JP2003290813A - 圧延機の圧延油供給装置 - Google Patents

圧延機の圧延油供給装置

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JP2003290813A
JP2003290813A JP2002093868A JP2002093868A JP2003290813A JP 2003290813 A JP2003290813 A JP 2003290813A JP 2002093868 A JP2002093868 A JP 2002093868A JP 2002093868 A JP2002093868 A JP 2002093868A JP 2003290813 A JP2003290813 A JP 2003290813A
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rolling oil
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Toshihiro Kaneko
智弘 金子
Yasuhiro Yamada
恭裕 山田
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延油付着効率を高めることができると共
に、潤滑不足に起因する鋼帯表面欠陥の発生を防止しで
き、圧延油使用量を削減することが可能な圧延機の圧延
油供給装置を提供する。 【解決手段】 直接方式の圧延油供給システムを採用し
た圧延機の圧延油供給装置であって、圧延油を噴射する
ノズルを円形状の噴射口を有するノズルとし、かつ上流
側の塗油領域により塗油される部分と、下流側の塗油領
域により塗油される部分とにより鋼帯を入側塗油部長さ
だけ移動させたとき、鋼帯が幅方向全面に亘って塗油さ
れるように圧延油を噴射するノズルを配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接方式の圧延機
の圧延油供給装置に関し、特にブリキ原板や亜鉛メッキ
原板等の極薄鋼帯を高速で冷間圧延する圧延機に用いて
好適な直接方式の圧延機の圧延油供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブリキ原板や亜鉛メッキ原板等の極薄鋼
帯の冷間圧延には、普通、圧延機を複数タンデムに配置
した冷間タンデム圧延機が用いられる。このような圧延
機には、直接方式と呼ばれる直接方式の圧延油供給シス
テムが採用されていることがある。直接方式の圧延油供
給システムは、図8(a)に示すように、一般に鋼帯3
と作業ロール4、4’との間の潤滑を行うための圧延油
を噴射するノズル2、2’と、冷間圧延された鋼帯3と
作業ロール4、4’とを冷却する冷却水を噴射するノズ
ル7、7’とが配置され、圧延油と冷却水とが別に供給
されるように構成されている。なお、圧延油を噴射する
ノズル2、2’はそれぞれ鋼帯3の幅方向に沿って複数
配置されている。
【0003】図8(a)中符号1A、1B、1A’、1B’は圧
延油を供給するヘッダであり、ヘッダ1A、1B、1A’、1
B’にはその長手方向に沿って圧延油を噴射するノズル
がそれぞれ複数取り付けられている。図8(b)には、
上方のヘッダ1Aに取り付けられているノズル2について
示したが、その他のヘッダ1B、1A’、1B’も同様な矩形
状の噴出口を有するノズルが取り付けられている。矩形
状の噴出口を有するノズルは、フラットスプレー型ノズ
ルと呼ばれるもので、ノズル2、2’から噴射される圧
延油の塗油領域11A 、11B における寸法α、βおよび角
度θ等が適宜となるように(図9参照)圧延機の入側に
ノズル2、2’が配置されている。図9中符号11A 、11
B はそれぞれ鋼帯3の長手方向に隣接するノズルから噴
射される圧延油の鋼帯3表面での塗油領域(一部鋼帯3
の幅方向延長平面)である。矢印9は鋼帯3の幅方向で
あり、矢印10は鋼帯3の進行方向である。
【0004】このような直接方式の圧延油供給システム
を採用した圧延機は、鋼帯3を圧延する作業ロール4、
4’と作業ロール4、4’をバックアップする補強ロー
ル5、5’とを有し、高速で冷間圧延を行うことが可能
なように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような直接方式の
圧延油供給システムを採用した圧延油供給装置では、冷
間圧延時、圧延機の入側近傍に配置された複数のノズル
2、2’から圧延油を噴射し、鋼帯3の潤滑を行いつ
つ、圧延機の出側近傍に配置された複数のノズル7、
7’から冷却水を噴射し、作業ロール4、4’と圧延さ
れた鋼帯3を冷却するようにしている。その際、圧延油
は、ヘッダに送られる前に予め希釈水と混合され、エマ
ルションとしてヘッダ1A、1B、1A’、1B’に送給され
る。
【0006】しかしながら、ノズル2、2’から噴射さ
れる圧延油はその全てが鋼帯に付着するわけではなく、
鋼帯表面の塗油領域が細長い矩形状である場合、圧延油
の付着効率が低いという現象があり、このため、従来の
圧延機の圧延油供給装置では、圧延油の供給量を増やさ
ねばならず、圧延油使用量が高水準となり、圧延油原単
位が悪化し、鋼帯の製造コストが高いという問題があっ
た。また、たとえ圧延油の供給量を増やしたとしても圧
延条件によっては鋼帯3と作業ロール4、4’との間の
潤滑が不足し、ヒートストリークと呼ばれる焼き付き現
象や鋼帯表面汚れによる鋼帯の表面品質不良が発生する
という問題があった。
【0007】本発明は上記従来技術の問題点を解消する
ことにあり、圧延油付着効率を高めることができると共
に、潤滑不足に起因する鋼帯表面欠陥の発生を防止しで
き、圧延油使用量を削減することが可能な圧延機の圧延
油供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、後述する
圧延油供給方法に関する実験から、圧延油の供給量が等
しい場合には、矩形状の噴射口を有するフラットスプレ
ー型ノズルを用い、狭い範囲に噴射するより、円形状の
噴射口を有するノズルを用い、塗油面積を広くした方が
鋼帯に対する圧延油の付着効率が向上するという知見を
得て本発明を完成させた。
【0009】本発明は以下のとおりである。 1. 鋼帯に圧延油を噴射するノズルが圧延機の入側の
上方および下方にそれぞれ複数配置され、かつ前記鋼帯
と前記圧延機の作業ロールとを冷却する冷却水を噴射す
るノズルが前記圧延機近傍の上方および下方にそれぞれ
複数配置されている直接方式の圧延油供給システムを採
用した圧延機の圧延油供給装置であって、前記圧延油を
噴射するノズルを円形状の噴射口を有するノズルとし、
かつ上流側の塗油領域により塗油される部分と、下流側
の塗油領域により塗油される部分とにより前記鋼帯を入
側塗油部長さだけ移動させたとき、前記鋼帯が幅方向全
面に亘って塗油されるように前記圧延油を噴射するノズ
ルを配置したことを特徴とする圧延機の圧延油供給装
置。 2. 前記塗油領域を前記鋼帯の長手方向に2列とする
と共に、前記塗油領域の半径をrとし、上流側、下流側
のそれぞれの列内で隣接する塗油領域の中心同士の鋼帯
幅方向間隔をαとし、上流側、下流側のそれぞれの塗油
領域の中心を通る中心線Aと中心線B間の鋼帯長手方向
間隔をβとし、2×r<α<4×r、β>√3×rとな
るようにかつ下流側の塗油領域の中心の鋼帯幅方向位置
が上流側の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向中央に位置
するように前記圧延油を噴射するノズルを配置したこと
を特徴とする上記1.に記載の圧延機の圧延油供給装
置。 3. 前記塗油領域の上流側、下流側のそれぞれの列内
で隣接する塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向間隔αを2.
2 ×r<α<2.5 ×rとなるように前記圧延油を噴射す
るノズルを配置したことを特徴とする上記2.に記載の
圧延機の圧延油供給装置。 4. 前記塗油領域を前記鋼帯の長手方向に2列とする
と共に、前記塗油領域が前記鋼帯の長手方向に長軸を有
し前記鋼帯の幅方向に短軸を有する楕円となるように、
かつ下流側の塗油領域の中心の鋼帯幅方向位置が上流側
の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向中央に位置するよう
に前記圧延油を噴射するノズルを配置したことを特徴と
する上記1.に記載の圧延機の圧延油供給装置。 5. 前記塗油領域の楕円の短軸長さをaとし、上流
側、下流側のそれぞれの列内で隣接する塗油領域の中心
同士の鋼帯幅方向間隔をαとし、2.2 ×a<α<2.5 ×
aとなるように前記圧延油を噴射するノズルを配置した
ことを特徴とする上記4.に記載の圧延機の圧延油供給
装置。
【0010】
【発明の実施の形態】先ず、圧延油を噴射するノズルと
して、矩形状の噴射口を有するフラットスプレー型ノズ
ルを用いた場合と円形状の噴射口を有するノズルを用い
た場合における圧延油の付着効率について比較した実験
結果について説明する。この実験は、実際の圧延条件に
近い試験条件で行った。すなわち、圧延油をスプレーす
る直前に鋼板を水でスプレーし、試験用鋼板表面に水膜
が残った状態で圧延油の噴射区間を移動速度300 〜400m
/minで通過させた。圧延油の付着効率は、試験前後の鋼
板の重量差から圧延油の付着重量を求め、得られた単位
面積当たりの圧延油の付着重量を単位面積当たりに噴射
された圧延油噴射量で除して算出した。この実験では、
噴射圧力(大気圧を基準とした圧力で)が0.3MPaにおけ
る圧延油噴射角度δが90〜100 °の円形状の噴射口を有
するノズルを用い、鋼帯からの距離を順次変え、塗油面
積を広くする試験を行い、圧延油の付着効率を求め、フ
ラットスプレー型ノズルの圧延油の付着効率と比較し
た。フラットスプレー型ノズルとしては、圧延機に設置
されているノズル(大気圧を基準とした噴射圧力0.3MPa
での圧延油噴射角度95°)とし、ノズルと鋼帯間の距離
を80mmとして試験を行った。この実験から、円形状の噴
射口を有するノズル(大気圧を基準とした噴射圧力0.3M
Paでの圧延油噴射角度δが90〜100 °)を用いた場合の
圧延油の付着量効率は、ノズルと鋼帯間の距離を80mmと
して塗油面積を広くしたとき、上記のフラットスプレー
型ノズルで得られた圧延油の付着量効率より向上すると
いう結果を得た。
【0011】そこで本発明では、直接方式の圧延油供給
システムを採用した圧延油供給装置の圧延油を噴射する
ノズルとして、円形状の噴射口を有するノズルを用いる
ことにした。ところで、円形状の噴射口を有するノズル
から噴射される圧延油が鋼帯表面に到達して圧延油が塗
油される塗油領域は、ノズルの噴射口の中心を通る中心
線が鋼帯面と直交する場合、円となるが、直交しない場
合、楕円となることがある(図10参照)。以下説明する
第1実施の形態の装置では、塗油領域が円となるよう
に、第2実施の形態の装置では、塗油領域が楕円となる
ように、上記の円形状の噴射口を有するノズルを配置し
た。
【0012】本発明の第1実施の形態に係る圧延機の圧
延油供給装置について図1〜6を用いて説明する。図1
(a)は、第1実施の形態に係る圧延油供給装置の概略
構成図であり、図1(b)は、それに用いた圧延油を噴
射するノズル8の概略配置図である。第1実施の形態に
係る圧延油供給装置では、圧延機の入側の上方および下
方にそれぞれ2列、圧延油を噴射するノズル8、8’が
ノズル8、8’から噴射される圧延油の鋼帯表面での塗
油領域が円形となるように、ノズルの噴射口の中心を通
る中心線が鋼帯面と直交するように配置してある。ま
た、鋼帯3と作業ロール4とを冷却する冷却水を噴射す
るノズル7、7’が圧延機の出側の上方および下方にそ
れぞれ複数配置されている。図1(a)中符号δは、円
形状の噴射口を有するノズルの圧延油噴射角度である。
【0013】なお、ヘッダ1A、1A’に取り付けられたノ
ズル8、8’が圧延機入側の上流側に配置され、ヘッダ
1B、1B’に取り付けられたノズル8、8’が下流側に配
置されている。またノズル8、8’は、いずれも円形状
の噴射口を有するノズルである(図1(b)参照)。図
2は、第1実施の形態における塗油領域を示す部分平面
図である。
【0014】圧延機入側上方の隣接するヘッダ1Aに取り
付けられたノズル8から噴射される圧延油の鋼帯表面で
の塗油領域11A (図面で上側)と、ヘッダ1Bに取り付け
られたノズル8から噴射される塗油領域11B (図面で下
側)をそれぞれ示した。符号A、Bは、隣接するノズル
列の塗油領域の中心をそれぞれ通る中心線であり、αは
同じノズル列内で隣接するノズルから噴射された圧延油
の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向間隔、βは隣接する
ノズル列の中心線Aと中心線B間の鋼帯長手方向間隔で
ある。また、γは鋼帯の長手方向に隣接するノズルから
噴射された圧延油の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向間
隔である。矢印9は鋼帯3の幅方向であり、矢印10は鋼
帯3の進行方向である。
【0015】ここで、Fは鋼帯を入側塗油部長さだけ移
動させたときの、上流側の塗油領域により塗油される部
分と下流側の塗油領域により塗油される部分との重なり
幅である。次いで、図3に示す塗油面積最大の状態につ
いて説明する。図3は、図2の場合より、ノズル8のピ
ッチpを小さくし、塗油領域11A 同士および塗油領域11
B 同士が接触するようにすると共に、塗油領域11A に対
して鋼帯長手に隣接する塗油領域11B が接触するように
ヘッダ1Aとヘッダ1Bとの間隔を狭め、ノズル8を配置し
た場合である。この塗油領域同士が互いに接触している
状態は、α=2×r、β=√3×r、γ=rであり、鋼
帯3表面での塗油面積を最大とすることができる。
【0016】しかし、塗油領域同士が互いに接触してい
る状態では、圧延油の噴射圧力が少し変動した場合で
も、塗油領域同士が重なる部分が生じ、ノズルから噴射
される圧延油が互いに干渉し合う。ノズルから噴射され
る圧延油が互いに干渉し合うようになると、塗油領域同
士が重なる部分における圧延油の付着効率が低下するた
め、圧延油の供給量を増大させなければならず、圧延油
使用量が増えてしまうため、塗油領域同士が重ならない
ようにすることが好ましい。
【0017】このため、α>2×r、β>√3×r、γ
>rとなるように、圧延油を噴射するノズル8、8’を
配置することが好ましい。先に説明した図2は、上流側
のノズルのピッチと下流側のノズルのピッチを共に同じ
値pとし、鋼帯3の幅方向にp/2ピッチだけずらせ、圧
延機の入側の上方および下方にそれぞれ隣接してノズル
8を配置する際、2×r<α<4×r、かつβ>√3×
rの関係を満たすようにしてある。
【0018】ノズル8のピッチpを同じノズル列内で隣
接するノズルから噴射された圧延油の塗油領域の中心同
士の鋼帯幅方向間隔αがα=2×rとなるよりも小さく
し、α<2×rとなるようにノズル8を配置した場合に
は、図4(a)に示すように塗油領域11A 同士の重なり
部20A および塗油領域11B 同士の重なり部20B が生じ
る。一方、ノズル8を取り付けたヘッダ1Aとヘッダ1Bと
の間隔を、隣接するノズル列のそれぞれの塗油領域の中
心を通る中心線Aと中心線B間の鋼帯長手方向間隔βが
β=√3×rとなるよりも狭め、ノズル8を配置した場
合には、図4(b)に示すように、塗油領域11A と塗油
領域11B との重なり部21が生じる。図4(a)中Cは、
重なり部20A 、20B の幅であり、図4(b)中Dは、重
なり部21の幅である。
【0019】図4(a)、図4(b)に示すような状態
では、ノズルから噴射される圧延油が互いに干渉し合
い、塗油領域同士が重なる部分における圧延油の付着効
率が低下するため、圧延油の供給量を増大させなければ
ならず、圧延油使用量が増えてしまう。そこで、α>2
×r、β>√3×rとなるように、ノズル8、8’を配
置することが好ましい。また、鋼帯3の幅方向の付着量
を均一にするためには、α<4×rとなるように、ノズ
ル8、8’を配置することが好ましい。
【0020】すなわち、同じノズル列内で隣接するノズ
ルから噴射された圧延油の塗油領域の中心同士の鋼帯幅
方向間隔αが4×r以上となるようにノズル8、8’を
配置した場合、図5に示すように圧延時、非塗油領域22
が生じる。圧延時、非塗油領域22が生じた場合、鋼帯3
と作業ロール4、4’との間の潤滑が不足し、ヒートス
トリークと呼ばれる焼き付き現象や鋼帯表面汚れによる
鋼帯の表面品質不良が発生する。そこでα<4×rと
し、このような鋼帯の表面品質不良を防止することが好
ましい。図5中Eは鋼帯を入側塗油部長さだけ移動させ
たときの、非塗油領域鋼帯22の幅である。
【0021】隣接するノズル列のそれぞれの塗油領域の
中心を通る中心線Aと中心線B間の鋼帯長手方向間隔β
の上限は、ノズル8を配置する圧延機入側の塗油部スペ
ース長さにより決められる。ところで、本発明に用いる
円形状の噴射口を有するノズル(大気圧を基準とした噴
射圧力0.1 〜1.0MPaでの圧延油噴射角度δが40〜120
°)は、ノズル8、8’と鋼帯間の距離を50〜400 mmと
して圧延機の入側に配置し、従来の矩形状の噴射口を有
するノズルの場合よりも塗油面積を広くし、圧延油の付
着量効率が高くなるようにする。
【0022】直接方式を採用した圧延機では、冷間圧延
時、圧延機の入側の上方および下方にそれぞれ複数配置
されたノズル8、8’から鋼帯3と作業ロール4、4’
との間の潤滑を行うための圧延油を噴射しつつ、圧延機
の出側の上方および下方にそれぞれ複数配置されている
ノズル7、7’から冷間圧延された鋼帯3と作業ロール
4、4’とを冷却する冷却水を噴射して冷間圧延を行
う。その際、第1実施の形態に係る圧延油供給装置よれ
ば、圧延油を噴射するノズルを円形状の噴射口を有する
ノズルとし、かつ圧延機の入側塗油部において上流側の
塗油領域により塗油された部分と、下流側の塗油領域に
より塗油された部分とにより鋼帯が幅方向に亘って塗油
されるように圧延油を噴射するノズルを配置したので、
圧延油付着効率を高めることができると共に、潤滑不足
による鋼帯の表面欠陥発生を防止し、圧延油使用量を削
減することができる。好ましくは、該ノズルから噴射さ
れた圧延油の塗油領域同士が重ならないように配置す
る。
【0023】ここで、圧延油を噴射するノズル8、8’
は、同じノズル列内で隣接するノズルから噴射された圧
延油の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向間隔αが2.2 ×
r<α<2.5 ×rとなるように配置するのがさらに好ま
しい。この理由は、同列内で隣接する塗油領域の中心同
士の鋼帯幅方向間隔αが2.2 ×r<α<2.5 ×rとなる
ように圧延油を噴射するノズル8、8’を配置した場合
には、2×r<α<4×rとなるように圧延油を噴射す
るノズル8、8’を配置した場合より、同列内の塗油領
域11A 同士および塗油領域11B 同士の鋼帯幅方向間隔が
適正となり、上流側の塗油領域11A により塗油された部
分と下流側の塗油領域11B により塗油された部分との重
なり幅F(図2参照)を適正にすることができ、鋼帯の
幅方向における圧延油の付着量をより均一にすることが
できるからである。
【0024】なお、第1実施の形態に係る圧延油供給装
置では、圧延油を噴射するノズルを図6に示すように左
右の接続管を介して圧延油を供給するように構成したヘ
ッダ1A、1Bに取り付け、圧延機入側の上方および下方に
それぞれ配置するようにしてもよい。また第1実施の形
態では、圧延油を噴射するノズル8、8' を圧延機の入
側の上方および下方にそれぞれ2列配置するとして説明
したが、3列以上とすることもできる。圧延機の形式も
図1に示したものに限定されない。
【0025】続いて第2実施の形態に係る圧延油供給装
置について、図7を用いて説明する。図7は、圧延機入
側上方のノズル8の配置を示す(a)は概略側面図、
(b)は概略正面図である。図7には図示を省略した
が、説明するまでもなく圧延機の入側の下方(図面で鋼
帯3の下方)には図7に示す配列と同様な圧延油を噴射
するノズル8’が配置されている。
【0026】第2実施の形態に用いる圧延油供給装置
は、圧延油を噴射するノズル8を1本のヘッダ7に所定
角度2ζだけ交互にずらせてピッチpで並べて取り付
け、圧延機の入側の上方および下方にそれぞれ配置した
ものである。図7(a)中ζはノズル噴射口中心を通る
直線と鋼帯3の垂直方向とのなす角度である。この場
合、ノズル噴射口中心を通る直線が鋼帯3の垂直方向か
ら角度ζだけ鋼帯3の長手方向上流側、もしくは下流側
に傾斜しているため、塗油領域が鋼帯3の長手方向に長
軸を有し、鋼帯3の幅方向に短軸を有する楕円となる
(図10参照)。
【0027】第2実施の形態に係る圧延油供給装置にお
いても、圧延油を噴射するノズル8、8’を第1実施の
形態に係る圧延油供給装置の場合と同様に、ノズル8、
8’から噴射された圧延油の塗油領域同士が重ならない
ように、かつ圧延機の入側塗油部において上流側の塗油
領域により塗油された部分と、下流側の塗油領域により
塗油された部分とにより鋼帯が幅方向に亘って塗油され
るように配置する。その際、塗油領域が楕円であるの
で、楕円の短軸長さをaとし、上流側、下流側のそれぞ
れの列内で隣接する塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向間
隔をαとし、2.2×a<α<2.5 ×aとなるように圧延
油を噴射するノズル8、8’を配置するのが好ましい。
この理由は、第1の形態に係る圧延油供給装置おいて説
明した理由と同じである。その他の第2実施の形態に係
る圧延油供給装置における作用、効果は第1実施の形態
に係る圧延油供給装置と同じであるので説明を省略す
る。
【0028】
【実施例】厚み0.1 〜0.6 mmの極薄鋼帯の冷間圧延を圧
延速度50〜2800m/min で行うことのできる直接方式の圧
延油供給システムを採用した6スタンド冷間タンデム圧
延機に本発明発明を適用した。圧延油を噴射するノズル
は、円形状の噴射口を有するノズル(大気圧を基準とし
た噴射圧力が0.3MPaにおける圧延油噴射角度60°)のも
のを使用し、第1から第6スタンドの圧延機の入側の上
方、下方にそれぞれ2列、図1に示すように配置した。
その際、図2に示すr=52mm、α=3.4 ×rmm、β=2
×rmm、γ=1.7 ×rmmとなるようにヘッダに取り付
け、配置した。但し、鋼帯からの距離を90mmとした。
【0029】このような圧延油供給装置を用い、圧延油
の噴射圧力(大気圧を基準とした圧力を30MPa 、ノズル
一個当たり圧延油噴射量を0.2 g/min(ノズル一個当た
りの噴射流量1g/min×圧延油の濃度を20mass/%)とし
て冷間圧延を行った。この結果、従来のフラット型スプ
レーを用いた場合(圧延油噴射量が平均0.2 g/min)よ
り、圧延油の付着効率を20%高めることができるように
なり、潤滑不足による鋼帯の表面欠陥発生が2%減少
し、また圧延油原単位を15%削減することができた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、各ノズルから噴射され
る圧延油を互いに干渉することがないので、圧延油の付
着効率を高めることができると共に、潤滑不足に起因す
る鋼帯表面欠陥の発生を防止しでき、圧延油の噴射量を
少なくすることができる。この結果、圧延油使用量を削
減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は第1実施の形態に係る圧延機の圧
延油供給装置の概略構成図であり、図1(b)は図1
(a)に示すノズルの概略配置図である。
【図2】図2は、第1実施の形態における塗油領域を示
す部分平面図である。
【図3】図3は、塗油面積最大の状態を示す部分平面図
である。
【図4】図4(a)、(b)は、塗油領域が重なってい
る状態を示す部分平面図である。
【図5】図5は、圧延時の非塗油領域を示す部分平面図
である。
【図6】図6は、第1実施の形態に用いる他のヘッダを
示す概略図である。
【図7】図7は、第2実施の形態におけるノズル配置を
示す(a)は概略側面図、(b)は概略正面図である。
【図8】図8(a)は、従来の圧延機の圧延油供給装置
の概略構成図であり、図8(b)は図8(a)に示すノ
ズルの概略図である。
【図9】図9は、従来の圧延機の圧延油供給装置の塗油
領域を示す部分平面図である。
【図10】図10は、ノズル噴射口から円錐面状に噴射され
る圧延油が鋼帯に到達した際の鋼帯面上の塗布領域の外
形形状を示した説明図である。
【符号の説明】
1A、1B、1A’、1B’ ヘッダ 2、2’、7、7’、8、8’ ノズル p ノズルのピッチ 3 鋼帯 4、4’ 作業ロール 5、5’ 補強ロール 6、6’ ヘッダ 9、10、12 矢印 11A 、11B 鋼帯上の塗油領域 θ 塗油領域の長手方向と鋼帯の幅方向とのなす角度 δ 圧延油噴射角度 ζ 噴射口の中心を通る中心線と鋼帯の垂直方向とのな
す角度 r 塗油領域の半径 A、B 隣接するノズル列のそれぞれの塗油領域の中心
を通る中心線 α 隣接するノズル列の同列内で隣接する塗油領域の中
心同士の鋼帯幅方向間隔 β 隣接するノズル列のそれぞれの塗油領域の中心を通
る中心線Aと中心線B間の鋼帯長手方向間隔 γ 上流側の塗油領域の中心と下流側の塗油領域の中心
との鋼帯幅方向間隔 20A 、20B 上流側、下流側の同列内で隣接する塗油領
域の重なり部 21 上流側と下流側の塗油領域の重なり部 22 鋼帯を入側塗油部長さだけ移動させたときの、非塗
油領域 C 重なり部20A 、20B の幅 D 重なり部21の幅 E 領域22の幅 F 鋼帯を入側塗油部長さだけ移動させたときの、上流
側の塗油領域により塗油される部分と下流側の塗油領域
により塗油される部分との重なり幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯に圧延油を噴射するノズルが圧延機
    の入側の上方および下方にそれぞれ複数配置され、かつ
    前記鋼帯と前記圧延機の作業ロールとを冷却する冷却水
    を噴射するノズルが前記圧延機近傍の上方および下方に
    それぞれ複数配置されている直接方式の圧延油供給シス
    テムを採用した圧延機の圧延油供給装置であって、前記
    圧延油を噴射するノズルを円形状の噴射口を有するノズ
    ルとし、かつ上流側の塗油領域により塗油される部分
    と、下流側の塗油領域により塗油される部分とにより前
    記鋼帯を入側塗油部長さだけ移動させたとき、前記鋼帯
    が幅方向全面に亘って塗油されるように前記圧延油を噴
    射するノズルを配置したことを特徴とする圧延機の圧延
    油供給装置。
  2. 【請求項2】 前記塗油領域を前記鋼帯の長手方向に2
    列とすると共に、前記塗油領域の半径をrとし、上流
    側、下流側のそれぞれの列内で隣接する塗油領域の中心
    同士の鋼帯幅方向間隔をαとし、上流側、下流側のそれ
    ぞれの塗油領域の中心を通る中心線Aと中心線B間の鋼
    帯長手方向間隔をβとし、2×r<α<4×r、β>√
    3×rとなるようにかつ下流側の塗油領域の中心の鋼帯
    幅方向位置が上流側の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向
    中央に位置するように前記圧延油を噴射するノズルを配
    置したことを特徴とする請求項1に記載の圧延機の圧延
    油供給装置。
  3. 【請求項3】 前記塗油領域の上流側、下流側のそれぞ
    れの列内で隣接する塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向間
    隔αを2.2 ×r<α<2.5 ×rとなるように前記圧延油
    を噴射するノズルを配置したことを特徴とする請求項2
    に記載の圧延機の圧延油供給装置。
  4. 【請求項4】 前記塗油領域を前記鋼帯の長手方向に2
    列とすると共に、前記塗油領域が前記鋼帯の長手方向に
    長軸を有し前記鋼帯の幅方向に短軸を有する楕円となる
    ように、かつ下流側の塗油領域の中心の鋼帯幅方向位置
    が上流側の塗油領域の中心同士の鋼帯幅方向中央に位置
    するように前記圧延油を噴射するノズルを配置したこと
    を特徴とする請求項1に記載の圧延機の圧延油供給装
    置。
  5. 【請求項5】 前記塗油領域の楕円の短軸長さをaと
    し、上流側、下流側のそれぞれの列内で隣接する塗油領
    域の中心同士の鋼帯幅方向間隔をαとし、2.2×a<α
    <2.5 ×aとなるように前記圧延油を噴射するノズルを
    配置したことを特徴とする請求項4に記載の圧延機の圧
    延油供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114054500A (zh) * 2021-11-11 2022-02-18 南通开发区升阳金属制品有限公司 一种高碳钢高强细丝制备方法

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