JP2003292823A - 耐食光輝性顔料 - Google Patents
耐食光輝性顔料Info
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Abstract
食性・耐薬品性を有する塗膜を得ることができる耐食光
輝性顔料を、アルミニウムフレークに代わって提供す
る。 【解決手段】 チタンを15〜50質量%含み、残部がアル
ミニウムおよび不可避不純物であるフレーク状合金片か
らなる。
Description
部品などの基材を光輝化する際に用いて好適な耐食光輝
性顔料に関する。
キや真空蒸着やメタリック塗装がある。特に、メタリッ
ク塗装は、手法が簡便であり、広く用いられている。す
なわち、基材を光輝化するためにアルミニウムの顔料や
フレークを塗料に混入させ、アルミニウムを保護するた
めにその上にクリアーコートを塗布する塗装方法であ
る。一般的に、アルミニウムフレークは、スタンプミル
法、乾式ボールミル法、湿式ボールミル法などにより機
械的に金属アルミニウムを粉砕したり、金属アルミニウ
ムを真空中で蒸発させてアルミニウム膜を成膜する真空
蒸着法を用いたりして作製される。
反射率が高い金属であるという利点があるので、箔や膜
が顔料として使用される。
視光で80%以上と高く、外観が白っぽく、クロムメッキ
のような高級感に欠けるという外観上の欠点がある。
題がある。すなわち、クロム薄膜を乾式メッキで形成す
ると、成膜中に酸素、窒素、アルゴンなどのガスの影響
を受けて薄膜の色が黒ずむ。乾式メッキ薄膜の表面反射
率が約30〜40%で、電気メッキ薄膜の約60%と比較すると
低い。また、耐クラック性が低い。環境に対する配慮が
欠かせない。さらに、異種金属が混じることで、アルミ
ニウムホイールをリサイクルできない。
アンダーコートを下地に塗布する方法が取られている
(特開昭62-13565号公報、特開平9-290213号公報)。
気に触れると、酸化物被膜を形成して光輝感が失われ
る。それだけでなく、酸化物被膜の成長に伴って、基材
と塗膜との密着性(塗膜密着性)が低下する。水分を含
む環境下では、酸化物被膜ではなく水酸化物被膜を形成
する。アルミニウムの箔や薄膜に形成した水酸化物被膜
はそれを含む塗膜の乾燥・加熱により容易に酸化物被膜
になるが、乾燥・加熱したこの塗膜には透水性がある。
そのため、塗膜を通過してきた水分とアルミニウムが塗
膜内で反応する。すなわち、水和反応を起こし(水分子
と結合し)、塗膜の腐食・剥離に到る可能性がある。具
体的にいえば、膜厚0.05〜1.0μmのアルミニウム薄膜
は、トップコートなしで40〜60℃の温水に浸すと、水和
反応により、24〜100時間で溶解する。また、キャス試
験(JIS H 8502)では、トップコートを塗布していても、
トップコートを通じて試験液が浸透し、60時間以上でア
ルミニウム薄膜が溶解する。
を使用していても、保護膜としてのトップコートが厚い
か傷などを生じない場合は、大きな問題は発生しない。
しかし、例えば奥まった個所では保護膜が薄くなり、酸
・アルカリなどの薬品が保護膜を浸透し、アルミニウム
の箔や薄膜を溶解する。また、悪路地帯、海岸地帯、凍
結防止のため塩を散布する地帯、高温多湿地帯などで使
用してトップコートに傷が入った場合、例えば実車が走
行中に飛び石により傷が入ったり清掃中に実車に傷が付
いた場合には、アルミニウムの箔や薄膜が外部環境に触
れ、その傷から塗膜の腐食が始まる。塗膜の腐食がいっ
たん始まり進行していくと、アルミニウムの箔や薄膜は
溶解消失し、アンダーコートが露出する。すると、本来
の光輝面が損なわれるだけでなく、アンダーコートとト
ップコートとの密着がなくなり、膨れが発生する。さら
に、そこを基点として基材の腐食へと進展する可能性が
ある。
耐薬品性を向上させようとする処理方法が種々提案され
ている。しかしながら、アルミニウム自体の耐食性・耐
薬品性が低いので、あまり大きな効果が得られていない
のが実状である。これらの提案例とその欠点を、次の
(1)〜(5)に示す。
入させたメッキ調コートで、アルミニウムホイールの表
面を被覆する。この着色顔料の反射とアルミニウムフレ
ークの反射との混合で、外観意匠ニーズに合った特殊な
色調ができる。クロムメッキの外観を得るために、各種
の顔料と混合する。
あり、このメッキ調コートは耐食性・耐薬品性が低い。
そのため、ホイールなどの隅や縦面など保護膜が塗布し
づらい個所では、フレークが溶解する可能性が高い。ま
た、アルミニウムフレークを使用しているため、白っぽ
く高級感のない外観しか得られない。さらに、アルミニ
ウムフレークの混合比率を調整すると、光輝感が低下す
る。
る。アルミニウムフレーク塗膜を改善するために、特殊
な塗装を行っている。しかし、この方法は、作業性が悪
く、コスト高になり、広い範囲で適用できない。
防止するために、有機溶剤に浸漬した後の色変化が汚染
用グレースケールで色票4号以上の色差を有するアルミ
ニウムフレークを用いる。しかし、この塗膜も、アルミ
ニウムフレークを含むため、耐薬品性が低い。
防止剤で処理する。腐食防止剤は、イットリウムおよび
希土類金属などの水溶性塩などを含む。しかし、このよ
うな貴重な金属を使用する複雑な工程を経てアルミニウ
ムフレークが処理されるので、この工程に難があり、ま
たアルミニウムフレークがコスト高になる。
171号公報 アルミニウムに対してMo金属換算量で0.1〜10質量%のモ
リブデン酸被膜を成膜し、その上に、アルミニウムに対
してP元素換算量で0.05〜5質量%の燐酸エステルを吸着
させる。しかし、この処理は、複雑で時間がかかり、コ
ストアップの原因にもなる。
問題点を解決し、電気クロムメッキに近い外観および優
れた耐食性・耐薬品性を有する塗膜を得ることができる
耐食光輝性顔料を、アルミニウムフレークに代わって提
供することにある。
に、本発明の耐食光輝性顔料は、チタンを10質量%より
多く、かつ60質量%以下、残部がアルミニウムおよび不
可避不純物であるフレーク状合金片(以下、フレーク片
という)からなる。チタンは、15〜50質量%含むことが
好ましく、15〜40質量%含むことがさらに好ましく、15
〜25質量%含むことがさらに好ましい。
レーク片は、厚さが0.02〜0.2μmであるのが望ましい。
また、大きさが20〜500μmであるのが望ましい。さら
に、表面反射率が550nmの波長の光で25%より大きく、か
つ80%より小さいことが望ましい。さらに望ましくは、3
8〜71%である。
法で形成した薄膜を粉砕して製造することができる。
て、チタンは表面反射率を下げ、アルミニウムは表面反
射率を上げる。そのため、本発明の耐食光輝性顔料は、
電気クロムメッキに近い表面反射率や外観を有する塗膜
を得ることができる。また、適当な組成を選ぶことによ
って望ましい色調の塗膜も得ることができる。さらに、
チタンは耐食性・耐薬品性を、アルミニウムは耐クラッ
ク性を著しく向上させる。チタンの含有量が15質量%未
満でも、50質量%を超えても、表面反射率や外観が電気
クロムメッキから遠くなる。
フレーク片で構成される。耐食光輝性顔料は表面反射が
重要な性能の一つであり、フレーク片は表面のうちに平
面が占める割合が高いからである。
下地(樹脂塗膜)が透けて見え、白っぽい外観になり、
表面反射率が下がりすぎる。一方、フレーク片の厚さが
0.2μmを超えると、フレーク片の応力が高くなり、フレ
ーク片に割れが入る可能性が高い。また、フレーク片の
厚さが0.2μmを超えても表面反射率に変化はなく、却っ
てコストが上昇する。何故なら、フレーク片の原料とな
る薄膜の成膜時間が延びて生産時間が長期化するからで
ある。
射面が小さくなり光輝感が損なわれる。一方、フレーク
片の大きさが500μmを超えると、反射面が広がり表面反
射率は上がるが、フレーク片とフレーク片との隙間が大
きくなって下地が見える可能性がある。
を有する塗膜を得るために、フレーク片の表面反射率を
550nmの波長の光で25〜65%とするのが望ましい。そのた
めに、フレーク片の合金比率、厚み、一辺の長さなどを
調整する。
に用いるスパッタリング法は、真空中でアルゴンイオン
をターゲットにぶつけてエネルギーを与え、該ターゲッ
トを構成する原子を飛び出させ、対象物(基板)に付着
させる方法である。熱で蒸気化して飛ばす方法でないの
で、蒸気圧による成分の狂いがない。そのため、一つの
組成のターゲットのみが用いられれば、そのターゲット
組成とほぼ同じ組成の膜が得られる。また、アルミニウ
ムターゲットとチタンターゲットとをそれぞれ配置し同
時に成膜することにより、アルミニウム−チタン合金薄
膜を得ることも可能である。この場合は、それぞれのタ
ーゲットの投入電流を調整することにより合金比率を調
整する。スパッタリング方式は、DCマグネトロンとRFマ
グネトロンのどちらでも良い。ターゲットは、溶解法や
焼結法で作製する。
ったりして回収した後、ボールミルなどの従来の手法を
用いたり、溶液中に入れた後に超音波を適用したりして
粉砕する。あるいは、基板に形成した薄膜は、基板ごと
溶液中に入れた後に化学的に剥離しながら粉砕する。
を直流マグネトロンスパッタリングで基板に形成した。
基板には、10cm角、厚さ1mmのステンレス板を用いた。
ターゲットは、焼結法で作製したアルミニウム−チタン
合金であり、チタンを20質量%含み、残部がアルミニウ
ムおよび不可避不純物である。まず、5×10-5Torrまで
排気し、アルゴンガスを1.5×10-3Torrになるまで導入
した。その他の成膜条件は、ターゲットと基板との距
離:107mm、基板回転数:9rpm、ターゲット電流:3A(電圧:
650V)、コーティング時間:2分間であった。その後、機
械的に薄膜を剥ぎ取り、溶剤(MEK)中に入れ、超音波(90
W、43kW)で60秒間粉砕した。
析の結果、チタンが20質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.07μm、大きさが50μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率を分光光度計(日立製作所製)で550nm
の波長の光で測定した結果、63%であった。
基材を、次に示すように作成した。まず、アルミニウム
合金鋳物AC4C(Al-Si-Mg系)製の板材(厚さ3mm)にクロ
メート処理で化成被膜をクロム量で80〜150g/m2に形成
した。次に、表面を平滑にするためアクリル粉体塗料を
100μm塗布し、150℃で1時間乾燥した。さらに、アンダ
ーコートとしてクリアーのポリエステル・メラミン樹脂
をエアースプレーガンで30μm形成し、140℃で30分乾燥
した。
9gに調合し、上記基材上にエアースプレーで塗布した。
その上に、アクリル・メラミン樹脂のトップコートをエ
アースプレーガンで5、10および25μm形成し、140℃で3
0分乾燥した。
外観は、クラックや割れがなく、従来のメタリック塗装
材に比べて高い光輝感とクロムメッキに近い色調を持っ
ていた。また、電気メッキ規格を主にした試験項目につ
いて、これらの表面処理材を評価した。その結果、全て
の試験項目に合格した。試験項目、試験方法および得ら
れた試験結果を表1に示す。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを30質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例1と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが30質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.04μm、大きさが50μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で56%であった。作製
した表面処理材の外観はクラックや割れがなく、光輝化
クロムメッキ色であった。また表面処理材は全ての試験
項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを40質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例1と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが40質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.05μm、大きさが40μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で51%であった。作製
した表面処理材の外観はクラックや割れがなく、光輝化
クロムメッキ色であった。また表面処理材は全ての試験
項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを50質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例1と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが50質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.04μm、大きさが40μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で40%であった。作製
した表面処理材の外観はクラックや割れがなく、光輝化
クロムメッキ色であった。また表面処理材は全ての試験
項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを15質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。また、作製したフレーク材を塗布する基材に、アル
ミニウム合金鋳物AC4C(Al-Si-Mg系)製で直径380mmのア
ルミニウムホイールを用いた。それら以外は、実施例1
と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが15質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.035μm、大きさが35μmであった。さらに、フレー
ク片の表面反射率は550nmの波長の光で70%であった。表
面処理したアルミニウムホイールの外観はクラックや割
れがなく、光輝化クロムメッキ色であった。また表面処
理材は全ての試験項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを20質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例5と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが20質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.07μm、大きさが50μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で63%であった。表面
処理したアルミニウムホイールの外観はクラックや割れ
がなく、光輝化クロムメッキ色であった。また表面処理
材は全ての試験項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを30質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例5と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが30質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.04μm、大きさが48μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で56%であった。表面
処理したアルミニウムホイールの外観はクラックや割れ
がなく、光輝化クロムメッキ色であった。また表面処理
材は全ての試験項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを40質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例5と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが40質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.04μm、大きさが38μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で52%であった。表面
処理したアルミニウムホイールの外観はクラックや割れ
がなく、光輝化クロムメッキ色であった。また表面処理
材は全ての試験項目に合格した。
膜を形成する際に用いたターゲットは、焼結法で作製し
たアルミニウム−チタン合金であり、チタンを50質量%
含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であっ
た。それ以外は、実施例5と同様に試験を行った。
析の結果、チタンが50質量%で、残部がアルミニウムお
よび不可避不純物であった。また、フレーク片は、厚さ
が0.05μm、大きさが43μmであった。さらに、フレーク
片の表面反射率は550nmの波長の光で42%であった。表面
処理したアルミニウムホイールの外観はクラックや割れ
がなく、光輝化クロムメッキ色であった。また表面処理
材は全ての試験項目に合格した。
ニウムホイールの外観はいずれも光輝化クロムメッキ色
であったが、これらを比べてみると、実施例5から実施
例9になるにつれて明るい色から黒色に変わっていた。
μm塗布した厚さ1mmのポリプロピレンシートを、アルミ
ニウム−チタン合金薄膜を形成する基板に用いた。それ
以外は、実施例1と同様にして、アルミニウム−チタン
合金薄膜をこの基板に形成した。その後、シートごと溶
剤(MEK)中に入れ、超音波(90W、43kW)で60秒間振動させ
た。すると、ポリエステルポリマーが溶解し、薄膜が剥
離し、細かくフレーク片に粉砕された。得られたチタン
合金フレーク材は、化学分析の結果、チタンが20質量%
で、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であった。
また、フレーク片は、厚さが0.045μm、大きさが30μm
であった。さらに、フレーク片の表面反射率を分光光度
計(日立製作所製)で550nmの波長の光で測定した結
果、60%であった。
外は、実施例1と同様に表面処理および評価を行った。
作製した表面処理材の外観はクラックや割れがなく、光
輝化クロムメッキ色であった。また表面処理材は全ての
試験項目に合格した。
膜を形成したシートごと溶剤(MEK)中に入れ、超音波(90
W、43kW)で300秒間振動させた以外は、実施例10と同
様に行った。得られたフレーク片の大きさは15μmであ
った。作製した表面処理材の外観はクラックや割れがな
かったが、光輝感が低く、グレーに近い色調を持ってい
た。
膜を形成したシートごと溶剤(MEK)中に入れ、超音波(90
W、43kW)で15秒間振動させた以外は、実施例10と同様
に行った。得られたフレーク片の大きさは550μmであっ
た。作製した表面処理材の外観はクラックや割れがなか
ったが、フレーク片とフレーク片との隙間から下地のア
ンダーコートが見え光輝感が若干低くなった。
た以外は実施例1と同様に行った。得られたフレーク片
の厚さは0.018μmであった。作製した表面処理材の外観
はクラックや割れがなかったが、光輝感が低く、グレー
に近い色調を持っていた。
た以外は実施例1と同様に行った。得られたフレーク片
の厚さは0.25μmであった。作製した表面処理材の外観
はクラックや割れがなかったが、フレーク片が重なって
段差が発生し、乱反射を起こし、外観が白っぽくなって
光輝感が低くなった。
する基材を次に示すように作成した。まず、アルミニウ
ム合金鋳物AC4C(Al-Si-Mg系)製の板材(厚さ3mm)にク
ロメート処理で化成被膜を形成した。次に、表面を平滑
にするためアクリル粉体塗料を100μm塗布し、150℃で1
時間乾燥した。さらに、アンダーコートとしてクリアー
のポリエステル・メラミン樹脂をエアースプレーガンで
30μm形成し、140℃で30分乾燥した。
に調合し、上記基材上にエアースプレーで塗布した。そ
の上に、アクリル・メラミン樹脂のトップコートをエア
ースプレーガンで5μmと10μm形成し、140℃で30分乾燥
した。
1cc垂らし、4時間放置した。その結果、トップコートの
膜厚が5μmの表面処理材では、滴定した部分のアルミニ
ウムフレーク材が100%溶解した。また、トップコートの
膜厚が10μmの表面処理材では、滴定した部分のアルミ
ニウムフレーク材が50%溶解した。
後、クロスカットを入れてキャス試験を実施した。その
結果、12時間後にクロスカット部から幅5mmでアルミニ
ウムフレーク材の溶解が起こった。
製した後、クロスカットを入れて60℃温水試験を実施し
た。その結果、36時間後にクロスカット部からアルミニ
ウムフレーク材の溶解が起こった。
面反射率を分光光度計(日立製作所製)で測定したデー
タを表2に示す。表2からも、電気クロムメッキに近い
表面反射率を有するのは、チタン含有量が15〜50質量%
の薄膜であることが分かる。
キャス試験で各種薄膜(膜厚0.1μm)の耐食性を評価し
た結果を表3に示す。なお、この試験では、塩化第二銅
を添加した酢酸酸性の塩化ナトリウム溶液(pH:3)を噴霧
する。表3から、チタン含有量が15質量%以上の薄膜が
優れた耐食性を有することが分かる。
いて温水試験を行った結果を表4に示す。なお、温水の
温度は60℃とした。表4から、チタン含有量が15質量%
以上の薄膜が、温水に対して優れた耐食性を有すること
が分かる。
μm)について耐クラック性を評価した結果を表5に示
す。表5から、チタン含有量15〜50質量%の薄膜が優れ
た耐クラック性を有することが分かる。
の耐食光輝性顔料によれば、電気クロムメッキに近い外
観を有し、例えば耐食性・耐薬品性・耐クラック性のよ
うな性能に優れ、色調も変えられる塗膜を得ることがで
きる。また、本発明の耐食光輝性顔料は、環境に優しく
安全なためリサイクル性に優れ、簡単な塗装法により表
面処理ができるので施工性にも優れている。
Claims (9)
- 【請求項1】 チタンを10質量%より多く、かつ60質量%
以下含み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物であ
るフレーク状合金片からなる耐食光輝性顔料。 - 【請求項2】 チタンを15〜50質量%含み、残部がアル
ミニウムおよび不可避不純物であるフレーク状合金片か
らなる耐食光輝性顔料。 - 【請求項3】 チタンを15〜40質量%含み、残部がアル
ミニウムおよび不可避不純物であるフレーク状合金片か
らなる耐食光輝性顔料。 - 【請求項4】 チタンを15〜25質量%含み、残部がアル
ミニウムおよび不可避不純物であるフレーク状合金片か
らなる耐食光輝性顔料。 - 【請求項5】 フレーク状合金片は、厚さが0.02〜0.2
μmである請求項1〜4のいずれかに記載の耐食光輝性
顔料。 - 【請求項6】 フレーク状合金片は、大きさが20〜500
μmである請求項1〜5のいずれかに記載の耐食光輝性
顔料。 - 【請求項7】 フレーク状合金片は、表面反射率が550n
mの波長の光で25%より大きく、かつ80%より小さい請求
項1〜6のいずれかに記載の耐食光輝性顔料。 - 【請求項8】 フレーク状合金片は、表面反射率が550n
mの波長の光で38〜71%である請求項1〜7のいずれかに
記載の耐食光輝性顔料。 - 【請求項9】 フレーク状合金片は、スパッタリング法
で形成した薄膜を粉砕して製造した請求項1〜8のいず
れかに記載の耐食光輝性顔料。
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