該プライマー膜の
上に設けられた有機ケイ素系膜と当該有機ケイ素系膜の
上に設けられた無機酸化物膜とから構成されたものであ
ることを特徴とする請求項4記載のレンズコーティング
膜の剥離方法。 - 【請求項6】 上記剥離剤は、オゾンと水蒸気の混合体
であることを特徴とする請求項1記載のレンズコーティ
ング膜の剥離方法。 - 【請求項7】 上記剥離剤は、オゾンを水にバブリング
することにより得られたオゾン水溶液であることを特徴
とする請求項1記載のレンズコーティング膜の剥離方
法。 - 【請求項8】 上記剥離剤は、オゾンとしてオゾン濃度
が少なくとも50g/Nm3のオゾン含有ガスを用いて
得られたものであることを特徴とする請求項6または請
求項7記載のレンズコーティング膜の剥離方法。 - 【請求項9】 上記剥離剤は、ラジカルスカベンジャー
を含むことを特徴とする請求項1、請求項6〜請求項8
のいずれか一項記載のレンズコーティング膜の剥離方
法。 - 【請求項10】 上記剥離剤で処理する前に、レンズコ
ーティング膜を有するレンズを酸水溶液で前処理するこ
とを特徴とする請求項1記載のレンズコーティング膜の
剥離方法。 - 【請求項11】 上記酸水溶液は、フッ酸水溶液である
ことを特徴とする請求項10記載のレンズコーティング
膜の剥離方法。 - 【請求項12】 レンズコーティング膜を有するレンズ
を水とオゾンを主成分とする剥離剤で処理するコーティ
ング膜剥離装置、および上記コーティング膜剥離装置に
上記剥離剤を供給する剥離剤供給装置を備えたことを特
徴とするレンズコーティング膜の剥離装置。 - 【請求項13】 上記剥離剤供給装置は、上記コーティ
ング膜剥離装置に水または水蒸気を供給する水供給部と
上記コーティング膜剥離装置にオゾンを供給するオゾン
供給部とから構成されたことを特徴とする請求項12記
載のレンズコーティング膜の剥離装置。 - 【請求項14】 上記剥離剤供給装置は、上記コーティ
ング膜剥離装置にオゾン水溶液を供給するオゾン水溶液
供給部から構成されたことを特徴とする請求項12記載
のレンズコーティング膜の剥離装置。 - 【請求項15】 上記剥離剤供給装置は、上記コーティ
ング膜剥離装置にラジカルスカベンジャーを供給するラ
ジカルスカベンジャー供給部を含むことを特徴とする請
求項12〜請求項14のいずれか一項記載のレンズコー
ティング膜の剥離装置。 - 【請求項16】 レンズコーティング膜を有するレンズ
を酸水溶液で前処理する前処理装置を備えたことを特徴
とする請求項12記載のレンズコーティング膜の剥離装
置。 - 【請求項17】 請求項1〜請求項11のいずれか一項
記載の剥離方法によりレンズコーティング膜が剥離され
たことを特徴とするレンズ。 - 【請求項18】 請求項12〜請求項16のいずれか一
項記載の剥離装置によりレンズコーティング膜が剥離さ
れたことを特徴とするレンズ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002104368A JP2003300007A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | レンズコーティング膜の剥離方法、レンズコーティング膜の剥離装置、およびレンズ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003300007A true JP2003300007A (ja) | 2003-10-21 |
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JP (1) | JP2003300007A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100966105B1 (ko) | 2008-05-07 | 2010-06-28 | 일성초음파산업 주식회사 | 광학 렌즈용 코팅장치 |
JP2011504611A (ja) * | 2007-11-23 | 2011-02-10 | エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック | 脂肪族熱可塑性ポリウレタンの暫定層を備えおよび縁取りに用いる光学物品 |
-
2002
- 2002-04-05 JP JP2002104368A patent/JP2003300007A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011504611A (ja) * | 2007-11-23 | 2011-02-10 | エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック | 脂肪族熱可塑性ポリウレタンの暫定層を備えおよび縁取りに用いる光学物品 |
KR100966105B1 (ko) | 2008-05-07 | 2010-06-28 | 일성초음파산업 주식회사 | 광학 렌즈용 코팅장치 |
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