JP2002004031A - 無機箔粉の製造方法および無機箔粉 - Google Patents
無機箔粉の製造方法および無機箔粉Info
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Abstract
た金属箔粉等の無機箔粉とその製造方法を提供する。 【解決手段】滑剤等の添加物の層をポリオレフィンフイ
ルムの面に広く形成せしめ、該添加物の層上に無機蒸着
薄膜層を形成・積層し、後該添加物の滑性や可溶解性や
剥離性を利用して、溶媒等による溶媒処理や機械的剥離
を施し容易にしかも収率よく該無機蒸着薄膜層を剥離し
て粉砕する方法とそれによって得られる厚さが極めて薄
く、しかも金属光沢等に優れた金属箔粉等の無機箔粉。
Description
着薄膜層の破砕非定型偏平片または破砕半定形(例えば
矩形)偏平片である無機箔粉の製造方法に関するもので
あり、該無機箔粉をインク、塗料等の被覆材および充填
剤として使用することによって、対象物に表出された印
字や描画にまたは表面全体にまたは被充填材に、金属箔
粉の場合には金属光沢等を、金属化合物箔粉の場合は該
箔粉の保有する機能を付与し得る無機箔粉の製法および
無機箔粉に関する。
る貴金属等の微粉、即ち展延により得られた展延箔の破
砕片、近年の蒸着時の凝集微細片、また金属箔の破
砕片である金属箔粉、特公平5−77643号公報に
記載のフイルム上の蒸着金属からの裁断グリッター、ま
た特公昭53−35135号公報に記載の片面または
両面が樹脂で被覆された金属蒸着箔の破砕小片である金
属粉等が知られている。
は金属粉は、古くから知られている貴金属等の微粉、
即ち展延により得られた展延箔の破砕片は、その貴金属
の耐腐食性、美麗さ、微細であることから多用されては
いるが、その製法から高コストであり、大量に生産でき
ない、比重が大きすぎて分散媒体中で沈殿しやすいなど
の課題を有している。 近年の蒸着時の凝集微細片は、その微細さにおいて魅
力のあるものだが、高コスト、微細過ぎて、金属光輝性
の美麗さを得にくい、取り扱いにも難点を有しているな
どの課題を有している。
的低コストで入手でき、光輝性においてもある程度の性
能を有しており多用されているが、その大きさが数十μ
m〜数百μmのものがほとんどであり、塗布面の平滑さ
や高光輝性を、より要求される場合には対応し得ない等
の課題を有している。 特公平5−77643号公報に記載のフイルム上の蒸
着金属からの裁断グリッターは、特定の用途においては
その低コストから使用されるが、大きさは数mm程度の
大きさであり、用途が限定される。 特公昭53−35135号公報に記載の片面または両
面が樹脂で被覆された金属蒸着箔の破砕小片である金属
粉は、その大きさ、比較的低コストから、その高い光輝
性により多用されているが、樹脂で被覆されているた
め、樹脂層厚さのためにより厚くなり厚さの点において
や、耐熱性において限界がある。さらにフイルム上に可
溶解性ポリマーの層を形成し、金属蒸着薄膜層を形成し
可溶解性ポリマーの層を溶解処理することで、金属蒸着
薄膜層をフイルムから剥離し、破砕して金属箔粉を得る
方法も知られているが、金属箔粉から該箔粉に付着した
可溶解性ポリマーの層を除去することに多大のコストお
よびまたは高額な危険物取り扱い用の設備を要する等の
課題を抱えていた。本発明は、前記従来の金属箔粉製法
の抱える課題を解決せんとするものであり、厚さが3μ
m以下で、大きさも数μm〜百μm程度の、光輝性に優
れ、耐熱性に優れた箔粉を提供せんとするものである。
オレフィンフイルム(A)の面上に、厚さが0.005
μm〜3μmの無機蒸着薄膜層(C)を設け、該無機蒸
着薄膜層(C)を剥離し、剥離された層(C)を破砕す
る無機箔粉の製造方法において、該ポリオレフィンフイ
ルム(A)に予め含有保持せしめられた添加物(B)の
層を、およびまたは該同一添加物(B)の層を、剥離層
としてポリオレフィンフイルム(A)の面と無機蒸着薄
膜層(C)との間に形成せしめることを特徴とする無機
箔粉の製造方法であり、また無機蒸着薄膜層(C)がア
ルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、錫、銅、亜
鉛、インジウム、チタン、マグネシウムの単体金属又は
これらの合金およびそれらの混合物の少なくとも一種か
らなる前記の無機箔粉の製造方法であり、また無機蒸着
薄膜層(C)がアルミニウム、錫、インジウム、チタ
ン、ケイ素、亜鉛、マグネシウムの酸化物、炭化物、窒
化物、硫化物、ハロゲン化物の単体化合物または複合化
合物の少なくとも一種からなる前記の無機箔粉の製造方
法であり、さらにまた前記何れかの製造方法によって製
造された、厚さが0.005μm〜3μm、大きさが平
均2μm〜150μmであることを特徴とする無機箔粉
である。
イルム(A)としては、蒸着工程の加熱、真空、応力等
に耐え得る自立性のポリオレフィンフイルムであれば特
に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ホモポリオレフィンフイルムやこれらのポリオレフィン
系共重合体からのフイルム等が挙げられるが、なかでも
ポリプロピレン系フイルムとポリエチレン系フイルムが
好ましく使用できる。これらのフイルムの厚さは4μm
から100μmであり、4μmに満たないものは、工程
等で取り扱い性に問題が多く、100μmを超えると、
柔軟性に乏しくなり、剥離等に問題が多くなる。更にこ
れらのポリオレフィンフイルム(A)としては、単層の
フイルムでもよく、例えば共押し出し法による複層フイ
ルムであってもよい。またこれらのフイルムは、無延
伸、一軸延伸、二軸延伸、弱一軸延伸等の製法による限
定を特に受けるものではない。
(A)としては、該フイルムに滑剤やステイッキング防
止剤、防曇剤、帯電防止剤等としての添加物(B)が、
添加・含有・散布等の手段で含有、保持せしめられ、該
添加物を0.01〜2.0重量%の範囲で該フイルムが
有するものである。添加物(B)の層としては、ポリオ
レフィンフイルム(A)上にブリードアウト、塗布等で
形成され、その層上に形成される厚さが0.005μm
〜3μmの無機蒸着薄膜層(C)の形成時に蒸散した
り、熱変性したりして金属箔粉の製造に支障をきたさな
いもので、分子量が5000以下のもの、好ましくは3
000以下さらに好ましくは1000程度以下の化合物
が好ましく、無機蒸着薄膜層(C)のポリオレフィンフ
イルム(A)からの溶解等による剥離のし易いものであ
ればよく、特に限定されないが、脂肪酸、金属脂肪酸、
低分子界面活性剤、ポリオキシアルキレングリコール、
パラフィン、酸アミド、脂肪酸エステル等およびこれら
の変性物を主成分とするものが挙げられ、またこれらと
無機化合物との変性物、および混合物等も使用できる。
本発明における「該ポリオレフィンフイルム(A)に予
め含有保持せしめられた添加物(B)の層を、およびま
たは該同一添加物(B)の層を、剥離層としてポリオレ
フィンフイルム(A)の面と無機蒸着薄膜層(C)との
間に形成せしめること」は、特に限定されないが、塗
布、散布等でフイルム上に蒸着前に形成してもよく、添
加物(B)を含有せしめた同種ポリマーを共押し出しな
どで該添加物(B)を殆ど含まない同種ポリマー上に積
層(複層)したフイルムとし所謂ブリードアウトせしめ
たものでもよく、また予めポリオレフィンフイルム
(A)である基材フイルムに練り込んでおき蒸着前また
は蒸着後に、経時処理や、熱経時処理や熱処理等によっ
て該フイルム表面にブリードアウトせしめる方法等が挙
げられる。予めポリオレフィンフイルム(A)である基
材フイルムに練り込んでおき蒸着前または蒸着後に、経
時処理、熱経時処理や熱処理等によって該フイルム表面
に所謂ブリードアウトせしめる方法においては、無機蒸
着薄膜層を蒸着した後に所謂ブリードアウトせしめる方
法がより好ましく採用され、その中でも40℃以上の加
熱を伴う熱経時処理が好ましく、該フイルム表面に該添
加物層が均一に形成されることになる。また蒸着前に経
時処理、熱経時処理や熱処理を施して該フイルム表面に
含有添加物を所謂ブリードアウトせしめる方法において
は、該フイルム表面に該添加物層が均一に形成されるこ
とが好ましく、好ましくは無機蒸着薄膜層(C)の剥離
が50%以上の面積で容易になるように、50%以上に
形成されること、より好ましくは70%以上、さらに好
ましくは85%以上であり、50%以下の場合には容易
に剥離するものが50%以下の面積分となり箔粉製造に
おける収率の低下、コストの上昇を招くことになる。し
たがって、本発明は製造後の放置による経時で微小な部
分的添加物(B)の層を形成されたものでなく、前記し
た広範囲に添加物(B)の層が形成されたポリオレフィ
ンフイルム(A)を選択使用することを含むものであ
る。
μmの無機蒸着薄膜層(C)の形成方法は蒸着によるも
のであれば特に限定されず加熱蒸着、スパッタリング、
等から適宜選択使用すればよい。これらの無機蒸着薄膜
層(C)は、金属蒸着薄膜層の単層でもよく、異種また
は同一種の複層でもよく、無機化合物蒸着薄膜の単層で
もよく、異種または同一種の複層でもよい。また、金属
蒸着薄膜層と無機化合物蒸着薄膜層との積層でもよい。
無機蒸着薄膜層(C)のうち金属蒸着薄膜層として使用
される金属は、金属光沢を有する等の機能を有するもの
であれば特に限定されるものではないが、アルミニウ
ム、銀、金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウ
ム、チタン、の単体金属又はこれらの合金およびそれら
の混合物の少なくとも一種以上が適宜選択使用される。
また、前記例示のものの中から一種または二種以上を適
宜選定し一層または二層以上にして使用してもよい。こ
れらの金属蒸着薄膜層の厚さは、0.005μm〜3μ
mの範囲が好ましく、0.005μmに満たないとき
は、光輝性においてまた機能性においてその性能は乏し
く、3μmを超えるときは、これ以上厚さを大きくして
も反射性、光輝性等の増大に影響が少ない上に、蒸着を
もって作成する経済的得策も少なくなる。これによっ
て、インク、塗料等に使用したときに金属光沢性、光輝
性に優れたまたは機能性を付与し得るインク、塗料等の
被覆材または金属光沢性、光輝性に優れたまたは機能性
を付与し得る充填材となる。本発明における厚さが0.
005μm〜3μmの無機蒸着薄膜層(C)のうち無機
化合物蒸着薄膜層としては、アルミニウム、錫、インジ
ウム、チタン、ケイ素、亜鉛の酸化物、炭化物、窒化
物、硫化物の単体化合物または複合化合物の少なくとも
一種が適宜選択使用される。また、前記例示のものの中
から一種または二種以上を適宜選定し一層または二層以
上にして使用してもよい。これらの無機化合物蒸着薄膜
層の厚さは、0.005μm〜3μmの範囲が好まし
く、0.005μmに満たないときは、機能性において
(例えば導電性、抗菌性等の機能性)その性能は乏し
く、3μmを超えるときは、これ以上厚さを大きくして
も機能性の増大に影響が少ない上に、蒸着をもって作成
する経済的得策も少なくなる。本発明によって得られた
無機箔粉を使用することで、インク、塗料等または充填
材に使用したときに機能性に優れたインク、塗料等の被
覆材、または充填材となる。本発明においてより好まし
い実施形態としては、経済性などの観点から、無機蒸着
薄膜層として金属アルミニウムを選択使用する製造方法
とそれによって製造されたアルミニウム主体の箔粉が挙
げられる。
イルム(A)の面上に、厚さが0.005μm〜3μm
の無機蒸着薄膜層(C)を設け、該無機蒸着薄膜層
(C)を剥離し、剥離された層(C)を破砕する無機箔
粉の製法で、該ポリオレフィンフイルム上に添加物
(B)の層を形成し、該層を剥離層として利用すること
を特徴とする無機箔粉の製造方法であり、前記無機蒸着
薄膜層(C)を剥離する方法としては、形成された添加
物(B)の層を該化合物が溶解およびまたは分散する溶
媒等で処理し剥離する方法と機械的に剥離する方法、基
材を超音波や低周波等の振動付与、延伸、収縮等の機械
的処理等をして剥離する方法等が適宜選択併用使用され
る。これらの剥離方法において、ポリオレフィンフイル
ム(A)と無機蒸着薄膜層(C)との積層体を、折り曲
げる、叩く、かきとる、擦過する、急冷急加熱等の熱シ
ョックを与える等の方法で、該無機蒸着薄膜層(C)に
クラックを生じせしめる等の補助工程を付加せしめても
よい。得られた無機蒸着薄膜層(C)を粉砕する方法と
しては、特に限定されないが、超音波や可聴音波や高周
波、低周波等の振動付与、ジェットミル、ボールミル、
リングロールミル、ハンマーミル、チューブミル等が挙
げられる。この粉砕を水中または溶媒中で行ってもよく
その際、アルコール等の粘度調節材、乾燥促進材、沈降
安定剤、界面活性剤等を同時に使用して粉砕してもよ
い。さらに特に粉砕を積極的に実施しなくても、例えば
超音波処理を剥離時に併用する時等には剥離性フイルム
から剥離することだけで、積層体が微細な非定型偏平片
およびまたは半定形偏平片となる場合もある。
薄膜層(C)の上層または下層に、厚さが0.005μ
m〜1.0μmの透明無機薄膜塗布層を設けてもよく、
透明無機薄膜塗布層の材料としては、ケイ素酸化物、ア
ルミニウム酸化物、インジウム酸化物、錫酸化物等や、
ケイ素−酸素結合含有無機物を形成するケイ素アルコキ
シド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシ
ド、等の金属アルコキシド、水ガラス、ポリシラザン、
ポリフォスファゼン等を塗布し、触媒作用、加熱、紫外
線照射などによって透明無機薄膜塗布層を形成するもの
であれば特に限定されないが、透明無機薄膜塗布層とし
ての透明性、無機蒸着薄膜層(C)の保護性から、ケイ
素−酸素結合含有無機物を形成するもの、アルミニウム
−酸素結合含有無機物を形成するもの、ジルコニウム−
酸素結合含有無機物を形成するもの、チタン−酸素結合
含有無機物を形成するものが好ましい。これらの透明無
機薄膜塗布層を形成するアルコキシドなどを水やアルコ
ールに溶解または分散して塗布し、触媒作用、加熱、紫
外線照射などによって透明無機薄膜塗布層を形成する
際、金属酸化物の微細粉体、例えばシリカ、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸
化インジウム、酸化マグネシウムを添加含有せしめても
よく、これらの金属−酸素結合を形成するアルコキシド
等と金属酸化物の微細粉体との金属が同一でもよく異種
でもよく、2種以上の金属から選ばれたものであっても
よい。さらに、透明無機薄膜塗布層を形成するアルコキ
シドなどを水やアルコールに溶解または分散して塗布
し、触媒作用、加熱、紫外線照射などによって透明無機
薄膜塗布層を形成する際に、本発明の目的、剥離性を損
なわない限りにおいて、有機ポリマーなどのバインダ
ー、色素や染料、レベリング剤、等を含有せしめてもよ
く、かかる色素や染料などを該透明無機薄膜塗布層に含
有せしめることは蒸着などの乾式製膜法においては困難
であり、塗布によって初めて達成でき、金属光輝性への
耐熱色相の付与等が可能となる。
紡績株式会社製のパイレンフイルム;P3162#20
と同P2241#20の2種)を製膜後2週間放置した
ものおよび製膜後1週間放置したものを60℃で24時
間エージングしたものを用意した。(なお、P3162
#20の場合はヒートシール面以外の面を使用した。) **実施例1 参考例1記載における厚さ20ミクロンの延伸ポリプロ
ピレンフイルム4種の表面に(使用面も参考例1記載と
同じ)、金属アルミニウムを蒸着し厚さ250Å、50
0Å、750Åの各厚さで金属アルミニウム蒸着薄膜層
を形成した蒸着体を得、この蒸着体を60℃で24時間
エージングした。エージング後の蒸着体を10cm×1
0cmの大きさに裁断し、超音波洗浄機に大量の酢酸エ
チルと共に入れ、超音波をかけると各厚さの蒸着体、4
種フイルム共に、数秒で殆ど全ての金属アルミニウム蒸
着薄膜層が剥離した。さらに超音波処理を続行したとこ
ろ、各厚さの一辺の最大大きさが平均で5〜50μm程
度の特殊光輝性の美麗な金属箔粉を得ることができた。
ピレンフイルム4種の表面に(使用面も参考例1記載と
同じ)、金属アルミニウムを蒸着し厚さ250Å、50
0Å、750Åの各厚さで金属アルミニウム蒸着薄膜層
を形成した蒸着体を得、この蒸着体を60℃で24時間
エージングした。エージング後の蒸着体を5%延伸し金
属アルミニウム蒸着薄膜層にクラックを生じさせた後、
10cm×10cmの大きさに裁断し、ケロシンを満た
した容器に入れ、ゆっくりと攪拌すると、各厚さの蒸着
体、4種フイルム共に、数秒で全ての金属アルミニウム
蒸着薄膜層金属が剥離した。さらに該容器内で超音波処
理を実行したところ、各厚さの一辺の最大大きさが平均
で5〜50μm程度の特殊光輝性の美麗な金属箔粉を得
ることができた。
イルム(東洋紡績株式会社製のパイレンフイルム;P3
162#20と同P2241#20の2種)を製膜後2
週間放置したものを酢酸エチルで洗浄処理して表層に部
分的に形成された添加物層を除去し、該洗浄処理したフ
イルム面に、金属アルミニウムを蒸着して厚さ250
Å、500Å、750Åの各厚さで金属アルミニウム蒸
着薄膜層を形成した蒸着体を得、この得られた蒸着体を
10cm×10cmの大きさに裁断し、超音波洗浄機に
大量の酢酸エチルと共に入れ、超音波をかけたが各厚さ
の蒸着体、2種フイルム共に、2分後においても、金属
アルミニウム蒸着薄膜層が殆ど剥離しなかった。
済みの厚さ20ミクロンの延伸ポリプロピレンフイルム
を酢酸エチルで洗浄処理して表層に形成された添加物層
を除去し、該洗浄処理したフイルム面に、金属アルミニ
ウムを蒸着して厚さ250Å、500Å、750Åの各
厚さで金属アルミニウム蒸着薄膜層を形成した蒸着体を
得、この得られた蒸着体を10cm×10cmの大きさ
に裁断し、超音波洗浄機に大量の酢酸エチルと共に入
れ、超音波をかけたが各厚さの蒸着体の2種フイルム共
に、2分後においても、金属アルミニウム蒸着薄膜層が
殆ど剥離しなかった。
形成された添加物層を除去した延伸ポリプロピレンフイ
ルム2種の表面に(使用面も参考例1記載と同じ)、金
属アルミニウムを蒸着して厚さ250Å、500Å、7
50Åの各厚さで金属アルミニウム蒸着薄膜層を形成し
た蒸着体を得、この蒸着体を60℃で36時間エージン
グした。エージング後の蒸着体を5%延伸し金属アルミ
ニウム蒸着薄膜層にクラックを生じさせた後、10cm
×10cmの大きさに裁断し、ケロシンを満たした容器
に入れ、ゆっくりと攪拌すると、各厚さの蒸着体、2種
フイルム共に、数秒で大半の(面積で約85%の)金属
アルミニウム蒸着薄膜層が剥離した。さらに該容器内で
超音波処理を実行したところ、各厚さの一辺の最大大き
さが平均で5〜50μm程度の特殊光輝性の美麗な金属
箔粉を得ることができた。
膜層からなる箔粉を得るに際し、無機蒸着薄膜層が基材
であるポリオレフィンフイルムから容易に剥離すること
ができ且つ異物としての混入物の少ないしかも異物の除
去の簡単な金属箔粉を経済的に得ることができ、得られ
た無機箔粉を使用することで、インク、塗料等の被覆材
に金属光輝性または各種の機能を付与し得、紙や布帛や
フイルム等への印刷、塗布、自動車の外装、壁材等の建
具の外装、化粧品容器等の容器外装等に使用でき、家
具、化粧品、筆記具、日用品、通信機器、電気製品、繊
維製品、装身具等の外装および充填による機能付与に使
用し得ることができた。
Claims (4)
- 【請求項1】ポリオレフィンフイルム(A)の面上に、
厚さが0.005μm〜3μmの無機蒸着薄膜層(C)
を設け、該無機蒸着薄膜層(C)を剥離し、剥離された
層(C)を破砕する無機箔粉の製造方法において、該ポ
リオレフィンフイルム(A)に予め含有保持せしめられ
た添加物(B)の層を、およびまたは該同一添加物
(B)の層を、剥離層としてポリオレフィンフイルム
(A)の面と無機蒸着薄膜層(C)との間に形成せしめ
ることを特徴とする無機箔粉の製造方法。 - 【請求項2】無機蒸着薄膜層(C)がアルミニウム、
銀、金、ニッケル、クロム、錫、銅、亜鉛、インジウ
ム、チタン、マグネシウムの単体金属又はこれらの合金
およびそれらの混合物の少なくとも一種からなる請求項
1記載の無機箔粉の製造方法。 - 【請求項3】無機蒸着薄膜層(C)がアルミニウム、
錫、インジウム、チタン、ケイ素、亜鉛、マグネシウム
の酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、ハロゲン化物の単
体化合物または複合化合物の少なくとも一種からなる請
求項1記載の無機箔粉の製造方法。 - 【請求項4】請求項1から3に記載の製造方法によって
製造された、厚さが0.005μm〜3μm、大きさが
平均2μm〜150μmであることを特徴とする無機箔
粉。
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