JP2003286019A - 炭素フォームおよび黒鉛フォーム - Google Patents

炭素フォームおよび黒鉛フォーム

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JP2003286019A
JP2003286019A JP2003012666A JP2003012666A JP2003286019A JP 2003286019 A JP2003286019 A JP 2003286019A JP 2003012666 A JP2003012666 A JP 2003012666A JP 2003012666 A JP2003012666 A JP 2003012666A JP 2003286019 A JP2003286019 A JP 2003286019A
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JP
Japan
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foam
carbon foam
mpa
mesophase pitch
pressure
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Application number
JP2003012666A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Watanabe
史宜 渡邉
Koichi Sugano
公一 菅野
Takatsugu Fujiura
隆次 藤浦
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度で均一かつ連続気泡のセル構造を有する
特定の炭素フォームを工業的に安定して製造する。 【解決の手段】縮合多環式炭化水素またはこれを含有す
る物質を弗化水素・三弗化硼素の存在下で重合させて得
られたメソフェーズピッチを0.1MPa以上3MPa以下の不活
性ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温度で熱処理し
て得られる1次炭素フォーム100重量部に対して、該メ
ソフェーズピッチを5〜500重量部添加し、0.1MPa以上3M
Pa以下の不活性ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温
度で熱処理すると比較的低圧下で、均一なセル構造を有
し、耐熱性、熱伝導性、化学安定性、電気伝導性、強
度、ガス拡散性などの特性を有する高密度な炭素フォー
ムが製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メソフェーズピッ
チを原料とした、耐熱性や化学的安定性に優れ、均一な
セル構造を有する炭素質あるいは黒鉛質炭素材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】耐熱性、熱伝導性、化学安定性、電気伝
導性、強度、ガス拡散性など、これまでにない様々な特
性を有する炭素フォームが検討されている。従来の熱硬
化性樹脂ベースのフォームは難黒鉛化性炭素を形成する
ため、高温での耐酸化性や化学反応に対する耐食性が低
く、熱伝導性も十分ではない。これらに応える材料とし
て、メソフェーズピッチをイナートガスの加圧下に熱処
理することによって製造され、高い化学安定性、耐熱
性、耐酸化性を有する新規なフォーム材料が、すでに提
案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】さらに本発明者らは、特定のメソフェーズ
ピッチを0.1MPa以上の不活性ガスの加圧下に400℃以上8
00℃以下の温度で熱処理することによって、均一かつ連
続気泡のセル構造を有する特定の炭素フォームが工業的
により安定して製造できることを提案している(特許文
献1参照。)。また、ピッチを1000psi(約6.8MPa)まで
の不活性ガスの加圧下で熱処理してカーボンフォームを
製造するという、上述した論文と同様の手法が開示され
ている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2002-220217号公報
【特許文献2】米国特許第6033506号明細書
【非特許文献1】I. Mochida, Y. Korai, K. Shimizu,
S-H. Yoon, R. Fujiura.,"Preparation, structure and
application of mesophase pitches prepared from ar
omatic hydrocarbons using HF/BF3 as catalysts", TA
NSO, 1992 [155]P370-378
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、メソ
フェーズピッチをイナートガスの加圧下に熱処理するこ
とで、フォーム材料が製造できることが見出されてい
た。これまで、フォームの嵩密度やセルの大きさを制御
するための操作条件として、熱処理を行う加圧圧力が支
配的であることが明らかになっている。即ち、フォーム
の嵩密度を高くするためには加圧圧力を非常に高くする
必要があった。
【0006】しかしながら、500℃以上の高温下に、例
えば6MPa以上の高圧条件で熱処理を行うためには、高温
高圧に耐え得る特別な反応器が必要となることから、フ
ォームを工業的に安価に製造することが難しく、低圧条
件下で炭素フォームの嵩密度等の性状を制御したいとい
う要求がある。
【0007】本発明の目的は、均一なセル構造を有し、
耐熱性、熱伝導性、化学安定性、電気伝導性、強度、ガ
ス拡散性などの特性を有する炭素フォームの性状を低圧
製造条件下で制御する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、メソフェーズピッチを0.
1MPa以上3MPa以下の不活性ガスの加圧下に400℃以上800
℃以下の温度で熱処理して熱処理して得られる炭素フォ
ームに対して、メソフェーズピッチを添加し、0.1MPa以
上3MPa以下の不活性ガスの加圧下に再度熱処理すること
によって、高い強度や熱伝導率が期待できる嵩密度を向
上させた炭素フォームが製造できることを見出した。さ
らに、この炭素フォームを2000℃以上の温度で熱処理す
ることによって、均一かつ連続気泡のセル構造を有する
特定の黒鉛フォームが安定して製造できることを見出
し、本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、(1)メソフェーズピ
ッチを0.1MPa以上3MPa以下の不活性ガスの加圧下に400
℃以上800℃以下の温度で熱処理して熱処理して得られ
る炭素フォーム100重量部に対して、メソフェーズピッ
チを5〜500重量部添加し、0.1MPa以上3MPa以下の不活性
ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温度で再度熱処理
することによって、高い強度や熱伝導率が期待できる嵩
密度を向上させた炭素フォーム、および(2)該炭素フ
ォームを2000℃以上の温度で熱処理して得られる黒鉛フ
ォーム、に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる原料ピ
ッチは、1回目の炭素フォームの製造用および2回目以
降の添加用、共にメソフェーズピッチを使用する。光学
的等方性ピッチを用いた場合、1回目の炭素フォームの
製造においてはセルが不均一なフォームしか製造できな
い。また、2回目以降の添加用のみに用いた場合にも1
回目に生成したセルに不均一に充填されるように固定化
され、セル構造が不均一化する。2回目以降の添加用に
もメソフェーズピッチを使用することが重要である。1
回目の炭素フォームおよび2回目以降の添加後に製造さ
れる炭素フォームのどちらにおいても、気孔が連続化し
ていることが高い強度や熱伝導率を有する炭素および黒
鉛フォームにおいて重要である。
【0011】使用するメソフェーズピッチは石油系、石
炭系、合成系のいずれも使用可能であるが、縮合多環式
炭化水素またはこれを含有する物質を弗化水素・三弗化
硼素の存在下で重合させて得られた合成系メソフェーズ
ピッチは、溶融粘度が低くかつ十分な炭化発泡性を有す
ると同時に、高い化学純度を示し、黒鉛化性に優れ、炭
素化収量もきわめて高く、好適に使用される。
【0012】まず、メソフェーズピッチを0.1MPa以上3M
Pa以下の不活性ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温
度で熱処理することによって1次炭素フォームが製造さ
れる。メソフェーズピッチは通常金属容器に充填された
上で、圧力容器中で加圧下に400℃以上800℃以下の温度
で熱処理される。容器に充填するピッチの形態として
は、(A)粉末、ペレット、あるいは塊状のピッチをそ
のまま金属容器に仕込む方法、(B)メソフェーズピッ
チをアルミ製やステンレス製などの金属容器に入れて加
熱炉に仕込み、窒素気流の非酸化雰囲気において、軟化
点+100℃の温度で10時間保持することで、該メソフェ
ーズピッチを金属容器内でほぼ気泡を含まない均一な固
まりとする方法等が挙げられる。
【0013】メソフェーズピッチを0.1MPa以上3MPa以下
の不活性ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温度で熱
処理する方法は特に限定されないが、例えば以下のよう
な手順が採用可能である。ピッチが入った金属容器を加
熱可能な圧力容器に仕込み、真空置換によって内部を窒
素雰囲気に変更した後、大気圧のまま3℃/分の速度で35
0℃まで昇温、一時間保持する。続いて、350℃に保った
ままで窒素により3.0MPaに加圧し、2℃/分の速度で550
℃まで昇温する。そのまま1時間保持した後、ヒーター
を切り、炉内で自然放冷した後、サンプルを取り出す
と、金属容器中で均一なセル構造を有する炭素フォーム
が生成している。なお、0.1MPa以上3MPa以下の加圧を室
温より開始しても良い。
【0014】一次フォームにメソフェーズピッチを添加
する方法は、メソフェーズピッチを溶融下含浸する方法
(以下溶融含浸法と称する)、粉砕したメソフェーズピ
ッチ微粒子をスラリー化して一次フォーム気孔壁に担持
する方法(以下スラリー法と称する)がある。
【0015】溶融含浸法においては、生成した1次炭素
フォームに1次フォームに用いたのと同じメソフェーズ
ピッチまたは別のメソフェーズピッチを5〜500重量部添
加し、0.1MPa以上3MPa以下の不活性ガスの加圧下に400
℃以上800℃以下の温度で熱処理することによって嵩密
度が向上した炭素フォームが製造される。この400℃以
上800℃にいたる過程で、メソフェーズピッチは軟化溶
融し、さらに0.1MPa以上3MPa以下の不活性ガスの加圧下
にあることにより、一次フォームに対して添加したメソ
フェーズピッチが加圧含浸される。また、1次炭素フォ
ームに対してメソフェーズピッチを添加した後に、200
℃以上400℃以下で700Torr以下、好ましくは400Torr以
下の減圧下で添加したメソフェーズピッチを一次炭素フ
ォームに含浸させた上で、再度不活性ガスの加圧下に熱
処理するとより速やかに含浸が可能になり、均一な炭素
フォームを製造するに当たって好ましい。
【0016】均一な含浸を完了させるためには、添加し
たメソフェーズピッチが充分に溶融軟化する温度下で減
圧し、その温度で30〜60min保持することが望ましい。
添加するピッチの形態としては、粉末、ペレット、ある
いは塊状のピッチのいずれであっても使用可能である
が、1次炭素フォームへ速やかに浸透するためには、添
加されるメソフェーズピッチが400℃以下で含浸可能な
低粘度を示すことが必要であり、フローテスターで測定
した軟化点が250℃以下のメソフェーズピッチが特に好
適に使用される。
【0017】また、2回目以降のメソフェーズピッチ添
加に際して、含浸される側の炭素フォームの上面をある
程度削り取る工程を追加すると、開気孔部が表面に出る
事によって、その開気孔部から添加ピッチが効率的に含
浸され、より良好な目的物が得られる。用途によって
は、得られた炭素フォームを引き続いて600℃以上2000
℃未満の温度で熱処理することもできる。この時の圧力
は、常圧でも加圧でもよい。
【0018】さらに、該炭素フォームを2000℃以上の温
度で熱処理し、黒鉛化することによって高い強度と高い
熱伝導性を有する黒鉛フォームが製造される。黒鉛化に
際して、予め800℃以上2000℃未満の温度で熱処理(仮
焼)するとより好ましい。このメソフェーズピッチの溶
融含浸、炭化を繰り返すことによって、さらに高い嵩密
度を有する炭素フォームを製造することも出来る。
【0019】スラリー法においては調製した一次フォー
ムに対して、メソフェーズ微粒子を分散した液体から担
持する。一次フォームに担持するピッチ粒子であるが、
均一に一次フォーム内部に分散、担持するためには、一
次フォーム連続気孔よりも小さければよいが、スムーズ
な内部までの分散を考慮すると連続気孔よりも十分に小
さな100ミクロン以下であることが望ましい。微粒子化
の方法としては高速回転ミル、ジェットミル、ボールミ
キサー、ヘンシェルミキサー等様々あるが、100ミクロ
ン以下の微粒子を製造できる方法であれば、粒子形状は
問題ないことから特に限定されるものではない。ピッチ
粒子を分散させる溶媒としてはピッチの成分を溶解しな
い溶媒を用いることが重要であり、水、アルコール類が
好ましい。しかしながらこれらの溶媒はピッチに対する
親和性が低く、そのままではピッチの粒子を均一に分散
させることが出来ない。これら溶媒中に界面活性剤を適
量入れることによって均一なピッチ粒子分散液ができ
る。使用する界面活性剤の種類は特に限定されるもので
はない。また、その添加量は溶媒に対して0.01から1重
量部であることにより、一次フォーム気孔表面にピッチ
粒子が均一に担持される。
【0020】このように調製したピッチ粒子分散液から
一次フォーム気孔表面にピッチ粒子を担持する方法は特
に限定されないが、例えば以下のような手順が採用可能
である。
【0021】ピッチ粒子分散液が入ったビーカーに一次
フォームを浸漬させ、一次フォームが完全に溶液に漬か
った後、超音波を15分間かける。水分を除去するタイミ
ングは限定されないが、好ましくは一次フォームを取り
出した直後にエバポレーター、または減圧乾燥、常圧乾
燥により除去する。これにより、一次フォーム内部まで
均一にピッチ粒子が担持されたフォームが調製できる。
次に、ピッチ粒子担持フォームを不活性ガス下で400℃
から800℃で熱処理することにより嵩密度が向上した炭
素フォームが製造される。ピッチ粒子はこの熱処理の間
に一度溶融し、粒子がフォーム気孔内に薄い膜を形成、
さらに気孔内で発泡炭化しフォーム内に広がることによ
って均一な高密度炭素フォームとなる。このときの圧力
は常圧でも加圧でも良いが、より嵩密度の高い炭素フォ
ームを得るには加圧下での熱処理が好ましい。このスラ
リー法においても含浸法と同様、担持、炭化の工程を繰
り返せばより高い嵩密度の炭素フォームが得られる。さ
らには、含浸法、ピッチ粒子担持法を適宜組み合わせて
もよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例ならびに比較例により、本発明
をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施
例により、なんら制限されるものではない。また、本実
施例でのピッチの分析方法及び分析条件を以下に記載す
る。 (軟化点)軟化点の測定には、島津製作所製高架式フロ
ーテスターを用い、300ミクロン以下に粉砕された試
料2gを直径1mmのノズルを底部に有する断面積1c
2のシリンダーに充填し、9.8N/cm2(10kg
/cm2)の加重を加えながら5℃/分の速度で昇温し
た。温度上昇と共に粉体粒子が軟化して充填率が向上
し、試料粉体の体積は減少するが、ある温度以上では体
積の減少は停止する。さらに昇温を続けるとノズルより
試料が溶融して流出する。このときの試料粉体の体積減
少が停止する温度を軟化点と定義した。
【0023】(実施例1)超強酸HF-BF3(触媒モル比:ナ
フタレン/HF/BF3=1/0.35/0.15)を用いてナフタレンを
反応温度270℃で自生圧下に重合させた後、落圧して触
媒を回収し。さらに350℃で窒素を10時間吹き込み軽質
分を除去してメソフェーズピッチを得た。該メソフェー
ズピッチのフローテスターによる軟化点は230℃であっ
た。該メソフェーズピッチ34gを、5cm*9cmの開口面積
を要する深さ4cmのステンレス製容器に入れて、加熱炉
に仕込み、窒素気流の非酸化雰囲気において、軟化点+1
00℃程度(本実施例では350℃)で10時間保持した。該
メソフェーズピッチは、加熱により溶融し、ステンレス
容器でほぼ気泡を含まない均一な固まりとなっていた。
【0024】次に、ピッチが34g入った該ステンレス製
容器を、外径110mm、内径70mm、長さ500mmのSUS製密閉
容器の中に仕込んだ。真空置換によってSUS製密閉容器
内部を窒素雰囲気に変更した上で、大気圧のまま3℃/分
の速度で350℃まで昇温して3時間保持した後に3MPaに加
圧した。3Mpaを維持したまま2℃/分の速度で550℃まで
昇温して1時間保持した後、ヒーターを切り、SUS製密閉
容器を炉内で自然放冷した後、サンプルを取り出したと
ころ、ステンレス容器中でピッチが発泡、炭化して炭素
フォームが生成していた。ステンレス容器中の1次炭素
フォームの嵩密度は0.20g/cm3であった。
【0025】次に、該1次フォームの20gが残る程度ま
で上部を削り落とし、平坦な表面を作り出した。このフ
ォーム100重量部に対し100重量部の1次炭素フォームに
用いたのと同じメソフェーズピッチを添加し、SUS密閉
容器に仕込んだ。このSUS製密閉容器を、真空置換によ
って内部を窒素雰囲気に変更した上で、大気圧のまま3
℃/分の速度で350℃まで昇温して3時間保持した。この
後、SUS製密閉容器を100torrの減圧度で30分保持した後
に、3MPaに加圧した。3MPaを維持したまま2℃/分の速度
で550℃まで昇温して1時間保持した後、ヒーターを切
り、SUS製密閉容器を炉内で自然放冷した。取り出した
フォームの嵩密度は0.48g/cm3であった。結果を表1に示
す。
【0026】(実施例2)実施例1と同じ条件で製造した1
次炭素フォームに実施例1と同じメソフェーズピッチを
フォーム100重量部に対して200重量部添加し、SUS密閉
容器に仕込んだ。これを、実施例1と同じ工程を経てカ
ーボンフォームを製造したところ、生成したフォームの
嵩密度は0.53g/cm3であった。結果を表1に示す。
【0027】(実施例3)実施例1と同じメソフェーズピッ
チ25gを、実施例1と同じ条件でステンレス容器に仕込
み、これをSUS製密閉容器に仕込んだ後に、真空置換に
よって窒素雰囲気に変更した。大気圧のまま3℃/分の速
度で350℃まで昇温して3時間保持した。この後、SUS製
密閉容器を真空減圧し30分保持した後に、1.5MPaに加圧
した。1.5MPaを維持したまま2℃/分の速度で550℃まで
昇温して1時間保持した後、ヒーターを切り、SUS製密閉
容器を炉内で自然放冷した。取り出したフォームの嵩密
度は0.16g/cm3であった。
【0028】次に、このフォームの15gが残る程度まで
上部を削り落とし、平坦な表面を作り出した。このフォ
ーム100重量部に対し100重量部のメソフェーズピッチを
添加し、SUS密閉容器に仕込んだ。このSUS製密閉容器
を、真空置換によって内部を窒素雰囲気に変更した上
で、大気圧のまま3℃/分の速度で350℃まで昇温して3時
間保持した。この後、SUS製密閉容器を100torrの減圧度
で30分保持した後に、1.5MPaに加圧した。1.5MPaを維持
したまま2℃/分の速度で550℃まで昇温して1時間保持し
た後、ヒーターを切り、SUS製密閉容器を炉内で自然放
冷した。取り出したフォームの嵩密度は0.34g/cm3であ
った。結果を表1に示す。
【0029】(実施例4)超強酸HF-BF3(触媒モル比:ナ
フタレン/HF/BF3=1/0.32/0.074)を用いてナフタレン
を反応温度245℃で自生圧下に重合させた後、落圧して
触媒を回収し。さらに350℃で窒素を20時間吹き込み軽
質分を除去してメソフェーズピッチを得た。該メソフェ
ーズピッチのフローテスターによる軟化点は220℃であ
った。次に、ピッチが34g入ったステンレス製容器を、
外径110mm、内径70mm、長さ500mmのSUS製密閉容器の中
に仕込んだ。このSUS製密閉容器を、真空置換によって
内部を窒素雰囲気に変更した上で、大気圧のまま3℃/分
の速度で350℃まで昇温して3時間保持した後に3MPaに加
圧した。3MPaを維持したまま2℃/分の速度で550℃まで
昇温して1時間保持した後、ヒーターを切り、SUS製密閉
容器を炉内で自然放冷した後、サンプルを取り出したと
ころ、ステンレス容器中でピッチが発泡、炭化して炭素
フォームが生成していた。ステンレス容器中の炭素フォ
ームの嵩密度は0.25g/cm3であった。
【0030】次に、このフォームの20gが残る程度まで
上部を削り落とし、平坦な表面を作り出した。このフォ
ーム100重量部に対し50重量部の該メソフェーズピッチ
を添加し、SUS密閉容器に仕込んだ。このSUS製密閉容器
を、真空置換によって内部を窒素雰囲気に変更した上
で、大気圧のまま3℃/分の速度で350℃まで昇温して3時
間保持した。この後、SUS製密閉容器を1Torrに真空減
圧し30分保持した後に、3MPaに加圧した。3MPaを維持し
たまま2℃/分の速度で550℃まで昇温して1時間保持した
後、ヒーターを切り、SUS製密閉容器を炉内で自然放冷
した。取り出したフォームの嵩密度は0.43g/cm3であっ
た。結果を表2に示す。
【0031】(実施例5)実施例1と同じ条件で製造した
1次炭素フォーム(0.19g/cm3)を水100重量部、実施例
1と同じメソフェーズピッチ粒子(平均粒径5μm)10重
量部、アニオン系界面活性剤1重量部のピッチ分散液に
浸漬させ15分間超音波処理を行った。炭素フォームを取
り出し減圧乾燥により水分を除去した。該ピッチ粒子担
持フォームを、常圧下600℃で熱処理を行ったところ、
取り出したフォームの嵩密度は0.25g/cm3であった。得
られた炭素フォームは開気孔を維持していた。結果を表
2に示す。
【0032】(実施例6)実施例1と同じ製法で製造した
一次フォーム(0.21g/cm3)を水100重量部、該メソフェ
ーズピッチ粒子(平均粒径5μm)20重量部、アニオン系
界面活性剤1重量部のピッチ分散液に浸漬させ15分間超
音波処理を行った。取り出した一次フォームを減圧乾燥
し水分を除去した。該ピッチ粒子担持フォームを、3MPa
の加圧下、600℃で熱処理を行ったところ、取り出した
フォームの嵩密度は0.30g/cm3であった。結果を表2に示
す。
【0033】(実施例7)実施例1と同じ製法で製造した
一次フォーム8.58g(0.24g/cm3)を水100重量部、該メ
ソフェーズピッチ粒子(粒径90μm以下)40重量部、ア
ニオン系界面活性剤2重量部のピッチ分散液に浸漬させ1
5分間超音波処理を行った。取り出した一次フォームを
減圧乾燥し水分を除去した。該ピッチ粒子担持フォーム
を、3MPaの加圧下、600℃で熱処理を行ったところ、取
り出したフォームの嵩密度は0.41g/cm3であった。結果
を表3に示す。
【0034】(比較例1)実施例1で使用したものと同じメ
ソフェーズピッチを用い、ピッチの添加を行わず実施例
1と同様の条件で炭素フォームを製造したところ、得ら
れた炭素フォームの嵩密度は0.20g/cm3であった。結果
を表3に示す。
【0035】(比較例2)実施例1と同じ条件で製造した1
次炭素フォームに光学的等方性のコールタールピッチを
フォーム100重量部に対して100重量部添加し、SUS密閉
容器に仕込んだ。これを、実施例1と同じ工程を経てカ
ーボンフォームを製造したところその嵩密度は0.41g/cm
3であったものの、一次炭素フォームで形成されていた
開気孔の多くは閉気孔化していた。結果を表3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】メソフェーズピッチを、不活性ガスの加
圧下に400℃以上800℃以下の温度で熱処理して得られた
1次炭素フォームに対して、さらに該メソフェーズピッ
チを添加し、再度不活性ガスの加圧下に400℃以上800℃
以下の温度で熱処理することで、均一なセル構造を有
し、耐熱性、熱伝導性、化学安定性、電気伝導性、強
度、ガス拡散性などの特性を有する高密度な炭素フォー
ムが製造可能となり、この特徴を生かした多くの用途に
この炭素フォームが使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤浦 隆次 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G132 AA07 BA02 BA04 BA08 BA14 BA17 BA22 CA12 GA25 GA31 GA32 GA44 GA49 GA59 4G146 AA01 AA02 AB01 AC22B BA23 BC23 BC27 BC32A BC33A BC33B BC34A BC34B BC35A BC36A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縮合多環式炭化水素またはこれを含有する
    物質を弗化水素・三弗化硼素の存在下で重合させて得ら
    れたメソフェーズピッチを0.1MPa以上3MPa以下の不活性
    ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温度で熱処理して
    得られる1次炭素フォーム100重量部に対して、該メソ
    フェーズピッチを5〜500重量部添加し、0.1MPa以上3MPa
    以下の不活性ガスの加圧下に400℃以上800℃以下の温度
    で熱処理して得られる炭素フォームおよびその製造法。
  2. 【請求項2】1次炭素フォームに対してメソフェーズピ
    ッチを添加し、200℃以上400℃以下で700Torr以下の減
    圧にすることによって、添加したメソフェーズピッチを
    一次炭素フォームに含浸させた後に、不活性ガスの加圧
    下に熱処理して得られる請求項1に記載の炭素フォー
    ム。
  3. 【請求項3】添加に使用されるメソフェーズピッチのフ
    ローテスターで測定した軟化点が250℃以下である請
    求項1に記載の炭素フォーム。
  4. 【請求項4】請求項1〜4のいずれかに記載の炭素フォ
    ームを更に600℃以上2000℃未満の温度で熱処理して得
    られる炭素フォーム。
  5. 【請求項5】請求項1〜5のいずれかに記載の炭素フォ
    ームを2000℃以上の温度で熱処理して得られる黒鉛フォ
    ーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100374367C (zh) * 2003-11-07 2008-03-12 大连理工大学 以沥青为原料制备泡沫炭材料的方法

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