JP2003299903A - 真空蒸発回収装置 - Google Patents

真空蒸発回収装置

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JP2003299903A
JP2003299903A JP2002103704A JP2002103704A JP2003299903A JP 2003299903 A JP2003299903 A JP 2003299903A JP 2002103704 A JP2002103704 A JP 2002103704A JP 2002103704 A JP2002103704 A JP 2002103704A JP 2003299903 A JP2003299903 A JP 2003299903A
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vacuum
pump
evaporation
cold trap
dry pump
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Masatomo Nakamura
雅知 中村
Kenjiro Sato
健二郎 佐藤
Hirokazu Matsubara
寛和 松原
Noriyuki Matsumoto
則幸 松本
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空加熱炉の排気ガス中の被処理物の蒸発成
分を、真空ポンプ部に損傷を与えることなく、効率よく
回収できる真空蒸発回収装置を提供する。 【解決手段】 被処理物を収容する真空加熱炉1の排気
管路2に、真空ポンプとしてドライポンプ3を設け、こ
のドライポンプ3の前段側の排気管路2に、冷却面に付
着した固化物を掻落す掻落し具をそなえたコールドトラ
ップ4を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被処理物の付着
物,混合物などの不純物を、真空雰囲気中で蒸発(以
下、真空蒸発という)させて回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車のスクラップなどの廃棄
物を再利用するために、廃棄物から油分などの不純物を
分離回収し、この不純物を除去した上記廃棄物の金属材
等を有価物として再利用に供する装置として、真空加熱
炉において上記不純物を真空蒸発させ、得られた蒸発成
分を真空ポンプを有する排気管路に設けたトラップによ
り回収する、真空蒸発回収装置が用いられるようになっ
た。図8は従来の真空蒸発回収装置の構成例を示し、被
処理物を収容する真空加熱炉71の排気管路72に、真
空ポンプ73を接続し、この真空ポンプ73の前段側に
蒸発成分回収用のトラップ74を設け、蒸発成分の真空
ポンプ73部への流入を防止している。また75は必要
に応じて設けられるブースターポンプである。
【0003】そして上記のトラップ74としては、流入
ガスを冷却して凝縮・固化させて回収するコールドトラ
ップが、また真空ポンプ73としては、ロータリーポン
プとも称される油回転ポンプや、たとえば特開平8ー1
88833号公報に記載の真空蒸発回収装置に用いられ
ている油拡散ポンプなどのウエットタイプの真空ポンプ
が、従来使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の真
空蒸発回収装置70においては、真空加熱炉71におけ
る自動車のシュレッダー処理品などの廃棄物の真空加熱
により発生した油,水分,酸(たとえば塩酸や硫酸や有
機酸)などを蒸発成分として含む排気ガスが、大量にト
ラップ74部を流通してその冷却面に凝縮・固着するた
め蒸発成分回収能力が時間とともに低下して、その一部
が回収されずに真空ポンプ73内へ流入し、ガス温度の
降下やガス圧力の上昇により液化した上記蒸発成分がポ
ンプ内の油に混入し、ポンプ各部の腐食による損傷や油
の劣化によるポンプ運転の不調をひきおこし、さらに真
空ポンプ73部を通過した未回収蒸発成分が後段側の排
気管路の腐食や大気中に放出されて異臭発生の原因とな
るなど、多くの問題点を有するものであった。
【0005】この発明は上記従来の問題点を解決しよう
とするもので、真空加熱炉の排気ガス中の被処理物の蒸
発成分を、真空ポンプ部に損傷を与えることなく、効率
よく回収できる真空蒸発回収装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の真空蒸発回収装置は、被処理物を収
容する真空加熱炉の排気管路に、真空ポンプとしてドラ
イポンプを設け、このドライポンプの前段側(上流側)
の前記排気管路に、冷却面に付着した固化物を掻落す掻
落し具をそなえたコールドトラップを設けたことを特徴
とする。
【0007】真空加熱炉の排気管路に設ける真空排気手
段としては、主ポンプにブースターポンプや補助ポンプ
を組合わせ用いることが多いが、この発明における真空
ポンプは上記主ポンプを指すものとし、この主ポンプと
しては油を用いない(ドライタイプの)ドライポンプを
使用するものであるが、この主ポンプ以外のブースター
ポンプや補助ポンプなどは、その流通ガス温度や真空度
などに応じて、ドライタイプとウエットタイプのポンプ
のいずれかを選定して用いればよい。
【0008】この請求項1記載の発明によれば、真空加
熱炉の排気ガス中の蒸発成分は、コールドトラップの冷
却面により冷却され凝縮・固化するが、この冷却面に付
着した固化物は掻落し具により掻落されるので、固化物
付着によるコールドトラップの蒸発成分回収能力の低下
は防止され、蒸発成分を確実に回収できるとともに、一
部の蒸発成分がコールドトラップを通過して真空ポンプ
部に達しても、真空ポンプはドライポンプで構成されて
いるので、蒸発成分によるポンプの損傷や運転不調をひ
きおこすことはない。
【0009】また請求項2記載の真空蒸発回収装置は、
請求項1記載の発明において、前記ドライポンプの後段
側(下流側)の前記排気管路に、気液接触式の後段側ト
ラップを設けたことを特徴とする。
【0010】この発明において気液接触式のトラップと
は、液体層内を気体が気泡となって流通して液体と接触
するバブラー(バブリング)型のトラップと、気体流と
液滴とが接触するシャワー型のトラップの両方を指すも
のとする。
【0011】この請求項2記載の発明によれば、一部の
蒸発成分が真空ポンプ部を通過しても、この蒸発成分は
気液接触式の後段側トラップにより回収をはかることが
できるので、排気管路後端部から排出される蒸発成分量
はさらに低減化される。
【0012】また請求項3記載の真空蒸発回収装置は、
請求項1または2記載の発明において、前記真空加熱炉
における蒸発物発生量を検出する蒸発量検出手段と、こ
の蒸発量検出手段による検出量に応じて前記ドライポン
プに流入する蒸発成分を所定量以下に維持するように前
記コールドトラップにおける前記掻落し具の掻落し速度
を変化させる制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】この請求項3記載の発明によれば、真空加
熱炉における蒸発物発生量に応じてコールドトラップの
掻落し具の掻落し速度を変えることにより、蒸発物発生
量が多く冷却面への固化物付着堆積量が多い場合でも掻
落し速度を上げて冷却面を冷却能力大の状態に維持する
ことができ、蒸発物発生量の変化に対しても、コールド
トラップにより確実に蒸発成分を回収して後段側への未
回収蒸発成分流出を少量に抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図1〜図5に示す第1例によ
り、この発明の実施の形態を説明する。図1において、
1は被処理物を収容して真空加熱をおこなう真空加熱
炉、2はその排気管路、3はこの排気管路2に設けた真
空ポンプであるドライポンプ、4はこのドライポンプ3
の前段側の排気管路2に設けたコールドトラップ、5は
ドライポンプ3の前段側に必要に応じて設けられるブー
スターポンプである。また4aは、後述するコールドト
ラップ4の掻き落し具による掻き落し動作用のモータ、
6はドライポンプ3の入口部の真空度を検出する圧力セ
ンサ(蒸発量検出手段)、7はこの圧力検出値に応じて
モータ4aを速度制御する制御装置(制御手段)であ
り、また11,12は、ドライポンプ3の後段側の排気
管路2に設けた気液接触式の後段側トラップである。
【0015】以下、各部の具体構造を説明すると、先ず
この例では、上記ドライポンプ3としては多段ルーツ型
ポンプからなる機械式ドライポンプを用い、またブース
ターポンプ5としてはメカニカルブースターを用いてい
る。また後段側トラップ11,12は、図2に示すよう
に、容器13内に収容した液体14中に、給気管15か
らガスを吹込み、ガスの気泡と液体14の接触により排
気ガスG中の蒸発成分を凝縮液化させて液体14中に混
入させ、この蒸発成分除去後のガスを排気口16から流
出させる、いわゆるバブラー型のものである。そしてこ
の例では後段側トラップ11の液体14としては油(機
械油)を、後段側トラップ12の液体14としては水
を、それぞれ用いて、油脂等の油性の不純物および水溶
性の酸等の不純物の回収・除去をそれぞれはかってい
る。後段側トラップ12の排気口16に接続された排気
管路2の後端部は、大気中に開口するか、必要に応じて
残留蒸発成分燃焼用の燃焼装置などの後処理装置に接続
される。
【0016】次にコールドトラップ4について、図3〜
図5により詳しく説明すると、21はコールドトラップ
の外殻部を形成する外槽であり、有底筒状体の頂部を蓋
板22で閉鎖し、一方の側壁部にガス流入口23を、他
方の側壁部にガス流出口24をそなえ、25は外槽21
の底部に設けた排出口で、後述の掻落し具50により掻
落された固化物排出用のものである。26は内槽で、外
槽21内に配置され冷却媒体Cを収容する有底円筒状の
容器部27の上部に、この容器部27と同心で上方に延
びる支軸部28の下部を一体に結合して成り、容器部2
7は熱伝導率の高いステンレスやアルミ合金などで構成
されている。支軸部28は、中心に穴29をそなえた管
状を呈し、この穴29は容器部27に冷却媒体Cを供給
する供給口として用いられる。この支軸部28は、蓋板
22ボス部を貫通し、軸受30,31を介して該ボス部
に回転自在に支持されている。
【0017】容器部27に収容される冷却媒体Cは、こ
の中に浸漬される後述の熱交換器40と容器部27の壁
面部との間の伝熱媒体として機能するものであり、この
冷却媒体Cとしては、後述の冷媒Rにより冷却された熱
交換器40の表面温度(たとえば−60℃)よりも凝固
温度の低いたとえば、エタノール,イソプロピルアルコ
ール,高沸点フロンなどの、各種液状媒体を用いること
ができる。
【0018】4aは支軸部28(従ってこれと一体の内
槽26全体)を回転駆動する減速モータから成るモータ
で、蓋板22上に取付けられ、その出力軸に取付けた駆
動スプロケット35と、支軸部28に取付けた従動スプ
ロケット36との間にチェーン37を巻掛けて、支軸部
28をチェーン駆動する。
【0019】40は内槽26の容器部27に収容された
冷却媒体C内に浸漬された熱交換器で、銅やステンレス
などの金属管をコイル状に巻回して成り、その両端部を
上方に延長して支軸部28の穴29を貫通させ、熱交換
器40に冷媒を供給する供給路41および該熱交換器4
0から流出する吸熱した冷媒Rを排出する排出路42と
したものである。供給路41および排出路42の上部
は、蓋板22上に固設したブラケット43に固定取付け
され、これによって熱交換器40はブラケット43によ
り吊下げられた形で固定位置に保持されている。44は
支軸部28の穴29に少量のすきまをもって嵌合するキ
ャップで、これを貫通する供給路41および排出路42
によって固定位置に保持されている。
【0020】熱交換器40に供給される熱交換用の冷媒
Rとしては、所望の冷却温度に応じてアンモニア,フロ
ン等の各種冷媒を用いることができ、これらの冷媒R
は、たとえば圧縮機45と冷却器46をそなえた冷凍装
置からなる冷媒供給装置47により低温気体として熱交
換器40に供給され、吸熱し液状となって排出路42か
ら冷媒供給装置47へと還流されて循環使用される。
【0021】一方50は、容器部27の外面に沿って上
下方向に延びる掻落し具で、金属板の先端部(容器部2
7の外面寄りの端部)にすくい面50a(図5参照)を
形成して成る。この掻落し具の支持構造として、内槽2
6の支軸部28に基部が嵌合して該支軸部のまわりに回
転自在に支持されて側方に延びる上部アーム51と、容
器部27の下面中心部に突設固着した短軸52に基部が
嵌合して該短軸のまわりに回転自在に支持されて側方に
延びる下部アーム53の各先端部に、上下方向に延びる
支持杆54の上下端部を固定取付けしてある。そしてこ
の支持杆54の側面部に、掻落し具50がボルト55に
より取付位置調節可能に締付けてあり、この掻落し具の
先端縁部と容器部27の外面との間のすきまは、該外面
に固着する回収物の硬さや脆さなどに応じて、たとえば
0.2〜1mm程度の少量のすきまになるよう調節されて
いる。
【0022】57,57は外槽21の内面部に固設した
ストッパで、内槽26の回転時に上部アーム51および
下部アーム53の先端部の側部に当接して、掻落し具5
0を停止位置に保持するものである。また58,58
は、外槽21に基端部を固定取付けした仕切板で、外槽
21の上端部から容器部27の下端部付近にわたって上
下方向に延びており、その先端縁部と容器部27との間
には、容器部27表面に付着する固化回収物と干渉しな
い程度の数mmのすきまを設けてあり、この仕切板58の
付設により、ガス流入口23から外槽21内へ流入した
ガスは下向き流として外槽21内を流れたのち外槽下部
で反転して上向き流として流れるので、該ガスと内槽の
容器部27との接触による熱交換が促進されて冷却が良
好におこなわれる。
【0023】上記構成のコールドトラップ4において
は、冷媒供給装置47により低温の冷媒R(たとえば約
−60℃に冷却したフロン)を供給路41から熱交換器
40へ流入させ、内槽26の容器部27内の冷却媒体C
(たとえばエタノール)を冷却するとともに、モータ4
aにより内槽26をその中心軸線のまわりに低速度(た
とえば毎分1〜3回転)で回転させる。この状態で真空
加熱炉1からの高温の排気ガスGを外槽21内に流入さ
せると、内槽26の低温の容器部27の外面との接触に
より、排気ガスGは急冷され、該ガス中の気化状態の蒸
発成分が固化して上記外面に付着する。
【0024】このとき内槽26は中心軸線のまわりに回
転しているので、この内槽26の回転に伴って、ストッ
パ57により固定位置に保持された掻落し具50によっ
て、容器部27の外面、すなわち冷却面に付着堆積した
固化物が掻落され、固化物の厚い層によりガス流の冷却
が阻害されることがないので、排気ガスG中の蒸発成分
の固化回収は効率よく確実におこなわれるのである。な
おこの例では、モータ4aの制御系として、制御装置7
および圧力センサ6をそなえており、この動作等につい
ては後述する。
【0025】上記各装置で構成された真空蒸発回収装置
8において、自動車のシュレッダー処理品を被処理物と
して不純物の回収処理をおこなうには、真空加熱炉1内
に被処理物を装入後、ドライポンプ3およびブースター
ポンプ5により炉内を所定の真空度まで真空引きし、真
空加熱炉1の加熱装置(図示しない)により被処理物を
真空加熱する。
【0026】この真空加熱により被処理物から蒸発した
蒸発成分は、排気ガスGとともに排気管路2内を流れ、
コールドトラップ4部において冷却面である内槽26の
容器部27の外面により急冷されて固化し、該外面部に
付着する。そして内槽26はモータ4aにより連続的に
回転駆動されているので、上記外面部に付着した固化物
は掻落し具50により掻落され、冷却面が厚い固化物層
に覆われて冷却能力が低下するということはなく、この
固化物堆積層の殆どない冷却面により良好な蒸発成分回
収能力が維持されて、蒸発成分は効率よく確実に回収さ
れる。
【0027】特にこの例では、下記のように制御装置7
により掻落し具50の掻落し速度を変化させて掻落しを
おこなうようにしたので、コールドトラップ4部におけ
る蒸発成分の回収は一層確実におこなうことができる。
【0028】すなわち、真空加熱炉1における蒸発物発
生量は真空加熱開始後、蒸発の進行程度によって変動
し、また被処理物の装入量によっても変動する。この蒸
発物発生量の変動は、真空加熱炉1内あるいは排気管路
2内の真空度の変動として検知でき、蒸発物発生量が多
いときは真空度は低真空側に移行する。そこで上記真空
度と蒸発物発生量の関係、および各蒸発物発生量に対し
てコールドトラップ4部において回収しきれずにドライ
ポンプ3側へ流出する未回収蒸発成分を所定量以下に維
持するための掻落し具50の適正掻落し速度(すなわち
モータ4aの適正回転速度)の値を、被処理物サンプル
に対して真空蒸発回収装置8の実機で不純物回収処理を
おこなう予備実験等により詳細に把握しておき、真空度
とモータ4aの前記適正回転数の関係データとして制御
装置7のメモリ部に格納しておく。
【0029】そして実際の被処理物に対する不純物回収
処理時には、真空加熱炉1における蒸発物発生量を検出
する蒸発量検出手段として機能する圧力センサ6による
排気管路2内の真空度検出値を制御装置7に入力し、制
御装置7はこの真空度検出値を前記のメモリ部の格納デ
ータと照合して得たモータ回転数指令値にもとづいて、
モータ4aをインバータ制御して前記適正回転数に増速
あるいは減速させる。これによって掻落し具50の掻落
し速度は、前記適正掻落し速度に増減制御され、真空加
熱炉1における蒸発物発生量の増減に対しても、後段側
のドライポンプ3に流入する未回収蒸発成分は所定の低
流量値以下に維持できるのである。
【0030】なお圧力センサ6は、ドライポンプ3の前
段側であれば上記以外の位置に設けてもよく、また真空
加熱炉1に設けてもよい。また真空加熱炉1における蒸
発物発生量の変動は、真空加熱炉1の炉温変動としても
把握できるので、上記炉温を検出する温度センサを蒸発
量検出手段として用い、制御装置7にこの炉温と前記適
正掻落し速度との関係データを格納して、モータ4aの
回転数制御をおこなうようにしてもよい。また掻落し具
50の掻落し速度は、連続的ではなく段階的に増減制御
するようにしてもよい。
【0031】上記のようにしてコールドトラップ4部を
通過して蒸発成分を回収除去された排気ガスGは、ドラ
イポンプ3に流入するが、この排気ガスG中にコールド
トラップ4部では回収しきれなかった未回収蒸発成分が
含まれている場合でも、ドライポンプ3は油を用いない
ドライタイプのものであるため、上記蒸発成分の液化し
ないような運転方法をとることにより、ポンプの腐食や
油の劣化によるポンプの運転不調などをひきおこすこと
はない。そしてこのドライポンプ3を通過した排気ガス
Gは、後段側トラップ11,12を通過し、このとき排
気ガスG中の油性あるいは水溶性の蒸発成分がこれらの
トラップにより回収されるので、排気ガスGは蒸発成分
を充分回収除去された状態で、排気管路2の後端部側へ
と排出されるのである。
【0032】次に図6に示す第2例によりこの発明の実
施の形態を説明する。この例の真空蒸発回収装置61
は、前記第1例の真空蒸発回収装置8における圧力セン
サ6と制御装置7を省略してコールドトラップ4のモー
タ4aは常に一定速度で回転させるようにしたものであ
り、その他は第1例と同構成を有するので、図1と同一
部分には同一符号を付して図示し、それらの部分の詳細
な説明は省略し、以下他の例においても同様とする。
【0033】すなわちこの例では、コールドトラップ4
においては、内槽26は一定速度で回転駆動され、掻落
し具50による掻落し速度は一定に維持されるので、真
空加熱炉1における想定される蒸発物最大発生量に対し
てもコールドトラップ4部において充分な蒸発成分回収
能力が得られるように、上記掻落し速度を選定すること
により、前記第1例におけるような制御装置7や圧力セ
ンサ6等のない簡潔な装置によって、ドライポンプ3へ
の未回収蒸発成分の流出を少量に抑えることができるの
である。
【0034】なおこの例(および他の例)においては、
ブースターポンプ5をコールドトラップ4とドライポン
プ3の間に設けたが、図6に鎖線で示すようにブースタ
ーポンプ5はその型式などによってはコールドトラップ
4の前段側に設けてもよく、また真空加熱炉1の真空度
などによっては、ブースターポンプ5は省略してもよ
い。また真空加熱炉1からの蒸発成分の量や、コールド
トラップ4の回収能力などによっては、後段側トラップ
11,12も省略してもよい。また内槽26を間欠的に
回転させて、固化物の掻落しを間欠的におこなうように
してもよい。
【0035】以上は蒸発物回収用にコールドトラップ4
のみを設けた場合について説明したが、この発明の実施
の形態の第3例として図7に示す真空蒸発回収装置62
は、掻落し具50付きのコールドトラップ4とドライポ
ンプ3との間に、切換式トラップ63を設けたものであ
り、このようにドライポンプ3の前段側にコールドトラ
ップ4と他型式のトラップを併設してもよい。
【0036】上記切換式トラップ63は、掻落し具50
を有しない通常タイプの2基のコールドトラップ64,
65を並列に配置し、切換弁66,67によって一方の
コールドトラップ64(または65)を選択して排気ガ
スを流通させて蒸発成分の回収をおこなうとともに、他
方のコールドトラップ65(または64)においては、
排気ガス流通を遮断した状態で、冷却面に付着した固化
物を加熱により溶融落下させあるいは適宜の掻取具によ
り掻取るなど、冷却面の清掃をおこなって、次の切換使
用にそなえるように構成されたものである。
【0037】この発明は上記各例に限定されるものでは
なく、たとえばドライポンプ3や後段側トラップ11,
12は、他型式のものとしてもよく、さらにポンプ内で
の固化物生成防止用にNなどの希釈用ガスを流入させ
たりポンプケーシングを加熱するタイプのドライポンプ
を使用してもよい。またコールドトラップ4として上記
の例では、内槽26を回転させて固定位置にある掻落し
具50により固化物の掻落しをおこなう型式のものを用
いたので、内槽26の回転により排ガスと容器部27の
外面(冷却面)との接触が局部的に集中することなく外
面各部でほぼ均等に接触するので、特に良好な冷却固化
性能が得られるという長所を有するものであるが、この
かわりに、固定した内槽の外面に沿って掻落し具を回転
駆動あるいは昇降駆動して掻落しをおこなう形式のコー
ルドトラップを用いてもよい。
【0038】またこの発明の真空蒸発回収装置は、上記
の自動車のスクラップ以外の廃棄物からの不純物や有害
物の回収や、金属粉末の真空焼結などの真空蒸発を直接
の目的としない真空加熱炉において発生した真空蒸発物
(真空焼結の場合はバインダ)の回収など、各種の成分
あるいは物質の真空蒸発回収に、広く使用できるもので
ある。
【0039】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
コールドトラップの冷却面に付着した固化物は掻落し具
により掻落されるので、コールドトラップの蒸発成分回
収能力の低下は防止され、また真空ポンプはドライポン
プで構成されているので、真空加熱炉の排気ガス中の被
処理物の蒸発成分を、真空ポンプ部に損傷を与えること
なく、効率よく回収できる。
【0040】上記の効果に加えて、請求項2記載の発明
によれば、コールドトラップの後段側に気液接触式の後
段側トラップを設け、回収方式の異なる両トラップによ
り蒸発成分を回収するので、蒸発成分をさらに効率よく
回収できる。
【0041】また上記の効果に加えて、請求項3記載の
発明によれば、真空加熱炉における蒸発物発生量に応じ
てコールドトラップの掻落し具の掻落し速度を変えるこ
とにより、蒸発物発生量の変化に対しても、コールドト
ラップにより確実に蒸発成分を回収でき、蒸発成分をさ
らに効率よく回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1例を示す真空蒸発
回収装置の構成図である。
【図2】図1の装置における後段側トラップの略示縦断
面図である。
【図3】図1の装置におけるコールドトラップの縦断面
図(図5におけるB−B線断面図)である。
【図4】図3のコールドトラップの平面図である。
【図5】図3のAーA線断面図である。
【図6】この発明の実施の形態の第2例を示す真空蒸発
回収装置の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態の第3例を示す真空蒸発
回収装置の構成図である。
【図8】従来の真空蒸発回収装置の一例を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1…真空加熱炉、2…排気管路、3…ドライポンプ、4
…コールドトラップ、4a…モータ、6…圧力センサ
(蒸発量検出手段)、7…制御装置(制御手段)、8…
真空蒸発回収装置、11…後段側トラップ、12…後段
側トラップ、13…容器、14…液体、21…外槽、2
6…内槽、27…容器部、28…支軸部、37…チェー
ン、40…熱交換器、47…冷媒供給装置、50…掻落
し具、57…ストッパ、61…真空蒸発回収装置、62
…真空蒸発回収装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 寛和 愛知県名古屋市南区滝春町9番地 大同特 殊鋼株式会社滝春テクノセンター内 (72)発明者 松本 則幸 愛知県名古屋市南区滝春町9番地 大同特 殊鋼株式会社滝春テクノセンター内 Fターム(参考) 4D076 BC01 BE03 BE06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を収容する真空加熱炉の排気管
    路に、真空ポンプとしてドライポンプを設け、このドラ
    イポンプの前段側の前記排気管路に、冷却面に付着した
    固化物を掻落す掻落し具をそなえたコールドトラップを
    設けたことを特徴とする真空蒸発回収装置。
  2. 【請求項2】 前記ドライポンプの後段側の前記排気管
    路に、気液接触式の後段側トラップを設けたことを特徴
    とする請求項1記載の真空蒸発回収装置。
  3. 【請求項3】 前記真空加熱炉における蒸発物発生量を
    検出する蒸発量検出手段と、この蒸発量検出手段による
    検出量に応じて前記ドライポンプに流入する蒸発成分を
    所定量以下に維持するように前記コールドトラップにお
    ける前記掻落し具の掻落し速度を変化させる制御手段と
    を具備したことを特徴とする請求項1または2記載の真
    空蒸発回収装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525175A (ja) * 2004-12-27 2008-07-17 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 凝縮性蒸気を含むガス流を浄化する装置
FR3004964A1 (fr) * 2013-04-30 2014-10-31 Salah Hassanin Systeme de purification des fumees emanant des usines par refroidissement et intensification.

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JP2008525175A (ja) * 2004-12-27 2008-07-17 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 凝縮性蒸気を含むガス流を浄化する装置
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