JP2006033699A - 無線機一体型アンテナ及び無線機一体型アンテナの製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 部品点数を低減し、工数及びコストの増大を未然に回避する。
【解決手段】 車載統合アンテナ１は、ＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５のグランドとして作用する地板６に凹部６１が形成され、その凹部６１に電話用無線機８が収容されるように構成されている。電話用無線機８から放出された熱を地板８を介して拡散でき、地板６をＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５のグランドとして作用させると共に電話用無線機８から放出された熱を拡散させるための放熱部材としても兼用できる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、アンテナエレメントと前記アンテナエレメントが放射・捕捉する電波を無線処理する無線機とが一体的に実装されてなる無線機一体型アンテナ及び前記無線機一体型アンテナを製造する方法に関する。

近年、互いに異なるアンテナ特性を有する複数のアンテナが実装されている統合アンテナが供されている（例えば特許文献１参照）。
特開２００２−１１１３７７号公報

ところで、近年、搭載スペースの制約や同軸ケーブルによる伝送損失の低減などの理由から、アンテナエレメントと無線機とが一体的に実装されてなる無線機一体型アンテナが考えられているが、この種の無線機一体型アンテナでは、アンテナエレメントのグランドとして作用する地板と、無線機から放出された熱を拡散させるための放熱部材（放熱フィン）とが別々に構成されているので、部品点数が多く、工数及びコストが増大するという問題があった。

本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を低減することができ、工数及びコストの増大を未然に回避することができる無線機一体型アンテナ及び無線機一体型アンテナの製造方法を提供することにある。

請求項１に記載した無線機一体型アンテナによれば、アンテナエレメントのグランドとして作用する地板に凹部が形成され、アンテナエレメントが放射・捕捉する電波を無線処理する無線機が凹部に収容されている。これにより、地板に形成されている凹部に無線機が収容されることにより、無線機から放出された熱を地板を介して拡散させることができ、つまり、地板をアンテナエレメントのグランドとして作用させると共に無線機から放出された熱を拡散させるための放熱部材としても兼用することができるので、部品点数を低減することができ、工数及びコストの増大を未然に回避することができる。また、無線機から放射された放射ノイズが外部に漏洩してしまうことをも未然に回避することができ、無線機を適切にシールドすることをもできる。

請求項２に記載した無線機一体型アンテナによれば、凹部は、地板にあってアンテナエレメントのアンテナ特性とは異なるアンテナ特性を有する他のアンテナエレメントが実装されている部分の下部に形成されている。これにより、他のアンテナエレメントが実装されている部分の下部のスペースを有効に利用することができ、アンテナの全体のサイズが大型化することを未然に回避することができる。

請求項３に記載した無線機一体型アンテナの製造方法によれば、アンテナエレメントのグランドとして作用する地板に凹部を形成し、アンテナエレメントが放射・捕捉する電波を無線処理する無線機を凹部に収容することにより、無線機一体型アンテナを製造する。これにより、上記した請求項１に記載したものと同様の作用効果を得ることができ、すなわち、アンテナエレメントのグランドとして作用する地板を無線機から放出された熱を拡散させるための放熱部材として兼用することができるので、部品点数を低減することができ、工数及びコストの増大を未然に回避することができる。

以下、本発明を車両に搭載される無線機一体型の車載統合アンテナに適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。図１（ａ）は、車載統合アンテナを上方から見た全体構成を概略的に示しており、図１（ｂ）は、車載統合アンテナを下方から見た全体構成を概略的に示している。車載統合アンテナ１は、ＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５が実装されて構成されている。

ＥＴＣ用アンテナエレメント２は、略矩形状に成形されている電極（極電板）２１が略直方体形状に成形されている誘電体２２上に搭載されていると共に誘電体２２がＥＴＣ用回路基板２３上に実装されて構成されている。このＥＴＣ用アンテナエレメント２は、同軸ケーブル２４を介してＥＴＣ用接続コネクタ（図示せず）に接続されており、ＥＴＣ用接続コネクタがＥＴＣ用無線機（図示せず）に接続されることにより、ＥＴＣ用無線機との間で電波信号を送受信可能になっている。また、このＥＴＣ用アンテナエレメント２は、ＥＴＣシステムでの電波の到来方向が天頂方向から約２３度傾いた方向であることから、電極２１のアンテナ面が水平方向から約２３度傾いた方向となるように実装されている。

ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３は、ＧＰＳ用アンテナエレメントとＶＩＣＳ用アンテナエレメントとが共通化されて構成されている。すなわち、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３は、略矩形状に成形されている電極３１が略直方体形状に成形されている誘電体３２上に搭載されていると共に誘電体３２が地板３３上に搭載されて構成されている。また、地板３３の裏面側にはＧＰＳ／ＶＩＣＳ用回路基板（図示せず）が配設されている。電極３１は、その外側部分３１ａがＧＰＳ用電極とされており、２箇所の給電点３４ａ，３４ｂを介してＧＰＳ用電極へ給電されると共に、その内側部分３１ｂがＶＩＣＳ用電極とされており、１箇所の給電点３４ｃを介してＶＩＣＳ用電極へ給電されるように構成されている。

このＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３は、同軸ケーブル３５を介してＧＰＳ／ＶＩＣＳ用接続コネクタ（図示せず）に接続されており、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用接続コネクタがＧＰＳ／ＶＩＣＳ用無線機（図示せず）に接続されることにより、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用無線機との間で電波信号を送受信可能になっている。また、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３は、ＧＰＳシステムやＶＩＣＳシステムでの電波の到来方向が略天頂方向であることから、電極３１のアンテナ面が略水平方向となるように実装されている。

これらＥＴＣ用アンテナエレメント２の誘電体２２及びＧＰＳ用／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３の誘電体３２は、各々の電極２１，３１を機械的に保持すると共に波長短縮の効果を奏するものであり、誘電率の高い材料を採用することにより、電極２１，３１のサイズを小型化することが可能となり、車載統合アンテナ１の全体サイズを小型化することが可能となる。尚、誘電体２２，３２は、高周波損失の小さい例えばＰＰＳ（ポリフェニレンサルファイド）を母材とする樹脂やセラミックを材料として構成されている。

電話用アンテナエレメント４は、電話用のメインアンテナエレメントとして機能するもので、板状の導電性部材（伝送線路部材）４１が変形折り返し型の所定形状に成形されて構成されている。この電話用アンテナエレメント４は、その導電性部材４１の一端部４１ａが地板６に接続されて（ネジ止めされて）接地されていると共に、その導電性部材４１の他端部が回路基板７の裏面側に実装されている電話用無線機８に接続されて給電されるようになっている。尚、この電話用アンテナエレメント４は、その全長が受信電波の波長に「１／４」を乗じた長さと略同等となっている。

一方、電話用アンテナエレメント５は、電話用のサブアンテナエレメントとして機能するもので、上記した電話用アンテナエレメント４と同様にして、板状の導電性部材（伝送線路部材）５１が変形折り返し型の所定形状に成形されて構成されている。この電話用アンテナエレメント５も、その導電性部材５１の一端部５１ａが地板６に接続されて（ネジ止めされて）接地されていると共に、その導電性部材５１の他端部が回路基板７の裏面側に実装されている電話用無線機８に接続されて給電されるようになっている。尚、この電話用アンテナエレメント５も、その全長が受信電波の波長に「１／４」を乗じた長さと略同等となっている。

回路基板７は、その表面部７ａにＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５を機械的に保持して固定するための台座（図示せず）が搭載されていると共に、その裏面部７ｂに上記した電話用無線機８が実装されて構成されている。

地板６は、図２にも示すように、その所定部位に回路基板７の裏面部７ｂに実装されている電話用無線機８を収容するための凹部６１が裏面部６ｂへ突出するように略矩形状に形成されており、その表面部６ａに上記した回路基板７がネジ９ａ〜９ｄにより所定位置にネジ止めされた状態で電話用無線機８が凹部６１に収容されるように構成されている。この場合、凹部６１のサイズは、電話用無線機８のサイズよりも僅かに大きい程度となっており、つまり、電話用無線機８は、その側面部８ａが凹部６１の内側面部６１ａに対して極めて接近すると共に下面部（回路基板７と反対側の面部）８ｂが凹部６１の底面部６１ｂに対して極めて接近して凹部６１に収容されるようになっている。

また、地板６は、回路基板７の裏面部７ｂの一部が露出されるように切欠部６２が形成されて構成されており、電話用無線機８にて処理される送信信号及び受信信号や電源などは、その切欠部６２により露出された部分を通じて電話用無線機８に送受信されるようになっている。

上記した構成では、地板６に形成されている凹部６１に電話用無線機８が収容されており、電話用無線機８の側面部８ａ及び下面部８ｂが地板６に囲まれる態様とされているので、電話用無線機８から放出された熱が地板６を介して拡散されると共に、電話用無線機８から放射された放射ノイズが外部へ漏洩してしまうことが未然に回避される。尚、以上に説明した構成では、凹部６１の存在により地板６の一部が凹状となるが、高周波的には何ら不具合が発生することはなく、凹部６１の影響によりアンテナ特性が低下することはない。

ところで、上記した構成では、車載統合アンテナ１がＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５が実装されているもので、つまり、ある程度のサイズを有する地板６が必須構成であるが故に地板６に凹部６１を容易に形成することが可能であり、ＥＴＣ用アンテナエレメント２及びＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３が実装されている部分の下部のスペースを有効に利用することができ、アンテナの全体のサイズが大型化することを未然に回避することができる利点もある。

以上に説明したように本実施形態によれば、車載統合アンテナ１において、ＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５のグランドとして作用する地板６に凹部６１が形成され、その凹部６１に電話用無線機８が収容されるように構成したので、電話用無線機８から放出された熱を地板８を介して拡散させることができ、つまり、地板６をＥＴＣ用アンテナエレメント２、ＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント３及び電話用アンテナエレメント４，５のグランドとして作用させると共に電話用無線機８から放出された熱を拡散させるための放熱部材としても兼用することができるので、部品点数を低減することができ、工数及びコストの増大を未然に回避することができる。また、電話用無線機８から放射された放射ノイズが外部に漏洩してしまうことをも未然に回避することができ、電話用無線機８を適切にシールドすることをもできる。

本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
車両に搭載される車載統合アンテナに適用する構成に限らず、例えば室内に設置される室内統合アンテナや屋外に設置される屋外統合アンテナに適用する構成であっても良い。統合アンテナに実装されるアンテナエレメントの個数や実装形態は、いずれの個数や実装形態であっても良い。また、複数のアンテナエレメントが実装されてなる統合アンテナに適用する構成に限らず、単一のアンテナエレメントが実装されてなる単一アンテナに適用する構成であっても良い。

本発明の一実施形態を示す図 電話用無線機が凹部に収容されている態様を概略的に示す図

符号の説明

図面中、１は車載統合アンテナ、２はＥＴＣ用アンテナエレメント（他のアンテナエレメント）、３はＧＰＳ／ＶＩＣＳ用アンテナエレメント（他のアンテナエレメント）、４は電話用アンテナエレメント（アンテナエレメント）、５は電話用アンテナエレメント（アンテナエレメント）、６は地板、８は電話用無線機（無線機）、６１は凹部である。

Claims (3)

1. アンテナエレメントと前記アンテナエレメントが放射・捕捉する電波を無線処理する無線機とが一体的に実装されてなる無線機一体型アンテナであって、
   前記アンテナエレメントのグランドとして作用する地板に凹部が形成され、前記無線機が前記凹部に収容されていることを特徴とする無線機一体型アンテナ。
2. 請求項１に記載した無線機一体型アンテナにおいて、
   前記アンテナエレメントのアンテナ特性とは異なるアンテナ特性を有する他のアンテナエレメントも一体的に実装されると共に、前記地板が前記他のアンテナエレメントのグランドとしても作用するように構成され、
   前記凹部は、前記地板にあって前記他のアンテナエレメントが実装されている部分の下部に形成されていることを特徴とする無線機一体型アンテナ。
3. アンテナエレメントと前記アンテナエレメントが放射・捕捉する電波を無線処理する無線機とを一体的に実装して無線機一体型アンテナを製造する方法であって、
   前記アンテナエレメントのグランドとして作用する地板に凹部を形成し、前記無線機を前記凹部に収容することにより、無線機一体型アンテナを製造することを特徴とする無線機一体型アンテナの製造方法。
   
   

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