JP2003286481A - 輝尽性蛍光体、放射線画像形成方法および放射線画像形成材料 - Google Patents

輝尽性蛍光体、放射線画像形成方法および放射線画像形成材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝尽発光強度の高い輝尽性蛍光体、および検
出量子効率の高い放射線画像形成方法と放射線画像形成
材料を提供する。 【解決手段】 下記化学組成式を有する希土類付活アル
カリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を用いる。 MIIO・aMIII 23:xEu,yLn …
(I) [MIIはMg、Ca、Sr及び/又はBaを表し;M
IIIはB、Al及び/又はGaを表し;LnはLa、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb及び/又はLuを表し;そして
a、x及びyは、0.5≦a≦5.5、1×10-6≦x
≦0.2、1×10-6≦y≦0.2の範囲内の数値を表
す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体、該
輝尽性蛍光体を利用する放射線画像形成方法、およびそ
の方法に有利に用いられる放射線画像形成材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法(放射線画
像形成方法)が知られている。この方法は、輝尽性蛍光
体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シー
ト)を利用するもので、被検体を透過した、あるいは被
検体から発せられた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に
吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線な
どの電磁波(励起光)で時系列的に励起することによ
り、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギ
ーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光
電的に読み取って電気信号を得て、得られた電気信号に
基づいて被検体あるいは被検体の放射線画像を可視像と
して再生するものである。読み取りを終えた該パネル
は、残存する画像の消去が行われた後、次の撮影のため
に備えられる。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返
し使用される。
【0003】この放射線像変換方法では、放射線写真フ
ィルムと増感紙との組合せを用いる従来の放射線写真法
の場合に比べて、情報量の豊富なデジタル放射線画像を
得ることができるという利点がある。さらに、従来の放
射線写真法では一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを
消費するのに対して、この放射線画像形成方法では放射
線像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経
済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像変換方法に用いられる放射線像変
換パネルは、基本構造として、支持体とその上に設けら
れた蛍光体層(輝尽性蛍光体層)とからなるものであ
る。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ず
しも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支
持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けら
れていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝
撃から保護している。
【0005】蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体とこれを
分散状態で含有支持する結合剤とから構成されている。
ただし、蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって形
成される結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみ
から構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍光
体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている蛍光体
層を有する放射線像変換パネルも知られている。これら
のいずれの蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX線などの放
射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を
示す性質を有するものであるから、被検体を透過したあ
るいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に
比例して放射線像変換パネルの蛍光体層に吸収され、パ
ネルには被検体あるいは被検体の放射線画像が放射線エ
ネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上
記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出さ
せることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って
電気信号に変換することにより、放射線エネルギーの蓄
積像を画像化することが可能となる。
【0006】放射線像変換方法は上述したように数々の
優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられ
る放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度で
あってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を
与えるものであることが望まれている。
【0007】上記放射線像変換方法において、これまで
数々の輝尽性蛍光体が提案され、実用化されてきたが、
いずれの輝尽性蛍光体も放射線を直接吸収してそのエネ
ルギーを蓄積するものであった。言い換えれば、放射線
を吸収する蛍光体がエネルギーを蓄積する蛍光体を兼ね
ているため、蛍光体を選択する際に、放射線吸収性の高
さを充分に考慮して最適な蛍光体を選ぶことができなか
った。従って、これまでに提案または実用化された輝尽
性蛍光体は、必ずしもその放射線吸収が充分に満足でき
るレベルの蛍光体であるとは言えなかった。
【0008】また、放射線像変換方法用の輝尽性蛍光体
として希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系
蛍光体がよく知られているが、この蛍光体は励起光で励
起されて輝尽発光を示す際の応答が、必ずしも全ての用
途に対して充分に速いわけではなく、応答性のより優れ
た輝尽性蛍光体が望まれている。ただし、ラインセンサ
読取りなどの複数の画素を同時に読み取る方式を利用す
れば、応答性が不充分でも実用上において問題とならな
い場合もある。
【0009】放射線像変換方法に用いられる輝尽性蛍光
体、すなわち放射線を吸収してそのエネルギーを蓄積す
る輝尽性蛍光体として、特開昭55−12142号公報
にはZnS系蛍光体が開示され、特開平2−692号公
報にはCaS、SrSなどアルカリ土類金属硫化物系蛍
光体が開示されている。しかしながら、これらの輝尽性
蛍光体の放射線吸収率は非常に低く、放射線を直接吸収
させる限りにおいて実用的ではない。また、これらの硫
化物系蛍光体は、化学的に不安定な面があり、実用の際
にはこの点を考慮する必要がある。
【0010】特開2001−255610号公報には、
従来の輝尽性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギ
ー蓄積機能とを分離して、少なくとも輝尽性蛍光体(エ
ネルギー蓄積性蛍光体)を含有する放射線像変換パネル
と、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍
光体(放射線吸収性蛍光体)を含有する蛍光スクリーン
との組合せを用いる放射線画像形成方法および放射線画
像形成材料が提案されている。この方法は、被検体を透
過などした放射線をまず、該スクリーンまたはパネルの
放射線吸収性蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換
した後、その光をパネルのエネルギー蓄積性蛍光体にて
放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、このパネ
ルに励起光を走査して輝尽発光光を放出させ、この輝尽
発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものであ
る。
【0011】特開2001−123162号公報には、
mMO・nAl23(ただし、MはMg、Ca、Sr、
Baからなる群から選ばれる少なくとも一つ以上の金属
元素)で表され、mとnの比が0.5≦m/n≦1であ
る化合物を母体材料とし、付活剤として、Ti、Zr、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、N
b、Mo、Ta、W、Biの遷移金属元素、および、E
u、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの希土類元素
のうちの少なくとも一つ以上の元素を、Mで表す金属元
素に対して、0.0001mol%以上20mol%以下添加
し、可視光で付活剤の電子を励起することによって記録
および読み出しを可能にした光メモリー用蛍光体が開示
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、紫外乃至
可視領域の光を吸収したのち可視乃至赤外領域の光で励
起されると輝尽発光を示す輝尽性蛍光体について検討し
た結果、特定の組成式を有する希土類付活アルカリ土類
三価金属酸化物系輝尽性蛍光体が高い輝尽発光強度を示
すことを見い出した。また、この輝尽性蛍光体は上記の
放射線画像形成方法および放射線画像形成材料のエネル
ギー蓄積性蛍光体として好ましいことを見い出し、本発
明に到達したものである。
【0013】従って、本発明は、輝尽発光強度の高い輝
尽性蛍光体を提供することにある。また、本発明は、検
出量子効率の高い放射線画像形成方法を提供することに
ある。特に本発明は、画質の高い放射線画像を与え、被
曝線量の低減が可能な放射線画像形成方法を提供する。
さらに、本発明は、高感度で、かつ化学的な安定性が高
い放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射
線画像形成材料を提供することにもある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記化学組成
式(I)を有する希土類付活アルカリ土類三価金属酸化
物系輝尽性蛍光体にある。
【0015】 MIIO・aMIII 23:xEu,yLn …(I) [ただし、MIIはMg、Ca、Sr及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表
し;MIIIはB、Al及びGaからなる群より選ばれる
少なくとも一種の三価金属を表し;LnはLa、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なく
とも一種の希土類元素を表し;そしてa、x及びyはそ
れぞれ、0.5≦a≦5.5、1×10-6≦x≦0.
2、1×10-6≦y≦0.2の範囲内の数値を表す]
【0016】本発明はまた、画像形成用の放射線を吸収
して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有
する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してその
エネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起され
ると該エネルギーを発光光として放出する上記輝尽性蛍
光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネル、および画像形成用の放射線を吸収して紫外乃至可
視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収
性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、パネルの蓄積性
蛍光体層側表面にスクリーンを密着状態となるように配
置し、パネルまたはスクリーンの側から、被検体を透過
した、被検体によって回折または散乱された、或は被検
体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線
の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させたの
ち、パネルをスクリーンより引き離し、パネルの蓄積性
蛍光体層側表面に励起光を照射して、該パネルの潜像か
ら放出される発光光を光電的に読み取って画像信号に変
換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー
分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像
形成方法にある。
【0017】本発明はまた、画像形成用放射線を吸収し
て紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有す
る放射線吸収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光ス
クリーンの間に、該発光光を吸収してそのエネルギーを
蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積さ
れたエネルギーを発光光として放出する上記輝尽性蛍光
体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネ
ルを、それぞれ密着状態で配置し、いずれか一方のスク
リーンの側から、被検体を透過した、被検体により回折
または散乱された、或は被検体から放射された放射線を
照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情
報を潜像として記録させた後、パネルを両方のスクリー
ンより引き離し、次いでパネルの表面に励起光を照射し
て、該潜像から放出される発光光を該パネルの片面もし
くは両面から光電的に読み取って画像信号に変換し、そ
して該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対
応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法
にもある。
【0018】本発明はさらに、画像形成用放射線を吸収
して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有
する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、
該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至
赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発
光光として放出する上記輝尽性蛍光体を含有する蓄積性
蛍光体層を有する放射線像変換パネルの表面に密着状態
で配置し、スクリーンもしくはパネルの側から、被検体
を透過した、被検体により回折または散乱された、或は
被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放
射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させ
た後、パネルをスクリーンより引き離し、パネルの表面
に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該
パネルの片面もしくは両面から光電的に読み取って画像
信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エ
ネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放
射線画像形成方法にもある。
【0019】本発明はまた、画像形成用放射線を吸収し
て紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有す
る放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエ
ネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて
該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する上記輝
尽性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有し、かつ蓄
積性蛍光体層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚より
も小さい放射線像変換パネルに、被検体を透過した、被
検体により回折または散乱された、或は被検体から放射
された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エ
ネルギー分布情報を潜像として記録させた後、パネルの
蓄積性蛍光体層側表面に励起光を照射して、該潜像から
放出される発光光を該パネルから光電的に読み取って画
像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的
エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる
放射線画像形成方法にもある。
【0020】さらに本発明は、上記の放射線画像形成方
法のそれぞれに用いられる放射線像変換パネルと蛍光ス
クリーンとからなる放射線画像形成材料にもある。
【0021】本発明において、放射線とは、X線、γ
線、β線、α線、紫外線などの電離放射線、および中性
子線を意味する。また一般に、紫外乃至可視領域とは2
00nm乃至600nmの波長範囲を意味し、可視乃至
赤外領域とは400nm乃至1600nmの波長範囲を
意味する。
【0022】
【発明の実施の形態】上記化学組成式(I)を有する本
発明の輝尽性蛍光体において、MIIはSrを50%(モ
ル比)以上含むことが好ましく、特にはSrからなるこ
とが好ましい。MIIIはAlを50%(モル比)以上含
むことが好ましく、特にはAlからなることが好まし
い。また、MIIIはBを含むことが好ましい。LnはS
mおよび/またはTmであることが好ましい。また、a
は1.1≦a≦3.0の範囲内の数値であることが好ま
しく、xは1×10-3≦x≦5×10-2の範囲内の数値
であることが好ましく、そしてyは1×10-4≦y≦
0.1の範囲内の数値であることが好ましい。
【0023】また、本発明の放射線画像形成方法に用い
られる放射線画像形成材料の好ましい態様を挙げる。 (1)放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含まれる
輝尽性蛍光体として、酸化物系蛍光体を用いる放射線画
像形成材料。 (2)放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、
放射線像変換パネルまたは蛍光スクリーンの放射線吸収
性蛍光体層の層厚よりも小さい放射線画像形成材料。 (3)放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、
放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの全
放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲
にある放射線画像形成材料。 (4)放射線吸収性蛍光体層に、該蛍光体層を平面方向
に沿って細分区画する隔壁が設けられている放射線画像
形成材料。
【0024】(5)放射線吸収性蛍光体層の蛍光体を針
状蛍光体結晶とし、それらを異方性を示すように配列し
た放射線画像形成材料。 (6)放射線像変換パネルの少なくともいずれかの層
が、励起光、および/または輝尽性蛍光体からの発光
光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を
吸収する着色剤により着色されている放射線画像形成材
料。すなわち、後述のラインセンサを用いて、放射線像
変換パネルから放射線画像を検出読みだしする系では、
蓄積性蛍光体層からの発光光の一部を吸収した方が、画
像の鮮鋭度の向上のために有利な場合もある。
【0025】[輝尽性蛍光体]本発明の下記化学組成式
(I)を有する希土類で共付活されたアルカリ土類三価
金属酸化物系輝尽性蛍光体は、紫外乃至可視領域の光を
吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の
光で励起されるとそのエネルギーを可視領域に発光光と
して放出する。希土類で共付活することにより、エネル
ギーが蓄積されるキャリアトラップを蛍光体中に積極的
に導入できるので、輝尽発光強度を向上させることがで
きる。
【0026】 化学組成式(I): MIIO・aMIII 23:xEu,yLn …(I) [ただし、MIIはMg、Ca、Sr及びBaからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表
し;MIIIはB、Al及びGaからなる群より選ばれる
少なくとも一種の三価金属を表し;LnはLa、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なく
とも一種の希土類元素を表し;そしてa、x及びyはそ
れぞれ、0.5≦a≦5.5、1×10-6≦x≦0.
2、1×10-6≦y≦0.2の範囲内の数値を表す]
【0027】上記輝尽性蛍光体の一種である下記組成式
(II)〜(V)を有するユーロピウム・サマリウム(ツ
リウム)付活酸化ストロンチウムアルミニウム(アルミ
ン酸ストロンチウム)蛍光体を例にとって、各含有元素
の比率と輝尽発光強度との関係を説明する。
【0028】図14は、下記組成式(II)を有する蛍光
体について、Al23の量aと輝尽発光強度(積算値)
との関係を示すグラフである。 SrO・aAl23:0.01Eu,0.001Sm …(II) 図14から、aが約0.5〜5.5の範囲にあるときに
輝尽発光を示し、特に1.1〜3.0の範囲にあるとき
に高い輝尽発光強度を示すことが分かる。
【0029】図15は、下記組成式(III)を有する蛍
光体について、Srモル比に対するEuの量xと輝尽発
光強度(積算値)との関係を示すグラフである。 SrO・1.75Al23:xEu,0.001Sm …(III) 図15から、xがおよそ0.2以下であるときに充分な
輝尽発光強度を示し、特に1×10-3〜5×10-2の範
囲にあるときに高い輝尽発光強度を示すことが分かる。
【0030】図16は、下記組成式(IV)を有する蛍光
体について、Srモル比に対するSmの量yと輝尽発光
強度(積算値)との関係を示すグラフである。 SrO・1.75Al23:0.01Eu,ySm …(IV) 図16から、yがおよそ1×10-6〜0.2の範囲にあ
るときに充分な輝尽発光強度を示し、特に1×10-4
0.1の範囲にあるときに高い輝尽発光強度を示すこと
が分かる。
【0031】図17は、下記組成式(V)を有する蛍光
体について、Srモル比に対するTmの量yと輝尽発光
強度(積算値)との関係を示すグラフである。 SrO・1.75Al23:0.01Eu,yTm …(V) 図17から、yがおよそ1×10-6〜0.2の範囲にあ
るときに充分な輝尽発光強度を示し、特に1×10-4
0.1の範囲にあるときに高い輝尽発光強度を示すこと
が分かる。
【0032】上記希土類付活アルカリ土類三価金属酸化
物系輝尽性蛍光体は、例えば以下のようにして製造する
ことができる。
【0033】蛍光体原料として、アルカリ土類金属炭酸
塩、三価金属酸化物、酸化ユーロピウム、およびユーロ
ピウム以外の希土類酸化物を用意する。これらの蛍光体
原料とホウ酸を乳鉢などを用いて混合する。さらに、所
望により輝尽発光特性の向上の目的で、アルカリ金属ハ
ロゲン化物などの化合物をアルカリ土類金属(MII)に
対して0.2モル以下の量で添加混合してもよい。
【0034】この蛍光体原料混合物をアルミナるつぼ、
白金るつぼ、石英ボートなどの耐熱性容器に充填し、電
気炉の炉芯に入れて焼成を行う。焼成温度は800〜1
700℃の範囲が適当であり、特に好ましくは1300
℃付近である。焼成雰囲気としてはカーボンの存在下で
の焼成などの弱還元性雰囲気が好ましい。焼成時間は、
混合物の充填量、焼成温度および炉からの取出し温度な
どによっても異なるが、一般には2〜6時間が適当であ
り、好ましくは3〜5時間である。
【0035】このようにして得られた蛍光体には、必要
に応じて更に粉砕、篩分けなど蛍光体の製造における各
種の一般的な操作を行ってもよい。これにより、目的の
上記化学組成式(I)で表される希土類付活アルカリ土
類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体が得られる。
【0036】[放射線画像形成材料の構成]次に、本発
明の放射線画像形成方法に用いられる放射線画像形成材
料について詳細に述べる。本発明の放射線画像形成材料
は、少なくとも蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パ
ネルと、放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーン
とから構成される組体である。放射線吸収性蛍光体層
は、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍
光体(以下、放射線吸収蛍光体と呼ぶ)を含有する層で
ある。蓄積性蛍光体層は、放射線吸収蛍光体からの発光
光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領
域の光で励起されるとその蓄積エネルギーを発光光とし
て放出する上記輝尽性蛍光体を含有する層である。な
お、蓄積性蛍光体層は、放射線を全く吸収しないわけで
はないため、その蓄積性蛍光体層が直接吸収した放射線
のエネルギーもまた、放射線画像の形成に併せて利用さ
れる。
【0037】上記の本発明の放射線画像形成材料の構成
の例を添付図面を参照しながら説明する。図1〜5はそ
れぞれ、本発明の放射線画像形成材料の構成の代表的な
例を示す概略断面図である。矢印はX線等の放射線の照
射方向である。
【0038】図1において、放射線画像形成材料10
は、フロント側の放射線像変換パネル10aとバック側
の蛍光スクリーン10bとからなる。フロント側の放射
線像変換パネル10aは順に、支持体11a、放射線吸
収性蛍光体層12a、蓄積性蛍光体層13、および保護
層14aから構成されている。また、バック側の蛍光ス
クリーン10bは順に、支持体11b、放射線吸収性蛍
光体層12b、および保護層14bから構成されてい
る。なお、フロント側に蛍光スクリーンを配置し、バッ
ク側に放射線像変換パネルを配置することもできる。
【0039】フロント側の放射線吸収性蛍光体層12a
の層厚は、一般には50乃至200μmの範囲にあり、
好ましくは100乃至150μmの範囲にある。また、
バック側の放射線吸収性蛍光体層12bの層厚は、フロ
ント側の放射線吸収性蛍光体層12aの層厚と同等もし
くはそれよりも大きいことが好ましく、一般には50乃
至300μmの範囲にあり、好ましくは100乃至25
0μmの範囲にある。ただし、放射線吸収性蛍光体層が
異方性を持つ場合には、フロント側の場合も、またバッ
ク側の場合でも、その蛍光体層の膜厚は600μm程度
の厚さ(好ましくは、500μm以下)となってもよ
い。
【0040】一方、蓄積性蛍光体層13は、紫外乃至可
視領域の光の吸収によってエネルギーが蓄積されるの
で、その層厚は薄くすることができて、一般には1乃至
50μmの範囲にあり、好ましくは5乃至20μmの範
囲にある。好ましくは、蓄積性蛍光体層13は放射線吸
収性蛍光体層12aよりも薄く、さらに好ましくは、蓄
積性蛍光体層13の層厚は、放射線吸収性蛍光体層12
aおよび12bの全層厚の0.2乃至20%の範囲にあ
る。
【0041】また、支持体11a、11bの厚さは、一
般には50乃至1000μmの範囲にあり、好ましくは
120乃至350μmの範囲にある。支持体は、炭素繊
維シートやアルミニウムシートなどの基板に付設されて
いてもよい。保護層14a、14bの層厚は、一般には
約1μm乃至20μmの範囲にあり、好ましくは3乃至
15μmの範囲にある。
【0042】図2において、放射線画像形成材料20
は、フロント側の蛍光スクリーン20b、バック側の蛍
光スクリーン20c、及びその間のセンターの放射線像
変換パネル20aからなる。フロント側スクリーン20
bは順に、支持体21b、放射線吸収性蛍光体層22
b、および保護層24bから構成されている。バック側
スクリーン20cは順に、支持体21c、放射線吸収性
蛍光体層22c、および保護層24cから構成されてい
る。センターパネル20aは順に、保護層24a、蓄積
性蛍光体層23、および保護層24’aから構成されて
いる。
【0043】図3において、放射線画像形成材料30
は、フロント側の蛍光スクリーン30b、バック側の蛍
光スクリーン30c、及びその間のセンターの放射線像
変換パネル30aからなる。フロント側スクリーン30
bは順に、支持体31b、放射線吸収性蛍光体層32
b、および保護層34bから構成されている。バック側
スクリーン30cは順に、支持体31c、放射線吸収性
蛍光体層32c、及び保護層34cから構成されてい
る。センターパネル30aは順に、保護層34a、蓄積
性蛍光体層33、支持体31a、蓄積性蛍光体層3
3’、および保護層34’aから構成されている。
【0044】図4において、放射線画像形成材料40は
フロント側の放射線像変換パネル40aとバック側の蛍
光スクリーン40bとからなる。フロント側パネル40
aは順に、支持体41a、蓄積性蛍光体層43、および
保護層44aから構成されている。バック側スクリーン
40bは順に、支持体41b、放射線吸収性蛍光体層4
2、および保護層44bから構成されている。
【0045】図5において、放射線画像形成材料50
は、放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとが一体化さ
れた特別な態様のものであり、順に支持体51、放射線
吸収性蛍光体層52、蓄積性蛍光体層53、および保護
層54から構成されたパネルである。
【0046】蓄積性蛍光体層53の層厚は通常、放射線
吸収性蛍光体層52の層厚よりも小さく、好ましくは、
放射線吸収性蛍光体層52の層厚の0.2乃至20%の
範囲にある。蓄積性蛍光体層53の層厚は、一般には1
乃至50μmの範囲にあり、好ましくは5乃至20μm
の範囲にある。放射線吸収性蛍光体層52の層厚は、一
般には50乃至300μmの範囲にあり、好ましくは1
00乃至250μmの範囲にある。ただし、放射線吸収
性蛍光体層が異方性を持つ場合には、フロント側の場合
も、またバック側の場合でも、その蛍光体層の膜厚は6
00μm程度の厚さ(好ましくは、500μm以下)と
なってもよい。また、支持体51の厚さは、一般には5
0乃至1000μmの範囲にあり、好ましくは120乃
至350μmの範囲にある。支持体は、炭素質シートや
アルミニウムシートなどの基板に付設されていてもよ
い。保護層54の層厚は、一般には約1μm乃至20μ
mの範囲にあり、好ましくは3乃至15μmの範囲にあ
る。
【0047】なお、図1〜5において放射線の照射方向
を矢印によって示したが、上記のいずれの放射線画像形
成材料についても、上下を逆にして、すなわち、組体の
バック側スクリーンまたは放射線像変換パネルの支持体
側に放射線を照射することが可能である。ただし、その
場合でも、フロント側とバック側の放射線吸収性蛍光体
層の層厚は、フロント側が小さいことが好ましい。
【0048】(輝尽性蛍光体)本発明の画像形成方法に
用いられる輝尽性蛍光体は、前述した化学組成式(I)
を有する希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽
性蛍光体である。この蛍光体は、後述する放射線吸収蛍
光体からの発光光(紫外乃至可視領域の光)を吸収して
そのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起
されるとそのエネルギーを発光光として放出することが
できる。蛍光体は一般に粒子状で用いられ、その粒子径
は約5μm以下であることが好ましく、2μm以下が特
に好ましい。
【0049】下記の表1に、上記輝尽性蛍光体の代表的
な例について励起スペクトルのピーク波長および発光ス
ペクトルのピーク波長を示す。表1において、一次励起
波長とは当該蓄積性蛍光体にエネルギーを蓄積するため
の吸収波長に相当し、二次励起波長とは当該蓄積性蛍光
体に蓄積されたエネルギーを放射線画像を再生する際に
放出させるための励起波長に相当する。
【0050】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 輝尽励起スペクトル 輝尽発光スペクトル 輝尽性蛍光体 のピーク波長(nm) のピーク波長(nm) 一次励起 二次励起 ──────────────────────────────────── SrO・1.75Al23: 415 650 508 Eu,Sm ────────────────────────────────────
【0051】(放射線吸収蛍光体)本発明の放射線画像
形成材料の放射線吸収性蛍光体層および蛍光スクリーン
で用いられる放射線吸収蛍光体は、本発明の方法による
画像形成に用いられる、X線、γ線、β線、α線、紫外
線、中性子線等の放射線を吸収して、通常は瞬時に紫外
乃至可視領域に発光を示す蛍光体である。本発明で用い
る放射線吸収蛍光体は、母体の主成分として、原子番号
が37以上の元素を含む蛍光体であることが好ましく、
特に好ましいのは、原子番号が55乃至83の元素を含
む蛍光体である。その例としては、LnTaO4:(N
b,Gd,Tm)系、Ln2SiO5:Ce系、LnO
X:Tm系(Lnは希土類元素)、CsX系(Xはハロ
ゲン)、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr,Ce、
ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd3Ga512:C
r,Ce、HfO2等を挙げることができる。下記の表
2に、代表的な放射線吸収蛍光体の密度と発光波長を示
す。
【0052】
【表2】 表 2 ──────────────────────────────────── 密度 発光波長 放射線吸収蛍光体 (g/cm3) (nm) ──────────────────────────────────── YTaO4 7.5 340 YTaO4:Tm 7.5 360,460 LaOBr:Tm 6.3 360,460 YTaO4:Nb 7.5 410 CsI:Na 4.5 420 ────────────────────────────────────
【0053】これらのうちでも前記輝尽性蛍光体と組み
合わせるのが好ましい放射線吸収蛍光体としては、YT
aO4:NbおよびCsI:Naを挙げることができ
る。ただし、本発明に用いられる放射線吸収蛍光体は、
表1に示した蛍光体に限定されるものではない。放射線
吸収蛍光体は、上記輝尽性蛍光体の一次励起特性とのマ
ッチングを考慮して選択される。放射線吸収蛍光体は一
般に粒子状で用いられ、その粒子径は約1乃至20μm
の範囲にあることが望ましい。
【0054】マッチングの点から、放射線吸収蛍光体の
発光波長領域と輝尽性蛍光体の一次励起波長領域とは7
0%以上重なっていることが好ましい。この規定におい
て、各波長領域は、発光スペクトルまたは励起スペクト
ルのピーク値の10%以上の値を有する波長範囲を意味
する。
【0055】放射線吸収蛍光体は、フロント側の放射線
吸収性の蛍光体層に含有されるものと、バック側の放射
線吸収性の蛍光体層に含有されるものとで、母体の主成
分として互いに異なる(原子番号が37以上の)元素を
含んでいることが好ましい。より好ましくは、バック側
の放射線吸収蛍光体が原子番号が相対的に大きな元素を
含んでいることである。このように蛍光体の元素の種類
を変えて、放射線に対する吸収特性をずらすことによ
り、放射線を両蛍光体層に効率良く吸収させることがで
きる。なお、一つの蛍光体層中に二種類以上の放射線吸
収蛍光体を含有させてもよい。
【0056】[放射線画像形成材料の製造法] (放射線像変換パネル)次に、本発明の放射線画像形成
材料の製造方法を、図1に示した放射線画像形成材料の
放射線像変換パネル10aを例にとって、蓄積性蛍光体
層および放射線吸収性蛍光体層がそれぞれ、蛍光体粒子
とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合
について説明する。各蛍光体層は、たとえば次のような
公知の方法により支持体上に順に形成することができ
る。
【0057】(支持体)支持体は通常、柔軟な樹脂材料
からなる厚みが50μm乃至1mmのシートあるいはフ
ィルムである。支持体は透明であってもよく、あるいは
支持体に、励起光(一次、二次)もしくは輝尽発光光を
反射させるための光反射性材料(例、アルミナ粒子、二
酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子)を充填してもよ
く、あるいは空隙を設けてもよい。または、支持体に励
起光もしくは輝尽発光光を吸収させるため光吸収性材料
(例、カーボンブラック)を充填してもよい。支持体の
形成に用いることのできる樹脂材料の例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
アラミド樹脂、ポリイミド樹脂などの各種樹脂材料を挙
げることができる。必要に応じて、支持体は金属シー
ト、セラミックシート、ガラスシート、石英シートなど
であってもよい。
【0058】(放射線吸収性蛍光体層)まず、上記の放
射線吸収蛍光体粒子と結合剤とを溶剤に加え、これを十
分に混合して、結合剤溶液中に放射線吸収蛍光体粒子が
均一に分散した塗布液を調製する。蛍光体粒子を分散支
持する結合剤については様々な種類の樹脂材料が知られ
ており、本発明の放射線像変換パネルの製造において
も、それらの公知の結合剤樹脂を中心とした任意の樹脂
材料から適宜選択して用いることができる。塗布液にお
ける結合剤と蛍光体との混合比は、目的とする放射線像
変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なる
が、一般には結合剤と蛍光体との混合比率(結合体/蛍
光体)は、1乃至0.01(重量比)の範囲から選ばれ
る。なお、塗布液にはさらに、塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層
中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させる
ための可塑剤、蛍光体層の変色を防止するための黄変防
止剤、硬化剤、架橋剤など各種の添加剤が混合されてい
てもよい。
【0059】このようにして調製された塗布液を次に、
支持体の表面に均一に塗布することにより塗膜を形成す
る。塗布操作は、通常の塗布手段、たとえばドクターブ
レード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いる方法
により行うことができる。この塗膜を乾燥して、支持体
上への放射線吸収性蛍光体層の形成を完了する。なお、
蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に塗布液を
直接塗布して形成する必要はなく、例えば、別にガラス
板、金属板、プラスチックシートなどの仮支持体上に塗
布液を塗布し乾燥することにより蛍光体層を形成した
後、これを支持体上に押圧するか、あるいは接着剤を用
いるなどして支持体上に蛍光体層を接合する方法を利用
してもよい。あるいは、特願2000−158213号
明細書に記載されているような、針状蛍光体を配向させ
て異方化した蛍光体層も用いることができる。
【0060】本発明に係る放射線吸収性蛍光体層は、放
射線吸収蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤
とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まないで放
射線吸収蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、蒸着
膜、あるいは放射線吸収蛍光体の凝集体の間隙に高分子
物質が含浸されている蛍光体層などでもよい。
【0061】(隔壁)また、放射線吸収性蛍光体層に
は、発光光の散乱を防止して得られる画像の画質を高め
る目的で、蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔
壁が設けられていてもよい。放射線吸収性蛍光体層は層
厚が比較的厚いので、隔壁を設けることにより発光光の
拡散を有効に防止することができる。隔壁は縞状、格子
状など任意の形状で設けることができ、あるいは円形、
六角形など任意の形状の放射線吸収蛍光体が充填された
領域を隔壁が囲むように形成されてもよい。また、隔壁
の頂部と底部はともに蛍光体層の両表面に露出していて
もよいし、あるいは頂部と底部の両方あるいはいずれか
一方が蛍光体層に埋没していてもよい。
【0062】隔壁は、例えばアルミニウム、チタン、ス
テンレスなど金属製の板、酸化アルミニウム、ケイ酸ア
ルミニウムなどセラミックス製の板、あるいは感光性樹
脂など有機高分子物質からなるシートに好適なエッチン
グ処理をすることにより、多数の凹部(穴)もしくは透
孔が形成されたハニカム状のシートを用意し、このハニ
カム状シートの上に上記の蛍光体層を載せたのち加熱圧
縮することにより、ハニカム状シートを蛍光体層の中に
押し込んで形成することができる。あるいは、蛍光粒子
を分散含有する結合剤からなる多数の薄膜状の蛍光体シ
ートと高分子物質からなる多数の薄膜状の隔壁用シート
をそれぞれ形成し、蛍光体シートと隔壁用シートを交互
に多数枚積層した後、積層方向に垂直に裁断することか
らなる積層スライス法によっても形成することができ
る。あるいはまた、上記のように蛍光体層が蒸着膜など
のように放射線吸収蛍光体の凝集体からなる場合には、
クラックを形成させることにより隔壁とすることができ
る。そのような蛍光体層の例としては、CsI:Na、
CsI:Tl、CsBr:Tlなどの針状結晶膜を挙げ
ることができる。隔壁には、酸化アルミニウム、二酸化
チタン等の低光吸収性微粒子が分散含有されていてもよ
いし、あるいは放射線吸収蛍光体からの発光光を選択的
に吸収するような着色剤で着色されていてもよい。
【0063】あるいは、隔壁を蛍光体層材料(ただし、
結合剤:蛍光体の比率および/または粒子サイズは、蛍
光体層を形成する場合とは変える)から形成してもよ
い。一般に放射線吸収蛍光体は高屈折率であるので、平
面方向の散乱をより効果的に防止することができる。ま
た、高い放射線吸収を維持しながら、高鮮鋭度の画像を
得ることができる。
【0064】あるいは、放射線吸収性蛍光体層を、図7
に示すように、ファイバプレートと放射線吸収蛍光体の
針状結晶膜とから構成してもよい。図7において、放射
線吸収性蛍光体層12b’は支持体11b側の蛍光体の
針状結晶膜12b1と、その上に設けられたファイバプ
レート12b2とからなる。蛍光体の針状結晶膜12b1
は、上記のように隔壁としてクラックを有するものであ
る。一方、ファイバプレート12b2は、直径数μmの
ファイバを深さ方向に数百万本束にした光学シートであ
り、蛍光体の針状結晶膜12b1でX線等の放射線から
紫外乃至可視領域の光に変換された光は、ファイバプレ
ート12b2を通して平面方向に散乱することなく、か
つ光の損失が少なくて蓄積性蛍光体層13に到達するこ
とができる。
【0065】なお、図7では、放射線画像形成材料1
0’のフロント側の放射線像変換パネル10aではな
く、バック側の蛍光スクリーン10b’の放射線吸収性
蛍光体層12b’を、蛍光体の針状結晶膜12b1とフ
ァイバプレート12b2とから構成した場合を示した
が、鮮鋭度向上の点からは、この構成を含めて隔壁は蓄
積性蛍光体層よりも層厚の厚い放射線吸収性蛍光体層に
設けることが好ましく、より好ましくはバック側の放射
線吸収性蛍光体層に設けることであり、特に好ましくは
図7に示したようにバック側に配置される蛍光スクリー
ンの蛍光体層に設けることである。これにより、隔壁を
有するバック側スクリーンによる高画質化と、フレキシ
ブルなフロント側パネルの読取装置内での良好な搬送性
とを両立させることができる。
【0066】(蓄積性蛍光体層)この放射線吸収性蛍光
体層の上に、上記と同様にして、輝尽性蛍光体を分散状
態で含有支持する結合剤からなる蓄積性蛍光体層を形成
する。この蓄積性蛍光体層も、輝尽性蛍光体の凝集体の
みから構成されるもの、あるいは輝尽性蛍光体の凝集体
の間隙に高分子物質が含浸されているものであってもよ
いし、あるいは隔壁が設けられていてもよい。
【0067】放射線吸収性蛍光体層および蓄積性蛍光体
層がそれぞれ、上記のように蛍光体粒子と結合剤とから
構成される場合に、放射線画像を、より高画質とするた
めには、放射線吸収性蛍光体層における結合剤と蛍光体
の重量比(結合剤B1/蛍光体P1)は、蓄積性蛍光体層
における結合剤と蛍光体の重量比(結合剤B2/蛍光体
2)と同等もしくはそれより小さく、かついずれも1
以下であることが望ましい(1≧B2/P2≧B1
1)。すなわち、放射線吸収性蛍光体層中の蛍光体の
比率が蓄積性蛍光体層中の蛍光体の比率と同等かそれよ
りも高いことが望ましい。
【0068】放射線吸収性蛍光体層のB1/P1比(重量
比)は、1/8乃至1/50の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは1/15乃至1/40の範囲にあ
る。蓄積性蛍光体層のB2/P2比(重量比)は、1/1
乃至1/40の範囲にあることが好ましく、より好まし
くは1/2乃至1/20の範囲にある。なお、この結合
剤と蛍光体についての関係は、放射線像変換パネルの蓄
積性蛍光体層と蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層
との間においても同様に成り立つことが望ましい。
【0069】(蛍光体の粒子径)各蛍光体層に含有され
る放射線吸収蛍光体及び輝尽性蛍光体の平均粒子径は、 (輝尽性蛍光体の平均粒子径)≦(放射線吸収蛍光体の
平均粒子径) なる関係を満たすことが望ましい。特に好ましくは、 (輝尽性蛍光体の平均粒子径)≦(放射線吸収蛍光体の
平均粒子径)×0.5 なる関係を満たすことである。この結果、放射線吸収蛍
光体の相対的に大きな粒子径によって放射線に対する発
光効率を上げて感度を高めることができるとともに、輝
尽性蛍光体の相対的に小さな粒子径により画像の鮮鋭度
を高めることができる。
【0070】放射線吸収蛍光体の平均粒子径は、一般に
は1μm以上、20μm以下であって、好ましくは2μ
m以上、10μm以下である。一方、輝尽性蛍光体の平
均粒子径は、一般には0.2μm以上、20μm以下で
あり、好ましくは0.5μm以上、5μm以下である。
ただし、特願2000−219877号明細書に記載さ
れているように、輝尽性の量子ドット蛍光体のような、
より小さな粒子でも、その効率が高ければ、その使用に
問題はない。
【0071】上記放射線吸収蛍光体粒子および輝尽性蛍
光体粒子はそれぞれ、例えば特開2000−28409
7号公報、同2000−192030号公報又は特開昭
58−182600号公報に記載されているような粒径
分布を有していてもよい。
【0072】(蛍光体の吸収係数)放射線画像の画質向
上の点から、放射線吸収性蛍光体層の放射線吸収係数
と、蓄積性蛍光体層の放射線吸収蛍光体からの発光光
(一次励起光)に対する吸収係数とは、以下の関係を満
たすことが望ましい。 (蓄積性蛍光体層の一次励起光の吸収係数) >(放射
線吸収性蛍光体層の放射線吸収係数)×2 特に好ましくは、 (蓄積性蛍光体層の一次励起光の吸収係数) >(放射
線吸収性蛍光体層の放射線吸収係数)×5 なる関係を満たすことである。
【0073】ここで、一次励起光の吸収係数は、本出願
人による特願平11−349633号明細書に記載され
ているように、見かけの吸収係数であり、以下のように
して規定される値である。蛍光体層を厚さdの均一層と
みなし、蛍光体層を空間に孤立して置いた場合のその光
反射率をr、光透過率をtとする。光反射率rは、標準
白色板との相対比較により求める。蛍光体層の裏側に白
色板(反射率rw)を置いた場合と黒色板(反射率rb
を置いた場合の、系全体の反射率をそれぞれRwおよび
bとする。系全体の反射は、蛍光体層による反射と、
白色板または黒色板による反射との合計となるので、次
式で表される。 Rw=r+rw×t2b=r+rb×t2
【0074】蛍光体層の見かけの吸収係数Kは、吸収が
蛍光体層の厚さdに関して指数関数的に減衰すると仮定
すると、エネルギー保存則により反射と吸収と透過との
合計は1であることから、次式により求められる。 K=−(1/d)×ln[t/(1−r)] =−(1/d)×ln[{(Rw−Rb)/(rw−rb)}1/2 /{1−Rw+rw(Rw−Rb)/(rw−rb)}]
【0075】一方、放射線吸収係数は、質量エネルギー
吸収係数μen/ρに蛍光体層の密度を掛けた値として求
めることができる。各物質のX線領域における質量エネ
ルギー吸収係数μen/ρは、各物質の成分元素の質量吸
収係数と質量比を用いて求めることができる。各元素の
質量エネルギー吸収係数のデータは、http://physics.n
ist.gov/PhysRefData/XrayMassCoef/cover.html等から
入手できる。蛍光体層の密度ρは、蛍光体自体の密度に
層中の蛍光体充填率を掛けた値として求められ、通常は
3〜5程度の値である。
【0076】放射線吸収性蛍光体層は、放射線吸収係数
を高めて高画質の放射線画像を得るためには、含有され
る放射線吸収蛍光体の密度が6.0g/cm3以上であ
るか、あるいは蛍光体層の平均密度が4.0g/cm3
以上であることが好ましい。
【0077】(同時重層塗布)輝尽性蛍光体の粒子が形
成しようとする蛍光体層の層厚に対して充分に小さくな
い場合、すなわち輝尽性蛍光体の平均粒子径をaμm、
蛍光体層の層厚をdμmで表したとき、両者が、 d/10<a<d なる関係を満たす場合には、蓄積性蛍光体層とその下の
大きな層厚の放射線吸収性蛍光体層とを同時重層塗布に
より形成することが好ましい。これにより、5〜20μ
mという薄い層厚の蛍光体層を均一に形成することがで
きる。
【0078】同時重層塗布は、別々に調製した塗布液を
一緒に二連式ホッパー型塗布装置などを用いて支持体表
面に均一に、一度に同時に重層塗布することにより、あ
るいは放射線吸収性蛍光体層用塗布液を支持体表面に塗
布した後直ちに、溶剤が蒸発しないようにして、蓄積性
蛍光体層用塗布液を重層塗布することにより行うことが
できる。その場合に、各塗布液に使用する結合剤は互い
に相溶性があることが好ましく、特に同一であることが
好ましい。また、溶剤は、重層した塗膜の乾燥速度を一
致させる必要から互いに相溶性があることが望ましい。
このようにして形成された二層の蛍光体層は、両者の結
合剤が互いに相溶性がある場合には、電子顕微鏡等で観
察してもその境界面を明確に区別することができない。
【0079】(保護層)蓄積性蛍光体層の表面には、蛍
光体層を物理的および化学的に保護するために透明な保
護層を設けてもよい。保護層は、励起光の入射や輝尽発
光光の出射に殆ど影響を与えないように、光吸収を実質
的に示さないことが望ましく、また外部から与えられる
物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分
に保護することができるように、化学的に安定でかつ高
い物理的強度を持つことが望ましい。保護層としては、
セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶
媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物
質を適当な溶媒に溶解させて調製した溶液を蛍光体層の
上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチ
レンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明な
ガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光
体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるい
は無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜した
ものなどが用いられる。また、保護層中にはパーフルオ
ロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り
剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添
加剤が分散含有されていてもよい。
【0080】形成される放射線画像の鮮鋭度を高めるた
めには、保護層を一定範囲で光散乱性とすることが望ま
しい。一般に保護層の光散乱長は、輝尽性蛍光体からの
発光光の主発光波長において5乃至80μmの範囲にあ
り、好ましくは10乃至70μmの範囲にある。光散乱
性の保護層は、上記保護層用材料中に光散乱性微粒子を
分散、含有させることによって形成することができる。
光散乱性微粒子としては、光屈折率が1.6以上であ
り、粒子径が0.1乃至1.0μmの範囲にあるのが好
ましい。特に好ましくは光屈折率は1.9以上であり、
粒子径は0.1乃至0.5μmの範囲である。好適な光
散乱性微粒子の例としては、ベンゾグアナミン樹脂粒
子、メラミンホルムアルデヒド縮合樹脂粒子、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、酸化チタンおよび炭酸鉛の微粒子を挙げ
ることができる。
【0081】保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染
性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フ
ッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(また
は分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面
に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹
脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。ま
た、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパー
フルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することも
できる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて
更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィ
ラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚
は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素
樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防
止剤などのような添加成分を用いることができる。特に
架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有
利である。
【0082】放射線像変換パネルと蛍光スクリーンの密
着性や引き離し易さなど取り扱い性を高めるために、保
護層またはフッ素樹脂塗布層はその最大摩擦係数が0.
18以下であることが好ましく、特に好ましくは0.1
2以下である。また、表面の平均粗さが0.05乃至
0.5μmの範囲にあることが好ましく、特に好ましく
は0.1乃至0.3μmの範囲である。例えば、保護層
またはフッ素樹脂塗布層の表面に、エンボス処理を行う
ことなどにより微小な凹凸を設けてもよい。
【0083】放射線像変換パネルの帯電、特に蛍光スク
リーンからパネルを引き離すときに生じがちな剥離帯電
を有効に防止するためには、密着状態で重ね合わされる
パネルとスクリーンの対向する両保護層の帯電列が揃っ
ていることが望ましい。両保護層の帯電列は、例えば同
一の材料を用いて両保護層を形成することにより揃える
ことができる。また、放射線撮影に際してはカセッテに
両者を挿入する前に除電することが好ましい。
【0084】あるいは、放射線像変換パネルを構成する
層のうちのいずれかの層に、ポリピロールなどの透明導
電性ポリマーおよび/または輝尽性蛍光体の発光波長よ
りも小さい粒子径を持つ導電性微粉末(酸化すず微粉末
など)を含有させることが好ましい。粒子径を輝尽性蛍
光体の発光波長よりも小さくすることにより、薄層で導
電率の高い膜構成が可能となり、発光光の吸収による集
光効率の損失を回避することができる。
【0085】(選択的反射層)さらに、放射線吸収性蛍
光体層と蓄積性蛍光体層との間には、図8に示すよう
に、放射線吸収蛍光体からの発光光を透過し、励起光お
よび輝尽性蛍光体からの発光光を反射するような選択的
反射層を設けることが好ましい。これにより、放射線画
像情報の読み取り時における集光効率を高めることがで
きると同時に、その結果蓄積性蛍光体層の層厚をより薄
くできるので、画像の鮮鋭度を向上させることができ
る。
【0086】図8において、放射線像変換パネル10
a’は順に、支持体11a、放射線吸収性蛍光体層12
a、選択的反射層15、蓄積性蛍光体層13、および保
護層14aから構成されている。
【0087】選択的反射層は例えば、放射線吸収蛍光体
の発光波長を含む短波長領域の光を透過し、それよりも
長波長領域の光を反射するような特性を有すればよい。
選択的反射層は、薄膜フィルムとその上に形成されたこ
のような特性を有する多層膜とから構成することができ
る。多層膜は、屈折率の異なる二種類以上の物質が光の
波長の1/4程度の厚さ(約50〜200nm)で逐次
積層されたものであっって、具体的には、SiO2、M
gF2などの低屈折率物質とTiO2、ZrO2、Ta2
5、ZnSなどの高屈折率物質とが交互に数層乃至数十
層積層された総厚約0.1乃至10μmの多層干渉フィ
ルタである。
【0088】一例として、SiO2とTiO2とが交互に
合計17層積層されてなる多層膜について述べる。この
多層膜は、図9に概略的に示すように、TiO2の高屈
折率層15aとSiO2の低屈折率層15bとからな
り、表3に示すような構成を有する。
【0089】
【表3】 表 3 ─────────────────────── 層番号 屈折率 厚さ(nm) ─────────────────────── 1 1.45 80 2 2.35 101 3 1.45 147 4 2.35 80 5 1.45 133 6 2.35 80 7 1.45 133 8 2.35 80 9 1.45 133 10 2.35 80 11 1.45 133 12 2.35 80 13 1.45 133 14 2.35 80 15 1.45 133 16 2.35 80 17 1.45 65 ───────────────────────
【0090】図10は、上記表3に示した構成を有する
多層膜の光透過特性を示すグラフである。この多層膜の
透過率(光の入射角0゜)は波長633nmで約97%
である。なお、この多層膜は光の入射角に対しても選択
性を有する。図11は、この多層膜の、波長400nm
および633nmにおける光の入射角と透過率との関係
を示すグラフである。多層膜は、波長633nmの光に
ついては入射角0゜〜25゜で50%以上の透過率を示
し、25゜より大きい入射角では透過率は約5%に減少
する。一方、波長400nmの光については入射角0゜
〜約70゜にわたって90%以上の透過率を示す。多層
膜の材料や構成を変えることにより、所望の光透過特性
を有する多層膜を形成することが可能である。
【0091】選択的反射層は、高分子物質などからなる
薄膜フィルム(厚さ:4乃至20μm)上に、上記多層
膜材料を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
などの方法により逐次積層することにより形成すること
ができる。次いで、この多層膜を有する薄膜フィルム
を、前記放射線吸収性蛍光体層上にカレンダー処理など
により貼り合わせた後、この上に蓄積性蛍光体層を塗布
などにより形成するか、あるいは別途形成した蛍光体層
を貼り合わせることにより行う。あるいは、先に多層膜
を有する薄膜フィルム上に蓄積性蛍光体層を塗布などに
より形成した後、得られた薄膜フィルムを放射線吸収性
蛍光体層上に貼り合わせてもよい。なお、上記の多層膜
形成時および/または蓄積性蛍光体層形成時に、薄膜フ
ィルムの下には剥離可能な仮支持体を接合させておいて
もよい。あるいは、選択的反射層として、前述した支持
体材料の中から適宜選択した材料を用いて薄層を形成し
てもよい。
【0092】(拡散反射層)また、この放射線像変換パ
ネルがフロント側となる場合には、支持体と放射線吸収
性蛍光体層との間に、図12に示すように、拡散反射層
を設けることが好ましい。本発明の画像形成材料に用い
ることのできる拡散反射層は、放射線吸収蛍光体からの
発光光を反射する機能を有する層である。この拡散反射
層の設置によって、蓄積性蛍光体層に入射する放射線吸
収蛍光体からの発光光(一次励起光)の光量を増加させ
て、高感度の放射線像変換パネルとすることができる。
図12において、放射線像変換パネル10a”は順に、
支持体11a、拡散反射層16、放射線吸収性蛍光体層
12a、蓄積性蛍光体層13、および保護層14aから
構成されている。
【0093】拡散反射層は、二酸化チタン、酸化イット
リウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム(アルミ
ナ)などの光反射性物質を含有する層である。光反射性
物質は、拡散反射層がフロント側のパネルまたはスクリ
ーンに設けられることを考慮して、X線等の放射線の吸
収が小さい必要があるとともに、反射の鮮鋭度の点から
は、屈折率が高いことが望ましい。よって、光反射性物
質として好ましいのは二酸化チタンであり、特により屈
折率の高いルチル型が好ましい。ただし、二酸化チタン
は約430nmよりも長波長の領域で高い反射率を示す
ので、放射線吸収蛍光体がGd22S:Tbなどである
場合に適している。放射線吸収蛍光体の発光波長が約4
30nmよりも短波長である場合には、酸化アルミニウ
ム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムなどその発光
波長領域に吸収のない物質を選択する必要がある。
【0094】拡散反射層は、感度および鮮鋭度の点か
ら、できるだけ薄い層厚で高い光反射率を達成すること
が望ましい。拡散反射層が単独で存在する場合に、その
層厚と拡散反射率との関係は、図13において斜線で示
す領域にあることが好ましい。ここで、拡散反射率は、
特開平9−21899号公報に詳細に記載されているよ
うに、BaSO4粉末が全面に一様に塗布してある積分
球を用いて標準白板に対して求めた反射率である。その
ためには光反射性物質の平均粒子径は、一般には0.1
乃至0.5μmの範囲にあり、好ましくは0.1乃至
0.4μmの範囲にある。光反射性物質の拡散反射層に
おける体積充填率は、一般には25乃至75%の範囲に
あり、好ましくは40%以上である。拡散反射層の層厚
は一般に15乃至100μmの範囲にある。
【0095】拡散反射層は、上記微粒子状の光反射性物
質および結合剤を溶剤中に混合分散して塗布液を調製し
た後、これを支持体上に塗布乾燥することにより形成す
ることができる。結合剤および溶剤は、前記蛍光体層に
使用することが可能なものの中から適宜選択して用いる
ことができる。
【0096】支持体上に拡散反射層を設ける代わりに、
支持体自体に上記のような光反射性物質を分散含有させ
て、拡散反射機能を有する支持体としてもよい。また、
後述するように、拡散反射層および/または支持体を着
色してもよい。なお、蛍光スクリーンをフロント側に用
いる場合にも、拡散反射層または拡散反射機能を有する
支持体を設けることが望ましい。また、バック側に用い
られるパネルまたはスクリーンに使用すれば、感度的に
優れたものが設計しやすい。
【0097】さらに目的に応じて、蛍光体層と支持体と
の間に光吸収層、接着層、導電層などの補助機能層を設
けてもよく、また支持体表面には多数の凹部を形成して
もよい。支持体の蛍光体層を設けない側の表面には、搬
送性を向上させたり、耐傷性を向上させたりするため
に、摩擦低減層や耐傷層を設けることもできる。
【0098】上述のような材料と製法を利用して本発明
に係る放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネ
ルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むもので
あってもよい。また、上記においては、支持体および保
護層を有するパネルについて説明したが、蛍光体層が自
己支持性である場合には、本発明に係るパネルは必ずし
も支持体や保護層を備えている必要はない。
【0099】(着色)放射線画像の鮮鋭度を高める目的
で、上記放射線像変換パネルの少なくともいずれかの層
を、放射線吸収蛍光体からの発光光および/または輝尽
性蛍光体の二次励起光(潜像(蓄積放射線画像)の読み
取り時に用いる)を吸収する着色剤、あるいは場合によ
り、輝尽性蛍光体から放出される発光光の一部を吸収す
る着色剤によって着色してもよい。具体的には、放射線
吸収性蛍光体層、保護層、更に下塗層などの中間層を、
放射線吸収蛍光体からの発光光および/または輝尽性蛍
光体の二次励起光を吸収する着色剤で着色することが望
ましい。着色は、上記の層のいずれか一つだけであって
もよいし、あるいは部分的であってもよく、また任意に
組み合わせてもよい。着色剤は、後述の光電子倍増管を
用いた点検出系では、輝尽性蛍光体からの発光光を吸収
しないものであることが望ましい。
【0100】着色剤としては、例えば放射線吸収蛍光体
からの発光光が緑色発光光であり、輝尽性蛍光体が緑色
光を吸収し、近赤外光で二次励起されて、赤色の発光光
を放出する場合には、緑色領域および近赤外領域の光を
吸収し、赤色領域の光を吸収しない着色剤が好ましい
(点検出系で用いられる場合)。二種類以上の着色剤を
組み合わせて使用してもよい。
【0101】上記の目的に適した赤色着色剤の例として
は、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッドな
どの無機顔料を挙げることができる。ただし、これらの
赤色着色剤は近赤外領域の光を殆ど吸収しないので、特
開平11−109126号公報に記載されているシアニ
ン色素、インドアニリン色素、スクアリリウム色素など
の近赤外吸収材料を併用することが望ましい。
【0102】また例えば、放射線吸収蛍光体からの発光
光が近紫外発光光であり、輝尽性蛍光体が近紫外光を吸
収し、赤色光で励起されて、青乃至緑色の発光光を放出
する場合には、近紫外領域および赤色領域の光を吸収
し、青乃至緑色領域の光を吸収しない着色剤が好ましい
(点検出系で用いられる場合)。
【0103】適した青乃至緑色の有機系着色剤の例とし
ては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、
エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)
製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)
製)、D&CブルーNo1(ナショナル・アニリン社
製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイル
ブルーNo603(オリエント(株)製)、キトンブルー
A(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーG
LH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H
(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産
業(株)製)、ブリモシアニンブルー6GX(稲畑産業
(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学
(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)
製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)を挙
げることができる。また、無機系着色剤の例としては、
群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロ
ム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料を挙げる
ことができる。
【0104】あるいは、後述するように放射線画像情報
の読み取りを光電子増倍管等を用いる点検出の代わり
に、ラインセンサ等を用いるライン検出により行う場合
には、放射線吸収性蛍光体層、さらに下塗層などの中間
層は、放射線吸収蛍光体からの発光光、輝尽性蛍光体の
二次励起光、および/または輝尽性蛍光体からの発光光
を吸収する着色剤で着色することが望ましい。輝尽性蛍
光体からの発光光のうち励起部分よりも広がった分が画
像のボケを招くからである。
【0105】着色剤としては、放射線吸収蛍光体からの
発光が緑色発光、輝尽性蛍光体の二次励起光が近赤外
光、そして輝尽性蛍光体からの発光が赤色発光である場
合には、緑色、赤色および/または近赤外領域の光を吸
収する着色剤が好ましい。すなわち、赤色、青乃至緑色
または灰色の着色剤であって近赤外吸収を有する着色剤
が好ましい。適した赤色着色剤としては、上記の着色剤
を用いることができる。青乃至緑色の着色剤であって近
赤外吸収を有する着色剤の例としては、チタニルフタロ
シアニンTiO−Pc(山陽色素(株)製)を挙げること
ができる。上記の青乃至緑色着色剤と近赤外吸収材料と
を組み合わせてもよい。灰色着色剤の例としては、カー
ボンブラック、Cu−Fe−Mn酸化物を挙げることが
できる。
【0106】また、放射線吸収蛍光体からの発光が近紫
外発光、輝尽性蛍光体の二次励起光が赤色光、そして輝
尽性蛍光体からの発光が青乃至緑色発光である場合に
は、近紫外、青乃至緑色および/または赤色領域の光を
吸収する着色剤が好ましい。すなわち、黄色、赤色、青
乃至緑色または灰色の着色剤が好ましい。上記の赤色、
青乃至緑色および灰色の着色剤を用いることができる。
黄色着色剤の例としては、黄色酸化鉄、チタンイエロ
ー、カドミウムイエローを挙げることができる。
【0107】なお、着色による放射線像変換パネルの感
度の低下は、放射線吸収性蛍光体層の層厚を厚くした
り、あるいは読み取り時の励起光のエネルギーを強くす
ることにより調整することができ、感度と鮮鋭度との関
係でそれらの最適化を図ることができる。
【0108】(蛍光スクリーン)バック側の蛍光スクリ
ーン10b、および他の構成の放射線像変換パネルも、
上記と同様の材料を用いて同様の方法により製造するこ
とができる。なお、蛍光体層に隔壁を設ける場合には、
バック側の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層のみ
に隔壁を形成し、フロント側の放射線像変換パネルはフ
レキシブルとすることが好ましく、これにより画像形成
システム(例えば、放射線画像情報読取装置)をよりコ
ンパクトにでき、かつ高画質の放射線画像を得ることが
できる。
【0109】放射線画像の鮮鋭度を高めるためには、蛍
光スクリーンの保護層もまた一定範囲で光散乱性とする
ことが望ましい。一般に保護層の光散乱長は、放射線吸
収蛍光体からの発光光の主発光波長において5乃至80
μmの範囲にあり、好ましくは10乃至70μmの範囲
にある。このスクリーンの光散乱性保護層も、前記パネ
ルの光散乱性保護層と同様の材料を用いて同様の方法に
より形成することができる。
【0110】同じく放射線画像の鮮鋭度を高める目的
で、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層および/ま
たは保護層を、放射線吸収蛍光体からの発光光を吸収す
るような上記着色剤で着色してもよい。
【0111】[放射線画像形成方法]次に、上記の放射
線画像形成材料を用いた本発明の放射線画像形成方法に
ついて、図1に示した構成の放射線画像形成材料(輝尽
性蛍光体として輝尽性蛍光体を含有)を例にとって、添
付図面の図6を参照しながら説明する。図6は、点検出
系を利用する片面集光方式の放射線画像情報読取装置の
構成の例を示す概略断面図である。
【0112】まず、放射線画像情報(放射線の空間的エ
ネルギー分布情報)を、放射線像変換パネルと蛍光スク
リーンの組体からなる放射線画像形成材料に記録する。
画像情報の記録(撮影)に際しては、図1に示した放射
線画像形成材料10のフロント側放射線像変換パネル1
0aとバック側蛍光スクリーン10bを、各々の保護層
14a、14bが接するように密着した状態で重ね合わ
せる。この際に、カセッテを用いて密着状態にある組体
を固定することが望ましく、またバック側スクリーン1
0bは通常はカセッテ内に固定して使用するのが望まし
い。また、放射線撮影の撮影台の内部において同様な構
成とすることもできる。
【0113】放射線撮影装置(図示なし)などを用い
て、X線発生装置等の放射線源と放射線画像形成材料と
の間に被検体を配置した後、放射線源から発生した放射
線を被検体に照射する。放射線としては、X線、γ線、
α線、β線、電子線、紫外線などの電離放射線、および
中性子線を利用することができる。中性子線を用いる場
合には、蛍光体として、Gdや10B、6Liなどを含む
母体のものか、あるいはこれらの元素を含む化合物を蛍
光体に混合して用いることが好ましい。
【0114】放射線は、放射線および被検体の種類に応
じて被検体を透過したり、あるいは被検体により回折ま
たは散乱されて、被検体に関する空間的エネルギー分布
情報を有する放射線としてフロント側パネル10aに入
射する。入射した放射線の一部は、放射線吸収性蛍光体
層12aの放射線吸収蛍光体に吸収されて、紫外乃至可
視領域の波長の光(瞬時発光光)に変換される。この発
光光は、隣接する蓄積性蛍光体層13に入射し、蛍光体
層中の輝尽性蛍光体に吸収されてそのエネルギーが蓄積
され、蓄積性蛍光体層13には被検体の空間的エネルギ
ー分布情報が潜像として記録される。
【0115】フロント側パネル10aを透過した放射線
は、バック側スクリーン10bに入射し、放射線吸収性
蛍光体層12bの放射線吸収蛍光体に吸収されて、紫外
乃至可視領域の発光光に変換される。この発光光の多く
は、再びフロント側パネル10aに入射し、蓄積性蛍光
体層13の輝尽性蛍光体に吸収されてエネルギーとして
蓄積され、これも潜像形成に寄与する。すなわち、蓄積
性蛍光体層13はその両面から、放射線吸収蛍光体の発
光光により露光されることになる。
【0116】なお、放射線の照射は、フロント側パネル
10aとバック側スクリーン10bの位置を逆にするこ
とにより、バック側スクリーン10bの側から行われて
もよい。また、オートラジオグラフィーのように被検体
自体がβ線等の放射線を放出する場合には、被検体自体
が放射線源となるため、別に放射線源を設けることを必
要としない。
【0117】次に、図6の放射線画像情報読取装置を用
いて、フロント側パネル10aに記録された被検体の空
間的エネルギー分布情報を読み取る。まず、密着状態に
あるフロント側パネル10aとバック側スクリーン10
bを引き離し、フロント側パネル10aのみを読取装置
に装填する。
【0118】図6において、放射線像変換パネル60
は、二組のニップローラからなる移送手段61、62に
より矢印の方向に移送される。一方、レーザビーム等の
励起光63は、パネル60の保護層側表面(蓄積性蛍光
体層側表面)より照射される。励起光63の照射を受け
たパネル60の蓄積性蛍光体層内の箇所からは、蓄積さ
れたエネルギーレベルに応じた(すなわち、潜像として
記録蓄積された放射線のエネルギー分布情報を担持し
た)放射線画像に対応する輝尽発光光64が発せられ
る。輝尽発光光64は、直接あるいはミラー69で反射
されて、上方に設けられた集光ガイド65により集光さ
れ、その集光ガイド65の基部に備えられた光電変換装
置(フォトマルチプライヤ)66にて電気信号に変換さ
れ、増幅器67で増幅され信号処理装置68に送られ
る。
【0119】信号処理装置68では、増幅器67から送
られてきた電気信号について、目的とする放射線画像の
種類や放射線像変換パネルの特性に基づいて予め決めら
れている加算、減算などの適当な演算処理を行い、処理
後の信号を画像信号として送り出す。
【0120】送り出された画像信号は画像再生装置(図
示なし)にて可視画像として再生され、これにより被検
体に関する放射線の空間的エネルギー分布に対応した画
像が再構成される。再生装置は、CRT等のディスプレ
イ手段であってもよいし、感光フィルムに光走査記録あ
るいは感熱記録フィルムによる熱記録を行なう記録装置
であってもよいし、あるいはまた、そのために画像信号
を一旦光ディスク、磁気ディスク等の画像ファイルに記
憶させる装置に置き換えられてもよい。
【0121】一方、放射線像変換パネル60は、ニップ
ローラ61、62により矢印の方向に順次移動してい
き、読取工程に供された領域は次いで、ナトリウムラン
プ、蛍光灯、赤外線ランプ等の消去光源(図示なし)を
利用する消去工程に供される。これにより、読取工程の
後なおパネルに残存している蓄積エネルギーが放出除去
され、次回の放射線画像の記録(撮影)工程において、
残存エネルギーによる潜像が悪影響を及ぼすことがない
ようにされる。
【0122】なお、放射線像変換パネルが図2、3およ
び4に示したような構成である(すなわち、放射線吸収
性蛍光体層を有しない)場合には、支持体および保護層
を透明とすることにより、パネルの両面から輝尽発光光
を読み取ることができる。例えば、図6において、集光
ガイド65および光電変換装置66を放射線像変換パネ
ル60の下方にも配置することにより、輝尽発光光64
の読み取りを励起光63の照射とは反対の側からも、す
なわち両側から行うことができる。
【0123】あるいは、放射線の空間的エネルギー分布
情報が潜像として蓄積記録された放射線像変換パネルを
その平面方向に移送しながら、または励起光照射装置を
パネルの平面方向に移動させながら、パネルに対して励
起光を、LDアレイ、LEDアレイ、蛍光導光シート等
を用いて、移送方向とほぼ直交する方向に線状に照射
し、パネルの励起光照射部分の潜像から放出される輝尽
発光光を多数の固体光電変換素子を線状に配置してなる
ラインセンサ等を用いて逐次一次元的に光電検出して、
その放射線エネルギー分布情報を電気的画像信号として
得る放射線画像情報読取方法を利用することもできる。
【0124】
【実施例】[実施例1] SrO・1.75Al23:0.01
Eu,0.001Sm蛍光体 炭酸ストロンチウム(SrCO3)2.25g、酸化ア
ルミニウム(Al23)2.72g、酸化ユーロピウム
(Eu23)0.027g、酸化サマリウム(Sm
23)0.003g、およびホウ酸(H2BO3)0.0
5gをそれぞれ秤量し、乳鉢にて混合した。この混合物
をアルミナるつぼ(小)に入れて蓋をした。別のアルミ
ナるつぼ(大)に粉末カーボン10gを入れ、その上に
混合物の入ったるつぼ(小)を置き、更にアルミナるつ
ぼ(中)を逆さまにしてるつぼ(小)の上に被せた後、
るつぼ(大)に蓋をした。次に、このるつぼ(大)を電
気炉に入れて、1300℃の温度で弱還元性雰囲気で4
時間焼成した。焼成後、炉内温度を1時間かけて800
℃まで冷却した後、室温まで急冷した。焼成物を取り出
して、標記の組成式で表されるユーロピウム・サマリウ
ム付活酸化ストロンチウムアルミニウム輝尽性蛍光体を
得た。
【0125】[実施例2] SrO・1.75Al23:0.
01Eu,0.001Tm蛍光体 実施例1において、Sm23の代わりに酸化ツリウム
(Tm23)0.003gを用いたこと以外は実施例1
と同様にして、標題の組成式で表されるユーロピウム・
ツリウム付活酸化ストロンチウムアルミニウム輝尽性蛍
光体を得た。
【0126】[実施例3] SrO・1.75Al23:0.
01Eu,0.001Sm蛍光体 実施例1において、SrCO3を2.66g、Al23
を2.30g、およびEu23を0.032gに変更し
たこと以外は実施例1と同様にして、標題の組成式で表
されるユーロピウム・サマリウム付活酸化ストロンチウ
ムアルミニウム輝尽性蛍光体を得た。このとき、結晶系
はSrAl24であることを、X線回折パターンで確認
した。
【0127】[比較例1] SrO・1.75Al23:0.
01Eu蛍光体 実施例1において、Sm23を用いなかったこと以外は
実施例1と同様にして、標題の組成式で表されるユーロ
ピウム付活酸化ストロンチウムアルミニウム輝尽性蛍光
体を得た。
【0128】[輝尽性蛍光体の評価]上記の各輝尽性蛍
光体の輝尽発光特性について評価した。輝尽性蛍光体
に、蛍光分光光度計(F4500、日立製作所(株)製)を用
いて波長415nmの光を120秒間照射して一次励起
した。2分後に、この蛍光体に波長650nmの光を1
00秒間照射して二次励起し、波長500nmにおける
輝尽発光を測定した。励起後100秒間に渡る輝尽発光
光を積算して、輝尽発光強度(相対値)を求めた。得ら
れた結果をまとめて表4に示す。
【0129】
【表4】 表 4 ───────────────────────── 実施例 輝尽発光強度 ───────────────────────── 実施例1 100 実施例2 100 実施例3 66 ───────────────────────── 比較例1 <5 ─────────────────────────
【0130】表4から明らかなように、本発明の希土類
で共付活された酸化ストロンチウムアルミニウム輝尽性
蛍光体(実施例1〜3)はいずれも、比較のためのユー
ロピウム付活酸化ストロンチウムアルミニウム輝尽性蛍
光体(比較例1)に比べて、著しく高い輝尽発光強度を
示した。
【0131】
【発明の効果】本発明の希土類付活アルカリ土類三価金
属酸化物系輝尽性蛍光体は、紫外乃至可視領域の光を吸
収したのち可視乃至赤外領域の光で励起されると可視領
域に輝尽発光を示す蓄積性蛍光体であり、従来よりも顕
著に高い輝尽発光強度を示す。この蛍光体は、上述した
放射線画像形成方法のみならず、情報の記録や読み出し
が可能な光メモリーや、高密度化および高速度化された
光素子に利用することも可能である。
【0132】また、この輝尽性蛍光体を用いる本発明の
方法によれば、放射線画像形成に関わる蛍光体の放射線
吸収機能とエネルギー蓄積機能を分離して、二種類の蛍
光体に各機能を分担させ、放射線吸収機能を担う蛍光体
には放射線吸収率の高い蛍光体を用いることにより、エ
ネルギー蓄積機能を担う蛍光体には輝尽発光強度の高い
輝尽性蛍光体を用いることにより、また蓄積性蛍光体層
を両面から露光することによって、検出量子効率の高い
画像形成を実現することができる。また、この輝尽性蛍
光体を放射線像変換パネルに用いることにより、化学的
な安定性が向上した放射線像変換パネルを提供できる。
さらに、エネルギー蓄積機能を担う蛍光体として応答性
の優れた蛍光体を用いることにより、より一層検出量子
効率の高い画像形成を達成することができる。その結
果、被検体(被写体)に対して被曝線量を低減すること
が可能となり、あるいはオートラジオグラフィーのよう
な被検体自体が放射線を放射する場合には、より微量の
放射線の解析が可能となる。また、本発明の放射線画像
形成方法によれば、X線解析やオートラジオグラフィー
などにおいても、放射線の二次元情報を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像形成材料の構成の代表的な
例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図3】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図4】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図5】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図6】本発明の放射線画像形成方法に用いられる読取
装置の構成の例を示す概略側面図である。
【図7】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を
示す概略断面図である。
【図8】本発明に係る放射線像変換パネルの構成の別の
例を示す概略断面図である。
【図9】本発明に係る多層膜の構成の例を示す概略断面
図である。
【図10】多層膜の光透過特性を示すグラフである。
【図11】多層膜の特定波長における光の入射角と透過
率との関係を示すグラフである。
【図12】本発明に係る放射線像変換パネルの構成の別
の例を示す概略断面図である。
【図13】本発明に係る拡散反射層の層厚と拡散反射率
との関係において好ましい領域を示すグラフである。
【図14】本発明の輝尽性蛍光体について、2b/aと
輝尽発光強度との関係を示すグラフである。
【図15】本発明の輝尽性蛍光体について、xと輝尽発
光強度との関係を示すグラフである。
【図16】本発明の輝尽性蛍光体について、yと輝尽発
光強度との関係を示すグラフである。
【図17】本発明の輝尽性蛍光体について、yと輝尽発
光強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10、10’、20、30、40、50 放射線画像形
成材料 10a、10a’、10a”、20a、30a、40
a、60放射線像変換パネル 10b、10b’、20b、20c、30b、30c、
40b蛍光スクリーン 12a、12b、12b’、22b、22c、32b、
32c、42、52放射線吸収性蛍光体層 13、23、33、33’、43、53 蓄積性蛍光体
層 15 選択的反射層(多層膜) 16 拡散反射層 63 励起光 64 輝尽発光光 65 集光ガイド 66 光電変換装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/62 CPK C09K 11/62 CPK 11/63 CPN 11/63 CPN G01T 1/00 G01T 1/00 B G03B 42/02 G03B 42/02 B G21K 4/00 G21K 4/00 A M N Fターム(参考) 2G083 AA02 AA03 BB03 BB04 CC01 CC03 CC04 CC05 CC06 CC07 DD02 DD11 DD12 DD13 EE03 2H013 AC01 AC03 4G076 AA02 AA18 AB02 AB09 BA38 BA40 DA09 4H001 CA02 CA04 CA05 CA08 XA05 XA08 XA12 XA13 XA20 XA31 XA38 XA56 YA00 YA63

Claims (67)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成式(I): MIIO・aMIII 23:xEu,yLn …(I) [ただし、MIIはMg、Ca、Sr及びBaからなる群
    より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表
    し;MIIIはB、Al及びGaからなる群より選ばれる
    少なくとも一種の三価金属を表し;LnはLa、Ce、
    Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
    r、Tm、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なく
    とも一種の希土類元素を表し;そしてa、x及びyはそ
    れぞれ、0.5≦a≦5.5、1×10-6≦x≦0.
    2、1×10-6≦y≦0.2の範囲内の数値を表す]を
    有する希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性
    蛍光体。
  2. 【請求項2】 化学組成式(I)のMIIがSrを50%
    以上含む請求項1に記載の希土類付活アルカリ土類三価
    金属酸化物系輝尽性蛍光体。
  3. 【請求項3】 化学組成式(I)のMIIがSrである請
    求項2に記載の希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物
    系輝尽性蛍光体。
  4. 【請求項4】 化学組成式(I)のMIIIがAlを50
    %以上含む請求項1乃至3のいずれかの項に記載の希土
    類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体。
  5. 【請求項5】 化学組成式(I)のMIIIがAlである
    請求項4に記載の希土類付活アルカリ土類三価金属酸化
    物系輝尽性蛍光体。
  6. 【請求項6】 化学組成式(I)のMIIIがBを含む請
    求項1乃至4のいずれかの項に記載の希土類付活アルカ
    リ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体。
  7. 【請求項7】 化学組成式(I)におけるLnがSmお
    よび/またはTmである請求項1乃至6のいずれかの項
    に記載の希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽
    性蛍光体。
  8. 【請求項8】 化学組成式(I)のaが、1.1≦a≦
    3.0の範囲内の数値である請求項1乃至7のいずれか
    の項に記載の希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系
    輝尽性蛍光体。
  9. 【請求項9】 化学組成式(I)のxが、1×10-3
    x≦5×10-2の範囲内の数値である請求項1乃至8の
    いずれかの項に記載の希土類付活アルカリ土類三価金属
    酸化物系輝尽性蛍光体。
  10. 【請求項10】 化学組成式(I)のyが、1×10-4
    ≦y≦0.1の範囲内の数値である請求項1乃至9のい
    ずれかの項に記載の希土類付活アルカリ土類三価金属酸
    化物系輝尽性蛍光体。
  11. 【請求項11】 画像形成用の放射線を吸収して紫外乃
    至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線
    吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギー
    を蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該エネ
    ルギーを発光光として放出する請求項1に記載の希土類
    付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有
    する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネル、およ
    び画像形成用の放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発
    光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層
    を有する蛍光スクリーンを、パネルの蓄積性蛍光体層側
    表面にスクリーンを密着状態となるように配置し、パネ
    ルまたはスクリーンの側から、被検体を透過した、被検
    体によって回折または散乱された、或は被検体から放射
    された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エ
    ネルギー分布情報を潜像として記録させたのち、パネル
    をスクリーンより引き離し、パネルの蓄積性蛍光体層側
    表面に励起光を照射して、該パネルの潜像から放出され
    る発光光を光電的に読み取って画像信号に変換し、そし
    て該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応
    した画像を形成することからなる放射線画像形成方法。
  12. 【請求項12】 放射線を吸収して紫外乃至可視領域の
    発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体
    層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可
    視乃至赤外領域の励起光で励起されると該蓄積したエネ
    ルギーを発光光として放出する請求項1に記載の希土類
    付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有
    する蓄積性蛍光体層とを有する放射線像変換パネル、お
    よび放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出
    する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍
    光スクリーンを含む放射線画像形成材料。
  13. 【請求項13】 放射線像変換パネルを構成する蓄積性
    蛍光体層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小
    さい請求項12に記載の放射線画像形成材料。
  14. 【請求項14】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の層厚が、放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンの
    全放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範
    囲にある請求項12に記載の放射線画像形成材料。
  15. 【請求項15】 放射線像変換パネルの少なくとも一部
    が、励起光、および/または輝尽性蛍光体からの発光
    光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を
    吸収する着色剤により着色されている請求項12に記載
    の放射線画像形成材料。
  16. 【請求項16】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    側表面に保護層が設けられ、かつ蛍光スクリーンの少な
    くとも一方の側に保護層が設けられていて、該パネルお
    よびスクリーンの両保護層の帯電列が揃っている請求項
    12に記載の放射線画像形成材料。
  17. 【請求項17】 放射線像変換パネルの放射線吸収性蛍
    光体層と蓄積性蛍光体層との間に、放射線吸収性蛍光体
    からの発光光を透過し、輝尽性蛍光体からの発光光およ
    び励起光を反射する選択的反射層が設けられている請求
    項12に記載の放射線画像形成材料。
  18. 【請求項18】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    に含有されている輝尽性蛍光体の平均粒子径が、放射線
    像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸
    収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の平
    均粒子径と同等もしくはそれより小さい請求項12に記
    載の放射線画像形成材料。
  19. 【請求項19】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数
    が、放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーン
    の放射線吸収性蛍光体層の画像形成用放射線に対する吸
    収係数の2倍よりも大きい請求項12に記載の放射線画
    像形成材料。
  20. 【請求項20】 放射線像変換パネルおよび/または蛍
    光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層の
    厚み方向に沿って立った状態で配置された一群の針状蛍
    光体、もしくは該蛍光体層を平面方向に沿って細分区画
    する隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充填領域とか
    らなる請求項12に記載の放射線画像形成材料。
  21. 【請求項21】 放射線像変換パネルおよび/または蛍
    光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有された放射
    線吸収性蛍光体の密度が6.0g/cm3以上である
    か、あるいは該放射線吸収性蛍光体層の密度が4.0g
    /cm3以上である請求項12に記載の放射線画像形成
    材料。
  22. 【請求項22】 放射線像変換パネルおよび/または蛍
    光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有された放射
    線吸収性蛍光体の発光光の波長領域と、放射線像変換パ
    ネルの蓄積性蛍光体層に含有される輝尽性蛍光体の一次
    励起波長領域とが70%以上重なっている請求項12に
    記載の放射線画像形成材料。
  23. 【請求項23】 放射線像変換パネルの放射線吸収性蛍
    光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体、および蛍
    光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている
    放射線吸収性蛍光体が、互いに異なる原子番号37以上
    の元素を含有している請求項12に記載の放射線画像形
    成材料。
  24. 【請求項24】 放射線像変換パネルおよび/または蛍
    光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層、および放射線像
    変換パネルの蓄積性蛍光体層が、それぞれ蛍光体の粒子
    とそれを分散支持する結合剤とからなり、そして該放射
    線吸収性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者
    /後者)が、該蓄積性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重
    量比率(前者/後者)と同等もしくはそれより小さく、
    かついずれも1以下である請求項12に記載の放射線画
    像形成材料。
  25. 【請求項25】 放射線像変換パネルまたは蛍光スクリ
    ーンに、光反射性物質を含有する支持体、あるいは支持
    体と拡散反射層との積層体が備えられている請求項12
    に記載の放射線画像形成材料。
  26. 【請求項26】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを
    蓄積し、可視乃至赤外領域の励起光で励起されると該蓄
    積されたエネルギーを発光光として放出する請求項1に
    記載の希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性
    蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有する放射線像変
    換パネル、および画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを含み、該放射線
    像変換パネルの蓄積性蛍光体層の側の表面と蛍光スクリ
    ーンとが対向する位置に配置されてなる放射線画像形成
    材料。
  27. 【請求項27】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーンの
    間に、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可
    視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネル
    ギーを発光光として放出する請求項1に記載の希土類付
    活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有す
    る蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを、それ
    ぞれ密着状態で配置し、いずれか一方のスクリーンの側
    から、被検体を透過した、被検体により回折または散乱
    された、或は被検体から放射された放射線を照射して、
    パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像と
    して記録させた後、パネルを両方のスクリーンより引き
    離し、次いでパネルの表面に励起光を照射して、該潜像
    から放出される発光光を該パネルの片面もしくは両面か
    ら光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像
    信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像
    を形成することからなる放射線画像形成方法。
  28. 【請求項28】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域に発光を示す蛍光体を含有する放射線吸収性蛍
    光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーン、および
    該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至
    赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを
    発光光として放出する請求項1に記載の希土類付活アル
    カリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有する蓄積
    性蛍光体層を有する放射線像変換パネルから構成される
    放射線画像形成材料。
  29. 【請求項29】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の層厚が、各蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の
    層厚よりも小さい請求項28に記載の放射線画像形成材
    料。
  30. 【請求項30】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の層厚が、蛍光スクリーンの全放射線吸収性蛍光体層の
    層厚の0.2乃至20%の範囲にある請求項28に記載
    の放射線画像形成材料。
  31. 【請求項31】 放射線像変換パネルの少なくとも一部
    が、励起光、および/または輝尽性蛍光体からの発光
    光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を
    吸収する着色剤により着色されている請求項28に記載
    の放射線画像形成材料。
  32. 【請求項32】 放射線像変換パネルの両面に保護層が
    設けられ、各蛍光スクリーンの少なくとも一方の表面に
    保護層が設けられ、そして該パネル保護層およびスクリ
    ーンの保護層の帯電列がそれぞれ揃っている請求項28
    に記載の放射線画像形成材料。
  33. 【請求項33】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    に含有されている輝尽性蛍光体の平均粒子径が、少なく
    とも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含
    有されている放射線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等も
    しくはそれより小さい請求項28に記載の放射線画像形
    成材料。
  34. 【請求項34】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数
    が、少なくとも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍
    光体層の画像形成用放射線に対する吸収係数の2倍より
    も大きい請求項28に記載の放射線画像形成材料。
  35. 【請求項35】 少なくとも一方の蛍光スクリーンの放
    射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層の厚み方向に沿って
    立った状態で配置された一群の針状蛍光体、もしくは該
    蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁
    により区画された蛍光体充填領域とからなる請求項28
    に記載の放射線画像形成材料。
  36. 【請求項36】 少なくとも一方の蛍光スクリーンの放
    射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光
    体の密度が6.0g/cm3以上であるか、あるいは該
    放射線吸収性蛍光体層の密度が4.0g/cm3以上で
    ある請求項28に記載の放射線画像形成材料。
  37. 【請求項37】 少なくとも一方の蛍光スクリーンの放
    射線吸収性蛍光体層に含有される放射線吸収性蛍光体の
    発光光の波長領域と、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光
    体層に含有される輝尽性蛍光体の一次励起波長領域とが
    70%以上重なっている請求項28に記載の放射線画像
    形成材料。
  38. 【請求項38】 二枚の蛍光スクリーンの放射線吸収性
    蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体が、互い
    に異なる原子番号37以上の元素を含有している請求項
    28に記載の放射線画像形成材料。
  39. 【請求項39】 少なくとも一の蛍光スクリーンの放射
    線吸収性蛍光体層、および放射線像変換パネルの蓄積性
    蛍光体層がそれぞれ蛍光体の粒子とそれを分散支持する
    結合剤とからなり、そして該放射線吸収性蛍光体層の結
    合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)が、該蓄積性
    蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)
    と、同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下
    である請求項28に記載の放射線画像形成材料。
  40. 【請求項40】 一方の蛍光スクリーンの表面に、光反
    射性物質を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射
    層との積層体が設けられている請求項28に記載の放射
    線画像形成材料。
  41. 【請求項41】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーンの
    間に、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可
    視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネル
    ギーを発光光として放出する請求項1に記載の希土類付
    活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有す
    る蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルが配置さ
    れてなる放射線画像形成材料。
  42. 【請求項42】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、該発光光を吸
    収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光
    で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放
    出する請求項1に記載の希土類付活アルカリ土類三価金
    属酸化物系輝尽性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有
    する放射線像変換パネルの表面に密着状態で配置し、ス
    クリーンもしくはパネルの側から、被検体を透過した、
    被検体によって回折または散乱された、或は被検体から
    放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間
    的エネルギー分布情報を潜像として記録させたのち、パ
    ネルをスクリーンより引き離し、パネルの表面に励起光
    を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルの
    片面もしくは両面から光電的に読み取って画像信号に変
    換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー
    分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像
    形成方法。
  43. 【請求項43】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層を有する蛍光スクリーン、および該発光光
    を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域
    の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光と
    して放出する請求項1に記載の希土類付活アルカリ土類
    三価金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体
    層を有する放射線像変換パネルからなる放射線画像形成
    材料。
  44. 【請求項44】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の層厚が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の層
    厚よりも小さい請求項43に記載の放射線画像形成材
    料。
  45. 【請求項45】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の層厚が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の層
    厚の0.2乃至20%の範囲にある請求項43に記載の
    放射線画像形成材料。
  46. 【請求項46】 放射線像変換パネルの少なくとも一部
    が、励起光、および/または輝尽性蛍光体からの発光
    光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を
    吸収する着色剤により着色されている請求項43に記載
    の放射線画像形成材料。
  47. 【請求項47】 放射線像変換パネルの片面に保護層が
    設けられ、蛍光スクリーンの表面に保護層が設けられ、
    そして該パネルおよびスクリーンの両保護層の帯電列が
    揃っている請求項43に記載の放射線画像形成材料。
  48. 【請求項48】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    に含有されている輝尽性蛍光体の平均粒子径が、蛍光ス
    クリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射
    線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等もしくはそれより小
    さい請求項43に記載の放射線画像形成材料。
  49. 【請求項49】 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層
    の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数
    が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の画像形成
    用放射線に対する吸収係数の2倍よりも大きい請求項4
    3に記載の放射線画像形成材料。
  50. 【請求項50】 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体
    層が、該蛍光体層の厚み方向に沿って立った状態で配置
    された一群の針状蛍光体、もしくは該蛍光体層を平面方
    向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画された
    蛍光体充填領域とからなる請求項43に記載の放射線画
    像形成材料。
  51. 【請求項51】 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体
    層に含有されている放射線吸収性蛍光体の密度が6.0
    g/cm3以上であるか、あるいは該放射線吸収性蛍光
    体層の密度が4.0g/cm3以上である請求項43に
    記載の放射線画像形成材料。
  52. 【請求項52】 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体
    層に含有されている放射線吸収性蛍光体の発光光の波長
    領域と、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有さ
    れている輝尽性蛍光体の一次励起波長領域とが70%以
    上重なっている請求項43に記載の放射線画像形成材
    料。
  53. 【請求項53】 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体
    層および放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層がそれぞ
    れ蛍光体の粒子とそれを分散支持する結合剤とからな
    り、そして該放射線吸収性蛍光体層の結合剤と蛍光体と
    の重量比(前者/後者)が、該蓄積性蛍光体層の結合剤
    と蛍光体との重量比率(前者/後者)と同等もしくはそ
    れより小さく、かついずれも1以下である請求項43に
    記載の放射線画像形成材料。
  54. 【請求項54】 蛍光スクリーンの表面に光反射性物質
    を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射層とから
    なる積層体が設けられている請求項43に記載の放射線
    画像形成材料。
  55. 【請求項55】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンと、該発光光を吸
    収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光
    で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として
    放出する請求項1に記載の希土類付活アルカリ土類三価
    金属酸化物系輝尽性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を
    有する放射線像変換パネルとが密着状態で積層されてな
    る放射線画像形成材料。
  56. 【請求項56】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを
    蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積され
    たエネルギーを発光光として放出する請求項1に記載の
    希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光体
    を含有する蓄積性蛍光体層とを有し、かつ蓄積性蛍光体
    層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい放
    射線像変換パネルに、被検体を透過した、被検体により
    回折または散乱された、或は被検体から放射された放射
    線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分
    布情報を潜像として記録させた後、パネルの蓄積性蛍光
    体層側表面に励起光を照射して、該潜像から放出される
    発光光を該パネルから光電的に読み取って画像信号に変
    換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー
    分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像
    形成方法。
  57. 【請求項57】 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至
    可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸
    収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを
    蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積さ
    れたエネルギーを発光光として放出する請求項1に記載
    の希土類付活アルカリ土類三価金属酸化物系輝尽性蛍光
    体を含有する蓄積性蛍光体層とからなり、蓄積性蛍光体
    層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい放
    射線像変換パネル。
  58. 【請求項58】 蓄積性蛍光体層の層厚が、放射線吸収
    性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲にある請求
    項57記載の放射線像変換パネル。
  59. 【請求項59】 少なくともいずれかの層が、励起光、
    および/または輝尽性蛍光体の発光光、および/または
    放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤によ
    り着色されている請求項57に記載の放射線像変換パネ
    ル。
  60. 【請求項60】 放射線吸収性蛍光体層と蓄積性蛍光体
    層との間に、放射線吸収性蛍光体からの発光光を透過
    し、かつ輝尽性蛍光体からの発光光および励起光を反射
    する選択的反射層が設けられている請求項57に記載の
    放射線像変換パネル。
  61. 【請求項61】 蓄積性蛍光体層に含まれている輝尽性
    蛍光体の平均粒子径が、放射線吸収性蛍光体層に含有さ
    れる放射線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等もしくはそ
    れより小さい請求項57に記載の放射線像変換パネル。
  62. 【請求項62】 蓄積性蛍光体層の放射線吸収性蛍光体
    からの発光光に対する吸収係数が、放射線吸収性蛍光体
    層の画像形成用放射線に対する吸収係数の2倍よりも大
    きい請求項57に記載の放射線像変換パネル。
  63. 【請求項63】 放射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層
    の厚み方向に沿って立った状態で配置された一群の針状
    蛍光体、もしくは該蛍光体層を平面方向に沿って細分区
    画する隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充填領域と
    からなる請求項57に記載の放射線像変換パネル。
  64. 【請求項64】 放射線吸収性蛍光体層に含有されてい
    る放射線吸収性蛍光体の密度が6.0g/cm3以上で
    あるか、あるいは該放射線吸収性蛍光体層の密度が4.
    0g/cm3以上である請求項57に記載の放射線像変
    換パネル。
  65. 【請求項65】 放射線吸収性蛍光体層に含有される放
    射線吸収性蛍光体の発光光の波長領域と、蓄積性蛍光体
    層に含有される輝尽性蛍光体の一次励起波長領域とが7
    0%以上重なっている請求項57に記載の放射線像変換
    パネル。
  66. 【請求項66】 放射線吸収性蛍光体層および蓄積性蛍
    光体層がそれぞれ蛍光体の粒子とそれを分散支持する結
    合剤とからなり、そして該放射線吸収性蛍光体層の結合
    剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)が、該蓄積性蛍
    光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)と
    同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下であ
    る請求項57に記載の放射線像変換パネル。
  67. 【請求項67】 放射線吸収性蛍光体層側表面に光反射
    性物質を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射層
    との積層体が設けられている請求項57に記載の放射線
    像変換パネル。
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TWI420691B (zh) * 2006-11-20 2013-12-21 尼康股份有限公司 Led裝置及其製造方法
WO2018021160A1 (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 国立研究開発法人産業技術総合研究所 荷電粒子検出用材料並びにそれを用いた荷電粒子検出膜および荷電粒子検出液

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