JP2003293947A - 圧縮機および圧縮機用ピストン - Google Patents

圧縮機および圧縮機用ピストン

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JP2003293947A
JP2003293947A JP2002097151A JP2002097151A JP2003293947A JP 2003293947 A JP2003293947 A JP 2003293947A JP 2002097151 A JP2002097151 A JP 2002097151A JP 2002097151 A JP2002097151 A JP 2002097151A JP 2003293947 A JP2003293947 A JP 2003293947A
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Japan
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piston
cylinder block
compressor
cylinder
cylindrical portion
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JP2002097151A
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Inventor
Makoto Kawamura
誠 川村
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンの摺動抵抗を抑えて良好な動作を維
持できる圧縮機および圧縮機用ピストンの提供を図る。 【解決手段】 ピストン29は、円筒部44と蓋部45
とから中空状に形成されるピストン本体41と、連結脚
46、46を介して前記蓋部45に一体に形成されたシ
ューポケット30と、を備えて構成されている。そし
て、円筒部44と蓋部45とを、シリンダブロック2の
直径方向両縁で非連結とした。これにより、中空状のピ
ストン本体41はシリンダブロック2の直径方向で撓み
変形可能となる。そのため、シリンダブロック2の前端
面側においてシリンダボア3がシリンダブロック2の直
径方向に潰れた形状であっても、この歪んだシリンダボ
ア3形状に合わせてピストン本体41が変形しつつ往復
運動するので、ピストン29とシリンダボア3との間の
摺動抵抗を低く抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置等
の冷凍サイクルに介装されて該冷凍サイクル内で気化し
た冷媒を断熱圧縮する圧縮機に関し、特に圧縮機に用い
られるピストン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機は、シリンダボアを有す
るシリンダブロックの前端面に、フロントハウジングを
接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダブ
ロックの後端面に、リアハウジングを接合して吸入室お
よび吐出室を形成し、前記クランク室内に軸支した駆動
軸の回転を利用して前記シリンダボア内のピストンを往
復動させている。
【0003】ピストンは、シリンダボアの内周面を摺動
する際の圧縮効率および摺動抵抗を勘案して、シリンダ
ボアの内周面との間に一定のクリアランスをもつように
設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の圧縮機にあっては、該圧縮機を組み立てる際に、シリ
ンダブロックの前端面側(フロントハウジング側)が外
周側にめくれあがるように変形しつつ、シリンダボアが
シリンダブロックの前端面側(フロントハウジング側)
においてシリンダブロックの直径方向に潰れてしまう現
象が確認されている(図2および図4参照)。
【0005】そのため、このような圧縮機においては、
シリンダブロックの前端面側(フロントハウジング側)
で、シリンダボアとピストンとの摺動抵抗が大きくなる
問題がある。
【0006】本発明はこのような従来技術をもとに為さ
れたもので、その目的は、ピストンの摺動抵抗を抑えて
良好な動作を維持できる圧縮機および圧縮機用ピストン
の提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シリンダボアを有するシリンダブロックの前端面に、フ
ロントハウジングを接合してクランク室を形成すると共
に、前記シリンダブロックの後端面に、リアハウジング
を接合して吸入室および吐出室を形成し、前記クランク
室内に軸支した駆動軸の回転を利用してピストンを往復
動させる圧縮機において、前記ピストンは、前記シリン
ダボア内を摺動する円筒部と、該円筒部の前端開口部に
接合される蓋部と、から中空円柱状に形成されるピスト
ン本体を備え、前記円筒部と前記蓋部とは、シリンダブ
ロックの直径方向両縁で非連結であることを特徴とする
ものである。
【0008】請求項2記載の発明は、シリンダボアを有
するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジング
を接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダ
ブロックの後端面に、リアハウジングを接合して吸入室
および吐出室を形成し、前記クランク室内に軸支した駆
動軸とともに回転する斜板を介してピストンを往復動さ
せる斜板式圧縮機において、前記ピストンは、前記シリ
ンダボア内を摺動する円筒部と、該円筒部の前端開口部
に接合される蓋部と、から中空状に形成されるピストン
本体を備えるとともに、前記蓋部と一体に形成され且つ
一対のシューを介して斜板を狭持するシューポケットを
備え、前記円筒部と前記蓋部とは、シリンダブロックの
直径方向両縁で非連結であることを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の斜
板式圧縮機において、前記蓋部は、シリンダブロックの
円周方向にそって所定間隔を空けて対向配置され且つそ
れぞれ連結脚を介して前記シューポケットと一体に形成
された一対の扇状部から構成され、前記対向する一対の
連結脚および/または前記対向する一対の扇状部の間に
直交する接続リブを設けたことを特徴とするものであ
る。
【0010】前記蓋部は、シリンダブロックの円周方向
にそって対向配置される一対の連結脚のそれぞれに設け
られた一対の扇状部から構成され、前記対向する一対の
連結脚の間に直交する接続リブを設けたことを特徴とす
るものである。
【0011】請求項4記載の発明は、シリンダボアを有
するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジング
を接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダ
ブロックの後端面に、リアハウジングを接合して吸入室
および吐出室を形成し、前記クランク室内に軸支した駆
動軸の回転を利用してピストンを往復動させる斜板式圧
縮機、に用いるピストンおいて、前記ピストンは、前記
シリンダボア内を摺動する円筒部と、該円筒部の前端開
口部に接合される略円板状の蓋部と、から中空状に形成
されるピストン本体を備え、前記円筒部と前記蓋部と
は、シリンダブロックの直径方向両縁で非連結であるこ
とを特徴とするものである。
【0012】請求項5記載の発明は、シリンダボアを有
するシリンダブロックの前端面に、フロントハウジング
を接合してクランク室を形成すると共に、前記シリンダ
ブロックの後端面に、リアハウジングを接合して吸入室
および吐出室を形成し、前記クランク室内に軸支した駆
動軸とともに回転する斜板を介してピストンを往復動さ
せる斜板式の圧縮機、に用いるピストンにおいて、前記
ピストンは、前記シリンダボア内を摺動する円筒部と、
該円筒部の前端開口部に接合される蓋部と、から中空状
に形成されるピストン本体を備えるとともに、前記蓋部
と一体に形成され且つ一対のシューを介して斜板を狭持
するシューポケットを備え、前記円筒部と前記蓋部と
は、シリンダブロックの直径方向両縁で非連結であるこ
とを特徴とするものである。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項5記載の斜
板式の圧縮機用ピストンにおいて、前記蓋部は、シリン
ダブロックの円周方向にそって対向配置される一対の連
結脚のそれぞれに設けられた一対の扇状部から構成さ
れ、前記対向する一対の連結脚の間に直交する接続リブ
を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、中空状の
ピストン本体を構成する円筒部と蓋部とは、シリンダブ
ロックの直径方向両縁において非連結であるため、中空
状のピストン本体はシリンダブロックの直径方向で撓み
変形可能となる。そのため、シリンダブロックの前端面
側においてシリンダボアがシリンダブロックの直径方向
に潰れた形状であっても、この歪んだシリンダボア形状
に合わせてピストン本体が変形しつつ往復運動するの
で、ピストンとシリンダボアとの間の摺動抵抗を低く抑
えることができる。結果、ピストンを往復動させるため
の駆動力が大きくならずに済みまた、ピストンの短寿命
化を防止できる。
【0015】請求項2記載の発明によれば、中空状のピ
ストン本体を構成する円筒部と蓋部とはシリンダブロッ
クの直径方向両縁において非連結であるため、斜板式圧
縮機においても、請求項1記載に発明と同様の効果を得
ることができる。
【0016】請求項3記載の発明によれば、蓋部が一対
の扇状部で形成されるため、円板状の蓋部に比べて軽量
化できる。しかもこのような軽量化できる構造で、接続
リブがシリンダブロックの円周方向に沿ってつまり斜板
の回転方向に沿って設けられているので、上記請求項2
記載の効果を維持しつつも、斜板回転力による荷重に耐
え得るピストンとするとができる。
【0017】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果を備える圧縮機用ピストンを提供
できる。
【0018】請求項5記載の発明によれば、請求項3記
載の発明と同様の効果を備える圧縮機用ピストンを提供
できる。
【0019】請求項6記載の発明によれば、請求項4記
載の発明と同様の効果を備える圧縮機用ピストンを提供
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態にかかる
圧縮機を図面を参照しつつ説明する。
【0021】図1は本発明の実施形態にかかる圧縮機の
全体断面図、図2は同圧縮機のシリンダブロックの前端
面を示す図、図3は図2中SA−SA線に沿う断面図、
図4は圧縮機の組立後のシリンダブロックの一変形状態
をデフォルメした図、図5はこの実施形態の圧縮機に用
いるピストンの斜視図、図6は同ピストンの組立工程を
示す分解斜視図、図7は同ピストンのシリンダボアへの
収容状態を示す前面図、図8aは図7中SB−SB線に
沿う断面図であり図8bは図7中SC−SC線に沿う断
面図、図9は同ピストンの圧縮工程を示す図、図10は
ピストンの他の実施例を示す分解斜視図、図11はピス
トンの他の実施例を示す分解斜視図である。
【0022】この実施形態の圧縮機1は、斜板式の可変
容量の圧縮機であって、例えば車両用空調装置の冷却サ
イクルに用いられ、冷凍サイクルで気化した冷媒ガスを
断熱圧縮するものである。
【0023】この斜板式可変容量圧縮機1は、円周方向
に複数の等間隔に配置されたシリンダボア3を有するシ
リンダブロック2と、該シリンダブロック2の前端面に
接合され該シリンダブロック2との間にクランク室5を
形成するフロントハウジング4と、シリンダブロック2
の後端面にバルブプレート9を介して接合され吸入室7
および吐出室8を形成するリアハウジング6と、を備え
ている。これらシリンダブロック2とフロントハウジン
グ4とリアハウジング6とは、シリンダブロック2に設
けられた複数のスルーボルト貫通孔10を通じて複数の
スルーボルトBによって締結固定される。
【0024】バルブプレート9は、シリンダボア3と吸
入室7とを連通する図示せぬ吸入孔と、シリンダボア3
と吐出室8とを連通する吐出孔12と、を備えている。
【0025】バルブプレート9のシリンダブロック2側
には、吸入孔を開閉する図示せぬ弁機構が設けられ、一
方、バルブプレート9のリアハウジング6側には、吐出
孔12を開閉する図示せぬ弁機構が設けられている。バ
ルブプレート9とリアハウジング6との間にはガスケッ
ト16が介在し、吸入室7と吐出室8の密閉性を保持し
ている。また、バルブプレート9の周縁面にはOリング
が介在し、圧縮機1外への冷媒漏れを防止している。
【0026】シリンダブロック2およびフロントハウジ
ング4の中心には駆動軸Sの軸受17、18を有する支
持孔19、20が設けられ、駆動軸Sがクランク室5内
で回転自在となっている。
【0027】クランク室5内には、前記駆動軸Sに固設
したドライブプレート21と、駆動軸Sに摺動自在に嵌
装したスリーブ22にピン23により揺動自在に連結し
たジャーナル24と、該ジャーナル24のボス部25に
固定した斜板26と、を備えている。
【0028】ドライブプレート21とジャーナル24と
は、そのヒンジアーム21h、24hを弧状の長孔27
とピン28とを介して連結されており、斜板26の最大
傾斜角度と最小傾斜角度とを規制している。各シリンダ
ボア3に収容されたピストン29は、斜板26を挟んだ
一対のシュー30を介して該斜板26に連結されてい
て、駆動軸Sの回転運動を原動力として往復運動する。
圧縮機1の基本機能は、このピストン29のピストン運
動により、吸入室7→バルブプレート9の吸入孔→シリ
ンダボア3へと吸入した冷媒を圧縮し、シリンダボア3
→バルブプレート9の吐出孔12→吐出室8へと吐出す
るものである。
【0029】この吐出容量を可変とするために、クラン
ク室5と吸入室7とを常時連通する抽気通路31(図1
中矢示)と、クランク室5と吐出室8とを連通する給気
通路32(図1中矢示)と、該給気通路32を開閉する
コントロールバルブ33と、からなる圧力制御機構が設
けられている。なお、抽気通路31の途中には通路断面
積が絞られ、流通する冷媒流量を制限する図示せぬ固定
絞り部が設けられている。コントロールバルブ33の開
閉によりクランク室5内の圧力を変えると、該クランク
室5と吸入室7および吐出室8との圧力差より斜板26
の傾角が変化して、つまり、ピストンストロークが変化
して、圧縮機1の吐出容量が変わるようになっている。
【0030】さて、この種の圧縮機1にあっては、該圧
縮機1を組み立てる際に、スルーボルトBの締結によっ
てフロントハウジング4およびシリンダブロック2およ
びリアハウジング6との間に大きな締結力が加わる。な
お、この実施形態ではスルーボルトBの締結力が100
0kgfであり、6本のスルーボルトBの締結力により
上記シリンダブロック2には6tkgの荷重が加わる。
この大きな締結力を受けて、図4および図2中仮想線で
示すように、シリンダブロック2の前端面側(フロント
ハウジング4側)は、外周側にめくれ上がると共にシリ
ンダボア3がシリンダブロック2の直径方向につぶれる
現象が確認されている。
【0031】この発明は、シリンダブロック2の前端面
側においてシリンダボア3がシリンダブロック2の直径
方向につぶれる現象により生じる問題を解決するもの
で、ピストン29の構造に特徴がある。以下、ピストン
29の構成について説明する。
【0032】ピストン29は、中空円筒状のピストン本
体41と、該ピストン本体41と一体に設けられるシュ
ーポケット42と、から構成されている。
【0033】シューポケット42は、略コ字状に形成さ
れ、一対の半球状のシュー30、30を介して斜板26
を狭持するものである。このシューポケット42には、
ピストン29の自転動作を規制するための回転止部4
3、43が設けられていて、ピストン29の往復動中に
ピストン26が自転してしまわないようになっている。
【0034】ピストン本体41は、有底の円筒部44と
該円筒部44の前面開口部44aに接合される蓋部45
とから略中空円筒状に形成されて、軽量化が図られてい
る。このピストン本体41は、シリンダボア3内に一定
のクリアランスをもって収容され該シリンダボア3の内
周面上を摺動する。そして、このピストン本体41を構
成する蓋部45および円筒部44は、シリンダブロック
2の直径方向両縁において非連結である。より具体的に
は、蓋部45が、シリンダブロック2の円周方向に沿っ
て一定間隔をあけて対向配置された一対の扇状部45
A、45Aから構成されることで、蓋部45および円筒
部44はシリンダブロック2の直径方向両縁において非
連結となっている。そのため、ピストン本体41は、シ
リンダブロック2の直径方向に沿って撓み変形可能であ
る。つまり、このピストン本体41は、前端面側のみが
歪んでしまったシリンダボア3の形状に追従しつつ往復
運動できるようになっている。また、蓋部45を構成す
る一対の扇状部45A、45Aは一定の間隔を空けて分
割されているので、ピストン本体41はさらなる軽量化
が達成される。
【0035】この対向する一対の扇状部45A、45A
は、それぞれ連結脚46、46を介してシューポケット
42と一体形成されており、該対向する一対の扇状部4
5A、45Aおよび連結脚46、46の間には、該扇状
部45A、45Aおよび連結脚46、46と直交する接
続リブ47が設けられている。つまり、一対の連結脚4
6、46の間に、シリンダブロック2の円周方向(斜板
回転方向)に沿って接続リブ47が設けられており(図
7参照)、これによりピストン本体41は、シリンダブ
ロックの円周方向には十分な剛性をもっている。
【0036】次に、上記ピストン29の製造工程を説明
する。ピストン29の製造は、まず有底の円筒部44
と、この円筒部44以外の部材(シューポケット42お
よび連結脚46、46および蓋部45からなる部材)
と、を別々に鍛造することからはじめる。シューポケッ
ト42の球凹面48、48を切削した後、この二つの部
材を溶接する。溶接後は、溶接部位を含めたピストン本
体41の外周面を切削し、樹脂コーティングして摺動面
を形成する。そして、さらに摺動面を仕上加工(切削)
して求めるピストン29ができる。
【0037】次に、斜板式可変容量圧縮機1の作動につ
いて説明する。
【0038】図示せぬ車載エンジンの回転動力が駆動軸
Sに伝達されると、駆動軸Sとともに斜板26が回転す
る。この斜板26の回転によりシュー30、30が斜板
26上を相対回転運動し、ピストン29の往復運動に変
換される。
【0039】ピストン29が往復運動すると、シリンダ
ボア3の容積が変化してこの容積変化によって冷媒ガス
の吸入、圧縮、吐出が順次行われ、斜板26の傾斜角度
に応じた容量の高圧の冷媒ガスが吐出室8を介して圧縮
機1の外に吐出される。
【0040】ここで、ピストン29が往復動するとき
(図9参照)、ピストン本体41はシリンダブロック2
の直径方向に沿って撓み変形可能であるため、シリンダ
ボア3の歪みに合わせて外周形状を変えながら往復動す
ることとなる。つまり、図2中仮想線で示すように、シ
リンダボア3の前端面側がシリンダブロック2の直径方
向につぶれた形状であっても、ピストン29がシリンダ
ボア3に引っ掛かることなく、低い摺動抵抗で往復動で
きる。
【0041】また、ピストン29が往復運動するとき、
斜板式圧縮機1では公知のようにピストン本体41の中
心軸線はシリンダブロック2の直径方向に沿って若干ブ
レながら往復動するが、ピストン本体41はシリンダブ
ロック2の直径方向に沿って撓み変形可能であるため、
このブレも吸収できる。
【0042】また、ピストン29が往復運動するときピ
ストン29には常に斜板26の回転力が加わるため、ピ
ストン本体41の外周面がシリンダブロック2の円周方
向にそって常にシリンダボア3に片当たりすることにな
るが、接続リブ47の存在によりこの方向の剛性は十分
に保たれる。
【0043】ここで、図2に示すように、シリンダボア
3がシリンダブロック2の前端面側(フロントハウジン
グ4側)でシリンダブロック2の直径方向に潰れる要因
は明確ではないが以下のいずれか1つの要因またはこれ
ら要因の複合によるものと考えられる。
【0044】主要因1:シリンダブロック2の後端面が
その全面でバルブプレート9を介してリアハウジング6
と接合している一方で、シリンダブロック2の前端面
は、フロントハウジング4の外周縁とのみ接合している
構造(図1参照) 副要因1:リアハウジング6には筒状の仕切壁37を介
して内周側に吐出室7が外周側に吸入室8が配置され、
吐出室8の密閉性を高くするために仕切壁37がリアハ
ウジング6の外周縁より若干高く突設された構造 副要因2:シリンダブロック2の前端面側には、その中
央側のシャフト支持孔の軸受挿入部19aが深く設けら
れ、シリンダボア3の圧縮機1中心軸側の剛性が比較的
低い構造 副要因3:シリンダブロック2の前端面の中央側に、最
大傾斜時の斜板26および最小傾斜時のジャーナル24
と干渉しないように凹部38が設けられ、シリンダボア
3の圧縮機1中心軸側の剛性が比較的低い構造 なお、この実施形態では、シリンダブロック2の軽量化
を目的として図4に示すようにシリンダブロック2の外
周面がシリンダボア3の内周面に沿って肉抜されてお
り、シリンダボア3の圧縮機1の外周側も剛性が比較的
低い為、更にシリンダボア3がシリンダブロック2の直
径方向につぶれる構造となる。この肉抜きが無い場合ま
たはフロントハウジング4との接合面積が大きい場合な
どと比較して、シリンダボア3の圧縮機1外周側の剛性
が低い場合には、シリンダボア3はシリンダブロック2
の直径方向により大きく潰れ易い構造であると考えられ
ている。
【0045】この実施形態は、これら何れか1つの要因
または複数の要因の組合せによってシリンダボア3の前
端面側がシリンダブロック2の直径方向に潰れる構造で
ある場合に効果を発揮するもので、上述のようにピスト
ン29は摺動抵抗が高くなることなく、低い摺動抵抗を
維持することができるものである。
【0046】以上のようにこの実施形態の圧縮機1およ
び圧縮機用ピストン29にあっては、中空円筒状のピス
トン本体41がシリンダブロック2の直径方向で撓み変
形可能であるため、シリンダブロック2の前端面側でシ
リンダボア3がシリンダブロックの直径方向に潰れた形
状であっても、一往復動工程においてピストン本体41
がシリンダボア3形状に追従し、ピストン29とシリン
ダボア3との間の摺動抵抗を低く抑えることができる。
結果、ピストン29を往復動させるための駆動力が大き
くならずに済みまた、ピストン29の短寿命化を防止で
きる。
【0047】また、この実施形態によれば、蓋部45が
一対の扇状部45A、45Aで形成されるため、円板状
の蓋部に比べて軽量化できる。
【0048】また、この実施形態によれば、対向する一
対の扇状部45A、45Aの間に斜板回転方向に延在す
る接続リブ47を設けたため、上述のようにピストン本
体41がシリンダブロック2の直径方向にそって変形可
能でありながらも、斜板回転力による荷重に対する剛性
は十分に保たれる。
【0049】また、この実施形態によれば、一対の連結
脚46、46がシリンダブロック2の円周方向にそって
対向配置されるため、円筒部44以外の部材(シューポ
ケット42および連結脚46、46および蓋部45から
なる部材)の鍛造の際には、シューポケット42の鍛造
方向と連結脚46および蓋部45の鍛造方向が一致す
る。そのため、鍛造工程が簡易化する利点がある。
【0050】なお、上述の実施形態では斜板式の可変容
量圧縮機を示したが、本発明はウォブル式などのその他
の可変容量圧縮機にも適用できるし、また無論、可変容
量のものに限らず固定式の圧縮機にも適用できる。
【0051】また、本発明にあっては、ピストン本体
は、円筒部と蓋部とがシリンダブロックの直径方向両縁
において非連結であればよく、図10に示すように、円
筒部51と円板状の蓋部52とからなり、蓋部52のシ
リンダブロック2の直径方向両縁において切欠部53、
53を備えることで、シリンダブロック2の直径方向両
縁において非連結であるピストン本体50であってもよ
いし、図11に示すように、円筒部55と円板状の蓋部
56とからなり、円筒部55の前端面開口部のシリンダ
ブロック2の直径方向両縁に切欠部57、57を備える
ことで、シリンダブロック2の直径方向両縁において非
連結であるピストン本体54など、その他のこの発明に
要旨にそって適宜変更可能である。なお、図10、11
中符号58は、円筒部51,55の外周面がシリンダブ
ロック2の直径方向に撓む際に蓋部52,56がシリン
ダボア3と干渉してしまわないようにするための切欠部
である。
【0052】また、上述の実施形態では、ピストン本体
41を構成する円筒部44と該円筒部44の前端開口部
44aに接合される蓋部45とは別部材から製造される
が、本発明にあっては、円筒部と蓋部とがシリンダブロ
ックの直径方向で非連結であれば、これら円筒部と蓋部
とが鍛造などにより予め一体形成された構造であっても
よい。例えば、シューポケットと連結脚を介して一体に
形成される蓋部がさらに後端開口部を有する円筒部とも
予め一体形成され、この円筒部の後端開口部に蓋体が溶
接またはかしめなどで接合されて製造されるピストン構
造でなどである。なお、この場合、一体形成されたこと
により、シュー連結側とピストン本体側との接触不良や
圧縮応力による溶接部の応力負けによる折れを防止でき
ピストンの製造不良を解消できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態にかかる圧縮機の全体
断面図。
【図2】図2は同圧縮機のシリンダブロックの前端面を
示す図。
【図3】図3は図2中SA−SA線に沿う断面図。
【図4】図4は圧縮機の組立後のシリンダブロックの一
変形状態をデフォルメした図。
【図5】図5はこの実施形態の圧縮機に用いるピストン
の斜視図。
【図6】図6は同ピストンの組立工程を示す分解斜視
図。
【図7】図7は同ピストンのシリンダボアへの収容状態
を示す前面図。
【図8】図8は同ピストンのシリンダボアへの収容状態
を示す図であって、分図aは図7中SB−線に沿う断面
図、分図bが図7中SC−SC線に沿う断面図。
【図9】図9は同ピストンの圧縮工程を示す図。
【図10】図10はピストンの一変形例を示す分解斜視
図。
【図11】図11はピストンの一変形例を示す分解斜視
図。
【符号の説明】
1 斜板式可変容量圧縮機(圧縮機) 2 シリンダブロック 3 シリンダボア 4 フロントハウジング 5 クランク室 6 リアハウジング 7 吸入室 8 吐出室 29 ピストン 41 ピストン本体 44 円筒部 44a 前端開口部 45 蓋部 45A 扇状部 46 連結脚 47 接続リブ S 駆動軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボア(3)を有するシリンダブ
    ロック(2)の前端面に、フロントハウジング(4)を
    接合してクランク室(5)を形成すると共に、前記シリ
    ンダブロック(2)の後端面に、リアハウジング(6)
    を接合して吸入室(7)および吐出室(8)を形成し、
    前記クランク室(5)内に軸支した駆動軸(S)の回転
    を利用してピストン(29)を往復動させる圧縮機
    (1)において、 前記ピストン(29)は、前記シリンダボア(3)内を
    摺動する円筒部(44)と、該円筒部(44)の前端開
    口部(44a)に接合される蓋部(45)と、から中空
    状に形成されるピストン本体(41)を備え、 前記円筒部(44)と前記蓋部(45)とは、シリンダ
    ブロック(2)の直径方向両縁で非連結であることを特
    徴とする圧縮機(1)。
  2. 【請求項2】 シリンダボア(3)を有するシリンダブ
    ロック(2)の前端面に、フロントハウジング(4)を
    接合してクランク室(5)を形成すると共に、前記シリ
    ンダブロック(2)の後端面に、リアハウジング(6)
    を接合して吸入室(7)および吐出室(8)を形成し、
    前記クランク室(5)内に軸支した駆動軸(S)ととも
    に回転する斜板(26)を介してピストン(29)を往
    復動させる斜板式圧縮機(1)において、 前記ピストン(29)は、前記シリンダボア(3)内を
    摺動する円筒部(44)と、該円筒部(44)の前端開
    口部(44a)に接合される蓋部(45)と、から中空
    状に形成されるピストン本体(41)を備えるととも
    に、前記蓋部(45)と一体に形成され且つ一対のシュ
    ー(30、30)を介して斜板(26)を狭持するシュ
    ーポケット(42)を備え、 前記円筒部(44)と前記蓋部(45)とは、シリンダ
    ブロック(2)の直径方向両縁において非連結であるこ
    とを特徴とする斜板式圧縮機(1)。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の斜板式圧縮機(1)にお
    いて、 前記蓋部(44)は、シリンダブロック(2)の円周方
    向にそって所定間隔を空けて対向配置され且つそれぞれ
    連結脚(46、46)を介して前記シューポケット(4
    2)と一体に形成された一対の扇状部(45A、45
    A)からなり、 前記対向する一対の連結脚(46、46)および/また
    は前記対向する一対の扇状部(45A、45A)の間に
    直交する接続リブ(47)を設けたことを特徴とする圧
    縮機(1)。
  4. 【請求項4】 シリンダボア(3)を有するシリンダブ
    ロック(2)の前端面に、フロントハウジング(4)を
    接合してクランク室(5)を形成すると共に、前記シリ
    ンダブロック(2)の後端面に、リアハウジング(6)
    を接合して吸入室(7)および吐出室(8)を形成し、
    前記クランク室(5)内に軸支した駆動軸(S)の回転
    を利用してピストン(29)を往復動させる圧縮機
    (1)、に用いるピストン(29)おいて、 前記ピストン(29)は、前記シリンダボア(3)内を
    摺動する円筒部(44)と、該円筒部(44)の前端開
    口部(44a)に接合される蓋部(45)と、から中空
    状に形成されるピストン本体(41)を備え、 前記円筒部(44)と前記蓋部(44)とは、シリンダ
    ブロック(2)の直径方向両縁で非連結であることを特
    徴とする圧縮機用ピストン(29)。
  5. 【請求項5】 シリンダボア(3)を有するシリンダブ
    ロック(2)の前端面に、フロントハウジング(4)を
    接合してクランク室(5)を形成すると共に、前記シリ
    ンダブロック(2)の後端面に、リアハウジング(6)
    を接合して吸入室(7)および吐出室(8)を形成し、
    前記クランク室(5)内に軸支した駆動軸(S)ととも
    に回転する斜板(26)を介してピストン(29)を往
    復動させる斜板式圧縮機(1)、に用いるピストン(2
    9)おいて、 前記ピストン(29)は、前記シリンダボア(3)内を
    摺動する円筒部(44)と、該円筒部(44)の前端開
    口部(44a)に接合される蓋部(45)と、から中空
    状に形成されるピストン本体(41)を備えるととも
    に、前記蓋部(45)と一体に形成され且つ一対のシュ
    ー(30、30)を介して斜板(26)を狭持するシュ
    ーポケット(42)を備え、 前記円筒部(44)と前記蓋部(45)とは、シリンダ
    ブロック(2)の直径方向両縁において非連結であるこ
    とを特徴とする圧縮機用ピストン(29)。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の圧縮機用ピストン(2
    9)において、 前記蓋部(44)は、シリンダブロック(2)の円周方
    向にそって所定間隔を空けて対向配置され且つそれぞれ
    連結脚(46、46)を介して前記シューポケット(4
    2)と一体に形成された一対の扇状部(45A、45
    A)からなり、 前記対向する一対の連結脚(46、46)および/また
    は前記対向する一対の扇状部(45A、45A)の間に
    直交する接続リブ(47)を設けたことを特徴とする圧
    縮機用ピストン(29)。
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WO2013161886A1 (ja) * 2012-04-25 2013-10-31 サンデン株式会社 往復動圧縮機
CN113266518A (zh) * 2016-11-10 2021-08-17 川崎重工业株式会社 缸体及具备该缸体的斜板型液压旋转装置

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