JP2003286118A - イソチアゾロン系殺菌剤組成物 - Google Patents

イソチアゾロン系殺菌剤組成物

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JP2003286118A JP2002089747A JP2002089747A JP2003286118A JP 2003286118 A JP2003286118 A JP 2003286118A JP 2002089747 A JP2002089747 A JP 2002089747A JP 2002089747 A JP2002089747 A JP 2002089747A JP 2003286118 A JP2003286118 A JP 2003286118A
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Toshimasa Onishi
敏聖 大西
Hideaki Tamakoshi
玉腰  英明
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性が向上し、グリコール系溶媒中に
おいて長期の保存安定性を示すイソチアゾロン殺菌剤組
成物を提供すること。 【解決手段】 イソチアゾロン殺菌剤組成物に溶媒とし
てグリコールを用い、そして安定化剤として尿素を用い
る。本発明によれば、保存安定性が飛躍的に向上し、そ
して有機溶剤系において長期の保存安定性を示す、イソ
チアゾロン化合物またはイソチアゾロン化合物錯体含有
殺菌剤組成物が得られる。本発明の殺菌剤組成物は、各
種の工業製品または工業用原材料に適用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として工業用途
に有用な殺菌剤組成物に関し、より詳細には、尿素を含
有させることにより保存安定性を飛躍的に向上させた、
イソチアゾロン化合物またはイソチアゾロン化合物錯体
と、有機溶媒とを含有する殺菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、工業製品または工業用原材料
の殺菌剤として、主として水銀、錫、銅などの重金属を
含有する無機化合物または有機化合物(以下、「重金属
化合物」という)が広範に使用されてきた。しかし、こ
れらの重金属化合物は毒性が強いため、人体に悪影響を
及ぼす危険性があり、かつ、環境汚染を発生する恐れが
ある。従って、これらの重金属化合物を殺菌剤として使
用することは適切ではない。
【0003】このような重金属化合物の問題点を解決す
るために、多くの非金属系殺菌剤が開発されている。例
えば、イソチアゾロン化合物を含有する殺菌剤組成物
が、特公昭58−4682号、特公昭60−54281
号、特開昭63−316702号、特開平03−184
904号、および特公平06−60083号に開示され
ている。
【0004】しかし、上記のような殺菌剤組成物の長期
安定性は、必ずしも十分でなく、長期保存した場合、分
解を引き起こし、それにより抗菌効果が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題の
解決を課題とするものであり、その目的とするところ
は、有機溶剤系において長期の保存安定性を示す殺菌剤
組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以下の
殺菌剤組成物が提供される。 (1) 殺菌剤組成物であって、 (a)以下の一般式(I)で表されるイソチアゾロン化
合物:
【0007】
【化3】 ここで、R1は水素原子、アルキル基、低級アルケニル
基、低級アルキニル基またはベンジル基であり、Xおよ
びYはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子で
ある;あるいは以下の一般式(II)で表されるイソチ
アゾロン化合物錯体:
【0008】
【化4】 ここで、R1、XおよびYは上記で定義した通りであ
り、Mはアンモニウム、アルカリ土類金属または重金属
の陽イオンであり、ZはMとの化合物を形成する陰イオ
ンであり、m1は1または2であり、m2はZm2の原子
価がMの原子価と等しくなるように選択される; (b)有機溶媒;および (c)尿素を含有する組成物であって、実質的に水を含
まない、組成物。 (2) ブロモニトロ系化合物およびブロモシアノ系化
合物から選択される殺菌成分を含まない、上記項1に記
載の組成物。 (3) 前記(a)成分以外の殺菌成分を実質的に含ま
ない、上記項1に記載の組成物。 (4) 前記(c)成分の尿素の含有量が、前記(a)
成分のイソチアゾロン化合物またはイソチアゾロン化合
物錯体100重量部に対して0.001重量部〜1重量
部である、上記項1に記載の組成物。 (5) アミド系化合物を実質的に含まない、請求項1
に記載の組成物。 (6) 上記項1に記載の組成物であって、前記(a)
成分以外の殺菌成分を含まず;そして前記(c)成分の
尿素以外にイソチアゾロン化合物またはイソチアゾロン
化合物錯体の安定化のための成分を実質的に含まない、
組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、有機溶媒および尿
素をイソチアゾロン系殺菌剤組成物に添加することによ
り、殺菌剤組成物の安定性が飛躍的に向上することを発
見した。すなわち、本発明は、イソチアゾロン化合物ま
たはイソチアゾロン化合物錯体と、有機溶媒と、尿素と
を含有する殺菌剤組成物を提供することである。
【0010】本発明の殺菌剤組成物に使用されるイソチ
アゾロン化合物は、以下の一般式(I):
【0011】
【化5】 で表される。ここで、R1は水素原子、アルキル基、低
級アルケニル基、低級アルキニル基またはベンジル基で
あり、XおよびYはそれぞれ独立して水素原子またはハ
ロゲン原子である。好ましいR1、XおよびYの組み合
わせとしては、R1=Me、X=HおよびY=Cl(5
−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン)ならびにR1=MeおよびX=Y=H(2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン)が挙げられる。これ
らの化合物の混合物もまた好ましい。
【0012】本発明の殺菌剤組成物に使用されるイソチ
アゾロン化合物錯体は、以下の一般式(II):
【0013】
【化6】 で表される。ここで、R1、XおよびYは上記で定義し
た通りであり、Mはアンモニウム、アルカリ土類金属ま
たは重金属の陽イオンであり、ZはMとの化合物を形成
する陰イオンであり、m1は1または2であり、m2はZ
がMの原子価を満たす整数である。好ましいMZm2
しては、MgCl2およびZnCl2が挙げられる。
【0014】本発明の殺菌剤組成物には、イソチアゾロ
ン化合物またはイソチアゾロン化合物錯体よりなる殺菌
成分に対する安定化剤として尿素が含有される。
【0015】尿素は、化学式(CO)(NH22を有す
る化合物であって、その挙動および性状は、一般式R1
CONR23を有するアミドと大きく異なる。アミド中
の置換基R1、R2、R3は一般的には水素または炭化水
素基であるため、化合物中の窒素原子は通常1個のみで
ある。これに対して尿素は、分子の両側に窒素原子を有
するため、アミドとはまったく異なる性状を示す。アミ
ド系化合物は、毒性を有する化合物が多く、安全性およ
び環境負荷といった面で問題がある。また、労働安全衛
生法やPRTR法などの規制の対象となっている場合が
多く、法律的な制限を受ける場合が多い。これに対し、
尿素は、天然にも存在する化合物であるため、安全性が
高く、使用に際して安全性の点からの制約が少ない。
【0016】尿素としては、市販の製品が使用可能であ
る。天然品であってもよく、合成品であってもよい。
【0017】本発明の組成物中の尿素の含有量の上限
は、特に限定されない。ただし、尿素はグリコールに対
する溶解度が比較的低いので、多量に配合することが困
難になる場合がある。イソチアゾロン化合物またはイソ
チアゾロン化合物錯体100重量部に対して好ましくは
1000重量部以下であり、より好ましくは200重量
部以下である。さらに好ましくは8重量部以下であり、
特に好ましくは2.5重量部以下である。いっそう好ま
しくは、2重量部以下であり、1つの実施態様では、
0.9重量部以下であり、とりわけ好ましくは、0.2
5重量部以下であり、最も好ましくは0.03重量部以
下である。
【0018】尿素の添加量が多すぎる場合には、低温に
おいて結晶が析出しやすくなり易い。
【0019】なお、本明細書中で「イソチアゾロン化合
物またはイソチアゾロン化合物錯体」の重量について説
明する場合、特に説明がない限り、その重量は、イソチ
アゾロン化合物の重量およびイソチアゾロン化合物錯体
の重量の和を意味する。
【0020】尿素の含有量の下限は、イソチアゾロン化
合物またはイソチアゾロン化合物錯体100重量部に対
して好ましくは0.0001重量部以上であり、より好
ましくは0.001重量部以上であり、いっそう好まし
くは0.005重量部以上である。さらに好ましくは
0.01重量部以上である。
【0021】本発明の殺菌剤組成物は、種々の剤型に調
製され得る。例えば、懸濁剤、乳剤、水和剤、粉剤、粒
剤、微粒剤、錠剤、ペースト剤、噴霧剤などの剤型とさ
れ得る。本発明の組成物は、その剤型に応じて適切な液
体担体または固体担体を含有し得る。
【0022】本発明の殺菌剤組成物に使用される液体担
体すなわち溶媒としては、イソチアゾロン化合物または
イソチアゾロン化合物錯体の抗菌活性を阻害しない任意
の液体、例えば、アルコール類(メチルアルコール、エ
チルアルコール、グリコール、グリセリンなど)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、脂肪族炭
化水素類(ヘキサン、流動パラフィンなど)、芳香族炭
化水素類(ベンゼン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化
水素類(ジクロロメタン、クロロホルムなど)、酸アミ
ド類(アセトアミドなど)、エステル類(酢酸エチル、
酢酸ブチルなど)、ニトリル類(アセトニトリルなど)
などが挙げられる。
【0023】中でも、アルコール類が好ましく、グリコ
ールがさらに好ましい。
【0024】好ましい液体担体の具体例としては、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエーテル
などのグリコール類が挙げられる。これらの液体担体
は、単独であるいは2種類以上が組み合わされて使用さ
れ得る。
【0025】本発明の殺菌剤組成物には、必要に応じ
て、固体担体を使用してもよい。使用され得る固体担体
としては、イソチアゾロン化合物またはイソチアゾロン
化合物錯体の抗菌活性を阻害しない任意の固体、例え
ば、クレー類(カオリン、ベントナイト、酸性白土な
ど)、タルク類(滑石粉、ロウ石粉など)、シリカ類
(珪藻土、無水ケイ酸、雲母粉など)、アルミナ、硫黄
粉末、活性炭などが挙げられる。これらの固体担体は、
単独であるいは2種類以上が組み合わされて使用され得
る。
【0026】本発明の組成物中の液体担体または固体担
体の含有量は、組成物の剤型および使用目的などにより
変化し得る。
【0027】さらに、本発明の殺菌剤組成物には、必要
に応じて、分散剤(例えば、懸濁化剤、乳化剤など)、
展着剤、浸透剤、潤滑剤、粘漿剤、安定剤などが添加さ
れ得る。懸濁剤、乳剤、水和剤のような液体ベースの製
剤の場合には、好ましくは、分散剤が本発明の殺菌剤組
成物に添加される。
【0028】上記分散剤としては、界面活性剤が好まし
い。このような界面活性剤としては、石けん類、高級ア
ルコールの硫酸エステル、アルキルスルホン酸、アルキ
ルアリールスルホン酸、第4級アンモニウム塩、オキシ
アルキルアミン、脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキ
サイド系化合物、アンヒドロソルビトール系化合物など
が挙げられる。また、上記界面活性剤の代わりに、また
はその補助剤として、必要に応じてカゼイン、ゼラチ
ン、澱粉、アルギン酸、寒天、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、松根油、糖油、ベントナ
イト、クレゾール石けんなどが使用され得る。組成物中
の上記界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1重量%
〜4重量%、より好ましくは0.1重量%〜1重量%で
ある。
【0029】後述するように、本発明の殺菌剤組成物に
は、必要以外の殺菌成分または溶媒などを添加しないこ
とが好ましい。しかし、必要に応じて上記の必須成分以
外の成分を添加してもよい。具体的には、本発明の殺菌
剤組成物には、必要に応じて上記の殺菌成分以外の殺菌
成分を添加してもよい。さらに、他の殺菌剤組成物、殺
虫剤、劣化防止剤などと共に配合してもよい。
【0030】例えば、本発明の殺菌剤組成物には、必要
に応じて、ブロモニトロ化合物またはブロモシアノ化合
物を添加してもよい。使用され得るブロモニトロ化合物
またはブロモシアノ化合物は、以下の一般式(II
I):
【0031】
【化7】 で表される。ここで、R2およびR3はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、またはヒド
ロキシル低級アルキル基であるか、あるいはR2とR3
は結合して環を形成し得る。好ましいブロモニトロ化合
物またはブロモシアノ化合物としては、2−ブロモ−2
−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロ
モ−2−ニトロエタノール、5−ブロモ−5−ニトロ−
1,3−ジオキサン、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−
2−プロパノール、2,2−ジブロモニトリロプロピオ
ンアミド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブテ
ン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプ
ロパンおよびトリブロモニトロメタンが挙げられる。
【0032】一般式(III)で表されるブロモニトロ
化合物またはブロモシアノ化合物の含有量は、組成物の
剤型および使用目的などにより変化し得る。通常、その
含有量は、イソチアゾロン化合物またはイソチアゾロン
化合物錯体100重量部に対して好ましくは10重量部
〜1000重量部、より好ましくは40重量部〜400
重量部である。ただし、後述するように、好ましい実施
態様では、本発明の組成物は、ブロモニトロ化合物また
はブロモシアノ化合物を実質的に含まない。
【0033】本発明の組成物は水を実質的に含まない。
水を実質的に含まないことによって、高度のイソチアゾ
ロン安定性が得られる。水を含む場合、イソチアゾロン
の安定性が低下しやすい。
【0034】本明細書中において「実質的に含まない」
とは、その成分の性能および効果が実質的に発揮されな
い程度に、組成物中のその成分の含有量が少ないことを
いう。例えば、「水を実質的に含まない」とは、水によ
るイソチアゾロンの安定性の低下が観察されないほど組
成物中の水の含有量が少ないことをいう。具体的には、
水の含有量は、好ましくは組成物中の5重量%以下であ
り、より好ましくは1重量%以下であり、さらに好まし
くは0.1重量%以下である。
【0035】好ましい実施態様では、本発明の組成物
は、ブロモニトロ系化合物およびブロモシアノ系化合物
から選択される殺菌成分を実質的に含まない。ここで、
ブロモニトロ系化合物およびブロモシアノ系化合物から
選択される殺菌成分は、上記式(III)で表される。
ブロモニトロ系化合物およびブロモシアノ系化合物は比
較的高価な化合物である。ブロモニトロ系化合物および
ブロモシアノ系化合物から選択される殺菌成分を実質的
に含まないことにより、製剤のコストが下がるという効
果が得られる。また、ブロモニトロ系化合物およびブロ
モシアノ系化合物は殺菌有効成分でもあるので、廃棄す
る場合には環境に対する負荷が大きくなるという不利益
がある。さらに、ブロモニトロ系化合物は、消防法上、
危険物第5類の自己反応性物質に該当する場合があり、
取り扱い上、注意を要する場合がある。ブロモニトロ系
化合物およびブロモシアノ系化合物から選択される殺菌
成分を実質的に含まないことにより、これらの点が改良
される。
【0036】具体的には、ブロモニトロ系化合物および
ブロモシアノ系化合物から選択される殺菌成分の含有量
は、好ましくは組成物中の0.1重量%以下であり、よ
り好ましくは0.004重量%以下であり、さらに好ま
しくは0.0008重量%以下である。
【0037】好ましい実施態様では、本発明の組成物
は、前記(a)成分以外の殺菌成分を実質的に含まな
い。前記(a)成分以外の殺菌成分を実質的に含まない
ことにより、製剤のコストが下がるという効果が得られ
る。また、環境に対する負荷を低減できるという利点が
ある。さらに、イソチアゾロン化合物を抗微生物原体と
して使用する場合には、安定化剤や他の殺菌成分などを
併用すると配合特性が悪化する場合があり、配合しにく
くなる場合があるので、この点でも、前記(a)成分以
外の殺菌成分を実質的に含まないことが好ましい。
【0038】具体的には、前記(a)成分以外の殺菌成
分の含有量は、好ましくは組成物中の0.1重量%以下
であり、より好ましくは0.004重量%以下であり、
さらに好ましくは0.0008重量%以下である。
【0039】好ましい実施態様では、本発明の組成物
は、アミド系化合物を実質的に含まない。ここで、アミ
ド系化合物とは、一般式R1CONR23を有する化合
物をいう。R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素また
は炭化水素基である。
【0040】アミド系化合物は、毒性の強いものが多
く、安全性および環境保護などの面で問題がある。アミ
ド系化合物を実質的に含まないことにより、これらの問
題を回避できるという効果が得られる。具体的には、ア
ミド系化合物の含有量は、好ましくは組成物中の0.0
8重量%以下であり、より好ましくは0.05重量%以
下であり、さらに好ましくは0.01重量%以下であ
る。
【0041】好ましい実施態様では、本発明の組成物
は、前記(a)成分以外の殺菌成分を実質的に含まず、
前記(b)成分の有機溶媒がグリコールであって、かつ
該グリコール以外の溶媒を実質的に含まず、そして前記
(c)成分の尿素以外にイソチアゾロン化合物またはイ
ソチアゾロン化合物錯体の安定化のための成分を実質的
に含まない。
【0042】ここで、グリコール以外の溶媒の含有量
は、好ましくは組成物中の5重量%以下であり、より好
ましくは1重量%以下であり、さらに好ましくは0.1
重量%以下である。
【0043】またここで、(c)成分の尿素以外のイソ
チアゾロン化合物またはイソチアゾロン化合物錯体の安
定化のための成分の含有量は、好ましくは組成物中の
0.08重量%以下であり、より好ましくは0.05重
量%以下であり、さらに好ましくは0.01重量%以下
である。尿素以外の安定化のための成分を実質的に含ま
ないことにより、安全性、経済性および配合特性の点
で、有利である。
【0044】本発明の殺菌剤組成物は各種の工業製品ま
たは工業用原材料に適用され得る。このような例とし
て、繊維、塗料、接着剤、木材、皮革、紙加工品、電子
部品、壁装材、樹脂成形品などが挙げられる。
【0045】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例中、
各成分の数字は全て重量部を示す。
【0046】なお、実施例中の略号は、以下の化合物を
意味する: MIT:5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ンとの混合物(重量比9:1);1,4−BD:1,4
−ブタンジオール;1,5−PD:1,5−ペンタンジ
オール;DEG:ジエチレングリコール;DPG:ジプ
ロピレングリコール;EDG:ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル;EG:エチレングリコール;MD
G:ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ME
G:エチレングリコールモノメチルエーテル;PG:プ
ロピレングリコール;TPG:トリプロピレングリコー
ル;TPM:トリプロピレングリコールモノメチルエー
テル。
【0047】(実施例1)第1成分として、MIT13
重量%、第2成分の有機溶媒として、PG86重量%お
よび尿素1.0重量%を含む製剤を得た。得られた製剤
の保存安定性を後述の方法により測定した。その結果を
表1の実験番号1の欄に示す。
【0048】(実施例2〜21および比較例1〜5)実
施例1と同様に、ただし、表1に示すとおり配合を変更
して得られた各製剤を同様に評価した。得られた結果を
表1に示す。
【0049】
【表1】 <保存安定性試験>上記実施例および比較例で得られた
各製剤をガラス容器に入れ、60℃にて静置した。14
日後、外観変化と各製剤中の第1成分の残存率を高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)により測定し、外観
変化が無く有効成分の分解が見られないものを○、外観
上わずかに濁りがあり、第1成分の残存率が95%以上
のものを△、外観上結晶が多量に析出し、第1成分の残
存率が95%未満のものを×とした。
【0050】なお、60℃にて2週間の保存安定性は、
室温にて半年以上の保存安定性に相当することが当該分
野での試験結果から知られている。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、保存安定性が飛躍的に
向上し、そして有機溶剤系において長期の保存安定性を
示す、イソチアゾロン化合物またはイソチアゾロン化合
物錯体含有殺菌剤組成物が得られる。本発明の殺菌剤組
成物は、各種の工業製品または工業用原材料に適用され
得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BA04 BB10 BC03 BC07 BC14 BC18 BC19 BC20 DA02 DA13 DD01 DF03 DH03 DH10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌剤組成物であって、 (a)以下の一般式(I)で表されるイソチアゾロン化
    合物: 【化1】 ここで、R1は水素原子、アルキル基、低級アルケニル
    基、低級アルキニル基またはベンジル基であり、Xおよ
    びYはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子で
    ある;あるいは以下の一般式(II)で表されるイソチ
    アゾロン化合物錯体: 【化2】 ここで、R1、XおよびYは上記で定義した通りであ
    り、Mはアンモニウム、アルカリ土類金属または重金属
    の陽イオンであり、ZはMとの化合物を形成する陰イオ
    ンであり、m1は1または2であり、m2はZm2の原子
    価がMの原子価と等しくなるように選択される; (b)有機溶媒;および (c)尿素を含有する組成物であって、実質的に水を含
    まない、組成物。
  2. 【請求項2】 ブロモニトロ系化合物およびブロモシア
    ノ系化合物から選択される殺菌成分を含まない、請求項
    1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記(a)成分以外の殺菌成分を実質的
    に含まない、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記(c)成分の尿素の含有量が、前記
    (a)成分のイソチアゾロン化合物またはイソチアゾロ
    ン化合物錯体100重量部に対して0.001重量部〜
    1重量部である、請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 アミド系化合物を実質的に含まない、請
    求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の組成物であって、 前記(a)成分以外の殺菌成分を含まず;そして前記
    (c)成分の尿素以外にイソチアゾロン化合物またはイ
    ソチアゾロン化合物錯体の安定化のための成分を実質的
    に含まない、組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300657A (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Kanto Chem Co Inc 尿用防腐剤組成物
JP2015193577A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 アクアス株式会社 微生物防除剤組成物

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JP2015193577A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 アクアス株式会社 微生物防除剤組成物

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