JP2003289984A - 椅 子 - Google Patents

椅 子

Info

Publication number
JP2003289984A
JP2003289984A JP2002095943A JP2002095943A JP2003289984A JP 2003289984 A JP2003289984 A JP 2003289984A JP 2002095943 A JP2002095943 A JP 2002095943A JP 2002095943 A JP2002095943 A JP 2002095943A JP 2003289984 A JP2003289984 A JP 2003289984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
backrest
chair
support
fixed
supported
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002095943A
Other languages
English (en)
Inventor
Yojiro Kinoshita
洋二郎 木下
Nobuyuki Ueda
伸行 上田
Toshiyuki Horiki
敏幸 堀木
Toru Aoyanagi
徹 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokuyo Co Ltd
Takano Co Ltd
Original Assignee
Kokuyo Co Ltd
Takano Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokuyo Co Ltd, Takano Co Ltd filed Critical Kokuyo Co Ltd
Priority to JP2002095943A priority Critical patent/JP2003289984A/ja
Priority to CN 02153588 priority patent/CN1248625C/zh
Priority to US10/340,638 priority patent/US7134722B2/en
Priority to DE10304840A priority patent/DE10304840A1/de
Publication of JP2003289984A publication Critical patent/JP2003289984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Chairs Characterized By Structure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡素な構造で、背凭れの形状を変化させ得る椅
子を提供する。 【解決手段】背凭れ7を具備するものにおいて、背凭れ
7を変形可能に構成するとともに、背凭れ7の下端部を
一定方向へスライド可能に支持する背凭れ受部材54
と、そのスライド位置を選択して固定するための操作レ
バーK1とを設け、操作レバーK1の操作位置に応じ
て、背凭れ7を変形させ得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易な構成を通じ
てその座り心地を有効に向上させた椅子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】椅子において、その座り心地の良否は、
身体に与える影響、執務効率等に与える影響の極めて大
きいファクターであり、椅子の基本機能として最も重視
されるところである。このため、従来より、背凭れ傾
動、背座ロッキング、ランバーサポート等々、種々の機
構を通じて、座り心地を向上させるための追求が多角的
になされ、椅子の高機能化が進んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このうち、
ランバーサポート機能に着目すると、従来のランバーサ
ポートのなかには、サポート位置を調節できるようにし
たものがある。人の腰の位置や座り方などは、性別や年
齢、体格などの個体差によって異なるため、このように
ランバーサポート位置を調整できることは、画一的に生
産される椅子を様々な利用者に適合させる上で極めて有
用なものとなる。
【0004】しかしながら、機能的には優れていても、
従来考えられている機構は、例えば背凭れ内部にランバ
ーサポート部材を可動状態で埋め込み、これを外部から
操作可能として、内部のランバーサポート部材で背凭れ
を押し、背凭れ面を突没させるといった複雑なものであ
る。
【0005】このため、背凭れが厚肉で、機構部品の増
加を許容できるような椅子であるならばまだしも、簡易
形の椅子においては到底採用し難いものとなっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、主と
して簡易形の椅子にこのような機能を持ち込むために、
椅子の背凭れを変形可能に構成するとともに、該背凭れ
の少なくとも上端部若しくは下端部の何れか一方を一定
方向へスライド可能に支持する背凭れ支持部と、そのス
ライド位置を選択して固定するための操作部とを設け、
この操作部の操作位置に応じて、背凭れを変形させ得る
ようにしたものである。
【0007】背凭れの変形はそれ自体の撓み変形等を利
用すればよい。その場合に、撓みを惹起させる部位、す
なわち、背凭れの全体における位置・大きさ・範囲は、
変形させる目的・用途や、背凭れの素材の性質等に応じ
て種々に設定することができる。
【0008】このようなものであれば、背凭れに弾性等
を付与し、背凭れ支持部に背凭れの一部をスライド構造
の下に支持させるだけであるので、簡素な構成とするこ
とができる。特に、背凭れに弾性を付与すると、背凭れ
の接触感や使用感が同時に高められるので、背凭れの接
触感や使用感を確保するために別途新たな構造を持ち込
む必要がない。したがって、本発明によれば、背凭れが
背凭れとして成立するための構成と背凭れが変形するた
めに必要な構造とを効率良く両立させて実現することが
できる。
【0009】具体的な実施の態様としては、以下のよう
なものを挙げることができる。
【0010】1)背凭れの上端部を水平軸回りに回転可
能に支持した上で、背凭れの下端部を背凭れ下支持部に
よってスライド可能に支持し、かつ下操作部によってそ
のスライド位置を選択して固定し得るようにしているも
の。
【0011】2)背凭れの下端部を背凭れ下支持部によ
ってスライド可能に支持し、かつ下操作部によってその
スライド位置を選択して固定し得るようにするととも
に、背凭れの上端部を背凭れ上支持部によってスライド
可能に支持し、かつ上操作部によってそのスライド位置
を選択して固定し得るようにしているもの。
【0012】3)背凭れの上端部を固定した上で、背凭
れの下端部を背凭れ下支持部によってスライド可能に支
持し、かつ下操作部によってそのスライド位置を選択し
て固定し得るようにしているもの。この固定には、強固
に固定する態様のほか、ある程度がたつきを許容した状
態で固定する態様のもの(例えばピボット止めのような
もの)も含まれる。
【0013】4)背凭れの下端部を水平軸回りに回転可
能に支持した上で、背凭れの上端部を背凭れ上支持部に
よってスライド可能に支持し、かつ上操作部によってそ
のスライド位置を選択して固定し得るようにしているも
の。
【0014】5)背凭れの下端部を固定した上で、背凭
れの上端部を背凭れ上支持部によってスライド可能に支
持し、かつ上操作部によってそのスライド位置を選択し
て固定し得るようにしているもの。この固定の意味は、
上記3におけると同様である。
【0015】以上において、一定方向へのスライド動作
は、直線に沿った動作、円弧に沿った動作の何れであっ
ても構わない。
【0016】背凭れの好適な変形の態様としては、操作
部の操作位置に応じて、ランバーサポート部の位置を前
後方向に突没させるもの、ランバーサポート部の位置を
前後かつ上下方向に突没させるものが挙げられる。
【0017】或いは、背凭れの変形の態様は、操作部の
操作位置に応じて、背凭れのS字状をなす湾曲形状(ラ
ンバーサポート部の形状変化を伴うものを含む)を滑ら
かに変形させるものであってもよい。
【0018】また、以上の構成を好適に実現するための
背凭れの構造としては、当該背凭れを、背と接触する位
置にあって変形可能な背凭れ本体と、背フレームに取り
付けられて前記背凭れ本体の背面側の一部を支持する背
凭れ補強部とから構成し、背凭れ本体のうち、背凭れ補
強部に支持されていない部位を変形させるようにしてい
るものが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を、
図面を参照して説明する。
【0020】この実施形態の椅子Cは、図1〜図3に示
すように、構造体としての基盤をなすその椅子本体1
が、脚2と、この脚2の上端側に取り付けた支持基部3
と、前部を前記支持基部3に支持させた座受4と、基端
を前記支持基部3に取り付け中間部に前記座受4の後部
を支持させた背フレーム5とから構成されるもので、こ
の椅子本体1の座受4及び背フレーム5に各々座6及び
背凭れ7を取り付けるようにしている。
【0021】先ず、椅子本体1について説明する。
【0022】脚2は、5本の脚羽根21の中央から支柱
22を立ち上げた構造をなし、支柱22は昇降可能であ
って内部に図示しないガススプリング機構を組み込んで
いる。
【0023】支持基部3は、前記支柱22の上端部に回
転可能に取り付けたもので、図4に示すように、前方に
水平に延びその一部に支柱22を上下方向に貫通させて
なる底壁31と、この底壁31の前端から斜め前方に傾
斜して立ち上がる前壁32と、これら底壁31及び前壁
32の周囲より起立して前記底壁31及び前壁32とと
もに内側に上方に開口する機構部収納空間を形成する側
壁33とよりなる概略舟形をなす。この支持基部3は、
その側壁33の前部に、それぞれ背向する方向に軸心を
一致させて前座受取付軸34を一体突設或いは外付けで
きるようになっている。またこの支持基部3は、その底
壁上方を横断する位置に、左右の側壁33間に亘って背
取付軸35を貫通させている。
【0024】座受4は、その平面図を図5、支持基部3
に取り付けた状態の斜視図を図6に示すように、前記支
持基部3上に位置し、一定間隔を保って前後に平行に延
びる縦フレーム41と、これら縦フレーム41の前端近
傍部間及び後端近傍部間を連結する位置に横架した横フ
レーム42とを具備する概略井桁状をなす。各々の縦フ
レーム41の前端近傍部には、前後方向に延びる長孔4
11が対応づけて設けてあり、各々の長孔411に前記
支持基部3の前座受取付軸34の端部を同長孔411に
沿ってスライド移動可能に挿入している。
【0025】背フレーム5は、図2、図3、図9等に示
すように、概略L字形に屈曲する一対の背フレーム要素
51と、これらの背フレーム要素51の上端近傍部間を
一定の間隙を保って連結する連結部材52とを具備する
もので、一対の背フレーム要素51間に、当該背フレー
ム51の基端51aと屈曲部位51bとの間で図4及び
図6に示す後座受取付軸53を架設することができるよ
うにしている。そして、各々の背フレーム要素51の基
端51aを前記支持基部3の背取付軸35に回転可能に
取り付け、背フレーム要素51間に架設した後座受取付
軸53に座受4の縦フレーム41の後部を取り付けてい
る。
【0026】上記の構成によって、この椅子本体1は、
図4に示すように、支持基部3の前座受取付軸34を座
受4の長孔411の後端側に位置づけ背フレーム5が起
き上がった図中実線で示す状態において椅子Cに通常使
用姿勢を与え、支持基部3の前座受取付軸34を座受4
の長孔411の前端側に位置づけ背フレーム5が後傾し
た図中想像線に示す状態において座受4の後端を沈み込
ませて椅子Cに安息姿勢を与え、全体としていわゆるシ
ンクロチルト機構を実現するものである。
【0027】そして、この椅子本体1は、前記シンクロ
チルト機構の一部に反力機構Hを組み込んでロッキング
装置Lを構成するとともに、そのロッキングを所定位置
に固定するロッキング固定機構E及びロッキング硬さを
調整する反力調整機構Aを当該ロッキング装置Lの構成
要素として付加している。
【0028】反力機構Hは、図4及び図6に示すよう
に、前記支持基部3の機構収納空間に後傾姿勢(略45
°)で配置され前上方端を固定リテーナH1に支持され
た一対のコイルスプリングSと、背取付軸35上にあっ
て背フレーム5の傾動動作に同期して回転する第1回転
アームH2と、この第1回転アームH2の背取付軸心か
ら偏位した位置に軸回りに取り付けた可動リテーナH3
とを具備し、この可動リテーナH3に前記コイルスプリ
ングSの後下方端を支持させて、背フレーム5の後傾動
作に伴い第1回転アームH2を介して可動リテーナH3
がコイルスプリングSを圧縮する構造になっている。な
お、図6において一対のコイルスプリングSの間にある
第1回転アームH2などは省略してある。
【0029】ロッキング位置固定機構Eは、その平面図
を図5、座受4に取り付けた状態の斜視図を図6に示す
ように、中間部よりもやや基端側を座受4に第1鉛直軸
X1回りに回転可能に取り付けた平面視扇形をなす一対
のロック板E1と、背フレーム5のロッキング動作を前
記一対のロック板E1の同期回転動作に変換する動作変
換機構E2と、ロック板E1同士を選択的に固定する操
作部E3とからなる。ロック板E1は、第1鉛直軸X1
を通る径方向断面が下向L字形をなすもので、円周上に
あって垂下した部分の集合である円筒面E1aには径方
向に開口する孔E1bが所定ピッチで円周方向の複数箇
所に亘って設けてあり、同期回転動作に伴って、各孔E
1bが両第1鉛直軸X1の軸心を結ぶ仮想直線L1上に
次々と到来して密接に対面するものである。動作変換機
構E2は、一端を前記扇形をなすロック板E1の基端に
第2鉛直軸と水平長孔との係わり合い部X2を介して接
続し、他端を支持基部3の前座受取付軸34に係わり合
わせた剛体たる連結部材E21からなるもので、ロッキ
ング動作に伴って座受4が支持基部3に対して後下方へ
移動すると、この座受4に搭載されているロック板軸支
用の第1鉛直軸X1が追従するのに対して、ロック板E
1の基端に係わり合う第2鉛直軸X2は連結部材E21
を介して支持基部3により一定位置に保持されるため、
結果的に座受4がロッキングにより沈み込むと、扇形の
ロック板E1の円筒面E1aが第1鉛直軸X1に押され
て前記係わり合い部X2の周りを後方に旋回するように
なっている。操作部E3は、前記仮想直線L1に軸心を
合致させて同軸心方向へ進退可能に配置したロックピン
E31と、基端を第3鉛直軸X3を介して座受4の横フ
レーム42に回転可能に取り付けられ先端を水平長孔と
鉛直ピンとの係わり合い部X4を介して前記ロックピン
E31に接続した第2回転アームE32と、この第2回
転アームE32を前記両ロック板E1の孔E1bに通過
させる方向に押し付けるバネ要素E4と、この第2回転
アームE32を前記バネ要素E4に抗し引き戻して前記
ロックピンE31を両ロック板E1の孔E1bから抜き
取る操作を行うロッキング位置調整操作レバーE5とか
ら構成され、ロッキング位置調整操作レバーE5は座受
4の側方の適宜位置に取り付けてある。前記バネ要素E
4と前記ロッキング位置調整操作レバーE5とは、図5
に示すワイヤE6により接続されている。
【0030】このロッキング位置固定機構Eの利点とし
ては、座受4の動きに連動させてロック板E1の外周を
より大きく振らし、この外周においてロック板E1の孔
E1bとロックピンE31との係わり合いによりロック
板E1同士を固定、ひいては座受4の動きを止めて背座
をそのロッキング位置に固定するものであるため、ロッ
ク板E1の孔E1bの間隔を比較的大きくとっても背座
のロッキング固定を比較的小刻みに行える点、第1鉛直
軸X1からロック板E1の孔E1bとロックピンE31
との係わり合いの部分までのトルクアームが当該第1鉛
直軸X1からロック板E1と連結部材E21との係わり
合い部X2までのトルクアームよりも大きいため、ロッ
クに要する力を軽減することができ、ロックピンE31
やロック板E1に剛性さえ付与すれば固定に必要な機構
自体を簡素なものにできる点、一対のロック板E1を相
互に拘束し合うことで背凭れ7のロッキング固定を行う
ため、連結部材E21以外の操作部等の要素部品を全て
座受4側に搭載することができ、座6の移動に対して操
作部を常に一定の相対位置に配置しておくことができる
点、さらには、あるロッキング状態で着座者が椅子から
離れ、反力機構Hによって背座が起き上がろうする方向
に動こうとする場合、本実施形態の構造によればロック
ピンE31がロック板E1の孔E1bからせん断方向の
押付力を受けることになるため、これによる摩擦力でロ
ックピンE31が孔E1bから抜けることが阻止され、
椅子から立ち上がっても背座が急激に起き上がることが
防止される点、そして再び着座することによって、上記
せん断方向の力が消失して改めてロック解除の操作が可
能となる点などが挙げられる。また、扇形のロック板E
1は水平面内で回転するだけであるため、薄い設計が可
能となる点、扇形のロック板E1の外周部に互いに噛み
合う歯を形成すれば、動作のズレをなくすこともできる
点なども利点として挙げられる。
【0031】反力調整機構Aは、図4に示すように、前
記コイルスプリングSの固定リテーナH1を、実際には
軸状のバックアップ部材A10によって当該固定位置に
保持するように構成した上で、このバックアップ部材A
10を一部に備え水平軸A11回りに回転可能な第3回
転アームA1と、この第3回転アームA1の前記水平軸
A11から偏位した位置においてその偏位方向と略直交
する方向からねじ結合させたグリップA21を有するね
じ要素A2とにより構成したもので、そのねじ要素A2
は支持基部3の前壁32を貫通して前壁32の外部に突
出し、その突出位置に当該グリップA21を配置してい
る。そして、グリップ操作を通じてねじ要素A21にね
じ送り動作を与えると、第3回転アームA1が水平軸A
11回りに回転して、バックアップ部材A10を介しリ
テーナH1のバックアップ位置を、コイルスプリングS
の圧縮力を増減させる方向に移動させ得るようにしてい
る。なお、第3回転アームA1とねじ要素A2とは、操
作位置に応じて交差角度が変化するため、ねじ要素A2
の先端に押さえ板A22を取り付け、第3回転アームA
1には部分円弧状の突起A12を形成して、この突起A
12を押さえ板A22により押し付けさせることで交差
角度が変化しても対応できるようにしている。
【0032】この反力調整機構Aの利点としては、コイ
ルスプリングSの長手寸法内に組み込むことができるた
め、コイルスプリングSの一端側に反力調整機構を導入
する場合に比べて、反力機構Hを含め軸方向のコンパク
ト化を図ることができる点、コイルスプリングSを後傾
姿勢(この実施形態においては略45°程度の傾斜)で
配置しているため、このコイルスプリングSを収容して
いる支持基部3の前後寸法の短寸化、ひいては座を前後
スライドさせるときの座6と支持基部3との干渉を有効
に回避して動作代を十分に確保することができる点、こ
のようにしても操作用のグリップA21は操作し易い支
持基部3の前壁に配置できる点、第3回転アームA1の
腕の長さに基づく「てこ」の作用で軽く操作できる点な
どが挙げられる。
【0033】以上の構成からなる椅子本体1に、座6及
び背凭れ7を取り付けて、本実施形態の椅子Cは完成さ
れる。
【0034】このようなものにおいて、本実施形態は、
背凭れ7を次のように構成して、背フレーム5に取り付
けている。
【0035】すなわち、この背凭れ7は、図7、図8、
及び図9に示すように、当該背凭れ7の外形を形作るロ
の字形をなす弾性材製の芯材71a及びこの芯材71a
を袋状に縫製した内部に収容してなる張地71bとから
なる背凭れ本体71と、この背凭れ本体71の上部の背
面に配置された下向きコ字形をなし剛性のある素材で作
られてなる背凭れ上部補強部材72とから構成されたも
のである。芯材71aはその上下方向中間部よりもやや
下方位置にあってランバーサポート部71xとして機能
する部分が前方に突出するような右側面視「く」の字形
に若干屈曲させて成形してある。さらに、背フレーム要
素51に、背凭れ上支持部511を形成している。この
背凭れ上支持部511にはピン挿通孔511aが設けて
あり、このピン挿通孔511aを前記背凭れ上部補強部
材72の下端部に設けたピン挿通孔72a1に合致させ
て水平ピン721を挿通し、この水平ピン721を介し
て背凭れ上部補強部材72を背凭れ上支持部511に回
転可能に接続している。一方、背凭れ7の下端部は、上
方に開口した中空筐型形状の背凭れ下支持部たる背凭れ
受部材54に支持される。背凭れ受部材54は、その左
右両端部に内向きに対面するチャネル部54xを上方に
一体に突出させており、これらのチャネル部54xの溝
に背凭れ7の対応する側縁を上下スライド可能に挿入す
るとともに、背凭れ7の下降位置において、その下端を
前記背凭れ受部材54の開口部に上方から挿入し得るよ
うにしている。前記背凭れ受部材54は、その下端側の
左右両端部に切り欠き部54aが設けられ、この切り欠
き部54aを前記背フレーム要素51の屈曲部位51b
近傍に載せ置いて固定してある。さらに、この背凭れ7
の上端部をなす背凭れ本体71の上方及び背凭れ上部補
強部材72には、共通の上張地72bを被せるようにし
ている。
【0036】すなわち、この背凭れ7は、下端部の上下
方向へのスライド位置に応じて、背凭れ7を前記背凭れ
上支持部511の水平軸であるピン511aの回りに回
転させながら、ランバーサポート部71xを、前後及び
上下方向に向かって突没させ得るものである。
【0037】そして、この突没動作は、背フレーム5の
一部に組み込んだ下操作部たる背凭れ形状調節機構Kに
よって惹起するようにしている。
【0038】この背凭れ形状調節機構Kは、図3、図
7、及び図8に示すように、一端を前記背凭れ受部材5
4の略中央部に設けた水平な固定軸Z1に固定し、他端
を前記背凭れ受部材54のチャネル部に設けたスリット
541を貫通させて、その貫通させた他端に操作グリッ
プK11を設けてなる、弾性材たる板ばねにより構成し
た操作レバーK1と、前記操作レバーK1に設けた長孔
K2と、背凭れ本体71の下端部に前記長孔K2を貫通
して設けたピンK3と、操作レバーK1の位置決めを行
うロック機構Lとを備えている。操作レバーK1を引き
上げると、前記長孔K2に前記ピンK3が突き当たり、
このピンK3から背凭れ本体71の下端部に引き上げ力
が作用し、前記背凭れ受部材54がガイドの役割を果た
して、背凭れ7の下端部が水平を保って引き上げられ
る。そして、ランバーサポート部71xとして機能する
部分が図7の実線で示す形状から想像線で示す形状に変
形する。図8において、前記背凭れ受部材54は想像線
で示している。前記ロック機構Lは、所定のピッチでロ
ック位置を変化させる適宜のラチェット構造を備えたも
ので、操作力を入力するときにロック解除し、操作力を
解除したときに板ばねの弾性を利用してロック状態に引
き込むことができるものである。なお、背凭れ本体71
の下端部には、ピンK3を取り付ける上で必要な剛性を
確保するために、必要に応じて適宜の補強金具等を付帯
させてもよい。
【0039】以上のように、本実施形態は、椅子の背凭
れ7を変形可能に構成するとともに、該背凭れ7の下端
部を一定方向へスライド可能に支持する背凭れ下支持部
たる背凭れ受部材54と、そのスライド位置を選択して
固定するための下操作部たる背凭れ形状調節機構Kとを
設け、この背凭れ形状調節機構Kの操作位置に応じて、
背凭れ7を変形させ得るようにしたものである。
【0040】このように、背凭れ7に弾性等を付与し、
背凭れ受部材54に背凭れ7の一部をスライド構造の下
に支持させるだけであるので、背凭れ7の支持構造を簡
素なものにすることができる。特に、背凭れ7に弾性を
付与すると、背凭れ7の接触感や使用感が同時に高めら
れるので、背凭れ7の接触感や使用感を確保するために
別途新たな構造を持ち込む必要がない。したがって、本
実施形態によれば、背凭れ7が背凭れとして成立するた
めの構成と背凭れ7が変形するために必要な構造とを効
率良く両立させて実現することができる。
【0041】その際、一定方向へのスライド動作を、直
線動作とし、若干後傾させた背凭れ受部材54のチャネ
ル部54xによって背凭れ7の下端部をガイドするよう
にしているため、支持構造が極めて簡素であり、操作性
も良好なものにすることができる。特に、本実施形態で
は、ランバーサポート部71xは背凭れ形状調節機構K
の調節位置に応じて前方に突出すると同時に上方へも移
動するため、例えば座6の後部のペルビックを上記調節
に伴って連動して上動するように構成されている場合に
は、着座者のランバーに対しては、ランバーサポート部
71xは相対的に前方への突出動作のみを行う場合と等
価になるため、同一人がランバーサポート位置を調整す
る場合等に有効となる。勿論、体格の違いに応じてラン
バーサポート位置をこのように変化させたいときにも有
効利用できる構成となる。
【0042】勿論、操作部の操作位置に応じて、ランバ
ーサポート部71xの位置を主として前後方向にのみ突
没させる構成とすることも有効となる。
【0043】また、本実施形態は、ランバーサポート部
71xの位置が突没する動作に伴って、背凭れ7のS字
状に湾曲するその背凭れ本体71がS字の湾曲度を滑ら
かに変化させつつ変形するものであるため、背凭れ本体
71が着座者の背に極力密着するように変形させて、バ
ックアップ領域を有効に確保した状態で使用することが
可能となる。
【0044】その際、背凭れ7を、背と接触する位置に
あって変形可能な背凭れ本体71と、背フレーム5に取
り付けられて前記背凭れ本体71の背面側の一部を支持
する背凭れ補強部材72とから構成し、背凭れ本体71
のうち、背凭れ補強部材72に支持されていない部位を
変形させるようにしているため、無理のない構造で背凭
れ7にバックアップ機能と変形機能とを付与することが
できる。
【0045】次に、本発明の第2実施形態を以下に述べ
る。なお、前記第1実施形態に対応する部材等に関して
は、同一の名称並びに符号を付している。
【0046】この実施形態に係る椅子は、全体図は省略
するが、第1実施形態に係る椅子Cと同様に、構造体と
しての基盤をなすその椅子本体1が、脚2と、この脚2
の上端側に取り付けた支持基部3と、前部を前記支持基
部3に支持させた座受4と、基端を前記支持基部3に取
り付け中間部に前記座受4の後部を支持させた背フレー
ム5とから構成されるもので、この椅子本体1の座受4
及び背フレーム5に各々座6及び背凭れ7を取り付ける
ようにしている。
【0047】椅子本体1の構成及び作用は、第1実施形
態と同様であるので、詳細な説明は省略する。この椅子
本体1に座6及び背凭れ7を取り付けて、本実施形態の
椅子は完成される。
【0048】本実施形態では、背凭れ7を次のように構
成して、背フレーム5に取り付けている。
【0049】すなわち本実施形態では、背凭れ7は、図
10及び図11に示すように、当該背凭れ7の外形を形
作るロの字形をなす弾性材製の芯材71a及びこの芯材
71aを袋状に縫製した内部に収容してなる張地71b
とからなる背凭れ本体71と、この背凭れ本体71の上
部の背面に配置された下向きコの字形をなし剛性のある
素材で作られてなる背凭れ上部補強部材72と、この背
凭れ本体71の下端部を覆う筐体状の背凭れ下部補強部
材73とを具備する。芯材71aはその上下方向中間部
よりもやや下方位置にあってランバーサポート部71x
として機能する部分が前方に突出するような右側面視
「く」の字形に若干屈曲させて成形してある。さらに、
背フレーム要素51に、背凭れ上支持部511を形成し
ている。この背凭れ上支持部511にはピン挿通孔51
1aが設けてあり、このピン挿通孔511aを前記背凭
れ上部補強部材72の下端部72aに設けたピン挿通孔
72a1に合致させて水平ピン721を挿通し、この水
平ピン721を介して背凭れ上部補強部材72を背凭れ
上支持部511に回転可能に接続している。さらに、こ
の背凭れ7の上端部をなす背凭れ本体71の上方及び背
凭れ上部補強部材72には、共通の上張地72bを被せ
るようにしている。
【0050】しかして、本実施形態では、分解斜視図を
図11、背凭れ7との接続部付近の縦断面図を図12に
それぞれ示すように、クランク機構8とガイド機構9と
によって背凭れ7の下端部をスライド可能に支持すると
ともに、前記クランク機構8によって背凭れ7の下端部
を昇降させるようにしている。すなわち、前記クランク
機構8と前記ガイド機構9とは協働して背凭れ下支持部
としての機能を果たしている。また、前記クランク機構
8は、下操作部としての機能をも果たしている。
【0051】具体的には、前記クランク機構8はクラン
ク部81と一端部に下操作部たる操作つまみ821を有
するクランクシャフト部82と一端部をクランク部81
に接続したクランクアーム部83とを具備する。このク
ランクアーム部83は、他端部を背凭れ7の下端部に接
続し、中間部の回転中心X10を中心に回転可能に構成
している。そして、前記操作つまみ821の回転操作に
よって背凭れ7の下端部を昇降させるようにしている。
なお、前記クランクアーム部83は、本実施形態では左
右に離間して1対設けられている。
【0052】より具体的には、前記クランク部81及び
クランクシャフト部82は、1本の金属棒を屈曲させて
形成している。クランクシャフト部82は、背フレーム
要素51に回転可能に支持させてあり、一端を一方の背
フレーム要素51に貫通させてある。一方、クランクア
ーム部83は、一端部に長孔831を設けてクランク部
81を挿し通すようにするとともに、回転中心X10に
も貫通孔を設けて軸部材84を貫通させている。この軸
部材84は両側の背フレーム要素51間に横架して設け
ている。
【0053】さらに、前記クランク部81の移動経路上
にこのクランク部81の移動範囲を規制するストッパ8
5(図11では省略)を設けている。このストッパ85
は、図13に示すように、樹脂等により構成された断面
視略C字状をなすもので、背フレーム要素51間に横架
して設けたストッパ台板851から起立して設けたスト
ッパ取付部材852に、開口部をクランク部81の移動
範囲に向けて取り付けている。
【0054】一方、ガイド機構9は、図12に示すよう
に、背凭れ下部補強部材73の背面に設けたスライダ9
1と、適当な位置に固定した略上下方向に延びる形状の
ガイド部材92とを具備する。そして、前記スライダ9
1と前記ガイド部材92とを常に係り合わせるようにし
て背凭れ7の下端部を平行に昇降させるようにしてい
る。本実施形態において、スライダ91は円筒状、ガイ
ド部材92は軸状のものである。
【0055】そして、背凭れ7の下端部に、この背凭れ
7の下端部と前記クランクアーム部83と接続するため
の係合部材74を設けている。一方、前記クランクアー
ム部83の前記長孔831と反端側の一端部には後方に
開放された開口部83aを設けてあり、この開口部83
aと、前記係合部材74とを係り合せている。この係合
部材74は、前記背凭れ本体71に嵌め込むように構成
してある。前記下部補強部材73の前壁にはクランクア
ーム挿入窓73aを設けてあり、このクランクアーム挿
入窓73aから前記クランクアーム部83を挿入可能に
構成している。より具体的には、前記背凭れ本体71を
構成する芯材71aの下縁近傍に前方に開口する係合部
材取付溝7x1を設けてこの係合部材取付溝7x1に前
記係合部材74を挿入するようにするとともに、この係
合部材取付溝7x1の幅方向中心部に、幅寸法が前記係
合部材取付溝7x1よりも小さく、高さ寸法及び深さ寸
法が前記係合部材取付溝7x1よりも大きいクランクア
ーム挿入穴7x2をさらに設けている。そして、前記係
合部材取付溝7x1に前記係合部材74を挿入してか
ら、前記クランクアーム挿入窓73aを前記クランクア
ーム挿入穴7x2に重合させるようにして前記下部補強
部材73を前記背凭れ本体71の下端部に取り付けるよ
うにしている。
【0056】以下に、このように構成したクランク機構
8を用いて背凭れ7の下端部を図10及び図12の実線
に示す位置から想像線に示す位置まで移動させる方法を
述べる。
【0057】前記操作つまみ821を図11の矢印xの
方向に略180度回転させると、図13に示すように、
クランク部81がクランクシャフト部82とともに、ク
ランクシャフト部82に対して上に凸になる位置からク
ランクシャフト部82に対して下に凸になる位置まで略
180度回転するとともに、長孔831とクランク部8
1との係り合いを介してクランクアーム部83が回転す
る。そして、背凭れ7の下端部に設けた係合部材74が
クランクアーム部83の開口部83aによって持ち上げ
られ、その結果、背凭れ7の下端部が図12の実線に示
す位置から想像線に示す位置までガイド機構9にガイド
され、スライドして上昇する。そして、ストッパ85が
径過的に押し開かれてこのストッパ85にクランク部8
1が収容されて保持され、背凭れ7の下端部が図12の
想像線に示す位置を保つ。
【0058】そして、背凭れ7の下端部が上昇すると、
ランバーサポート部71xとして機能する部分が前方及
び上方に突出して、背凭れ7は図10の実線で示す形状
から想像線で示す形状に変形する。
【0059】また、逆の操作を行うと、背凭れ7の下端
部は図10及び図12の想像線に示す位置から実線に示
す位置に戻る。
【0060】このように、クランク機構8によって背凭
れ7の下端部のスライド位置を図12の実線に示す位置
と想像線に示す位置との間で選択して固定することがで
きる。
【0061】以上のように、本実施形態は、椅子の背凭
れ7を変形可能に構成するとともに、該背凭れ7の下端
部を一定方向へスライド可能に協働して支持する背凭れ
下支持部たるクランク機構8及びガイド機構9と、その
スライド位置を選択して固定するための下操作部たる操
作つまみ821とを設け、この操作つまみ821の操作
位置に応じて、背凭れ7を変形させ得るようにしたもの
である。
【0062】このように、背凭れ7に弾性等を付与し、
クランク機構8及びガイド機構9に背凭れ7の下端部を
スライド可能に支持させるだけであるので、背凭れ7の
支持構造を簡素なものにすることができる。また、第1
実施形態と同様に背凭れ7に弾性を付与しているので、
背凭れ7の接触感や使用感が同時に高められ、背凭れ7
の接触感や使用感を確保するために別途新たな構造を持
ち込む必要がない。したがって、本実施形態によって
も、第1実施形態と同様に、背凭れ7が背凭れとして成
立するための構成と背凭れ7が変形するために必要な構
造とを効率良く両立させて実現することができる。
【0063】その際、一定方向へのスライド動作を、直
線動作とし、背凭れ下部補強部材73の背面側に設けた
スライダ91と、このスライダ91と常に係り合わせる
ようにし、適当な位置に固定したガイド部材92とを有
するガイド機構9によりガイドしているので、極めて簡
素な構造により背凭れ7を平行に移動させることができ
る。さらに、操作つまみ821を用いて操作を行うの
で、背凭れ7を変形させる操作をより簡単に行うことが
できる。また、特に本実施形態では、ランバーサポート
部71xはクランク機構8の操作つまみ821の位置に
応じて前方に突出すると同時に上方へも移動するため、
例えば座6の後部のペルビックを上記調節に伴って連動
して上動するように構成されている場合には、着座者の
ランバーに対しては、ランバーサポート部71xは相対
的に前方への突出動作のみを行う場合と等価になるた
め、同一人がランバーサポート位置を調整する場合等に
有効となる。勿論、体格の違いに応じてランバーサポー
ト位置をこのように変化させたいときにも有効利用でき
る構成となる。
【0064】その他、上述した第1実施形態において述
べた効果は、第2実施形態においてもすべて同様に得る
ことができる。
【0065】なお、上述した係合部材74に代えて、例
えば図14に示すような、背凭れ本体71と樹脂一体成
形して形成した係合部材75のようのものを用いてもよ
い。また、ガイド機構の構成は、上述したガイド機構9
のようにスライダ91とガイド部材92を具備するもの
に代えて、背凭れ下部補強部材の背面に略上下方向に延
びる軸状をなすスライダと、適当な位置に固定した円筒
状をなすガイド部材とを具備するものとし、前期スライ
ダと前記ガイド部材とを常に係り合わせるような構成と
してももちろんよい。
【0066】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施形態のみに限定されるものではない。
【0067】例えば、スライド動作は、種々の態様で椅
子に持ち込むことができる。すなわち、上記実施形態を
模式的に示したものが図15であり、背凭れ7の上端部
を水平軸回りに図中矢印URのように回転可能に支持し
た上で、背凭れ7の下端部を図示しない背凭れ下支持部
によって図中矢印DSのように直線スライド可能に支持
し、かつ図示しない下操作部によってそのスライド位置
を選択して固定し得るものであった。すなわち、背凭れ
7の下端部が持ち上げられると、背凭れ7が上端部との
間で圧縮されるので、その間が変形する結果、全体が前
方に膨出する。このとき、背凭れ7の上端部は、水平軸
回りに後傾方向へ回転する。逆の操作を行えば、背凭れ
は逆方向に変形する。以上のような構成のものであっ
た。
【0068】これに対して、図16に示すものは、背凭
れ7の下端部を図示しない背凭れ下支持部によって図中
矢印DSに示すように直線スライド可能に支持し、かつ
図示しない下操作部によってそのスライド位置を選択し
て固定し得るようにするとともに、背凭れ7の上端部を
図示しない背凭れ上支持部によって図中矢印USに示す
ように直線スライド可能に支持し、かつ図示しない上操
作部によってそのスライド位置を選択して固定し得るよ
うに構成したものである。この構成において、背凭れ上
支持部を固定した状態で背凭れ下支持部が持ち上げられ
た場合は、背凭れ7の上端部は動かないか若しくは若干
従動する程度で、背凭れ7が圧縮されて前方に膨出す
る。背凭れ下支持部を固定した状態で背凭れ上支持部が
押し下げられた場合は、その上下が逆の挙動となる。背
凭れ支持部の持ち上げと背凭れ上支持部の押し下げが同
時に行われた場合は、背凭れの圧縮による膨出変化に多
くを期待することができる。
【0069】さらに、図17に示すものは、背凭れ7の
上端部を背フレーム5に固定(UF)とした上で、背凭
れ7の下端部を図示しない背凭れ下支持部によって図中
矢印DSに示すように直線スライド可能に支持し、かつ
図示しない下操作部によってそのスライド位置を選択し
て固定し得るように構成したものである。この構成は、
図16の椅子の挙動のうち、背凭れ上支持部を固定して
背凭れ下支持部を持ち上げた場合と同様である。
【0070】また、図18に示すものは、背凭れ7の下
端部を図中矢印DRに示すように水平軸回りに回転可能
に支持した上で、背凭れ7の上端部を図示しない背凭れ
上支持部によって図中矢印USに示すように直線スライ
ド可能に支持し、かつ図示しない上操作部によってその
スライド位置を選択して固定し得るように構成したもの
である。この構成は、図15の椅子とは背凭れ7の挙動
が上下逆になる。
【0071】さらにまた、図19に示すものは、背凭れ
7の下端部を固定(DF)とした上で、背凭れ7の上端
部を図示しない背凭れ上支持部によって図中矢印USに
示すように直線スライド可能に支持し、かつ図示しない
上操作部によってそのスライド位置を選択して固定し得
るように構成したものである。
【0072】また、図15、図16、図17、図18の
スライド動作は直線方向にガイドする直線スライド動作
であったが、これらを円弧方向にガイドする円弧スライ
ド動作とすることもできる。図20、図21、図22、
図23は、各々図15、図16、図17、図18の直線
スライドを円弧スライドに置き換えたものを示してい
る。
【0073】さらに、上記実施形態において、背凭れは
ロの字形の芯材と袋状の張り地とで構成してあるが、適
度な弾性が得られれば、芯材を板状のものにしてもよ
い。
【0074】その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で種々変形が可能である。
【0075】例えば、図24は変形例としての反力調整
機構Fを示している。この反力調整機構Fは、コイルス
プリングSの固定リテーナH1を軸状のバックアップ部
材F10によって当該固定位置に保持するように構成し
た上で、このバックアップ部材F10を一部に備え鉛直
軸F11回りに回転可能な回転アームF1と、この回転
アームF1の前記鉛直軸F11から偏位した位置におい
てその偏位方向と略直交する方向からねじ結合させたグ
リップF21を有するねじ要素F2とにより構成したも
ので、そのねじ要素F2は支持基部3の側壁33を貫通
して側壁33の外側方に突出し、その突出位置に当該グ
リップF21を配置している。そして、グリップ操作を
通じてねじ要素F21にねじ送り動作を与えると、回転
アームF1が鉛直軸F11回りに回転して、バックアッ
プ部材F10を介しリテーナH1のバックアップ位置
を、コイルスプリングSの初期圧縮量を増減させる方向
に移動させ得るようにしているものである。
【0076】このように構成すると、支持基部3の底壁
31と直交する方向の嵩張りが抑えられるので、支持基
部3及びその周辺の薄肉化を有効に追求することが可能
となる。
【0077】
【発明の効果】本発明は、以上説明した構成であるか
ら、背凭れを簡素な構造を通じて有効に変形させること
ができ、これにより種々の目的で背凭れを変形させる必
要のある椅子、特に簡易形の椅子に好適に適用が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る椅子を示す正面
図。
【図2】同実施形態の左側面図。
【図3】同実施形態の背面図。
【図4】同実施形態の支持基部付近を拡大して示す縦断
面図。
【図5】同実施形態に係るロック機構を備えた椅子の座
受を示す平面図。
【図6】同実施形態の座受を座を取り除いた状態で示す
分解斜視図。
【図7】同実施形態における背凭れの変形動作を説明す
るための拡大側面図。
【図8】同実施形態の下操作部付近を拡大して示す図。
【図9】同実施形態の背凭れ部分を示す分解斜視図。
【図10】本発明の第2実施形態に係る椅子の背凭れの
機構及び動作を示す概念図。
【図11】同実施形態に係る椅子の背凭れの構造を示す
分解斜視図。
【図12】同実施形態に係る椅子のクランク機構を示す
概略図。
【図13】同実施形態に係る椅子のクランク機構のスト
ッパを示す概略図。
【図14】同実施形態の変形例を示す図。
【図15】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図16】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図17】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図18】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図19】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図20】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図21】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図22】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図23】本発明の変形例を模式的に示す図。
【図24】上記実施形態の変形例を示す図。
【符号の説明】
6…座 7…背凭れ 54…背凭れ受部材(背凭れ下支持部) 8…クランク機構(背凭れ下支持部、下操作部) 9…ガイド機構(背凭れ下支持部) 71x…ランバーサポート部 511…背凭れ上支持部 C…椅子 K…背凭れ形状調節機構(下操作部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 伸行 大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コ クヨ株式会社内 (72)発明者 堀木 敏幸 長野県伊那市西春近下河原5331 タカノ株 式会社家具開発部内 (72)発明者 青柳 徹 長野県伊那市西春近下河原5331 タカノ株 式会社家具開発部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背凭れを具備する椅子において、前記背凭
    れを変形可能に構成するとともに、該背凭れの少なくと
    も上端部若しくは下端部の何れか一方を一定方向へスラ
    イド可能に支持する背凭れ支持部と、そのスライド位置
    を選択して固定するための操作部とを設け、この操作部
    の操作位置に応じて、背凭れを変形させ得るようにして
    いることを特徴とする椅子。
  2. 【請求項2】背凭れの上端部を水平軸回りに回転可能に
    支持した上で、背凭れの下端部を背凭れ下支持部によっ
    てスライド可能に支持し、かつ下操作部によってそのス
    ライド位置を選択して固定し得るようにしている請求項
    1記載の椅子。
  3. 【請求項3】背凭れの下端部を背凭れ下支持部によって
    スライド可能に支持し、かつ下操作部によってそのスラ
    イド位置を選択して固定し得るようにするとともに、背
    凭れの上端部を背凭れ上支持部によってスライド可能に
    支持し、かつ上操作部によってそのスライド位置を選択
    して固定し得るようにしている請求項1記載の椅子。
  4. 【請求項4】背凭れの上端部を固定した上で、背凭れの
    下端部を背凭れ下支持部によってスライド可能に支持
    し、かつ下操作部によってそのスライド位置を選択して
    固定し得るようにしている請求項1記載の椅子。
  5. 【請求項5】背凭れの下端部を水平軸回りに回転可能に
    支持した上で、背凭れの上端部を背凭れ上支持部によっ
    てスライド可能に支持し、かつ上操作部によってそのス
    ライド位置を選択して固定し得るようにしている請求項
    1記載の椅子。
  6. 【請求項6】背凭れの下端部を固定した上で、背凭れの
    上端部を背凭れ上支持部によってスライド可能に支持
    し、かつ上操作部によってそのスライド位置を選択して
    固定し得るようにしている請求項1記載の椅子。
  7. 【請求項7】一定方向へのスライド動作が、背凭れの巾
    方向と直交する方向の直線に沿った動作である請求項1
    〜6記載の椅子。
  8. 【請求項8】一定方向へのスライド動作が、背凭れの巾
    方向と直交する面内における円弧に沿った動作である請
    求項1〜6記載の椅子。
  9. 【請求項9】背凭れは、操作部の操作位置に応じて、ラ
    ンバーサポート部の位置を前後方向に突没させながら変
    形するものである請求項1〜8記載の椅子。
  10. 【請求項10】背凭れは、操作部の操作位置に応じて、
    ランバーサポート部の位置を前後かつ上下方向に突没さ
    せながら変形するものである請求項1〜8記載の椅子。
  11. 【請求項11】背凭れは、操作部の操作位置に応じて、
    背凭れのS字状をなす湾曲形状を滑らかに変形させるも
    のである請求項1〜10記載の椅子。
  12. 【請求項12】背凭れを、背と接触する位置にあって変
    形可能な背凭れ本体と、背フレームに取り付けられて前
    記背凭れ本体の背面側の一部を支持する背凭れ補強部と
    から構成し、背凭れ本体のうち、背凭れ補強部に支持さ
    れていない部位を変形させるようにしている請求項1〜
    11記載の椅子。
JP2002095943A 2002-02-08 2002-03-29 椅 子 Pending JP2003289984A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095943A JP2003289984A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 椅 子
CN 02153588 CN1248625C (zh) 2002-03-29 2002-11-26 椅子
US10/340,638 US7134722B2 (en) 2002-02-08 2003-01-13 Chair
DE10304840A DE10304840A1 (de) 2002-02-08 2003-02-06 Stuhl

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095943A JP2003289984A (ja) 2002-03-29 2002-03-29 椅 子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003289984A true JP2003289984A (ja) 2003-10-14

Family

ID=28786198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095943A Pending JP2003289984A (ja) 2002-02-08 2002-03-29 椅 子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2003289984A (ja)
CN (1) CN1248625C (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008054887A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Itoki Corp 椅子
JP2009082525A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Kokuyo Co Ltd 椅子の背凭れ
JP2013094580A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Okamura Corp 椅子
JP2016135411A (ja) * 2011-07-15 2016-07-28 株式会社イトーキ 椅子
CN106073251A (zh) * 2016-08-05 2016-11-09 佛山职业技术学院 一种可调节姿态的办公椅机构

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6058975B2 (ja) * 2012-11-06 2017-01-11 コクヨ株式会社 椅子
CN105593058A (zh) * 2013-10-07 2016-05-18 约翰逊控制技术公司 座椅结构
US9687079B1 (en) * 2016-04-25 2017-06-27 James E. Grove Back support assembly for the back of a chair
EP3468417A4 (en) * 2016-06-11 2019-10-30 Humanscale Corporation ARTICULATED BACKING SEAT

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008054887A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Itoki Corp 椅子
JP2009082525A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Kokuyo Co Ltd 椅子の背凭れ
JP2016135411A (ja) * 2011-07-15 2016-07-28 株式会社イトーキ 椅子
JP2013094580A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Okamura Corp 椅子
CN106073251A (zh) * 2016-08-05 2016-11-09 佛山职业技术学院 一种可调节姿态的办公椅机构
CN106073251B (zh) * 2016-08-05 2023-02-28 佛山职业技术学院 一种可调节姿态的办公椅机构

Also Published As

Publication number Publication date
CN1248625C (zh) 2006-04-05
CN1448090A (zh) 2003-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100244521A1 (en) Chair
US7134722B2 (en) Chair
US9414684B2 (en) Tilting type chair
JP2004033444A (ja) 椅子
JP2003289984A (ja) 椅 子
JP2003265256A (ja) 椅 子
JP2003230457A (ja) 椅 子
JP2004049717A (ja) 椅子における背凭れ等の傾動装置
JP4025106B2 (ja) 椅子
JP4060621B2 (ja) 椅子
JP2019083956A (ja) 椅子
JP4098544B2 (ja) 椅子
JP2003230449A (ja) 椅 子
JP4078068B2 (ja) 椅子
JP2000287783A (ja) 椅 子
JP4047045B2 (ja) 椅子
JP2003310377A (ja) 椅子用ガススプリング
JP2007151738A (ja) 椅子
JP4018424B2 (ja) 椅子
JP4133427B2 (ja) 椅子
JP2004049714A (ja) 椅子における背凭れ等の傾動装置
JP4132718B2 (ja) 椅子のロッキング装置
JP2004049713A (ja) 椅子における背凭れ等の傾動装置
JP4087654B2 (ja) 椅子における背凭れ等の傾動装置
JP4036437B2 (ja) 椅子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071002

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080318