JP2003298612A - データ伝送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲートウエイの負荷状況に影響されず、下位
機器のデータを速やかに上位機器に伝送することができ
るデータ伝送システムを提供する。 【解決手段】 ゲートウエイ１３は、上位機器１１から
のデータ収集要求に関係なく、下位機器１２のデータを
収集して保存しておき、上位機器１１からのデータ収集
要求があれば直ちに保存しておいたデータを上位機器１
１に送信する。このため、上位機器１１による下位機器
１２のデータ収集が速やかに行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、監視機能を有する
上位機器と、その監視対象となるさまざまなデータを有
する下位機器とをゲートウエイを備えた伝送路で接続し
てデータの授受を行うデータ伝送システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】データ伝送システムにおいて、ヒューマ
ンインターフェース等の監視機能を有する上位機器と、
監視対象となるさまざまなデータを持っているコントロ
ーラやＰＬＣ（プログラマブルロジックコントローラ）
等の下位機器とを、ゲートウエイを備えたＬＡＮ等のデ
ータ伝送路によって接続し、相互にデータの授受を行う
ことが広く行われている。

【０００３】このようなデータ伝送システムでは、上位
機器から下位機器のデータを収集する場合、上位機器
は、下位機器のデータを収集するための要求テキストを
ゲートウエイに送信する。ゲートウエイはこの要求テキ
ストを受信してその内容を解釈し、下位機器に対して該
当するデータを収集するための要求テキストを作成し
て、この要求テキストを下位機器に送信する。

【０００４】下位機器はゲートウエイからの要求テキス
トを受信するとその内容を解釈し、必要なデータを応答
テキストとして構成しゲートウエイに応答する。ゲート
ウエイは下位機器からの応答テキストを解釈して、上位
機器に応答するための応答テキストを作成し、上位機器
に応答する。

【０００５】これらの動作を図６及び図７のフローチャ
ートで説明する。なお、ここではシステム構成上３台の
上位機器１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃと、これらに対応する
３台の下位機器１２ａ，１２ｂ，１２ｃがあるものとす
る。

【０００６】上位機器（１１Ａとする）は図６で示すよ
うに、ゲートウエイに対して監視対象である下位機器１
２ａのデータを収集するため、要求テキストを作成して
送信する（ステップ６０１）。この後、上位機器１１Ａ
はゲートウエイからの受信待ちとなる（ステップ６０
２）。

【０００７】ゲートウエイは、図７で示すように、常時
上位機器からの要求テキストの受信待ちとなっており
（ステップ７０１）、上位機器１１Ａからの要求テキス
トを受信するとその内容を判断する（ステップ７０
２）。すなわち、どの上位機器からの要求信号かを判断
し対応する下位機器を特定する。

【０００８】この場合、上位機器１１Ａからの要求のた
め、データ収集対象を下位機器１２ａと判断し、対応す
る下位機器１２ａに要求テキストを送信する（ステップ
７０３Ａ）。そして対応する下位機器１２ａからの応答
テキストを受信すると（ステップ７０４Ａ）、図５で示
すような応答テキストを作成し、対応する上位機器１１
Ａに送信する（ステップ７０５Ａ）。応答テキストは、
ヘッダー５１、下位機器（ここでは１２ａ）のデータ５
２、ＣＲＣ等のエラーチェックコード５３からなる。

【０００９】同様に、上位機器１１Ｂからのデータ収集
要求の場合はステップ７０３Ｂ乃至ステップ７０５Ｂを
実行し、上位機器１１Ｃの場合はステップ７０３Ｃ乃至
ステップ７０５Ｃを実行する。

【００１０】図６に戻って、上位機器１１Ａはゲートウ
エイからの応答テキストを受信すると、それが対応する
下位機器１２ａからの応答か判断し（ステップ６０
３）、ＹＥＳであれば応答テキスト内の下位機器１２ａ
のデータを自局のメモリに保存する（ステップ６０
４）。

【００１１】このような手順をとることにより、上位機
器１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃは下位機器１２ａ，１２ｂ，
１２ｃのデータを収集することが可能になる。

【００１２】このようなシステムでは、上位機器と下位
機器との間に存在するゲートウエイは、上位機器からデ
ータ要求テキストを受信する度に上位機器の要求テキス
トの解釈，下位機器向けの要求テキストの作成、下位機
器からの応答テキストの解釈、上位機器向けの応答テキ
ストの作成を行わなければならず、データ収集のために
時間がかかってしまう。

【００１３】また、上位機器と下位機器とのデータ授受
にゲートウエイが関与するため、ゲートウエイの負荷状
況によっては、データ授受がスムースに行われないこと
がある。この場合、下位機器から上位機器に対する警報
データなどの伝送遅れが発生し、システム上好ましくな
い状態になる場合がある。例えば、下位機器がＰＬＣ等
で、高速に機器を制御するシステムの場合、警報データ
などの伝送遅れはシステム上の不具合を発生する原因と
なる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のデ
ータ伝送システムでは、上位機器による下位機器のデー
タ収集に時間がかかる。また、ゲートウエイの負荷状況
によってはデータ収集時間が通常以上に長引くことがあ
る。この場合、上位機器に対する下位機器の警報データ
などの伝送遅れが生じ、システムの動作が不安定になっ
たり、システム上の不具合が発生することもある。

【００１５】本発明の目的は、ゲートウエイの負荷状況
に影響されず、下位機器のデータを速やかに上位機器に
伝送することができるデータ伝送システムを提供するこ
とにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明によるデータ伝送
システムは、監視機能を持つ上位機器と、監視対象のさ
まざまなデータを有する下位機器とを、ゲートウエイを
備えた伝送路によって接続しており、前記上位機器は前
記ゲートウエイに対して下位機器のデータ収集要求を送
信する手段を有し、前記ゲートウエイは、上位機器から
の要求とは関係なく下位機器のデータを収集し保存して
おく手段と、前記上位機器からのデータ収集要求を受信
すると保存していた下位機器のデータを上位機器に送信
する手段とを有することを特徴とする。

【００１７】また、上位機器および下位機器は複数設け
られ、上位機器のいずれかは、ゲートウエイに対して複
数の下位機器のデータ収集要求を送信する手段と、ゲー
トから送信されてきた複数の下位機器のデータから自己
の監視対象となる下位機器のデータを選別すると共に他
の上位機器の監視対象となる下位機器のデータを、該当
する上位機器に送信する手段とを有し、ゲートウエイ
は、上位機器からの要求とは関係なく複数の下位機器の
データを収集し下位機器毎に保存しておく手段と、上位
機器からのデータ収集要求を受信すると保存していた複
数の下位機器のデータを、前記データ収集要求を送信し
てきた上位機器に送信する手段とを有するように構成し
てもよい。

【００１８】これらの発明では、ゲートウエイは、上位
機器からのデータ収集要求に関係なく、下位機器のデー
タを収集して保存しておき、上位機器からのデータ収集
要求があれば直ちに保存しておいたデータを上位機器に
送信する。このため、上位機器による下位機器のデータ
収集が速やかに行われる。特に、ゲートウエイの負荷状
況に影響されることなく、確実かつ速やかなデータ収集
が可能となる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明によるデータ伝送シ
ステムの一実施の形態を図面を参照して説明する。

【００２０】データ伝送システムの全体構成図である図
１において、１１はオペレータステーション等の監視機
能を有する上位機器で、図の例では３台（サフィックス
Ａ，Ｂ，Ｃを付している）設けられている。１２はコン
トローラやＰＬＣ等のさまざまなデータを有する下位機
器で、図の例では３台（サフィックスａ，ｂ，ｃを付し
ている）設けられている。１３はゲートウエイで、上位
機器１１とはＬＡＮもしくはそれに類する伝送路１４に
よって接続されている。また、下位機器１２ともＬＡＮ
もしくはそれに類する伝送路１４によって接続されてい
る。

【００２１】このようなデータ伝送システムの伝送テキ
ストは、上位機器１１と下位機器１２との間で取り決め
られているものとする。また、上位機器１１は自局以外
の上位機器１１やゲートウエイ１３の情報、及びゲート
ウエイに１３に接続されている各下位機器１２の情報
（台数やステーションアドレス等）をシステム情報とし
て保存しているものとする。

【００２２】上記構成において、上位機器１１は、ＬＡ
Ｎ１４及びゲートウエイ１３を介して下位機器１２に対
し定周期で要求テキストを送信し、データを収集する。
また、上位機器１１から下位機器１２へのデータ書き込
みは非定期に発生し、その都度、ＬＡＮ１４及びゲート
ウエイ１３を介して行われる。

【００２３】本発明はこのようなシステムにおいて上位
機器１１と下位機器１２との間に設けられたゲートウエ
イ１３の負荷を軽減すると共に、従来以上に迅速に下位
機器１２のデータを上位機器１１に反映できるようにし
ている。

【００２４】すなわち、上位機器１１Ａ，１１Ｂ，１１
Ｃのいずれかは、ゲートウエイ１３に対して複数の下位
機器１２ａ，１２ｂ，１２ｃのデータ収集要求を送信す
る。また、特定された上位機器（ここでは１１Ａ）は、
ゲートウエイ１３から送信されてきた複数の下位機器１
２ａ，１２ｂ，１２ｃのデータから自己１１Ａの監視対
象となる下位機器１２ａのデータを選別すると共に、他
の上位機器１１Ｂ，１１Ｃの監視対象となる下位機器１
２ｂ，１２ｃのデータを、該当する上位機器１１Ｂ，１
１Ｃに送信する。

【００２５】また、ゲートウエイ１３は、上位機器１１
Ａからの要求とは関係なく複数の下位機器１２ａ，１２
ｂ，１２ｃのデータを収集し下位機器１２ａ，１２ｂ，
１２ｃ毎に保存しておく。さらに、ゲートウエイ１３
は、上位機器１１Ａからのデータ収集要求を受信すると
保存していた複数の下位機器１２ａ，１２ｂ，１２ｃの
データを、データ収集要求を送信してきた上位機器１１
Ａに送信する。

【００２６】ここで、上位機器１１Ａは下位機器１２
ａ、上位機器１１Ｂは下位機器１２ｂ、上位機器１１Ｃ
は下位機器１２ｃのデータを収集するものとする。ま
た、ゲートウエイ１３は、上位機器１１と下位機器１２
との間でさまざまなデータ変換等を行っている。

【００２７】以下、具体的な動作を図２乃至図４を用い
て詳細に説明する。いずれかの上位機器（ここでは１１
Ａ）は、図２で示すように、定周期でゲートウエイ１３
に対して下位機器１２ａ，１２ｂ，１２ｃの全データの
要求テキストを作成し送信する（ステップ２０１）。こ
の後、上位機器１１Ａはゲートウエイ１３からの受信待
ちの状態となる（ステップ２０２）。

【００２８】ゲートウエイ１３は、図３で示すように、
上位機器１１Ａの収集動作とはまったく非同期に、独立
して、下位機器１２ａ，１２ｂ，１２ｃのデータを定周
期でポーリングし、収集する。収集したデータは、ゲー
トウエイ内部のメモリに設定された下位機器毎のエリア
に保存しておく（ステップ３０１）。

【００２９】この状態で、上位機器１１Ａから全データ
要求テキストが受信されると（ステップ３０２）、保存
エリアに保存してある下位機器１２ａ，１２ｂ，１２ｃ
のデータをひとまとめにした全データ応答テキストを作
成し、要求元である上位機器１１Ａに応答する（ステッ
プ３０３）。この全データ応答テキストは、図４で示す
ように、ヘッダー４１、下位機器１２ａ，１２ｂ，１２
ｃのデータ４２ａ，４２ｂ，４２ｃ及びＣＲＣ等のエラ
ーチェックコード４３からなる。

【００３０】図２に戻って、上位機器１１Ａは、ゲート
ウエイ１３から全データ応答テキストを受信すると（ス
テップ２０３）、自己が必要とする下位機器１２ａのデ
ータ４２ａを分離し、自局内のメモリに取り込み保存す
る（ステップ２０４）。また、上位機器１１Ａは、下位
機器１２ｂのデータ４２ｂ及び下位機器１２ｃのデータ
４２ｃをそれぞれ全データ応答テキストから分離する。

【００３１】上位機器１１Ａは、他の上位機器１１Ｂが
下位機器１２ｂのデータを、上位機器１１Ｃが下位機器
１２ｃのデータを、それぞれ必要としていることを自局
内の登録情報から知る。この情報に基づき、上位機器１
１Ｂに対して下位機器１２ｂのデータ４２ｂを有する応
答テキストを送信し（ステップ２０５）、上位機器１１
Ｃに対して下位機器１２ｃのデータ４２ｃを有する応答
テキストを送信する（ステップ２０６）。

【００３２】他の上位機器１１Ｂ、１１Ｃは、上位機器
１１Ａから送信された応答テキストを受信し、自局内の
メモリに保存する。

【００３３】このような動作により、上位機器１１はゲ
ートウエイ１３の負荷状況に影響されることなく、対応
する下位機器１２のデータを迅速に収集することができ
る。

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、ゲートウエイは上位機
器からの要求とは無関係に下位機器のデータを収集して
保持しておき、上位機器からのデータ収集要求があると
直ちに保存しておいたデータを上位機器に送信するの
で、ゲートウエイの負荷を軽減でき、かつ、従来のよう
にゲートウエイの負荷状況に影響されることはなく、下
位機器のデータを上位機器に対して迅速に伝送すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のデータ伝送システムの一実施の形態を
示すシステム構成図である。

【図２】同上実施の形態における上位機器の動作を説明
するフローチャートである。

【図３】同上一実施の形態におけるゲートウエイの動作
を説明するフローチャートである。

【図４】同上一実施の形態における全データ応答テキス
トのデータ構成図である。

【図５】従来技術における応答テキストのデータ構成図
である。

【図６】従来技術における上位機器の動作を説明するフ
ローチャートである。

【図７】従来技術におけるゲートウエイの動作を説明す
るフローチャートである。

【符号の説明】

１１ 上位機器 １２ 下位機器 １３ ゲートウエイ １４ 伝送路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 監視機能を持つ上位機器と、監視対象の
   さまざまなデータを有する下位機器とを、ゲートウエイ
   を備えた伝送路によって接続したデータ伝送システムで
   あって、 前記上位機器は前記ゲートウエイに対して下位機器のデ
   ータ収集要求を送信する手段を有し、 前記ゲートウエイは、上位機器からの要求とは関係なく
   下位機器のデータを収集し保存しておく手段と、前記上
   位機器からのデータ収集要求を受信すると保存していた
   下位機器のデータを上位機器に送信する手段とを有する
   ことを特徴とするデータ伝送システム。
2. 【請求項２】 監視機能を持つ複数の上位機器と、監視
   対象のさまざまなデータを有する複数の下位機器とを、
   ゲートウエイを備えた伝送路によって接続したデータ伝
   送システムであって、 前記上位機器のいずれかは、前記ゲートウエイに対して
   前記複数の下位機器のデータ収集要求を送信する手段
   と、前記ゲートウエイから送信されてきた複数の下位機
   器のデータから自己の監視対象となる下位機器のデータ
   を選別すると共に他の上位機器の監視対象となる下位機
   器のデータを、該当する上位機器に送信する手段とを有
   し、 前記ゲートウエイは、上位機器からの要求とは関係なく
   複数の下位機器のデータを収集し下位機器毎に保存して
   おく手段と、前記上位機器からのデータ収集要求を受信
   すると保存していた複数の下位機器のデータを、前記デ
   ータ収集要求を送信してきた上位機器に送信する手段と
   を有することを特徴とするデータ伝送システム。