JP2003297329A - 密閉型鉛蓄電池用セパレータ - Google Patents
密閉型鉛蓄電池用セパレータInfo
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Abstract
て、電池寿命を向上するために圧迫による切断に強いセ
パレータを提供する。 【解決手段】有機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主構
成とする密閉型鉛蓄電池用セパレータであって、前記有
機繊維として、モノフィラメント状合成繊維を15〜3
0質量%配合することで、圧縮破断強度を80N以上と
するとともに、パルプ状有機繊維を15〜25質量%と
芯鞘型有機繊維を2〜10質量%配合することで、引張
強さを5N/10mm2以上とする。そして、前記無機
粉体を10〜35質量%、残部をガラス繊維とする。前
記パルプ状有機繊維と芯鞘型有機繊維の配合により、良
好な袋加工特性を持たせることができる。
Description
セパレータの改良に関するもので、詳しくは、ガラス繊
維と無機粉体を主体とし、これに有機繊維を使用するこ
とでセパレータの圧縮破断強度を向上させた密閉型鉛蓄
電池用セパレータに関する。
隔離板としての機能と電解液を保持する機能の両方が要
求されるため、耐酸性、耐酸化性に優れた材料で構成さ
れ、かつ、電解液を保持する空隙率が大きいことが重視
される。このため、平均繊維経0.6〜2μm程度の極
細ガラス繊維を主体として構成された比較的厚いセパレ
ータを用いることが一般的である。
正極板は充放電を繰り返すことで膨張する。この正極板
の膨張により正極板格子の底部がセパレータの折り曲げ
部を圧迫するという現象が起こる。この場合、前記従来
の極細ガラス繊維を主体としたセパレータでは正極板格
子の圧迫に耐えきれず切断され、短絡が発生する。これ
ではセパレータ本来の隔離板としての機能が損なわれて
しまうという問題があった。そこで本発明は、密閉型鉛
蓄電池に使用されるセパレータであって電池寿命を向上
するために圧迫による切断に強いセパレータを提供する
ことを目的とする。また、熱硫酸中でも劣化しにくいモ
ノフィラメント状合成繊維を使用することで温度が上昇
状態の実電池内部においても圧縮破断強度が低下するこ
とを防ぎ、さらには、極板をセパレータで包装する密閉
型鉛蓄電池用に使用可能とするため袋加工が可能なセパ
レータを提供することを目的とする。
用セパレータは、前記目的を達成すべく、請求項1に記
載のとおり、有機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主構
成とする密閉型鉛蓄電池用セパレータであって、前記セ
パレータの圧縮破断強度が80N以上、かつ、引張強さ
が5N/10mm2以上であることを特徴とする。ま
た、請求項2記載の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、有
機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主構成とする密閉型
鉛蓄電池用セパレータであって、前記有機繊維としての
モノフィラメント状合成繊維が15〜30質量%とパル
プ状有機繊維が15〜25質量%と熱融着性の芯鞘型有
機繊維が2〜10質量%、前記無機粉体が10〜35質
量%、残部が前記ガラス繊維であることを特徴とする。
蓄電池用セパレータは、有機繊維、ガラス繊維及び無機
粉体を主構成とし、セパレータの圧縮破断強度が80N
以上、かつ引張強さが5N/10mm2以上であること
が条件である。セパレータの圧縮破断強度を80N以上
とすることにより、充放電時における正極板の膨張に起
因するセパレータ折り曲げ部の切断を発生しにくくし
て、短絡を防止できるものである。特に、この圧縮破断
強度が100N以上であればセパレータの切断を防止す
る効果が高く好ましい。この圧縮破断強度が80N未満
ではセパレータ折り曲げ部の切断が発生しやすく短絡の
原因となる。また、セパレータの引張強さを5N/10
mm2以上とすることにより、電池組立時におけるセパ
レータの引張りによる破れを防止することができ、電池
組立工程における不良発生率を低減することができる。
特に、この引張強さが10N/10mm2以上であれば
引張りによる破れを防止する効果が高く好ましい。この
引張強さが5N/10mm2未満ではセパレータの破れ
が発生しやすく電池組立工程における不良発生の原因と
なる。本発明の請求項2記載の密閉型鉛蓄電池用セパレ
ータは、有機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主構成と
し、前記有機繊維としてのモノフィラメント状合成繊維
が15〜30質量%とパルプ状有機繊維が15〜25質
量%と熱融着性の芯鞘型有機繊維が2〜10質量%、前
記無機粉体が10〜35質量%、残部がガラス繊維であ
ることが条件である。尚、有機繊維として3種類の材料
を別々に用いるようにしているのは、次のような理由に
よる。圧縮破断強度向上のためには、モノフィラメント
状合成繊維を多く配合することが必要であり、また、引
張強さ向上のためには、逆に、モノフィラメント状合成
繊維よりも、パルプ状有機繊維や熱融着性の芯鞘型有機
繊維を多く配合することが必要となる。尚、ここで、引
張強さを向上させる効果としてはパルプ状有機繊維より
も熱融着性の芯鞘型有機繊維の方が大きいことから、引
張強さ向上のためには熱融着性の芯鞘型有機繊維のみを
配合すればよいのであるが、熱融着性の芯鞘型有機繊維
は繊維径が太い繊維であるので熱融着性の芯鞘型有機繊
維を多く配合し過ぎると、セパレータの孔径が大きくな
り過ぎ鉛粉浸透等による短絡が発生し易くなるといった
問題がある。しかし、パルプ状有機繊維のような微細繊
維を併用すれば、セパレータの孔構造を複雑化できるの
で鉛粉浸透等による短絡の発生を抑えることができるよ
うになる。このように、有機繊維として、モノフィラメ
ント状合成繊維、パルプ状有機繊維及び熱融着性の芯鞘
型有機繊維の3種の材料を複合して用い、それぞれ上記
したような特定の比率でセパレータに含有させるように
することで、濡れ性の劣る有機繊維の構成比率をあまり
高めることなく、セパレータの圧縮破断強度を80N以
上、かつ引張強さを5N/10mm2以上とすることが
可能となる。尚、さらにセパレータに袋加工性(融着
性)を持たせたい場合には、熱融着性の有機繊維を多く
配合することが必要であり、この意味からは、モノフィ
ラメント状合成繊維よりも、パルプ状有機繊維や熱融着
性の芯鞘型有機繊維を多く配合することが必要となる。
尚、本発明において密閉型鉛蓄電池と称するものには、
遊離電解液をほとんど持たない一般的な密閉型鉛蓄電池
のほかに、遊離電解液を一部有する密閉型鉛蓄電池も含
まれるものとする。
を多くしていくと、保液性能や吸液性能(吸液量、吸液
速度)が低下し、これに伴い電池容量の低下が問題とな
るが、無機粉体を10〜35質量%配合することによ
り、この保液性能や吸液性能の低下を補うことができ
る。尚、無機粉体の配合量を35質量%超過にするとセ
パレータの平均孔径が小さくなりすぎ充放電に伴う電解
液の移動を妨げる恐れがある。
Cガラス組成で平均繊維径約0.5〜10μmのものが
使用できる。
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル
等が挙げられるが、水中への分散性や濡れ性の点からポ
リエステルが好ましく、平均繊維径0.5〜2.5dt
ex(デシテックス)、平均繊維長が3〜5mm程度の
ものが使用できる。
解性アクリル繊維、天然繊維等が挙げられるが、耐酸性
の点から叩解性アクリル繊維が好ましい。叩解性アクリ
ル繊維の場合、C.S.F(カナディアン濾水度)が2
00〜400ml、平均繊維長が0.8〜3mmのもの
の使用が好ましい。尚、C.S.F(カナディアン濾水
度)とは、JIS P 8121に規定のあるパルプの
濾水度(カナダ標準形)測定法であり、叩解度の指標と
して用いた。
ては、ポリプロピレン−ポリエチレン、ポリエステル−
ポリエチレン、ポリエステル−変性ポリエステル等が挙
げられるが、水中への分散性や濡れ性の点からポリエス
テル−変性ポリエステルを選択するのが好ましい。さら
には工程での温度管理上、鞘部の融点を70〜180℃
とするものの使用が好ましい。
比表面積50〜500m2/g、二次粒子径5〜12μ
m程度のものを使用することができる。
有機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主体として、その
他に添加剤等を加えて混合・分散し、酸性もしくは中性
条件で通常の抄紙法により混抄することで、厚さ0.5
〜2mm、坪量70〜400g/m2の密閉型鉛蓄電池
用セパレータを得ることができる。
例を比較例と共に説明する。 (実施例1)平均繊維径0.8μmのCガラス組成の極
細ガラス繊維40質量%と、平均繊維径1.3dte
x、平均繊維長5mmのモノフィラメント状ポリエステ
ル合成繊維15質量%と、C.S.Fが280ml、平
均繊維長3mmの叩解性アクリル繊維30質量%と、平
均繊維長5mm、芯成分がポリエステルで鞘成分が変性
ポリエステルの芯鞘型有機繊維5質量%と、比表面積2
00m2/g、二次粒子径8μmのシリカ粉体15質量
%とを混合・分散し中性抄造にて抄紙して、厚さ1.0
0mm、密度0.195g/cm3の密閉型鉛蓄電池用
セパレータを得た。
ラス組成の極細ガラス繊維35質量%と、平均繊維径
1.3dtex、平均繊維長5mmのモノフィラメント
状ポリエステル合成繊維25質量%と、C.S.Fが2
80ml、平均繊維長3mmの叩解性アクリル繊維20
質量%と、平均繊維長5mm、芯成分がポリエステルで
鞘成分が変性ポリエステルの芯鞘型有機繊維5質量%
と、比表面積200m2/g、二次粒子径8μmのシリ
カ粉体15質量%とを混合・分散し中性抄造にて抄紙し
て、厚さ1.03mm、密度0.191g/cm3の密
閉型鉛蓄電池用セパレータを得た。
ラス組成の極細ガラス繊維35質量%と、平均繊維径
1.3dtex、平均繊維長5mmのモノフィラメント
状ポリエステル合成繊維30質量%と、C.S.Fが2
80ml、平均繊維長3mmの叩解性アクリル繊維15
質量%と、平均繊維長5mm、芯成分がポリエステルで
鞘成分が変性ポリエステルの芯鞘型有機繊維5質量%
と、比表面積200m2/g、二次粒子径8μmのシリ
カ粉体15質量%とを混合・分散し中性抄造にて抄紙し
て、厚さ1.05mm、密度0.190g/cm3の密
閉型鉛蓄電池用セパレータを得た。
ラス組成の極細ガラス繊維50質量%と、平均繊維径
1.3dtex、平均繊維長5mmのモノフィラメント
状ポリエステル合成繊維10質量%と、C.S.Fが2
80ml、平均繊維長3mmの叩解性アクリル繊維20
質量%と、平均繊維長5mm、芯成分がポリエステルで
鞘成分が変性ポリエステルの芯鞘型有機繊維5質量%
と、比表面積200m2/g、二次粒子径8μmのシリ
カ粉体15質量%とを混合・分散し中性抄造にて抄紙し
て、厚さ1.03mm、密度0.191g/cm3の密
閉型鉛蓄電池用セパレータを得た。
ラス組成の極細ガラス繊維55質量%と、平均繊維径
1.3dtex、平均繊維長5mmのモノフィラメント
状ポリエステル合成繊維25質量%と、C.S.Fが2
80ml、平均繊維長3mmの叩解性アクリル繊維5質
量%と、比表面積200m2/g、二次粒子径8μmの
シリカ粉体15質量%とを混合・分散し中性抄造にて抄
紙して、厚さ1.05mm、密度0.185g/cm3
の密閉型鉛蓄電池用セパレータを得た。
及び2の各セパレータの特性試験を行い、その結果を表
1に示した。
較から明らかなように、モノフィラメント状合成繊維を
15〜30質量%配合することで、有機繊維を多量に用
いることなく、圧縮破断強度を80N以上とすることが
できる。また、実施例1乃至3と比較例2の比較から明
らかなように、パルプ状有機繊維を15〜25質量%と
芯鞘型有機繊維を2〜10質量%配合することで、有機
繊維を多量に用いることなく、引張強さを5N/10m
m2以上とすることができる。また、熱融着性の有機繊
維である、パルプ状有機繊維を15〜25質量%と芯鞘
型有機繊維を2〜10質量%配合することで、良好な袋
加工性を持たせることができる。
うにした。ステンレス板上に載せた試料(セパレータ)
の上に、上方から、刃部を下向きにしてロードセルに固
定したカッター刃(オルファ製 型番LB−10K、刃
幅20mm、刃厚さ0.5mm)を5mm/minの速
度で降下させていき、カッター刃とステンレス板との接
触抵抗が200Ω以下となった時のロードセル荷重を測
定し、圧縮破断強度とした。また、引張強さについては
SBA S 0402に準じて測定を行った。
強く、かつ、引張強さに優れており、電池寿命を向上さ
せることができ、また、熱融着性の有機繊維を多く含ん
でいるため袋加工が可能であり、極板をセパレータで包
装する密閉型鉛蓄電池にも使用可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主
構成とする密閉型鉛蓄電池用セパレータであって、前記
セパレータの圧縮破断強度が80N以上、かつ、引張強
さが5N/10mm2以上であることを特徴とする密閉
型鉛蓄電池用セパレータ。 - 【請求項2】 有機繊維、ガラス繊維及び無機粉体を主
構成とする密閉型鉛蓄電池用セパレータであって、前記
有機繊維としてのモノフィラメント状合成繊維が15〜
30質量%とパルプ状有機繊維が15〜25質量%と熱
融着性の芯鞘型有機繊維が2〜10質量%、前記無機粉
体が10〜35質量%、残部が前記ガラス繊維であるこ
とを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
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