JP2003297650A - コモンモードチョークコイル - Google Patents
コモンモードチョークコイルInfo
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- JP2003297650A JP2003297650A JP2002102515A JP2002102515A JP2003297650A JP 2003297650 A JP2003297650 A JP 2003297650A JP 2002102515 A JP2002102515 A JP 2002102515A JP 2002102515 A JP2002102515 A JP 2002102515A JP 2003297650 A JP2003297650 A JP 2003297650A
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- ring core
- sheets
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- Insulating Of Coils (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製品の原価が安くてすみ、しかも、巻線とな
る導線を絶縁されたリングコアに巻き付けやすくするこ
とである。 【解決手段】 リングコア1の表面をカバー2で被覆
し、カバーで覆われたリングコアの内側空間3を仕切部
材4で放射状に区画し、カバーで覆われたリングコアに
は、仕切部材で区画された部分に巻線6をそれぞれ備
え、カバーと仕切部材を別体品とするコモンモードチョ
ークコイルにおいて、仕切部材は、リングコアの内側空
間の中央部から隣り合う巻線の間に二枚で一組のシート
7をそれぞれ延長し、各組の両シートを重ね合わせて閉
じた状態からカバーの内周方向に沿ってV字状に開口可
能に設けたもので、仕切部材の仕切幅を広げるスペーサ
5を、V字状に開いた両シートの先部間に挿入すること
を特徴とする。
る導線を絶縁されたリングコアに巻き付けやすくするこ
とである。 【解決手段】 リングコア1の表面をカバー2で被覆
し、カバーで覆われたリングコアの内側空間3を仕切部
材4で放射状に区画し、カバーで覆われたリングコアに
は、仕切部材で区画された部分に巻線6をそれぞれ備
え、カバーと仕切部材を別体品とするコモンモードチョ
ークコイルにおいて、仕切部材は、リングコアの内側空
間の中央部から隣り合う巻線の間に二枚で一組のシート
7をそれぞれ延長し、各組の両シートを重ね合わせて閉
じた状態からカバーの内周方向に沿ってV字状に開口可
能に設けたもので、仕切部材の仕切幅を広げるスペーサ
5を、V字状に開いた両シートの先部間に挿入すること
を特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源ラインに使用
するノイズフィルター用のコモンモードチョークコイル
に関するもので、さらに詳しく言えば、巻線間の沿面距
離を確保する構造に工夫を有するものである。 【0002】 【従来の技術】コモンモードチョークコイルは、信号や
ノイズ電流に対してノーマルモードの成分には影響を殆
ど与えずに、コモンモードの成分のみを除去する機能を
持ったものである。なお、ノーマルモード及びコモンモ
ードは、電流の流れる方向による分類で、閉回路の二本
のラインのうち、一本のラインが往路となり、他方のラ
インが復路となるモードをノーマルモードといい、両ラ
インが往路となり、閉回路からのアースが復路となるモ
ードをコモンモードという。 【0003】従来のコモンモードチョークコイルは、巻
線以外の部分については図7に示すように、リングコア
を覆う絶縁ケース91の内側空間92を仕切板93で放
射状に区画し、絶縁ケースと仕切板を樹脂で一体成型し
た構造が知られている。この仕切板の区画の仕方は、コ
モンモードチョークコイルを繋ぐ電源の相数や、配線方
式に合わせて変更している。また、コモンモードチョー
クコイルは、小電流用、大電流用のものがあり、電流容
量に応じてリングコアの大きさを変えるかリングコアを
複数段重ねており、それに対応して絶縁ケースの形状も
変更している。 【0004】ところが、電源の相数等や電流容量に応じ
て絶縁ケースの形状や仕切板の区画の仕方を変えるとな
ると、その成型金型を種類毎に製作しなければならな
い。この場合に、各種類毎の製品の生産数量が少ない
と、成型金型の費用によって製品原価が高くなりすぎ
る。 【0005】また、従来のコモンモードチョークコイル
には、図8に示すように、絶縁ケース91と仕切板93
を別々に成型し、絶縁ケースの内側空間に仕切板を挿入
したものもある。この場合には、絶縁ケースの内周と仕
切板の間に僅かな隙間ができることから、隣合う巻線間
の沿面距離は、絶縁ケースの内周に沿った距離と殆ど等
しくなる。従って、絶縁に必要な沿面距離を確保するに
は仕切板の肉厚を、前述した一体成型品の場合と比べて
厚くする必要がある。ところが、肉厚を厚くすると、そ
の分だけ絶縁ケースの内側空間が狭くなり、巻線となる
導線を絶縁ケースに巻き付けにくくなる。なお、一体成
型品の場合は、仕切板を絶縁ケースよりも高く形成して
あるので、隣り合うコイル間の沿面距離は、絶縁ケース
の内周に沿った距離だけでなく、仕切板の高さ分も含ま
れる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情を考
慮して開発されたもので、その目的は、製品の原価が安
くてすみ、しかも、巻線となる導線を絶縁されたリング
コアに巻き付けやすくすることである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、リングコアの
表面をカバーで被覆し、カバーで覆われたリングコアの
内側空間を仕切部材で放射状に区画し、カバーで覆われ
たリングコアには、仕切部材で区画された部分に巻線を
それぞれ備え、カバーと仕切部材を別体品とするコモン
モードチョークコイルにおいて、仕切部材は、リングコ
アの内側空間の中央部から隣り合う巻線の間に二枚で一
組のシートをそれぞれ延長し、各組の両シートを重ね合
わせて閉じた状態からカバーの内周方向に沿ってV字状
に開口可能に設けたもので、仕切部材の仕切幅を広げる
スペーサを、V字状に開いた両シートの先部間に挿入す
ることを特徴とする。 【0008】仕切部材は、リングコアの内側空間に収納
した状態で一体化されておれば充分であり、内側空間に
収納する前の段階で一体化されている必要はない。例え
ば、屈曲可能な絶縁板の屈曲部分を、リングコアの内側
空間の中央部に単に集中させると共に、絶縁板の各片を
シートとして放射状に延ばす構造であっても良い。ま
た、カバーはリングコアの表面全域を覆って絶縁を確保
できるものであれば構造は限定されず、一例としてはケ
ース状、コーティング膜、或いはケースと絶縁紙等との
組み合わせが挙げられる。 【0009】カバーと仕切部材が別体品であるので、カ
バーにケース状のものを用いる場合にはカバーの成型金
型はリングコアの大きさに合わせたものだけが必要で、
相数や配線方式に合わせたものは不要となり、相数や配
線方式に合った仕切部材を形成すればよく、金型費用が
安価となる。カバーにコーティング膜を用いる場合に
は、成型金型が不要となる。また、リングコアを複数使
用する場合には、リングコア毎にカバーをしても良い
し、リングコアを直に段重ねした表面全域にカバーをし
ても良い。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明のコモンモードチョークコ
イルの第一実施形態は図1又は図2に示すように単相二
線式で、リングコア1と、リングコア1の表面全域を覆
うカバー2と、カバー2で覆われたリングコア1の内側
空間3を放射状にほぼ均等に区画する仕切部材4と、仕
切部材4の仕切幅を広げる丸棒状のスペーサ5と、カバ
ー2の区画された部分に巻き付ける極性の異なる巻線6
とからなり、カバー2と仕切部材4とスペーサ5を別体
品とすると共に絶縁体とする。 【0011】カバー2は図2に示すようにリングコア1
の表面を覆う合成樹脂(例えばエポキシ樹脂)のコーテ
ィング膜である。 【0012】仕切部材4は隣り合う巻線6,6間の沿面
距離を確保するもので、図1から図3に示すように、二
枚で一組のシート7,7を二組備え、各組の両シート
7,7を、カバー2の内側空間3の中央部から隣り合う
巻線6,6の間に向かって放射状に延ばし、各組の両シ
ート7,7を重ね合わせて閉じた状態からカバー2の内
周方向に沿ってV字状に開き、両シート7,7の先部間
にスペーサ5を挿入するものである。仕切部材4の長さ
は閉じた状態でカバー2の内周とほぼ同じとし、リング
コア1の内側空間3に挿入しやすくすると共に、V字状
に開いた状態でカバー2の内側に密接する程度とする。
また、仕切部材4の前後幅(リングコア1の厚み幅に相
当する)を、カバー2の前後両側から突出する程度とし
てある。なお、仕切部材4の製作手順は、「く」の字状
に折れ曲がり可能な二枚の平らな絶縁板を重ねてその中
央部分を粘着テープ8で取り囲んで一体化したもので、
絶縁板の各片がシート7となる。なお、粘着テープ8の
代わりに接着剤を用いて、二枚の絶縁板を中央部分で一
体化しても良い。 【0013】上述した第一実施形態の製作手順を図4に
従って説明すると、(イ)図に示すように、まず、カバ
ー2で表面を覆ったリングコア1と、各組の両シート
7,7が閉じている仕切部材4を用意し、(ロ)図に示
すようにカバー2の内側空間3に仕切部材4を挿入し、
(ハ)図に示すようにカバー2で覆われたリングコア1
の区画された部分に導線を巻き付けて巻線6とする。最
後に、(ニ)図に示すように各組の両シート7,7の先
部をV字状に広げ、その後、図1に示すようにその両シ
ート7,7の先部間にスペーサ5を挿入して、両シート
7,7間にスペーサ5が挟まれた形態とし、隣り合う巻
線6,6間の沿面距離を確保する。 【0014】本発明のコモンモードチョークコイルの第
二実施形態は図5に示すように三相四線式で、仕切部材
4が二枚で一組のシート7,7を四方向に放射状に延長
すると共に、リングコア1を二つ用い、各リングコア1
をカバー2でそれぞれ被覆して重ね合わせてあることを
特徴とする。 【0015】また、仕切部材4は、具体的には、直角に
折り曲げた四枚の絶縁板を全体として十字状になる状態
に重ね合わせたまま、内側空間3に挿入する。この場合
は、第一実施形態のような粘着テープ8を用いていない
ので、挿入前は全体が一体化してないが、各シート7の
厚みによる硬度によってその十字状の形状を保持するの
で挿入後は全体が一体化しており、導線を巻き付ける作
業性を損なうことはない。 【0016】本発明のコモンモードチョークコイルの第
三実施形態は図6に示すように、単相三線式又は三相三
線式で、仕切部材4が二枚で一組のシート7,7を三方
向に約120度毎に放射状に延長すると共に、スペーサ
5に断面三角形のものを用い、リングコア1を三つ用い
たことを特徴とする。 【0017】三つのリングコア1は直に重ね合わせてあ
り、一方、その全面を覆うカバー2は、重ね合わせたリ
ングコア1の周面を巻いて覆う絶縁紙9と、重ね合わせ
たリングコア1の表裏両面とその縁部を絶縁紙9ごと覆
う底の浅いケース10とから構成してある。また、スペ
ーサ5の一端部を先鋭にして、スペーサ5を両シート
7,7の先部間に挿入しやすくしてある。絶縁紙9の代
わりとはしては、巻き付けて絶縁を確保できるもの(例
えばテープ)であれば良い。なお、スペーサ5は、カバ
ー2の内周に沿う扇形状であっても良い。 【0018】本発明のコモンモードチョークコイルの適
用範囲の具体的な例としては、定格周波数:50Hz、
60Hz、配線方式:単相2線式、単相3線式、3相3
線式、3相4線式、定格電圧100V〜600V、定格
電流3A〜600A、使用リングコアサイズ(1個当た
り):外径約φ35mm〜210mm、内径約φ15m
m〜160mm、高さ(厚み)約10mm〜40mm、
導線:丸線の場合は約φ0.5mm〜3.0mm、平角
線の場合は厚みが約0.8mm〜2.0mmで幅が約
4.0mm〜10.0mmとする。絶縁を確保するのに
必要な沿面距離の具体例としては、定格電圧が126V
〜250Vの場合は2.4mm以上、251V〜600
Vの場合は12.7mm以上とする。シート7の厚みの
例としては0.3〜2.0mm程度とし、素材の例とし
ては、バルカナイズドファイバーやアラミド紙が挙げら
れる。 【0019】 【発明の効果】本発明は、リングコアの内側空間が、仕
切部材の各組の両シートを閉じた状態では広くなるの
で、巻線となる導線を巻き付ける作業が行いやすい。ま
た、巻線を巻いた後に各組の両シートをV字状に開いて
スペーサを挿入すれば、絶縁用の沿面距離が確保でき
る。さらに、同一形状のリングコアを使用して相数や配
線方式のみが異なる場合には、仕切部材のみを相数や配
線方式に合わせて変更してやれば良いので、原価が安く
なる。
するノイズフィルター用のコモンモードチョークコイル
に関するもので、さらに詳しく言えば、巻線間の沿面距
離を確保する構造に工夫を有するものである。 【0002】 【従来の技術】コモンモードチョークコイルは、信号や
ノイズ電流に対してノーマルモードの成分には影響を殆
ど与えずに、コモンモードの成分のみを除去する機能を
持ったものである。なお、ノーマルモード及びコモンモ
ードは、電流の流れる方向による分類で、閉回路の二本
のラインのうち、一本のラインが往路となり、他方のラ
インが復路となるモードをノーマルモードといい、両ラ
インが往路となり、閉回路からのアースが復路となるモ
ードをコモンモードという。 【0003】従来のコモンモードチョークコイルは、巻
線以外の部分については図7に示すように、リングコア
を覆う絶縁ケース91の内側空間92を仕切板93で放
射状に区画し、絶縁ケースと仕切板を樹脂で一体成型し
た構造が知られている。この仕切板の区画の仕方は、コ
モンモードチョークコイルを繋ぐ電源の相数や、配線方
式に合わせて変更している。また、コモンモードチョー
クコイルは、小電流用、大電流用のものがあり、電流容
量に応じてリングコアの大きさを変えるかリングコアを
複数段重ねており、それに対応して絶縁ケースの形状も
変更している。 【0004】ところが、電源の相数等や電流容量に応じ
て絶縁ケースの形状や仕切板の区画の仕方を変えるとな
ると、その成型金型を種類毎に製作しなければならな
い。この場合に、各種類毎の製品の生産数量が少ない
と、成型金型の費用によって製品原価が高くなりすぎ
る。 【0005】また、従来のコモンモードチョークコイル
には、図8に示すように、絶縁ケース91と仕切板93
を別々に成型し、絶縁ケースの内側空間に仕切板を挿入
したものもある。この場合には、絶縁ケースの内周と仕
切板の間に僅かな隙間ができることから、隣合う巻線間
の沿面距離は、絶縁ケースの内周に沿った距離と殆ど等
しくなる。従って、絶縁に必要な沿面距離を確保するに
は仕切板の肉厚を、前述した一体成型品の場合と比べて
厚くする必要がある。ところが、肉厚を厚くすると、そ
の分だけ絶縁ケースの内側空間が狭くなり、巻線となる
導線を絶縁ケースに巻き付けにくくなる。なお、一体成
型品の場合は、仕切板を絶縁ケースよりも高く形成して
あるので、隣り合うコイル間の沿面距離は、絶縁ケース
の内周に沿った距離だけでなく、仕切板の高さ分も含ま
れる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情を考
慮して開発されたもので、その目的は、製品の原価が安
くてすみ、しかも、巻線となる導線を絶縁されたリング
コアに巻き付けやすくすることである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、リングコアの
表面をカバーで被覆し、カバーで覆われたリングコアの
内側空間を仕切部材で放射状に区画し、カバーで覆われ
たリングコアには、仕切部材で区画された部分に巻線を
それぞれ備え、カバーと仕切部材を別体品とするコモン
モードチョークコイルにおいて、仕切部材は、リングコ
アの内側空間の中央部から隣り合う巻線の間に二枚で一
組のシートをそれぞれ延長し、各組の両シートを重ね合
わせて閉じた状態からカバーの内周方向に沿ってV字状
に開口可能に設けたもので、仕切部材の仕切幅を広げる
スペーサを、V字状に開いた両シートの先部間に挿入す
ることを特徴とする。 【0008】仕切部材は、リングコアの内側空間に収納
した状態で一体化されておれば充分であり、内側空間に
収納する前の段階で一体化されている必要はない。例え
ば、屈曲可能な絶縁板の屈曲部分を、リングコアの内側
空間の中央部に単に集中させると共に、絶縁板の各片を
シートとして放射状に延ばす構造であっても良い。ま
た、カバーはリングコアの表面全域を覆って絶縁を確保
できるものであれば構造は限定されず、一例としてはケ
ース状、コーティング膜、或いはケースと絶縁紙等との
組み合わせが挙げられる。 【0009】カバーと仕切部材が別体品であるので、カ
バーにケース状のものを用いる場合にはカバーの成型金
型はリングコアの大きさに合わせたものだけが必要で、
相数や配線方式に合わせたものは不要となり、相数や配
線方式に合った仕切部材を形成すればよく、金型費用が
安価となる。カバーにコーティング膜を用いる場合に
は、成型金型が不要となる。また、リングコアを複数使
用する場合には、リングコア毎にカバーをしても良い
し、リングコアを直に段重ねした表面全域にカバーをし
ても良い。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明のコモンモードチョークコ
イルの第一実施形態は図1又は図2に示すように単相二
線式で、リングコア1と、リングコア1の表面全域を覆
うカバー2と、カバー2で覆われたリングコア1の内側
空間3を放射状にほぼ均等に区画する仕切部材4と、仕
切部材4の仕切幅を広げる丸棒状のスペーサ5と、カバ
ー2の区画された部分に巻き付ける極性の異なる巻線6
とからなり、カバー2と仕切部材4とスペーサ5を別体
品とすると共に絶縁体とする。 【0011】カバー2は図2に示すようにリングコア1
の表面を覆う合成樹脂(例えばエポキシ樹脂)のコーテ
ィング膜である。 【0012】仕切部材4は隣り合う巻線6,6間の沿面
距離を確保するもので、図1から図3に示すように、二
枚で一組のシート7,7を二組備え、各組の両シート
7,7を、カバー2の内側空間3の中央部から隣り合う
巻線6,6の間に向かって放射状に延ばし、各組の両シ
ート7,7を重ね合わせて閉じた状態からカバー2の内
周方向に沿ってV字状に開き、両シート7,7の先部間
にスペーサ5を挿入するものである。仕切部材4の長さ
は閉じた状態でカバー2の内周とほぼ同じとし、リング
コア1の内側空間3に挿入しやすくすると共に、V字状
に開いた状態でカバー2の内側に密接する程度とする。
また、仕切部材4の前後幅(リングコア1の厚み幅に相
当する)を、カバー2の前後両側から突出する程度とし
てある。なお、仕切部材4の製作手順は、「く」の字状
に折れ曲がり可能な二枚の平らな絶縁板を重ねてその中
央部分を粘着テープ8で取り囲んで一体化したもので、
絶縁板の各片がシート7となる。なお、粘着テープ8の
代わりに接着剤を用いて、二枚の絶縁板を中央部分で一
体化しても良い。 【0013】上述した第一実施形態の製作手順を図4に
従って説明すると、(イ)図に示すように、まず、カバ
ー2で表面を覆ったリングコア1と、各組の両シート
7,7が閉じている仕切部材4を用意し、(ロ)図に示
すようにカバー2の内側空間3に仕切部材4を挿入し、
(ハ)図に示すようにカバー2で覆われたリングコア1
の区画された部分に導線を巻き付けて巻線6とする。最
後に、(ニ)図に示すように各組の両シート7,7の先
部をV字状に広げ、その後、図1に示すようにその両シ
ート7,7の先部間にスペーサ5を挿入して、両シート
7,7間にスペーサ5が挟まれた形態とし、隣り合う巻
線6,6間の沿面距離を確保する。 【0014】本発明のコモンモードチョークコイルの第
二実施形態は図5に示すように三相四線式で、仕切部材
4が二枚で一組のシート7,7を四方向に放射状に延長
すると共に、リングコア1を二つ用い、各リングコア1
をカバー2でそれぞれ被覆して重ね合わせてあることを
特徴とする。 【0015】また、仕切部材4は、具体的には、直角に
折り曲げた四枚の絶縁板を全体として十字状になる状態
に重ね合わせたまま、内側空間3に挿入する。この場合
は、第一実施形態のような粘着テープ8を用いていない
ので、挿入前は全体が一体化してないが、各シート7の
厚みによる硬度によってその十字状の形状を保持するの
で挿入後は全体が一体化しており、導線を巻き付ける作
業性を損なうことはない。 【0016】本発明のコモンモードチョークコイルの第
三実施形態は図6に示すように、単相三線式又は三相三
線式で、仕切部材4が二枚で一組のシート7,7を三方
向に約120度毎に放射状に延長すると共に、スペーサ
5に断面三角形のものを用い、リングコア1を三つ用い
たことを特徴とする。 【0017】三つのリングコア1は直に重ね合わせてあ
り、一方、その全面を覆うカバー2は、重ね合わせたリ
ングコア1の周面を巻いて覆う絶縁紙9と、重ね合わせ
たリングコア1の表裏両面とその縁部を絶縁紙9ごと覆
う底の浅いケース10とから構成してある。また、スペ
ーサ5の一端部を先鋭にして、スペーサ5を両シート
7,7の先部間に挿入しやすくしてある。絶縁紙9の代
わりとはしては、巻き付けて絶縁を確保できるもの(例
えばテープ)であれば良い。なお、スペーサ5は、カバ
ー2の内周に沿う扇形状であっても良い。 【0018】本発明のコモンモードチョークコイルの適
用範囲の具体的な例としては、定格周波数:50Hz、
60Hz、配線方式:単相2線式、単相3線式、3相3
線式、3相4線式、定格電圧100V〜600V、定格
電流3A〜600A、使用リングコアサイズ(1個当た
り):外径約φ35mm〜210mm、内径約φ15m
m〜160mm、高さ(厚み)約10mm〜40mm、
導線:丸線の場合は約φ0.5mm〜3.0mm、平角
線の場合は厚みが約0.8mm〜2.0mmで幅が約
4.0mm〜10.0mmとする。絶縁を確保するのに
必要な沿面距離の具体例としては、定格電圧が126V
〜250Vの場合は2.4mm以上、251V〜600
Vの場合は12.7mm以上とする。シート7の厚みの
例としては0.3〜2.0mm程度とし、素材の例とし
ては、バルカナイズドファイバーやアラミド紙が挙げら
れる。 【0019】 【発明の効果】本発明は、リングコアの内側空間が、仕
切部材の各組の両シートを閉じた状態では広くなるの
で、巻線となる導線を巻き付ける作業が行いやすい。ま
た、巻線を巻いた後に各組の両シートをV字状に開いて
スペーサを挿入すれば、絶縁用の沿面距離が確保でき
る。さらに、同一形状のリングコアを使用して相数や配
線方式のみが異なる場合には、仕切部材のみを相数や配
線方式に合わせて変更してやれば良いので、原価が安く
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)
本発明のコモンモードチョークコイルの第一実施形態を
示す正面図、側面図である。 【図2】(イ)(ロ)(ハ) 巻線となる導線を巻き付ける前の状態を示す正面図、側
面図、A−A線断面図である。 【図3】(イ)(ロ)(ハ) 仕切部材の正面図、平面図、側面図である。 【図4】(イ)(ロ)(ハ)(ニ) 第一実施形態の作成手順を示す図面である。 【図5】(イ)(ロ) 本発明のコモンモードチョークコイルの第二実施形態を
示す正面図、巻線を除去した状態の側面図である。 【図6】(イ)(ロ) 本発明のコモンモードチョークコイルの第三実施形態を
示す正面図、巻線を除去した状態の側面図である。 【図7】(イ)(ロ)(ハ) 従来のコモンモードチョークコイルから巻線を除去した
状態を示す正面図、側面図、平面図である。 【図8】(イ)(ロ)(ハ) 従来の別の例のコモンモードチョークコイルから巻線を
除去した状態を示す正面図、側面図、平面図である。 【符号の説明】 1 リングコア 2 カバー 3 内側空間 4 仕切部材 5 スペーサ 6 巻線 7 シート
示す正面図、側面図である。 【図2】(イ)(ロ)(ハ) 巻線となる導線を巻き付ける前の状態を示す正面図、側
面図、A−A線断面図である。 【図3】(イ)(ロ)(ハ) 仕切部材の正面図、平面図、側面図である。 【図4】(イ)(ロ)(ハ)(ニ) 第一実施形態の作成手順を示す図面である。 【図5】(イ)(ロ) 本発明のコモンモードチョークコイルの第二実施形態を
示す正面図、巻線を除去した状態の側面図である。 【図6】(イ)(ロ) 本発明のコモンモードチョークコイルの第三実施形態を
示す正面図、巻線を除去した状態の側面図である。 【図7】(イ)(ロ)(ハ) 従来のコモンモードチョークコイルから巻線を除去した
状態を示す正面図、側面図、平面図である。 【図8】(イ)(ロ)(ハ) 従来の別の例のコモンモードチョークコイルから巻線を
除去した状態を示す正面図、側面図、平面図である。 【符号の説明】 1 リングコア 2 カバー 3 内側空間 4 仕切部材 5 スペーサ 6 巻線 7 シート
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 リングコア(1)の表面をカバー(2)
で被覆し、カバーで覆われたリングコアの内側空間
(3)を仕切部材(4)で放射状に区画し、カバーで覆
われたリングコア(1)には、仕切部材で区画された部
分に巻線(6)をそれぞれ備え、カバー(2)と仕切部
材(4)を別体品とするコモンモードチョークコイルに
おいて、 仕切部材(4)は、リングコア(1)の内側空間(3)
の中央部から隣り合う巻線(6,6)の間に二枚で一組
のシート(7)をそれぞれ延長し、各組の両シート
(7,7)を重ね合わせて閉じた状態からカバー(2)
の内周方向に沿ってV字状に開口可能に設けたもので、 仕切部材(4)の仕切幅を広げるスペーサ(5)を、V
字状に開いた両シート(7,7)の先部間に挿入するこ
とを特徴とするコモンモードチョークコイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102515A JP2003297650A (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | コモンモードチョークコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102515A JP2003297650A (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | コモンモードチョークコイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003297650A true JP2003297650A (ja) | 2003-10-17 |
Family
ID=29388961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002102515A Pending JP2003297650A (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | コモンモードチョークコイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003297650A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-04-04 JP JP2002102515A patent/JP2003297650A/ja active Pending
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