JP2006300657A - 尿用防腐剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、尿中成分を安定に維持する尿用防腐剤組成物を提供するとともに、それを用いた蓄尿容器および尿の安定化方法の提供。
【解決手段】 下記一般式(1)
HO-C(R)(R)-C(X)(NO)-C(R)(R)-OH (1)
(式中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表し、XはF、Cl、Br、Iを表す。)
で表される化合物を有効成分とする、尿用防腐剤組成物。
【参考図】 なし

Description

本発明は、臨床検査の分野において、尿中成分および尿量を測定する際に使用される防腐剤組成物およびその製造方法ならびに尿の安定化方法に関する。
尿は多くの生体成分やその終末産物及び中間代謝物などを含んでおり、生体の機能の状態を把握するために重要な検体である。尿中の成分の基準範囲は、1日の排泄量で表わされる。そのためには1日分の尿が必要であり、実際には24時間分の尿を蓋付き蓄尿瓶、プラスチックバックなどに集め、このものを検体とし、成分濃度を測定し、尿量から1日の排泄量に換算する方法が用いられている。
しかしながら、尿量測定には1日分の尿量が必要なところ、尿は細菌の繁殖しやすい環境であり、時間とともに尿検体中に細菌が増加することにより、保存または蓄尿後の尿中成分の測定値が本来の値とかけ離れたものとなる可能性がある。このようなことから、通常の検査のための蓄尿には防腐剤または保存剤が添加されている。
尿中成分の測定対象項目に応じて、尿の保存方法は異なっているが、一般的な測定対象項目においては、防腐剤としてトルエン、キシレン、アジ化ナトリウム、チモール等が用いられてきた。しかし、トルエン,キシレンは劇物であり、アジ化ナトリウムは毒物である。さらに、チモールは防腐効果を有する濃度では臭気が強く、抵抗なく使用できる防腐剤はなかった。
特許文献1に開示されているイソチアゾロン化合物は、前述の問題を解消した防腐剤である。しかし、粉末での取り扱いが困難であり、また、刺激性が強く、さらに高価であるため尿検体の防腐剤としては採算が合わず、一般的には普及していない。
特開2000−352565号公報
従って、本発明は、上記問題点を解決し、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、長時間経過後においても尿中成分を安定に維持する尿用防腐剤組成物を提供するとともに、それを用いた蓄尿容器および尿の安定化方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を進める中で、尿量測定において取り扱いやすく、且つ安価である一般式(1)で表される化合物を有効成分とする防腐剤組成物を用いることにより、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、尿を安定化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
HO-C(R)(R)-C(X)(NO)-C(R)(R)-OH (1)
(式中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表し、XはF、Cl、Br、Iを表す。)
で表される化合物を有効成分とする、尿用防腐剤組成物に関する。
また、本発明は、酵素基質と一般式(1)で表される化合物を混合した後、打錠することにより得られる、錠剤状の形状を有する前記尿用防腐剤組成物に関する。
さらに、本発明は、下記一般式(1)
HO-C(R)(R)-C(X)(NO)-C(R)(R)-OH (1)
(式中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表し、XはF、Cl、Br、Iを表す。)
で表される化合物を有効成分とする、尿用防腐剤組成物の製造方法に関する。
また、本発明は、前記尿用防腐剤組成物を尿に含有させる、尿の安定化方法に関する。
さらにまた、本発明は、前記尿用防腐剤組成物を含有する、蓄尿容器に関する。
本発明において有効成分とは、本発明の効果、すなわち、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、尿を安定化することができる効果を奏する成分のことをいう。
また、尿の安定化とは、時間の経過とともに起こり得る細菌の繁殖などを防ぎ、尿中の成分に大きな変化を生じさせないことを意味する。
本発明の尿用防腐剤組成物は、安価で取り扱いやすく、さらに、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、尿を安定化することができる。したがって、本発明を用いれば安価で容易に、安定かつ正確に尿中成分濃度を測定することができる。
また、一般式(1)のうちRからRが水素原子で、XがBrであるものは、粉末状で尿に溶解することから、さらに取扱いが容易で、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、より一層尿の安定化に資することができる。
さらに、本組成物には蓄尿量を算出するための酵素基質を含ませることができる。酵素基質を含有するものについては、その量を測定することにより蓄尿量を算出することができるため、簡易かつ迅速に測定された尿中成分の濃度を一日の排泄量に換算することができる。
また、酵素基質がp−ヒドロキシ安息香酸またはその塩であるものにあっては、より一層簡易かつ迅速に蓄尿量を測定することができ、測定された尿中成分の濃度を一日の排泄量に換算することができる。
また、本発明の尿用防腐剤組成物が錠剤状の形状を有するものにあっては、持ち運び、取扱いが容易で、尿量測定に簡易かつ安全に供することができる。
本発明の尿用防腐剤組成物において、酵素基質を含有させる場合、その製造方法は、酵素基質と一般式(1)で表される化合物を混合することで製造することができるため、防腐剤組成物を簡易、迅速に製造することができる。
本発明の尿の安定化方法は、尿用防腐剤組成物を尿に含ませるだけであり、その効果は持続性があるため、採尿から長時間経過した後であっても、簡易かつ正確に蓄尿量を測定することができる。
本発明の蓄尿容器は、尿用防腐剤組成物が固体の状態で含有されているため、目視によりその存在を確認でき、添加し忘れなどを防ぐことができる。
また、容器に、酵素基質を含む尿用防腐剤組成物を含有させる工程、蓄尿する工程、該尿用防腐剤組成物を含んだ尿から酵素により該酵素基質濃度を測定する工程、蓄尿量を算出する工程を含む、蓄尿量を測定する方法に用いる蓄尿容器は、簡易かつ正確に蓄尿量を測定することができ、より一層容易に尿中成分の一日量を提供することができる。
本発明の尿用防腐剤組成物は、下記一般式(1)
HO-C(R)(R)-C(X)(NO)-C(R)(R)-OH (1)
(式中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表し、XはF、Cl、Br、Iを表す。)
で表される化合物を有効成分として含有するものである。本発明の効果を奏する限り、他にいかなる物質を含んでいてもよい。たとえば、酵素基質を含むものは酵素法を用いて尿量を測定することができるため好ましい。その他、形状を顆粒状や錠剤状にするための賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を用いることができる場合もある。
一般式(1)中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表す。ここで、アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基で、尿に容易に溶解できるという点で炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、より好ましくは1〜4のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは水素原子である。
また、一般式(1)中、Xは、F、Cl、BrまたはI原子を表す。これらのうち特に好ましいものはBr原子である。RからRとXの好ましい組み合わせとしては、当該化合物の形状が粉末状で尿に溶解するという観点から、RからRが水素で、XがBr原子の化合物である。
かかる組成物は、尿量測定に必要な成分、たとえば緩衝剤、補酵素、共役酵素などを含有していてもよい。また、複数の組成物、たとえば本発明の尿用防腐剤組成物と酵素基質組成物など2種以上の組成物とすることもできる。簡易、迅速に尿を測定するためには、1組成物であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の濃度は、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、尿を安定化で得る量であれば、特に限定されないが、組成物を基準として0.0001〜10%、好ましくは0.001〜1%、さらに好ましくは0.002〜0.5%である。特に好ましくは0.003〜0.2%である。
酵素基質としては、尿量測定に悪影響を与えないものであれば特に限定はない。具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸等の安息香酸誘導体、p−ニトロフェニル−β−グルコピラノシド等の糖誘導体、サリチル酸およびアセトアミノフェン等の薬物・薬物代謝物、タンパク分解酵素用合成基質、ペプチド分解酵素用合成基質、ホルムアルデヒド、エタノール、メタノール等の揮発性有機化合物ならびにこれらの塩などが挙げられる。また、塩としては、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
ホルムアルデヒドやエタノール、メタノールのような揮発性有機化合物は、蓄尿後にプラスチックバックなどに添加する方法が、正確に蓄尿量を測定できる点で好ましい。
サリチル酸、アセトアミノフェン等の薬物及び薬物の代謝物として尿中に存在が予想される物質は、これらの物質を尿中に排泄させる薬物を投与しない場合に好ましく用いられる。
p−ヒドロキシ安息香酸等の安息香酸誘導体、p−ニトロフェニル−β−グルコピラノシド等の糖誘導体、タンパク分解酵素用合成基質、ペプチド分解酵素用合成基質は、正確に尿量を測定できることから、好ましく用いられる。これらのうち、特にp−ヒドロキシ安息香酸塩などの安息香酸誘導体は、粉末状で尿に溶解する性質を有することから、好ましく使用される。
酵素基質の形態は、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状など、いずれの形態でも良いが、保存や運搬の点、錠剤状の形状に成形できる点から、粉末状、顆粒状、錠剤状が望ましい。
酵素基質の量は、その測定試薬において基質の量がわかる程度の感度を与える量が添加されていれば良い。ただし、乏尿、多尿の患者に対しても適用できるように、添加された酵素基質が100mlから5000ml程度までの尿に適応することが望まれる。例えばp−ヒドロキシ安息香酸、または、その塩を酵素基質とした場合は、100mlから5000ml程度までの尿に対して50〜10000mg、好ましくは125〜7500mg、さらに好ましくは250〜5000mg、最も好ましくは500〜2500mgの範囲の量が添加されていればよい。
また、尿検体の場合、他の測定項目では、尿検体を5倍程度に希釈して測定する場合があるため、その場合には、希釈されることを考慮し、前述の濃度の5倍濃い濃度とし、添加量は250〜50000mg、好ましくは625〜37500mg、さらに好ましくは1250〜25000mg、特に好ましくは2500〜12500mgである。
本発明の尿用防腐剤組成物のうち、錠剤状の形状を有するものは、一般的には粉末の酵素基質と粉末の一般式(1)で表される化合物を混合し、混合物をそのまま、または、顆粒造粒した後、打錠することにより得られる。また、各成分を個々に顆粒造粒した後混合する、顆粒成分と粉末を混合する、顆粒成分と結晶を混合するなどの方法で混合した後打錠する方法が取られることもある。また、顆粒造粒時や打錠時に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を添加してもよい。添加剤としては、尿中成分の測定や尿量測定に悪影響を与えるものでなければ特に限定はない。
本発明の尿の安定化方法は、尿用防腐剤組成物を尿に含有させることで安定化効果を得ることができる。蓄尿された容器に該組成物を加えてもよく、あらかじめ容器に含有させておきそこに尿を蓄えてもよい。時間とともに細菌が増殖することを防ぐためにはあらかじめ容器に含有させておくことが好ましい。
本発明に用いられる容器は、蓄尿するための蓄尿容器である。蓄尿容器として一般的に使用されている蓋付き蓄尿瓶やプラスチックバックなど、尿を収容できるものであればどのようなものを使用しても良い。このうち、持ち運びの観点から、プラスチックバックが好ましい。
容器に含有する尿用防腐剤組成物は、持ち運びの観点および迅速な尿量測定の観点から、固体状で、かつ、尿に溶解するものが好ましい。
本発明の容器は、酵素基質を含有させる工程、蓄尿する工程、該酵素基質を含んだ尿から酵素により該酵素基質を測定する工程、蓄尿量を算出する工程を含むことにより、蓄尿量を求める方法により好ましく用いられる。特に、蓄尿前に、容器内に酵素基質を含有させておくことは、使用前に容器内に酵素基質の存在を目視で確認できるため、測定の確実性という観点から好ましい。さらに尿量測定用防腐剤組成に酵素基質を含有するものにおいては、前記酵素基質を含有させる工程を省略できることから、より簡便に尿量を測定でき、好ましい。
ここで、酵素基質濃度を測定する酵素は、p−ヒドロキシ安息香酸を基質にした場合、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラーゼ、p−ニトロフェニル−β−グルコピラノシドを基質にした場合、β−グルコシダーゼ又はグルコアミラーゼ、サリチル酸を基質にした場合、サリチル酸モノオキシゲナーゼ、アセトアミノフェンを基質にした場合、アリルアシルアミダーゼ、ホルムアルデヒドを基質にした場合、ホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ、タンパク分解酵素用合成基質を基質にした場合、ペプシン、キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼなど、ペプチド分解酵素用合成基質を基質にした場合、アミノペプチダーゼKなど、エタノール、メタノールを基質にした場合、アルコールデヒドロゲナーゼなどが使用できる。
尿中の酵素基質濃度を測定するには、その酵素基質と反応する酵素や補酵素を含む測定試薬が必要となる。この測定試薬は尿中の酵素基質濃度を測定することが可能であれば、その組成は問わない。たとえば、酵素基質にp−ヒドロキシ安息香酸を用いた場合には、表1に示すような組成が挙げられる。この場合、酵素にp−ヒドロキシ安息香酸ヒドラーゼを用い、補酵素として共存させるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の340nmにおける吸光度減少を測定する。この吸光度の減少はU-3300形分光光度計の様な分光光度計やH-7170S形自動分析装置のように、臨床検査の現場で使用されている汎用型の分析装置等を用いて測定する。
Figure 2006300657
本発明の酵素を用いた尿量測定方法は、具体的には以下の手順により行なわれる。
1)酵素基質濃度測定工程
予め酵素基質の既知の標準液を調製し、特定の波長で吸光度を測定し、検量線を作成する。次に、酵素基質を含んだ尿を検体として用いて、その吸光度測定を行い、予め作成した検量線から酵素基質の濃度を算出する。
2)尿量算出工程
尿量を算出する方法としては(1)酵素基質濃度と尿量の関係式から尿量を求める方法、(2)予め酵素基質濃度と尿量の表を作成し、酵素基質濃度から尿量を求める方法、(3)既知の酵素基質標準液に標準液濃度に対応する尿量を表示値として付与し、検量線を求め、得られた吸光度変化量から尿量を算出する方法が挙げられる。さらに、他の尿測定項目において、分析パラメーターに尿を検体とした場合、得られた蓄尿量から他の尿測定項目の尿中濃度を1日量へ換算する式を組み込み、1日量として表示させることも可能である。
例えば(1)の方法を用いると、予め容器に酵素基質をA mg含有させ、蓄尿後の酵素基質濃度がB mg/dlであった場合の尿量 C mlは以下の式により算出される。
C = 100 × A / B
以下に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
酵素を用いて尿量を測定する方法において、本発明の尿用防腐剤組成物が尿中成分の測定対象項目への与える影響および尿中成分の安定性に与える影響を調査した。
数名の尿をプールして調製したプール尿 1.8 mlにp−ヒドロキシ安息香酸アンモニウム(以下pHBAと略。)溶液 0.1 ml、一般式(1)で表される化合物2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール(ブロノポール(商品名:SIGMA社製))溶液 0.1 mlを加えて終濃度でpHBA濃度を0、60、240 mg/dl、ブロノポール濃度を0.1、0.01、0.001%とした検体を調製した。 また、コントロールとしてpHBA溶液とブロノポールの代わりに精製水を添加した検体を調製した。日立7170S自動分析装置を用いて表2に示す項目の測定を行い、検体を25℃で24時間放置後に再度測定を行った。
試薬は、関東化学株式会社製のシカリキッドAMY、シカリキッドGLU、サイアスALB-M、シカリキッドCa、シカオートMg、尿量測定用試薬、シカリキッド−NCRE、シカリキッドUA、シカリキッド-N UN、シカオートIP、シカオートCL、和光純薬株式会社製のLタイプワコーNAG、マイクロTP-ARを使用した。
なお、CRE、UA、UN、IP、CLについては検体を精製水で10倍希釈した後、測定した。GLU、μ-TP、μ-ALBの測定値が低いためプール尿にはグルコースおよびヒトアルブミンを添加した。NAGについては他の項目とは別検体とし、限外ろ過により濃縮して高活性とした尿を検討に使用した。
Figure 2006300657
検体を調製した直後の測定結果を表3に示す。ブロノポールを尿に加えることにより、測定項目への影響は全くなかった。また、ブロノポールとpHBAを共存させても測定項目への影響はなかった。
Figure 2006300657
検体を25℃で24時間放置した後の測定結果を表4に示す。24時間放置後でも測定項目への影響はなく、尿中成分は安定に維持されている。
Figure 2006300657
酵素基質を含む尿用防腐剤組成物を錠剤状にする方法。
p-ヒドロキシ安息香酸アンモニウム 1200gとブロノポール 100gを正確に秤量し、少量のエタノールを加えて軟塊状とし、よく練合する。練合物を20号のふるいの上でへらを用いて強く押し付けて顆粒造粒し、40℃の温風乾燥により乾燥する。乾燥した顆粒を10号のふるいを通し、粒子の大きい顆粒を取り除いた後、80号のふるいで粉末を取り除く。得られた顆粒は打錠機を用いて1錠あたり1300mgとなるように打錠する。こうして得られた錠剤は1回の蓄尿に1錠を使用することで、尿中成分の測定対象項目に影響を与えず、尿を安定化することができる。
(参考例)
ブロノポールの尿中での表5に示す菌種に対する防腐効果を確認した。
Figure 2006300657
表5の微生物を一晩平板培養した後、生理食塩水に懸濁して104〜108 cfu/ml程度となるように菌液を調製した。ろ過滅菌したプール尿 9mlに終濃度で0.02、0.01、0.005、0.0033%となるように調整したブロノポール溶液1mlを加えた後、菌液 0.1 mlを加えた。コントロールとしてブロノポールの代わりに精製水 1 mlを加えたプール尿にも菌を接種した。 接種後、25℃で24時間培養後の菌数をMiles&Misra法で確認した。結果を表6に示す。表6には蓄尿容器に0.1 gのブロノポールを添加した場合の尿量を示した。
Figure 2006300657
表6に示すとおり、ブロノポールは12菌種に対して殺菌的または静菌的な防腐効果を示した。
本発明の尿用防腐剤組成物によれば、尿中成分の測定対象項目に影響を与えないで、尿を安定化することができる。したがって、生体の機能の状態を正確に把握することができ、医療現場や臨床検査に大きく貢献するものである。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)
    HO-C(R)(R)-C(X)(NO)-C(R)(R)-OH (1)
    (式中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表し、XはF、Cl、Br、Iを表す。)
    で表される化合物を有効成分とする、尿用防腐剤組成物。
  2. 前記一般式(1)中、RからRが水素原子で、XがBrである、請求項1に記載の尿用防腐剤組成物。
  3. 酵素基質をさらに含有する、請求項1または2に記載の尿用防腐剤組成物。
  4. 前記酵素基質が、p−ヒドロキシ安息香酸またはその塩であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の尿用防腐剤組成物。
  5. 酵素基質と一般式(1)で表わされる化合物を混合した後、打錠することにより得られる、錠剤状の形状を有する尿用防腐剤組成物。
  6. 下記一般式(1)
    HO-C(R)(R)-C(X)(NO)-C(R)(R)-OH (1)
    (式中、RからRは、水素原子またはアルキル基を表し、XはF、Cl、Br、Iを表す。)
    で表される化合物を有効成分とする、尿用防腐剤組成物の製造方法。
  7. 酵素基質をさらに混合する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の尿用防腐剤組成物を尿に含有させることを特徴とする、尿の安定化方法。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載の尿用防腐剤組成物を含有する、蓄尿容器。
  10. 容器に、酵素基質を含有させる工程、蓄尿する工程、該尿用防腐剤組成物を含んだ尿から酵素により該酵素基質濃度を測定する工程、蓄尿量を算出する工程を含む、蓄尿量を測定する方法に用いる、請求項9に記載の蓄尿容器。
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