JP4383698B2 - スラリー氷の製氷方法とその製氷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として蓄熱・高密度熱輸送及び水溶液の凍結分離及び鮮魚保存用の海水氷等に用いられるスラリ氷を、不凍液を含む水溶液を冷却して生成する、スラリ氷の製氷方法とその製氷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記スラリ氷の製氷装置としては、該装置に係わる提案が例えば特公昭44−29028号公報に開示されている。その概略の構造は図8に示すように、冷媒が流通されている外管51の内側に冷媒流路を設け、その内側に製氷用水溶液が流通される内管50が配設されるとともに、該内管50の内面に生成される製氷面に常時接触される複数のブレード状の掻き取り部材55を持った回転体53を設け、前記外管51内の冷媒により内管50の内側の製氷用水溶液を冷却して氷を生成し、この氷を前記回転体53のブレード状の掻き取り部材55で強制的に掻き取るようにしている。
【0003】
前記ブレード状の掻き取り部材55は、その先端部を前記回転体の回転方向(矢印A方向)に指向させて該回転体の回転方向前方側の外側に向け揺動可能となし、この回転体の回転時に前記ブレード状の掻き取り部材の先端部を前記内管の製氷面に食い込ませるようにして氷の掻き取りを行なうようにしている。
【0004】
上記掻き取り方式は、高粘性流体や固体粒子を含むスラリの冷却・加熱を行なう掻面式熱交換器として良く知られている。また、冷却方法においても、製氷面全面での熱流速を一定とするため冷媒満液式あるいは液ポンプ式等の多量の冷媒を使用する方式に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術によるスラリ氷製氷装置は下記問題点を有している。
a、従来のブレード状の掻き取り部材は、ブレード状刃先を内管の製氷面に食い込ませることにより氷の掻き取りを行なうようにしているため、前記掻き取り操作中に回転体に大きな負荷を発生させ、製氷運転中の掻き取り動力が大となり、製氷量が大きい運転条件下では回転体を駆動するモータにオーバーロードを惹起させる。
b、上記条件下での連続した製氷を行なうと、ブレード状の掻き取り部材と製氷面での摩擦抵抗が大きく、接触面でのブレードに磨耗を惹起させるとともに他部材の耐久性も損なう恐れがある。
c、冷却に多量の冷媒を用いた際、フルオロカーボンを用いた場合は環境問題を引き起こし、またアンモニアや炭化水素等の自然冷媒を用いた場合は可燃性等の安全性が課題となる。また、冷媒満液式あるいは液ポンプ方式は冷媒通路内に冷凍機油が滞留し、長時間の使用においては冷却性能の低下を起こす恐れが高い。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、二重円筒の内筒内周面の伝熱面上に析出される氷晶よりなる氷層の剥離に際し効率的連続剥離を行い、延いては安定した連続製氷を可能とするとともに、少量の冷媒で済む直膨式冷却方式または低温ブラインによる間接冷却の採用により環境にも優しいスラリ氷の製氷方法とその製氷装置の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のスラリ氷の製氷方法は、
二重円筒の内筒に不凍液を含む水溶液を流通させ、前記内筒と外筒の間に設けた流路を介して冷熱の供給を受け、前記内筒内周面の伝熱面に氷晶を析出させる製氷方法において、
前記氷晶析出面への内筒軸線と平行な内筒内周面の母線方向に沿って配置された、複数の回動自在な押圧ローラを用意し、該押圧ローラを内筒軸心中心にして内筒径方向に押圧させるスプリング力と、前記押圧ローラを転動させながら伝熱面周方向に摺動させる公転運動とを利用して前記伝熱面上に析出された氷晶を押圧して薄肉氷層を形成させるとともに、
前記公転運動により内筒径方向に生成される遠心力F 1 と、前記スプリング力と前記公転運動により前記押圧ローラを伝熱面に沿って転動させるローラ自転運動により、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の押圧ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F 2 を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するようにしたことを特徴とする。
【0008】
上記本発明のスラリ氷の製氷方法は、不凍液を含む水溶液を使用して、該水溶液中の水のみを冷却媒体による冷却により氷晶を析出し、析出した氷晶を伝熱面より剥離させ水溶液とともに取出し、スラリ氷を得るスラリ氷の製氷方法に係わるもので、
前記押圧ローラを内筒軸心中心にして内筒径方向に押圧させるスプリング力と、前記押圧ローラを転動させながら伝熱面周方向に摺動させる公転運動とを利用して前記伝熱面上に析出された氷晶を押圧して薄肉氷層を形成させるとともに、
前記公転運動により内筒径方向に生成される遠心力F 1 と、前記スプリング力と前記公転運動により前記押圧ローラを伝熱面に沿って転動させるローラ自転運動により、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の押圧ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F 2 を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するようにしてある。
則ち、上記生成方法により、不凍液を含む水溶液中から水のみを氷晶として析出させ、析出した氷晶を押圧移動するローラの転動接触により薄肉氷層を形成させ、形成直後にローラ背面の負圧によって析出面より剥離させ、析出面への氷晶の累積を防止するとともに、安定した連続製氷を可能にしたものである。
また、形成されたスラリ氷は、ブリッジングを起こすことのない高い伝熱性能を持つ媒体を得ることができる。
【0009】
また、前記冷熱は、冷熱源の膨張弁を経由し発生する蒸発冷媒ガスによる直膨式冷却を行なうようにした方が好ましい。
【0010】
前記発明は、本発明のスラリ氷の製氷方法に使用する冷却方法について特定したもので、冷熱の供給路に当該冷熱源の膨張弁を経由し発生する蒸発冷媒ガスを二重円筒の内筒と外筒との間に供給して、当該冷凍サイクルの蒸発部を形成させ、直膨式冷却方式の使用により、冷媒使用量の極小化を図るようにしたものである。
【0011】
また、前記冷熱は、前記冷熱源により形成された低温ブラインによる間接式冷却を行なうようにしても良い。
【0012】
前記発明は、本発明のスラリ氷の製氷方法に使用する冷却方法についての別の冷却方法を記載したもので、供給を受ける冷熱は当該冷熱源により形成された低温ブラインによる間接式冷却でも良い。
【0013】
また、前記冷熱の供給は、前記内筒と外筒との間の流路を介して高速スパイラル状に流動を形成させ、伝熱面積の増加と伝熱係数の向上を図るようにすることが好ましい。
【0014】
前記発明により冷熱の供給流路をスパイラル状に設ける構成にしたため、前記直膨式冷却方式や間接式冷却方式に対応して効率の高い冷却を可能にしている。
【0015】
そして、前記本発明のスラリ氷の製造方法を利用した好適なスラリ氷製氷装置は、
二重円筒状容器の内筒と外筒との間の流路を介して前記冷熱を供給し、前記内筒内に不凍液を含む水溶液を流入させ、前記内筒内周面に形成された伝熱面に氷晶を析出させるスラリ氷製氷機よりなるスラリ氷製氷装置において、
前記スラリ氷製氷機は、前記二重円筒状容器の軸心を回転軸として内筒内側を回転する回転枠と、該回転枠に内筒母線に平行に前記伝熱面に沿って配置された、複数の回動自在な縦長ローラと、前記回転枠のローラ支持アームに内蔵するスプリングにより前記縦長ローラを前記内筒内周面に向けて内筒径方向に押圧させる押圧手段とにより、前記伝熱面に形成された薄肉氷層を剥離する氷層剥離手段を構成し、
前記氷層剥離手段は、回転枠が前記回転軸を中心にして内筒内周面に沿って公転するように旋回させて得られる縦長ローラの遠心力F 1 と前記スプリングによる押圧力により前記伝熱面上に析出された氷晶を押圧して薄肉氷層を形成させるとともに、
前記遠心力F 1 と、前記スプリングによる縦長ローラの押圧力と、前記縦長ローラを伝熱面に沿って転動させる縦長ローラの自転運動により、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の縦長ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F 2 を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
上記発明は、前記本発明のスラリ氷の製氷方法を使用したスラリ氷製氷装置を構成するスラリ氷製氷機の構成に係わるもので、
内筒と外筒よりなる二重円筒状容器よりなり、内筒と外筒の間に冷熱の供給を受ける熱媒体の流路を形成させ、内筒内に不凍液を含む水溶液を流入させ、前記内筒内周面の伝熱面上に氷晶を析出させるスラリ氷製氷機よりなるスラリ氷製氷装置であって、
前記スラリ氷製氷機において、二重円筒状容器の内筒内周面の母線に沿い設けた縦長の回動自在のローラと、該ローラを保持して円筒内側を内筒の軸芯を中心にして回転する回転枠と、該回転枠に設けた前記ローラを所定圧力で内筒内周面を押圧するようにした弾性部材等よりなる押圧手段とに、より氷層剥離手段を構成したもので、
前記内筒母線に沿い設けられた回動自在の縦長ローラを、内筒軸芯を回転軸芯として回転する回転枠に保持させ、前記内筒内側を回転させ、内筒内周面の伝熱面上に析出された氷晶を遠心力と前記押圧手段により押圧接触させ、前記回動自在のローラを転動させ、薄肉氷層を形成させる。
ついで形成された薄肉氷層は、ローラ背面の負圧によりその直後に析出面よりその全量を剥離させるようにしてある。
【0017】
なお、上記薄肉の氷層生成と剥離は連続的に行なわれ、生成された氷層のブリッジングを起こすことなく、スラリ氷の安定した連続生成を可能にしている。
また、前記ローラの回転枠の回転に要する動力は前記したようにローラは氷層上を軽い押圧力のもとに転動させるに必要な小さな動力で済む。
【0018】
前記冷熱の供給をする冷却媒体の流路の構成はスパイラル状仕切りによる断面構造により、冷媒の流通速度の高速化と伝熱面積の拡大が図られ、効率的冷却を可能の構造にしている。
【0019】
また、前記スラリ氷製氷機は、前記冷熱を供給する冷凍サイクルの蒸発器を形成する直膨式製氷機による構成が好ましい。
【0020】
前記発明は、スラリ氷製氷機の冷却方式に当該冷熱源の膨張弁経由直後の蒸発冷媒ガスを使用して、前記冷熱源の蒸発器として機能する直膨式製氷機について記載したもので、蒸発器出口を形成する製氷機流路の出口に蒸気過熱度計を設け入り口に設けた電子膨張弁により、より効率的な直膨式冷却方式を形成できる。
そして、上記直膨式冷却により使用冷媒量の極小化を図り、環境に優しい冷媒使用の製氷を可能にしている。
【0021】
また、前記スラリ氷製氷機は、前記冷熱を供給する冷凍サイクルにより形成された低温ブラインにより稼働する間接式製氷機による構成が好ましい。
【0022】
前記発明には、前記スラリ氷製氷装置のスラリ氷製氷機の冷却に当該冷熱源により形成された低温ブラインを使用し、該低温ブラインによる間接式冷却流路を形成させるようにしたものである。
【0023】
また、前記スラリ氷製氷装置のスラリ氷製氷機に使用するローラは、樹脂製若しくは金属製よりなり、前記ローラは並行溝付きローラ若しくはスパイラル溝付きローラである構成が好ましい。
【0024】
前記発明により、ローラ表面の並行溝付けないしスパイラル溝付けにより、前記氷層の剥離操作の効率化を図っている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明のスラリ氷製氷装置を構成するスラリ氷製氷機の概略構成を示す図、図2は図1の断面図、図3は図1の押圧剥離手段による氷層形成と剥離の状況を示す図、図4は図1の押圧ローラに使用するローラ形状を示す図、(A)は平滑ローラを、(B)は並行溝付きローラを、(C)はスパイラル溝付きローラを示す図、図5は図1の外筒と内筒の間に設けた冷却媒体の流路の構成を示す図である。図6(A)は図1のスラリ氷製氷機に直膨式製氷機を使用する場合のスラリ氷製氷装置の概略構成を示す図で、(B)は間接式製氷機を使用する場合のスラリ氷製氷装置の概略構成を示す図である。図7は図1のスラリ氷製氷装置に直膨式製氷機を使用した場合のフローシートを示す図である。
【0026】
図1に見るように、本発明のスラリ氷製氷装置を構成するスラリ氷製氷機10は、
不凍液を含む水溶液を流入させ該水溶液を冷却して氷晶を生成させる内筒17と、前記氷晶生成用の冷熱の供給をする冷却媒体を流入させ前記内筒の外側にジャケット状流路16を形成する外筒18と、からなる二重円筒状容器11と、
前記内筒17の内面の伝熱面17a上に析出された氷晶より薄肉氷層を形成し、形成された氷層を前記伝熱面17aより剥離させるべく設けた、回動自在の押圧ローラ12と、該ローラ12を内筒17の母線に沿い保持して内筒17の内側を主軸14を中心にして回転する回転枠13と、前記押圧ローラ12を伝熱面上に形成された氷晶を押圧させるとともに転動させ、薄肉氷層を形成させるとともに剥離させる押圧剥離手段15と、前記回転枠13を回転させる減速モータよりなる駆動部14aと、より構成する。
【0027】
前記押圧剥離手段15は、図2に見るように、前記回転枠13のローラ支持アームに設けたスプリング15aを内蔵する法線方向の押圧摺動機構で、回転枠13が主軸14を中心にして矢印A方向に回転した際は図3の模式図に見るように、押圧ローラ12の遠心力F1と前記スプリングによる押圧力により前記伝熱面17a上に析出された氷晶22を押圧ローラ12は矢印B方向に転動しながら押圧して薄肉氷層を形成させる。
なお、上記転動する押圧ローラ12の背面には内筒内周面との間に負圧F2を発生し、そのため前記形成された薄肉氷層は伝熱面17aより簡単に剥離する。
上記氷層の剥離は従来例に見られたブレード等による掻き取り操作によらないため、剥離操作に要する動力も小さくて済むばかりでなく、本発明の場合はローラの転動による負圧によっているため、従来例に見られた剥離部材の摩耗等はなく、また析出した氷晶22は累積されることなく剥離され、ブリッジングを起こすことが無く、伝熱効率の高い良質のスラリ氷が得られる。
【0028】
なお、押圧ローラ12は、樹脂製または金属製よりなり、その表面形状は、図4の(A)、(B)、(C)に見るように、平滑なプレーン状のもの(プレーンローラ12a)、並行溝のもの(並行溝付きローラ12b)、スパイラル溝付きのもの(スパイラル溝付きローラ12c)が、状況に応じて使い分けできるようにしてある。
【0029】
なお、図1において、前記内筒17には下部に被冷却液である前記不凍液を含む水溶液の流入口21aを設け、上部に冷却の結果生成されたスラリ氷の出口21bを設け、
前記内筒17と外筒18の間に形成されたジャケット状流路16には下部に冷却媒体の流入口20aを設け、上部に冷却媒体の出口20bを設ける構成にしてある。
【0030】
図5には、図1の二重円筒状容器11の内筒17と外筒18の間に設けられた冷熱を供給する冷却媒体の流路の構造を示している。図に見るように前記内筒17と外筒18との間に形成された空間は図の点線と二点鎖線の仮想線で示す螺旋状フィン19により仕切られ、流入する冷却媒体は前記仕切られた狭い断面により前記冷却媒体の高速流動化が図られるとともに、前記螺旋状フィン19による伝熱面積の増大により、内筒17の内面の伝熱面17aでの氷晶の高効率の析出を可能にしている。
【0031】
上記したように、伝熱効率の高い螺旋状流路により、冷熱を供給する冷却媒体に膨張弁経由直後の蒸発冷媒ガスを使用する直膨式冷却方式や、冷熱源で形成された低温ブラインを使用した間接式冷却方式の使用が可能で、図6(A)には前記直膨式冷却方式を使用した直膨式製氷機よりなるスラリ氷製氷装置の概略の構成を示している。
上記直膨式製氷機の場合は、冷媒使用量の極小化を図ることができ、この場合には、冷凍サイクルは圧縮機25と凝縮器26等よりなるコンデンシングユニット35と蒸発器を形成する直膨式製氷機10aと膨張弁27とより構成する。そして、前記直膨式製氷機10aの冷却媒体の流入口20aの手前に膨張弁27を設け、前記螺旋状流路を蒸発器として作動させ、後記するように冷却媒体の出口20bの下流に過熱温度計を設けるとともに、前記膨張弁に電子膨張弁を配設して、前記出口20bの冷媒ガスの過熱度制御を行ない、スラリ氷を生成し、氷蓄熱槽29に貯留する構成にしている。
なお、上記過熱度制御は冷媒にアンモニアを使用する場合には専用の電子膨張弁を使用する。
【0032】
図6(B)には冷熱を供給する冷却媒体に冷熱源で別途形成された低温ブラインを使用する間接式製氷機10bよりなるスラリ氷製氷装置の概略の構成を示している。この場合の冷凍サイクルは、圧縮機25、凝縮器26、膨張弁27、蒸発器30より構成し、
前記蒸発器30で低温ブラインを生成して間接式製氷機10bを循環させスラリ氷を生成させ、氷蓄熱槽29に貯留するように構成する。
【0033】
図7には、図1のスラリ氷製氷装置に直膨式製氷機を使用した場合のフローシートを示している。
図に見るように、本スラリ氷製氷装置は、コンデンシングユニット35と、液−ガス熱交換器36と、受液器37と、それぞれ過熱度計38と電子膨張弁27aをそれぞれ具えた直膨式製氷機10aよりなる複数の製氷機群と、氷蓄熱槽29より構成され、
液−ガス熱交換器36で放熱した冷媒ガスはコンデンシングユニット35で圧縮され、圧縮後凝縮された冷媒凝縮液は前記液−ガス熱交換器36で冷却され、受液器37を経由して複数の製氷機群でそれぞれ電子膨張弁27aを介して直膨式冷却を行い、スラリ氷を得て、氷蓄熱槽29に貯留し、蓄熱槽の下部に滞留する不凍液を含む水溶液を前記製氷機群に還流する構成にしてある。
【0034】
【発明の効果】
以上に記載のように、本発明によれば押圧ローラを内筒軸心中心にして内筒径方向に押圧させるスプリング力と、前記押圧ローラを転動させながら伝熱面周方向に摺動させる公転運動とを利用して前記伝熱面上に析出された氷晶を押圧して薄肉氷層を形成させるとともに、
前記公転運動により内筒径方向に生成される遠心力F 1 と、前記スプリング力と前記公転運動により前記押圧ローラを伝熱面に沿って転動させるローラ自転運動により、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の押圧ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F 2 を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するようにしたために、剥離部材の損耗を皆無とした安定した剥離と延いてはスラリ氷の安定した生成ができる。
また、直膨式冷却を使用する直膨式製氷機の構成により、極小量の冷媒の使用で済み、環境問題を引き起こすことなく、またアンモニアや炭化水素等の自然冷媒の使用に対応できる。
また、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の押圧ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F 2 を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するようにしたために、ブリッジングを起こすことの無い、伝熱効率の高いスラリ氷を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスラリ氷製氷装置のスラリ氷製氷機の概略構成を示す図である。
【図2】 図1の断面図である。
【図3】 図1の押圧剥離手段による氷層形成と剥離の状況を示す模式図である。
【図4】 図1の押圧ローラに使用するローラ形状を示す図で、(A)は平滑ローラを示す図で、(B)は並行溝付きローラを示す図で、(C)はスパイラル溝付きローラを示す図である。
【図5】 図1の外筒と内筒の間に設けた冷却媒体の流路の構成を示す図である。
【図6】 (A)は図1のスラリ氷製氷機に直膨式製氷機を使用する場合のスラリ氷製氷装置の概略構成を示す図で、(B)は間接式製氷機を使用する場合のスラリ氷製氷装置の概略の構成を示す図である。
【図7】 図1のスラリ氷製氷機に直膨式製氷機を使用した場合のスラリ氷製氷装置のフローシートを示す図である。
【図8】 従来のスラリ氷製氷機の氷掻き取り方式の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10a 直膨式製氷機
10b 間接式製氷機
11 二重円筒状容器
12 押圧ローラ
12a プレーンローラ
12b 並行溝付きローラ
12c スパイラル溝付きローラ
13 回転枠
14 主軸
14a 駆動部
15 押圧剥離手段
16 ジャケット状流路
17 内筒
17a 伝熱面
18 外筒
19 螺旋状フィン
20a 冷却媒体の流入口
20b 冷却媒体の出口
21a 水溶液の流入口
21 スラリ氷の出口
25 圧縮機
26 凝縮器
27 膨張弁
27a 電子膨張弁
29 氷蓄熱槽
30 蒸発器
35 コンデンシングユニット
36 液−ガス熱交換器
37 受液器
38 過熱度計
Claims (8)
- 二重円筒の内筒に不凍液を含む水溶液を流通させ、前記内筒と外筒の間に設けた流路を介して冷熱の供給を受け、前記内筒内周面の伝熱面に氷晶を析出させる製氷方法において、
前記氷晶析出面への内筒軸線と平行な内筒内周面の母線方向に沿って配置された、複数の回動自在な押圧ローラを用意し、該押圧ローラを内筒軸心中心にして内筒径方向に押圧させるスプリング力と、前記押圧ローラを転動させながら伝熱面周方向に摺動させる公転運動とを利用して前記伝熱面上に析出された氷晶を押圧して薄肉氷層を形成させるとともに、
前記公転運動により内筒径方向に生成される遠心力F 1 と、前記スプリング力と前記公転運動により前記押圧ローラを伝熱面に沿って転動させるローラ自転運動により、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の押圧ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F2を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するようにしたことを特徴とするスラリ氷の製氷方法。 - 前記冷熱は、冷熱源の膨張弁を経由し発生する蒸発冷媒ガスによる直膨式冷却を行なうようにしたことを特徴とする請求項1記載のスラリ氷の製氷方法。
- 前記冷熱は、前記冷熱源により形成された低温ブラインによる間接式冷却を行なうようにしたことを特徴とする請求項1記載のスラリ氷の製氷方法。
- 前記冷熱の供給は、前記内筒と外筒との間の流路を介して高速スパイラル状に流動を形成させ、伝熱面積の増加と伝熱係数の向上を図るようにしたことを特徴とする請求項1記載のスラリ氷の製氷方法。
- 二重円筒状容器の内筒と外筒との間の流路を介して前記冷熱を供給し、前記内筒内に不凍液を含む水溶液を流入させ、前記内筒内周面に形成された伝熱面に氷晶を析出させるスラリ氷製氷機よりなるスラリ氷製氷装置において、
前記スラリ氷製氷機は、前記二重円筒状容器の軸心を回転軸として内筒内側を回転する回転枠と、該回転枠に内筒母線に平行に前記伝熱面に沿って配置された、複数の回動自在な縦長ローラと、前記回転枠のローラ支持アームに内蔵するスプリングにより前記縦長ローラを前記内筒内周面に向けて内筒径方向に押圧させる押圧手段とにより、前記伝熱面に形成された薄肉氷層を剥離する氷層剥離手段を構成し、
前記氷層剥離手段は、回転枠が前記回転軸を中心にして内筒内周面に沿って公転するように旋回させて得られる縦長ローラの遠心力F1と前記スプリングによる押圧力により前記伝熱面上に析出された氷晶を押圧して薄肉氷層を形成させるとともに、
前記遠心力F 1 と、前記スプリングによる縦長ローラの押圧力と、前記縦長ローラを伝熱面に沿って転動させる縦長ローラの自転運動により、前記スプリング押圧位置より公転方向後流側の縦長ローラの背面と内筒内周面との間に負圧F2を発生させて、該負圧を利用して前記薄肉氷層に伝熱面剥離を起こさせ、スラリ氷を生成するように構成されていることを特徴とするスラリ氷製氷装置。 - 前記スラリ氷製氷機は、前記冷熱を供給する冷凍サイクルの蒸発器を形成する直膨式製氷機により構成したことを特徴とする請求項5記載のスラリ氷製氷装置。
- 前記スラリ氷製氷機は、前記冷熱を供給する冷凍サイクルにより形成された低温ブラインにより稼働する間接式製氷機により構成したことを特徴とする請求項5記載のスラリ氷製氷装置。
- 前記ローラは並行溝付きローラ若しくはスパイラル溝付きローラであることを特徴とする請求項5記載のスラリ氷製氷装置。
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