JP2003285410A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2003285410A
JP2003285410A JP2002092541A JP2002092541A JP2003285410A JP 2003285410 A JP2003285410 A JP 2003285410A JP 2002092541 A JP2002092541 A JP 2002092541A JP 2002092541 A JP2002092541 A JP 2002092541A JP 2003285410 A JP2003285410 A JP 2003285410A
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Takeshi Takizawa
剛 滝沢
Shinichi Takahashi
真一 高橋
Yukio Okuyama
幸夫 奥山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の防犯用の積層フィルムに比べ同等以上
の耐衝撃性を示すことは勿論のこと、優れた耐候性およ
び耐燃焼性を有し、歪みのない鮮明な透過像が得られる
積層フィルムを提供する。 【解決手段】 アクリル系粘着剤を介してフィルムを二
層以上貼り合わせてなり、少なくとも一層が層厚50〜
200μmのポリカーボネートフィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに係
り、特に、建築物や自動車の窓ガラスに貼り合わせるこ
とによって、ガラスの割れ難さを向上させ、外部からの
侵入を阻止することを目的とした防犯用に好適な積層フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の防犯用の積層フィルムとしては、
50μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルムを数層貼り合わせた積層体または数μmのPE
Tフィルムを数十層貼り合わせた積層体に、粘着剤層を
積層した多層構成のフィルム等が一般に上市されてい
る。このような積層フィルムを建築物や自動車の窓ガラ
スに貼り合わせることによって、ガラスの耐衝撃性を向
上させてガラスを割れ難くすることができるとともに、
例えガラスが割られたとしても割れたガラスをシート状
に保持し続けてガラスの飛散を防止することができ、窓
やドアの外部からの解錠を困難としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の防犯用の積層フィルムでは、PETからなる
フィルムが用いられているため、長時間にわたって窓ガ
ラスに貼り付けられるような環境下においては、このP
ETフィルムが太陽光の紫外線によって劣化されてガラ
スの耐衝撃性向上の効果が失われてしまい、防犯用とし
て機能しなくなってしまうという問題を有していた。ま
た、他の防犯用や飛散防止用のフィルムとしては、耐衝
撃性や耐光性に優れていることからポリカーボネート
(PC)フィルムが提案されているが、粘着剤との関係
から発泡を生ずる問題がある。さらに、このような積層
フィルムにおいては、PET、PCに限らず、フィルム
層および粘着剤(接着剤)層からなる積層構成のマッチ
ングや、各層の厚さの関係から、ユズ肌を生じ、透過像
に歪みを生じる問題がある。
【0004】したがって、本発明は、上記従来技術の問
題点に鑑みてなされたもので、従来の防犯用の積層フィ
ルムに比べ同等以上の耐衝撃性を示すことは勿論のこ
と、優れた耐候性および耐燃焼性を有し、歪みのない鮮
明な透過像が得られる積層フィルムを提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明の積層フ
ィルムは、アクリル系粘着剤を介してフィルムを二層以
上貼り合わせてなり、少なくとも一層が層厚50〜20
0μmのポリカーボネートフィルムであることを特徴と
している。
【0006】PCは以下のような特徴を有している。 透明性が高いため、光学レンズ等に幅広く使用され
ており、窓貼り用として使用しても、外観を損なうこと
がないばかりではなく、ガラスの透明性を阻害すること
もない。 分子構造上剛性および強度が高く、PET等他の樹
脂に比べて抜群の耐衝撃吸収能力を持つため、非常に割
れ難く、例えガラスが割れたとしてもPC層が容易に割
れることはない。 低温および高温での耐環境性が高いため、長期間の
曝露に耐えることができ、PET等に比べて数倍の耐候
性を有する。 自己消化性を有しており、難燃化しやすいため、例
え火を付けられてもフィルムが燃え広がることがない。
【0007】そのため、本発明によれば、フィルムを二
層以上貼り合わせてなる積層フィルムにおいて、少なく
とも一層を層厚50〜200μmのポリカーボネートフ
ィルムとすることにより、従来の防犯用の積層フィルム
に比べ、同等以上の透明性および耐衝撃性を示すことは
勿論のこと、他の層に紫外線遮蔽機能や難燃特性を付与
する材料を用いることなく、優れた耐候性および耐燃焼
性を発揮することができる。また、本積層フィルムは、
上記のような特性を有することから、窓ガラスの内側だ
けでなく、外側へ貼り付ける構成とすることも可能であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のより好適な実施の
形態について詳細に説明する。図1は、本発明の積層フ
ィルムの一実施形態の構成を示す概略断面図である。本
実施形態は、PCフィルム1とPETフィルム2とを粘
着剤層3を介して貼り合わせた多層構成の積層フィルム
であり、PCフィルム1には表面側にハードコート層4
が設けられている。この積層フィルムには、窓ガラス5
に貼り付けるための粘着剤層6がさらに設けられてい
る。本発明の積層フィルムにおいては、PCフィルムの
厚さが50〜200μmであることが必須である。この
厚さが50μm未満であると、充分な耐衝撃性が得られ
ず、一方、200μmを越えると、本発明の積層フィル
ムの総厚さを350μm未満とすることが困難となる。
この積層フィルムの総厚さが350μm以上となる場
合、積層フィルムの柔軟性が充分得られず、この積層フ
ィルムを窓ガラス等に貼り付ける際の作業性に問題を有
するものとなってしまう。さらに、このような総厚さと
なるように各層を積層した構成とすることにより、透明
性は勿論のこと、歪みのない鮮明な透過像を得ることが
できる。
【0009】また、上記の実施形態では、PCフィルム
が一層の構成であるが、本発明の積層フィルムにおいて
は、PCフィルムを二層以上設けることが好ましい形態
である。このような形態とすることにより、積層フィル
ムの耐衝撃性を向上することができる。さらに、本発明
の積層フィルムに設けられるPCフィルム以外の樹脂フ
ィルムとしては、PETフィルム、オレフィン系樹脂フ
ィルム等の各種樹脂フィルムを適宜使用することができ
るが、耐衝撃性および透明性の観点から、PETフィル
ムであることが好ましい。なお、PETフィルムとして
は、非結晶性ポリエステル樹脂からなるものが特に好ま
しく、具体例としては、三菱樹脂社製のディアフィクス
PG(商品名)が挙げられる。このPETフィルムを本
発明に用いた場合においても、一層以上のPCフィルム
が設けられているため、このPCフィルムを太陽光が照
射される側に配置することにより、耐候性が得られ、ま
た、積層フィルムの表層側に配置することにより、耐燃
焼性が得られる。
【0010】本発明のPCフィルムを含む二層以上の積
層体における各層の接着に使用される粘着剤および粘着
加工する場合の粘着剤層に用いられる粘着剤としては、
JIS Z0237に規定される粘着力(180°剥離
力)が400g/25mm以上である粘着剤を適宜選択
して使用することができる。また、粘着剤としては、高
温、高湿下での強制老化試験で剥がれや泡の発生がない
ことが望まれる。このような特性を有する粘着剤として
は、アクリル系、ゴム系、ポリビニールエーテル系、シ
リコーン系等の粘着剤から適宜選択して使用できる。こ
れらの中で、アクリル系粘着剤が最も好適である。本発
明においては、粘着剤としては、その化学組成、各層と
の相性、各層の厚さとの関係等を考慮して、粘着剤およ
びその塗布量を決定することにより、優れた接着強度、
耐光性、透明性、透過光の鮮明性を達成することができ
る。
【0011】アクリル系粘着剤は、アルキル(メタ)ア
クリル酸エステルと重合性不飽和カルボン酸または水酸
基含有エチレン性不飽和モノマーとを、あるいはアルキ
ル(メタ)アクリル酸エステルと共重合性ビニル系モノ
マーとを、有機溶剤中または水媒体中で共重合させて得
られる。重合方法としては、ラジカル重合法、溶液重合
法、けん濁重合法、乳化重合法等が用いられる。この共
重合体の分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグ
ラフィーによる数平均分子量が10000〜10000
00、好ましくは50000〜500000、さらに好
ましくは100000〜400000であることがよ
い。数平均分子量が10000未満であると樹脂組成物
層の均一形成が困難となり、また、1000000を超
えると弾性が高くなり、塗工量の調整が困難となる等の
問題を生じる。
【0012】アルキル(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸オクチル等が挙げられる。より具体的には、
メタクリレート系成分としては、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、n−へキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチル
へキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト、イソオクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレ
ート等が挙げられ、アクリレート成分としては、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、n−へキシルアクリレー
ト、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、ラウリルアクリレート等が挙げられる。こ
られは単独または2種以上混合して用いることができ
る。
【0013】さらに、官能基としてカルボキシル基およ
び/または水酸基を有する(メタ)アクリレート系モノ
マーを上記のアルキル(メタ)アクリル酸エステルに併
用することにより、カーボンの分散性が向上する。特
に、酸性カーボンを用いた場合には、分散性がさらに向
上する。このような官能基を有するモノマーとしては、
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、クロトン酸等、ヒドロキシル基を有す
るアクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、アクリ
ル酸−2−ヒドロキシプロピルエステル、2−ヒドロキ
シビニルエーテル等が挙げられる。これらは、前記した
(メタ)アクリレート系成分と単独または2種以上混合
して使用することができる。
【0014】これらの粘着剤には、架橋剤を配合するこ
ともできる。架橋剤としては、イソシアネート系化合
物、アルミキレート、アジリジニル系化合物、エポキシ
系化合物等が挙げられる。この架橋剤の配合量は、アク
リル系粘着剤100重量部に対して、通常、0.01〜
10重量部が好ましい。
【0015】本発明における粘着剤層は、上記のような
粘着剤を有機溶剤に溶解し、ロールコーター、リバース
コーター、コンマコーター、リップコーター、ダイコー
ター等の塗工機によりこの溶液を各層上に塗布して設け
られる。なお、このようにして設けられた粘着剤層が直
ちに他の層に貼り合わせない場合には、この粘着剤層表
面に、剥離処理を施したフィルムあるいは紙等を積層す
ることにより、取り扱い上の便宜を図ることができる。
【0016】また、本発明の積層フィルムにおいては、
窓ガラス等に積層されたり、粘着加工される場合に、接
着剤層または粘着剤層が積層されない側の面、つまり、
表面となるフィルム面に、ハードコート層を設けること
が好ましい。なお、表面となるフィルムは、ポリカーボ
ネートフィルムであることが好ましい。
【0017】このハードコート層を構成する樹脂として
は、各種のハードコート用樹脂が適宜使用できる。な
お、本発明でいうハードコートとは、鉛筆硬度がH以上
のものをいう。このような樹脂としては、放射線、熱の
何れかもしくは組み合わせにより硬化する樹脂を用いる
ことができる。放射線硬化型樹脂としては、アクリロイ
ル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノマ
ー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合した組成物が
用いられる。モノマーの例としては、メチルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、エトキシジエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールア
クリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシアクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンアクリ
ル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香
酸エステル等の多官能アクリレート等のアクリル酸誘導
体、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、フェノキシエチルメタクリレート、メトキシポ
リエチレンメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート等の
単官能メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、グリセリンジメタクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート等の多官能メタクリレート等のメタ
クリル酸誘導体、グリセリンジメタクリレートヘキサメ
チレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリア
クリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタ
ンアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、
プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポ
リウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリ
エーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラ
ミンアクリレート、シリコンアクリレート等のアクリレ
ート、不飽和ポリエステル、エポキシ系化合物等を挙げ
ることができる。これらは単独、もしくは複数混合して
使用してもよい。モノマーは硬化膜の可撓性が要求され
る場合は少な目にし、さらに架橋密度を低くするために
は、1官能、2官能のアクリレート系モノマーを使用す
ることが好ましく、逆に、硬化膜に耐熱性、耐摩耗性、
耐溶剤性等過酷な耐久性を要求される場合は、モノマー
の量を増やし、3官能以上のアクリレート系モノマーを
使用することが好ましい。
【0018】上記のような放射線硬化型樹脂を硬化する
には、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線を照射
すればよいが、必要に応じて適宜重合開始剤を添加する
ことができる。なお、紫外線により硬化させる場合は、
光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始剤とし
ては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フ
ェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオ
メチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニ
ルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフ
ェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチ
ル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)
エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベン
ゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等の
ベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、
1−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等のチオキサ
ントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルベンゾイルオキサイド等を挙げることができる。これ
らは単独もしくは複数、混合して使用することができ
る。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチル
パラトルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゼンフ
ェノン等アミン系化合物を混合し、使用することもでき
る。光重合開始剤の含有量としては、放射線硬化型樹脂
に対し、0.1〜10重量%の範囲がよい。この範囲よ
り多くても少なくても効果が悪くなる。
【0019】なお、本発明におけるハードコート層に
は、放射線硬化型樹脂に対し、ハイドロキノン、p−ベ
ンゾキノン、t−ブチルハイドロキノン等の安定化剤
(熱重合禁止剤)を添加してもよい。添加量は、放射線
硬化型樹脂に対し、0.1〜5.0重量%の範囲が好ま
しい。
【0020】ハードコート層に使用することのできる熱
硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キ
シレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデ
ヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、
アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
等を挙げることができるが、PCやPET等の樹脂フィ
ルムを用いるため、使用する熱硬化樹脂は、100℃以
下で硬化できることが望ましい。これらは単独もしくは
複数混合して使用してもよい。
【0021】ハードコート層に用いられる硬化型樹脂の
透明性は高いほどよく、光線透過率(JIS C−67
14)としては、80%以上、好ましくは90%以上が
好ましい。また、ハードコート層の厚さは、0.5〜1
0μmの範囲、好ましく3〜7μmの範囲がよい。ハー
ドコート層が0.5μmより薄い場合は、ハードコート
層の耐摩耗性が劣化したり、紫外線硬化型樹脂を使用し
た場合などに、酸素阻害による硬化不良を起こしたりす
る。10μmより厚い場合は、樹脂の硬化収縮によりカ
ールが発生したり、ハードコート層にマイクロクラック
が発生したり、さらに、積層された層との密着性が低下
したりする。
【0022】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
る。 <実施例1>まず、層厚さ5μmのハードコート層を表
面に有する層厚さ175μmのポリカーボネート(P
C)フィルム(商品名:LEXAN HP92W、GE
ポリマーランドジャパン社製)のハードコート層を有し
ていない面に、アクリル系粘着剤(KP−2361、日
本カーバイド工業社製)100重量部に対して架橋剤
(商品名:CK−117、日本カーバイド工業社製)を
1重量部含有させた塗料を、塗布量25g/mで乾燥
厚さが15μmになるように塗布した。塗布された粘着
剤層を110℃で1分間乾燥させた後に、層厚さ100
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(商品名:東洋紡エステル、東洋紡績社製)を積層し
た。次いで、このPET表面に、上記と同様の架橋剤含
有粘着剤塗料を、乾燥厚さが20μmとなるように塗布
し、110℃で1分間乾燥させ、本発明の実施例1の積
層フィルムを作製した。
【0023】<比較例1>厚さ3mmのガラス板を比較
例1として用いた。
【0024】<比較例2>層厚さ50μmのPETフィ
ルム(商品名:東洋紡エステル、東洋紡績社製)の片面
に、実施例1で用いた架橋剤含有粘着剤塗料を、乾燥厚
さが20μmとなるように塗布し、110℃で1分間乾
燥させ、比較例2の積層フィルムを作製した。
【0025】<比較例3>層厚さ250μmのPETフ
ィルム(商品名:東洋紡エステル、東洋紡績社製)の片
面に、実施例1で用いた架橋剤含有粘着剤塗料を、乾燥
厚さが20μmとなるように塗布し、110℃で1分間
乾燥させ、比較例3の積層フィルムを作製した。
【0026】<比較例4>層厚さ275μmのPCフィ
ルム(商品名:LEXAN HP92W、GEポリマー
ランドジャパン社製)の片面に、実施例1で用いた架橋
剤含有粘着剤塗料を、乾燥厚さが20μmとなるように
塗布し、110℃1分間乾燥させ、比較例4の積層フィ
ルムを作製した。
【0027】<比較例5>層厚さ300μmのPETフ
ィルム(商品名:東洋紡エステル、東洋紡績社製)の片
面に、アクリル系粘着剤(商品名:PE−123、日本
カーバイド工業社製)を用いて、乾燥厚さが20μmと
なるように塗布し、110℃1分間乾燥させ、比較例5
の積層フィルムを作製した。
【0028】次に、上記のようにして得られた実施例1
および比較例2〜5の積層フィルムの粘着剤層面を、3
mmのガラス板に貼り付け、下記の方法により耐衝撃
性、耐衝撃燃焼性および鮮明性の評価を行った。なお、
比較例1については、そのまま下記の評価を行った。
【0029】耐衝撃性 各実施例および比較例の積層フィルムを貼り付けたガラ
ス板について、ガラス側から市販の日曜大工用ハンマー
を叩きつけ、積層ガラスが貫通するまでの時間を測定し
た。
【0030】耐衝撃燃焼性1 各実施例および比較例の積層フィルムを貼り付けたガラ
ス板について、ガラス側から市販の日曜大工用ハンマー
を叩きつけ、ライターによりフィルムに火を付けた後、
積層ガラスが貫通するまでの時間を測定した。
【0031】耐衝撃燃焼性2 各実施例および比較例の積層フィルムを貼り付けたガラ
ス板について、ライターによりフィルムに火を付けた
後、ガラス側から市販の日曜大工用ハンマーを叩きつ
け、積層ガラスが貫通するまでの時間を測定した。
【0032】鮮明性 各実施例および比較例の積層フィルムを貼り付けたガラ
ス板について、透過光の鮮明性を目視により評価した。
評価基準としては、ユズ肌が認められないものを○、認
められるものを×とした。以上の評価結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から明らかなように、ガラス板
のままの比較例1や薄いPETフィルムを貼り合わせた
だけの比較例2では、ほんの10秒以内に積層ガラスが
貫通されてしまった。また、層厚250μm以上のPE
TフィルムやPCフィルムを貼り合わせた比較例3、4
および5では、耐衝撃燃焼性において5分以内に積層ガ
ラスが貫通されてしまった。また、比較例5は、粘着剤
とのマッチングが悪く、ユズ肌を生じて鮮明性に問題を
有するものであった。これに対し、本発明の実施例1の
積層フィルムでは、耐衝撃性および耐衝撃燃焼性の全て
の評価において、積層ガラスの貫通を防止することがで
き、また、透過像の鮮明性についても優れた評価が得ら
れた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、アクリ
ル系粘着剤を介してフィルムを二層以上貼り合わせてな
る積層フィルムにおいて、少なくとも一層を層厚50〜
200μmのポリカーボネートフィルムとすることによ
り、従来の防犯用の積層フィルムに比べ同等以上の耐衝
撃性を示すことは勿論のこと、優れた耐候性および耐燃
焼性を発揮することができる。したがって、本発明の積
層フィルムを建築物や自動車等の窓ガラスに貼ることに
より、長期にわたって優れたガラス飛散防止効果を維持
し続けられるため、地震や事故時のケガを防止すること
ができ、さらに、防犯用の積層フィルムとしても好適に
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層フィルムの一実施形態の構成を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…ポリカーボネートフィルム、2…ポリエチレンテレ
フタレートフィルム、3,6…粘着剤層、4…ハードコ
ート層、5…窓ガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 幸夫 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所情報メディア事業部内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01B AK25C AK42B AK45A AR00C AR00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10D CB00C EC18 EH462 EJ862 GB07 GB32 JJ07 JK10 JL09 JN01 YY00A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系粘着剤を介してフィルムを二
    層以上貼り合わせてなり、少なくとも一層が層厚50〜
    200μmのポリカーボネートフィルムであることを特
    徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記積層フィルムにおいて、前記ポリカ
    ーボネートフィルムを二層以上設けることを特徴とする
    請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 前記積層フィルムにおいて、ポリエチレ
    ンテレフタレートフィルムを有することを特徴とする請
    求項1に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 前記積層フィルムは、総厚さが350μ
    m未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 前記ポリカーボネートフィルムの表面
    に、ハードコート層を設けることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
JP2002092541A 2002-03-28 2002-03-28 積層フィルム Pending JP2003285410A (ja)

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JP2020105068A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 リケンテクノス株式会社 防災用窓および防災用フィルム

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