JP2003286239A - 2−ヒドロキシイミノ−3−オキソプロピオニトリル及びその製法 - Google Patents
2−ヒドロキシイミノ−3−オキソプロピオニトリル及びその製法Info
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Abstract
ソプロピオニトリル及びその製法を提供することを課題
とする。 【解決手段】本発明の課題は、式(1) 【化1】 で示される2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロピオニト
リルによって解決される。本発明の課題は、又、一般式
(2) 【化2】 (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で示される3-アルコキシアクリロニトリル及び一般式
(3) 【化3】 (式中、R2及びR3は、同一又は異なっていても良
い、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される3,
3-ジアルコキシプロピオニトリルからなる群から選ばれ
た少なくとも1種のニトリル化合物にニトロソ化剤を反
応させることを特徴とする、2-ヒドロキシイミノ-3-オ
キソプロピオニトリルの製法によっても解決される。
Description
間体として有用な、新規な2-ヒドロキシイミノ-3-オキ
ソプロピオニトリル及びその製法に関する。
プロピオニトリルは、新規化合物であり、従来にその製
法は全く知られていなかった。
立出版株式会社、1989年8月、p.76
ち、新規な2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロピオニト
リル及びその製法を提供するものである。
(1)
リルによって解決される。
(2)
で示される3-アルコキシアクリロニトリル及び一般式
(3)
素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される3,3-ジア
ルコキシプロピオニトリルからなる群から選ばれた少な
くとも1種のニトリル化合物にニトロソ化剤を反応させ
ることを特徴とする、請求項1記載の2-ヒドロキシイミ
ノ-3-オキソプロピオニトリルの製法によっても解決さ
れる。
ノ-3-オキソプロピオニトリルは、前記の式(1)で示
される。なお、該化合物はオキシム基を有するため、E
体やZ体等、幾つかの異性体が存在するが、いかなる異
性体も含まれる。
ピオニトリルは、下式(4)
チル)-4-ニトロソピラゾールに導くことが出来(参考
例1及び2参照)、導かれた5-アミノ-1-(2-ヒドロキ
シエチル)-4-ニトロソピラゾールは、毛髪染料や、抗
腫瘍剤中間体として有用な4,5-ジアミノピラゾール誘導
体の合成原料として利用出来る(例えば、特許文献1、
特許文献2及び特許文献3)。
ロピオニトリルは、前記の一般式(2)で示される3-ア
ルコキシアクリロニトリル及び一般式(3)で示される
3,3-ジアルコキシプロピオニトリルからなる群から選ば
れた少なくとも1種のニトリル化合物にニトロソ化剤を
反応させることによって得られる。
1、R2及びR3は、同一又は異なっても良い、炭素数
1〜4のアルキル基を示すが、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基である。なお、これらの基
は、各種異性体を含む。
アクリロニトリル及び一般式(3)で示される前記3,3-
ジアルコキシプロピオニトリルは市販のものを用いる事
ができ、入手が容易な化合物である。
は、反応系内に直接添加する以外に、ニトロソ化剤を発
生させる際に副生する水でも良く、その使用量は、ニト
リル化合物 1molに対して、好ましくは0.8〜500mol、更
に好ましくは 1.0〜250molである。
剤としては、例えば、亜硝酸(非特許文献1記載の方法
等によって発生させることが出来る。)、ニトロシルフ
ルオライド、ニトロシルクロライド、ニトロシルブロマ
イド、ニトロシルヨーダイド等のニトロシルハライド
類、ニトロシルギ酸、ニトロシル酢酸等のニトロシルカ
ルボン酸類、ニトロシル硫酸が挙げられるが、好ましく
はニトロシルハライド、ニトロシル硫酸、更に好ましく
はニトロシルクロライド、ニトロシル硫酸が使用され
る。なお、ニトロシルハライドは、市販品又は別途合成
したガスをそのまま反応系内に供給しても良いが、例え
ば、アルキルナイトライトとハロゲン化水素(又はそ
の水溶液)、亜硝酸アルカリ金属塩とハロゲン化水素
(又はその水溶液)、又は、窒素酸化物とハロゲン化
水素(又はその水溶液)を反応させる等の方法によっ
て、直接反応系内でニトロシルハライドを発生させても
良い。
合物 1molに対して、好ましくは0.5〜10mol、更に好ま
しくは0.8〜5molである。
下で行われ、溶媒を使用する場合には、反応を阻害しな
いものであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸等
の鉱酸類、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチ
ルアルコール等のアルコール類、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル等のニトリル類、ヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロ
ゲン化芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等
のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類
が挙げられるが、好ましくは鉱酸類、アルコール類、エ
ーテル類が挙げられるが、更に好ましくは塩酸、ジイソ
プロピルエーテルが使用される。なお、これらの溶媒は
単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
拌性により適宜調整するが、ニトリル化合物1gに対し
て、好ましくは 0〜100g、更に好ましくは 0〜50gであ
る。
トリル化合物、ニトロソ化剤及び溶媒を混合して、攪拌
しながら反応させる等の方法によって行われる。その際
の反応温度は、好ましくは-70〜100℃、更に好ましくは
-30〜50℃であり、反応圧力は特に制限されない。
シイミノ-3-オキソプロピオニトリルは、反応終了後、
濾過、抽出、濃縮、再結晶、晶析、カラムクロマトグラ
フィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
プロピオニトリルの合成) 攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び冷却器を備えた内容積
25mlのフラスコに、97質量%の3-メトキシアクリロニト
リル2.0g(23mmol)及びジイソプロピルエーテル5mlを加
え、攪拌しながら-10℃まで冷却した。次いで、反応液
を5℃以下に保ちながら、濃塩酸3.5mlをゆるやかに添加
した。再び反応液を-10℃まで冷却後、亜硝酸ナトリウ
ム2.0g(36mmol)と水3mlの混合液をゆるやかに滴下し、
同温度で1.5時間、更に室温で2時間反応させた。反応終
了後、反応液を酢酸エチルで抽出した後に有機層を分離
し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
させた。濾過後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:Micro Sp
here Gel D-150-60A、展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=
1/1(容量比))で精製して、黄色油状物として2-ヒドロ
キシイミノ-3-オキソプロピオニトリル2.3gを得た(単離
収率:100%)。更に、トルエンで再結晶させることで、
淡黄色粉末として2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロピ
オニトリル0.79gを得た。なお、2-ヒドロキシイミノ-3-
オキソプロピオニトリルは以下の物性値で示される新規
な化合物である。
8、1273、1076、768、745
プロピオニトリルの合成) 実施例1と同様な装置に、97質量%の3-メトキシアクリ
ロニトリル1.0g(11.7mmol)及び44.8質量%亜硝酸ナトリ
ウム水溶液3.6g(23.4mmol)を加え、攪拌しながら-8℃ま
で冷却した。次いで、反応液を1℃以下に保ちながら、
濃塩酸4.8gをゆるやかに添加した後、-5〜-1℃で1.5時
間、更に室温で1時間反応させた。反応終了後、反応液
をジイソプロピルエーテルで抽出した後に有機層を分離
し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
させた。濾過後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物を1H
-NMRで分析(内部標準法)したところ、2-ヒドロキシイ
ミノ-3-オキソプロピオニトリルが0.83g生成していた
(反応収率:73%)。
プロピオニトリルの合成) 実施例1と同様な装置に、94質量%の3,3-ジメトキシプ
ロピオニトリル1.0g(8.7mmol)及び44.8質量%の亜硝酸
ナトリウム水溶液2.4g(15.6mmol)を加え、攪拌しながら
-5℃まで冷却した。次いで、反応液を-1℃以下に保ちな
がら、濃塩酸3.2gをゆるやかに添加した後、-5〜-1℃で
1時間、更に室温で1.5時間反応させた。反応終了後、反
応液を酢酸エチルで抽出した後に有機層を分離し、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
濾過後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物を1H-NMRで分
析(内部標準法)したところ、2-ヒドロキシイミノ-3-
オキソプロピオニトリルが0.61g生成していた(反応収
率:76%)。
プロピオニトリルの合成) 攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び冷却器を備えた内容積
100mlのフラスコに、97質量%の3-メトキシアクリロニ
トリル3.0g(35mmol)及び水24mlを加え、反応液を0℃ま
で冷却した後、40質量%ニトロシル硫酸・硫酸溶液13.0
g(41mmol)をゆるやかに添加し、同温度で1時間、更に室
温で18時間反応させた。反応終了後、反応液をトルエン
で洗浄した後に水層を分離し、酢酸エチルで抽出した。
次いで、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥させた。濾過後、反応液を減圧下で濃縮
し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充
填剤:Micro Sphere Gel D-150-60A、展開溶媒:トルエ
ン/酢酸エチル=2/1(容量比))で精製して、黄色油状物
として2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロピオニトリル
2.9gを得た(単離収率:82%)。
ゾノ-2-ヒドロキシイミノプロピオニトリルの合成) 実施例1と同様な装置に、実施例1と同様な方法で合成
した2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロピオニトリル0.9
8g(10mmol)及びメタノール6mlを加え、攪拌しながら5℃
まで冷却した。次いで、同温度で95質量%の2-ヒドロキ
シエチルヒドラジン0.80g(10mmol)を添加し、室温で1時
間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、
濃縮物にヘキサンを加えた後に、濾過して減圧下で乾燥
させ、茶褐色固体として3-(2-ヒドロキシエチル)ヒドラ
ゾノ-2-ヒドロキシイミノプロピオニトリル1.55gを得た
(単離収率:99%)。なお、3-(2-ヒドロキシエチル)ヒド
ラゾノ-2-ヒドロキシイミノプロピオニトリルは以下の
物性値で示される新規な化合物である。
H,m)、4.42〜5.10(1H,brs)、7.33(0.2H,s)、7.53(0.8H,
s)、8.33(0.8H,t)、8.91(0.2Hz,t)、11.20〜13.10(1H,b
r)
ル)-4-ニトロソピラゾールの合成) 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積25mlの
フラスコに、参考例1と同様な方法で合成した3-(2-ヒ
ドロキシエチル)ヒドラゾノ-2-ヒドロキシイミノプロピ
オニトリル0.94g(6mmol)及びn-ブチルアルコール6mlを
加え、110℃で3時間、更に5〜10℃で1時間反応させた。
反応終了後、反応液を濾過し、濾過物を減圧下で乾燥さ
せて、赤橙色結晶として5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチ
ル)-4-ニトロソピラゾール0.61gを得た(単離収率:64
%)。なお、5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ニト
ロソピラゾールの物性値は以下の通りであった。
5.03(1H,br)、7.06(0.2H,s)、7.76〜8.29(2H,br)、8.53
(0.8H,s)
して有用な、新規な2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロ
ピオニトリル及びその製法を提供することが出来る。
Claims (2)
- 【請求項1】式(1) 【化1】 で示される2-ヒドロキシイミノ-3-オキソプロピオニト
リル。 - 【請求項2】水の存在下、一般式(2) 【化2】 (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で示される3-アルコキシアクリロニトリル及び一般式
(3) 【化3】 (式中、R2及びR3は、同一又は異なっても良い、炭
素数1〜4のアルキル基を示す。)で示される3,3-ジア
ルコキシプロピオニトリルからなる群から選ばれた少な
くとも1種のニトリル化合物にニトロソ化剤を反応させ
ることを特徴とする、請求項1記載の2-ヒドロキシイミ
ノ-3-オキソプロピオニトリルの製法。
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