JP2001226357A - 1−アルキル−3−置換ピラゾール−5−カルボン酸エステルの製造法 - Google Patents

1−アルキル−3−置換ピラゾール−5−カルボン酸エステルの製造法

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JP2001226357A
JP2001226357A JP2000040777A JP2000040777A JP2001226357A JP 2001226357 A JP2001226357 A JP 2001226357A JP 2000040777 A JP2000040777 A JP 2000040777A JP 2000040777 A JP2000040777 A JP 2000040777A JP 2001226357 A JP2001226357 A JP 2001226357A
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alkyl
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substituted pyrazole
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methyl
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JP2000040777A
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English (en)
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Katsumasa Harada
勝正 原田
Shigeyoshi Nishino
繁栄 西野
Takashi Harada
崇司 原田
Masayoshi Ogami
雅良 大上
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アシルピルビン酸エステルから、
高い収率で選択的に1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カ
ルボン酸エステルを得ることが出来る、工業的に好適な
1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸エステルの
製造法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、本発明の課題は、中性
有機溶媒の存在下、アシルピルビン酸エステルと、アル
キルヒドラジンの水溶液とを混合して反応させることを
特徴とする、1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン
酸エステルの製造法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシルピルビン酸
エステルから1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン
酸エステルを製造する方法に関する。1-アルキル-3-置
換ピラゾール-5-カルボン酸エステルは、例えば、ピラ
ゾロピリミジン類やピラゾールカルボン酸アミド類等の
医薬、農薬の合成中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アシルピルビン酸エステルから1-アルキ
ル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸エステルを製造する
方法としては、種々の方法が既に知られている。例え
ば、メチルヒドラジン硫酸塩とアセトピルビン酸エチル
のナトリウム塩を水を溶媒として反応させる方法(Bul
l.Soc.Chim.Fr.,1966,293)、メチルヒドラジンとアセ
トピルビン酸エチルとをエタノール中で反応させる方法
(特開昭52-87168号公報、Aust.J.Chem.,36,135(198
3))、メチルヒドラジンとアセトピルビン酸エチルとを
不活性溶媒中で反応させる方法(特開平4-224565号公
報、特開平7-118238号公報)が開示されている。しかし
ながら、いずれの方法も、引火性が高く、自己反応性物
質である遊離のアルキルヒドラジンを用いていたり(工
業的製法としては不利)、また、副生成物として、一般
式(4)
【0003】
【化4】
【0004】(式中、R1、R2及びR3は前記と同義で
ある。)で示される異性体(1-アルキル-5-置換ピラゾ
ール-3-カルボン酸エステル)が多く生成して、目的と
する1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸エステ
ルの収率が低くなる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、即
ち、上記問題点を解決し、アシルピルビン酸エステルか
ら、高い収率で選択的に1-アルキル-3-置換ピラゾール-
5-カルボン酸エステルを得ることが出来る、工業的に好
適な1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸エステ
ルの製造法を提供することが出来る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、中性有
機溶媒の存在下、一般式(1)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1及びR2は、反応に関与しない
基を示す。)で示されるアシルピルビン酸エステルと、
一般式(2)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R3は、アルキル基又はシクロア
ルキル基を示す。)で示されるアルキルヒドラジンの水
溶液とを混合して反応させることを特徴とする、一般式
(3)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1、R2及びR3は前記と同義で
ある。)で示される1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カ
ルボン酸エステルの製造法によって解決される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の反応において使用するア
シルピルビン酸エステルは、前記の一般式(1)で示さ
れる。その一般式(1)において、R1及びR2は、反応
に関与しない基であり、具体的には、置換基を有してい
ても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
基又はアリール基を示す。
【0014】前記アルキル基としては、特に炭素数1〜
10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基(及びその異性体)、ブチル基(及び
その異性体)、ペンチル基(及びその異性体)、ヘキシ
ル基(及びその異性体)、ヘプチル基(及びその異性
体)、オクチル基(及びその異性体)、ノニル基(及び
その異性体)、デシル基(及びその異性体)が挙げられ
る。
【0015】前記シクロアルキル基としては、特に炭素
数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
【0016】前記アラルキル基としては、特に炭素数7
〜10のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル
基、フェネチル基(及びその異性体)、フェニルプロピ
ル基(及びその異性体)、フェニルブチル基(及びその
異性体)が挙げられる。
【0017】前記アリール基としては、特に炭素数6〜
14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナ
フチル基、アントラニル基が挙げられる。
【0018】前記のアルキル基、シクロアルキル基、ア
ラルキル基又はアリール基は、置換基を有していても良
い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換
基、酸素原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子の中
から選ばれる少なくとも一つの置換基である。
【0019】前記炭素原子を介して出来る置換基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基(及びその異性
体)、ブチル基(及びその異性体)等のアルキル基;シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基等
のアラルキル基;フェニル基等のアリール基が挙げられ
る。
【0020】前記酸素原子を介して出来る置換基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(及びその
異性体)、ブトキシ基(及びその異性体)、ベンジルオ
キシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオ
キシ基;アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のア
シルオキシ基が挙げられる。
【0021】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0022】本発明の反応において使用するアルキルヒ
ドラジンは、前記の一般式(2)で示される。その一般
式(2)において、R3は、アルキル基又はシクロアル
キル基を示す。
【0023】前記アルキル基としては、特に炭素数1〜
10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基(及びその異性体)、ブチル基(及び
その異性体)、ペンチル基(及びその異性体)、ヘキシ
ル基(及びその異性体)、ヘプチル基(及びその異性
体)、オクチル基(及びその異性体)、ノニル基(及び
その異性体)、デシル基(及びその異性体)が挙げられ
る。
【0024】前記シクロアルキル基としては、特に炭素
数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
【0025】本発明の反応において使用するアルキルヒ
ドラジンの水溶液は、引火性が低く、工業用原料として
入手が容易なものであれば特に制限がないが、その水溶
液の濃度は、好ましくは5〜95重量%、更に好ましくは1
5〜50重量%、特に好ましくは20〜35重量%である。
【0026】前記アルキルヒドラジンの水溶液の使用量
は、アルキルヒドラジン換算で、アシルピルビン酸エス
テルに対して、好ましくは0.9〜2.0倍モル、更に好まし
くは1.0〜1.5倍モルである。
【0027】本発明の反応は中性有機溶媒の存在下で行
われるが、使用される中性有機溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアル
コール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド
類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類
が挙げられるが、好ましくはアルコール類、ニトリル
類、更に好ましくは炭素数1〜4の低級アルコール、特
に好ましくはメタノール、エタノールが使用される。
【0028】前記中性有機溶媒の使用量は、溶液の均一
性や攪拌性により適宜調節するが、アルキルヒドラジン
の水溶液に対して、好ましくは0.5〜50容量倍、更に好
ましくは1.0〜20容量倍である。これらの中性有機溶媒
は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0029】本発明の反応は、中性有機溶媒の存在下、
アシルピルビン酸エステルとアルキルヒドラジンの水溶
液を液相で接触させるが、好適な方法としては、例え
ば、不活性ガス雰囲気にて、アルキルヒドラジンの水溶
液と中性有機溶媒との混合液を、好ましくは-30〜15
℃、更に好ましくは-20〜5℃に冷却した後、アシルピル
ビン酸エステル(必要ならば前記の中性有機溶媒に溶解
しても良い)を、好ましくは10〜120分間、更に好まし
くは15〜60分間かけてゆるやかに添加・混合し、同温度
で15〜120分攪拌する。次いで、好ましくは30〜100℃、
更に好ましくは40〜80℃まで加熱して、好ましくは0.5
〜5時間、更に好ましくは0.5〜3時間反応させる方法が
挙げられる。
【0030】得られた生成物は、例えば、反応終了後
に、抽出、濃縮、濾過等により反応液を処理した後に、
カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の一般的な
方法によって分離精製される。
【0031】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
【0032】参考例1 2,4-ジオキソヘプタン酸メチルの合成 特開平4-69361号公報記載の方法に準じて合成した。滴
下漏斗、攪拌装置及び温度計を備えた内容積1000mlのガ
ラス製四つ口フラスコに、ナトリウムメトキシド54.0g
(1.0mol)及びトルエン350mlを加えた後、氷冷下、窒素
雰囲気にて、2-ペンタノン86.1g(1.0mol)とシュウ酸ジ
メチル118.1g(1.0mol)の混合液を液温を10℃以下に保ち
ながら滴下し、次いで、室温まで昇温して1時間攪拌し
た。シュウ酸ジメチルが完全に消費されたのを確認した
後、氷冷下、15重量%塩酸にて中和した。得られた反応
液から有機層を分液し、有機層を200mlの水で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、減圧蒸
留(107℃、5mmHg)し、帯黄色液体として純度96.5%
(ガスクロマトグラフィーによる絶対定量法)の2,4-ジ
オキソヘプタン酸メチル129.1gを得た(収率75%)。2,4-
ジオキソヘプタン酸メチルの物性値は、1H-NMR(CDC
l3);0.98ppm(3H,t,J=6.0Hz)、1.70ppm(2H,m)、2.48ppm
(2H,t,J=7.6Hz)、3.90ppm(3H,s)、6.38ppm(1H,s)、ca.1
4.5ppm(1H,brs)であった。
【0033】実施例1 滴下漏斗、攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内
容積300mlのガラス製四つ口フラスコに、35重量%メチ
ルヒドラジン水溶液8.9ml(59mmol)及びメタノール20ml
を加え、攪拌しながら0℃まで冷却した。その後、参考
例1で合成した純度96.5%の2,4-ジオキソヘプタン酸メ
チル10.0g(56mmol)をメタノール20mlに溶解した液を、
液温を0℃以下に保ちながら60分間かけてゆるやかに滴
下した。滴下終了後、同温度にて30分間攪拌し、更に室
温まで昇温して30分間攪拌した。得られた反応液をガス
クロマトグラフィー(内部標準法)により分析したとこ
ろ、目的物の1-メチル-3-プロピルピラゾール-5-カルボ
ン酸メチルが9.4g(収率92%)、副生成物(異性体)の1-
メチル-5-プロピルピラゾール-3-カルボン酸メチルが0.
7g(収率7%)生成していた。なお、目的物と副生成物
(異性体)の生成比(ガスクロマトグラフィーによる面
積百分率比)は94:7であった。この反応液を減圧下で濃
縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填
剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒:トル
エン)で精製して、無色液体として1-メチル-3-プロピ
ルピラゾール-5-カルボン酸メチル9.1gを得た。1-メチ
ル-3-プロピルピラゾール-5-カルボン酸メチルの物性値
は、EI-MS(m/e);182(M)、CI-MS(m/e);183(M+1)、1H-N
MR(CDCl3);0.97ppm(3H,m)、1.66ppm(2H,m)、2.59ppm(2
H,m)、3.87ppm(3H,s)、4.13ppm(3H,s)、6.61ppm(1H,s)
であった。
【0034】参考例2 ピバロイルピルビン酸メチルの合成 特開平4-69361号公報記載の方法に準じて合成した。滴
下漏斗、攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容
積300mlのガラス製四つ口フラスコに、t-ブチルメチル
ケトン9.3g(92.9mmol)、シュウ酸ジメチル9.2g(77.9mmo
l)及びトルエン50mlを加えた後、窒素雰囲気にて、氷浴
中で冷却しながら、カリウムt-ブトキシド10.4g(92.9mm
ol)をゆるやかに添加し、同温度にて15分間攪拌した。
次いで65℃まで昇温して3時間攪拌した。室温まで冷却
した後、トルエン50mlを加え、氷水100mlで抽出した。
得られた反応液から水層を分離し、濃塩酸8.5mlにて中
和した。有機層を分離し、酢酸エチル100mlで抽出し、
飽和食塩水20mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。濾過後、この反応液を減圧濃縮して得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填
剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製、展開溶媒:トルエ
ン)で精製して、薄橙色液体として純粋なピバロイルピ
ルビン酸メチル12.0gを得た(収率83%)。ピバロイルピ
ルビン酸メチルの物性値は、1H-NMR(CDCl3);1.22ppm(9
H,s)、3.91ppm(3H,s)、6.55ppm(1H,s)、ca.14.5ppm(1H,
brs)であった。
【0035】実施例2 滴下漏斗、攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内
容積100mlのガラス製四つ口フラスコに、35重量%メチ
ルヒドラジン水溶液0.98ml(6.4mmol)及びメタノール2.0
mlを加え、攪拌しながら0℃まで冷却した。その後、参
考例2で合成したピバロイルピルビン酸メチル1.00g(5.
4mmol)をメタノール2.0mlに溶解した液を、液温を0℃以
下に保ちながら60分間かけてゆるやかに滴下した。滴下
終了後、同温度にて30分間攪拌し、更に室温まで昇温し
て30分間攪拌した。得られた反応液をガスクロマトグラ
フィー(内部標準法)により分析したところ、目的物の
1-メチル-3-t-ブチルピラゾール-5-カルボン酸メチルが
0.97g(収率92%)生成していた。なお、目的物と副生成
物(異性体)の生成比(ガスクロマトグラフィーによる
面積百分率比)は95:5であった。この反応液を減圧下で
濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充
填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒:ト
ルエン)で精製して、無色液体として1-メチル-3-t-ブ
チルピラゾール-5-カルボン酸メチル0.95gを得た。1-メ
チル-3-t-ブチルピラゾール-5-カルボン酸メチルの物性
値は、1H-NMR(CDCl3);1.30ppm(9H,s)、3.86ppm(3H,
s)、4.13ppm(3H,s)、6.68ppm(1H,s)であった。
【0036】参考例3 2,4-ジオキソヘプタン酸t-ブチルの合成 特開平4-69361号公報記載の方法に準じて合成した。参
考例2と同様な装置に、メチルプロピルケトン7.1ml(6
6.8mmol)、シュウ酸ジt-ブチル9.8g(48mmol)及びトルエ
ン50mlを加えた後、窒素雰囲気にて、カリウムt-ブトキ
シド5.6g(50mmol)を五回に分けてゆるやかに添加し、次
いで75〜80℃まで昇温して3時間攪拌した。室温まで冷
却した後、酢酸エチル100mlを加え、引き続き15重量%
塩酸にて中和した。得られた反応液から有機層を分液
し、有機層を30mlの飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。濾過後、この反応液を減圧濃
縮して得られた赤褐色油状物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社
製、展開溶媒:トルエン)で精製して、帯黄色液体とし
て純粋な2,4-ジオキソヘプタン酸t-ブチル7.4gを得た
(収率72%)。2,4-ジオキソヘプタン酸t-ブチルの物性値
は、1H-NMR(CDCl3);0.97ppm(3H,t,J=7.4Hz)、1.56ppm
(9H,s)、1.69ppm(2H,m)、2.45ppm(2H,t,J=7.5Hz)、6.28
ppm(1H,s)、ca.14.5ppm(1H,brs)であった。
【0037】実施例3 実施例2と同様な装置に、35重量%メチルヒドラジン水
溶液0.85ml(5.6mmol)及びメタノール2.0mlを加え、攪拌
しながら0℃まで冷却した。その後、参考例3で合成し
た2,4-ジオキソヘプタン酸t-ブチル1.00g(4.7mmol)をメ
タノール2.0mlに溶解した液を、液温を0℃以下に保ちな
がら60分間かけてゆるやかに滴下した。滴下終了後、同
温度にて30分間攪拌し、更に室温まで昇温して30分間攪
拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(内
部標準法)により分析したところ、目的物の1-メチル-3
-プロピルピラゾール-5-カルボン酸t-ブチルが0.91g(収
率87%)生成していた。なお、目的物と副生成物(異性
体)の生成比(ガスクロマトグラフィーによる面積百分
率比)は92:8であった。この反応液を減圧下で濃縮した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:ワ
コーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶媒:トルエン)
で精製して、無色液体として1-メチル-3-プロピルピラ
ゾール-5-カルボン酸t-ブチル0.89gを得た。1-メチル-3
-プロピルピラゾール-5-カルボン酸t-ブチルの物性値
は、1H-NMR(CDCl3);0.96ppm(3H,t,J=7.3Hz)、1.57ppm
(9H,s)、1.65ppm(2H,m)、2.56ppm(2H,t,J=7.3Hz)、4.09
ppm(3H,s)、6.54ppm(1H,s)であった。
【0038】実施例4 実施例2と同様な装置に、35重量%メチルヒドラジン水
溶液1.0ml(6.6mmol)及びメタノール4.0mlを加え、攪拌
しながら0℃まで冷却した。その後、2,4-ジオキソペン
タン酸エチル0.77ml(5.5mmol)をメタノール1.5mlに溶解
した液を、液温を0℃以下に保ちながら60分間かけてゆ
るやかに滴下した。滴下終了後、同温度にて30分間攪拌
し、更に室温まで昇温して30分間攪拌した。得られた反
応液をガスクロマトグラフィー(内部標準法)により分
析したところ、目的物の1,3-ジメチルピラゾール-5-カ
ルボン酸エチルが0.85g(収率92%)生成していた。な
お、目的物と副生成物(異性体)の生成比(ガスクロマ
トグラフィーによる面積百分率比)は96:4であった。こ
の反応液を減圧下で濃縮した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社
製)、展開溶媒:トルエン)で精製して、無色液体とし
て1,3-ジメチルピラゾール-5-カルボン酸エチル0.84gを
得た。1,3-ジメチルピラゾール-5-カルボン酸エチルの
物性値は、1H-NMR(CDCl3);1.36ppm(3H,t,J=7.2Hz)、2.
26ppm(3H,s)、4.10ppm(3H,s)、4.32ppm(2H,q,J=7.2H
z)、6.60ppm(1H,s)であった。
【0039】参考例4 2,4-ジオキソヘプタン酸イソプロピルの合成 攪拌装置及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス
製三つ口フラスコに、参考例1で合成した純度96.5%の
2,4-ジオキソヘプタン酸メチル3.0g(16.8mmol)、p-トル
エンスルホン酸一水和物0.3g及びイソプロパノール20ml
を加え、2.5時間加熱還流させた。その後、減圧下で濃
縮してイソプロパノール20mlを添加するという操作を三
回繰り返した。この反応液を減圧下で濃縮して得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填
剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製、展開溶媒:トルエ
ン)で精製して、帯黄色液体として純粋な2,4-ジオキソ
ヘプタン酸イソプロピル2.0gを得た(収率60%)。2,4-ジ
オキソヘプタン酸イソプロピルの物性値は、CI-MS(m/
e);201(M+1)、1H-NMR(CDCl3);0.97ppm(3H,t,J=7.4H
z)、1.36ppm(6H,d,J=6.3Hz)、1.70ppm(2H,m)、2.47ppm
(2H,t,J=7.4Hz)、5.18ppm(1H,m)、6.35ppm(1H,s)、ca.1
4.5ppm(1H,brs)であった。
【0040】実施例5 実施例2と同様な装置に、35重量%メチルヒドラジン水
溶液0.91ml(6.0mmol)及びメタノール2.0mlを加え、攪拌
しながら0℃まで冷却した。その後、参考例4で合成し
た2,4-ジオキソヘプタン酸イソプロピル1.0g(5.0mmol)
をメタノール2.0mlに溶解した液を、液温を0℃以下に保
ちながら60分間かけてゆるやかに滴下した。滴下終了
後、同温度にて30分間攪拌し、更に室温まで昇温して30
分間攪拌した。得られた反応液をガスクロマトグラフィ
ー(内部標準法)により分析したところ、目的物の1-メ
チル-3-プロピルピラゾール-5-カルボン酸イソプロピル
が0.92g(収率88%)生成していた。なお、目的物と副生
成物(異性体)の生成比(ガスクロマトグラフィーによ
る面積百分率比)は9:1であった。この反応液を減圧下
で濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(充填剤:ワコーゲルC-200(和光純薬社製)、展開溶
媒:トルエン)で精製して、無色液体として1-メチル-3
-プロピルピラゾール-5-カルボン酸イソプロピル0.87g
を得た。1-メチル-3-プロピルピラゾール-5-カルボン酸
イソプロピルの物性値は、1H-NMR(CDCl3);0.96ppm(3H,
t,J=7.3Hz)、1.35ppm(6H,d,J=6.3Hz)、1.66ppm(2H,m)、
2.58ppm(2H,t,J=7.3Hz)、4.11ppm(3H,s)、5.19ppm(1H,
m)であった。
【0041】実施例6 実施例2と同様な装置に、35重量%メチルヒドラジン水
溶液1.44ml(9.5mmol)及びメタノール2.0mlを加え、攪拌
しながら-6℃まで冷却した。その後、2,4-ジオキソペン
タン酸エチル0.89ml(6.3mmol)をメタノール2.0mlに溶解
した液を、液温を-2〜0℃に保ちながら20分間かけてゆ
るやかに滴下した。滴下終了後、同温度にて30分間攪
拌、次いで室温にて30分間攪拌、更に60℃まで昇温して
1時間加熱攪拌した。得られた反応液を高速液体クロマ
トグラフィー(絶対定量法)により分析したところ、目
的物の1,3-ジメチルピラゾール-5-カルボン酸エチルが
0.88g(収率85%)生成していた。なお、目的物と副生成
物(異性体)の生成比(高速液体クロマトグラフィーに
よる絶対定量値比)は85:8であった。
【0042】比較例1 実施例6において、35重量%メチルヒドラジン水溶液1.
44ml(9.5mmol)を純度98%のメチルヒドラジン0.50ml(9.
5mmol)に変えたこと以外は、実施例6と同様に反応を行
った。その結果、目的物の1,3-ジメチルピラゾール-5-
カルボン酸エチルが0.83g(収率78%)生成していた。な
お、目的物と副生成物(異性体)の生成比(ガスクロマ
トグラフィーによる絶対定量値比)は78:7であった。
【0043】
【発明の効果】本発明により、アシルピルビン酸エステ
ルから、高い収率で選択的に1-アルキル-3-置換ピラゾ
ール-5-カルボン酸エステルを得ることが出来る、工業
的に好適な1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸
エステルの製造法を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大上 雅良 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性有機溶媒の存在下、一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、反応に関与しない基を示す。)
    で示されるアシルピルビン酸エステルと、一般式(2) 【化2】 (式中、R3は、アルキル基又はシクロアルキル基を示
    す。)で示されるアルキルヒドラジンの水溶液とを混合
    して反応させることを特徴とする、一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は前記と同義である。)で示
    される1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸エス
    テルの製造法。
  2. 【請求項2】アシルピルビン酸エステルとアルキルヒド
    ラジンの水溶液とを-30〜15℃で混合する請求項1記載
    の1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カルボン酸エステル
    の製造法。
  3. 【請求項3】アシルピルビン酸エステルとアルキルヒド
    ラジンの水溶液とを混合した後、30〜100℃で反応させ
    る請求項1記載の1-アルキル-3-置換ピラゾール-5-カル
    ボン酸エステルの製造法。
  4. 【請求項4】アルキルヒドラジンの水溶液の濃度が15〜
    50重量%である請求項1記載の1-アルキル-3-置換ピラ
    ゾール-5-カルボン酸エステルの製造法。
  5. 【請求項5】中性有機溶媒が炭素数1〜4の低級アルコ
    ールである請求項1記載の1-アルキル-3-置換ピラゾー
    ル-5-カルボン酸エステルの製造法。
  6. 【請求項6】中性有機溶媒とアルキルヒドラジンの水溶
    液との混合液中に、アシルピルビン酸エステルを添加・
    混合して反応させる請求項1記載の1-アルキル-3-置換
    ピラゾール-5-カルボン酸エステルの製造法。
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