JP2003298328A - 無線機器用アンテナ - Google Patents

無線機器用アンテナ

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(57)【要約】 【課題】 カーナビゲーション装置に設けた車載アンテ
ナを複数の無線ネットワークに対応できるようにする。 【解決手段】 カーナビゲーション筐体の組付けネジ2
2をカーナビゲーション装置に設けた逆Fアンテナ21
の無給電素子として利用し、運転席方向へのアンテナの
指向性を確保しつつ、インパネ上の情報端末機器への指
向性を向上させる。これにより、カーナビゲーション装
置とインパネ上面に載置された情報端末機器との間およ
びカーナビゲーション装置と運転者の所持する情報端末
機器の間の2つの無線ネットワークを同時に確立するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車内に
おける無線ネットワーク技術に関し、特に無線ネットワ
ークに用いられる車載アンテナ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、運転者の所持する携帯情報端末お
よび携帯電話等(以下、「情報端末機器」という。)と
カーナビゲーション装置とを無線で接続したいという要
望がある。また、情報端末機器が、ハンズフリーで取り
扱う必要等から、インストルメントパネル(以下、「イ
ンパネ」という。)上面に載置される場合も多く、この
場合でもカーナビゲーション装置と無線で接続できるこ
とが要望されている。
【0003】このように、カーナビゲーション装置に対
して各種の情報端末機器を無線で接続して複数の車内無
線ネットワークを確立することが求められているが、た
とえばカーナビゲーション装置が、運転者の所持する情
報端末機器に対するとともに、インパネ上の情報端末機
器に対して同時に無線ネットワークを確立するものは知
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような異なる方向
にある複数の無線ネットワークを確立するためには、カ
ーナビゲーション装置に搭載した車載アンテナが、運転
者の所持する情報端末機器およびインパネ面上に設置し
た情報端末機器の両方に対して利得が高いことが必要で
ある。すなわち、カーナビゲーション装置のアンテナ
は、運転席方向への指向性を確保しつつ、インパネ上の
情報端末機器への指向性を向上させる必要がある。
【0005】一般にアンテナの形状を変えないで指向性
を向上させるために無給電素子を用いることは公知であ
るが、無給電素子をカーナビゲーション装置に組み込む
ことは、カーナビゲーション筐体内で余分なスペースが
必要となるし、また無給電素子の配置組み付けは容易で
はなく、新たにアンテナ形成素子が増すことでコスト高
となる欠点がある。本発明の目的は、カーナビゲーショ
ン装置等の無線機器に対して、複数の無線ネットワーク
を確立することができる無線機器用アンテナを提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、カーナビゲーション装置等の無線機器筐
体の組付けネジをアンテナの無給電素子として利用し、
必要な方向への指向性を高めるものである。本発明の無
給電素子としての組付けネジは、無線機器の回路基板と
表側筐体との組付けネジとすることができ、またインパ
ネ面上方への指向性を向上させるように配置することも
できる。
【0007】このように構成すると、車室内の複数の無
線ネットワークを同時に確立することができ、無線機器
筐体内でのアンテナ用スペースの増加を抑え、無給電素
子の配置組み付けを容易にし、アンテナ形成素子が増え
ることによるコスト高を抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は、本発明を適用した自動車内の無
線ネットワークの一例であり、インパネ5の前面に配置
されたカーナビゲーション装置1はその表示部の側面に
本発明の車載アンテナ2を備え、このアンテナ2を介し
てインパネ5上面に載置された情報端末機器3との間に
無線ネットワーク7を形成し、同時に、運転者の所持す
る情報端末機器4との間に無線ネットワーク8を形成し
ている。
【0009】インパネ5の上面に載置された情報端末機
器3は、インパネ5上に単に置かれるものであってもよ
いし、インパネ5上の充電可能なクレードル等に載置さ
れるものであってもよい。また、情報端末機器4は、運
転者が所持しているものに限らず、運転席周辺に配置さ
れているものであってもよい。情報端末機器としては、
携帯電話、PHS、携帯情報端末(PDA)、電子手
帳、ノートパソコンその他が含まれるが、図には携帯電
話を示してある。
【0010】図2は、本発明のカーナビゲーション装置
1の分解斜視図である。カーナビゲーション装置1の筐
体は、複数のスイッチおよび液晶表示装置等の表示部
(図示せず)を備えたカーナビゲーション表側筐体11
とカーナビゲーション裏側筐体12とで構成され、カー
ナビゲーション回路基板6を内蔵している。回路基板6
には、逆Fアンテナ21が載置され、回路基板6とカー
ナビゲーション表側筐体11とは、組付けネジ22を含
む複数の組付けネジで一体化され組み立てられる。
【0011】組付けネジ22は、逆Fアンテナ21に対
して無給電素子として作用し、逆Fアンテナとともに本
発明によるアンテナ2を構成する。すなわち、本発明の
一実施形態であるアンテナ2は、逆Fアンテナ21と組
付けネジ22からなり、組付けネジ22が無給電素子と
して作用するものである。逆Fアンテナ21は、運転者
の保持する情報端末機器4との無線ネットワーク8に最
適に調整されたもので、これを組付けネジ22からなる
無給電素子によって、インパネ上面に載置された情報端
末機器3に対しても無線ネットワーク7にも対応できる
ようになった。
【0012】以下、図3を参照して、本発明のアンテナ
2の作用を説明する。図3(a)には、回路基板6上の
アンテナ2を構成する逆Fアンテナ21と組付けネジ2
2である無給電素子の概略を示し、図3(b)には、ア
ンテナ2の平面図を示す。図2に示したように、アンテ
ナ2は、本例では、車室内に垂直に配置された回路基板
上に設けられるから、逆Fアンテナの放射導体板は座席
方向に向き、無給電素子となる組付けネジは座席方向に
垂直となる。図3では、運転者の左右方向をx軸、上下
方向をy軸、逆Fアンテナの放射導体板が向かう座席方
向をz方向として示した。
【0013】逆Fアンテナ21自体は公知であり、内側
の足23が給電部となる。本例の逆Fアンテナの放射導
体板の横幅W、高さH、奥行きDは、それぞれ18m
m、10mm、18mmである。組付けネジ22は、カ
ーナビゲーション装置の回路基板と表側筐体とを組付け
るネジの1本であり、長さL、逆Fアンテナの給電点か
らの間隔R、設置角度θを選定して無給電素子として利
用する。長さL、逆Fアンテナの給電点からの間隔R
は、送受信電波の波長の1/4とするのが、アンテナ利
得の点から好ましく、本例(送受信電波2.45GH
z)においては、それぞれ32mm、30mm程度であ
る。なお、組付けネジ22の直径は既存ネジの直径3m
mとしたが、ネジとして機能する大きさの直径であれば
よい。
【0014】無給電素子としての組付けネジ22は、ア
ンテナからの電波を反射する作用をし、アンテナの給電
部を中心として組付けネジの配置されている場所とは反
対方向への電波の指向性を高める。したがって、組付け
ネジの設置角度θは、どの方向の指向性を高めるかによ
って適宜選択できる。本例の場合は、インパネ上方への
指向性を高めるように、設置角度θを12°としてい
る。なお、アンテナ本体を逆Fアンテナで構成したが、
他のアンテナを利用してもよい。
【0015】図4〜6により、本発明の無給電素子によ
るインパネ上方の電波の指向性の改善を示す。図4は、
回路基板上に無給電素子を設けることなく逆Fアンテナ
のみを配置して実測した結果を示し、図5は、逆Fアン
テナに加えて無給電素子である取付けネジを前述のよう
に配置(設置角度θは12°、図5では168°であ
る。)して実測した結果である。図6は、電波の指向性
を高めたい範囲を具体的に示した図である。
【0016】図4および図5に示すグラフの中心は、カ
ーナビゲーション装置のアンテナ2の給電部23の給電
点であり、グラフは給電部23を通る垂直な平面(xy
平面)における利得を示す。半径方向の数字が利得を表
わし、その単位はdBである。図4〜図6において両矢
印で示す範囲Aは、電波の指向性を向上させたい範囲を
示す。図6から分るように、範囲Aは、カーナビゲーシ
ョン装置1のアンテナ2からみたインパネ上方にあっ
て、図のおおよそ290°〜320°の範囲である。無
給電素子は、図5中168°の方向に設けられる。
【0017】図4と図5を対比すると、無給電素子が反
射器として作用して無給電素子側の指向性が低下し、そ
の反対側の範囲Aで指向性が増加していることがわか
る。範囲Aでは、約2.8dB増加しており、指向性の
改善は顕著である。また、320°〜360°、0°〜
60°の範囲においても指向性の改善が認められる。無
給電素子を配置して指向性が減少する範囲は座席の下方
であり、指向性が減少しても特に問題とならない。
【0018】図7は、運転者方向のアンテナの指向特性
を実測した結果を示す図である。図7に示した指向特性
は、車室内に備えられた逆Fアンテナの給電点を中心と
した水平面を上方から、すなわちy方向から見下ろした
xz平面(z方向は運転席等の座席方向)において測定
された。図4及び図5に示したインパネ方向の指向特性
を測定した平面とは直交する面での指向特性を実測した
ものである。アンテナの放射導体板はz方向(角度0°
の方向)に向かい、運転者は0°〜90°の範囲に存在
することになる。太線aは、本発明の無給電素子を備え
たアンテナの運転者方向の指向特性を示し、細線bは、
無給電素子を備えない場合の運転者方向の指向特性を示
す。図から分るように、無給電素子を設置することによ
る運転者方向(0°〜90°)の指向性の変化はほとん
ど見られなかった。すなわち、本発明の無給電素子は運
転者方向の指向性を妨げるものではないことが判る。
【0019】このように、必要でない方向に放射してい
る電波を無給電素子により反射してインパネ上に向ける
ことによって、カーナビゲーション装置と運転者、およ
びカーナビゲーション装置とインパネ上部との2つの無
線ネットワークを同時に確立することができた。なお、
カーナビゲーション装置のアンテナに対してだけでな
く、車両に搭載される他の無線機器用アンテナに対し
て、本発明が適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による無線ネットワークの一例を示す図
である。
【図2】本発明の車載アンテナを備えたカーナビゲーシ
ョン筐体の分解斜視図である。
【図3】本発明の車載アンテナの概略を示す図である。
【図4】無給電素子を備えないアンテナの指向性を示す
図である。
【図5】本発明の無給電素子を備えたアンテナの指向性
を示す図である。
【図6】本発明の無給電素子により指向性を高める範囲
の一例を示す図である。
【図7】本発明の車載アンテナの運転者方向の指向性を
示す図である。
【符号の説明】 1…カーナビゲーション装置 2…車載アンテナ 21…逆Fアンテナ 22…無給電素子 3、4…情報端末機器 5…インパネ 6…回路基板 7、8…無線ネットワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高岡 彰 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 篠田 芳夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5J045 AA05 AA21 DA08 HA06 MA04 NA06 5J046 AA01 AA02 AA04 AA07 AA08 AA09 AB13 MA03 MA09 5J047 AA01 AA02 AA04 AA07 AA08 AA09 AB13 EF04 EF05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車内無線ネットワークに接続する無線機
    器用アンテナであって、前記無線機器の組付けネジから
    なる無給電素子を備える無線機器用アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記無線機器はカーナビゲーション装置
    である請求項1に記載の無線機器用アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記組付けネジは、インストルメントパ
    ネル面上方への指向性を向上させるように配置される請
    求項1又は2に記載の無線機器用アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記組付けネジは、カーナビゲーション
    装置の回路基板と表側筐体との組付けネジである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の無線機器用アンテナ。
  5. 【請求項5】 前記組付けネジは、長さ1/4波長で、
    前記アンテナの給電点から1/4波長離れた位置に配置
    されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線機
    器用アンテナ。
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