JP2003286114A - 閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法 - Google Patents

閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法

Info

Publication number
JP2003286114A
JP2003286114A JP2002088995A JP2002088995A JP2003286114A JP 2003286114 A JP2003286114 A JP 2003286114A JP 2002088995 A JP2002088995 A JP 2002088995A JP 2002088995 A JP2002088995 A JP 2002088995A JP 2003286114 A JP2003286114 A JP 2003286114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
antifungal
antifungal agent
agent
closed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002088995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4252250B2 (ja
Inventor
Eiji Takemura
英二 竹村
Yukiko Takahashi
由起子 高橋
Akira Toshida
章 土信田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2002088995A priority Critical patent/JP4252250B2/ja
Publication of JP2003286114A publication Critical patent/JP2003286114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4252250B2 publication Critical patent/JP4252250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気化性の防菌防黴剤を使用することによっ
て、洗濯機内、下駄箱内、流し台下収納庫内等、通常の
殺菌剤や殺黴剤の使用が困難な場所でも菌類や黴類が発
生するのを抑制することができる閉鎖空間用防菌防黴剤
や閉鎖空間用防菌防黴方法を提供すること。 【解決手段】 フマル酸ジアルキル、炭素数6〜20の
高級アルコール、サリチル酸等の無臭又は微臭性気化性
防菌防黴成分を含有する閉鎖空間用防菌防黴剤を用い
る。上記防菌防黴成分を1,1,2,2−テトラキス
(ヒドロキシフェニル)エタン等をホスト化合物とする
多分子包接化合物とすることが好ましい。また、上記防
菌防黴成分をシリカゲル微粉末、粘土鉱物微粉末等の無
機微粉末と均一混合状態とすることや、上記防菌防黴成
分を透過させるフィルムで形成された袋に収納したりす
ることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機の洗濯槽、
下駄箱、流し台下の収納庫等、通気性の悪い閉鎖された
空間で湿気が多く細菌や黴等の微生物が繁殖しやすい場
所であり、かつ衣類、靴、調理器具等への臭い移りが嫌
われるために臭気の強い薬剤を使用できない場所に使用
される無臭又は微臭性の閉鎖空間用防菌防黴剤及びこれ
を用いた閉鎖空間の防菌防黴方法に関する。
【0002】
【従来の技術】洗濯機の洗濯槽、特に全自動洗濯機の洗
濯槽は手の届かない空間が多く、洗濯汚水や洗剤カスを
栄養源にして黴が繁殖し問題となっており、塩素系洗剤
や過炭酸塩等からなる黴除去剤が販売されているが、洗
濯槽の構造が複雑である上、裏面に発生した黴に濃厚液
を直接かけることは困難である。このため、洗濯槽に水
を張り、殺菌剤等の薬剤を溶かして一定時間放置する方
法が採られているが、このような方法では、洗濯槽の容
量が大きく、薬剤濃度を上げることが困難であり、また
長時間放置する必要があり作業に時間がかかり面倒であ
った。また、水を貯留することができない洗濯槽上部の
黴の除去はできないという問題もあった。
【0003】また、下駄箱には靴やブーツ等が収納され
ているが、汗や濡れた靴からの水分で多湿状態となって
いるため、細菌が繁殖して不快臭を発生するとともに、
繁殖した細菌や黴が靴の寿命を縮めてしまうという問題
があった。また、流し台下の収納部には鍋やフライパン
等の調理器具が収納される場合が多いが、多湿状態で細
菌や黴が繁殖した状態となっているため、不快であると
ともに衛生上も問題となっていた。これらの場所の防菌
防黴方法としては、一般的に乾燥剤が使用されている
が、効果は不充分であり細菌や黴の繁殖を防止しうるも
のではなかった。
【0004】昇華性あるいは気化性の防菌防黴剤を封入
した容器を、フッ素樹脂やポリウレタン系の数μ以下の
微細な孔を有する微多孔膜や、シリコーン樹脂やポリア
ミノウレタン系樹脂のようなガスを透過させる分子間隙
を有する非多孔質膜等で形成し、ガスの透過を担保させ
た容器を冷蔵庫内に配設して、庫内の腐敗細菌の増殖抑
制効果を図った冷蔵庫が知られている(特開平3−16
4681号公報)。また、ホスト化合物に精油成分を包
接させた化合物をポリエチレン等の発泡体に担持させた
脱臭、抗菌、害虫忌避発泡体(特開平8−24321号
公報)や、ヒノキチオール類を含むサイクロデキストリ
ン包接化合物をポリプロピレン等に含有させた層を有す
る食品包装用抗菌性ストレッチフィルム(特開平4−3
59029号公報)も知られている。
【0005】しかしながら、このような防菌防黴剤は、
冷蔵庫内のように低温度であり微生物の繁殖力の弱い場
所や、包装フィルム全面から抗菌剤が気化しかつ完全密
封とできる食品包装フィルムでは効果を発揮するが、洗
濯機の洗濯槽、下駄箱、流し台下収納庫のように高温多
湿で微生物の繁殖力が強く、防菌防黴剤を設置できる面
積も小さく、かつ密封性が低くて気化した防菌防黴剤が
系外にもれるような場所での微生物の繁殖を防ぐことは
困難であった。
【0006】一方、本発明者らによって、天然精油成分
等の気化性防菌防黴成分を有効成分とする洗濯機用の防
菌防黴剤(特願2001−369082)が提案されて
いる。また、芳香族イソチオシアネートを有効成分とす
る洗面台下の収納庫等の閉鎖空間用防黴剤(特開200
1−220304号公報)や、フマル酸ジメチル、フマ
ル酸モノメチル、又はフマル酸ジエチルを通気性包材に
収納した腐敗性廃棄物の防菌・防臭方法(特開平11−
21202号広報)も知られている。しかし、これらの
薬剤は防菌防黴剤としては有効であるが、いずれも薬剤
特有の強い臭気を有しており、洗濯機に使用した場合に
は衣類への臭気付着、下駄箱に使用した場合には靴への
臭気付着、流し台下収納庫に使用した場合には収納物へ
の臭気付着があるばかりでなく、使用者が蓋や扉を開け
た際にも強い臭気を感じたりするため実用に供すること
は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、気化
性の防菌防黴剤を使用することによって、洗濯機内の洗
濯槽の裏側、下駄箱内の靴内部、流し台下収納庫等、通
常の殺菌剤や殺黴剤の使用が困難な場所でも菌類や黴類
が発生するのを抑制することができ、しかも微臭性の気
化性防菌防黴剤を有効成分とすることによって、洗濯衣
類、下駄箱の靴、流し台下収納庫の収納物等に臭いを付
着させず、これらの使用者にも不快臭を感じさせない閉
鎖空間用防菌防黴剤や閉鎖空間用防菌防黴方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、複雑な形
状の洗濯機内部、靴やブーツを収納している下駄箱、調
理器具や食品等を収納している流し台下収納庫等の防菌
防黴を効率よく行うためには、複雑な形状の空間の隅部
にまで拡散、浸透し、低濃度で効果を発揮する気化性防
菌防黴剤が適しており、特に、洗濯衣類や収納物等に防
菌防黴剤の臭気を付着させない無臭又は微臭性の気化性
防菌防黴剤が適していることに着目した。そこで、(1)
気化性防菌防黴化合物を有効成分とし、気化性物質の気
化速度を制御すると、防菌防黴効果を長期間にわたって
得ることができること、(2) 一般家庭では洗濯機の使
用時間は1日1〜2時間程度、下駄箱や流し台下収納庫
の開閉は一日数回程度であり、夜間や日中等長時間にわ
たり閉鎖空間状態が継続する場合であっても、防菌防黴
成分を無駄なく有効に使用し、人体や周辺へ影響を及ぼ
すことがないこと、(3)洗濯機の蓋裏、下駄箱、流し台
下収納庫の天井や壁面等に簡単に装着しうること、
(4)洗濯衣類、下駄箱、流し台下収納庫の収納物に気
化性防菌防黴剤の臭気が付着せず、しかも蓋や扉の開放
時に不快臭を感じさせないことをコンセプトとして研究
した結果、気化性であって、無臭又は微臭性の防菌防黴
剤、好ましくは該成分を多分子包接化合物として含有す
る防菌防黴剤を、洗濯機の蓋の裏側、下駄箱や流し台下
収納庫の天井や壁面に、粘着剤又は接着剤で固定・使用
することにより、洗濯機の洗濯槽、下駄箱内や流し台下
収納庫内において顕著な防菌防黴効果が得られ、しかも
洗濯衣類や靴等の収納物に防菌防黴剤の臭気が付着しな
いことを見い出した。さらに本発明者らは、防菌防黴剤
を通気性のフィルムもしくは防菌防黴剤成分を透過させ
るフィルムを有する袋に収納したり、フィルムに挟持し
てシート状にしたり、繊維と混合してシート状又は板状
に形成したり、通気性容器に収納したりすることによ
り、防菌防黴作用が長時間にわたって得られること、防
菌防黴剤の臭気をより低減することができること、洗濯
機の蓋の裏側、下駄箱や流し台下収納庫の天井や壁面等
に固定しやすいこと、さらには洗濯水の飛沫が飛散する
等の水に濡れる状況で使用した場合でも充分な防菌防黴
効果を得ることができることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち本発明は、無臭又は微臭性気化性
防菌防黴成分を含有することを特徴とする閉鎖空間用防
菌防黴剤(請求項1)や、無臭又は微臭性気化性防菌防
黴成分が、多分子包接化合物として含有されていること
を特徴とする請求項1記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請
求項2)や、多分子包接化合物が、一般式[I]
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Xは、(CH2nを表し、nは、
0、1、2又は3であり、R1〜R8は、同一又は相異な
ってもいてもよく、水素原子、低級アルキル基、置換基
を有していてもよいフェニル基、ハロゲン原子又は低級
アルコキシ基を示す。)で示されるテトラキスフェノー
ルをホスト化合物とすることを特徴とする請求項2記載
の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項3)や、ホスト化合物
が、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニ
ル)エタン又は1,1,2,2−テトラキス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニルエタン)であることを特徴
とする請求項3記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項
4)や、無臭又は微臭性気化性防菌防黴成分が、フマル
酸ジアルキル、炭素数6〜20の高級アルコール、サリ
チル酸から選ばれる1種又は2種以上の成分であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の閉鎖空間用
防菌防黴剤(請求項5)や、フマル酸ジアルキルがフマ
ル酸ジメチル、フマル酸ジノルマルブチル、フマル酸ジ
ヘプチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジオクチルか
ら選ばれる1種又は2種以上の成分であることを特徴とす
る請求項5記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項6)
や、無臭又は微臭性気化防菌防黴成分が、シリカゲル微
粉末又は粘土鉱物微粉末等の無機微粉末と均一混合状態
で存在することを特徴する請求項1〜6のいずれかに記
載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項7)や、少なくとも
一部が無臭又は微臭性気化性防菌防黴成分を透過させる
フィルムで形成された袋に収納されていることを特徴と
する請求項1〜7のいずれかに記載の閉鎖空間用防菌防
黴剤(請求項8)や、無臭又は微臭性気化防菌防黴成分
が、フマル酸ジメチルであることを特徴とする請求項7
又は8のいずれかに記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求
項9)や、少なくとも一部が無臭又は微臭性気化性防菌
防黴成分の蒸気を通過させる通気性フィルムで形成され
た袋に収納されていることを特徴とする請求項1〜7の
いずれかに記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項10)
や、通気性フィルムが通気・非通水性フィルムであるこ
とを特徴とする請求項10記載の閉鎖空間用防菌防黴剤
(請求項11)や、通気性収納容器に収納されているこ
とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の閉鎖空
間用防菌防黴剤(請求項12)や、通気性収納容器内に
微臭性気化性防菌防黴剤の蒸発を促進する加温体が設置
されていることを特徴とする請求項12に記載の閉鎖空間
用防菌防黴剤(請求項13)に関する。
【0012】また、本発明は、粘着剤又は接着剤で固定
して使用することを特徴とする請求項1〜13のいずれか
に記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項14)や、粘着
剤又は接着剤で固定する防菌防黴剤の面の材質が無臭又
は微臭性防菌防黴成分を透過又は蒸気を通気しないもの
である事を特徴とする請求項14に記載の閉鎖空間用防菌
防黴剤(請求項15)や、閉鎖空間が、洗濯機内空間で
あることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の
閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項16)や、閉鎖空間が、
下駄箱内空間であることを特徴とする請求項1〜15のい
ずれかに記載の閉鎖空間用防菌防黴剤(請求項17)
や、閉鎖空間が、流し台下の収納庫内空間であることを
特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の閉鎖空間用
防菌防黴剤(請求項18)や、請求項1〜18のいずれか
に記載の閉鎖空間用防菌防黴剤を用いたことを特徴とす
る閉鎖空間の防菌防黴方法(請求項19)に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の閉鎖空間用防菌防黴剤と
しては、無臭又は微臭性で気化性の防菌防黴成分を含有
し、洗濯機の蓋の裏側、下駄箱や流し台下収納庫の天井
や壁面等に固定して使用しうるように構成されているも
のであればどのようなものでもよいが、気化性防菌防黴
成分が、固体形態の多分子包接化合物として含有されて
いるものが好ましい。
【0014】本発明における無臭又は微臭性気化性防菌
防黴成分としては、気化した蒸気が防菌防黴作用を有す
るものであり、その臭気が無臭又は不快臭を感じない程
度の強さの微臭性ものであれば、天然抽出物や合成化合
物であってもよい。具体的にはフマル酸ジアルキル、炭
素数6〜20の高級アルコール、サリチル酸等を挙げる
ことができ、特にフマル酸ノルマルブチル、フマル酸ジ
ペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジヘプチル、
フマル酸ジオクチル等を好適に例示することができる。
フマル酸ジメチルは上記薬剤に比べると若干臭気が強い
ため、そのままの形態で使用すると不快臭を発生する
が、防菌防黴効果が強く、固体であるために薬剤残量が
目視判定できる等の利点があるため、透過性フィルムの
厚みを選定して蒸気濃度をコントロールしたり、多分子
包接化合物として、閉鎖空間でのフマル酸ジメチルの飽
和蒸気濃度を低下させる等の手段を講じることにより好
適に使用することができる。また、炭素数6〜20の高
級アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチル
アルコール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコー
ル)オクタデシルアルコール(ステアリルアルコール)
等を挙げることができる。
【0015】上記の気化性防菌防黴成分は、防菌防黴作
用が長時間にわたって得られることから、多分子包接化
合物として含有されるものが好ましい。気化性防菌防黴
成分の気化の速度は、包装材や、容器の開口面積等の構
成により調整することができ、また、溶剤やゲル中に溶
解させ気化速度を遅延させ、あるいは樹脂と共に混練成
形したり、防菌防黴成分をマイクロカプセル化すること
により、気化速度を遅延させ、防菌防黴効果を持続させ
ることもできるが、多分子包接化合物とすることによ
り、ホスト化合物から放出された余剰の気化性防菌防黴
成分は、ホスト化合物に再度包接されて飽和平衡状態を
維持するため、ゲスト化合物の飽和蒸気圧は、ゲスト化
合物本来の飽和蒸気圧に比べて、1〜数10分の1に低
減される。このため、長時間閉鎖された状態となる洗濯
機、下駄箱、流し台下収納庫のような場所では、防菌防
黴剤の有効期間を大幅に延長できるという優れた特性を
発揮する。例えば、通常の家庭で1日1回、小人数の家
庭では2〜7日に1回しか使用されず、長時間蓋が閉め
られた状態で放置される洗濯機内では、大部分の時間帯
が気化防菌防黴成分が飽和蒸気圧となるため、気化防菌
防黴成分を多分子包接化合物とすることにより、気化性
防菌防黴成分の気体の飽和濃度自体を低減させることが
でき、気化性防菌防黴効果時間を数倍〜数10倍延長す
ることができる。特に、ホスト化合物とゲスト化合物と
の組み合わせからなる多分子包接化合物を選択すること
により、気化性防菌防黴成分の無駄な消失を防止しつ
つ、長期にわたり気化性防菌防黴効果を持続することが
できる。更に、気化性防菌防黴成分の消失量の低減に伴
い、洗濯機外への漏洩する気化性防菌防黴成分量も低減
されるため、人体等への影響を回避することができる。
【0016】このように気化性防菌防黴成分を多分子包
接化合物とする場合のゲスト化合物を包接するホスト化
合物としては、多分子包接化合物を形成することができ
る公知のホスト化合物であれば特に制限されるものでは
ないが、一般式[I]で表されるテトラキスフェノール
が好ましい。式[I]中、Xは、(CH2nを表し、n
は、0、1、2又は3であり、R1〜R8は、互いに同一
又は相異なってもよく、水素原子、低級アルキル基、置
換基を有していてもよいフェニル基、ハロゲン原子又は
低級アルコキシ基を示す。上記低級アルキル基として
は、例えば、メチル基、プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキ
シル基、シクロヘキシル基等のC1〜C6のアルキル基
を挙げることができ、フェニル基の置換基としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲ
ン原子やC1〜C6の低級アルキル基等を挙げることが
でき、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができ、低級アル
コキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、t−ブト
キシ基等のC1〜C6の低級アルコキシ基等を挙げること
ができる。
【0017】上記一般式〔I〕で表される化合物として
は、具体的に、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,2,2−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,2,2−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−
テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフル
オロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,
2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ
メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,
2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキ
ス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキ
シ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,
2−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス
(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1,2,2−テトラキス[(4−ヒド
ロキシ−3−フェニル)フェニル]エタン、1,1,
3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,3,3−テトラキス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ
キス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テ
トラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,
3−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1,3,3−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ
キス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメトキシ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3
−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−
テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−
テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキ
シ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4
−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,
4−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,
4,4−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン等を挙げることができるが、
中でも1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニ
ル)エタンや、1,1,2,2−テトラキス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニルエタン)が好ましい。これ
らのテトラキスフェノール化合物はそれぞれ単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】本発明における無臭又は微臭性気化性防菌
防黴成分は他の造形剤や香料等と混合して、錠剤、粉末
状の防菌防黴薬剤として成形することができる。また、
上記気化性防菌防黴剤を解砕パルプや、繊維と共に紙状
に成形したり、気化性防菌防黴成分を繊維と混合して厚
めの不織布等、板状に成形することもできる。
【0019】本発明の無臭又は微臭性気化性防菌防黴成
分を含有する防菌防黴薬剤を洗濯機の蓋の裏側、下駄箱
や流し台下収納庫の天井や壁面に固定して使用しうるよ
うにする方法としては、目的の場所に設置・配置できる
方法であればいずれの方法であってもよく、防菌防黴薬
剤を直接クリップ等で挟み固定したり、あるいは粘着テ
ープで貼り付けてもよいが、洗濯機の蓋の裏側に設置す
る場合には、洗濯水が飛散して気化性防菌防黴薬剤の気
化が阻害されないように、片面又は両面等少なくともそ
の一部を防菌防黴成分が透過するフィルム又は通気性フ
ィルムで挟んでシート状に成形した防菌防黴薬剤を、粘
着剤や接着剤で固定して使用する方法や、片面又は両面
等少なくともその一部を防菌防黴成分が透過するフィル
ム又は通気性フィルムで成形された袋に収納した防菌防
黴薬剤を、粘着剤や接着剤で固定して使用する方法等を
挙げることができ、更に、上記通気性フィルムを通気・
非通水フィルムとすることにより、洗濯水の飛沫が防菌
防黴剤と接触することを防止することができ、気化性防
菌防黴薬成分の気化の阻害を回避することができるため
好ましい。その他、気化性防菌防黴成分を、繊維と均一
に混合し通気性のシート又は板状に成形したものを、粘
着剤、接着剤等により固定して使用する方法、また、上
記防菌防黴薬成分や、これを収納した袋や、気化性防菌
防黴成分を含有するシート状又は板状に形成されたもの
を、通気性の収納容器に収納し、粘着剤や接着剤等で固
定して使用する方法によることもできる。
【0020】なお、本発明において、粘着剤や接着剤で
防菌防黴成分が透過するフィルム又は通気性フィルムの
袋やシートを目的とする場所に固定する場合には、粘着
剤や接着剤を使用する側の袋やシートの面は、防菌防黴
成分が透過したり蒸気が通気しない材質のフィルムや板
で形成することが好ましい。一般に、防菌防黴成分には
粘着剤や接着剤を溶解する溶剤としての作用を有するも
のが多いため、防菌防黴成分を透過又は蒸気を通気させ
るフィルムを粘着剤や接着剤を使用する側に使用する
と、本発明の防菌防黴剤が固定した場所から剥離離脱す
るトラブルを発生する事となる。また、防菌防黴成分を
フィルムの袋やシートに収納して使用する場合には、防
菌防黴成分を時間の経過に関わらず一定に気化させるた
めに、防菌防黴成分が液体の場合にはシリカゲル微粉末
や粘土鉱物微粉末に均一に含浸させて使用することが好
ましく、防菌防黴成分が固体の場合においても気化速度
が遅い化合物の場合や低融点の化合物の場合は防菌防黴
成分の融点より高い温度でシリカゲル微粉末や粘土鉱物
微粉末と均一混合するか、防菌防黴成分をシリカゲル微
粉末や粘土鉱物微粉末と混合後に混合物を気流粉砕する
ことによって微細粒子を安定化させると、防菌防黴成分
の気化を時間の経過にかかわらず一定に行わせる事が可
能となる。
【0021】本発明の閉鎖空間の防菌防黴方法として
は、上述の本発明の閉鎖空間用防菌防黴剤を用いた方法
であれば特に制限されるものではないが、ホスト化合物
からの放出・包接により閉鎖空間において平衡状態にな
ったときの気化性防菌防黴成分の濃度が防菌防黴有効濃
度となるような、ホスト化合物とゲスト化合物との組み
合わせからなる多分子包接化合物を用いる方法が好まし
い。
【0022】本発明の閉鎖空間用防菌防黴剤を使用する
本発明の閉鎖空間の防菌防黴方法によれば、防菌防黴成
分が空気より重いため、洗濯機の蓋の裏側、下駄箱や流
し台下収納庫の天井や壁面に固定した気化性防菌防黴成
分が気化して、閉鎖空間内の空気と混合しながら閉鎖空
間の低部へ移動し、複雑な形状の空間の隅々にまで拡
散、浸透し、防菌防黴効果が得られる。また、気化性防
菌防黴成分を多分子包接化合物として用いた場合には、
気化性防菌防黴成分の気化速度を制御することができ、
また、ゲスト化合物である気化性防菌防黴成分が一旦放
出された後、再度ホスト化合物に包接されて飽和平衡状
態を維持するため、気体の飽和蒸気圧が低減され、すな
わち閉鎖空間ないの気化性防菌防黴成分の飽和濃度が低
減され、気化性防菌防黴成分の消失量の低減を図ること
ができる。特に、洗濯機は使用時間が短く、長時間蓋を
閉めた状態で放置される場合が多いため、気化性防菌防
黴剤が低濃度で飽和状態が維持され、防菌防黴効果を長
期間にわたって得ることができると共に、洗濯機から漏
洩する気化性防菌防黴剤の量も低減され、人体等への影
響を抑制し、少量で最大の効果を得ることができる。更
に、水に濡れる状況で使用した場合でも、通気・非通水
フィルム等を用いた場合は、洗濯水の飛沫の接触を防止
することができるため、気化性防菌防黴成分の気化が妨
げられず、洗濯機を使用する際に、防菌防黴剤を取り出
し、洗濯終了時に再度固定する動作の反復を回避でき
る。
【0023】以下、本発明の閉鎖空間用防菌防黴剤を、
洗濯機に使用した場合について、図面を参照して説明す
るが、この発明の範囲はこれらの例示に限定されるもの
ではない。本発明の洗濯機用防菌防黴剤は、図1に示す
ように、気化したとき空気より重い気体の気化性防菌防
黴成分を固体として含有する防菌防黴薬剤Mが、洗濯機
1の蓋1aの裏側に設置されるものである。
【0024】防菌防黴薬剤Mは、固形又は粉末状であ
り、図2及び図3に示すように、洗濯機1の内側に対向
する面が通気・非通水性フィルム2aで、蓋1a側に対
向する面が非通気性フィルム2bで形成された袋2に収
納されている。通気・非通水性フィルム2aは、疎水性
フィルムに1〜5μの微細な孔が形成され、気体粒子は
この孔を透過できるが、水粒子は透過し得ないものであ
り、袋2に洗濯水の飛沫が付着しても、収納された防菌
防黴薬剤Mが水と接触するのを防止する。通気・非通水
性フィルム2aとしては、タイベックフィルム(商品
名:デュポン社製)や、NFシート(商品名:トクヤマ
(株)社製)等を例示することができる。袋2は接着剤
Sにより洗濯機1の蓋1aに固定される。
【0025】また、図4に示すように、洗濯機用防菌防
黴剤を、気化性防菌防黴成分をそのまま、あるいは、防
菌防黴薬剤Mを不織布3aで挟持し、格子状の接着部3
bで接着して形成されたシート3と構成してもよい。そ
の他、洗濯機用防菌防黴剤として、解砕パルプに粉末の
防菌防黴薬剤Mや気化性防菌防黴成分を添加混合し、紙
に漉き乾燥させた板紙、原料繊維と気化性防菌防黴成分
を混合し厚めに形成した不織布、板紙に防菌防黴薬成分
を溶解した溶剤を含浸させて乾燥した厚めの不織布、あ
るいはこれらを袋2に収納したものも用いることができ
る。
【0026】また、図5には、防菌防黴薬剤Mを収納す
る通気性収納容器4の一例が示されており、かかる通気
性収納容器4は、接着剤Sにより洗濯機の蓋1aに固定
される固定部4cと、この固定部4cに着脱自在に設け
られる収納部4aとを有し、収納部4aの底面は、それ
ぞれ、複数のスリット状の外側開口部4dと内側開口部
4eとが交互に位置するように設けられた2枚の通気板
4bで構成され、図6に示すように、2枚の通気板4b
は、スリット状の開口部4d,4eの位置が一致しない
ように設置され、且つ、平行に収納部4aに装着され
る。通気板4bに設けられた開口部4d,4eにより、
気化した気化性防菌防黴成分の洗濯機1内への拡散を可
能とし、且つ、洗濯水の飛沫が収納容器4内に収納され
る防菌防黴薬剤M等に直接接触しないようになってい
る。かかる収納容器4に収納される防菌防黴薬剤が消費
されたとき、収納部4aを固定部4cから取り外し、防
菌防黴薬剤M等を新しいものに交換することができる。
【0027】更に、上記防菌防黴薬剤Mを収納した袋
2、シート3、収納容器4、板状に形成した防菌防黴薬
剤等の可視部には、上記気化性防菌防黴剤と反応し着
色、変色等変化が認識できる物質からなるシグナルマー
カー等を設けておき、その変化を目視することにより、
気化性防菌防黴成分が消費されたことを検出できるもの
としてもよい。その他、防菌防黴薬剤Mを収納した袋
2、シート3、収納容器4を洗濯機の蓋に固定する方法
として接着剤に限らず、粘着テープを使用したり、接着
面に取着された離型紙を除いて洗濯機の蓋に接着するよ
うにしてもよい。
【0028】
【実施例】<防菌防黴剤の調製>本発明の無臭又は微臭
性気化性防菌防黴成分及び比較対照の気化性防菌防黴成
分を含む、表1に示される組成の防菌防黴剤を調製し
た。防菌防黴剤の調製は、気化性防菌防黴成分をシリカ
ゲル微粉末及び/又は珪藻土と混合し、粉末状とするこ
とにより調製した。気化性防菌防黴成分を多分子包接化
合物として用いる場合には、メタノール500mLに、
ホスト化合物として1,1,2,2−テトラキス(ヒド
ロキシフェニル)エタン(TEP)50gを加え、60
℃に加熱し溶解させ、これに表1に記載するゲスト化合
物100gを徐々に加え60℃で30分間、撹拌し反応
させ、不溶解物を濾過し除去した。濾過液を1夜室温で
放置し、得られた結晶を濾過し、メタノールで洗浄後、
40℃で1時間真空乾燥し多分子包接化合物を得た。表
1中、TEP−フマル酸ジメチルはTEP:フマル酸ジ
メチル=1:2(モル)であった。
【0029】
【表1】
【0030】評価試験1(防菌防黴効果評価試験A:洗
濯槽想定) 実施例1で得られた11種類の各防菌防黴薬剤の所定量
(気化性防菌防黴剤5g相当、表1記載)を、片面が通
気・非通水性フィルム(NFシート:(株)トクヤマ社
製;通気度50秒/100m)としたフィルムA、又は
透過性フィルム(低密度ポリエチレンフィルム、厚さ
0.05mm)としたフィルムB、もう片面をナイロン
0.06mmと低密度ポリエチレン0.05のラミネー
トフィルムとした100mm×120mmの袋に収納
し、周囲をヒートシールして、薬剤収納サンプル1〜1
1を調製した。次に、70Lの蓋付ポリバケツ内に上
部、中間部、底部に黒黴(Aspergillus niger IFO No44
2)胞子懸濁液0.1mLを接種したポテトデキストロ
ール寒天培地のシャーレを設置し、蓋の裏面に上記薬剤
収納サンプル1〜11を通気・非通水フィルム(フィル
ムA)又は透過性フィルム(フィルムB)を下向きにし
て粘着テープで固定した。ポリバケツ底には水を張った
大型シャーレを置いて、湿気を保った状態で蓋をして放
置した。1日1回1時間(2週間以上は土、日曜日は蓋
をしたまま放置)蓋を取り除いた状態で恒温室(20〜
27℃)で放置し、黴の発生状態を2週間までは2日間
隔、2週間以上は1週間間隔で観察した。なお、シャー
レは各2個設置し、培地の乾燥を防ぐため1週間経過ご
とに新品と交換した。結果を表1に示す。表中、上、
中、底のいずれのシャーレにも黴が発生しない期間を有
効期間として表示した。なお、防菌防黴薬剤を用いない
場合を対照とした。表1には、蓋を開いた直後の臭気を
2週間間隔で官能検査により下記4段階評価した結果も
併せて示す。 ◎:防菌防黴剤の臭気を感じない ○:防菌防黴剤の臭気をわずかに感じるが不快ではない △:防菌防黴剤の臭気を明らかに感じ、若干不快であ
る。 ×:防菌防黴剤の臭気を強く感じ、不快である。
【0031】評価試験2(防菌防黴効果評価試験B:下
駄箱想定) 評価試験1で調製したサンプル1〜11を、巾700m
m×高さ750mm×奥行き400mmの木製、引き戸
式、4段棚の下駄箱の最上階天井に評価試験1と同一の
方法で設置し、評価シャーレを各段に2個ずつ置いて、
朝、夕2回10分間引き戸を開放した。他の条件は評価試
験1と同様にして、防菌防黴効果評価試験を行った。結
果を表1に示す。
【0032】評価試験3(防菌防黴効果評価試験C:流
し台下収納庫想定) 評価試験1で調整したサンプル1〜11を、巾700m
m×高さ500mm×奥行き500mmの樹脂張り、開
き戸式、2段棚の箱の最上階天井に評価試験1と同一の
方法で設置し、評価シャーレを各段に2個ずつ設置し
て、朝、夕2回10分間引き戸を開放した。他の条件は評
価試験1と同様にして防菌防黴効果評価試験を行った。
結果を表1に示す。
【0033】
【発明の効果】本発明の閉鎖空間用防菌防黴剤、また、
閉鎖空間内の防菌防黴方法によれば、無臭又は微臭性気
化性防菌防黴成分が気化して細菌や黴の繁殖を防止する
ため、洗濯機の洗濯槽の裏側や収納物が多く、かつ収納
物の形状が複雑であり通常の殺菌剤や防菌防黴剤では細
菌や黴の除去や繁殖防止が困難な下駄箱や流し台下収納
庫等の防菌防黴を効果的に達成することができる。ま
た、無臭又は微臭性の気化性防菌防黴剤を使用し、かつ
気化性防菌防黴剤の特性に合わせて気化性防菌防黴剤を
多分子包接化合物としたり包装フィルムを選択して、気
化性防菌防黴剤の気化速度を制御することにより、気化
性防菌防黴剤の臭気を抑制し、防菌防黴剤の使用による
洗濯衣類や収納物等の異臭を嫌うものへの臭気付着を防
止するとともに、使用者に不快感を与えなくすることが
できる。また、防菌防黴剤の気化速度が制御できるた
め、長期にわたり防菌防黴効果を維持できるとともに、
余分な成分の気散による人体や環境への影響も抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗濯機用防菌防黴剤を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の洗濯機用防菌防黴剤を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の洗濯機用防菌防黴剤を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の洗濯機用防菌防黴剤を示す斜視図であ
る。
【図5】本発明の洗濯機用防菌防黴剤を示す断面図であ
る。
【図6】本発明の洗濯機用防菌防黴剤を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・・・洗濯機 1a・・・・・・蓋 2・・・・・・袋 2a・・・・・・通気性、非通水生フィルム 2b・・・・・・非通気性フィルム 3・・・・・・シート 3a・・・・・・不織布 3b・・・・・・格子状の接着部 4・・・・・・通気性収納容器 4a・・・・・・収納部 4b・・・・・・2枚の通気板 4c・・・・・・固定部 4d・・・・・・スリット状の外側開口部 4e・・・・・・スリット状の内側開口部 M・・・・・・防菌防黴薬剤 S・・・・・・接着剤
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/01 A61L 9/01 M (72)発明者 土信田 章 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内 Fターム(参考) 4C080 AA03 BB05 CC01 CC14 HH05 JJ03 JJ04 JJ06 KK03 LL03 MM15 4H011 AA02 AA03 AA05 BA04 BB03 BB06 BC03 DA02 DA04 DA07 DB03 DD05 DD06 DF03 DG03

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無臭又は微臭性気化性防菌防黴成分を含
    有することを特徴とする閉鎖空間用防菌防黴剤。
  2. 【請求項2】 無臭又は微臭性気化性防菌防黴成分が、
    多分子包接化合物として含有されていることを特徴とす
    る請求項1記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  3. 【請求項3】 多分子包接化合物が、一般式[I] 【化1】 (式中、Xは、(CH2nを表し、nは、0、1、2又
    は3であり、R1〜R8は、同一又は相異なってもいても
    よく、水素原子、低級アルキル基、置換基を有していて
    もよいフェニル基、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基
    を示す。)で示されるテトラキスフェノールをホスト化
    合物とすることを特徴とする請求項2記載の閉鎖空間用
    防菌防黴剤。
  4. 【請求項4】 ホスト化合物が、1,1,2,2−テト
    ラキス(ヒドロキシフェニル)エタン又は1,1,2,
    2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル
    エタン)であることを特徴とする請求項3記載の閉鎖空
    間用防菌防黴剤。
  5. 【請求項5】 無臭又は微臭性気化性防菌防黴成分が、
    フマル酸ジアルキル、炭素数6〜20の高級アルコー
    ル、サリチル酸から選ばれる1種又は2種以上の成分であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の閉
    鎖空間用防菌防黴剤。
  6. 【請求項6】 フマル酸ジアルキルがフマル酸ジメチ
    ル、フマル酸ジノルマルブチル、フマル酸ジヘプチル、
    フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジオクチルから選ばれる
    1種又は2種以上の成分であることを特徴とする請求項5
    記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  7. 【請求項7】 無臭又は微臭性気化防菌防黴成分が、シ
    リカゲル微粉末又は粘土鉱物微粉末等の無機微粉末と均
    一混合状態で存在することを特徴する請求項1〜6のい
    ずれかに記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  8. 【請求項8】 少なくとも一部が無臭又は微臭性気化性
    防菌防黴成分を透過させるフィルムで形成された袋に収
    納されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  9. 【請求項9】 無臭又は微臭性気化防菌防黴成分が、フ
    マル酸ジメチルであることを特徴とする請求項7又は8
    のいずれかに記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  10. 【請求項10】 少なくとも一部が無臭又は微臭性気化
    性防菌防黴成分の蒸気を通過させる通気性フィルムで形
    成された袋に収納されていることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  11. 【請求項11】 通気性フィルムが通気・非通水性フィ
    ルムであることを特徴とする請求項10記載の閉鎖空間用
    防菌防黴剤。
  12. 【請求項12】 通気性収納容器に収納されていること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の閉鎖空間
    用防菌防黴剤。
  13. 【請求項13】 通気性収納容器内に微臭性気化性防菌
    防黴剤の蒸発を促進する加温体が設置されていることを
    特徴とする請求項12に記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  14. 【請求項14】 粘着剤又は接着剤で固定して使用する
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の閉鎖
    空間用防菌防黴剤。
  15. 【請求項15】 粘着剤又は接着剤で固定する防菌防黴
    剤の面の材質が無臭又は微臭性防菌防黴成分を透過又は
    蒸気を通気しないものである事を特徴とする請求項14に
    記載の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  16. 【請求項16】 閉鎖空間が、洗濯機内空間であること
    を特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の閉鎖空間
    用防菌防黴剤。
  17. 【請求項17】 閉鎖空間が、下駄箱内空間であること
    を特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の閉鎖空間
    用防菌防黴剤。
  18. 【請求項18】 閉鎖空間が、流し台下の収納庫内空間
    であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載
    の閉鎖空間用防菌防黴剤。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載の閉鎖
    空間用防菌防黴剤を用いたことを特徴とする閉鎖空間の
    防菌防黴方法。
JP2002088995A 2002-03-27 2002-03-27 閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法 Expired - Fee Related JP4252250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002088995A JP4252250B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002088995A JP4252250B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003286114A true JP2003286114A (ja) 2003-10-07
JP4252250B2 JP4252250B2 (ja) 2009-04-08

Family

ID=29234704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002088995A Expired - Fee Related JP4252250B2 (ja) 2002-03-27 2002-03-27 閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4252250B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132666A (ja) * 2007-12-03 2009-06-18 Kao Corp 非接触型防カビ剤組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132666A (ja) * 2007-12-03 2009-06-18 Kao Corp 非接触型防カビ剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4252250B2 (ja) 2009-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4157787A (en) Air freshener dispenser
JP5367200B2 (ja) 臭気中和化および液体吸収性廃棄物袋
US20080003171A1 (en) Microbial Control Using Hypochlorous Acid Vapor
WO2008109631A2 (en) Scented picture frame
JP4252250B2 (ja) 閉鎖空間用防菌防黴剤及び閉鎖空間の防菌防黴方法
JP4024529B2 (ja) 洗濯機用防菌防黴剤及び洗濯機内の防菌防黴方法
US20060102738A1 (en) Air treatment device
JPH0626647B2 (ja) 除湿器
JP2022548572A (ja) エアフレッシュニング製品
JP4037496B2 (ja) 保水性除菌マット及びその形成方法並びにその施用方法
JP2005130994A (ja) 消毒、乾燥等の手段を備えた椅子等
JP4556390B2 (ja) 揮散性薬剤徐放部材とそれを用いた空気調和機
JP2002079042A (ja) 除湿器
JP2001206429A (ja) 除湿剤容器
JPS6160602A (ja) 揮散性防黴防虫剤
JPH1094593A (ja) 清浄シート状体
KR102489010B1 (ko) 소독지 케이스
JP3230481U (ja) 洋式トイレ除菌消毒用部材
JP3542524B2 (ja) 消臭、腐敗防止又は除菌用薬物体
KR200412943Y1 (ko) 방향제를 구비한 제습용기
JP2005126393A (ja) 放香防虫製品
JP2022087373A (ja) ルームエアコンディショナー用微生物防除処理物品
JPH0429903A (ja) ダニ類の防除方法
JP4293797B2 (ja) 揮散量を調節可能な芳香剤等の容器
US362031A (en) Chaeles g

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4252250

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees