JP2003297987A - 熱伝導性基板の製造方法 - Google Patents

熱伝導性基板の製造方法

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JP2003297987A
JP2003297987A JP2003082436A JP2003082436A JP2003297987A JP 2003297987 A JP2003297987 A JP 2003297987A JP 2003082436 A JP2003082436 A JP 2003082436A JP 2003082436 A JP2003082436 A JP 2003082436A JP 2003297987 A JP2003297987 A JP 2003297987A
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forming conductor
thermosetting resin
conductive substrate
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Tetsuya Tsumura
哲也 津村
Shinya Tanaka
慎也 田中
Michihiro Miyauchi
美智博 宮内
Hisatoshi Atsumo
尚俊 厚母
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路形成用導体を確実に位置決めすることが
できる熱伝導性基板の製造方法を提供することを目的と
するものである。 【解決手段】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性を
有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用導
体を積層した後、金型内で加熱・加圧することにより、
回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を一体
化する方法において、回路形成用導体2を、真空吸着に
よって金型に固定した後に浮島6の繋ぎ桟5を打ち抜
き、そのまま真空吸着によって浮島6を位置決めした状
態で成形を行うか、あるいは繋ぎ桟5がついた状態で成
形後繋ぎ桟5を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器における
高電力回路などに使用される熱伝導性基板(高放熱性基
板)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱伝導性基板の製造方法は熱硬化
樹脂に熱伝導性フィラーを充填したシート形状の熱硬化
樹脂組成物と、回路形成用導体を重合し、その後加熱、
加圧することにより一体化されている。その従来におけ
る熱伝導性基板の製造方法を、図面を用いて説明する。
【0003】図12において、51はシート形状の熱硬
化樹脂組成物であり、例えば70〜95重量部の無機質
フィラーと、5〜30重量部の少なくとも熱硬化樹脂、
硬化剤および硬化促進剤でなり、半硬化あるいは部分硬
化状態で可撓性を有して、少なくとも膜厚が0.8〜2
mm、好ましくは0.8〜1.6mmとなるように、ド
クターブレード法、コーター法、押出し成形法あるいは
圧延法により形成している。
【0004】52はプレス加工、エッチング加工あるい
はレーザー加工などにより所定のパターンや形状に加工
された回路形成用導体(リードフレーム)であり、アル
ミニウム、銅、銀、鉄あるいはそれらの合金材などでな
る導電性および熱伝導性の金属板の少なくとも熱硬化樹
脂組成物51側面を、密着性を良くするために粗面化し
ている。その後この上面側にソルダーレジストを印刷
し、その後これを熱あるいは紫外線により硬化させ、後
工程で搭載する電子部品用などの所定パターンを形成し
ている。
【0005】53は放熱用金属板であり、熱伝導性の優
れた鉄、銅、アルミニウム、アルマイト処理されたアル
ミニウムあるいはそれらの合金などの金属材を、所定形
状に加工して形成している。
【0006】54は回路形成用導体52から折り曲げ加
工などにより形成された外部接続用の端子である。
【0007】従来における熱伝導性基板の製造方法を、
図13を用いて説明する。すなわち図13において、1
は熱硬化性樹脂と熱伝導性フィラーを成分として含む軟
体の熱硬化性組成物をシート形状にした熱伝導シート状
物となる熱硬化樹脂組成物である。2は、配線、電極あ
るいは取出端子を構成するための複数の貫通溝3を有し
た回路形成用導体であり、高熱伝導性または高電導性の
鉄、銅、アルミニウムあるいはそれらの合金などの板状
金属材よりなる。4は回路形成用導体2の一部を曲げ加
工して形成した接続用あるいは放熱用などの端子であ
る。
【0008】まず、図13(a)に示す熱硬化樹脂組成
物1と回路形成用導体2を、図13(b)に示すよう
に、熱硬化樹脂組成物1を回路形成用導体2の所定位置
に重ね合せて積層する。さらに図13(c)に示すよう
に、熱硬化樹脂組成物1の上面に放熱用金属板7を重ね
合せて積層する。
【0009】その後図13(d)に示すように、放熱用
金属板7と熱硬化樹脂組成物1および回路形成用導体2
を全面同時に加圧し、熱硬化樹脂組成物1の一部を回路
形成用導体2の貫通溝3に浸入させ、さらに加熱して、
熱硬化樹脂組成物1を熱硬化し回路形成用導体2および
放熱用金属板7と一体化させる。
【0010】その後、図13(e)に示すように、回路
形成用導体2の不要部分を切断除去するとともに、端子
4を曲げ加工により形成して、熱伝導性基板を完成する
のである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の熱伝導性基
板の製造方法では、熱硬化樹脂組成物が加熱、加圧され
る際に軟化して流動するので、その軟化と流動により回
路形成用導体が移動するという問題があった。
【0012】そこで本発明は回路形成用導体を確実に位
置決めできる熱伝導性基板の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そしてこの目的を達成す
るために本発明の熱伝導性基板の製造方法は、前記回路
形成用導体を繋ぎ桟により位置決めされた状態でシート
状の熱硬化樹脂組成物に貼り付けて成形一体化した後に
繋ぎ桟を除去する方法や、金型に前記回路形成用導体を
吸引する穴や外形とほぼ同じ大きさの凹みを設けて位置
合わせをするもので、熱伝導性基板の確実な位置決めが
可能となる。
【0014】請求項1は、半硬化あるいは部分硬化状態
で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回
路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧するこ
とにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組
成物を一体化する方法において、前記回路形成用導体に
有した位置保持のための繋ぎ桟を、前記熱硬化樹脂組成
物を硬化した後に除去し、独立した回路形成用導体を形
成する熱伝導性基板の製造方法であり、繋ぎ桟により回
路形成用導体の位置を確実に保持しながら電気的に独立
させることができる。
【0015】請求項2は、半硬化あるいは部分硬化状態
で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回
路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧するこ
とにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組
成物を一体化する方法において、前記熱硬化樹脂組成物
が工具の磨耗を発生しない半硬化の状態で繋ぎ桟を除去
し、独立した回路形成用導体を形成する熱伝導性基板の
製造方法であり、半硬化状態のため繋ぎ桟の除去加工が
より容易で工具の磨耗も少なくて済む。
【0016】請求項3は、浮島の繋ぎ桟の側面に樹脂組
成物が流れ込まないよう、金型に突起を設けて成形する
ことを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の熱伝導
性基板の製造方法であり、こうすれば繋ぎ桟を切断する
時に繋ぎ桟の側面に空けられた空間にエンドミル等の切
削工具を挿入してから繋ぎ桟を切断するため工具の磨耗
が少なくて済む。
【0017】請求項4は、レーザーあるいはウオーター
ジェットを用いて繋ぎ桟を除去することを特徴とする、
請求項1あるいは2に記載の熱伝導性基板の製造方法で
あり、切削のように工具の磨耗やそれによる切削状況の
変化を無くすことができる。
【0018】請求項5は、切削加工により繋ぎ桟を削除
することで独立した回路形成用導体を形成することを特
徴とする、請求項1あるいは2に記載の熱伝導性基板の
製造方法であり、繋ぎ桟部分のみを高精度除去すること
ができるという効果を有する。
【0019】請求項6は、打ち抜き加工により繋ぎ桟を
削除することで独立した回路形成用導体を形成すること
を特徴とする、請求項1あるいは2に記載の熱伝導性基
板の製造方法であり、切削に対してパンチの上下動だけ
で加工が出来る為加工時間が短くて済む。
【0020】請求項7は、放熱用金属板を有する場合
は、その金属板にあらかじめ回路形成用導体の繋ぎ桟位
置に穴を開けておき繋ぎ桟を打ち抜きやすくしたことを
特徴とする、請求項5あるいは6に記載の熱伝導性基板
の製造方法であり、放熱用金属板を有する場合でも打ち
抜きが可能である。
【0021】請求項8は、半硬化あるいは部分硬化状態
で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回
路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧するこ
とにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組
成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成用
導体を金型内に設けられた真空吸引穴により吸引して位
置決め保持することを特徴とする熱伝導性基板の製造方
法であり、加熱・加圧時に金型内に設けられた真空吸引
穴により回路形成用導体を固定するため、簡単な方法で
確実な位置決めをした熱伝導性基板を作製できるように
なる。
【0022】請求項9は、半硬化あるいは部分硬化状態
で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回
路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧するこ
とにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組
成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成用
導体を金型内に設けられた回路形成用導体より一回り大
きい凹みにはめ込んで一定の範囲で位置決め保持するこ
とを特徴とする熱伝導性基板の製造方法であり、金型内
に設けられた凹みで回路形成用導体が位置決めされ、簡
単な方法で確実な位置決めをした熱伝導性基板を作製で
きるようになる。
【0023】請求項10は、半硬化あるいは部分硬化状
態で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、
回路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧する
ことにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂
組成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成
用導体を金型内に設けられた回路形成用導体の外周を少
なくとも4ヶ所以上の突起物で位置決め保持することを
特徴とする熱伝導性基板の製造方法であり、金型内に設
けられた突起物で回路形成用導体が位置決めされ、簡単
な方法で確実な位置決めをした熱伝導性基板を作製でき
るようになる。
【0024】請求項11は、半硬化あるいは部分硬化状
態で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、
回路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧する
ことにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂
組成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成
用導体を金型内に設けられた回路形成用導体の外周を少
なくとも2ヶ所以上の突起物で位置決め保持され、また
回路形成用導体に設けられた1ヶ所の穴にも突起物が入
って位置決め保持することを特徴とする熱伝導性基板の
製造方法であり、金型内に設けられた突起物で回路形成
用導体が位置決めされ、簡単な方法で確実な位置決めを
した熱伝導性基板を作製できるようになる。
【0025】請求項12は、前記一つの回路形成用導体
を金型内に設けられた真空吸引穴により吸引して位置決
め保持することを特徴とする請求項9から11に記載の
熱伝導性基板の製造方法であり、吸引力により回路形成
用導体を金型面により強く当てることが出来るための熱
硬化樹脂組成物が回路形成用導体と金型面の隙間に流れ
込みにくくすることができる。
【0026】請求項13は、半硬化あるいは部分硬化状
態で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、
回路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧する
ことにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂
組成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成
用導体の浮島と他のランドとの間で、前記熱硬化樹脂組
成物を1ヶ所以上の部分に埋め込ませ、硬化させた後繋
ぎ桟を打ち抜いた後に前記シート状の熱硬化樹脂組成物
と成形一体化することを特徴とする熱伝導性基板の製造
方法であり、回路形成用導体の浮島と他のランドとの間
を熱硬化性樹脂で固定することにより、簡単な方法で確
実な位置決めをした熱伝導性基板を作製できるようにな
る。
【0027】請求項14は、半硬化あるいは部分硬化状
態で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、
回路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧する
ことにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂
組成物を一体化する方法において、成形・硬化した後に
前記一つの回路形成用導体の表面に浮島の繋ぎ桟以外の
部分にレジストを印刷した後に浮島の繋ぎ桟をエッチン
グにより除去することを特徴とする熱伝導性基板の製造
方法であり、この方法によれば、化学処理による繋ぎ桟
の除去は切削などの加工方法に較べて回路形成用導体に
ストレスを与えることを少なくできる。
【0028】請求項15は、半硬化あるいは部分硬化状
態で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、
回路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧する
ことにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂
組成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成
用導体を、真空吸着穴を設けた金型で繋ぎ桟を打ち抜き
除去した後、真空吸着により浮島を位置決めした状態
で、その打ち抜き型の一部を成形に用いることにより、
前記シート状の熱硬化樹脂組成物と成形一体化する熱伝
導性基板の製造方法であり、この方法によれば、繋ぎ桟
がついた状態で回路形成用導体を金型にセットでき一括
して繋ぎ桟を除去し、そのまま位置決めした状態で成形
できるため、簡単な方法で確実な位置決めをした熱伝導
性基板を作製できるようになる。
【0029】請求項16は、半硬化あるいは部分硬化状
態で可撓性を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、
回路形成用導体を積層した後、金型内で加熱・加圧する
ことにより、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂
組成物を一体化する方法において、前記一つの回路形成
用導体を、真空吸着穴を設けた金型で繋ぎ桟を打ち抜き
除去した後、真空吸着により浮島を位置決めした状態
で、別の真空吸引機能を備えたブロックに受け渡し、そ
のブロックは成形型に前記回路形成用導体を供給し、そ
の成形金型で前記シート状の熱硬化樹脂組成物と成形一
体化する熱伝導性基板の製造方法であり、この方法によ
れば繋ぎ桟を打ち抜く金型の一部が成形型も兼用してい
ることからくる毎回の金型の分解組み立てという作業取
り扱いの面倒を減らすことができる。
【0030】請求項17は、回路形成用導体とシート形
状の熱硬化樹脂組成物が半硬化状態になった一体化物を
金型から取出し、恒温炉内で加熱する請求項1から16
に記載の熱伝導性基板の製造方法であり、この方法によ
れば一度に大量に出来ない成形工程は半硬化までの成形
で比較的短時間で行い、その後のエポキシ樹脂の重合反
応による硬化は大量に恒温炉に投入することで行うため
生産効率を高くすることができる。
【0031】請求項18は、回路形成用導体とシート形
状の熱硬化樹脂組成物の一体化物を金型から取出し、加
圧しながら恒温炉内で加熱し硬化させることを特徴とす
る請求項1から16に記載の熱伝導性基板の製造方法で
あり、この方法によれば加圧により回路形成用導体と熱
硬化樹脂組成物の間に挟まった空気を押しつぶしながら
エポキシ樹脂を硬化させるため両者の剥離を防ぐことが
できる。
【0032】請求項19は、プレス加工、エッチング加
工あるいはレーザー加工により加工形成された回路形成
用導体を使用する請求項1から16に記載の熱伝導性基
板の製造方法であり、この方法によれば反りの少ない回
路形成用導体を得ることができ、成形時に熱硬化樹脂組
成物が基板表面に流れ込みにくくすることができる。
【0033】請求項20は、ニッケル下地めっきと半田
めっきを施してなる回路形成用導体を使用する請求項1
から16に記載の熱伝導性基板の製造方法であり、この
方法によれば成形時の高温による回路形成用導体の主材
質である銅の酸化を防ぐことができるとともに基板への
部品実装時のクリーム半田との密着性をよくすることが
できる。
【0034】請求項21は、銅あるいはその合金材でな
る回路形成用導体を使用する請求項1から16に記載の
熱伝導性基板の製造方法であり、この方法によれば高い
熱伝導性と導電性及び低コストを併せ持った高放熱基板
を形成することができる。
【0035】請求項22は、回路形成用導体に設けられ
ている繋ぎ桟の部分に対してエッチングにより板厚を薄
くした請求項1から16に記載の熱伝導性基板の製造方
法であり、この方法によれば繋ぎ桟の除去加工をより簡
単に行うことができ、切削や打ち抜きの工具の磨耗を減
らすことができる。
【0036】請求項23は、回路形成用導体の部品実装
される面は同一面のままで裏からエッチングで追い込
み、厚みを薄くした請求項22に記載の熱伝導性基板の
製造方法であり、この方法によれば一体成形後に切削加
工やエッチングで繋ぎ桟を除去する場合に基板表面に熱
硬化樹脂組成物がないためやりやすくなる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る熱伝導性基板の製造方法について図面を用いて説明す
る。
【0038】次に図1から図11を用いて、本発明の熱
伝導性基板の製造方法について説明する。図1から図1
1において、1は前記図13の熱硬化樹脂組成物の一部
を示している。
【0039】2はプレスやエッチングあるいはレーザー
加工などにより、所定パターンに形成された銅やその合
金などの金属板材でなる図13の回路形成用導体の一部
であり、5は浮島と呼ばれる電気的に独立となるランド
6を繋げておく繋ぎ桟であり、3は貫通溝である。
【0040】図1(a)は回路形成用導体2と熱硬化樹
脂組成物1とが一体成形された状態の平面図である。図
1(b),(c)はA矢視図である。7は放熱用金属板
である。繋ぎ桟5は図1(c)のようにあらかじめ回路
形成用導体2となる金属板材の一部をエッチングあるい
は切削加工などで板厚を薄くしておくと繋ぎ桟の切削除
去がより容易になる。また、繋ぎ桟5の切削除去は熱硬
化樹脂組成物1が硬化した状態で行うと加工によるスト
レスにより回路形成用導体2がずれたり剥離したりしに
くいが、熱硬化樹脂組成物1の硬度が高いため切削加工
用の工具が磨耗し易いという欠点がある。そこで、スト
レスで回路形成用導体2がずれたり剥離したりしないよ
うにしながら、熱硬化樹脂組成物1が工具の磨耗を生じ
ない半硬化の状態で加工することにより、切削加工用の
工具の磨耗をより少なくすることができる。
【0041】図2(a)は浮島6の繋ぎ桟5の側面に熱
硬化樹脂組成物1が流れ込まないように成形金型に突起
を設けて成形した熱伝導性基板の立体図である。繋ぎ桟
5の両側面には空間8が設けられており、この空間8に
切削加工用の工具9を入れて水平に移動することにより
工具9は熱硬化樹脂組成物1を削るのを最小限にするこ
とが出来る。その切削状態を図1(b)と図1(c)に
対して図2(b)と図2(c)に表す。
【0042】図3(a),(b)は硬化あるいは半硬化
した後に打ち抜き加工により繋ぎ桟5を削除する状態の
模式図である。10は打ち抜きパンチであり、図3
(b)は放熱用金属板7を有する場合である。この場
合、放熱用金属板7に打ち抜きパンチ10を通す貫通穴
をあらかじめ設けておく。また、図1の説明でも述べた
ように半硬化状態で打ち抜きを行えばより打ち抜きパン
チ10の磨耗は少なくてすむ。
【0043】図3において浮島6の繋ぎ桟5を打ち抜く
場合に部品実装する面に向けてその裏側から打ち抜く方
が成形安定性には有利である。部品実装する面に向けて
その裏側から打ち抜くことによりバリが部品実装する面
の方に出る。このバリは成形時に熱硬化樹脂組成物1が
回路形成用導体2の部品実装面に流れるのを止める働き
をするからである。
【0044】図4は回路形成用導体2を金型内に設けら
れた真空吸引穴18により吸引することにより位置決め
保持している状態を示している。ここで成形金型の中の
下型はブロック16と17の組み合わせにより成り立
ち、吸引口19を持つ。
【0045】図5は回路形成用導体2を金型内に設けら
れた回路形成用導体2より一回り大きい凹みにはめ込ん
で一定の範囲で位置決め保持している状態を示す。図5
(a)は側面図であり、図5(b)は斜視図である。ま
た、図5(c)は成形品の断面図である。この方法によ
れば浮島6を位置決めすることは出来るが成形後に浮島
6の外周に位置する熱硬化樹脂組成物1群の表面が凹み
となるため、浮島6などにクリーム半田を用いる場合な
ど、加熱により溶融した半田が流れ込む可能性があり、
回路形成用導体2や浮島6におけるランド間の絶縁距離
が短くなることもある。
【0046】図6は回路形成用導体の浮島6を金型内に
設けられた4ヶ所の突起で位置決め保持している状態を
示す。6−1はレジスト印刷されていない部分であり、
クリーム半田が塗布される可能性がある。6−2はレジ
スト印刷された部分でクリーム半田が塗布されることが
ない部分である。各突起12−1は6−1に接しない部
分に設けられる。これにより成形後に各突起12−1を
設けた部分を除く浮島6の外周に熱硬化樹脂組成物1が
充填されて形成されるので上記凹みに溶融した半田が流
れ込むことを防ぐことができる。
【0047】図7は回路形成用導体の浮島6を浮島6に
設けられた穴6−3にその穴とほぼ同等の形をした突起
12−2がはまり込んで位置決め保持すると同時に金型
内に設けられた2ヶ所の突起で浮島6の外周を位置決め
している状態を示す。6−1はレジスト印刷されていな
い部分であり、クリーム半田が塗布される可能性があ
る。6−2はレジスト印刷された部分でクリーム半田が
塗布されることのない部分である。各突起は6−1に接
しない部分に設けられる。これにより成形後にレジスト
印刷されていない部分6−1の外周に熱硬化樹脂組成物
1が充填されて形成されるので上記凹みに溶融した半田
が流れ込むことを防ぐことができる。
【0048】図8は回路形成用導体2の浮島6の回りの
貫通溝3に接着剤20を埋め込んだ状態を示す。接着剤
20を硬化させた後、繋ぎ桟5を除去して成形する。接
着剤20はできれば熱硬化樹脂組成物1と同じ材料の方
が望ましい。
【0049】図9は成形した基板の回路形成用導体2
の、浮島6の繋ぎ桟5以外の部分にレジスト21を塗布
した後にエッチングにより繋ぎ桟5を除去する工程の模
式図である。図9(a)は成形品にレジストを塗布した
状態、図9(b)はエッチング後の状態である。この方
法によれば打ち抜き加工や切削加工よりも回路形成用導
体2に与えるストレスが小さく、変形を抑えることがで
きる。
【0050】図10(a)は真空吸引機能を有した下型
26と繋ぎ桟5を切断するための打ち抜きパンチ24を
内蔵した上型27により回路形成用導体2の浮島6の繋
ぎ桟5を打ち抜き除去している状況を示す。図10
(b)は、この下型26をブロック32の上に設置した
ものに上型29を載せ中型30により回路形成用導体2
に積層された熱硬化樹脂組成物1を貼り付けた放熱用金
属板7を加圧し、成形しようとする状況を示す。ブロッ
ク32には下型26の抜き穴28を埋めるための柱31
が立てられている。尚、下型26の吸着面は回路形成用
導体2の各ランドよりやや大きい形状で掘り下げてある
のでランド、特に浮島6の位置決め保持をより確実にす
ることができる。また、成形時の真空吸引は熱硬化樹脂
組成物1の粘度が低すぎる場合は回路形成用導体2の下
面まで回り込む可能性があるので吸引力は場合に応じて
調整するのが望ましい。
【0051】図10の方法では浮島6の繋ぎ桟5を打ち
抜く金型の一部が成形型も兼用しているため作業取り扱
いが面倒である。すなわち、成形時には金型を高温にす
るが打ち抜き時には温度を下げる必要がある、また下型
26を柱31のたくさん立ったブロック32に組み合わ
せるのは簡単な作業ではない。これらのことからより作
業性をよくしたのが図11に示す方法である。図11
(a)は真空吸引機能を有した下型26と繋ぎ桟5を切
断するための打ち抜きパンチ24を内蔵した上型27に
より回路形成用導体2の浮島6の繋ぎ桟5を打ち抜き除
去している状況を示す。図11(b)は、この下型26
の上にあった繋ぎ桟5を切断された回路形成用導体2を
吸着ブロック33で吸着して受け取った状況を示す。図
11(c)はそれを成形型34にセットして成形しよう
とする状況を示す。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明による熱伝導性基板
の製造方法によれば、回路形成用導体の位置決めが確実
にできるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本実施の形態における熱伝導
性基板の製造方法を説明する模式平面図および断面図
【図2】(a)〜(c)は同他の実施の形態における熱
伝導性基板の製造方法を説明する模式平面図および断面
【図3】(a),(b)は同他の実施の形態における熱
伝導性基板の製造方法を説明する模式断面図
【図4】同他の実施の形態における熱伝導性基板の製造
方法を説明する模式図
【図5】(a)〜(c)は同他の実施の形態における熱
伝導性基板の製造方法を説明する模式図
【図6】同他の実施の形態における熱伝導性基板の製造
方法を説明する模式図
【図7】同他の実施の形態における熱伝導性基板の製造
方法を説明する模式図
【図8】同他の実施の形態における熱伝導性基板の製造
方法を説明する模式平面図
【図9】(a),(b)は同他の実施の形態における熱
伝導性基板の製造方法を説明する模式断面図
【図10】(a),(b)は同他の実施の形態における
熱伝導性基板の製造方法を説明する模式図
【図11】(a)〜(c)は同他の実施の形態における
熱伝導性基板の製造方法を説明する模式図
【図12】熱伝導性基板の構成断面図
【図13】(a)〜(e)は従来の熱伝導性基板の製造
方法を説明する模式図
【符号の説明】
1,51 熱硬化樹脂組成物 2,52 回路形成用導体 3 貫通溝 4 端子 5 繋ぎ桟 6 浮島 6−1 半田付けされる部分 6−2 レジスト印刷された部分 6−3 位置決め用穴 7 放熱用金属板 8 空間 9 切削工具 10 打ち抜きパンチ 12 下型 12−1 位置決め用突起 12−2 位置決め用突起 16 ブロック 17 ブロック 18 吸引穴 19 吸引口 20 接着剤 21 レジスト 24 打ち抜きパンチ 26 下型 27 上型 28 抜き穴 29 上型 30 中型 31 柱 32 ブロック 33 吸着ブロック 34 成形型 53 放熱用金属板 54 外部接続用端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 美智博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 厚母 尚俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA02 AA16 BB02 BB16 BB24 BB33 BB34 BB44 BB54 BB66 BB71 DD52 DD75 DD76 EE43 EE58 ER11 ER45 ER50 ER55 GG08 5F036 AA01 BA23 BB01 BB08 BD01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性を
    有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用導
    体を積層した後、金型内で加熱・加圧することにより、
    回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を一体
    化する方法において、前記回路形成用導体に有した位置
    保持のための繋ぎ桟を、前記熱硬化樹脂組成物を硬化し
    た後に除去し、独立した回路形成用導体を形成する熱伝
    導性基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性を
    有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用導
    体を積層した後、金型内で加熱・加圧することにより、
    回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を一体
    化する方法において、前記熱硬化樹脂組成物が工具の磨
    耗を発生しない半硬化の状態で繋ぎ桟を除去し、独立し
    た回路形成用導体を形成する熱伝導性基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 浮島の繋ぎ桟の側面に樹脂組成物が流れ
    込まないよう、金型に突起を設けて成形することを特徴
    とする、請求項1あるいは2に記載の熱伝導性基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 レーザーあるいはウオータージェットを
    用いて繋ぎ桟を除去することを特徴とする、請求項1あ
    るいは2に記載の熱伝導性基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 切削加工により繋ぎ桟を削除することで
    独立した回路形成用導体を形成することを特徴とする、
    請求項1あるいは2に記載の熱伝導性基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 打ち抜き加工により繋ぎ桟を削除するこ
    とで独立した回路形成用導体を形成することを特徴とす
    る、請求項1あるいは2に記載の熱伝導性基板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 放熱用金属板を有する場合は、その金属
    板にあらかじめ回路形成用導体の繋ぎ桟位置に穴を開け
    ておき繋ぎ桟を打ち抜きやすくしたことを特徴とする、
    請求項5あるいは6に記載の熱伝導性基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性を
    有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用導
    体を積層した後、金型内で加熱・加圧することにより、
    回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を一体
    化する方法において、前記一つの回路形成用導体を金型
    内に設けられた真空吸引穴により吸引して位置決め保持
    することを特徴とする熱伝導性基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性を
    有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用導
    体を積層した後、金型内で加熱・加圧することにより、
    回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を一体
    化する方法において、前記一つの回路形成用導体を金型
    内に設けられた回路形成用導体より一回り大きい凹みに
    はめ込んで一定の範囲で位置決め保持することを特徴と
    する熱伝導性基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性
    を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用
    導体を積層した後、金型内で加熱・加圧することによ
    り、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を
    一体化する方法において、前記一つの回路形成用導体を
    金型内に設けられた回路形成用導体の外周を少なくとも
    4ヶ所以上の突起物で位置決め保持することを特徴とす
    る熱伝導性基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性
    を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用
    導体を積層した後、金型内で加熱・加圧することによ
    り、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を
    一体化する方法において、前記一つの回路形成用導体を
    金型内に設けられた回路形成用導体の外周を少なくとも
    2ヶ所以上の突起物で位置決め保持され、また回路形成
    用導体に設けられた1ヶ所の穴にも突起物が入って位置
    決め保持することを特徴とする熱伝導性基板の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記一つの回路形成用導体を金型内に
    設けられた真空吸引穴により吸引して位置決め保持する
    ことを特徴とする請求項9から11に記載の熱伝導性基
    板の製造方法。
  13. 【請求項13】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性
    を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用
    導体を積層した後、金型内で加熱・加圧することによ
    り、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を
    一体化する方法において、前記一つの回路形成用導体の
    浮島と他のランドとの間で、前記熱硬化樹脂組成物を1
    ヶ所以上の部分に埋め込ませ、硬化させた後繋ぎ桟を打
    ち抜いた後に前記シート状の熱硬化樹脂組成物と成形一
    体化することを特徴とする熱伝導性基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性
    を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用
    導体を積層した後、金型内で加熱・加圧することによ
    り、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を
    一体化する方法において、成形・硬化した後に前記一つ
    の回路形成用導体の表面に浮島の繋ぎ桟以外の部分にレ
    ジストを印刷した後に浮島の繋ぎ桟をエッチングにより
    除去することを特徴とする熱伝導性基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性
    を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用
    導体を積層した後、金型内で加熱・加圧することによ
    り、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を
    一体化する方法において、前記一つの回路形成用導体
    を、真空吸着穴を設けた金型で繋ぎ桟を打ち抜き除去し
    た後、真空吸着により浮島を位置決めした状態で、その
    打ち抜き型の一部を成形に用いることにより、前記シー
    ト状の熱硬化樹脂組成物と成形一体化する熱伝導性基板
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 半硬化あるいは部分硬化状態で可撓性
    を有するシート形状の熱硬化樹脂組成物と、回路形成用
    導体を積層した後、金型内で加熱・加圧することによ
    り、回路形成用導体とシート形状の熱硬化樹脂組成物を
    一体化する方法において、前記一つの回路形成用導体
    を、真空吸着穴を設けた金型で繋ぎ桟を打ち抜き除去し
    た後、真空吸着により浮島を位置決めした状態で、別の
    真空吸引機能を備えたブロックに受け渡し、そのブロッ
    クは成形型に前記回路形成用導体を供給し、その成形金
    型で前記シート状の熱硬化樹脂組成物と成形一体化する
    熱伝導性基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 回路形成用導体とシート形状の熱硬化
    樹脂組成物の一体化物を金型から取出し、恒温炉内で加
    熱する請求項1から16に記載の熱伝導性基板の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 回路形成用導体とシート形状の熱硬化
    樹脂組成物の一体化物を金型から取出し、加圧しながら
    恒温炉内で加熱し硬化させることを特徴とする請求項1
    から16に記載の熱伝導性基板の製造方法。
  19. 【請求項19】 プレス加工、エッチング加工あるいは
    レーザー加工により加工形成された回路形成用導体を使
    用する請求項1から16に記載の熱伝導性基板の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 ニッケル下地めっきと半田めっきを施
    してなる回路形成用導体を使用する請求項1から16に
    記載の熱伝導性基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 銅あるいはその合金材でなる回路形成
    用導体を使用する請求項1から16に記載の熱伝導性基
    板の製造方法。
  22. 【請求項22】 回路形成用導体に設けられている繋ぎ
    桟の部分に対してエッチングにより板厚を薄くした請求
    項1から16に記載の熱伝導性基板の製造方法。
  23. 【請求項23】 回路形成用導体の部品実装される面は
    同一面のままで裏からエッチングで追い込み、厚みを薄
    くした請求項22に記載の熱伝導性基板の製造方法。
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