JP2003286335A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2003286335A
JP2003286335A JP2002093587A JP2002093587A JP2003286335A JP 2003286335 A JP2003286335 A JP 2003286335A JP 2002093587 A JP2002093587 A JP 2002093587A JP 2002093587 A JP2002093587 A JP 2002093587A JP 2003286335 A JP2003286335 A JP 2003286335A
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epoxy resin
resin composition
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semiconductor device
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Yoshio Fujieda
義雄 藤枝
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、硬化性等の成形性に優れ、熱時弾性
率、吸水率の低減により、半導体装置の耐半田性を向上
できる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)フェノールアラルキル型エポキシ
樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)下記式で示される
分子化合物及び(D)無機充填材を含むことを特徴とす
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (Pはリン原子、R1、R2、R3及びR4は、置換もしく
は無置換の芳香族基又はアルキル基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性、耐半田性
に優れた特性を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物
及びこれを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI等の半導体素子の封止方法
として、エポキシ樹脂組成物のトランスファー成形によ
る方法が、低コスト、大量生産に適した方法として採用
されて久しく、信頼性もエポキシ樹脂や硬化剤であるフ
ェノール樹脂の改良により向上が図られてきた。しか
し、近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の市場
動向において、半導体の高集積化も年々進み、又半導体
装置の表面実装化が促進されるなかで、半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物への要求は益々厳しいものとなってき
ている。このため、従来からのエポキシ樹脂組成物では
解決できない問題点も出てきている。その最大の問題点
は、半導体装置の表面実装の採用により半導体装置が半
田浸漬、或いは半田リフロー工程で急激に200℃以上
の高温にさらされ、半導体装置が吸湿した水分が爆発的
に気化する際の応力により、半導体装置にクラックが発
生したり、半導体素子、リードフレーム、インナーリー
ド上の各種メッキされた接合部分との各界面で、剥離が
生じ信頼性が著しく低下する現象である。
【0003】更に、近年半導体装置の薄型化に伴い、半
導体装置中に占めるエポキシ樹脂組成物の硬化物の厚み
が一段と薄くなってきており、64M、256MDRA
M用の半導体装置は、1mm厚のTSOPが主流となり
つつある。これらの薄型半導体装置には、エポキシ樹脂
組成物の成形時の充填性が良好で、金線変形が少なく、
半導体素子やリードフレームの変形(チップシフトやダ
イパッドシフトと呼ぶ)がないことが要求され、そのた
めエポキシ樹脂組成物には、成形時の流動性に優れるこ
とが必要である。
【0004】更に、近年生産効率の向上を目的とした速
硬化性と、物流・保管時の取扱い性向上のための保存性
の向上が、より重要視されるようになってきている。従
来、半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、硬化触媒と
してアミン類、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロ
ウンデセン等の含窒素複素環式化合物、第四級アンモニ
ウム、ホスホニウム或いはアルソニウム化合物等の種々
の化合物が使用されている。これらの硬化触媒は、常温
等の比較的低温においても硬化促進作用を示す場合が多
いので、エポキシ樹脂組成物の製造時及び保存時の粘度
上昇や、流動性の低下、硬化性のバラツキ等、製品とし
ての品質を低下させる原因となっている。
【0005】この問題を解決すべく、低温での粘度、流
動性の経時変化を抑え、成形時の加熱によってのみ、硬
化反応を起こすような、いわゆる潜伏性硬化促進剤の研
究が盛んになされている。その手段として、硬化促進剤
の活性点をイオン対により保護することで、潜伏性を発
現する研究がなされており、特開平8−41290号公
報では、種々の有機酸とホスホニウムイオンとの塩構造
を有する潜伏性硬化促進剤が提示されている。しかし、
このホスホニウム塩は、イオン対が比較的容易に外部環
境の影響を受けるため、近年の低分子エポキシ樹脂やフ
ェノールアラルキル樹脂のような分子の動きやすいフェ
ノール樹脂を用いるエポキシ樹脂組成物では、流動性や
保存性が低下する問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性、硬
化性等の成形性に優れ、熱時弾性率、吸水率の低減によ
り、表面実装時における半導体装置の耐半田性を著しく
向上できる半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを
用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1] (A)一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、
(B)フェノール樹脂、(C)一般式(2)で示される
分子化合物及び(D)無機充填材を含むことを特徴とす
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【0008】
【化4】
【0009】(Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアル
キル基から選択される基で、互いに同一であっても異な
っていてもよい。nは、平均値で、1〜10の正数。)
【0010】
【化5】
【0011】(Pはリン原子、R1、R2、R3及びR
4は、置換もしくは無置換の芳香族基又はアルキル基、
Aは、(a+b)価の芳香族基、Xは、水素原子又は1
価有機基を表す。aは、3〜5の整数、bは、1〜3の
整数を表す。) [2] 一般式(2)で示される分子化合物が、一般式
(3)である第[1]項記載の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物、
【0012】
【化6】
【0013】(Pはリン原子、R1、R2、R3及びR
4は、置換もしくは無置換の芳香族基又はアルキル基を
表す。)
【0014】[3]第[1]項又は[2]項記載のエポ
キシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなること
を特徴とする半導体装置、である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる一般式(1)
で示されるエポキシ樹脂は、フェニレン骨格を含んでお
り、これを用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、架橋
点間距離が長くなり可撓性を付与することで熱時の弾性
率が低くなり、又低吸水となることから耐半田性に優れ
ているものと考えられる。一般式(1)中のRが、少な
くとも1個以上のアルキル基だと、アルキル基の数が増
えるに伴い、更に可撓性が付与され、低吸水となるが、
徐々に硬化が遅くなる傾向にある。一般式(1)で示さ
れるエポキシ樹脂は、上述したように優れた特性を有し
ているが、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
等に較べ硬化が遅いという問題がある。
【0016】一般式(1)で示されるエポキシ樹脂は、
他のエポキシ樹脂と併用することができる。併用する場
合の一般式(1)のエポキシ樹脂の配合量としては、全
エポキシ樹脂中に30重量%以上が好ましく、更に好ま
しくは50重量%以上が望ましい。併用するエポキシ樹
脂としては、分子内にエポキシ基を有するモノマー、オ
リゴマー、ポリマー全般を指す。例えばビスフェノール
A型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリ
フェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン変性フェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキ
シ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、スチルベン型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のエ
ポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのエポキシ樹脂は単独でも混合して用
いてもよい。
【0017】本発明で用いられるフェノール樹脂は、分
子内にフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマー全般を指す。例えばフェノールノボラック
樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン骨格又はジフ
ェニレン骨格を含む)樹脂、ジシクロペンタジエン変性
フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
フェノール樹脂のうちで、一般式(1)のエポキシ樹脂
の特性を最大限発現させるには、樹脂中にフェニレン骨
格又はジフェニレン骨格を含み、可撓性を付与し熱時の
弾性率を低くする特性を有するフェノールアラルキル樹
脂が好ましく、その使用量は、全フェノール樹脂中50
重量%以上が望ましい。一般式(1)のエポキシ樹脂と
同様に優れた特性を有しているが、フェノールノボラッ
ク樹脂等に較べ硬化が遅いという問題がある。全エポキ
シ樹脂と全フェノール樹脂の配合割合としては、エポキ
シ樹脂のエポキシ基1モルに対し、フェノール樹脂のフ
ェノール性水酸基が、0.5〜2モル、好ましくは0.
8〜1.2のモル比となるよう用いると、硬化性、耐半
田性、電気特性等がより良好となる。
【0018】本発明において硬化促進剤として機能する
一般式(2)で示される分子化合物は、テトラ置換ホス
ホニウムと多価プロトン供与体との錯塩である。この分
子化合物は、1個のテトラ置換ホスホニウムカチオン
と、多価プロトン供与体が1個のプロトンを放出してな
る有機アニオンがイオン対を形成し、更にアニオン分子
部と他のプロトン供与体分子が水素結合等の分子間相互
作用を介して安定な錯塩を形成するものである。
【0019】一般式(2)で示される分子化合物が、従
来のホスホニウムカチオン−プロトン供与体アニオンで
ある1:1型のホスホニウム塩と異なる点は、3価以上
のプロトン供与体が、分子中の水酸基が関与した分子間
水素結合を介して、プロトン供与体間の水素結合によ
り、高次構造の錯アニオン部を形成し、安定な超分子型
の錯塩を形成している点である。この安定な超分子型錯
塩構造により、従来のホスホニウムカチオン−プロトン
供与体アニオンが1:1型の塩に比べて、低温の活性が
抑制され、エポキシ樹脂組成物の良好な保存安定性を与
えることができる。一方、成形温度付近の高温において
は、水素結合により形成される超分子型の錯塩構造は、
速やかに熱的に解離分解し活性化し、従来のホスホニウ
ム塩同様に速やかに硬化を促進し、良好な硬化性を発現
する。更に、従来のホスホニウム塩に比べて、成形温度
付近に到達するまでは、触媒活性が、より抑制されてい
るため、成形時に、より良好な流動性を与えることがで
きる。従って、一般式(2)で示される分子化合物を用
いることによって、良好な保存安定性、硬化性、流動性
に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0020】本発明に用いる一般式(2)で示される分
子化合物を構成するホスホニウムカチオンとしては、置
換又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基にも
つ、テトラ置換ホスホニウムイオンもしくはテトラ置換
アンモニウムイオンが、熱や加水分解に対する安定性の
点で好ましく、具体的には、テトラフェニルホスホニウ
ム、テトラトリルホスホニウム等のテトラアリール置換
ホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウムやベン
ジルトリフェニルホスホニウム、トリフェニルメチルホ
スニウム等のトリアリールホスフィンとアルキルハライ
ドから合成されたホスホニウムハライドに起源をもつト
リアリールモノアルキルホスホニウム、テトラブチルホ
スホニウム等のテトラアルキル置換ホスホニウムイオン
が挙げられる。
【0021】又分子化合物を形成するもう一方の成分で
ある、3価以上のプロトン供与体としては、1,2,3
−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキ
シベンゼン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、2,
4,6−トリヒドロキシプロピオンフェノン、1,8,
9−トリヒドロキシアントラセン、1,2,4−トリヒ
ドロキシアントラキノン、1,4,9,10−テトラヒ
ドロキシアントラセン、2,3,4,4’−テトラヒド
ロキシフェニルメタン等が挙げられるが、ホスホニウム
化合物の安定性や硬化性、流動性、保存性のバランスの
点から、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,
3,5−トリヒドロキシベンゼン、2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノン等の一般式(3)で示されるト
リヒドロキシベンゼンが特に好ましい。
【0022】一般式(2)で示される分子化合物は、前
述のような3価以上のプロトン供与体と、最終的に脱ハ
ロゲン化水素を助ける塩基、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物をアルコール
等の溶媒に溶解し、続いて適当な溶媒に溶解した前記テ
トラ置換ホスホニウムのハライドを添加し反応させて、
最終的には再結晶や再沈殿等の操作により固形分として
取り出す方法や、テトラ置換ホスホニウムテトラ置換ボ
レートとプロトン供与体を熱反応後、アルコール等の溶
媒中で加熱反応させる方法で合成可能である。
【0023】本発明で用いられる分子会合体の特性を損
なわない範囲で他の硬化促進剤を併用してもよい。併用
する硬化促進剤としては、例えば1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフ
ィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボ
レート等が挙げられる。本発明で用いられる分子会合体
の配合量は、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂とフ
ェノール樹脂の合計重量100重量部に対し、0.5〜
20重量部が硬化性、エポキシ樹脂組成物の保存性等の
バランスから好ましい。
【0024】本発明に用いられる無機充填材としては、
溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げ
られ、これらは単独でも混合して用いてもよい。これら
の内では、球形度の高い溶融シリカを全量、或いは一部
破砕シリカを併用することが好ましい。無機充填材の平
均粒径としては5〜30μm、最大粒径としては150
μm以下が好ましく、特に平均粒径5〜20μm、最大
粒径74μm以下が好ましい。又粒子の大きさの異なる
ものを混合することにより充填量を多くすることができ
る。無機充填材は、予めシランカップリング剤等で表面
処理されているものを用いてもよい。
【0025】本発明の無機充填材の配合量としては、全
エポキシ樹脂組成物中に80〜90重量%が好ましい。
80重量%未満だと、半導体装置の吸湿量が増加し、半
田処理温度での強度が低下し、半田処理時に半導体装置
にクラックが発生し易くなるので好ましくない。一方9
0重量%を越えると、流動性が低下し、未充填や半導体
素子のシフト、パッドシフトが発生し易くなり好ましく
ない。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分を必須成分とするが、これ以外に必要に応じ
てシランカップリング剤、カーボンブラック等の着色
剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、臭素化エ
ポキシ、酸化アンチモン等の難燃剤、シリコーンオイ
ル、ゴム等の低応力添加剤等の種々の添加剤を適宜配合
しても差し支えない。又本発明のエポキシ樹脂組成物
は、(A)〜(D)成分及びその他の添加剤等をミキサ
ー等を用いて充分に均一に混合した後、更に熱ロール又
はニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の
各種の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、
トランスファーモールド、コンプレッションモールド、
インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬
化成形すればよい。
【0027】
【実施例】硬化促進剤の合成例 合成例1 撹拌装置付きの1Lのセパラブルフラスコに1,2,3
−トリヒドロキシベンゼン25.2g(0.2mo
l)、メタノール100mLを仕込み、室温で撹拌溶解
し、更に攪拌しながら、予め550mLのメタノールに
水酸化ナトリウム4.0g(0.1mol)を溶解した溶
液を添加した。次いで、予めテトラフェニルホスホニウ
ムブロマイド41.9g(0.1mol)を150mL
のメタノールに溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌を
継続し、300mLのメタノールを追加した後、フラス
コ内の溶液に500mLの水を撹拌しながら滴下し、淡
黄色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、融点198〜2
00℃の淡黄色色結晶109.8gを得た。この化合物
をC1とする。C1を、NMR、マススペクトル、元素
分析で分析した結果、テトラフェニルホスホニウム1分
子と1,2,3−トリヒドロキシベンゼンが、モル比
1:2で錯化した一般式(3)で示される目的の分子化
合物であることが確認された。合成の収率は93.0%
であった。
【0028】合成例2 合成例2は、合成例1の1,2,3−トリヒドロキシベ
ンゼン(0.2mol)を1,3,5−トリヒドロキシ
ベンゼン(0.2mol)に変えた以外は、基本的な操
作は全て合成例1と同様に行った。この化合物をC2と
する。合成例1と同様にして分析した結果、テトラフェ
ニルホスホニウム1分子と1,3,5−トリヒドロキシ
ベンゼンが、モル比1:2で錯化した一般式(3)で示
される目的の分子化合物であることが確認された。合成
の収率は89.0%であった。
【0029】以下、本発明を実施例で具体的に説明す
る。配合割合は重量部とする。 実施例1 式(4)のエポキシ樹脂(軟化点53℃、エポキシ当量
239)5.4重量部
【0030】
【化7】
【0031】 フェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)、XLC−LL、軟化点79℃、 水酸基当量174) 4.3重量部 球状溶融シリカ(平均粒径15um、最大粒径74um) 87.0重量部 硬化促進剤(C1) 0.5重量部 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点84℃、エポキシ当量2 85、臭素原子含有率35重量%:日本化薬(株)、BREN−S) 1.0重量部 三酸化アンチモン 1.0重量部 カーボンブラック 0.3重量部 カルナバワックス 0.5重量部 各成分をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90
℃と45℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕し
てエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組
成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0032】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
注入圧力6.9MPa、硬化時間2分で測定した。 硬化性:金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬
化時間2分で成形し、型開き10秒後のバコール硬度
(No935)を測定した。 吸水率:低圧トランスファー成形機を用いて、成形温度
175℃、圧力6.9MPa、硬化時間120秒で円板
(直径50mm、厚さ4mm)を成形し、アフターベー
クとして175℃、8時間処理した後、150℃で16
時間乾燥処理を行い、85℃、相対湿度85%で168
時間処理を行ったものについて、初期重量に対する増加
重量の百分率を求めた。単位は%。 熱時曲げ弾性率:JIS K 6911(5.17.1
成形材料)の試験に準じて測定した。試験片(長さ8
0mm、高さ4mm、幅10mm)は、金型温度175
℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間2分でトランスフ
ァー成形機を用いて成形し、175℃、8時間で後硬化
して作成した。この試験片を測定台(支点間距離64m
m)に設置し、240℃に保持した槽内で6分間予熱し
た後測定した。単位はそれぞれMPa。 耐半田性:100ピンTQFP(パッケージサイズは1
4×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップのサイ
ズは、8.0×8.0mm、金線は25umのセミハー
ドで、金線の長さは5mm、リードフレームは42アロ
イ製)を、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、
硬化時間2分でトランスファー成形し、175℃、8時
間で後硬化した。85℃、相対湿度85%の環境下で1
68時間放置し、その後240℃の半田槽に10秒間浸
漬した。顕微鏡で観察し、クラック発生率[(外部クラ
ック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)×10
0]を%で表示した。又チップとエポキシ樹脂組成物の
硬化物との剥離面積の割合を超音波探傷装置を用いて測
定し、剥離率[(剥離面積)/(チップ面積)×10
0]を%で表示した。ワイヤー流れは、上記の100ピ
ンTQFPの成形後軟X線により、15パッケージの最
大値を%で表示した。
【0033】実施例2〜8、比較例1〜9 表1の配合に従って、実施例1と同様にエポキシ樹脂組
成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1、表2に示す。以下に、実施例1以外に用いたエポキ
シ樹脂、フェノール樹脂の性状を示す。式(5)のエポ
キシ樹脂(軟化点63℃、エポキシ当量286)
【0034】
【化8】
【0035】ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポ
キシレジン(株)、YX4000、融点105℃、エポ
キシ当量195) フェノールノボラック樹脂は(軟化点81℃、水酸基当
量105) 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンー7
(以下、DBUという)
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、潜伏性の硬化促進剤を用いているため、流動性と
硬化性のバランスがよく、成形性に優れ、かつ熱時弾性
率、吸水率を低減できる特性を有しており、これを用い
て封止された半導体装置は、耐半田性に優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるエポキシ
    樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)一般式(2)で示
    される分子化合物及び(D)無機充填材を含むことを特
    徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基から選
    択される基で、互いに同一であっても異なっていてもよ
    い。nは、平均値で、1〜10の正数。) 【化2】 (Pはリン原子、R1、R2、R3及びR4は、置換もしく
    は無置換の芳香族基又はアルキル基、Aは、(a+b)
    価の芳香族基、Xは、水素原子又は1価有機基を表す。
    aは、3〜5の整数、bは、1〜3の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(2)で示される分子化合物が、
    一般式(3)である請求項1記載の半導体封止用エポキ
    シ樹脂組成物。 【化3】 (Pはリン原子、R1、R2、R3及びR4は、置換もしく
    は無置換の芳香族基又はアルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成
    物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする
    半導体装置。
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