JP2004101034A - トラップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収できるとともに、冷却媒体の蒸発を防止して保守費を低減化できるトラップ装置を提供する。
【解決手段】一方の側壁部にガス流入口4をそなえ他方の側壁部にガス流出口5をそなえた外槽2と、外槽2内に配置されて冷却媒体Cを収容する有底円筒状の容器部11の上部に突設した支軸部12を回転自在に支持された内槽10と、支軸部12を回転駆動する回転駆動装置20と、容器部11に収容された冷却媒体C内に浸漬された熱交換器30と、熱交換器30に冷媒Rを供給する供給路31および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路32、および容器部11に冷却媒体Cを供給する供給口と、冷却媒体Cの液面に浮遊し冷却媒体の蒸発を抑制する液体Dから成る液体層17とを具備した。
【選択図】 図1
【解決手段】一方の側壁部にガス流入口4をそなえ他方の側壁部にガス流出口5をそなえた外槽2と、外槽2内に配置されて冷却媒体Cを収容する有底円筒状の容器部11の上部に突設した支軸部12を回転自在に支持された内槽10と、支軸部12を回転駆動する回転駆動装置20と、容器部11に収容された冷却媒体C内に浸漬された熱交換器30と、熱交換器30に冷媒Rを供給する供給路31および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路32、および容器部11に冷却媒体Cを供給する供給口と、冷却媒体Cの液面に浮遊し冷却媒体の蒸発を抑制する液体Dから成る液体層17とを具備した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は気体中に含まれるミストまたは蒸発気化成分を、冷却により凝縮液化または固化させて回収するトラップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば産業廃棄物を真空下で加熱して金属などの有用物質を回収するのに用いられる真空加熱炉や、金属粉末の焼結品を製造する真空焼結炉などの真空加熱装置においては、真空ポンプに至る排気系路中に、排ガス流を冷却して該ガス中の蒸発成分を液化あるいは固化させて回収するトラップ装置が設けられる。この真空加熱炉用の従来のトラップ装置としては、排ガス流に直交する水平方向に延びる水冷式回転ローラと、この回転ローラと平行に配置された回転式のスクレーパをそなえた金属回収装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−287933号公報(第3−4頁、図4)
【0004】
ところが上記回転ローラは水冷式のため表面温度が0℃以上であり、蒸気亜鉛の回収はできるとしても、この亜鉛より固化温度の低い物質の回収は効率よくおこなうことは困難であり、また真空焼結炉の排ガス中に含まれる樟脳などのバインダ蒸発成分も、亜鉛よりは固化温度が大巾に低いため、上記回収装置では回収が困難である。そして排ガス中に含まれる未回収成分は、真空ポンプ部において固化して真空ポンプ故障の原因となる。また上記回収装置においては、回転ローラは両端部がケーシングを貫通しているため、この2個所の貫通部において回転ローラとケーシング間を真空シールする必要があり、構造上および保守上、好ましくない。
【0005】
そこで本出願人は、先に特願2002−3666号により、外槽の蓋板に回転自在に支持された内槽の容器部を外槽内に配置し、この容器部に収容した冷却媒体内に浸漬した熱交換器に冷媒を流通させて、容器部を冷却媒体を介して冷却する形式(以下間接冷却式という)のトラップ装置、および上記容器部に冷媒を供給し吸熱した冷媒を容器部から流出させて容器部を冷媒により直接冷却する形式(以下直接冷却式という)のトラップ装置を提案した。
【0006】
この提案によれば、排ガス流との接触面である容器部外面を、回転駆動しつつ低温に冷却・維持でき、ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収でき、回転部に対するシールも1個所で済み保守が容易なトラップ装置が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしその後、本発明者らは、上記特願2002−3666号記載のトラップ装置のさらなる改善を図るため鋭意検討を重ねた結果、上記の内槽内に冷却媒体を収容した間接冷却式のものにおいては、内槽内の冷却媒体が蒸発して、内槽の支軸部を貫通して設けた冷却媒体供給用の供給口に嵌込んだキャップのすきまなどから外部へ発散しやすく、冷却媒体量のチェックと補充のため保守費がかさむおそれがあり、冷却媒体の蒸発を防止するのが好ましいことを知見し、さらにこの冷却媒体の蒸発防止は、上記の熱交換器および冷却媒体を収容した内槽を、回転させずに固定支持したトラップ装置においても、上記保守費を低減化できて好ましいことを見出し、この発明を完成するに至った。なお上記供給口部を密閉構造にするのは、熱交換器の冷媒供給路および排出路が貫通している関係もあって、構造が複雑となるうえ冷却媒体供給時等の開閉操作も煩雑となるなどの問題があるので、冷却媒体の蒸発自体を防止するのが好ましい。
【0008】
この発明は上記の点にかんがみてなされたもので、排ガス流との接触面を低温に冷却・維持でき、ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収できるとともに、装置の構造を複雑化させることなく内槽内の冷却媒体の蒸発を防止して保守費を低減化できるトラップ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のトラップ装置は、一方の側壁部にガス流入口をそなえるとともに他方の側壁部にガス流出口をそなえ頂部を蓋板で閉鎖された外槽と、前記外槽内に配置されて冷却媒体を収容する有底円筒状の容器部の上部に該容器部と同心の支軸部を突設して成り、前記蓋板を貫通する前記支軸部を前記蓋板に回転自在に支持された内槽と、前記支軸部を回転駆動する回転駆動装置と、前記容器部に収容された冷却媒体内に浸漬された熱交換器と、前記支軸部を貫通して設けられ、前記熱交換器に冷媒を供給する供給路および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路、および前記容器部に冷却媒体を供給する供給口と、前記容器部に収容された冷却媒体の液面に浮遊し該冷却媒体の蒸発を抑制する蒸発抑制材とを、具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の手段によれば、先ず内槽は外槽の蓋部を貫通して片持状態で回転支持されているので、回転部と外槽とのシール部は1個所で済む。そして低温の冷媒(たとえば−60℃のフロン)を熱交換器に供給して、この冷媒温度より凝固点の低い容器部内の冷却媒体(たとえばエタノール)を介して、容器部の外面を0℃以下の所望の低温に冷却・維持でき、回転駆動装置により回転駆動されているこの低温の容器部外面との接触により、外槽内に流入するガス流中のミストまたは蒸発気化成分を冷却し凝縮液化または固化させて、外面付着物として確実に回収できる。特に冷媒は熱交換器部を流通させるだけでよいので、加圧状態の冷媒の使用に対しても熱交換器部のみの耐圧強度を確保すればよく、容器部は薄肉構造としてガス流に対する良好な冷却能力を確保できるとともに、加圧冷媒を使用できるので、所望の冷却温度を得るための冷媒を容易に選択採用できる。また容器部に収容された冷却媒体は、その液面に浮遊する蒸発抑制材によって液面部における蒸発が抑制され、冷却媒体の蒸発・散出による消耗が防止されるとともに、内槽の支軸部の開口端のシールも構造簡潔なもので済む。
【0011】
また請求項2記載のトラップ装置は、一方の側壁部にガス流入口をそなえるとともに他方の側壁部にガス流出口をそなえた外槽と、前記外槽内に配置されて冷却媒体を収容する有底筒状の容器部をそなえ前記外槽に固定取付けされた内槽と、前記容器部に収容された冷却媒体内に浸漬された熱交換器と、前記内槽の上部(詳しくは上部閉鎖部材)を貫通して設けられ、前記熱交換器に冷媒を供給する供給路および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路、および前記容器部に冷却媒体を供給する供給口と、前記容器部に収容された冷却媒体の液面に浮遊し該冷却媒体の蒸発を抑制する蒸発抑制材とを、具備したことを特徴とする。
【0012】
この請求項2記載の手段によれば、低温の冷媒(たとえば−60℃のフロン)を熱交換器に供給して、この冷媒温度より凝固点の低い容器部内の冷却媒体(たとえばエタノール)を介して、容器部の外面を0℃以下の所望の低温に冷却・維持でき、この低温の容器部外面との接触により、外槽内に流入するガス流中のミストまたは蒸発気化成分を冷却し凝縮液化または固化させて、外面付着物として確実に回収できる。特に冷媒は熱交換器部を流通させるだけでよいので、加圧状態の冷媒の使用に対しても熱交換器部のみの耐圧強度を確保すればよく、容器部は薄肉構造としてガス流に対する良好な冷却能力を確保できるとともに、加圧冷媒を使用できるので、所望の冷却温度を得るための冷媒を容易に選択採用できる。また容器部に収容された冷却媒体は、その液面に浮遊する蒸発抑制材によって液面部における蒸発が抑制され、冷却媒体の蒸発・散出による消耗が防止されるとともに、内槽の上部開口端のシールも構造簡潔なもので済む。
【0013】
この発明における蒸発抑制材は、たとえば冷却媒体より比重の小さいプラスチックや木材などの固形材料から成る多数個の小球体や粒体あるいは縁部が容器部の内壁面に少量のすきまをもって嵌合する1枚の板体などで構成することもできるが、請求項3記載の発明のように、前記蒸発抑制材を、前記冷却媒体より比重の小さい液体から成る液体層で構成すれば、冷却媒体の液面は上記液体層によりすきまなく覆われて密閉状態となるので、冷却媒体の蒸発は特に効果的に防止される。
【0014】
またこの発明は、大気圧に近い圧力の処理室からの排気系内に設置するトラップ装置にも適用できるものであるが、請求項4記載の発明のように、請求項1〜3記載のトラップ装置が、真空処理室から真空ポンプに至る真空排気系内に設置されるトラップ装置である場合には、排ガス中の固化成分回収不足により未回収成分が真空ポンプ部で固化して真空ポンプが故障するのを防止できるとともに、さらに内槽と外槽に回転自在に支持した回転式の内槽の場合は、回転部と外槽との真空シール部が1個所で済み、装置の構造が簡潔であり、損耗しやすい真空シール部の点検・保守が容易である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図3に示す第1例により、この発明の実施の形態を説明する。図中、1はトラップ装置で、2はその外殻部を形成する外槽であり、有底筒状体の頂部を蓋板3で閉鎖し、一方の側壁部にガス流入口4を、これに対向する他方の側壁部にガス流出口5をそなえている。6は外槽2の底部に設けた排出口である。
【0016】
10は内槽で、外槽2内に配置され冷却媒体Cを収容する有底円筒状の容器部11の上部に、この容器部11と同心で上方に延びる支軸部12の下部を、Oリング等を介してボルト締め又は溶接により一体に結合して成る。容器部11はステンレスやアルミ合金などで構成するのが好ましい。また支軸部12は、中心に穴13をそなえた管状を呈し、この穴13は容器部11に冷却媒体Cを供給する供給口として用いられる。
【0017】
この支軸部12は、蓋板3のボス部3aを貫通し、軸受14,15を介してボス部3aに回転自在に支持されている。16はボス部3aの内周と支軸部12の間に介装され両者間を真空シールするOリングなどから成るパッキンである。
【0018】
容器部11に収容される冷却媒体Cは、この中に浸漬される後述の熱交換器30と容器部11の壁面部との間の伝熱媒体として機能するものであり、この冷却媒体Cとしては、後述の冷媒Rにより冷却された熱交換器30の表面温度(たとえば−60℃)よりも凝固温度の低いたとえば、エタノール,イソプロピルアルコール,ハイドロフルオロエーテルなどのフッ素系不活性液体(代替フロン)等、各種液状媒体を用いることができる。
【0019】
そして容器部11に収容された冷却媒体Cの液面上には、冷却媒体Cの蒸発を抑制する蒸発抑制材として、冷却媒体Cより比重の小さい液体Dから成る液体層17を形成させてある。この液体Dとしては、上記した熱交換器30の表面温度(たとえば−60℃)より凝固温度が低く、かつ非蒸発性の、たとえばロータリーポンプ油,シリコーン油,流動パラフィンなどの、各種液状油脂を好適に用いることができる。この液体Dは、容器部11内の冷却媒体Cの液面上に、あるいは冷却媒体Cと共に、支軸部12の穴13から容器部11内へ注入すれば、その比重差により冷却媒体Cの液面上に層状の液体層17となって該液面を被覆するので、取扱いも容易である。
【0020】
20は支軸部12(従ってこれと一体の内槽10全体)を回転駆動する回転駆動装置で、蓋板3上に取付けた減速モータ21の出力軸に取付けた駆動スプロケット22と、支軸部12に取付けた従動スプロケット23との間にチェーン24を巻掛けて成る。
【0021】
30は内槽10の容器部11に収容された冷却媒体C内に浸漬された熱交換器で、この例ではたとえば銅やステンレスなどの金属管をコイル状に巻回して成り、その両端部を上方に延長して支軸部12の穴13を貫通させ、熱交換器30に冷媒を供給する供給路31および該熱交換器30から流出する吸熱した冷媒Rを排出する排出路32としたものである。
【0022】
供給路31および排出路32の上部は、蓋板3上に固設したブラケット33に固定取付けされ、これによって熱交換器30はブラケット33により吊下げられた形で固定位置に保持されている。34は支軸部12の穴13に少量のすきまをもって嵌合するキャップで、これを貫通する供給路31および排出路32によって固定位置に保持されている。
【0023】
熱交換器30に供給される熱交換用の冷媒Rとしては、所望の冷却温度に応じてアンモニア,フロン等の各種冷媒を用いることができ、これらの冷媒Rは、たとえば圧縮機35と冷却器36をそなえた冷凍装置からなる冷媒供給装置37により低温気体として熱交換器30に供給され、吸熱し液状となって排出路32から冷媒供給装置37へと還流されて循環使用される。なお冷媒Rとしてたとえば液体窒素や液体窒素により冷却された窒素ガスなどを使用する場合には、排出路32からの排出ガスは大気中等へそのまま放出させたり他の冷却装置へ冷却用ガスとして供給してもよい。
【0024】
一方40は、容器部11の外面に沿って上下方向に延びる付着物掻落し具で、金属板の先端部(容器部11の外面寄りの端部)にすくい面40a(図3参照)を形成して成る。この掻落し具の支持構造として、内槽10の支軸部12に基部が嵌合して該支軸部のまわりに回転自在に支持されて側方に延びる上部アーム41と、容器部11の下面中心部に突設固着した短軸42に基部が嵌合して該短軸のまわりに回転自在に支持されて側方に延びる下部アーム43の各先端部に、上下方向に延びる支持杆44の上下端部を固定取付けしてある。
【0025】
そしてこの支持杆44の側面部に、付着物掻落し具40がボルト45により取付位置調節可能に締付けてあり、この掻落し具の先端縁部と容器部11の外面との間のすきまは、該外面に固着する回収物の硬さや脆さなどに応じて、たとえば0.2〜1mm程度の少量のすきまになるよう調節されている。47,47は外槽2の内面部に固設したストッパで、内槽10の回転時に上部アーム41および下部アーム43の先端部の側部に当接して、付着物掻落し具40を停止位置に保持するものである。なおこのストッパ47は、支持杆44の側部や、付着物掻落し具40の形状等によっては該掻落し具の側部等に、当接する位置に設けてもよい。
【0026】
また48,48は、外槽2に基端部を固定取付けした仕切板で、外槽2の上端部から容器部11の下端部付近にわたって上下方向に延びており、その先端縁部と容器部11との間には、容器部11表面に付着する固化回収物と干渉しない程度の数mmのすきまを設けてある。この仕切板48の付設により、ガス流入口4から外槽2内へ流入したガスは下向き流として外槽2内を流れたのち外槽下部で反転して上向き流として流れガス流出口5から流出するので、該ガスと内槽の容器部11との接触による熱交換が促進されて冷却が良好におこなわれるものであるが、さらに仕切板48の枚数を増し取付位置をずらすなどして、ガス流反転回数を増やすなどしてもよい。
【0027】
上記構成のトラップ装置1を用いて、粉末金属を焼結する真空焼結炉の排ガスから、そのバインダ成分である樟脳を回収する場合の使用例について説明する。トラップ装置1は、図示しない真空焼結炉から真空ポンプに至る真空排気系50内に設置し、真空焼結炉の排ガスGをガス流入口4に流入させ、トラップ装置1内を通過した排ガスを真空ポンプ側へ流出させるよう配管接続する。
【0028】
トラップ装置1においては、冷媒供給装置37により約−60℃に冷却したフロンから成る冷媒Rを供給路31から熱交換器30へ流入させ、内槽10の容器部11内のエタノールから成る冷却媒体Cを約−40℃に冷却するとともに、回転駆動装置20により内槽10の中心軸線のまわりに低速度(たとえば毎分1回転)で回転させる。冷却媒体Cの液面上には、ロータリーポンプ油から成る液体Dの液体層17を形成させてある。
【0029】
この状態で真空焼結炉からの温度約200℃の排ガスGを外槽2内に流入させると、内槽10の低温の容器部11の外面との接触により、排ガスGは急冷され、該ガス中の気化状態の樟脳(固化温度=約179℃)が固化して上記外面に付着する。
【0030】
このとき内槽10は中心軸線のまわりに回転しているので、排ガスGと容器部外面との接触は局部的に集中することなく外面各部にほぼ均等に接触するとともに、内槽10の回転に伴って、ストッパ47により固定位置に保持された付着物掻落し具40によって、容器部11の外面に付着堆積した樟脳が掻落され、付着物の厚い層によりガス流の冷却が阻害されることがないので、排ガスG中の樟脳の固化回収は能率よく確実におこなわれ、未回収分が真空ポンプ側へ流出して該ポンプ部で樟脳が固化してポンプ故障をひきおこすのを防止できるのである。掻落された樟脳は、外槽2の底部に溜まるので、排出口6に接続した真空仕切弁等の操作により適時下方へ排出すればよい。
【0031】
上記のトラップ装置1の使用中において、内槽10の容器部11内の冷却媒体Cの液面は、液体Dから成る液体層17により被覆されているので、冷却媒体Cの蒸発はほとんどなく、冷却媒体Cの液面チェックやその補充などの面倒な作業は不要となり、また支軸部12の穴13のキャップ34部等、内槽10の上部開口部のシール構造も簡単なもので済むのである。
【0032】
上記の付着物掻落し具40は、内槽10の回転中心軸線のまわりに回転自在に支持された上部アーム41と下部アーム43(およびこの例では両アームを連結する支持杆44)により、内槽10に一体に保持されているので、この一体品を外槽2から取出した状態でボルト45を操作して付着物掻落し具40の取付位置を調節することにより、容器部11の外面と付着物掻落し具40の先端縁部とのすきまを容易に、且つ掻落し具全長にわたってほぼ同一値に調節できるのである。
【0033】
なお上記の支持杆44を用いずに、付着物掻落し具40の延長端部を、直接上部アーム41と下部アーム43に取付けたり、両アーム部に突設固着した取付片部に取付けたりしても、同様なすきま調節作用が得られる。またガス流中の成分を専ら液体の状態で回収する場合には、付着物掻落し具40およびストッパ47の付設は、省略してよい。
【0034】
また上記の熱交換器30は、供給路31および排出路32を介してブラケット33により外槽2に固定保持されているので、内槽10の回転に伴って容器部11と共に回転する冷却媒体Cが上記固定状態の熱交換器30によってゆるやかに撹拌され、熱交換器30と冷却媒体C間の熱交換が促進されるという効果が得られるものであるが、熱交換器30を内槽10に固定取付けして、供給路31および排出路32はロータリージョイント等を介して外部管路と接続するようにしてもよい。
【0035】
次に図4に示す第2例により、この発明の実施の形態を説明する。この例のトラップ装置61は、前記第1例のトラップ装置1における回転駆動装置20および付着物掻落し具40とその支持・停止位置保持構造等の関連機構を省略して、第1例の回転式の内槽10を固定式の内槽62として外槽2に固定取付けしたものであり、その他は第1例と同構成を有するので、図1と同一または相当部分には同一符号を付して図示し、それらの部分の詳細な説明は省略し、以下他の例においても同様とする。
【0036】
すなわち、トラップ装置61においては、内槽62はその容器部11の頂部を、外槽2の蓋板3にボルト締めにより固定取付けし、蓋板3のボス部3aに設けた穴63に、熱交換器30の供給路31および排出路32を貫通させてある。そしてこの穴63は、容器部11に冷却媒体C(および液体D)を供給する供給口として用いられ、64は、穴63に少量のすきまをもって嵌合し熱交換器30の供給路31および排出路32が貫通するキャップである。
【0037】
上記構成のトラップ装置61を用いて、第1例と同じ真空焼結炉の排ガスから樟脳を回収するには、トラップ装置61を第1例と同じく真空排気系50内に設置し、内槽62を回転駆動しない点以外は、第1例と同様に冷媒Rを熱交換器30へ流入させ、これによって冷却された冷却媒体Cを介して容器部11は低温に冷却し、この低温の容器部11の外面との接触により、外槽2内に流入した排ガスGを急冷して、第1例と同様に排ガスG中の樟脳成分を容器部外面に固化付着させる。この固化付着物は、たとえば定期的に冷却を中止することにより液化させて、外槽2の排出口6から下方へ排出すればよい。
【0038】
そしてこのトラップ装置61の使用中においても、内槽62の容器部11内の冷却媒体Cの液面は、液体Dから成る液体層17により被覆されているので、冷却媒体Cの蒸発はほとんどなく、冷却媒体Cの液面チェックやその補充などの面倒な作業は不要となり、また蓋板3の穴63のキャップ64部等、内槽62の上部開口部のシール構造も簡単なもので済むのである。
【0039】
またこの例では、内槽62を外槽2に固定取付けしたので、内槽62の回転支持機構および回転駆動装置20を必要としない点で、第1例のトラップ装置より装置が簡潔で済む。なおこの例では内槽62の容器部11としては第1例と同じ円筒形のものを用いたが、この他に楕円筒状や角筒状など、円筒形以外の容器部を用いることもできる。また熱交換器30の冷媒Rの供給路31と排出路32を貫通させる穴63とは別に、容器部11への冷却媒体C供給用の穴を設けるようにしてもよい。
【0040】
上記第2例では内槽62を外槽2の蓋板3に固定取付けしたが、このかわりに図5に示す第3例のトラップ装置65のように、内槽66の容器部11の上端部に固着したフランジ部18を、外槽2の筒状部上端のフランジ部7に直接固定取付けしてもよい。そして、容器部11の上部に取付けられる内槽66の蓋19に突設したボス部19aに、前記第2例における穴63を設け、その他は第2例と同じ構成とすることにより、第2例と同様な作用効果のトラップ装置が得られる。
【0041】
次に実際に液体Dを液面上に浮遊させた冷却媒体Cの蒸発特性の試験結果を図6に示す。この蒸発特性は、直径40mmのビーカに下記2種類の冷却媒体Cを深さ50mmまで注入し、この液面上に液体Dとしてロータリーポンプ油を注入して厚さ5mmの液体層を形成したものを、25℃の常圧の大気中に載置し、所定時間ごとにその重量減少を測定して調べた。図6の線図に各冷却媒体符号に対して実線で示したのは上記液体Dの液体層を形成した場合の、また破線で示したのは比較のため上記液体層なし(冷却媒体Cのみ)とした場合の、それぞれ蒸発特性曲線である。
○冷却媒体C1:住友スリーエム株式会社製ハイドロフルオロエーテル ノベック(商品名)HFE−7100
○冷却媒体C2:同上ハイドロフルオロエーテルHFE−7200
【0042】
図6から明らかなように、冷却媒体Cの液面を液体Dの液体層で覆うことにより、冷却媒体Cの蒸発量はたとえば冷却媒体C2の場合、経過時間約50時間で45%あった蒸発率が、経過時間500時間の時点で約5%に減少し、冷却媒体C1ではこれよりさらに大巾に減少するなど、液体Dの液体層による冷却媒体Cの蒸発抑制作用は極めて顕著である。
【0043】
この発明は上記各例に限定されるものではなく、装置各部の具体的形状や、冷媒Rおよび冷却媒体Cおよび液体Dは上記以外のものを使用してもよく、また液体Dの液体層17のかわりに、前述した固形材料から成る小球体や流体や板体などを、冷却媒体の蒸発抑制材として使用してもよい。またこの発明のトラップ装置は、上記の真空焼結炉からの排ガス中の蒸発成分の回収のほか、たとえば産業廃棄物の真空加熱装置からの排ガス中の有用物質あるいは有害物質の回収や、炉内圧が大気圧や若干加圧された状態で焼結品のバインダーを脱脂処理する加圧式脱脂炉の排ガス中のバインダー成分の回収など、加熱や脱脂その他の各種の処理をおこなう処理装置の排ガス中の所望成分の回収に、広く使用できるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、排ガス流との接触面である容器部外面を低温に冷却・維持でき、ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収できるとともに、装置の構造を複雑化させることなく内槽内の冷却媒体の蒸発を防止して保守費を低減化できるトラップ装置が得られる。
【0045】
上記の効果に加えて、請求項1記載の発明によれば、回転駆動されている容器部外面との接触により、排ガス流中の物質をさらに確実に回収でき、また回転部に対するシールも1個所で済み保守が容易なトラップ装置が得られる。
【0046】
また上記の効果に加えて、請求項3記載の発明によれば、冷却媒体の液面は、冷却媒体より比重の小さい液体から成る液体層によりすきまなく覆われて密閉状態となるので、冷却媒体の蒸発は特に効果的に防止される。
【0047】
また上記の効果に加えて、請求項4記載の発明によれば、排ガス中の未回収成分の真空ポンプ部における固化による真空ポンプの故障を防止できるとともに、さらに内槽を外槽に回転自在に支持した回転式の内槽の場合は、回転部の真空シール部が1個所で済み、構造簡潔で保守が容易な真空排気系用トラップ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1例を示すトラップ装置の縦断面図(図3におけるB−B線断面図)である。
【図2】図1のトラップ装置の平面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】この発明の実施の形態の第2例を示す図1相当図である。
【図5】この発明の実施の形態の第3例を示すトラップ装置の要部縦断面図である。
【図6】この発明における冷却媒体の蒸発特性を示す線図である。
【符号の説明】
1…トラップ装置、2…外槽、3…蓋板、4…ガス流入口、5…ガス流出口、10…内槽、11…容器部、12…支軸部、13…穴、17…液体層、20…回転駆動装置、30…熱交換器、31…供給路、32…排出路、37…冷媒供給装置、40…付着物掻落し具、41…上部アーム、42…短軸、43…下部アーム、44…支持杆、47…ストッパ、50…真空排気系、61…トラップ装置、62…内槽、63…穴、65…トラップ装置、66…内槽。
【発明の属する技術分野】
この発明は気体中に含まれるミストまたは蒸発気化成分を、冷却により凝縮液化または固化させて回収するトラップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば産業廃棄物を真空下で加熱して金属などの有用物質を回収するのに用いられる真空加熱炉や、金属粉末の焼結品を製造する真空焼結炉などの真空加熱装置においては、真空ポンプに至る排気系路中に、排ガス流を冷却して該ガス中の蒸発成分を液化あるいは固化させて回収するトラップ装置が設けられる。この真空加熱炉用の従来のトラップ装置としては、排ガス流に直交する水平方向に延びる水冷式回転ローラと、この回転ローラと平行に配置された回転式のスクレーパをそなえた金属回収装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−287933号公報(第3−4頁、図4)
【0004】
ところが上記回転ローラは水冷式のため表面温度が0℃以上であり、蒸気亜鉛の回収はできるとしても、この亜鉛より固化温度の低い物質の回収は効率よくおこなうことは困難であり、また真空焼結炉の排ガス中に含まれる樟脳などのバインダ蒸発成分も、亜鉛よりは固化温度が大巾に低いため、上記回収装置では回収が困難である。そして排ガス中に含まれる未回収成分は、真空ポンプ部において固化して真空ポンプ故障の原因となる。また上記回収装置においては、回転ローラは両端部がケーシングを貫通しているため、この2個所の貫通部において回転ローラとケーシング間を真空シールする必要があり、構造上および保守上、好ましくない。
【0005】
そこで本出願人は、先に特願2002−3666号により、外槽の蓋板に回転自在に支持された内槽の容器部を外槽内に配置し、この容器部に収容した冷却媒体内に浸漬した熱交換器に冷媒を流通させて、容器部を冷却媒体を介して冷却する形式(以下間接冷却式という)のトラップ装置、および上記容器部に冷媒を供給し吸熱した冷媒を容器部から流出させて容器部を冷媒により直接冷却する形式(以下直接冷却式という)のトラップ装置を提案した。
【0006】
この提案によれば、排ガス流との接触面である容器部外面を、回転駆動しつつ低温に冷却・維持でき、ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収でき、回転部に対するシールも1個所で済み保守が容易なトラップ装置が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしその後、本発明者らは、上記特願2002−3666号記載のトラップ装置のさらなる改善を図るため鋭意検討を重ねた結果、上記の内槽内に冷却媒体を収容した間接冷却式のものにおいては、内槽内の冷却媒体が蒸発して、内槽の支軸部を貫通して設けた冷却媒体供給用の供給口に嵌込んだキャップのすきまなどから外部へ発散しやすく、冷却媒体量のチェックと補充のため保守費がかさむおそれがあり、冷却媒体の蒸発を防止するのが好ましいことを知見し、さらにこの冷却媒体の蒸発防止は、上記の熱交換器および冷却媒体を収容した内槽を、回転させずに固定支持したトラップ装置においても、上記保守費を低減化できて好ましいことを見出し、この発明を完成するに至った。なお上記供給口部を密閉構造にするのは、熱交換器の冷媒供給路および排出路が貫通している関係もあって、構造が複雑となるうえ冷却媒体供給時等の開閉操作も煩雑となるなどの問題があるので、冷却媒体の蒸発自体を防止するのが好ましい。
【0008】
この発明は上記の点にかんがみてなされたもので、排ガス流との接触面を低温に冷却・維持でき、ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収できるとともに、装置の構造を複雑化させることなく内槽内の冷却媒体の蒸発を防止して保守費を低減化できるトラップ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のトラップ装置は、一方の側壁部にガス流入口をそなえるとともに他方の側壁部にガス流出口をそなえ頂部を蓋板で閉鎖された外槽と、前記外槽内に配置されて冷却媒体を収容する有底円筒状の容器部の上部に該容器部と同心の支軸部を突設して成り、前記蓋板を貫通する前記支軸部を前記蓋板に回転自在に支持された内槽と、前記支軸部を回転駆動する回転駆動装置と、前記容器部に収容された冷却媒体内に浸漬された熱交換器と、前記支軸部を貫通して設けられ、前記熱交換器に冷媒を供給する供給路および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路、および前記容器部に冷却媒体を供給する供給口と、前記容器部に収容された冷却媒体の液面に浮遊し該冷却媒体の蒸発を抑制する蒸発抑制材とを、具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の手段によれば、先ず内槽は外槽の蓋部を貫通して片持状態で回転支持されているので、回転部と外槽とのシール部は1個所で済む。そして低温の冷媒(たとえば−60℃のフロン)を熱交換器に供給して、この冷媒温度より凝固点の低い容器部内の冷却媒体(たとえばエタノール)を介して、容器部の外面を0℃以下の所望の低温に冷却・維持でき、回転駆動装置により回転駆動されているこの低温の容器部外面との接触により、外槽内に流入するガス流中のミストまたは蒸発気化成分を冷却し凝縮液化または固化させて、外面付着物として確実に回収できる。特に冷媒は熱交換器部を流通させるだけでよいので、加圧状態の冷媒の使用に対しても熱交換器部のみの耐圧強度を確保すればよく、容器部は薄肉構造としてガス流に対する良好な冷却能力を確保できるとともに、加圧冷媒を使用できるので、所望の冷却温度を得るための冷媒を容易に選択採用できる。また容器部に収容された冷却媒体は、その液面に浮遊する蒸発抑制材によって液面部における蒸発が抑制され、冷却媒体の蒸発・散出による消耗が防止されるとともに、内槽の支軸部の開口端のシールも構造簡潔なもので済む。
【0011】
また請求項2記載のトラップ装置は、一方の側壁部にガス流入口をそなえるとともに他方の側壁部にガス流出口をそなえた外槽と、前記外槽内に配置されて冷却媒体を収容する有底筒状の容器部をそなえ前記外槽に固定取付けされた内槽と、前記容器部に収容された冷却媒体内に浸漬された熱交換器と、前記内槽の上部(詳しくは上部閉鎖部材)を貫通して設けられ、前記熱交換器に冷媒を供給する供給路および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路、および前記容器部に冷却媒体を供給する供給口と、前記容器部に収容された冷却媒体の液面に浮遊し該冷却媒体の蒸発を抑制する蒸発抑制材とを、具備したことを特徴とする。
【0012】
この請求項2記載の手段によれば、低温の冷媒(たとえば−60℃のフロン)を熱交換器に供給して、この冷媒温度より凝固点の低い容器部内の冷却媒体(たとえばエタノール)を介して、容器部の外面を0℃以下の所望の低温に冷却・維持でき、この低温の容器部外面との接触により、外槽内に流入するガス流中のミストまたは蒸発気化成分を冷却し凝縮液化または固化させて、外面付着物として確実に回収できる。特に冷媒は熱交換器部を流通させるだけでよいので、加圧状態の冷媒の使用に対しても熱交換器部のみの耐圧強度を確保すればよく、容器部は薄肉構造としてガス流に対する良好な冷却能力を確保できるとともに、加圧冷媒を使用できるので、所望の冷却温度を得るための冷媒を容易に選択採用できる。また容器部に収容された冷却媒体は、その液面に浮遊する蒸発抑制材によって液面部における蒸発が抑制され、冷却媒体の蒸発・散出による消耗が防止されるとともに、内槽の上部開口端のシールも構造簡潔なもので済む。
【0013】
この発明における蒸発抑制材は、たとえば冷却媒体より比重の小さいプラスチックや木材などの固形材料から成る多数個の小球体や粒体あるいは縁部が容器部の内壁面に少量のすきまをもって嵌合する1枚の板体などで構成することもできるが、請求項3記載の発明のように、前記蒸発抑制材を、前記冷却媒体より比重の小さい液体から成る液体層で構成すれば、冷却媒体の液面は上記液体層によりすきまなく覆われて密閉状態となるので、冷却媒体の蒸発は特に効果的に防止される。
【0014】
またこの発明は、大気圧に近い圧力の処理室からの排気系内に設置するトラップ装置にも適用できるものであるが、請求項4記載の発明のように、請求項1〜3記載のトラップ装置が、真空処理室から真空ポンプに至る真空排気系内に設置されるトラップ装置である場合には、排ガス中の固化成分回収不足により未回収成分が真空ポンプ部で固化して真空ポンプが故障するのを防止できるとともに、さらに内槽と外槽に回転自在に支持した回転式の内槽の場合は、回転部と外槽との真空シール部が1個所で済み、装置の構造が簡潔であり、損耗しやすい真空シール部の点検・保守が容易である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図3に示す第1例により、この発明の実施の形態を説明する。図中、1はトラップ装置で、2はその外殻部を形成する外槽であり、有底筒状体の頂部を蓋板3で閉鎖し、一方の側壁部にガス流入口4を、これに対向する他方の側壁部にガス流出口5をそなえている。6は外槽2の底部に設けた排出口である。
【0016】
10は内槽で、外槽2内に配置され冷却媒体Cを収容する有底円筒状の容器部11の上部に、この容器部11と同心で上方に延びる支軸部12の下部を、Oリング等を介してボルト締め又は溶接により一体に結合して成る。容器部11はステンレスやアルミ合金などで構成するのが好ましい。また支軸部12は、中心に穴13をそなえた管状を呈し、この穴13は容器部11に冷却媒体Cを供給する供給口として用いられる。
【0017】
この支軸部12は、蓋板3のボス部3aを貫通し、軸受14,15を介してボス部3aに回転自在に支持されている。16はボス部3aの内周と支軸部12の間に介装され両者間を真空シールするOリングなどから成るパッキンである。
【0018】
容器部11に収容される冷却媒体Cは、この中に浸漬される後述の熱交換器30と容器部11の壁面部との間の伝熱媒体として機能するものであり、この冷却媒体Cとしては、後述の冷媒Rにより冷却された熱交換器30の表面温度(たとえば−60℃)よりも凝固温度の低いたとえば、エタノール,イソプロピルアルコール,ハイドロフルオロエーテルなどのフッ素系不活性液体(代替フロン)等、各種液状媒体を用いることができる。
【0019】
そして容器部11に収容された冷却媒体Cの液面上には、冷却媒体Cの蒸発を抑制する蒸発抑制材として、冷却媒体Cより比重の小さい液体Dから成る液体層17を形成させてある。この液体Dとしては、上記した熱交換器30の表面温度(たとえば−60℃)より凝固温度が低く、かつ非蒸発性の、たとえばロータリーポンプ油,シリコーン油,流動パラフィンなどの、各種液状油脂を好適に用いることができる。この液体Dは、容器部11内の冷却媒体Cの液面上に、あるいは冷却媒体Cと共に、支軸部12の穴13から容器部11内へ注入すれば、その比重差により冷却媒体Cの液面上に層状の液体層17となって該液面を被覆するので、取扱いも容易である。
【0020】
20は支軸部12(従ってこれと一体の内槽10全体)を回転駆動する回転駆動装置で、蓋板3上に取付けた減速モータ21の出力軸に取付けた駆動スプロケット22と、支軸部12に取付けた従動スプロケット23との間にチェーン24を巻掛けて成る。
【0021】
30は内槽10の容器部11に収容された冷却媒体C内に浸漬された熱交換器で、この例ではたとえば銅やステンレスなどの金属管をコイル状に巻回して成り、その両端部を上方に延長して支軸部12の穴13を貫通させ、熱交換器30に冷媒を供給する供給路31および該熱交換器30から流出する吸熱した冷媒Rを排出する排出路32としたものである。
【0022】
供給路31および排出路32の上部は、蓋板3上に固設したブラケット33に固定取付けされ、これによって熱交換器30はブラケット33により吊下げられた形で固定位置に保持されている。34は支軸部12の穴13に少量のすきまをもって嵌合するキャップで、これを貫通する供給路31および排出路32によって固定位置に保持されている。
【0023】
熱交換器30に供給される熱交換用の冷媒Rとしては、所望の冷却温度に応じてアンモニア,フロン等の各種冷媒を用いることができ、これらの冷媒Rは、たとえば圧縮機35と冷却器36をそなえた冷凍装置からなる冷媒供給装置37により低温気体として熱交換器30に供給され、吸熱し液状となって排出路32から冷媒供給装置37へと還流されて循環使用される。なお冷媒Rとしてたとえば液体窒素や液体窒素により冷却された窒素ガスなどを使用する場合には、排出路32からの排出ガスは大気中等へそのまま放出させたり他の冷却装置へ冷却用ガスとして供給してもよい。
【0024】
一方40は、容器部11の外面に沿って上下方向に延びる付着物掻落し具で、金属板の先端部(容器部11の外面寄りの端部)にすくい面40a(図3参照)を形成して成る。この掻落し具の支持構造として、内槽10の支軸部12に基部が嵌合して該支軸部のまわりに回転自在に支持されて側方に延びる上部アーム41と、容器部11の下面中心部に突設固着した短軸42に基部が嵌合して該短軸のまわりに回転自在に支持されて側方に延びる下部アーム43の各先端部に、上下方向に延びる支持杆44の上下端部を固定取付けしてある。
【0025】
そしてこの支持杆44の側面部に、付着物掻落し具40がボルト45により取付位置調節可能に締付けてあり、この掻落し具の先端縁部と容器部11の外面との間のすきまは、該外面に固着する回収物の硬さや脆さなどに応じて、たとえば0.2〜1mm程度の少量のすきまになるよう調節されている。47,47は外槽2の内面部に固設したストッパで、内槽10の回転時に上部アーム41および下部アーム43の先端部の側部に当接して、付着物掻落し具40を停止位置に保持するものである。なおこのストッパ47は、支持杆44の側部や、付着物掻落し具40の形状等によっては該掻落し具の側部等に、当接する位置に設けてもよい。
【0026】
また48,48は、外槽2に基端部を固定取付けした仕切板で、外槽2の上端部から容器部11の下端部付近にわたって上下方向に延びており、その先端縁部と容器部11との間には、容器部11表面に付着する固化回収物と干渉しない程度の数mmのすきまを設けてある。この仕切板48の付設により、ガス流入口4から外槽2内へ流入したガスは下向き流として外槽2内を流れたのち外槽下部で反転して上向き流として流れガス流出口5から流出するので、該ガスと内槽の容器部11との接触による熱交換が促進されて冷却が良好におこなわれるものであるが、さらに仕切板48の枚数を増し取付位置をずらすなどして、ガス流反転回数を増やすなどしてもよい。
【0027】
上記構成のトラップ装置1を用いて、粉末金属を焼結する真空焼結炉の排ガスから、そのバインダ成分である樟脳を回収する場合の使用例について説明する。トラップ装置1は、図示しない真空焼結炉から真空ポンプに至る真空排気系50内に設置し、真空焼結炉の排ガスGをガス流入口4に流入させ、トラップ装置1内を通過した排ガスを真空ポンプ側へ流出させるよう配管接続する。
【0028】
トラップ装置1においては、冷媒供給装置37により約−60℃に冷却したフロンから成る冷媒Rを供給路31から熱交換器30へ流入させ、内槽10の容器部11内のエタノールから成る冷却媒体Cを約−40℃に冷却するとともに、回転駆動装置20により内槽10の中心軸線のまわりに低速度(たとえば毎分1回転)で回転させる。冷却媒体Cの液面上には、ロータリーポンプ油から成る液体Dの液体層17を形成させてある。
【0029】
この状態で真空焼結炉からの温度約200℃の排ガスGを外槽2内に流入させると、内槽10の低温の容器部11の外面との接触により、排ガスGは急冷され、該ガス中の気化状態の樟脳(固化温度=約179℃)が固化して上記外面に付着する。
【0030】
このとき内槽10は中心軸線のまわりに回転しているので、排ガスGと容器部外面との接触は局部的に集中することなく外面各部にほぼ均等に接触するとともに、内槽10の回転に伴って、ストッパ47により固定位置に保持された付着物掻落し具40によって、容器部11の外面に付着堆積した樟脳が掻落され、付着物の厚い層によりガス流の冷却が阻害されることがないので、排ガスG中の樟脳の固化回収は能率よく確実におこなわれ、未回収分が真空ポンプ側へ流出して該ポンプ部で樟脳が固化してポンプ故障をひきおこすのを防止できるのである。掻落された樟脳は、外槽2の底部に溜まるので、排出口6に接続した真空仕切弁等の操作により適時下方へ排出すればよい。
【0031】
上記のトラップ装置1の使用中において、内槽10の容器部11内の冷却媒体Cの液面は、液体Dから成る液体層17により被覆されているので、冷却媒体Cの蒸発はほとんどなく、冷却媒体Cの液面チェックやその補充などの面倒な作業は不要となり、また支軸部12の穴13のキャップ34部等、内槽10の上部開口部のシール構造も簡単なもので済むのである。
【0032】
上記の付着物掻落し具40は、内槽10の回転中心軸線のまわりに回転自在に支持された上部アーム41と下部アーム43(およびこの例では両アームを連結する支持杆44)により、内槽10に一体に保持されているので、この一体品を外槽2から取出した状態でボルト45を操作して付着物掻落し具40の取付位置を調節することにより、容器部11の外面と付着物掻落し具40の先端縁部とのすきまを容易に、且つ掻落し具全長にわたってほぼ同一値に調節できるのである。
【0033】
なお上記の支持杆44を用いずに、付着物掻落し具40の延長端部を、直接上部アーム41と下部アーム43に取付けたり、両アーム部に突設固着した取付片部に取付けたりしても、同様なすきま調節作用が得られる。またガス流中の成分を専ら液体の状態で回収する場合には、付着物掻落し具40およびストッパ47の付設は、省略してよい。
【0034】
また上記の熱交換器30は、供給路31および排出路32を介してブラケット33により外槽2に固定保持されているので、内槽10の回転に伴って容器部11と共に回転する冷却媒体Cが上記固定状態の熱交換器30によってゆるやかに撹拌され、熱交換器30と冷却媒体C間の熱交換が促進されるという効果が得られるものであるが、熱交換器30を内槽10に固定取付けして、供給路31および排出路32はロータリージョイント等を介して外部管路と接続するようにしてもよい。
【0035】
次に図4に示す第2例により、この発明の実施の形態を説明する。この例のトラップ装置61は、前記第1例のトラップ装置1における回転駆動装置20および付着物掻落し具40とその支持・停止位置保持構造等の関連機構を省略して、第1例の回転式の内槽10を固定式の内槽62として外槽2に固定取付けしたものであり、その他は第1例と同構成を有するので、図1と同一または相当部分には同一符号を付して図示し、それらの部分の詳細な説明は省略し、以下他の例においても同様とする。
【0036】
すなわち、トラップ装置61においては、内槽62はその容器部11の頂部を、外槽2の蓋板3にボルト締めにより固定取付けし、蓋板3のボス部3aに設けた穴63に、熱交換器30の供給路31および排出路32を貫通させてある。そしてこの穴63は、容器部11に冷却媒体C(および液体D)を供給する供給口として用いられ、64は、穴63に少量のすきまをもって嵌合し熱交換器30の供給路31および排出路32が貫通するキャップである。
【0037】
上記構成のトラップ装置61を用いて、第1例と同じ真空焼結炉の排ガスから樟脳を回収するには、トラップ装置61を第1例と同じく真空排気系50内に設置し、内槽62を回転駆動しない点以外は、第1例と同様に冷媒Rを熱交換器30へ流入させ、これによって冷却された冷却媒体Cを介して容器部11は低温に冷却し、この低温の容器部11の外面との接触により、外槽2内に流入した排ガスGを急冷して、第1例と同様に排ガスG中の樟脳成分を容器部外面に固化付着させる。この固化付着物は、たとえば定期的に冷却を中止することにより液化させて、外槽2の排出口6から下方へ排出すればよい。
【0038】
そしてこのトラップ装置61の使用中においても、内槽62の容器部11内の冷却媒体Cの液面は、液体Dから成る液体層17により被覆されているので、冷却媒体Cの蒸発はほとんどなく、冷却媒体Cの液面チェックやその補充などの面倒な作業は不要となり、また蓋板3の穴63のキャップ64部等、内槽62の上部開口部のシール構造も簡単なもので済むのである。
【0039】
またこの例では、内槽62を外槽2に固定取付けしたので、内槽62の回転支持機構および回転駆動装置20を必要としない点で、第1例のトラップ装置より装置が簡潔で済む。なおこの例では内槽62の容器部11としては第1例と同じ円筒形のものを用いたが、この他に楕円筒状や角筒状など、円筒形以外の容器部を用いることもできる。また熱交換器30の冷媒Rの供給路31と排出路32を貫通させる穴63とは別に、容器部11への冷却媒体C供給用の穴を設けるようにしてもよい。
【0040】
上記第2例では内槽62を外槽2の蓋板3に固定取付けしたが、このかわりに図5に示す第3例のトラップ装置65のように、内槽66の容器部11の上端部に固着したフランジ部18を、外槽2の筒状部上端のフランジ部7に直接固定取付けしてもよい。そして、容器部11の上部に取付けられる内槽66の蓋19に突設したボス部19aに、前記第2例における穴63を設け、その他は第2例と同じ構成とすることにより、第2例と同様な作用効果のトラップ装置が得られる。
【0041】
次に実際に液体Dを液面上に浮遊させた冷却媒体Cの蒸発特性の試験結果を図6に示す。この蒸発特性は、直径40mmのビーカに下記2種類の冷却媒体Cを深さ50mmまで注入し、この液面上に液体Dとしてロータリーポンプ油を注入して厚さ5mmの液体層を形成したものを、25℃の常圧の大気中に載置し、所定時間ごとにその重量減少を測定して調べた。図6の線図に各冷却媒体符号に対して実線で示したのは上記液体Dの液体層を形成した場合の、また破線で示したのは比較のため上記液体層なし(冷却媒体Cのみ)とした場合の、それぞれ蒸発特性曲線である。
○冷却媒体C1:住友スリーエム株式会社製ハイドロフルオロエーテル ノベック(商品名)HFE−7100
○冷却媒体C2:同上ハイドロフルオロエーテルHFE−7200
【0042】
図6から明らかなように、冷却媒体Cの液面を液体Dの液体層で覆うことにより、冷却媒体Cの蒸発量はたとえば冷却媒体C2の場合、経過時間約50時間で45%あった蒸発率が、経過時間500時間の時点で約5%に減少し、冷却媒体C1ではこれよりさらに大巾に減少するなど、液体Dの液体層による冷却媒体Cの蒸発抑制作用は極めて顕著である。
【0043】
この発明は上記各例に限定されるものではなく、装置各部の具体的形状や、冷媒Rおよび冷却媒体Cおよび液体Dは上記以外のものを使用してもよく、また液体Dの液体層17のかわりに、前述した固形材料から成る小球体や流体や板体などを、冷却媒体の蒸発抑制材として使用してもよい。またこの発明のトラップ装置は、上記の真空焼結炉からの排ガス中の蒸発成分の回収のほか、たとえば産業廃棄物の真空加熱装置からの排ガス中の有用物質あるいは有害物質の回収や、炉内圧が大気圧や若干加圧された状態で焼結品のバインダーを脱脂処理する加圧式脱脂炉の排ガス中のバインダー成分の回収など、加熱や脱脂その他の各種の処理をおこなう処理装置の排ガス中の所望成分の回収に、広く使用できるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、排ガス流との接触面である容器部外面を低温に冷却・維持でき、ガス流中の固化温度や液化温度の低い物質も確実に回収できるとともに、装置の構造を複雑化させることなく内槽内の冷却媒体の蒸発を防止して保守費を低減化できるトラップ装置が得られる。
【0045】
上記の効果に加えて、請求項1記載の発明によれば、回転駆動されている容器部外面との接触により、排ガス流中の物質をさらに確実に回収でき、また回転部に対するシールも1個所で済み保守が容易なトラップ装置が得られる。
【0046】
また上記の効果に加えて、請求項3記載の発明によれば、冷却媒体の液面は、冷却媒体より比重の小さい液体から成る液体層によりすきまなく覆われて密閉状態となるので、冷却媒体の蒸発は特に効果的に防止される。
【0047】
また上記の効果に加えて、請求項4記載の発明によれば、排ガス中の未回収成分の真空ポンプ部における固化による真空ポンプの故障を防止できるとともに、さらに内槽を外槽に回転自在に支持した回転式の内槽の場合は、回転部の真空シール部が1個所で済み、構造簡潔で保守が容易な真空排気系用トラップ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1例を示すトラップ装置の縦断面図(図3におけるB−B線断面図)である。
【図2】図1のトラップ装置の平面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】この発明の実施の形態の第2例を示す図1相当図である。
【図5】この発明の実施の形態の第3例を示すトラップ装置の要部縦断面図である。
【図6】この発明における冷却媒体の蒸発特性を示す線図である。
【符号の説明】
1…トラップ装置、2…外槽、3…蓋板、4…ガス流入口、5…ガス流出口、10…内槽、11…容器部、12…支軸部、13…穴、17…液体層、20…回転駆動装置、30…熱交換器、31…供給路、32…排出路、37…冷媒供給装置、40…付着物掻落し具、41…上部アーム、42…短軸、43…下部アーム、44…支持杆、47…ストッパ、50…真空排気系、61…トラップ装置、62…内槽、63…穴、65…トラップ装置、66…内槽。
Claims (4)
- 一方の側壁部にガス流入口をそなえるとともに他方の側壁部にガス流出口をそなえ頂部を蓋板で閉鎖された外槽と、
前記外槽内に配置されて冷却媒体を収容する有底円筒状の容器部の上部に該容器部と同心の支軸部を突設して成り、前記蓋板を貫通する前記支軸部を前記蓋板に回転自在に支持された内槽と、
前記支軸部を回転駆動する回転駆動装置と、
前記容器部に収容された冷却媒体内に浸漬された熱交換器と、
前記支軸部を貫通して設けられ、前記熱交換器に冷媒を供給する供給路および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路、および前記容器部に冷却媒体を供給する供給口と、
前記容器部に収容された冷却媒体の液面に浮遊し該冷却媒体の蒸発を抑制する蒸発抑制材とを、
具備したことを特徴とするトラップ装置。 - 一方の側壁部にガス流入口をそなえるとともに他方の側壁部にガス流出口をそなえた外槽と、
前記外槽内に配置されて冷却媒体を収容する有底筒状の容器部をそなえ前記外槽に固定取付けされた内槽と、
前記容器部に収容された冷却媒体内に浸漬された熱交換器と、
前記内槽の上部を貫通して設けられ、前記熱交換器に冷媒を供給する供給路および該熱交換器から流出する吸熱した冷媒を排出する排出路、および前記容器部に冷却媒体を供給する供給口と、
前記容器部に収容された冷却媒体の液面に浮遊し該冷却媒体の蒸発を抑制する蒸発抑制材とを、
具備したことを特徴とするトラップ装置。 - 前記蒸発抑制材が、前記冷却媒体より比重の小さい液体から成る液体層であることを特徴とする請求項1または2記載のトラップ装置。
- 前記トラップ装置が、真空処理室から真空ポンプに至る真空排気系内に設置されるトラップ装置であることを特徴とする請求項1または2または3記載のトラップ装置。
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