JP2003286756A - 屋根の支持用梁構造 - Google Patents
屋根の支持用梁構造Info
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Abstract
も該屋根を簡単な構造により安定して確実に支持するこ
とができる屋根の支持用梁構造を得る。 【解決手段】 屋根頂部から軒部に向けて形成された傾
斜面をもつ屋根を支持する小屋組みを、一対の傾斜部に
よって全体がほぼ山形形状を呈する第1の登り梁1と、
水平部と一対の傾斜部とによって全体がほぼ台形形状を
呈する少なくとも2本の第2の登り梁2とによって構成
する。第1の登り梁とその両側に位置するように第2の
登り梁とを、建物躯体Pの相対向する側壁部P2,P4
の上端間にそれぞれの両端を支持させるように掛け渡し
て設ける。建物躯体を構成する残りの側壁部P1,P3
と第2の登り梁との間、および各登り梁間に、該登り梁
とは直交する方向に掛け渡した状態で複数の補助梁3,
4を設ける。
Description
屋根を基本構造とする建築物の屋根に関し、特に屋根の
形状に合わせて形成した複数種類の登り梁によって小屋
組みを形成してなる屋根の支持用梁構造に関する。
に画一的で規格化された住宅に代わって、例えば「フリ
ースタイル」等と呼ばれる企画型のプレハブ住宅が供給
され、それに伴って外装および内装デザイン等の多様な
ニーズに合わせて様々なバリエーションのものが開発さ
れている。特に、屋根形状は、住宅のスタイルを決定づ
ける上で重要な要素であるため、現在では、陸屋根、切
妻屋根はもちろん、入母屋屋根、寄棟屋根、方形屋根
等、様々な種類のものが提供されている。
際しては、従来、現場施工のコンクリート基礎の上にユ
ニット化した床パネルを敷き込み、その上に1階および
2階の壁パネルを組み上げた後、さらに、軸組み、木組
み等をして屋根パネルを組み立てて、建築物を構築する
といった工程がとられる。
の屋根も同様に、梁、小屋、屋根と高所にて順番に組み
立てを行っており、例えば、2階壁パネルの上に梁材等
を架け渡すなどして小屋組みをした後、この上に屋根パ
ネルを敷設してこの屋根パネルを小屋屋根と一体化する
手段が採られる。
屋、屋根パネルを順番に構築していく手順が採られてい
るため、現場での作業性が悪く、また熟練した作業者が
必要になるなどコスト的にも高いものになるといった問
題点があった。特に、屋根の組立て作業は、当然のこと
ながら、建物の高所での作業となるため、その危険性が
高く、また、組立てに時間がかかるため、建物を組立中
に雨にさらす結果となり、安定した品質の確保を図るの
が難しいといった問題点があった。
って小屋組みを形成している従来の屋根においては、こ
れらの梁や小屋等の存在によって、小屋裏の収納空間を
大きくとることが難しく、小屋裏空間を十分に有効利用
することができないといった不満もあった。
特開平4−49353号公報に示すものが先に提案され
ている。この従来例の方形屋根は、屋根の頂点から四方
の軒部に向けてそれぞれ形成された傾斜面と、それぞれ
の傾斜面の相会する位置に通された4つの棟部とを備え
ている方形屋根であって、これら各傾斜面に、該傾斜面
に沿って水平に延びる水平部と、該水平部の一端より棟
部を挟んで隣接する傾斜面の傾斜方向に沿って軒部へ延
びる傾斜部とを有する登り梁をそれぞれ配設し、各登り
梁の水平部の他端を、棟部において隣接する登り梁の側
面に接合するとともに、その傾斜部の下端を、壁パネル
の上端に接合したことによって、屋根の小屋組みを構成
し、該小屋組みの上に、各傾斜面に沿って屋根パネルを
配設し屋根部としたものである。
の各傾斜面に、各傾斜面に対応する位置で水平に延びる
水平部と、隣接する傾斜面の傾斜方向に沿って軒部へ延
びる傾斜部とからなる登り梁を配設し、各登り梁の水平
部の他端を、隣接する登り梁の側面に接合するととも
に、その傾斜部の下端を、壁パネルの上端に接合するこ
とによって、方形に組まれた小屋組みを形成している。
そして、小屋裏には、該小屋裏を通る梁や小屋が一切使
用されておらず、完全に解放された空間となる。このた
め、該小屋裏空間を最大限に有効利用することができ、
小屋裏内を、天井収納庫や屋根裏部屋など、いかように
も利用することができる。
の方形屋根によれば、登り梁からなる支持用梁構造につ
いて問題を生じている。すなわち、従来の方形屋根の支
持用梁構造では、各登り梁の各端部を、隣接する登り梁
の側面と壁パネルの上端とにそれぞれ接合することか
ら、それぞれの登り梁の傾斜部の下端を壁パネルの上端
に接合させるとともに、水平部を適宜の吊り下げ手段で
浮かせた状態で支持した状態で、該水平部の他端を隣接
する登り梁の側面に接合することが必要であり、この時
に隣接する登り梁の水平部も浮かせた状態にしなければ
ならず、作業が面倒かつ煩雑で、手間がかかるという問
題があった。
うことも考えられているが、組立て後に壁パネルの上端
まで吊り上げるクレーン等が必要であり、またこの吊り
上げ状態で各登り梁の傾斜部の下端を、それぞれ壁パネ
ルの上端に接合するといった面倒な作業が必要となり、
煩雑さは避けられないものであった。また、このような
屋根の支持用梁構造においての問題は、上述した方形屋
根に限らず、寄棟屋根などにおいても同様であり、上述
したような不具合を一掃できる何らかの対策を講じるこ
とが望まれている。
れたものであり、方形屋根や寄棟屋根等を基本構造とす
る屋根の施工がきわめて簡単に行え、しかも簡単な構造
により屋根を安定した状態で確実に支持することができ
る屋根の支持用梁構造を得ることを目的としている。
ために本発明の請求項1記載の発明に係る屋根の支持用
梁構造は、屋根の頂部から軒部に向けて形成された傾斜
面をもつ屋根を、建物躯体の上端において支持するよう
に小屋組みされた屋根の支持用梁構造であって、一対を
なす傾斜部によって全体がほぼ山形形状を呈する第1の
登り梁と、水平部と一対の傾斜部とによって全体がほぼ
台形形状を呈する第2の登り梁とを備え、前記第1の登
り梁と第2の登り梁とを、建物躯体の相対向する側壁部
の上端間にそれぞれの両端を支持させるように並列に掛
け渡して設けるとともに、前記建物躯体を構成する残り
の側壁部と第2の登り梁との間、および各登り梁間に、
該登り梁とは直交する方向に掛け渡した状態で複数の補
助梁を設けたことを特徴とする。
支持用梁構造は、請求項1において、第1および第2の
登り梁と補助梁とは、前記屋根を下方から支持するよう
に該屋根の形状に合わせて枠組みされていることを特徴
とする。
支持用梁構造は、請求項1または請求項2において、第
1および第2の登り梁の両端は、建物躯体を構成する壁
パネルの上端に連結手段を介して連結されていることを
特徴とする。
支持用梁構造は、請求項1または請求項2において、第
1および第2の登り梁の両端は、建物躯体を構成する側
壁部に沿って立設されている柱部材の上端に連結手段を
介して連結されていることを特徴とする。
支持用梁構造は、請求項1、請求項2、請求項3または
請求項4において、第1、第2の登り梁と補助梁とから
なる小屋組みの上に、各傾斜面に沿って屋根パネルを配
設することにより屋根が構成され、屋根パネルは、前記
第1、第2の登り梁の上部と補助梁の上部に該梁とは非
連結状態で搭載されていることを特徴とする。
支持用梁構造は、請求項1、請求項2、請求項3、請求
項4または請求項5において、第1の登り梁を、一対の
傾斜部板状体を主体として構成し、該傾斜部板状体の連
結端を、これらの側面に配置された当て板によって連結
接合し、第2の登り梁を、水平部板状体と、その両端に
連結される一対の傾斜部板状体とを主体として構成し、
該水平部板状体の両端への各傾斜部板状体の連結端を、
これらの側面に配置された当て板によって連結接合した
ことを特徴とする。
明)によれば、第1および第2の登り梁を、建物躯体と
なる相対向する側壁部の上端間に並列に掛け渡すように
して設け、さらに残りの側壁部から第2の登り梁に、さ
らに登り梁間に補助梁を掛け渡すことにより、全体とし
て屋根を支持する形状をもつ小屋組みを形成することに
より、登り梁の両端が建物躯体側に支持されているか
ら、その上部に屋根を構成する屋根パネルを載置して
も、これを安定した状態で支持することができる支持用
梁構造を得ることができる。
載の発明)によれば、第1、第2の登り梁の両端を、建
物躯体側に支持させてから、補助梁を設けることによ
り、小屋組みを構成でき、その後に小屋組みの上の、各
傾斜面に沿って屋根パネルを配設することで屋根を構築
できるので、現場での小屋組みの作業がきわめて簡単に
行える。
れば、第1の登り梁が、一対をなす傾斜部板状体によっ
て、第2の登り梁が、水平部板状体と一対をなす傾斜部
板状体とによって形成されているので、屋根の傾斜に応
じて、適宜、傾斜部板状体の相手側への接合角度を変え
ることによって、種々の屋根形状に対応した有効適切な
屋根を提供することができる。
根の支持用梁構造の第1の実施の形態を示す。これらの
図においては、頂部から軒部に向けての傾斜面をもつ屋
根が、方形屋根である場合を、図1〜図3を用いて以下
に説明する。
うに、屋根の頂部(頂点)から軒部にかけて、前後、左
右の四方に下り勾配の屋根面(傾斜面)K1,K2,K
3,K4を持ち、かつこれらの屋根面(傾斜面)K1,
K2,K3,K4の相会する位置がそれぞれ隅部S1,
S2,S3,S4とされた奇棟構造を有する方形の屋根
である。
根パネル、すなわち第1ないし第4の屋根パネル15,
16,17,18が配設、固定されて、屋根の1つの傾
斜面K1を覆う屋根部Y1が形成されている。
ら傾斜面K1に沿って、その上端部を、後述する第1の
登り梁1の山形頂部1aの上端、その下端部を、後述す
る第2の登り梁2の水平部板状体2aの上端に載せるよ
うにして配設された2等辺3角形状のパネルである。
ル15の下部に位置し、かつ第2の登り梁2の水平部板
状体2aおよび該第2の登り梁2の屈曲部に対して壁パ
ネルPとの間に掛け渡された後述する補助梁3a,3b
をそれぞれの1辺とするようにして、屋根の傾斜面K1
に沿って前記第1の屋根パネル15と面一に配設された
4角形状のパネルである。
屋根パネル16の1側部に位置しかつ前記補助梁3aお
よびおよび棟部S4をそれぞれ1辺とするようにして該
第2の屋根パネル16と面一に配設された直角3角形状
のパネルである。
の屋根パネル16の他方の側部に位置しかつ第2の屋根
パネル16の側辺(補助梁3b)と棟部S1をそれぞれ
1辺とするようにして第2の屋根パネル16と面一に配
設された直角2角形状のパネルである。
パネル16,17,18は共に、その下側の部分が、一
線上に揃いかつ前記補助梁3a,3bの下端よりもさら
に外側に突出して軒を形成するように配慮がなされてい
る。また、第1の屋根パネル15と第2の屋根パネル1
6との接合部の下面は、前記第2の登り梁2の水平部板
状体2aの上端面に設けられた調整桁材(図示略)を介
してこの第2の登り梁2に接合されている。また、第2
ないし第4の屋根パネル16,17,18の裏面は、壁
パネルPの上端面に設けられた桁材8を介してこの壁パ
ネルPに接合されている。
17,18は、それぞれ所定の位置に配設された後、各
屋根パネル15,16,17,18の接合部において接
着、釘打ちなどの手段により接合されて、傾斜面K1を
覆う略2等辺3角形状の屋根部Y1とされている。この
ようにして、屋根の4つの傾斜面K1,K2,K3,K
4を覆う屋根部Y1,Y2,Y3,Y4が配設、固定さ
れ、さらに各屋根部Y1,Y2,Y3,Y4の側端部が
接着、釘打ちなどの手段により接合されて、図3に示す
ような方形の屋根が形成され、前記第1の登り梁1、2
本の第2の登り梁2、さらには複数本の補助梁3によっ
て組まれた小屋組み5によって支持、固定されている。
5,16,17,18は、いずれも、パネル部の周囲を
形成する4本の框材と、パネル部の長手方向に延びる複
数本の根太材によって組まれた枠体と、該枠体の上面に
貼設された合板とを主体として構成されている。該合板
の上面には、所定のルーフィング(例えばアスファルト
ルーフィング)仕上げが施され、いわゆる屋根葺きがな
された状態となっている。
を支持する小屋組み5が、図1、図4および図5に示さ
れるように、第1の登り梁1と2本の第2の登り梁2、
さらにこれら間に設けられた複数本の補助梁3とによっ
て構成している。これを詳述すると、第1の登り梁1
は、図4に示すように、2本の傾斜部板状体1b、1c
によって、全体が山形形状を呈する形状で形成され、山
形頂部1aにおいて連結されている。また、第2の登り
梁2は、水平部板状体2aと2本の傾斜部板状体2b,
2cとによって、全体が側面から見てほぼ台形形状を呈
するように連結され、それぞれの連結部において当て板
を側面に設けることにより連結されている。
6に示されるように、建物躯体Pにおいて相対向する側
壁部P2,P4の上端、ここでは壁パネル20の内側に
立設されている柱材22の上端に両端が支持されるよう
に連結されている。
梁1,2を構成する傾斜部板状体1b,1cの下端に
は、スリット23が形成され、また柱材22の上端にも
スリット22aが形成されている。そして、これらのス
リット23,22aに両端部21a,21bが差し込ま
れるほぼくの字状を呈する連結金物21により、両部材
が連結される。ここで、図示は省略したが、連結金物2
1の各端部21a,21bは、スリット23,22aに
差し込まれた状態で、ボルト・ナット等の締結部材によ
りそれぞれの部材に連結されるようになっている。
体P側との連結部としては、これに限らず、適宜の変形
例が考えられる。たとえば柱材22としては、壁パネル
20の外側に立設されているものでも、あるいは壁パネ
ル20,20間に介在させて設けられるものでもよい。
また、側壁部P1〜P4の構造によっては、それ以外の
構造を採用してもよい。要するに、建物躯体P側の側壁
部の上端に登り梁1,2の両端を支持させることができ
るものであればよい。
を設けた側壁部P2,P4とは別の側壁部P1,P3に
は、図1、図2に示すように、前記第2の登り梁2の側
面部との間に複数の補助梁3(3a,3b,3c)が登
り梁1,2と直交する方向において掛け渡されている。
また、各登り梁1,2の間にも、複数の補助梁4(4
a,4b,4c)が掛け渡されている。各補助梁3,4
の両端は、溶接あるいは締結ボルト等によって相手側に
適宜連結されている。これらの補助梁3,4は、図2に
示すように、第1、第2の登り梁1,2に対してほぼ9
0度宛回転させた位置に設けると、小屋組み全体の支持
強度を確保するうえで効果的である。
2と補助梁3,3とが、建物躯体Pの上部の所定の位置
に取付けられることで形成された小屋組み5の上には、
前記各傾斜面K1,K2,K3,K4に沿うようにして
屋根パネルが配設され、該小屋組み5を形成する登り梁
1,2によって支持、固定されている。
いて説明する。まず、現場施工のコンクリート基礎の上
に床パネルを敷き込み、その上に1階および2階の壁パ
ネル20を組み上げた後、該壁パネル20に沿って立設
した柱材22の上端部の所定の位置に、前記構成の第1
および第2の登り梁1,2を配設する。
は、躯体内側、すなわち小屋裏側から作業を行い、ま
ず、予め組み立てた第1の登り梁1、第2の登り梁2
を、建物躯体Pの上端に持ち上げ、それぞれの両端を、
側壁部P2,P4の上端側であって、所定の位置に配置
されている柱部22の上端に前記連結金物21によって
連結固定する。
いる柱部(図示せず)とそれぞれ対面している第2の登
り梁2の側面部との間に補助梁3a,3b,3cを掛け
渡して設けるとともに、第1、第2の登り梁1,2の側
面部間にも、補助梁4a,4b,4cを掛け渡して設け
る。
第2の登り梁2、それに複数本の補助梁3,4を順に所
定位置に配設しながら、それぞれを連結することによ
り、方形に組まれた小屋組み5を形成する。
の上に、屋根パネルを配設、固定する。屋根パネルとし
ては、前記構成の第1ないし第4の屋根パネル15,1
6,17,18を用い、まず、第1の屋根パネル15
を、屋根の頂点である第1の登り梁1の山形頂部1aか
ら第2の登り梁2の水平部板状体2aにかけて配設し、
その下端部を、調整桁材を介して、第1、第2の登り梁
1,2の上に接着、釘打ちなどによって固定する。ま
た、第2の屋根パネル16は、該第1の屋根パネル15
に面一に連通するようにして、第1の屋根パネル15の
下方に配設し、その上端部を、前記第2の登り梁2の水
平部板状体2aの上に同様にして固定する。
の屋根パネル16の接合部は、接着、釘打ち等の手段に
よって固定する。また、第3および第4の屋根パネル1
7,18は、それぞれ第2の屋根パネル16の両側に、
該第2の屋根パネル16と面一に連通するようにして配
設し、同様の手段により固定して、屋根部Y1を形成す
る。
2,Y3,Y4を形成し、また、各屋根部Y1,Y2,
Y3,Y4同士を、接着、釘打ち等の手段によって接合
して、屋根の四方の傾斜面K1,K2,K3,K4を覆
う方形の屋根を形成する。
3,Y4の屋根パネル15,16,17,18同士の接
合部(目地部)および、各屋根部Y1,Y2,Y3,Y
4どうしの接合部(目地部)に、止水処理を行う。止水
処理としては、該目地部を覆うようにしてルーフィング
を行う方法が採られてもよいが、予め、各屋根パネル1
5,16,17,18を構成する合板の合わせ部にホッ
トメルト系の素材からなる目地材を設けておき、各屋根
パネル15,16,17,18を組み付ける際に、前記
目地材を熱して、屋根パネル15,16,17,18の
組み付けと同時に目地材同士を接着する方法が採られて
もよい。特に、屋根の上でのルーフィング作業がなくな
る点から、後者の方法の方が好ましい。
あっては、前記のように、両端が建物躯体Pの側壁部に
連結支持されている登り梁1,2、さらにこれらの登り
梁1,2と建物躯体P側との間に掛け渡して設けている
補助梁3,4によって、小屋組み5が構成されている。
そして、このような小屋組み5の構造では、施工時にお
いて各梁1,2が、建物躯体Pの上端に安定して支持さ
れることから、作業がきわめて簡単に行え、作業の簡略
化、省力化が図れて工期短縮が望めるうえに、熟練した
作業員が不要となることからコストダウン等の効果を望
むこともできる。
ば、方形屋根を上部に載せた際に鉛直方向の荷重が作用
しても、第1および第2の登り梁1,2が、壁パネル等
の建物躯体に支持されていることから、安定して支持さ
れることになる。なお、上述した屋根パネル15〜18
は、前記登り梁1,2や補助梁3とは非連結状態とされ
て搭載され、壁パネルPの上端に周知の連結固定手段に
より水平方向にずれることが可能な状態で取り付けられ
ている。
状を呈する第1の登り梁1の両側に、台形形状を呈する
第2の登り梁2,2を2本並べて配設する場合を説明し
たが、本発明はこれに限定されない。たとえば第2の登
り梁2としては、方形屋根の大きさや重量によっては、
その支持がより一層確実になるように、複数本づつを第
1の登り梁1の両側に並設する等の変形例も考えられ
る。
第2の実施の形態を示し、これらの図において前述した
図1〜図6と同一または相当する部分には同一番号を付
して詳細な説明は省略する。
1、第2の登り梁1,2における傾斜部板状体1b,2
b;1c,2cの下端を、建物躯体P(P2,P4)の
上端に連結支持させるにあたって、受け金具41,42
(一方は図示せず)に設けた連結片41aを用い、この
連結片41aを係入させる係合溝としてのスリット43
を前記登り梁1,2の両端部に設けている。
斜部板状体1b,2b;の先端(下端)は、受け金具4
1によって、壁パネル20の上端面に、桁材8を介して
連結されている。この傾斜部板状体1bと壁パネル20
との接合構造を例に挙げて説明すると、図7に示すよう
に、板状体1bの下端部には、その端面に開口する係合
溝としてスリット43が形成されるとともに、該スリッ
ト43に連通しかつ該板状体1bの厚さ方向に貫通する
ボルト連通孔45,45が設けられている。
端部に結合された桁材8ならびに壁パネル20にそれぞ
れスクリュー釘もしくは固定ねじ等47によってねじ止
め固定されたもので、桁材8の上面に嵌め合わされるよ
うにして載置固定される支持部41bと、この支持部4
1bの内側下端より垂直に立設されて各登り梁1,2側
のスリット43に挿入される連結片41aとを主体とし
て構成されている。該連結片41aにはボルト挿通孔4
9,49が形成されており、前記板状体1b,2bに設
けられたボルト挿通孔45,45と連通した状態で、こ
れにボルト51,51が挿通され、ナット53,53で
固定することにより、前記板状体1b,2bが、該受け
金具41を介して壁パネル20の上端に取り付けられる
ようになっている。
と、相対向する側の壁パネル20との連結は、前述した
接合構造と同一のものであるので、その説明は省略す
る。このようにして、第1、第2の登り梁1,2が建物
躯体Pとなる壁パネル20の上部の所定の位置に取り付
けられ補助梁3,4によって組まれて形成された小屋組
み5の上には、前記各傾斜面K1,K2,K3,K4に
沿うようにして屋根パネルが配設され、該小屋組み5を
形成する各登り梁1,2,3,4によって支持、固定さ
れている。
躯体Pが壁パネル20で構成されている場合を示すが、
これに限らず、柱軸組構造による壁や、一般的な壁式構
造の壁の上端に、上記の登り梁1,2を接合支持させる
ように構成してもよいことは勿論である。
は、前述した実施の形態での構造や形状には限定され
ず、各部の構成部材の形状や寸法等などの具体的構成
は、適用される屋根の種類や設計要求などに応じて、種
々適宜変更可能であることは言うまでもない。たとえば
上述した実施の形態では、屋根として方形屋根を用いて
説明しているが、本発明はこれに限定されず、寄棟屋根
などであってもよい。要するに、方形屋根や寄棟屋根を
基本構造とし、屋根頂部から軒部に向かって流れるよう
に傾斜する傾斜面をもつ屋根であればよい。
ルとして4種類の屋根パネル15,16,17,18を
用い、これらの組み合わせにより、屋根の傾斜面K1,
K2,K3,K4を覆う屋根部Y1,Y2,Y3,Y4
を形成した例について述べたが、これ以外にも、屋根部
Y1,Y2,Y3,Y4を、傾斜面K1,K2,K3,
K4全面を覆う2等辺3角形状の屋根パネルによって形
成した構成とすることもできるし、さらに、これ以外の
形状、種類の屋根パネルによって屋根部Y1,Y2,Y
3,Y4を形成した構成とすることもできる。
8の配設順序や配設方法等は、前述した実施の形態には
限定されず、また、各屋根パネル15,16,17,1
8の接合方法および各屋根部Y1,Y2,Y3,Y4の
接合方法等も、前述した実施の形態に限られるものでは
ない。また、前述した実施の形態では、板状体によって
登り梁1,2や補助梁3,4を形成した例を説明した
が、これに限らず、たとえばI形鋼材を梁材として用い
たものでも、同様に適用可能であることは言うまでもな
い。
支持用梁構造によれば、第1および第2の登り梁を、建
物躯体となる相対向する側壁部の上端間に掛け渡すよう
にして設け、さらに残りの側壁部から第2の登り梁に、
さらに登り梁間に補助梁を掛け渡すことにより、全体と
して屋根を支持する形状をもつ小屋組みを形成すること
により、登り梁の両端が建物躯体側に支持されているか
ら、その上部に屋根を構成する屋根パネルを載置して
も、これを安定した状態で支持することができる支持用
梁構造を得ることができる。
梁の両端を、建物躯体側に支持させてから、補助梁を設
けることにより、小屋組みを構成でき、その後に小屋組
みの上の、各傾斜面に沿って屋根パネルを配設すること
で屋根を構築できるので、現場での小屋組みの作業がき
わめて簡単に行える。
一対をなす傾斜部板状体によって、第2の登り梁が、水
平部板状体と一対をなす傾斜部板状体とによって形成さ
れているので、屋根の傾斜に応じて、適宜、傾斜部板状
体の相手側への接合角度を変えることによって、種々の
屋根形状に対応した有効適切な屋根を提供することがで
きる。
施の形態を示し、屋根を説明するために全体を示す概略
斜視図である。
根の小屋組みを説明するための平面図である。
めの平面図である。
図である。
図である。
物躯体の側壁部上端への取付け部を分解して示す分解斜
視図である。
である。
部板状体、2…第2の登り梁、2a…水平部板状体、2
b,2c…傾斜部板状体、3a,3b,3c,4a,4
b,4c…補助梁、5…小屋組み、15,16,17,
18…屋根パネル、20…壁パネル、21…連結金物、
22…柱材、22a,23…スリット、41…受け金
具、41a…連結片、43…スリット、K1,K2,K
3,K4……傾斜面、S1,S2,S3,S4……棟
部、Y1,Y2,Y3,Y4……屋根部、P……建物躯
体、P1,P2,P3,P4…側壁部。
Claims (6)
- 【請求項1】 屋根頂部から軒部に向けて形成された傾
斜面をもつ屋根を、建物躯体の上端において支持するよ
うに小屋組みされた屋根の支持用梁構造であって、 一対をなす傾斜部によって全体がほぼ山形形状を呈する
第1の登り梁と、 水平部と一対の傾斜部とによって全体がほぼ台形形状を
呈する第2の登り梁とを備え、 前記第1の登り梁と第2の登り梁とを、前記建物躯体の
相対向する側壁部の上端間にそれぞれの両端を支持させ
るように並列に掛け渡して設けるとともに、 前記建物躯体を構成する残りの側壁部と第2の登り梁と
の間、および各登り梁間に、該登り梁とは直交する方向
に掛け渡した状態で複数の補助梁を設けたことを特徴と
する屋根の支持用梁構造。 - 【請求項2】 請求項1記載の屋根の支持用梁構造にお
いて、 前記第1および第2の登り梁と補助梁とは、前記屋根を
下方から支持するように該屋根の形状に合わせて枠組み
されていることを特徴とする屋根の支持用梁構造。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の屋根の支
持用梁構造において、 前記第1および第2の登り梁の両端は、建物躯体を構成
する壁パネルの上端に連結手段を介して連結されている
ことを特徴とする屋根の支持用梁構造。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の屋根の支
持用梁構造において、 前記第1および第2の登り梁の両端は、建物躯体を構成
する側壁部に沿って立設されている柱部材の上端に連結
手段を介して連結されていることを特徴とする屋根の支
持用梁構造。 - 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
求項4記載の屋根の支持用梁構造において、 前記第1、第2の登り梁と補助梁とからなる小屋組みの
上に、各傾斜面に沿って屋根パネルを配設することによ
り屋根が構成され、 前記屋根パネルは、前記第1、第2の登り梁の上部と補
助梁の上部に該梁とは非連結状態で搭載されていること
を特徴とする屋根の支持用梁構造。 - 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4または請求項5記載の屋根の支持用梁構造において、 前記第1の登り梁を、一対の傾斜部板状体を主体として
構成し、該傾斜部板状体の連結端を、これらの側面に配
置された当て板によって連結接合し、 前記第2の登り梁を、水平部板状体と、その両端に連結
される一対の傾斜部板状体とを主体として構成し、該水
平部板状体の両端への各傾斜部板状体の連結端を、これ
らの側面に配置された当て板によって連結接合したこと
を特徴とする屋根の支持用梁構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002090211A JP2003286756A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 屋根の支持用梁構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002090211A JP2003286756A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 屋根の支持用梁構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003286756A true JP2003286756A (ja) | 2003-10-10 |
Family
ID=29235562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002090211A Pending JP2003286756A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 屋根の支持用梁構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003286756A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013241783A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Asahi Kasei Homes Co | 建物 |
-
2002
- 2002-03-28 JP JP2002090211A patent/JP2003286756A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013241783A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Asahi Kasei Homes Co | 建物 |
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