JP2003289182A - 多層配線板製造用配線基板および多層配線板 - Google Patents

多層配線板製造用配線基板および多層配線板

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JP2003289182A
JP2003289182A JP2002222502A JP2002222502A JP2003289182A JP 2003289182 A JP2003289182 A JP 2003289182A JP 2002222502 A JP2002222502 A JP 2002222502A JP 2002222502 A JP2002222502 A JP 2002222502A JP 2003289182 A JP2003289182 A JP 2003289182A
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Japan
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multilayer wiring
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layer
substrate
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Ryota Kimura
亮太 木村
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工および搬送工程における折れやしわの発
生がなく、ハンドリング性に優れた多層配線板製造用配
線基板を提供する。 【解決手段】 一方の面を金属板101または金属箔と
接して、導体回路104が絶縁層105中に埋め込ま
れ、該導体回路の金属板または金属箔と接している面と
は反対側の面上に、絶縁層を貫通して導体ポスト107
が形成され、該絶縁層および導体ポストの表面に、接着
剤層109を介して支持基材110を密着形成させた多
層配線板製造用基板111を調製し、その金属板または
金属箔をエッチングにより除去して得られる多層配線板
製造用配線基板112を、加熱乾燥し、支持基材を剥離
した後、その複数枚を重ねて積層し、多層配線板を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線板製造用
配線基板および多層配線板に関するものである。更に詳
しくは、半導体チップを搭載する多層配線板を製造する
ための、ハンドリング性に優れた多層配線板製造用配線
基板及びこれを用いた多層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短
小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには
高密度実装化が進んできており、これらの電子機器に使
用される半導体パッケージは、従来にも増して益々小型
化かつ多ピン化が進んできている。
【0003】従来の回路基板はプリント配線板と呼ば
れ、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させた積層
板からなる、ガラスエポキシ板に貼り付けられた銅箔を
パターニングした後、複数枚重ねて積層接着し、ドリル
で貫通穴を開けて、この穴の壁面に銅メッキを行ってビ
アを形成し、層間の電気接続を行った配線基板の使用が
主流であった。しかし、搭載部品の小型化、高密度化が
進み、上記の配線基板では配線密度が不足して、部品の
搭載に問題が生じるようになってきている。
【0004】このような背景により、近年、ビルドアッ
プ多層配線板が採用されている。ビルドアップ多層配線
板は、樹脂のみで構成される絶縁層と、導体とを積み重
ねながら成形される。ビア形成方法としては、従来のド
リル加工に代わって、レーザ法、プラズマ法、フォト法
等多岐にわたり、小径のビアホールを自由に配置するこ
とで、高密度化を達成するものである。層間接続部とし
ては、ブラインドビア(Blind Via)やバリー
ドビア(Buried Via:ビアを導電体で充填し
た構造)等があり、ビアの上にビアを形成するスタック
ドビアが可能な、バリードビアホールが特に注目されて
いる。バリードビアホールとしては、ビアホールをメッ
キで充填する方法と、導電性ペースト等で充填する場合
とに分けられる。一方、配線パターンを形成する方法と
して、銅箔をエッチングする方法(サブトラクティブ
法)、電解銅メッキによる方法(アディティブ法)等が
あり、配線密度の高密度化に対応可能なアディティブ法
が特に注目され始めている。
【0005】一方、近年、小型、軽量化、多ピン化およ
び高速信号伝送を実現させるために、配線の高密度化、
ビアの小径化と共に、層間絶縁層の薄膜化が求められて
おり、特に、半導体チップを搭載する多層配線板におい
ては、生産性の向上が求められている。しかしながら、
従来のビルドアップ法のような逐次積層法では、層間絶
縁層と配線を交互に形成していくため、生産性の向上が
見込めないのが現状である。
【0006】そこで、1層分の層間絶縁層と配線を予め
形成した基板(以下、多層配線板製造用配線基板と呼
ぶ)を全層分作製しておき、それらを一括積層して、多
層配線板を得る一括積層法が注目され始めている。この
ような一括積層法では、非常に薄い多層配線板製造用配
線基板の加工および搬送(ハンドリング)を行う必要が
あるため、この多層配線板製造用配線基板が製造工程中
で、折れたりしわになったりするなどの、取扱いが困難
となる問題がある。この問題は、層間絶縁層の薄膜化に
より、いっそう深刻になることが予想される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体チッ
プを搭載する多層配線板の製造上の、このような問題点
を解決すべく鋭意検討の結果なされたもので、加工およ
び搬送工程における、折れやしわの発生がなく、ハンド
リング性に優れた多層配線板製造用配線基板及びこれを
用いた多層配線板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、 1. 一方の面を金属板または金属箔と接して、導体回
路が絶縁層中に埋め込まれ、該金属板または金属箔と接
している面とは反対側の該導体回路面上に、該絶縁層を
貫通して導体ポストが形成され、該絶縁層および導体ポ
ストの表面に、接着剤層を介して支持基材を密着形成さ
せたことを特徴とする、多層配線板製造用基板、 2. 支持基材が、熱可塑性樹脂フィルムおよび熱硬化
性樹脂フィルムから選ばれた少なくとも1種類である、
第1項記載の多層配線板製造用基板、 3. 第1項または第2項記載の多層配線板製造用基板
から、金属板または金属箔をエッチングにより除去して
得られることを特徴とする、多層配線板製造用配線基
板、 4. 支持基材と接着剤層とのピール強度が0.1N/
m以上、200N/m以下である、第1項〜第3項のい
ずれかに記載の多層配線板製造用配線基板、 5. ピール強度が、加熱により調整される第4項記載
の多層配線板製造用配線基板、 6. 第1項〜第5項のいずれかに記載の多層配線板製
造用配線基板を用い、支持基材を剥離し、複数枚を積層
して得られることを特徴とする多層配線板、 7. 多層配線板製造用配線基板が、加熱して用いられ
る、第6項記載の多層配線板、 8. 加熱において、支持基材と接着剤層とのピール強
度が0.1N/m以上、200N/m以下に調整され第
7項記載の多層配線板、 を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら
限定されるものではない。
【0010】図1は、本発明の実施形態である多層配線
板製造用配線基板の製造方法の一例を説明するための図
で、図1(i)は、前記第1項、第2項、第4項および
第5項に係る多層配線板製造用基板、また図1(j)
は、前記第3項〜第5項に係る多層配線板製造用配線基
板の構造を示す断面図である。以下に、本発明の多層配
線板製造用配線基板の製造方法について詳細に説明す
る。
【0011】まず、金属板101(または金属箔:以
下、金属板と記載するが、金属箔も、本発明に含まれる
ものとする)上に、パターニングされためっきレジスト
102を形成する(図1(a))。
【0012】金属板101の材質は、この製造方法に適
するものであれば、どのようなものでも良いが、特に、
使用される薬液に対して耐性を有するものであって、最
終的にエッチングにより除去可能であることが必要であ
る。そのような金属板101の材質としては、例えば、
銅、銅合金、42合金、ニッケル等が挙げられる。特
に、銅箔、銅板、銅合金板は、電解めっき品・圧延品を
選択できるだけでなく、様々な厚みのものを容易に入手
できるため、金属板101として使用するのに好まし
い。
【0013】めっきレジスト102は、例えば、金属板
101上に紫外線感光性のドライフィルムレジストをラ
ミネートし、ネガフィルム等を用いて選択的に露光し、
その後、現像することにより形成することができる。ま
た、液状レジストをカーテンコートやロールコータで塗
布し、同様に露光・現像を行うことにより形成すること
もできる。
【0014】次に、金属板101を電解めっき用リード
(給電用電極)として、めっきレジスト102が形成さ
れていない部分に、電解めっきによりレジスト金属層1
03を形成する(図1(b))。レジスト金属層103
の材質は、この製造方法に適するものであればどのよう
なものでも良いが、特に、最終的に金属板101をエッ
チングにより除去する際に使用する薬液に対して耐性を
有することが必要である。レジスト金属層103の材質
としては、例えば、ニッケル、金、錫、銀、半田、パラ
ジウム等が挙げられる。
【0015】なお、レジスト金属層103を形成する目
的は、金属板101をエッチングする際に使用する薬液
により、図1(c)に示す導体回路104がエッチング
されるのを防ぐことである。例えば、金属板101の材
質が、銅または銅合金で、導体回路104の材質が銅の
場合には、レジスト金属層103の材質として、金を選
択するのが最も好ましい。レジスト金属層103の材質
を金にすることで、金属板101をエッチングする際に
用いる塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液等のほとんどの
エッチング液に耐性を有するだけでなく、層間接合時の
半田濡れ性を確保しやすくなる。また、レジスト金属層
103の材質として、ニッケル、錫または半田を選択す
る方法もあるが、通常の酸系のエッチング液では溶解す
るため、塩化アンモニウム溶液などのアルカリ系のエッ
チング液を使用する必要があるものの、金と比べて低コ
ストである。
【0016】一方で、金属板101をエッチングする際
に使用する薬液に対して、導体回路104が耐性を有し
ている場合は、このレジスト金属103は不要である。
また、レジスト金属層103は、導体回路104と同一
のパターンである必要はなく、金属板101上にめっき
レジスト102を形成する前に、金属板101の全面に
レジスト金属層103を形成しても良い。その場合は、
金属板101をエッチングにより除去した後、導体回路
104がエッチングされない薬液を用いて、レジスト金
属層103をエッチングする必要がある。
【0017】次に、金属板101を電解めっき用リード
(給電用電極)として、めっきレジスト102が形成さ
れていないレジスト金属層103の部分に、電解めっき
により導体回路104を形成する(図1(c))。導体
回路104の材質としては、この製造方法に適するもの
であればどのようなものでも良いが、例えば、銅、ニッ
ケル、金、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。特に、
導体回路104の材質を銅にすることで、低抵抗で安定
した導体回路104が得られる。
【0018】次に、めっきレジスト102を除去し(図
1(d))、続いて、導体回路104上に絶縁層105
を形成する(図1(e))。絶縁層105を形成する樹
脂は、この製造方法に適するものであれば、どのような
ものでも使用できる。また、絶縁層105の形成方法
は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニ
スを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接
塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネ
ート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられ
る。特に、ドライフィルムタイプの樹脂は取扱いが容易
であるだけでなく、生産性に優れる。
【0019】さらに、市販されている樹脂付銅箔(例え
ば、ビルドアップ多層配線板用)は入手が容易であり、
真空ラミネート・真空プレスにより導体回路104の凹
凸を埋め込みながら成形し、最後に銅箔をエッチングす
れば、絶縁層105の表面が導体回路104の凹凸に影
響されることなく、非常に平坦に形成することができ
る。また、絶縁層105の表面には銅箔表面の微細な粗
化形状が転写されるため、図1(i)に示す接着剤層1
09との密着性を確保することができる。
【0020】絶縁層105に用いる樹脂としては、熱可
塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれでも使用できる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサル
フィド、ポリキノリン、ポリノルボルネン、ポリベンゾ
オキサゾール、ポリベンゾイミダゾールなどの樹脂が使
用できる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ、フェノー
ル、ビスマレイミド、ビスマレイミド・トリアジン、ト
リアゾール、ポリシアヌレート、ポリイソシアヌレー
ト、ベンゾシクロブテンなどの樹脂が使用できる。これ
らの樹脂は単独で使用してもよく、複数を混合して使用
しても良い。
【0021】次に、絶縁層105の導体ポストを形成す
る位置にビア106を形成する(図1(f))。ビア1
06の形成方法は、この製造方法に適する方法であれば
どのような方法でも良く、レーザやプラズマによるドラ
イエッチング、ケミカルエッチング等が挙げられる。ま
た、絶縁層105を感光性樹脂とした場合には、絶縁層
105を選択的に感光し、現像することでビア106を
形成することもできる。レーザによる開口では、絶縁層
105が感光性・非感光性に関係なく、微細なビア10
6を容易に形成することができるので、有利である。レ
ーザとしては、エキシマレーザ、UVレーザ、炭酸ガス
レーザなどが使用できる。
【0022】次に、金属板101を電解めっき用リード
(給電用電極)として、絶縁層105のビア106が形
成された部分に、電解めっきにより導体ポスト107を
形成する(図1(g))。電解めっきにより導体ポスト
107を形成する場合には、めっき電流密度や、めっき
浴への添加剤を選択することによって、導体ポスト10
7の先端形状を平坦な形状から凸状まで自由に制御する
ことができる。導体ポスト107の材質としては、この
製造方法に適するものであればどのようなものでも良
く、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウム等
が挙げられる。特に、銅を用いることで、低抵抗で安定
した導体ポスト107が得られる。
【0023】次に、導体ポスト107の先端表面に、接
合用金属材料層108を形成する(図1(h))。接合
用金属材料層108の形成方法としては、無電解めっき
により形成する方法、金属板101を電解めっき用リー
ド(給電用電極)として電解めっきにより形成する方
法、接合用金属材料108を含有するペーストを印刷す
る方法が挙げられる。印刷による方法では、印刷用マス
クを導体ポスト107に対して精度良く位置合せする必
要があるが、無電解めっきや電解めっきによる方法で
は、導体ポスト107の表面以外に接合用金属材料10
8が形成されることがないため、導体ポスト107の微
細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解めっきに
よる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき
可能な金属が多種多様であり、また薬液の管理も容易で
あるため、非常に好適である。
【0024】接合用金属材料層108を形成する目的
は、図2(a)に示す被接続層201の、被接合部20
2と導体ポスト107とを金属接合させることである。
従って、必ずしも導体ポスト107の表面に接合用金属
材料層108を形成する必要があるわけではなく、被接
合部202の表面に形成しても構わない。また、導体ポ
スト107そのものを接合用金属材料で構成すれば、被
接合部202と導体ポスト107との金属接合は確保さ
れるわけであるから、接合用金属材料層108は不要で
ある。また、図2(a)中の多層配線板製造用配線基板
113bのレジスト金属層103bそのものを接合用金
属材料で構成すれば、当然、多層配線板製造用配線基板
113aの接合用金属材料層108aは不要となる。
【0025】以上のように、接合用金属材料層108を
形成する方法としては、導体ポスト107表面に形成
する、被接合部202表面に形成する、導体ポスト
107そのものを接合用金属材料で形成する、レジス
ト金属層103を接合用金属材料で形成する方法が挙げ
られるが、このいずれも本発明に含まれる。
【0026】接合用金属材料層108の材質としては、
被接続層201の被接合部202と金属接合可能な金属
であればどのようなものでもよく、例えば、半田が挙げ
られる。半田の中でも、SnやIn、もしくはSn、A
g、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、In、Au
の少なくとも二種からなる半田を使用することが好まし
い。より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田であ
る。
【0027】次に、支持基材110上に接着剤層109
を形成した、2層体(接着剤層109付き支持基材11
0)の接着剤層109面を、絶縁層105表面と接合用
金属材料層108表面とを覆うように密着させることに
より、本発明の第一の実施形態である多層配線板製造用
基板111を得る(図1(i))。支持基材110上へ
の接着剤層109の形成は、使用する樹脂に応じて適し
た方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バ
ーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタ
イプの樹脂を常圧ラミネート、真空ラミネート、常圧プ
レス、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられ
る。
【0028】2層体の密着方法は、常圧ラミネート、真
空ラミネート、常圧プレス、真空プレス等を用いること
ができる。接着剤層109に用いる樹脂としては、接着
機能を有するものであればどのようなものでも良いが、
特に、エポキシ、フェノール、ポリイミド、ポリアミド
イミドなど、耐熱性と絶縁性が良好な樹脂を用いること
が好ましい。また、多層配線板製造用基板111を得る
方法としては、上記の方法以外に、接着剤層109およ
び支持基板110を逐次に形成する方法が挙げられる。
即ち、接合用金属材料層108表面と絶縁層105表面
を覆うように、接着剤層109を形成し、続いて、接着
剤層109を覆うように支持基材110を密着させる方
法も用いることができる。
【0029】支持基材110の形状は、この製造方法に
適するものであれば、特にどのようなものでも良いが、
特に、フィルム状のものが取扱い容易性に優れている。
厚みは1μm以上、1000μm以下が望ましい。好ま
しくは5μm以上、500μm以下であり、より好まし
くは7μm以上、200μm以下である。フィルムの材
質にも依存するが、厚みが前記下限値未満であると、多
層配線板製造用基板にハンドリング性を付与することが
困難になる恐れがある。また、前記上限値を越えると、
多層配線板製造用配線基板に損傷を与えることなく剥離
することが困難になる恐れがある。
【0030】支持基材110の材質は、この製造方法に
適するものであれば、特にどのようなものでも良いが、
特に、使用する薬液に耐性を有し、工程中に接着剤層1
09との界面に剥離を生じず、最終的には多層配線板製
造用配線基板に損傷を与えることなく剥離が可能である
ことが必要である。その支持基材110に、好ましくは
熱可塑性樹脂フィルムおよび熱硬化性樹脂フィルムのい
ずれかを使用することができる。具体的には、ポリオレ
フィン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリカーボ
ネート系、ポリエステル系、ポリウレタン系、フェノー
ル系、アミノ系、エポキシ系、ポリイミド系、ポリサル
ホン系、ポリケトン系、シアネート系等の樹脂フィルム
が挙げられる。
【0031】これらの内、特に、線膨張係数の小さいポ
リイミド系フィルムを使用することが好ましい。また、
より安価であり、各工程後における接着剤層109との
離型性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムな
どのポリエステル系フィルムを使用することも好まし
い。また、接着剤層109との離型性に最も優れるポリ
エーテルエーテルケトン系フィルムを使用することもで
きる。
【0032】次に、上記で得た多層配線板製造用基板1
11の金属板101をエッチングにより除去して多層配
線板製造用配線基板112を得る(図1(j))。金属
板101と導体回路104との間にレジスト金属層10
3が形成されており、そのレジスト金属層103は、金
属板101をエッチングにより除去する際に使用する薬
液に対して耐性を有しているため、金属板101をエッ
チングしてもレジスト金属層103がエッチングされる
ことがなく、結果的に導体回路104がエッチングされ
ることはない。金属板101の材質が銅、レジスト金属
の材質がニッケル、錫または半田の場合、市販のアンモ
ニア系エッチング液を使用することができる。金属板1
01の材質が銅、レジスト金属層103の材質が金の場
合、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液を含め、ほとんど
のエッチング液を使用することができる。
【0033】次に、多層配線板製造用配線基板112に
おいて、支持基材110を接着剤層109から剥離し
て、多層配線板製造用配線基板113を得る(図1
(k))。この時、剥離前に加熱乾燥することが好まし
く、これにより、金属板のエッチングや大気中放置によ
って、多層配線板製造用配線基板112に含まれる水分
を除去することができる。多層配線板製造用配線基板1
12には、支持基材110があるため、多層配線板製造
用基板の折れやしわの発生を防止することができる。ま
た、支持基材110の剥離方法はどのようなものでもよ
いが、多層配線板製造用配線基板112を吸着冶具によ
り吸着固定した状態で、剥離する方法が挙げられる。多
層配線板製造用配線基板112を吸着固定しているた
め、支持基材110を剥離して得られる多層配線板製造
用配線基板113には折れやしわが発生する心配がな
い。
【0034】本発明において、多層配線板製造用配線基
板111または112の接着剤層109と支持基材11
0間のピール強度が0.1N/m以上、200N/m以
下であることが、より好ましい。この調整により、支持
基材110の接着剤層109からの剥離性を向上させ、
支持基材を剥離する際の折れや、しわ発生を更に防止で
きる。また、本発明においてピール強度は、浮動ローラ
ー法剥離試験(JISK6854−4)により測定され
る。
【0035】ピール強度の調整方法としては、加熱によ
る方法が挙げられ、加熱の温度は、接着剤層109の種
類、支持基材110の種類によって異なるが、加熱温度
が高すぎて接着剤層109の硬化が進み、前記ピール強
度の上限値を越えてしまわない温度であることが必要で
ある。ピール強度の上限値を越えると、支持基材110
の剥離性が悪化する。また、加熱温度が低すぎても、本
発明のピール強度の減少は見られず、水分の除去の効果
も少なくなる。この加熱によるピール強度の調整は、前
述の多層配線板製造用配線基板112を加熱乾燥する工
程と同時に行うことができるため、作業工程が増加せず
好ましい。接着剤層109を形成する接着剤としては、
エポキシ樹脂接着剤が好適に挙げられ、中でもフェノー
ルノボラック/エポキシ樹脂接着剤が好ましく、例え
ば、フェノールノボラック樹脂(住友デュレズ(株)製P
R−51470、OH当量105)100gとジアリル
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製RE
−810NM、エポキシ当量220)220gを主成分
とした接着剤が挙げられる。この接着剤を用いた場合、
接着剤層109と支持基材110間のピール強度調整に
おいて、加熱温度は50℃以上、200℃以下が好まし
い。より好ましくは70℃以上、160℃以下である。
【0036】続いて、図2により、多層配線板の製造方
法(一括積層方式)について詳細に説明する。図2
(a)〜(b)に示す工程は、図1(k)に示された多
層配線板製造用配線基板113を使用した、多層配線板
の製造方法を説明するための図であり、図2(b)は得
られる多層配線板の構造を示す断面図である。多層配線
板製造用配線基板113は、多層配線板の製造時に加熱
を行い水分除去して用いると良い。また、この加熱工程
において、前記ピール強度を調整しても良い。
【0037】まず、多層配線板製造用配線基板113a
〜113dと、被接続層201とを位置合わせする(図
2(a))。位置合わせは、多層配線板製造用配線基板
113a〜113dおよび被接続層201に予め形成さ
れている位置決めマークを、画像認識装置により読み取
り位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合
わせする方法等を用いることができる。なお、図2
(a)では、被接続層201として、多層配線板203
にリジッド性を持たせるために用いる、FR−4等のコ
ア基板を使用する例を示しているが、被接続層201の
材質や構造は何ら限定されるものではない。
【0038】最後に、多層配線板製造用配線基板113
a〜113dおよび被接続層201を、一括して加熱・
加圧して、全層の接合用金属材料層を一括して溶融さ
せ、層間接続を行い多層配線板203を得る(図2
(b))。加熱・加圧する方法としては、例えば真空プ
レスを用いて、接合用金属材料層108が接着剤層10
9を排除して、被接合部202と導体ポスト107と
を、接合用金属材料層108により金属接合するまで加
熱・加圧し、さらに接着剤層109を硬化させて、多層
配線板製造用配線基板113a〜113dと被接続層2
01とを接着する方法が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0040】本発明の多層配線板製造用配線基板の製造
方法によって製造された多層配線板製造用配線基板から
の支持基材の剥離性を確認するため、多層配線板製造用
配線基板を製造し、ピール強度試験を行った。これによ
る、実施例の評価結果は、まとめて表1に示した。
【0041】[接着剤ワニスの製造]フェノールノボラッ
ク樹脂(住友デュレズ(株)製、PR−53647、OH
当量106)105gと、ジアリルビスフェノールA型
エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、RE−810NM、エ
ポキシ当量220)220gおよびフェノキシ樹脂(東
都化成(株)製、YP−70)215gを、メチルエチ
ルケトン480gに溶解し、接着剤ワニスを作製した。
【0042】[多層配線板製造用配線基板の製造]表面を
粗化処理した150μm厚の圧延銅板(金属板101・
古川電気工業製、EFTEC−64T)に、ドライフィ
ルムレジスト(旭化成製、AQ−2058)をロールラ
ミネートし、所定のネガフィルムを用いて露光・現像
し、導体回路(導体回路104)の形成に必要なめっき
レジスト(めっきレジスト102)を形成した。次に、
圧延銅板を電解めっき用リードとして、金(レジスト金
属層103)を電解めっきにより形成し、さらに電解銅
めっきすることにより、導体回路を形成した。導体回路
は、線幅/線間/厚み=40μm/40μm/10μm
とした。次に、樹脂付銅箔(住友ベークライト製、AP
L)を真空ラミネートにより、導体回路の凹凸を埋め込
みながら成形し、表面の銅箔を全面エッチングして、2
5μm厚の絶縁層(絶縁層105)を形成した。
【0043】次に、45μm径のビア(ビア106)
を、UV−YAGレーザにより形成し、ビア内部および
周辺の加工残渣を、超音波を併用したウエットデスミア
処理によって洗浄除去した。続いて、圧延銅板を電解め
っき用リードとして、電解銅めっきすることにより、ビ
アを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト107)を形成
した。この時、ビアを充填した銅ポストの先端が凸状に
なるように、めっき電流密度を4A/dm2にコントロ
ールして、めっきを行った。また、凸状の先端部分が絶
縁層の表面から5μm突出するまで、めっきを行った。
次に、圧延銅板を電解めっき用リードとして、銅ポスト
上に、Sn−Pb共晶半田(接合用金属材料108)
を、電解めっきにより、厚み5μmとなるよう形成し
た。銅ポストの先端部分が凸状になっているため、Sn
−Pb共晶半田表面も凸状になっている。次に、バーコ
ートにより、上記で得た接着剤ワニスを、ポリイミドフ
ィルム(鐘淵化学工業製、アピカル25NPI)に塗布
後、80℃で20分乾燥し、10μm厚の接着剤層を形
成し、この接着剤層面を絶縁層の表面、すなわちSn−
Pb共晶半田にロールラミネートすることで、接着剤層
(接着剤層109)および、支持基材(支持基材11
0)を形成した。次に、塩化第二銅溶液を用いて、銅板
をエッチングにより除去した。これまでの工程により、
多層配線板製造用配線基板(多層配線板製造用配線基板
112)を得た。
【0044】[ピール強度試験]上記で得られた多層配線
板製造用配線基板の、接着剤層と支持基材のピール強度
試験は、JIS K 6854−4に記載の、浮動ロー
ラー法剥離試験により、行った。サンプルの作製は、上
記の多層配線板製造用配線基板を、所定温度、時間で加
熱を行った後、多層配線板製造用配線基板の導体回路側
とエポキシ樹脂積層板を、両面テープで張り合わせるこ
とにより、行った。これにより得られたサンプルのピー
ル強度試験を、精密万能試験機(エー・アンド・ディ
製、TENSILON STM−T−50)を用いて行
った。各サンプルのピール強度試験の結果を、まとめて
表1に示した。なお、ピール強度が200N/mより大
きく、400N/m以下である場合、剥離試験後の支持
基材の一部に接着剤層が残存していることが確認され
た。また、400N/m以上である場合、接着剤層の残
存量が多く、支持基材が剥離不能である部分も存在し
た。
【0045】
【表1】 表1は各サンプルのピール強度を示す。○は、0.1N
/m以上、200N/m以下、△は、200N/mより
大きく、400N/m以下、×は、400N/mより大
きいことを示す。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、(1)多層配線板製造
用基板、および多層配線板製造用配線基板の加工工程中
における折れやしわを防止でき、(2)多層配線板製造
用配線基板のハンドリング性を向上でき、(3)金属板
のエッチング時に接着剤層が汚染されるのを防止でき、
(4)エッチング工程での支持基材と接着剤層の密着は
保たれ、(5)寸法挙動の安定した支持基材を用いるこ
とにより、多層配線板製造用配線基板の寸法安定性が期
待できる。また、これらの多層配線板製造用基板を用い
た多層配線板は、生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である、多層配線板製造用配
線基板の製造方法の一例を説明するための断面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態である多層配線板製造用配線
基板を用いた場合の、多層配線板の製造方法(一括積層
方式)の一例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
101:金属板 102:めっきレジスト 103、103b:レジスト金属 104:導体回路 105:絶縁層 106:ビア 107、107b:導体ポスト 108、108a、108b:接合用金属材料 109、109b:接着剤層 110:支持基材 111:多層配線板製造用基板 112、113、113a、113b、113c、11
3d:多層配線板製造用配線基板 201:被接続層 202:被接合部 203:多層配線板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面を金属板または金属箔と接し
    て、導体回路が絶縁層中に埋め込まれ、該金属板または
    金属箔と接している面とは反対側の該導体回路面上に、
    該絶縁層を貫通して導体ポストが形成され、該絶縁層お
    よび導体ポストの表面に、接着剤層を介して支持基材を
    密着形成させたことを特徴とする、多層配線板製造用基
    板。
  2. 【請求項2】 支持基材が、熱可塑性樹脂フィルムおよ
    び熱硬化性樹脂フィルムから選ばれた少なくとも1種類
    である請求項1記載の多層配線板製造用基板。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の多層配線
    板製造用基板から、金属板または金属箔をエッチングに
    より除去して得られることを特徴とする、多層配線板製
    造用配線基板。
  4. 【請求項4】 支持基材と接着剤層とのピール強度が
    0.1N/m以上、200N/m以下である、請求項1
    〜3のいずれかに記載の多層配線板製造用配線基板。
  5. 【請求項5】 ピール強度が、加熱により調整される請
    求項4記載の多層配線板製造用配線基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の多層配
    線板製造用配線基板を用い、支持基材を剥離し、複数枚
    を積層して得られることを特徴とする多層配線板。
  7. 【請求項7】 多層配線板製造用配線基板が、加熱して
    用いられる、請求項6記載の多層配線板。
  8. 【請求項8】 加熱において、支持基材と接着剤層との
    ピール強度が0.1N/m以上、200N/m以下に調
    整される請求項7記載の多層配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7537668B2 (en) 2004-07-21 2009-05-26 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method of fabricating high density printed circuit board

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