JP2003293189A - 硫酸銅めっき方法 - Google Patents

硫酸銅めっき方法

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JP2003293189A
JP2003293189A JP2002104890A JP2002104890A JP2003293189A JP 2003293189 A JP2003293189 A JP 2003293189A JP 2002104890 A JP2002104890 A JP 2002104890A JP 2002104890 A JP2002104890 A JP 2002104890A JP 2003293189 A JP2003293189 A JP 2003293189A
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sulfate plating
plated
plating
acids
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Takuji Matsunami
卓史 松浪
Tomoko Ogawa
智子 小川
Kuniaki Otsuka
邦顕 大塚
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凹部を有する被めっき物について、硫酸銅めっ
き液を用いて凹部を埋めて平坦化する際に、攪拌強度等
の影響等を大きく受けることなく、簡単な方法によっ
て、凹部を平坦化できる方法を提供する。 【解決手段】凹部を有する被めっき物を、ヒドラジン
類、ヒドロキシルアミン類、次亜リン酸類、亜リン酸
類、水素化ホウ素化合物、アミンボラン化合物、亜硫酸
類、チオ硫酸類、アスコルビン酸類及び糖類からなる群
から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液か
らなる前処理液に接触させた後、硫酸銅めっき液を用い
て電気銅めっき法によって銅めっきを析出させることを
特徴とする硫酸銅めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹部を有する被め
っき物の表面を平坦化できる硫酸銅めっき方法、及び硫
酸銅めっき前処理液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、小型化等に
対応するために、プリント配線板の高密度化、薄型化な
どが強く望まれている。斯かる要求に対応する手法の一
つとして、一層ごとに配線パターンを形成し、逐次積層
を行うビルドアップ工法による多層プリント配線板の製
造方法が広く採用されるに至っている。
【0003】このようなビルドアッププリント配線板で
は、隣接する層間の電気的接続を行うために、ブライン
ドビアホールと称される直径20〜200μm程度、深
さ10〜100μm程度の穴を開け、その内壁面に銅め
っきを行うことが一般的である。しかしながら、この様
な方法では、銅めっき後にもビアホール部分に窪みが残
るために、ビアホール上にビアホールを一直線上に形成
する、いわゆるスタックドビアと呼ばれる構造を形成す
ることができない。このため、ビルドアップ配線板の面
積効率が減少するとともに、設計自由度も低下するとい
う問題がある。
【0004】一方、LSI等の半導体ウエハーの高密度
化に伴って、従来の乾式めっきによるアルミニウム合金
系配線に代えて、電導性に優れた銅配線を硫酸銅めっき
により形成するダマシンプロセスが注目されている。こ
のダマシンプロセスでは、半導体ウエハー上のサブミク
ロンの溝(トレンチ)を硫酸銅めっきによって埋め込む
ことが必要である。
【0005】このように、多層プリント配線板、LSI
微細銅配線等の高密度配線化、接続信頼性の向上等のた
めに、多層プリント配線板のブラインドビアホールや半
導体ウエハーの微細な溝等の凹部を精度良く埋め込む方
法が要望されている。この様な方法として多数の報告が
なされているが、その多くは、硫酸銅めっき液のレベリ
ング作用、即ち、微視的な窪みにめっきを充填して平滑
化する作用を利用するものである。
【0006】一般に、硫酸銅めっき液は、金属塩である
硫酸銅と電解質である硫酸を基本組成とし、更に、皮膜
物性、めっき外観等に優れた銅めっき皮膜を得ることを
目的として、ポリマー、ブライトナー、レベラーと称さ
れる添加剤や塩素イオンが加えられている。
【0007】これらの成分の内で、レベラーは、平坦部
に多く吸着して、平坦部のめっき析出を抑制する働きを
するものであり、レベラーの吸着量が少ない凹部に優先
的にめっきが析出することによって、レベリング作用が
発揮されるものと考えられている。
【0008】しかしながら、レベラーによるレベリング
作用を利用して凹部の埋め込みを行おうとすると、レベ
ラーの吸着作用が拡散により支配されるために、攪拌強
度が強い箇所に多量にレベラーが吸着してめっきの反応
を抑制することになり、攪拌条件によって凹部の埋め込
み性が左右されることになる。このため、凹部を安定し
て埋め込むためには、均一な攪拌が必要となるが、複雑
な形状の被めっき物を用いる場合には、各部分における
攪拌強度を均一とすることは極めて困難である。
【0009】また、ブライトナーは、めっきの析出を促
進する作用があり、めっき初期の段階では、被めっき物
における吸着量は均一であるが、めっきの成長に伴って
凹部の表面積が小さくなり、凹部におけるブライトナー
の吸着量が密となって、凹部におけるめっきの析出が促
進され、その結果レベリング作用が発揮されるものと考
えられている。
【0010】しかしながら、ブライトナーから得られる
レベリング作用は非常に弱く、直径50μmを超えるブ
ラインドビアホールの埋め込みにはブライトナーによる
レベリング作用だけでは不十分と考えられる。
【0011】このため、硫酸銅めっき液のレベリング作
用を利用して凹部を有する被めっき物を平坦化するに
は、レベラーの使用が不可欠と考えられている。しかし
ながら、上記した様に、レベラーによるレベリング作用
は、めっき液の攪拌状態の影響を大きく受けるために、
現状では、レベリング作用を利用して微細な凹部を精度
良く、均一に埋め込むことは非常に困難といえる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した現
状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、多層
プリント配線板のブラインドビアホール、半導体ウエハ
ーの配線用の微細な溝などの凹部を有する被めっき物に
ついて、硫酸銅めっき液を用いて凹部に優先的にめっき
を析出させて表面を平坦化する際に、攪拌強度等の影響
を大きく受けることなく、簡単な方法によって凹部を平
坦化できる方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、硫酸銅めっきの
前処理として、被めっき物を特定の化合物を含有する水
溶液と接触させることによって、レベラーを含まない硫
酸銅めっき液を用いた場合であっても、凹部に優先的に
銅めっきを析出させることができ、攪拌強度等の影響を
受けることなく、凹部を埋めて精度よく被めっき物の表
面を平坦化することが可能となることを見出し、ここに
本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は、以下の硫酸銅めっき方
法、及び硫酸銅めっき前処理液を提供するものである。 1. 凹部を有する被めっき物を、ヒドラジン類、ヒド
ロキシルアミン類、次亜リン酸類、亜リン酸類、水素化
ホウ素化合物、アミンボラン化合物、亜硫酸類、チオ硫
酸類、アスコルビン酸類及び糖類からなる群から選ばれ
た少なくとも一種の成分を含有する水溶液からなる前処
理液に接触させた後、硫酸銅めっき液を用いて電気めっ
き法によって銅めっきを析出させることを特徴とする硫
酸銅めっき方法。 2. 凹部を有する被めっき物が、多層プリント配線板
又は半導体ウエハーである上記項1に記載の硫酸銅めっ
き方法。 3. 前処理液が、更に、ノニオン性界面活性剤及びア
ニオン性活性剤から選ばれた少なくとも一種の界面活性
剤を含有するものである上記項1又は2に記載の硫酸銅
めっき方法。 4. ヒドラジン類、ヒドロキシルアミン類、次亜リン
酸類、亜リン酸類、水素化ホウ素化合物、アミンボラン
化合物、亜硫酸類、チオ硫酸類、アスコルビン酸類及び
糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含
有する水溶液からなる硫酸銅めっき前処理液。 5. 更に、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性活性
剤から選ばれた少なくとも一種の界面活性剤を含有する
上記項4に記載の硫酸銅めっき前処理液。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の硫酸銅めっき方法では、
硫酸銅めっきの前処理として、凹部を有する被めっき物
を、ヒドラジン類、ヒドロキシルアミン類、次亜リン酸
類、亜リン酸類、水素化ホウ素化合物、アミンボラン化
合物、亜硫酸類、チオ硫酸類、アスコルビン酸類及び糖
類からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有
する水溶液からなる前処理液に接触させることが必要で
ある。
【0016】この様な特定の前処理を行った後、硫酸銅
めっき液を用いて電気めっきを行うことによって、レベ
ラーを含有しない硫酸銅めっき液を用いる場合であって
も、凹部に優先的に硫酸銅めっきが析出して、被めっき
物の表面を平坦化することができる。
【0017】該前処理液に含まれる上記した有効成分
は、いずれも、還元作用を有する物質であり、これらの
成分を含有する水溶液を被めっき物に接触させることに
よって、被めっき物の表面にこれらの成分が吸着する。
そして、これらの成分が吸着した被めっき物の表面で
は、ブライトナーの促進効果が高められ、レベリング作
用が著しく向上し、その結果、凹部に優先的にめっきが
析出して、被めっき物表面が平坦化されるものと考えら
れる。
【0018】上記した成分の内で、ヒドラジン類として
は、ヒドラジンヒドラート、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒド
ラジン等を用いることができ、ヒドロキシルアミン類と
しては、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルア
ミン等を用いることができ、次亜リン酸類としては、次
亜リン酸、及びそのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモ
ニウム塩等を用いることができ、亜リン酸類としては、
亜リン酸、及びそのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモ
ニウム塩等を用いることができ、水素化ホウ素化合物と
しては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウ
ム等を用いることができ、アミンボラン化合物として
は、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等
を用いることができ、亜硫酸類としては、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水
素ナトリウム等を用いることができ、チオ硫酸類として
はチオ硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ア
ンモニウム等を用いることができ、アスコルビン酸類と
しては、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、及びこ
れらのカリウム塩、ナトリウム塩等を用いることがで
き、糖類としては、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖等を用いる
ことができる。本発明では、これらの成分を一種単独又
は二種以上混合して用いることができる。
【0019】上記したヒドラジン類、ヒドロキシルアミ
ン類、次亜リン酸類、亜リン酸類、水素化ホウ素化合
物、アミンボラン化合物、亜硫酸類、チオ硫酸類、アス
コルビン酸類及び糖類からなる群から選ばれた少なくと
も一種の成分(以下、「還元剤」という場合がある)の
濃度については、特に限定的ではないが、凹部に優先的
にめっきを析出させる効果を十分に発揮させるために
は、通常、0.1g/l程度以上とすることが好まし
い。還元剤濃度の上限値については、特に限定的ではな
く、各成分の飽和濃度までとすることができるが、通
常、50g/l程度以下とすればよい。
【0020】本発明で用いる前処理液には、更に、必要
に応じて、ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活
性剤から選ばれた少なくとも一種の界面活性剤を添加す
ることができる。この様な界面活性剤を添加することに
よって、前処理液の凹部への浸透性が向上して、サブミ
クロンの溝に対しても十分な効果を与えることができ
る。また、後述する様に、通常、被めっき物を前処理液
に浸漬する前には脱脂処理を行うが、界面活性剤を含有
する前処理液を用いる場合には、該前処理液自体が脱脂
効果を有するものとなるので、脱脂工程を省略すること
が可能となる。
【0021】前処理液中への界面活性剤の添加量につい
ては、特に限定的ではないが、洗浄性、浸透性等につい
て十分な効果を発揮するためには、0.01g/l程度
以上の添加量とすることが好ましい。尚、界面活性剤の
添加量が多すぎると、硫酸銅めっきへの持ち込みが多く
なって、めっき皮膜の外観不良やピット発生の原因とな
る場合がある。このため、界面活性剤の添加量は、10
g/l程度以下とすることが好ましい。
【0022】本発明で用いる前処理液には、更に、アミ
ノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、アミノ酸類等の
錯化剤を添加してもよい。これらの錯化剤を添加するこ
とによって、下地金属、例えば銅が溶解した場合に、水
酸化銅の沈殿の発生を防止することができる。
【0023】上記した前処理液を被めっき物に接触させ
る方法については、特に限定的ではなく、該前処理液を
被めっき物の表面に十分に接触させることが可能な方法
であればよい。通常、該前処理液中に被めっき物を浸漬
すればよいが、被めっき物の表面に該前処理液を噴霧す
る方法なども可能である。
【0024】前処理液の液温については、特に限定的で
はないが、通常、10〜80℃程度すれば良く、25〜
50℃程度とすることが好ましい。前処理時間について
は、該前処理液に含まれる有効成分が、被めっき物表面
に十分に吸着できる時間とすれば良く、例えば、該前処
理液に被めっき物を浸漬する場合には、10秒程度以上
の浸漬時間とすればよい。前処理時間の上限について
は、特に限定はないが、処理効率などを考慮すれば、通
常、10分程度以下とすることが好ましい。
【0025】本発明の硫酸銅めっき方法では、上記した
前処理液による処理を行う前に、被めっき物に対して脱
脂処理を行うことが好ましい。脱脂処理を行うことによ
って、銅めっき皮膜を形成した際に、めっき皮膜の外観
不良やピットの発生を防止することができる。脱脂剤と
しては、特に限定はなく、酸性脱脂剤、アルカリ性脱脂
剤、溶剤系脱脂剤などの公知の脱脂剤から適宜選択して
用いればよく、脱脂条件についても、被めっき物に応じ
て常法に従えばよい。
【0026】尚、本発明の硫酸銅めっき方法では、通
常、各処理を行う前に、前工程からの処理液の持ち込み
などを防止するために、水洗処理を行うことが好まし
い。
【0027】上記した還元剤を含む前処理液による処理
を行った後、硫酸銅めっきを行うことによって、被めっ
き物の凹部に優先的にめっきが析出して、凹部を有する
被めっき物の表面を平坦化することができる。
【0028】硫酸銅めっき液としては、通常用いられて
いる公知の硫酸銅めっき液から適宜選択して用いること
ができる。
【0029】この様な硫酸銅めっき液の基本組成の一例
として、硫酸銅50〜250g/l程度、好ましくは1
50〜250g/l程度、98%硫酸10〜250g/
l程度、好ましくは10〜100g/l程度、塩素イオ
ン10〜100mg/l程度を含むめっき液に、更に、
ポリマー成分0.01〜10g/l程度とブライトナー
0.1〜20mg/l程度を添加しためっき液を挙げる
ことができる。該硫酸銅めっき液に含まれるポリマー成
分は、硫酸銅めっき液における添加剤として公知のポリ
マー成分から適宜選択して用いればよく、例えば、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレンオキシド、ポリオキシアルキレングリコール等
のポリエーテル化合物等を用いることができる。また、
ブライトナーについても、硫酸銅めっき液における添加
剤として公知の成分から適宜選択して用いればよく、例
えば、3−メルカプトプロピルスルホン酸、そのナトリ
ウム塩、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド、そ
の2ナトリウム塩、N,N−ジメチルジチオカルバミン
酸(3−スルホプロピル)エステル、そのナトリウム塩
等の硫黄化合物を用いることができる。
【0030】本発明の硫酸銅めっき方法によれば、レベ
ラーを含有しない硫酸銅めっき液を用いる場合であって
も、被めっき物の凹部を埋めて平坦化することができる
が、更に、必要に応じて、硫酸銅めっき液にはレベラー
が含まれていてもよい。レベラーの種類については、特
に限定はなく、硫酸銅めっき液におけるレベラーとして
公知の成分を用いることができる。この様なレベラーの
具体例としては、フェナジン化合物、サフラニン化合
物、ポリアルキレンイミン、チオ尿素誘導体、ポリアク
リル酸アミド等の窒素化合物を挙げることができる。硫
酸銅めっき液にレベラーを配合する場合には、その添加
量は、通常の硫酸銅めっき液と同様で良く、通常、0.
1〜200mg/l程度とすればよい。
【0031】硫酸銅めっきの条件については、通常の硫
酸銅めっきと同様で良く、例えば、めっき液の液温10
〜50℃程度、電流密度0.1〜10A/dm2程度の
条件で電気めっきを行えばよい。
【0032】尚、上記前処理液による処理を行った後、
硫酸銅めっきに先だって、酸水溶液による活性化処理を
行ってもよい。活性化処理を行うことによって、水洗処
理によって生成した酸化皮膜を除去し、硫酸銅めっき皮
膜の密着性を高めることができる。酸水溶液の種類につ
いては、特に限定的ではないが、例えば、98%硫酸を
10〜100g/l程度含む水溶液を用いることができ
る。処理条件についても、特に限定的でないが、例え
ば、10〜30℃程度の酸水溶液中に被めっき物を10
〜60秒程度浸漬すればよい。
【0033】本発明の硫酸銅めっき方法では、被めっき
物の種類については、特に限定はなく、めっき皮膜を形
成する表面部分に穴、溝等の凹部を有する物品であれ
ば、いずれも、本発明の硫酸めっき方法によって、凹部
を埋めて被めっき物表面を平坦化することができる。特
に、本発明方法によれば、直径0.1〜200μm程度
の穴、幅0.1〜200μm程度の溝等に対して、効果
的に平坦化作用を発揮することができる。
【0034】特に、被めっき物がブラインドビアホール
を有するプリント配線板や配線埋込用の微細な溝が形成
されている半導体ウエハー等の場合には、本発明のめっ
き方法を採用することによって、凹部を埋め込んで平坦
化するために必要なめっき膜厚を減少させることができ
るので、導体パターン形成時の課題であるサイドエッチ
を少なくして、よりファインなパターンを形成すること
が可能となる点で非常に有利である。
【0035】
【発明の効果】本発明の硫酸銅めっき方法によれば、凹
部を有する被めっき物に対して硫酸銅めっきを行う際
に、レベラーを含有しない硫酸銅めっき液を用いる場合
であっても、凹部に優先的に硫酸銅めっきを析出させ
て、被めっき物表面を平坦化することができる。その結
果、硫酸銅めっきを行う際に、攪拌強度の影響による凹
部の埋め込み性のばらつきを解消でき、精度良く均一な
埋め込みが可能となる。
【0036】この様に、本発明の硫酸銅めっき方法によ
れば、凹部を有する被めっき物に対して、精度良く均一
な埋め込みによる表面の平坦化ができる。従って、本発
明方法は、特に、被めっき物がブラインドバイアホール
を有する多層プリント配線板、溝部を有する半導体ウェ
ハーなどの場合に有用性が高い方法であり、本発明方法
を採用することによって、多層プリント配線板、LSI
微細銅配線等の高密度配線化、接続信頼性の向上等が可
能となる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0038】実施例1 銅箔を表面に有するプリント配線板の表面に、公知のビ
ルドアップ工法にて厚さ50μmのエポキシ樹脂を塗布
して硬化させた。これに炭酸ガスレーザーを用いてエポ
キシ樹脂に穴をあけ、径100μm、深さ50μmのブ
ラインドビアホールを形成した。このプリント配線板の
表面に、無電解銅めっき皮膜を約1μm形成したものを
評価用の試料とした。
【0039】この試料を脱脂液(商標名:DP−320
クリーン(奥野製薬工業(株)製)、100ml/l水
溶液)に45℃で5分間浸漬した後、水洗を1分間行
い、ついで、硫酸ヒドロキシルアミンの20g/l水溶
液からなる硫酸銅めっき前処理液に40℃で5分間浸漬
した。
【0040】その後、水洗を1分間行い、下記に示す硫
酸銅めっき条件で膜厚20μmの硫酸銅めっき皮膜を形
成した。 *硫酸銅めっき液組成 硫酸銅 200g/l 98%硫酸 50g/l 塩素イオン 50mg/l ポリマー (ポリエチレングリコール(分子量2000)) 1g/l ブライトナー (3−メルカプトプロピルスルホン酸ナトリウム) 1mg/l 電流密度 1A/dm2 液温 25℃ めっき時間 90分 硫酸銅めっき終了後、試料を切断し、ブラインドビアホ
ールの断面観察を行ったところ、ブラインドビアホール
は硫酸銅めっきにて完全に埋め込まれていた。また、ブ
ラインドビアホール内部における空洞の発生は一切認め
られなかった。
【0041】実施例2 硫酸銅めっき前処理液として硫酸ヒドロキシルアミン水
溶液に代えて、ジメチルアミンボランの1g/l水溶液
を使用し、それ以外は、実施例1と同様にして、硫酸銅
めっきを行った。
【0042】硫酸銅めっき終了後、試料を切断し、ブラ
インドビアホールの断面観察を行ったところ、ブライン
ドビアホールは硫酸銅めっきにて完全に埋め込まれてい
た。また、ブラインドビアホール内部における空洞の発
生は一切認められなかった。
【0043】実施例3 実施例1と同様の評価用試料を被めっき物として用い、
脱脂処理を行うことなく、硫酸ヒドロキシルアミン20
g/l及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル(商標名:ノニポール160、三洋化成工業(株)
製)1g/lを含む水溶液からなる硫酸銅めっき用前処
理液に被めっき物を40℃で5分間浸漬した。
【0044】その後、水洗を1分間行い、実施例1と同
様の条件で硫酸銅めっきを行った。
【0045】めっき終了後、めっき外観を観察したとこ
ろ、均一な光沢であり、ピット等の外観不良は一切認め
られなかった。また、試料を切断して、ブラインドビア
ホールの断面観察を行ったところ、ブラインドビアホー
ルは硫酸銅めっきにて完全に埋め込まれていた。
【0046】比較例1 硫酸銅めっき前処理液を使用することなく、それ以外
は、実施例1と同様にして硫酸銅めっきを行った。
【0047】めっき終了後、めっき状態を観察したとこ
ろ、ブラインドビアホール部分については、深さ45μ
m程度の窪みが確認され、凹部は十分には埋め込まれて
いなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 邦顕 大阪府大阪市鶴見区放出東1丁目10番25号 奥野製薬工業株式会社表面技術研究所内 Fターム(参考) 4K024 AA09 BB11 BB12 DA10 GA02 4M104 BB04 DD22 DD52 HH14 HH16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹部を有する被めっき物を、ヒドラジン
    類、ヒドロキシルアミン類、次亜リン酸類、亜リン酸
    類、水素化ホウ素化合物、アミンボラン化合物、亜硫酸
    類、チオ硫酸類、アスコルビン酸類及び糖類からなる群
    から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液か
    らなる前処理液に接触させた後、硫酸銅めっき液を用い
    て電気めっき法によって銅めっきを析出させることを特
    徴とする硫酸銅めっき方法。
  2. 【請求項2】凹部を有する被めっき物が、多層プリント
    配線板又は半導体ウエハーである請求項1に記載の硫酸
    銅めっき方法。
  3. 【請求項3】前処理液が、更に、ノニオン性界面活性剤
    及びアニオン性活性剤から選ばれた少なくとも一種の界
    面活性剤を含有するものである請求項1又は2に記載の
    硫酸銅めっき方法。
  4. 【請求項4】ヒドラジン類、ヒドロキシルアミン類、次
    亜リン酸類、亜リン酸類、水素化ホウ素化合物、アミン
    ボラン化合物、亜硫酸類、チオ硫酸類、アスコルビン酸
    類及び糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種の成
    分を含有する水溶液からなる硫酸銅めっき前処理液。
  5. 【請求項5】更に、ノニオン性界面活性剤及びアニオン
    性活性剤から選ばれた少なくとも一種の界面活性剤を含
    有する請求項4に記載の硫酸銅めっき前処理液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007335470A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Hitachi Cable Ltd 導体パターン形成方法
JP2008001963A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Nikko Kinzoku Kk 半導体ウェハーの前処理剤及び前処理方法
JP2009041097A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 銅めっき方法
JP2014160129A (ja) * 2013-02-19 2014-09-04 Fujifilm Corp フィルムミラーの製造方法

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