JP2001335564A - 1−アルキル−5−置換ピラゾール−3−カルボン酸エステルの製造法 - Google Patents

1−アルキル−5−置換ピラゾール−3−カルボン酸エステルの製造法

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JP2001335564A
JP2001335564A JP2000155764A JP2000155764A JP2001335564A JP 2001335564 A JP2001335564 A JP 2001335564A JP 2000155764 A JP2000155764 A JP 2000155764A JP 2000155764 A JP2000155764 A JP 2000155764A JP 2001335564 A JP2001335564 A JP 2001335564A
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JP
Japan
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carboxylic acid
alkyl
substituted pyrazole
isomers
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JP2000155764A
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Katsumasa Harada
勝正 原田
Shigeyoshi Nishino
繁栄 西野
Takashi Harada
崇司 原田
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アシルピルビン酸エステルから、
高い収率で選択的に1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カ
ルボン酸エステルを得ることが出来る、工業的に好適な
1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カルボン酸エステルの
製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、本発明の課題は、有機
カルボン酸の存在下、アシルピルビン酸エステルと、ア
ルキルヒドラジンの水溶液とを40〜140℃で混合して反
応させることを特徴とする、1-アルキル-5-置換ピラゾ
ール-3-カルボン酸エステルの製造法によって解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシルピルビン酸
エステルから1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カルボン
酸エステルを製造する方法に関する。1-アルキル-5-置
換ピラゾール-3-カルボン酸エステルは、例えば、ピラ
ゾロピリミジン類やピラゾールカルボン酸アミド類等の
医薬、農薬の合成中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アシルピルビン酸エステルから1-アルキ
ル-5-置換ピラゾール-3-カルボン酸エステルを製造する
方法としては、種々の方法が既に知られている。例え
ば、メチルヒドラジン硫酸塩にアセトピルビン酸エチル
のナトリウム塩を水を溶媒として反応させる方法(Bul
l.Soc.Chim.Fr.,1966,293)、遊離のメチルヒドラジン
にアセトピルビン酸エチルをエタノール中で反応させる
方法(特開昭52-87168号公報、Aust.J.Chem.,36,135(19
83))、遊離のメチルヒドラジンにアセトピルビン酸エ
チルを不活性溶媒中で反応させる方法(特開平4-224565
号公報)、冷却下で遊離のメチルヒドラジンに2,4-ジオ
キソヘキサン酸エチルを酢酸中で反応させる方法(US 5
612477)が開示されている。しかしながら、いずれの方
法も、引火性が高く、自己反応性物質である遊離のアル
キルヒドラジンを用いていたり(工業的製法としては不
利)、また、副生成物として、一般式(4)
【0003】
【化4】
【0004】(式中、R1、R2及びR3は前記と同義で
ある。)で示される異性体(1-アルキル-3-置換ピラゾ
ール-5-カルボン酸エステル)が多く生成して、目的と
する1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カルボン酸エステ
ルの収率が低くなる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、即
ち、上記問題点を解決し、アシルピルビン酸エステルか
ら、高い収率で選択的に1-アルキル-5-置換ピラゾール-
3-カルボン酸エステルを得ることが出来る、工業的に好
適な1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カルボン酸エステ
ルの製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、有機カ
ルボン酸の存在下、一般式(1)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1及びR2は、反応に関与しない
基を示す。)で示されるアシルピルビン酸エステルに、
一般式(2)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R3は、アルキル基又はシクロア
ルキル基を示す。)で示されるアルキルヒドラジンの水
溶液を40〜140℃で混合して反応させることを特徴とす
る、一般式(3)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1、R2及びR3は前記と同義で
ある。)で示される1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カ
ルボン酸エステルの製造法によって解決される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の反応において使用するア
シルピルビン酸エステルは、前記の一般式(1)で示さ
れる。その一般式(1)において、R1及びR2は、反応
に関与しない基であり、具体的には、置換基を有してい
ても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
基又はアリール基を示す。
【0014】前記アルキル基としては、特に炭素数1〜
10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基(及びその異性体)、ブチル基(及び
その異性体)、ペンチル基(及びその異性体)、ヘキシ
ル基(及びその異性体)、ヘプチル基(及びその異性
体)、オクチル基(及びその異性体)、ノニル基(及び
その異性体)、デシル基(及びその異性体)が挙げられ
る。
【0015】前記シクロアルキル基としては、特に炭素
数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
【0016】前記アラルキル基としては、特に炭素数7
〜10のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル
基、フェネチル基(及びその異性体)、フェニルプロピ
ル基(及びその異性体)、フェニルブチル基(及びその
異性体)が挙げられる。
【0017】前記アリール基としては、特に炭素数6〜
14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナ
フチル基、アントラニル基が挙げられる。
【0018】前記のアルキル基、シクロアルキル基、ア
ラルキル基又はアリール基は、置換基を有していても良
い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換
基、酸素原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子の中
から選ばれる少なくとも一つの置換基である。
【0019】前記炭素原子を介して出来る置換基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基(及びその異性
体)、ブチル基(及びその異性体)等のアルキル基;シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基等
のアラルキル基;フェニル基等のアリール基が挙げられ
る。
【0020】前記酸素原子を介して出来る置換基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(及びその
異性体)、ブトキシ基(及びその異性体)、ベンジルオ
キシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオ
キシ基;アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のア
シルオキシ基が挙げられる。
【0021】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0022】本発明の反応において使用するアルキルヒ
ドラジンは、前記の一般式(2)で示される。その一般
式(2)において、R3は、アルキル基又はシクロアル
キル基を示す。
【0023】前記アルキル基としては、特に炭素数1〜
10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基(及びその異性体)、ブチル基(及び
その異性体)、ペンチル基(及びその異性体)、ヘキシ
ル基(及びその異性体)、ヘプチル基(及びその異性
体)、オクチル基(及びその異性体)、ノニル基(及び
その異性体)、デシル基(及びその異性体)が挙げられ
る。
【0024】前記シクロアルキル基としては、特に炭素
数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
【0025】本発明の反応において使用するアルキルヒ
ドラジンの水溶液は、引火性が低く、工業用原料として
入手が容易なものであれば特に制限がないが、その水溶
液の濃度は、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは1
5〜50重量%、特に好ましくは20〜35重量%である。
【0026】前記アルキルヒドラジンの水溶液の使用量
は、アルキルヒドラジン換算で、アシルピルビン酸エス
テルに対して、好ましくは0.9〜2.0倍モル、更に好まし
くは1.0〜1.5倍モルである。
【0027】本発明の反応において使用する有機カルボ
ン酸としては、特に炭素数2〜10の有機カルボン酸が
好ましく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
等が挙げられるが、好ましくは酢酸、プロピオン酸が使
用される。
【0028】前記有機カルボン酸の使用量は、アルキル
ヒドラジンの水溶液に対して、好ましくは0.5〜20容量
倍、更に好ましくは0.5〜50容量倍である。これらの溶
媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0029】本発明の反応は溶媒の存在下で行っても良
い。使用される溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノ
ン等のアミド類;アセトニトリル、プロピオニトリル等
のニトリル類が挙げられる。
【0030】前記溶媒の使用量は、溶液の均一性や攪拌
性により適宜調節するが、アルキルヒドラジンの水溶液
に対して、好ましくは0〜50容量倍、更に好ましくは0〜
20容量倍である。これらの溶媒は、単独又は二種以上を
混合して使用しても良い。
【0031】本発明の反応は、有機カルボン酸の存在
下、アシルピルビン酸エステルにアルキルヒドラジンの
水溶液を液相で接触させるが、好適な方法としては、例
えば、不活性ガス雰囲気にて、アシルピルビン酸エステ
ル及び有機カルボン酸を混合し、40〜140℃、好ましく
は50〜100℃に加熱して攪拌しながら、次いで、アルキ
ルヒドラジンの水溶液(必要ならば前記の有機カルボン
酸に溶解しても良い)をゆるやかに添加・混合し、同温
度で、常圧又は加圧下で反応させる方法が挙げられる。
【0032】得られた生成物は、例えば、反応終了後
に、抽出、濃縮、濾過等により反応液を処理した後に、
カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の一般的な
方法によって分離精製される。
【0033】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
【0034】実施例1 滴下漏斗、攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内
容積100mlのガラス製四つ口フラスコに、2,4-ジオキソ
ペンタン酸エチル2.0g(12.6mmol)及び酢酸2.0mlを加
え、攪拌しながら60℃に加熱した。その後、35重量%メ
チルヒドラジン水溶液1.8ml(13.8mmol)を酢酸2.0mlに溶
解した溶液を、15分間かけてゆるやかに滴下した。滴下
終了後、同温度にて1時間反応させた。反応終了後、得
られた反応液に酢酸エチル30mlを加え、水10mlで3回、
飽和炭酸水素ナトリウムで2回洗浄した後、有機層を分
離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、減圧
下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶
媒:トルエン→トルエン/酢酸エチル=3/1(容量比))で
精製して、帯黄白色結晶として純度98%(高速液体クロ
マトグラフィーによる面積百分率)の1,5-ジメチルピラ
ゾール-3-カルボン酸エチル1.80gを得た(単離収率83
%)。1,5-ジメチルピラゾール-3-カルボン酸エチルの物
性値は以下の通りであった。
【0035】融点;43℃ IR(KBr法、cm-1);1706、1447、1221、1112、1027、84
2、7871 H-NMR(CDCl3、δ(ppm));1.39(3H,t,J=7.3Hz)、3.09(3
H,s)、3.27(3H,s)、4.38(2H,q,J=7.3Hz)、6.57(1H,s)、
【0036】実施例2 実施例1と同様な装置に、2,4-ジオキソヘプタン酸メチ
ル10.0g(56mmol)及び酢酸20mlを加え、攪拌しながら70
℃に加熱した。その後、35重量%メチルヒドラジン水溶
液10.0ml(67mmol)を酢酸20mlに溶解した溶液を、30分間
かけてゆるやかに滴下した。滴下終了後、同温度にて1
時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を高速液
体クロマトグラフィーで分析したところ、1-メチル-5-
プロピルピラゾール-3-カルボン酸メチルが9.1g(収率89
%)生成していた。その後、反応液を減圧下で濃縮し、
酢酸エチル50mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム20mlで
2回、飽和食塩水20mlの順で洗浄した後、有機層を分離
して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、減圧
下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶
媒:トルエン)で精製して、無色液体として純度99.9%
以上(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)
の1-メチル-5-プロピルピラゾール-3-カルボン酸メチル
1.80gを得た(単離収率83%)。1-メチル-5-プロピルピラ
ゾール-3-カルボン酸メチルの物性値は以下の通りであ
った。
【0037】CI-MS(m/e);183(M+1)1 H-NMR(CDCl3、δ(ppm));1.02(3H,t,J=7.5Hz)、1.70(2
H,m)、2.60(2H,t,J=7.6Hz)、3.86(3H,s)、3.92(3H,s)、
6.60(1H,s)、
【0038】比較例1 実施例1と同様な装置に、2,4-ジオキソヘプタン酸メチ
ル1.0g(5.9mmol)及び酢酸6.0mlを加え、攪拌しながら10
℃まで冷却した。その後、35重量%メチルヒドラジン水
溶液0.98ml(5.9mmol)を、10分間かけてゆるやかに滴下
した。滴下終了後、同温度にて10分間、次いで、室温ま
で昇温して2時間反応させた。反応終了後、得られた反
応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、
1-メチル-5-プロピルピラゾール-3-カルボン酸メチルが
0.69g(収率69%)生成していた。
【0039】
【発明の効果】本発明により、アシルピルビン酸エステ
ルから、高い収率で選択的に1-アルキル-5-置換ピラゾ
ール-3-カルボン酸エステルを得ることが出来る、工業
的に好適な1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カルボン酸
エステルの製造法を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機カルボン酸の存在下、一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、反応に関与しない基を示す。)
    で示されるアシルピルビン酸エステルに、一般式(2) 【化2】 (式中、R3は、アルキル基又はシクロアルキル基を示
    す。)で示されるアルキルヒドラジンの水溶液を40〜14
    0℃で混合して反応させることを特徴とする、一般式
    (3) 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。)で示
    される1-アルキル-5-置換ピラゾール-3-カルボン酸エス
    テルの製造法。
  2. 【請求項2】アルキルヒドラジンの水溶液の濃度が15〜
    50重量%である請求項1記載の1-アルキル-5-置換ピラ
    ゾール-3-カルボン酸エステルの製造法。
JP2000155764A 2000-05-26 2000-05-26 1−アルキル−5−置換ピラゾール−3−カルボン酸エステルの製造法 Pending JP2001335564A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017198341A1 (en) 2016-05-19 2017-11-23 Bayer Aktiengesellschaft Macrocyclic indole derivatives

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