JP2003285544A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2003285544A
JP2003285544A JP2002093339A JP2002093339A JP2003285544A JP 2003285544 A JP2003285544 A JP 2003285544A JP 2002093339 A JP2002093339 A JP 2002093339A JP 2002093339 A JP2002093339 A JP 2002093339A JP 2003285544 A JP2003285544 A JP 2003285544A
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thermoplastic resin
recording
ink jet
resin layer
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Application number
JP2002093339A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kobayashi
剛 小林
Tsuyoshi Yasuda
強 安田
Yuji Kohama
裕司 小濱
Jiro Yoshimura
次郎 吉村
Daisuke Imai
大介 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀塩写真の風合い(光沢感、ハンドリング)
をもち、かつ画像保存性、特に耐ガス保存性が良好なイ
ンクジェット記録シートを提供する。 【解決手段】 基紙上に、アルミナとポリビニルアルコ
ールを含有する記録層をキャストコート法にて設けた
後、基紙の記録層を有する面と反対側の面に、シングル
サイト系触媒にて合成された直鎖状低密度ポリエチレン
からなる熱可塑性樹脂層とポリプロピレン樹脂からなる
熱可塑性樹脂層をこの順に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シートに関し、より具体的には、銀塩写真と同等の
光沢感、ハンドリングを有するインクジェット記録用シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット印刷における画像形成に
用いる記録シートとしては、これまで種々の構成のもの
が知られている。加えて、インクジェット法による記録
装置(プリンタ)自体も、コンピューターやネットワー
クにおける電子的な画像情報のアウトプットや、デジタ
ルカメラ、デジタルビデオ、スキャナ等で取り込んだ画
像情報のアウトプットなどへの適用範囲の拡大が進み、
また、それに伴う高機能化も進められている。従って、
前記の高機能化に対応して、用いるインクジェット用記
録媒体の性能に対する要求も更に多様化し、あるいは高
度なものとなってきている。
【0003】インクジェット記録方式に用いられるイン
クジェット記録用紙に対して要求される特性としては、
インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、イン
クの溢れや滲みがないこと、更に、インクを吸収するこ
とにより用紙が波打ちしないこと等があげられる。近年
においては、特に、銀塩写真に似た風合い(光沢感、ハ
ンドリング)を有することや画像の保存性(高い画像品
位を長期間維持)が求められるようになった。
【0004】これらの特性を満たした高画質のインクジ
ェット記録用紙を、白色顔料等を添加したポリオレフィ
ン被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるレジンコートペ
ーパー)上に、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の親
水性バインダーと無機微粒子を含有する記録層を設けた
銀塩写真調のインクジェット記録用紙が提案されている
(特開平10−119423号公報、特開平11−20
306号公報等)。しかしながら、これらのインクジェ
ット記録用紙の場合には、透気性のない樹脂被覆紙を支
持体として用いるために記録層を塗布した後の乾燥に時
間がかかり、生産性が極めて低いという欠点があった。
【0005】また、キャストコート法により製造する方
法も提案されている(特開昭62−95285号、同6
3−264391号、特開平2−274587号、同5
−59694号各公報等)。これらの製造方法は、合成
シリカ等の多孔質顔料と結着剤とからなる記録層を未乾
燥の湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面仕上げ面に圧
着して鏡面を写し取ると同時に乾燥させ、記録層表面に
高光沢を付与するものである。キャストコート法では、
比較的安価に記録紙を製造することができるが、製造工
程上、基材には通気性のある紙を用いる必要があり、銀
塩写真と風合いが異なる。
【0006】さらに、銀塩写真や多色印刷に匹敵する画
質を達成する目的で、記録層表面に透明フイルム層から
なるラミネートを形成して、画像表面の光沢度や平滑
度、画像の最大濃度を上げることにより、画像品位を向
上させる方法が提供されている(特開2001−315
427号公報、特開2002−52806号公報等)。
このラミネート加工は、前記の画像品位向上に加えて、
その高い画像品位を長期間維持させるため、耐光性・耐
水性・耐オゾン性を改善する方法としても利用されてい
る。しかし、記録層の反対側の面に樹脂層を設けた記録
シートにラミネート加工をする場合、記録用シートを一
対の熱圧ロールに通すため、上記の樹脂層が熱で溶融し
て記録シートがロールに巻き付き、搬送性が悪くなると
いう問題が生じる場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は従来
の技術ではなし得なかった、銀塩写真の風合い(光沢
感、ハンドリング)をもち、かつ画像保存性、特に耐ガ
ス保存性が良好なインクジェット記録シートを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、鋭意研究を進めた結果、キャストコー
ト法で製造されたインクジェット用記録シートの裏面に
熱可塑性樹脂である、低密度ポリエチレン(LDP
E)とポリプロピレン(PP)とを積層することにより
上記課題が解決されることを見いだし、本願発明を解決
した。
【0009】従って、本願発明は(1)基紙上に、アル
ミナとポリビニルアルコールを含有する記録層をキャス
トコート法にて設けた後、基紙の記録層を有する面と反
対側の面に、低密度ポリエチレンからなる熱可塑性樹脂
層とポリプロピレンからなる熱可塑性樹脂層をこの順に
設けてなるインクジェット記録用シートである。また、
本願発明は(2)低密度ポリエチレンからなる熱可塑性
樹脂層が、シングルサイト系触媒にて合成された直鎖状
低密度ポリエチレン(SS−LLDPE)からなる熱可
塑性樹脂層である上記(1)のインクジェット記録用シ
ートである。さらに本発明は(3)上記(1)、又は
(2)のインクジェット記録用紙の記録層に所望のイン
クジェット記録を形成し、加熱圧着により透明フィルム
層が前記記録層上に被覆されていることを特徴とするイ
ンクジェット印画物である。
【0010】
【発明の実施の形態】(基紙)本発明で使用される基紙
は木材パルプ及び填料、助剤等から構成されるが、塗工
紙、未塗工紙いずれを用いてもよい。前記基紙の原料パ
ルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラ
フトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ
等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカル
パルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ
等を単独または任意の割合で混合して使用することが可
能である。尚、前記基紙のpHは、酸性、中性、アルカ
リ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させる
ことによって紙の不透明度を向上させることができるた
め、填料を含有させることが好ましく、具体的には、水
和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等、公
知の填料の中から適宜選択して使用することができる。
【0011】(記録層)本発明における記録層は、アル
ミナとポリビニルアルコールとを含有する。前記のアル
ミナは、水酸化アルミニウムを焼成する等によって得ら
れるアルミニウムの酸化物である。アルミナの結晶変態
は数多く知られており、例えばαアルミナ、βアルミ
ナ、γアルミナ等をあげることができる。本発明におい
ては画像部の擦過性を向上させるという点で特にγアル
ミナが好ましく用いられる。アルミナの粒子径やBET
比表面積は必要に応じて適宜選択することが出来るが、
平均粒子径1.0〜4.0μmのアルミナを用いること
が好ましい。より好ましいアルミナの平均粒子径は1.
5〜3.3μmである。なお、アルミナの平均粒子径
は、レーザー回折・散乱法により測定できる。
【0012】本発明の記録層には、バインダーとしてポ
リビニルアルコールを含有する。ポリビニルアルコール
を用いることにより、記録層の透明度が向上すると共に
銀塩写真に近い光沢感が得られるだけでなく、印字濃度
が向上し、鮮やかな記録画像を得ることができる。本発
明においては、ポリビニルアルコールと共に、本発明の
効果を損なわない範囲で、酸化澱粉、エステル化澱粉等
の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロ
リドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン
−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエン
ラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマル
ジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョ
ン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこ
れらの誘導体等を併用しても良い。
【0013】バインダーの配合量は、顔料100重量部
に対して、5重量部〜30重量部であることが好まし
く、より好ましくは20重量部以下であるが、必要な塗
工層強度が得られる限り、特に限定されるものではな
い。結着剤の配合量が少ないと記録層の強度が低下しや
すく、多いとインク吸収性が低下しやすい。また、ポリ
ビニルアルコールの配合量が少ないと白紙光沢がでにく
い傾向にあるため、記録層の樹脂成分中、ポリビニルア
ルコールは30重量%以上、好ましくは50重量%以上
配合することが望ましい。
【0014】(キャストコート法)本発明において、基
紙に設けた塗工層はキャストコート法により高光沢を付
与する。キャストコート法は基紙の少なくとも一方の面
に、顔料及び水性結着剤を含有する塗工液を塗布し、塗
工層が湿潤状態にあるうちに該塗工層を加熱された鏡面
仕上げの金属面に圧着し、鏡面仕上げの金属面を写し取
ると同時に乾燥するものである。
【0015】本発明のキャストコート紙においては直接
法、凝固法、リウェット法等、通常公知のキャストコー
ト法で記録層を設けることができるが、特に凝固法で設
けることが好ましい。凝固法は塗工層がゲル化し、可塑
化の度合いが高いため、リウエット法に比較し、光沢ム
ラやドラムへの密着ムラが少なく優れた面感の記録層を
得ることが出来る。
【0016】凝固法における凝固液に用いる凝固剤とし
て、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩
酸、硫酸、炭酸、等のカルシウム、亜鉛、マグネシウ
ム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウ
ム、アンモニウム等との塩、及びホウ砂、各種ホウ酸塩
等が挙げられ、1種、又は複数種選択して用いることが
できる。特にポリビニルアルコールを凝固する作用が大
きいホウ酸、ホウ酸塩を用いることが好ましい。
【0017】本発明においては、キャストコート法で設
けた記録層の反対側の基紙表面に低密度ポリエチレンか
らなる 熱可塑性樹脂層(以下、単にLDPE層とい
う。)、ポリプロピレンからなる 熱可塑性樹脂層(以
下、単にPP層という。)を順に設ける。本発明におい
ては低密度ポリエチレンからなる 熱可塑性樹脂層とし
て、特にシングルサイト系触媒にて合成された直鎖状低
密度ポリエチレンからなる 熱可塑性樹脂層(以下、単
にSS−LLDP層という。)を用いることが、基紙及
びPP層との密着性の点から好ましい。
【0018】本発明において、LDPE層上にPP層を
設ける。ポリプロピレンはランダムであるとホモである
とにかかわらず光沢が高く、しかも硬くて傷つき難いこ
とから、本発明のインクジェット記録用シートの最表層
を形成する樹脂として好ましい。加えて、このポリプロ
ピレンはSS−LLDPEとの接着性も良いので、SS
−LLDPE層の上にこのポリプロピレンを積層して最
表層とすることができる。
【0019】本発明においては、LDPE層が基紙と接
するようにして設けられ、PP層が最表となるように設
けられれば、LDPE層とPP層の間に他の 熱可塑性
樹脂層が設けられていても構わない。この、他の 熱可
塑性樹脂層は2層以上であってもよい。他の 熱可塑性
樹脂層を形成する樹脂としては、高密度ポリエチレン
(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、SS−LLDP
E、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンとい
ったポリオレフィン系樹脂を始め、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂等を使用することができる。
【0020】本発明のPP層には不透明性、筆記性等を
持たせる目的で酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填
料を配合することもできる。特に筆記性を持たせるため
には炭酸カルシウムを用いることが好ましい。無機填量
の配合は、これが配合されるPP層に対して10〜40
重量%とすることが好ましい。なお、本発明において
は、上記の 熱可塑性樹脂層に、本願発明の目的を害さ
ない限り、上記した以外にも帯電防止剤、耐ブロッキン
グ剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)な
ど、一般的に使用される添加剤を使用することができ
る。
【0021】本発明においては基紙側にLDPE層を、
最表にPP層を設けることで、インクジェット記録用シ
ートのラミネート適性が向上する。すなわち、PP層は
耐熱性が高いため、ラミネート加工時においても溶融せ
ず、ラミネートロールに付着することがない。また、ラ
ミネート加工時には基紙の空隙に含まれる空気が膨張す
るため、基紙上に設けた熱可塑性樹脂層の接着性が悪い
と基紙と熱可塑性樹脂層が分離する問題が発生する。P
P層は基紙と接着性が悪く、PP層単独で基紙上に設け
た場合はラミネート加工時に分離する。本発明において
は、PP層と基紙層の間に基紙と接着性の良いLDPE
層が存在するため、ラミネート作業時においてPP層が
剥がれることはない。特にSS−LLDPE層が存在す
る場合は、PP層に対する接着性も優れるので好まし
い。
【0022】本発明において、熱可塑性樹脂層は、押出
しラミネーション法や共押出しラミネーション法等、公
知の方法を単独で、又はこれらを適宜組合せて用いて、
紙基材状に設けられる。不透明性や筆記性付与等を目的
として無機填料をPP層に配合すると、ラミネーション
加工性は悪化するが、かかる場合には、このPPを、無
機填料を含まない樹脂と共に共押出しラミネートすれ
ば、樹脂層の厚さを薄くしても、いわゆる膜切れ等のト
ラブルの発生を押さえて、安定的な製造を行うことがで
きる。
【0023】本発明において、基紙に設ける熱可塑性樹
脂層全体の厚さは15μm以上、殊に20〜50μmの
範囲内であることが好ましい。この樹脂層全体の厚さが
15μm未満では、ガスバリア性が劣り、一方、この樹
脂層全体の厚さが50μmを超えると、コストが上昇す
るのみならず、紙基材の厚さに対して樹脂層の厚さが厚
くなりすぎ、インクジェットプリンターでの搬送性が悪
化する傾向を示す。
【0024】また、紙基材に接して積層されたPP層自
体の厚さは5μm以上であることが好ましい。このSS
−LLDPE層の厚さが5μm未満であると、ガスバリ
ア性が劣り、画像の品質が劣化しやすい。 (ラミネート)本発明のインクジェット記録用シート
は、記録層にインクジェット記録を行った後、記録層表
面にラミネート加工を施すことが可能である。すなわ
ち、記録層表面に所望のインクジェット記録を行った
後、その印字表面を被覆する透明フイルム層を積層し
て、最終的な印画物とすることができる。記録層表面に
ラミネート加工を行うことで、より高い光沢を印字後の
記録層表面に付与することができる。
【0025】以下に、ラミネート加工の一例を示す。イ
ンクジェット記録用シートの記録層面と透明フイルム層
が向き合う状態で、一対のローラー間を通す。このロー
ラーを通過する間に、透明フイルム層の転写に必要な加
熱及び加圧がなされる。この加熱・圧着処理によって、
透明フイルム層は、記録層上に圧着される。
【0026】上記透明フィルム層は、例えば、アクリ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン等の透過性材料
のフィルムを挙げることがでる。この透明フィルム層
は、耐熱性基材上に塗工して得られた薄膜を上記記録層
上に転写して印字表面を被覆しても良いし、フィルム自
体を記録層上にラミネートして、印字表面を被覆しても
良い。
【0027】また、透明フイルム層は、2層以上の薄膜
を積層した複合フィルムの構成とすることも好適であ
る。例えば、−90℃〜50℃の低ガラス転移転移点の
樹脂層を下層とし、0℃〜120℃の高ガラス転移点の
樹脂層を上層とし、両者を積層した構造とすると、それ
ぞれを接着性に寄与する層、ノータック性に寄与する層
とその機能を分離し、全体として、より適する特性を有
するラミネート被覆となる。
【0028】更に、透明フイルム層を構成する少なくと
も1層以上において、紫外線吸収剤が熱可塑性樹脂に化
学結合されている紫外線吸収ポリマーを主成分とする膜
を用いる構造とすることにより、得られるラミネート加
工済みの印画物は、紫外線遮蔽能の経時劣化が少ない高
耐光性の印画物となる
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び
「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0030】[実施例1]叩解度285mlの広葉樹晒
クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプ
スラリ−にタルク10重量部、硫酸アルミニウム1.0
重量部、合成サイズ剤0.1重量部、歩留向上剤0.0
2重量部を添加した支持体を抄紙機で抄紙するに際し、
デンプンを両面に片面当り固形分で2.5g/m2となるよ
うに塗布して、坪量142g/m2の原紙を得た。この原紙
に塗工液Aをブレードコーターで片面に塗工量が8g/m2
となるように塗工して140℃で送風乾燥した。次いで
さらに塗工液Aを塗工した面にロールコーターで塗工液
Bを20g/m2塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、
凝固液Cを用いて、凝固させ、次いでプレスロールを介
して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取
り、170g/m2のインクジェット記録用キャストコート
紙を得た。 塗工液A:顔料として、合成シリカ(ファインシールX
−37:株式会社トクヤマ社製)100部にラテックス
(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5
部及びポリビニールアルコール(PVA117:株式会
社クラレ社製の商品名)、サイズ剤(ポリマロン36
0:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部配合して濃
度20%の水性塗工液を調製した。
【0031】塗工液B:顔料として、粒径2.4μmの
高純度アルミナ(AKP−G015:住友化学工業株式
会社製の商品名)100部、バインダーとして重合度2
400のポリビニールアルコールA(クラレ224:ク
ラレ株式会社製の商品名):重合度2600のポリビニ
ールアルコールB(MA26GP:信越化学株式会社製
の商品名)=1:1で10部、ガラス転移温度が43℃
であるカチオン性ポリウレタン(F8570 D2:第
一工業製薬株式会社製の商品名)5部、消泡剤0.2部
を配合して濃度28%の塗工液を調整した。 凝固液C: ホウ砂/ホウ酸の配合比を0.25、Na
およびHBO換算で濃度を4%とし、離
型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%を配
合して凝固液を調整した。
【0032】さらに、平均粒径2μmの重質炭酸カルシ
ウム32重量%を添加混合した溶融ホモポリプロピレン
(Y101;住友化学社製)を、溶融SS−LLDPE
(日本ポリオレフィン(株)製『ハーモレックスNH7
25N』)と共に、上記インクジェットキャストコート
紙の片面に、SS−LLDPEがインクジェットキャス
トコート紙のキャスト層の反対側に位置するようにTダ
イを用いて押出温度300℃にて共押出しし、これらの
溶融樹脂とインクジェット記録用キャストコート紙と
を、周面をマット面としたクーリングロール(表面粗さ
Rz=16μ)と硬度95度のニップロールとを用い、
線圧15kgf/cmで押圧・圧着してインクジェット
記録用シートを得た。即ち、このインクジェット記録用
シートは、記録層(キャストコート層)/アンダー層/
基紙/SS−LLDPE層/炭酸カルシウム添加ホモポ
リプロピレン層という積層構成を有する。なお、このと
き、SS−LLDPE層の厚さは9μm、炭酸カルシウ
ム配合ホモポリプロピレン層の厚さは9μmであった。
【0033】[実施例2]ホモポリプロピレン(Y10
1;住友化学社製)の代わりにホモポリプロピレン(F
769;グランドポリマー社製)を、SS−LLDPE
日本ポリオレフィン(株)製『ハーモレックスNH72
5N』)に代えて、LDPE(ミラソン11P;三井化
学社製)を、用いた他は、実施例1と同様にしてインク
ジェット記録用シートを得た。このとき、LDPE層の
厚さは9μm、炭酸カルシウム配合ホモポリプロピレン
層の厚さは9μmであった。
【0034】[実施例3]ホモポリプロピレン(Y10
1;住友化学社製)の代わりにランダムPP(PHA9
43;サンアロマー社製)を用いた他は、実施例1と同
様にしてインクジェット記録用シートを得た。このと
き、LDPE層の厚さは9μm、炭酸カルシウム配合ラ
ンダムポリプロピレン層の厚さは9μmであった。
【0035】[比較例1]熱可塑性樹脂層を設けないイ
ンクジェットキャストコート紙をインクジェット記録用
シートとした。 [比較例2]ホモポリプロピレン層を設けなかった以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シート
を得た。 [比較例3]SS−LLDPE層を設けなかった以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シート
を得た。
【0036】実施例1〜3,比較例1〜6で得られたイ
ンクジェット記録用シートについて、耐ガス性及び熱ラ
ミ特性を以下の方法で評価した。評価結果は表1に示
す。なお、表中の評価記号が○である場合は、特に問題
なく使用することが可能である。評価に使用した試験片
には、日本規格協会発行の高精細カラーディジタル標準
画像データN1(ポートレート)を、42mm×52m
mの大きさでキヤノン社製IJプリンターBJ F90
0を用いて印字した。
【0037】(1)耐ガス性:窒素酸化物(NOx)に
対する耐ガス性は、JIS L 0855に準拠した装
置及び試薬を用い試験片を24時間暴露した後、未処理
の試験片と目視比較した。未処理の試験片に対し色褪せ
の見られるものを×、色褪せの生じていないものを○と
評価した。オゾンに対する耐ガス性は、オゾン発生器と
して株式会社石森製作所製CO−002を使用し、オゾ
ン濃度10ppmの環境下で5時間暴露し、色褪せの見
られるものを×、色褪せの生じていないものを○と目視
評価した。
【0038】(2)印字面の熱ラミ特性:株式会社坂井
商会販売のラミネーターLX−468を使用し、同社販
売のA6サイズのラミネートフィルムを、サンプルと同
一の大きさにカットしてインクジェットプリンターにて
記録を行った後の印字面にラミネートした。10サンプ
ルをラミネート処理し、裏面の剥がれと、熱ロールへの
影響を目視で評価した。 ・裏面の剥がれ 全てのサンプルで全く裏剥がれの無かったものを○、全
サンプル中、一枚でも裏剥がれが生じたものを×とし
た。 ・熱ロールへの融着 全てのサンプルで処理時の搬送に異常がなかったものを
○、全サンプル中、1枚でも搬送に異常があったものを
×とした。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、実施例1〜3で
は、耐ガス性、印字面の熱ラミ特性のいずれも良好なイ
ンクジェット記録用シートを得ることができた。一方、
熱可塑性樹脂層を設けなかった比較例1は耐ガス性に劣
っていた。また、ポリプロピレン層を設けなかった比較
例2では、裏面の熱可塑性樹脂層がラミネーターの熱ロ
ールに融着し、ラミネートできないサンプルがあった。
さらに、LDPE層を設けなかった比較例3においては
ラミネート後、裏面の熱可塑性樹脂層が剥がれるサンプ
ルがあった。なお、表には記載していないが、実施例1
〜3、比較例1〜3で得られたインクジェット記録用シ
ートはいずれも銀塩写真並の高い光沢感を有したもので
あったが、裏面に熱可塑性樹脂層を設けていない比較例
1は風合いが銀塩写真とは異なるものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小濱 裕司 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 吉村 次郎 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 今井 大介 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA01 BA15 BA24 BA33 BA35 BA36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙上に、アルミナとポリビニルアルコ
    ールを含有する記録層をキャストコート法にて設けた
    後、基紙の記録層を有する面と反対側の面に、低密度ポ
    リエチレンからなる 熱可塑性樹脂層とポリプロピレン
    樹脂からなる熱可塑性樹脂層をこの順に設けてなるイン
    クジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 低密度ポリエチレンからなる 熱可塑性
    樹脂層が、シングルサイト系触媒にて合成された直鎖状
    低密度ポリエチレンからなる熱可塑性樹脂層である請求
    項1に記載されたインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されたイン
    クジェット記録用紙の記録層に所望のインクジェット記
    録を形成し、加熱圧着により透明フィルム層が前記記録
    層上に被覆されていることを特徴とするインクジェット
    印画物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009208471A (ja) * 2008-02-06 2009-09-17 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用紙
JP2012512073A (ja) * 2008-12-15 2012-05-31 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 画像形成可能な物

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