JP2003286322A - 負荷電性制御樹脂 - Google Patents

負荷電性制御樹脂

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JP2003286322A
JP2003286322A JP2002093514A JP2002093514A JP2003286322A JP 2003286322 A JP2003286322 A JP 2003286322A JP 2002093514 A JP2002093514 A JP 2002093514A JP 2002093514 A JP2002093514 A JP 2002093514A JP 2003286322 A JP2003286322 A JP 2003286322A
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acrylamide
reaction
styrene
polymerization
sulfonic acid
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JP2002093514A
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English (en)
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Tatsuro Yoshida
達朗 吉田
Eri Komatsumoto
恵理 小松本
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Canon Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電性に優れ、電子写真用トナーに含有させ
た場合においては、結着樹脂との相溶性が高く、分散性
に優れており、トナーの色味を阻害せず、良好な荷電制
御ができる電子写真用トナー用負荷電性制御樹脂を提供
することを目的としている。 【解決手段】 構成単位として式(1)で示されるアク
リルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン酸
塩、スチレン及び/又はα−メチルスチレン、及び(メ
タ)アクリル酸エステルを含有する負荷電性制御樹脂に
おいて、反応途中での重合率と終了時における重合率を
それぞれA、Bとし、それぞれの重合率で得られる重合
体中のアクリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドス
ルホン酸塩の含有率(質量%)をそれぞれC、Dとした
とき、B≧0.8かつA/B≦0.5において、0.5
≦C/D≦1.5である重合反応で合成されたものであ
ることを特徴とする。 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なる基で
あり、水素原子、脂肪族基、又は芳香族基を示し、Xは
水素原子又はアルカリ金属を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式電子写真法に
おいて静荷電潜像を可視像とする際に用いる電子写真用
帯電トナー用の負荷電性制御樹脂に関するもので、より
詳細には、自由に荷電を制御でき、荷電制御剤として使
用した際にトナー飛散がなく、色相が鮮明で画像再現性
に優れ、高濃度画像を形成し得る電子写真用帯電トナー
用負荷電性制御樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報などに種々の方法が
記載されている。
【0003】これらの電子写真法等に適用される現像方
法としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがあ
る。前者は、さらに二成分系現像剤を用いる方法と一成
分系現像剤を用いる方法に分けられる。
【0004】これら乾式現像法に適用するトナーとして
は、従来、天然あるいは合成樹脂中に染料、顔料を分散
させた微粉体が使用されている。例えば、ポリスチレン
等の結着樹脂中に着色剤を分散させたものを1〜30μ
m程度に微粉砕した粒子がトナーとして用いられてい
る。磁性トナーとしては、マグネタイトの如き磁性体粒
子を含有させたものが用いられている。また、二成分系
現像剤の場合には、トナーは通常、鉄粉、磁性フェライ
ト粒子の如きキャリア粒子と混合されて用いられる。
【0005】いずれのトナーも、現像される静荷電像の
極性に応じて、正または負の荷電を有する必要がある。
【0006】トナーに荷電を保有せしめるためには、ト
ナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出
来るが、この方法ではトナーの帯電性が小さいので、現
像によって得られる画像はカブリ易く、不鮮明なものと
なりやすい。所望の摩擦帯電性をトナーに付与するため
に、帯電性を付与する染料、顔料、更には荷電制御剤
(以下CCAと略す)を添加することが行われている。
【0007】今日、当該技術分野で知られている正摩擦
帯電性荷電制御剤として、ニグロシン染料、アジン系染
料、銅フタロシアニン顔料、4級アンモニウム塩あるい
は、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知
られている。負摩擦帯電性荷電制御剤としては、モノア
ゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカル
ボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料等が知られて
いる。
【0008】しかし、CCAは物質特性にさまざまな問
題がある。環境の安全面から見ても、重金属を含み、化
学物質の安全性という観点で使用に際し注意を要する。
その上、CCAそのものが一般に無機系の微粉体であ
り、トナー中での分散状態がトナーの帯電特性を左右す
るという問題点もある。さらに、一般的にCCAは有色
であるためカラーの着色剤を混ぜた時に鮮明な色が得ら
れないという重大な欠点がある。
【0009】そこで最近では、物質安全性や帯電性、分
散性、色などの問題点を解決するために、電子写真用ト
ナー組成物として負荷電性制御樹脂が用いられる傾向に
ある。
【0010】これまでに、さまざまな負荷電性制御樹脂
が提案されている。例えば特公平8−12467号公報
には、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸(以下AMPSと略す)を構成単位とする負荷電性
制御樹脂が提案されている。また、特開平11−184
165号公報、特開平11−184166号公報、特開
2000−56518号公報には、ビニル芳香族炭化水
素と(メタ)アクリレートとスルホン酸基含有(メタ)
アクリルアミドからなる共重合体を負荷電性制御樹脂と
して用いたトナーが提案されている。他にも特許番号第
2623684号公報にはスルホン酸基含有アクリルア
ミド系モノマーを、特開平7−72658号公報にはス
ルホン酸基含有脂肪族不飽和−N−アクリルアミド系単
量体を、特許番号第2609358号公報には下記式: CH2=CX1−CO−NH−X2−SO3H(式中X1
水素原子又はメチル基、X2は炭素数1〜6の2価の炭
化水素である)で表されるアクリルアミド系単量体をそ
れぞれ構成単位とする負荷電性制御樹脂が提案されてい
る。
【0011】しかしながら、実際に本発明者が負荷電性
制御樹脂を合成したところ、負荷電性制御樹脂構成中の
アクリルアミド含有量が同じであっても、合成法の違い
によって帯電量が異なる負荷電性制御樹脂が生成するこ
とが判明した。理由はアクリルアミドスルホン酸モノマ
ーの重合速度がスチレンモノマー類や(メタ)アクリル
酸エステルモノマー類と比較して重合速度が速いため、
組成分布が不均一になるためと考えられる。アクリルア
ミドスルホン酸の組成分布が不均一の場合、帯電性は好
ましくなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は環境的に安定
且つ安全で、帯電性に優れ、電子写真用トナーに含有さ
せた場合においては、結着樹脂との相溶性が高く、分散
性に優れており、トナーの色味を阻害せず、良好な荷電
制御ができる電子写真用トナー用負荷電性制御樹脂を提
供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、組成分布を
均一に合成する方法を種々検討した結果、本発明を完成
するに至った。
【0014】本発明は、構成単位として式(1)で示さ
れるアクリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスル
ホン酸塩、スチレン及び/又はα−メチルスチレン、及
び(メタ)アクリル酸エステルを含有する負荷電性制御
樹脂において、重合組成が均一である負荷電性制御樹脂
を提供する。具体的には、反応途中及び終了時における
重合体中のアクリルアミドスルホン酸又はアクリルアミ
ドスルホン酸塩の含有率が一定範囲にあることで、重合
組成が均一である負荷電性制御樹脂を提供する。
【0015】
【化2】 (式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なる基で
あり、水素原子、脂肪族基、又は芳香族基を示し、Xは
水素原子又はアルカリ金属を示す。)
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の負荷電性制御樹脂は、反
応途中での重合率と終了時における重合率をそれぞれ
A、Bとし、それぞれの重合率で得られる重合体中のア
クリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン酸
塩の含有率(質量%)をそれぞれC、Dとしたとき、B
≧0.8かつA/B≦0.5において、0.5≦C/D
≦1.5である重合反応で合成することを特徴とする。
【0017】すなわち、重合反応過程の前半におけるア
クリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン酸
塩の含有率と反応終了時のそれの比率が0.5以上1.
5以下になるような反応条件で重合することで得られ
る、重合体中のアクリルアミドスルホン酸又はアクリル
アミドスルホン酸塩の組成分布が小さい負荷電性制御樹
脂である。
【0018】Bが0.8よりも少ない場合、モノマーの
20%以上が未反応となり、精製が困難となる。また経
済的にも不利である。A/Bが0.5よりも大きいと、
重合反応過程の前半におけるアクリルアミドスルホン酸
又はアクリルアミドスルホン酸塩の含有率が測定されな
いので、アクリルアミドスルホン酸又はアクリルアミド
スルホン酸塩の組成分布が不明である。C/Dが0.5
よりも小さい、或いは1.5よりも大きい場合は、重合
反応過程の前半と後半でアクリルアミドスルホン酸又は
アクリルアミドスルホン酸塩の含有率が大きく異なった
重合体が生成するため、得られる負荷電性制御樹脂中の
アクリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン
酸塩の組成分布は不均一となる。
【0019】重合率の測定は、直接法である未反応モノ
マーの定量による方法、例えば蒸発法や沈澱法、または
間接法である重合に伴う物理定数の変化の定量による方
法、すなわち比重測定法や粘度測定法や屈折率や誘電率
測定による方法や吸収スペククトルによる方法等の方法
で行うことができ、このような重合率の測定法の詳細
は、“高分子合成の実験法”(大津隆行・木下雅悦 共
著、化学同人刊)に記載されている。
【0020】本発明においての重合率の測定方法は、特
に限定されるものではないが、例えば反応溶液を水中に
投じ沈澱法で未反応のアクリルアミドスルホン酸又はア
クリルアミドスルホン酸塩を除去し、続いて未反応のス
チレン及び/又はα−メチルスチレン、及び(メタ)ア
クリル酸エステルを揮発除去し、残留分を重合体とする
直接法、或いは未反応のスチレン及び/又はα−メチル
スチレン、及び(メタ)アクリル酸エステルを揮発除去
し、続いて未反応のアクリルアミドスルホン酸又はアク
リルアミドスルホン酸塩を水洗除去し、残留分を重合体
とする直接法が簡便で好ましい。
【0021】アクリルアミドスルホン酸又はアクリルア
ミドスルホン酸塩の含有率の測定法としては、特に限定
されるものではないが、例えば硫黄元素の含有率や酸価
を測定する方法を挙げることができる。
【0022】本発明に特徴的に用いられる式(1)のア
クリルアミドスルホン酸としては、以下の構造を有する
化合物を挙げることができ、塩構造を有するものとして
は、該化合物のナトリウム塩、カリウム塩等の金属を用
いることができる。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】本発明に用いられるアクリルアミドスルホ
ン酸又はアクリルアミドスルホン酸塩の製造方法として
は、特に限定されるものではないが、例えば式(2)に
示すように、対応する脂肪族基、又は芳香族環基含有エ
チレンとアクリロニトリル、発煙硫酸を反応させる方法
等によって得ることができる。この場合、脂肪族基、又
は芳香族環基含有エチレンの構造によっては式(2)に
示すように位置異性体も生成し得る。しかしながら位置
異性体の混合物をそのまま負荷電性制御樹脂に供しても
支障はない。
【0027】
【化6】
【0028】また、特公平3−40019号公報に、ニ
トリル化合物とヒドロキシアルカンスルホン酸誘導体と
を濃硫酸中で反応させることによりアクリルアミドスル
ホン酸又はアクリルアミドスルホン酸塩を製造する方法
(式3)が開示されている。しかしながら、さまざまな
アクリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン
酸塩を合成するには、出発原料の多い点から式(2)の
方法を用いるのが好ましい。
【0029】
【化7】
【0030】本発明の負荷電性制御樹脂は、スルホン酸
基含有アクリルアミド系モノマーを含有する共重合体で
ある。共重合体を構成するモノマー全量中、スルホン酸
基含有アクリルアミド系モノマーの含有量は、使用する
スルホン酸基含有アクリルアミド系モノマーの吸湿性に
もよるが、0.01〜30質量%であることが好まし
い。より好ましくは、0.05〜20質量%、さらによ
り好ましくは0.1〜15質量%である。0.01質量
%より小さいと必要な帯電特性を得にくく、30質量%
を上回ると帯電特性が湿度依存性を呈するようになり、
特に高湿環境下での帯電特性が低下する。
【0031】本発明の負荷電性制御樹脂はスチレン及び
/又はα−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを含有する。(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの具体例としては、特に限定されるものではない
が、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸−n−ラウリ
ル、アクリル酸−n−ステアリル、アクリル酸メトキシ
エチレングリコール、アクリル酸シクロヘキシル、アク
リル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシ
ル、メタクリル酸−n−ラウリル、メタクリル酸−n−
ステアリル、メタクリル酸メトキシエチレングリコー
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−
ヒドロキシエチル等を挙げることができる。特にアクリ
ル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等を好ま
しく用いることができる。
【0032】本発明の負荷電性制御樹脂を得るための重
合方法としては、特に限定されるものではないが、塊状
重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げ
られる。反応を容易に制御できる点から溶液重合法が好
ましい。
【0033】溶液重合で用いる溶媒としては、特に限定
されるものではないが、キシレン、トルエン、酢酸エチ
ル、酢酸イソブチル、イソプロピルアルコール、メタノ
ール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド
等が用いられる。
【0034】溶液重合において溶媒とモノマーの比は、
特に限定されるものではないが、溶媒100質量部に対
してモノマー30〜400質量部で行うのが好ましい。
【0035】使用する開始剤としては、特に限定される
ものではないが、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパー
オキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げら
れ、これらが単独あるいは併用して使用できる。
【0036】その使用量はモノマー100質量部に対
し、0.05〜30質量部(好ましくは0.1〜15質
量部)の濃度で用いられる。
【0037】反応温度としては、特に限定するものでは
なく、使用する溶媒、開始剤、モノマーに応じて設定す
ることができるが、40℃〜150℃で行うのが好まし
い。
【0038】本発明の負荷電性制御樹脂は負摩擦帯電性
トナーとして用いることができる。その際、好ましい共
重合体の重量平均分子量は2,000〜200,00
0、好ましくは8,000〜150,000、更に好ま
しくは28,000〜100,000である。もし、重
量平均分子量(Mw)が2000未満となる場合、20
0,000超となるいずれの場合においても、トナーに
添加した場合にトナー粒子における負荷電性制御樹脂の
分散状態が不均一になり易く、トナーの摩擦帯電量が不
充分となる場合が有り好ましくない。
【0039】本発明の負荷電性制御樹脂のガラス転移温
度(Tg)は30乃至120℃であればよいが、好まし
くは50乃至110℃となる場合であり、更に好ましく
は70乃至100℃となる場合である。もし、ガラス転
移温度(Tg)が30℃未満となる場合、120℃超と
なる場合のいずれの場合においても、トナーに添加した
場合にトナー粒子における負荷電性制御樹脂の分散状態
が不均一になり易く、トナーの摩擦帯電量が不充分とな
る場合が有り好ましくない。
【0040】さらに、水分量は1.6質量%以下が好ま
しく、1.2質量%以下がより好ましい。1.6質量%
を超える場合は、吸湿性が高い状態になっており、帯電
性が低下する。
【0041】本発明の負荷電性制御樹脂を負摩擦帯電性
トナーとして使用する際は、負荷電性制御樹脂以外に結
着樹脂、着色剤、荷電制御剤、ポリオレフィンワック
ス、その他必要に応じて各種添加剤等を含有する。
【0042】本発明の負荷電性制御樹脂を含有する負摩
擦帯電性トナーに使用しうる結着樹脂としては公知のも
のがすべて使用可能であるが、例えば、ポリスチレン、
クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチ
レン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体
等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル
共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置
換体を含む単重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸
樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等がある
が、本発明の実施上特に好ましい樹脂としてはスチレン
系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂等を挙げることができる。また、上記樹脂は単独で
使用するに限らず、2種以上併用することもできる。
【0043】本発明の負荷電性制御樹脂を含有する負摩
擦帯電性トナーに使用しうる着色剤としては任意の適当
な顔料または染料があげられる。トナー着色剤は周知で
あって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリン
ブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、
ハンザイエロー、キノリンイエロー、ファーストイエロ
ーG、ベンジジンイエロー、マラカイトグリーン、フタ
ロシアニングリーン、ブリリアントグリーン、ローダミ
ンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、パーマネント
レッド、イルガシンレッド、トルイジンレッド、フタロ
シアニンブルー、インダンスレンブルー,アニリンブル
ー、ウルトラマリーンブルー等がある。
【0044】本発明の負荷電性制御樹脂をトナーに添加
して負摩擦帯電性トナーにする場合に併用しうる荷電制
御剤としては、特に限定されるものではないが、モノア
ゾ染料の金属錯塩,サリチル酸,ナフトエ酸,ダイカル
ボン酸の金属錯塩,銅フタロシアニン顔料等がある。
【0045】本発明の負荷電性制御樹脂を含有する負摩
擦帯電性トナーに使用しうるワックスとしては、特に限
定されるものではないが、好ましく用いられるワックス
として、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオ
レフィン;高分子量ポリオレフィン重合時にえられる低
分子量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチ
ーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合
したポリオレフィン;放射線、電磁波又は光を利用して
重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィンを熱
分解して得られる低分子量ポリオレフィン;パラフィン
ワックス;マイクロクリスタリンワックス;フィッシャ
ートロプシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法
又はアーゲ法等により合成される合成炭化水素ワック
ス;炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワック
ス;水酸基又はカルボキシル基の如き官能基を有する炭
化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有す
る炭化水素系ワックスとの混合物;これらのワックスを
母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレー
ト、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノ
マーでグラフト変性したグラフト変性ワックスが挙げら
れる。
【0046】本発明の負荷電性制御樹脂を含有する負摩
擦帯電性トナーには、流動性や現像性を制御するために
公知の外添剤を添加してもよい。外添剤としては、シリ
カ、アルミナ、チタニア等の各種無機酸化物微粒子(必
要に応じて疎水化処理する)等を使用できる。
【0047】負摩擦帯電性トナーを作製する方法として
は、特に限定されるものではないが、例えば粉砕法トナ
ーの製造方法としては、負荷電性制御樹脂、結着樹脂、
着色剤としての染顔料、磁性体、カーボンブラック、そ
の他必要に応じてその他の添加剤等をヘンシェルミキサ
ー、ボールミル等の混合機により充分混合してから加熱
ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を
用いて溶融、練肉して樹脂類及び着色剤等を互いに相
溶、分散せしめ、冷却固化後、粉砕及び分級を行い、得
られたトナー粒子にシリカ、アルミナ等の外添剤をヘン
シェルミキサー等の混合機を用いて外添し、本発明に係
る負摩擦帯電性トナーを得ることができる。また重合法
トナーの製造方法としては、負荷電性制御樹脂,着色
剤、モノマー、ワックス、重合開始剤等を水系中で分散
剤を用い縣濁造粒し、ワックスを内包化した所定の粒度
分布を有する分散粒子を得、その後昇温し、重合トナー
粒子を得、洗浄、乾燥後、シリカ等の外添剤を添加し本
発明に係る負摩擦帯電性トナーも得ることができる。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明は実施例により限定されるものではない。
【0049】〔実施例1〕CCR1の製造 :撹拌機,冷却器,温度計および窒素導
入管を付した4つ口セパラブルフラスコに、モノマーと
してスチレン46.8g、アクリル酸−2−エチルヘキ
シル9.0g、下記アクリルアミドスルホン酸(1)
4.2g、溶媒としてトルエン16g、メタノール24
g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)を2.4g仕込み、撹拌し、窒素導入
下65℃で溶液重合を8時間行った。
【0050】
【化8】
【0051】反応開始後1時間における反応率を求める
ため、反応溶液を1g程度抜取り秤量した(w1)。1
00℃で5時間真空乾燥を行い、未反応のスチレン、ア
クリル酸−2−エチルヘキシルを揮発除去し、得られた
残留分を秤量した。残留分中の未反応のアクリルアミド
スルホン酸(1)を液体クロマトグラフで定量すること
で、残留分中の重合体の重量を算出した(w2)。ここ
でモノマーの合計質量は60g、溶媒の合計質量は40
gであるから、反応時間後1時間における反応率Aは以
下の式で求めることができる。 A=w2/(w1×60/(60+40))
【0052】反応終了時における反応率を求めるため、
100℃で8時間真空乾燥を行い、未反応のスチレン、
アクリル酸−2−エチルヘキシルを揮発除去し、得られ
た残留分を秤量した。残留分中のアクリルアミドスルホ
ン酸(1)を液体クロマトグラフで定量することで、残
留分中の重合体の重量を算出した(w3)。反応終了時
における反応率(B)は以下の式で求めることができ
る。 B=w3/m
【0053】反応開始後1時間、及び反応終了時で得ら
れた重合体中のアクリルアミドスルホン酸(1)の含有
率(質量%)(C、D)を求めた。それぞれの硫黄元素
の含有率を測定し、先に算出した未反応のアクリルアミ
ドスルホン酸(1)を補正した。
【0054】反応率A及びB、重合体中のアクリルアミ
ドスルホン酸(1)の含有率C及びDを表1に示す。本
重合反応ではB≧0.8かつA/B≦0.5において、
0.5≦C/D≦1.5であった。
【0055】得られたCCR1は、DSC測定よりガラ
ス転移点(Tg)=70.6℃であった。また1H−N
MRを測定した。結果を図1に示す。
【0056】さらに、硫黄含有量よりCCR1中のアク
リルアミドスルホン酸(1)の含有量(D)をモノマー
仕込み量より算出した理論値と比較した。結果を表2に
示す。
【0057】以上の結果からCCR1がスチレン、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、アクリルアミドスルホン
酸(1)の共重合体であり、アクリルアミドスルホン酸
(1)の含有量が所望の値であることを確認した。
【0058】分子量の測定 GPC測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社
製) カラム:KD−805L30cm2連(昭和電工社製) 温度:40℃ 溶媒:THF 流速:1.0ml/min 試料:0.25%の試料を0.1ml注入 40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、こ
の温度におけるカラムに、試料溶液を約100μl注入
して測定した。試料の分子量測定にあたっては試料の有
する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料
により作成された検量線の対数値とカウント値との関係
から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料と
しては、東ソー社製の分子量が2.5×103、5.8
7×103、9.49×103、1.71×104、3.
72×104、9.89×104、1.89×105
3.97×105、7.07×105、1.11×106
の標準ポリスチレン試料を用いた。また検出器にはRI
(屈折率)検出器を用いた。
【0059】上記の方法で得られたGPCによる分子量
分布から、重量平均分子量を算出した。算出にあたり、
分子量分布ピークのベースラインは測定開始点と測定終
了点を結んだ線とした。また溶媒中の添加物の影響を除
くため、算出範囲は分子量範囲で3000〜11100
00とした。結果を表2に示す。
【0060】摩擦帯電量の測定 得られたCCR1を粉砕し分級した。マルチサイザー
(ベックマンコールター社製)で体積平均粒径を測定し
たところ、約4μmであった。鉄粉キャリアと2対98
の割合で混合し、20秒間振とうすることで摩擦帯電さ
せた。帯電量の測定は、図2の装置を使用した。摩擦帯
電させた混合物を底に400メッシュ(キャリア粒子の
通過しない大きさに変更可能)の導電性スクリーン3の
ある金属製の測定容器2に入れ、金属製の蓋4をした。
この時の測定容器全体の質量を秤量し、W1〔g〕とし
た。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なく
とも絶縁体)において、吸引口7から吸引し、風量調節
弁6を調節して、真空計5の圧力を1.5kPaとし
て、吸引を行い、吸引除去した。吸引後、電荷を測定
し、Q〔μC〕とした。また、吸引後の測定容器全体の
質量を秤量し、W2〔g〕とした。摩擦帯電量は次式に
よって計算した。 トリボ値〔μC/g〕=Q/(W1−W2
【0061】以上の摩擦帯電量の測定をN/N環境(2
2℃,55%RH)で行った。結果を表1に示す。
【0062】〔実施例2〕CCR2の製造 :撹拌機,冷却器,窒素導入管および滴
下ロート〔アクリルアミドスルホン酸(1)2.1gと
メタノール20gの混合物を入れておく〕を付した4つ
口セパラブルフラスコに、スチレン46.8g、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル9.0g、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)2.4g、アクリルア
ミドスルホン酸(1)2.1g、メタノール20gを仕
込み、窒素導入下65℃で撹拌する。還流がはじまって
から5時間かけて滴下をしながら8時間溶液重合した。
その後、減圧乾燥し、CCR2を得た。反応開始後1時
間、及び反応終了時の反応率A及びB、その時得られた
重合体中のアクリルアミドスルホン酸(1)の含有率C
及びDを実施例1と同様にして求めた。結果を表1に示
す。本重合反応ではB≧0.8かつA/B≦0.5にお
いて、0.5≦C/D≦1.5であった。さらに実施例
1と同様にGPC、DSC、硫黄含有量、1H−NMR
を測定した。CCR2がスチレン、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリルアミドスルホン酸(1)の共重
合体であることを確認し、アクリルアミドスルホン酸
(1)の含有量を理論値と比較した。
【0063】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0064】〔実施例3〕CCR3の製造 :スチレン46.8gの代わりにスチレ
ン23.4gとα−メチルスチレン26.5gの混合溶
液にして実施例1と同様の方法を行うことによりCCR
3を製造した。反応開始後1時間、及び反応終了時の反
応率A及びB、その時得られた重合体中のアクリルアミ
ドスルホン酸(1)の含有率C及びDを実施例1と同様
にして求めた。結果を表1に示す。本重合反応ではB≧
0.8かつA/B≦0.5において、0.5≦C/D≦
1.5であった。さらに実施例1と同様にGPC、DS
C、硫黄含有量、1H−NMRを測定した。以上の結果
からCCR3がスチレン、α−メチルスチレン、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリルアミドスルホン酸
(1)の共重合体であり、アクリルアミドスルホン酸
(1)の含有量が所望の値であることを確認した。
【0065】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0066】〔実施例4〕アクリルアミドスルホン酸(2)の製造 :撹拌機,滴下
ロートおよび温度計を付した500mlガラス製反応器
に、アクリロニトリル200g,尿素2gおよび無水酢
酸5.5gを仕込み室温にて30分撹拌した。撹拌しつ
つ0℃まで冷却し、10%発煙硫酸53.9gを滴下ロ
ートより20分かけて、内温を10℃以下に維持しつつ
滴下した。
【0067】滴下終了後に30℃まで昇温した後、4−
クロロスチレン85.5gを別の滴下ロートより内温3
0〜40℃にて1時間で滴下した。その後、同温にて3
時間撹拌した。
【0068】反応終了後、水1.1gを加え、内温20
℃まで冷却し、生成した結晶をろ取し、アクリロニトリ
ルおよびn−ヘキサンにて洗浄を行い、ついで乾燥を行
うことにより白色のアクリルアミドスルホン酸(2)の
粗結晶を得た。
【0069】撹拌機,冷却器および温度計を付した1リ
ットルガラス製反応器に、得られたアクリルアミドスル
ホン酸(2)の粗結晶、酢酸258g、水13.7gお
よび尿素0.4gを仕込み撹拌しつつ40〜45℃に昇
温し、同温で4時間撹拌することにより精製を行った。
撹拌終了後、20℃まで冷却し、晶出した結晶をろ取
し、酢酸ついでn−ヘキサンにて洗浄を行い、乾燥を行
った。白色のアクリルアミドスルホン酸(2)を単離収
率85%で得た。HPLC純度は95%であった。1
−NMR、元素分析の測定を行い、アクリルアミドスル
ホン酸(2)の構造式が下記式であることを確認した。
【0070】
【化9】
【0071】CCR4の製造:アクリルアミドスルホン
酸(1)4.2gの代わりにアクリルアミドスルホン酸
(2)6.1gにして実施例1と同様の方法を行うこと
によりCCR4を得た。反応開始後1時間、及び反応終
了時の反応率A及びB、その時得られた重合体中のアク
リルアミドスルホン酸(2)の含有率C及びDを実施例
1と同様にして求めた。結果を表1に示す。本重合反応
ではB≧0.8かつA/B≦0.5において、0.5≦
C/D≦1.5であった。さらに実施例1と同様にGP
C、DSC、硫黄含有量、1H−NMRを測定した。以
上の結果からCCR4がスチレン、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリルアミドスルホン酸(2)の共重
合体であり、アクリルアミドスルホン酸(2)の含有量
が所望の値であることを確認した。
【0072】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0073】〔実施例5〕CCR5の製造 :溶媒としてトルエン4g、メタノール
6g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)を0.6gにして、実施例1と同様
の方法を行うことによりCCR5を得た。反応開始後1
時間、及び反応終了時の反応率A及びB、その時得られ
た重合体中のアクリルアミドスルホン酸(1)の含有率
C及びDを実施例1と同様にして求めた。結果を表1に
示す。本重合反応ではB≧0.8かつA/B≦0.5に
おいて、0.5≦C/D≦1.5であった。さらに実施
例1と同様にGPC、DSC、硫黄含有量、1H−NM
Rを測定した。以上の結果からCCR5がスチレン、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリルアミドスルホ
ン酸(1)の共重合体であり、アクリルアミドスルホン
酸(1)の含有量が所望の値であることを確認した。
【0074】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0075】〔実施例6〕CCR6の製造 :2,2’−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)2.4gを3.0gにして、実施例1と同
様の方法を行うことによりCCR6を得た。反応開始後
1時間、及び反応終了時の反応率A及びB、その時得ら
れた重合体中のアクリルアミドスルホン酸(1)の含有
率C及びDを実施例1と同様にして求めた。結果を表1
に示す。本重合反応ではB≧0.8かつA/B≦0.5
において、0.5≦C/D≦1.5であった。さらに実
施例1と同様にGPC、DSC、硫黄含有量、1H−N
MRを測定した。以上の結果からCCR6がスチレン、
アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリルアミドスル
ホン酸(1)の共重合体であり、アクリルアミドスルホ
ン酸(1)の含有量が所望の値であることを確認した。
【0076】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0077】〔実施例7〕CCR7の製造 :アクリルアミドスルホン酸(1)4.
2gの代わりにアクリルアミドスルホン酸(1)のナト
リウム塩4.7gを用いて、実施例1と同様の方法を行
うことによりCCR7を得た。反応開始後1時間、及び
反応終了時の反応率A及びB、その時得られた重合体中
のアクリルアミドスルホン酸(1)ナトリウム塩の含有
率C及びDを実施例1と同様にして求めた。結果を表1
に示す。本重合反応ではB≧0.8かつA/B≦0.5
において、0.5≦C/D≦1.5であった。さらに実
施例1と同様に硫黄含有量を測定した。
【0078】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0079】〔比較例1〕CCR8の製造 :重合溶媒としてメタノール40gを用
い、実施例1と同様の方法を行うことによりCCR8を
製造した。反応開始後1時間、及び反応終了時の反応率
A及びB、その時得られた重合体中のアクリルアミドス
ルホン酸(1)の含有率C及びDを実施例1と同様にし
て求めた。結果を表1に示す。本重合反応ではB≧0.
8かつA/B≦0.5において、C/D>1.5であっ
た。実施例1と同様にGPC、DSC、硫黄含有量、1
H−NMRを測定することによって、CCR8がスチレ
ン、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリルアミド
スルホン酸(1)の共重合体であり、アクリルアミドス
ルホン酸(1)の含有量が所望の値であることを確認し
た。
【0080】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0081】〔比較例2〕CCR9の製造 :撹拌機,冷却器,窒素導入管および滴
下ロート〔アクリルアミドスルホン酸(1)4.2gと
メタノール20gの混合物を入れておく〕を付した4つ
口セパラブルフラスコに、スチレン46.8g、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル9.0g、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)2.4g、メタノール
20gを仕込み、窒素導入下65℃で撹拌する。還流が
はじまってから5時間かけて滴下をしながら8時間溶液
重合した。その後、減圧乾燥し、CCR9を得た。反応
開始後1時間、及び反応終了時の反応率A及びB、その
時得られた重合体中のアクリルアミドスルホン酸(1)
の含有率C及びDを実施例1と同様にして求めた。結果
を表1に示す。本重合反応ではB≧0.8かつA/B≦
0.5において、C/D<0.5であった。さらに実施
例1と同様にGPC、DSC、硫黄含有量、1H−NM
Rを測定した。CCR9がスチレン、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリルアミドスルホン酸(1)の共
重合体であることを確認し、アクリルアミドスルホン酸
(1)の含有量を理論値と比較した。
【0082】実施例1と同様の平均粒径となるように粉
砕、分級し、摩擦帯電量を測定した。結果を表2に示
す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】カラー画像テスト:結着樹脂(スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体)2500g、負荷電性制御
樹脂(CCR1〜CCR9)50g、フタロシアニンブ
ルー100gを混練、粉砕し、分級してトナー粒子を
得、疎水性シリカをトナーに対して2%外添し、シアン
トナーを得た。
【0086】各トナーを常温常湿(22℃,55%)環
境下で、キヤノン製カラーデジタル複写機1130で初
期画像及び1万枚複写後の耐久画像の画像特性を評価し
た。カブリは、カブリ測定用反射測定機REFLECT
METER(東京電色(株))により、耐久初期と耐久
後の画像白地部分の白色度を測定し、その白色度と普通
紙(転写紙)の白色度の差からカブリ濃度を算出し、評
価した。また、OHPフィルムにシアントナー像を転写
し、定着されたものをオーバーヘッドプロジェクターで
透光することで、OHP透過性を評価した。それぞれの
評価結果を表3にまとめて示した。
【0087】画像濃度の評価 A:非常に良好(1.4以上) B:良好(1.2以上1.4未満) C:悪い(1.2未満)
【0088】カブリの評価 A:非常に良好(2.0%未満) B:良好(2.0%以上乃至3.0%未満) C:悪い(3.0%以上)
【0089】OHP透過性の評価 A:良好(透明性に優れ、明暗ムラが無く、色再現性に
優れている。) B:普通(若干の明暗ムラがあるが、実用上問題な
い。) C:悪い(明暗ムラがあり、色再現性に劣っている。)
【0090】
【表3】
【0091】実施例1〜4は全ての請求項を全て満たし
ており、帯電特性が良く、また、トナー化したときの画
像特性も良好であった。実施例5、6は重量平均分子量
が200,000を超える場合と28,000未満とな
る場合であるため、トナーに添加した時にトナー粒子に
おける負荷電性制御樹脂の分散状態が不均一になり易
く、トナーの摩擦帯電量が不充分となり、カラー画像テ
ストにおいて、カブリが発生した。またOHP透過性も
不十分であった。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、帯電量の十分な負荷電
性制御樹脂を得ることができ、トナー化したときに最適
な帯電性を示す負摩擦帯電性トナーを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1におけるCCR1の1H−NMRの測
定図である。
【図2】摩擦帯電量の測定に利用した装置の概略図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA06 AB02 CA04 DA02 EA06 EA07 4J011 AA05 HA03 4J100 AB02Q AB03Q AL03Q AL04Q AL05Q AL08Q AM21P BA03Q BA05P BA05Q BA16P BA29P BA41P BA56P BB01P BB03P BB07P BC04Q BC43P CA01 CA04 CA05 DA01 DA55 FA18 FA19 FA20 FA21 FA27 JA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成単位として式(1)で示されるアク
    リルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン酸
    塩、スチレン及び/又はα−メチルスチレン、及び(メ
    タ)アクリル酸エステルを含有する負荷電性制御樹脂に
    おいて、 反応途中での重合率と終了時における重合率をそれぞれ
    A、Bとし、それぞれの重合率で得られる重合体中のア
    クリルアミドスルホン酸又はアクリルアミドスルホン酸
    塩の含有率(質量%)をそれぞれC、Dとしたとき、B
    ≧0.8かつA/B≦0.5において、0.5≦C/D
    ≦1.5である重合反応で合成されたものであることを
    特徴とする負荷電性制御樹脂。 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なる基で
    あり、水素原子、脂肪族基、又は芳香族基を示し、Xは
    水素原子又はアルカリ金属を示す。)
  2. 【請求項2】 式(1)のアクリルアミドスルホン酸又
    はアクリルアミドスルホン酸塩を0.01〜30質量%
    含有することを特徴とする請求項1に記載の負荷電性制
    御樹脂。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量が28,000〜80
    0,000であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の負荷電性制御樹脂。
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