JP2003285095A - オキシデーションディッチ方法および装置 - Google Patents

オキシデーションディッチ方法および装置

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JP2003285095A
JP2003285095A JP2002093426A JP2002093426A JP2003285095A JP 2003285095 A JP2003285095 A JP 2003285095A JP 2002093426 A JP2002093426 A JP 2002093426A JP 2002093426 A JP2002093426 A JP 2002093426A JP 2003285095 A JP2003285095 A JP 2003285095A
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anaerobic zone
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zone
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Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Toshiyuki Shibata
敏行 柴田
Yoshiharu Fujii
芳晴 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱窒素処理を確実に行え、オキシデーション
ディッチにおける窒素除去率を向上できるオキシデーシ
ョンディッチ方法および装置を提供する。 【解決手段】 環状の水路2を槽内混合液が好気ゾーン
Aと嫌気ゾーンBにわたって循環し、好気ゾーンAで槽
内混合液を好気性処理し、嫌気ゾーンBで槽内混合液を
脱窒素処理する。嫌気ゾーンBの流入部5から嫌気ゾー
ンBへ槽内混合液を導入するとともに、原水供給系8か
ら新たな原水を嫌気ゾーンBへ導入する。流入部5から
の槽内混合液の導入量を、嫌気ゾーンB内の槽内混合液
の酸化還元電位値に基づいて、酸化還元電位値が無酸素
状態を示す設定値よりも低下するのに追従して槽内混合
液の導入量を増加させ、酸化還元電位値が前記設定値よ
りも上昇するのに追従して槽内混合液の導入量を減少さ
せるよう流入部5に設けた流量制御手段を調整すること
で制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシデーション
ディッチに関し、畜産排水処理、生ゴミのリサイクルな
どにおける排水処理技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の硝化脱窒処理によるオキ
シデーションディッチ装置を示す。この図において、処
理水槽1cの環状の水路2(水深1〜2m)には好気ゾ
ーンAと嫌気ゾーンBとが形成されており、水路2を流
れる槽内混合液を好気ゾーンAと嫌気ゾーンBにわたっ
て循環させることにより排水処理を行っている。
【0003】好気ゾーンAの水路2には攪拌曝気装置3
があり、この攪拌曝気装置の攪拌によって槽内混合液の
水路2の循環に要する推力が発生する。循環する槽内混
合液は、好気ゾーンAで好気性処理を行い、嫌気ゾーン
Bで脱窒素処理を行うことで槽内混合液の活性汚泥処理
を行っている。具体的には、好気ゾーンAで槽内混合液
中のNH3−Nを硝化菌によりNO2−NもしくはNO3
−Nに酸化し、NO2−NもしくはNO3−Nを含む槽内
混合液を硝化液として好気ゾーンAから嫌気ゾーンBへ
循環し、嫌気ゾーンBに原水を供給してBOD源補給を
行いながら溶存酸素のない嫌気的な条件下で脱窒素菌に
より槽内混合液中のNO2−N、NO3−NをN2ガスへ
還元している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のオキシデーションディッチ装置では、好気ゾーンA
の微生物濃度が一定でなく変動していることから、好気
ゾーンAの微生物濃度が低いとき、BOD負荷量が低す
ぎるときには酸素を消費しきれず、溶存酸素濃度が高い
状態で槽内混合液が嫌気ゾーンに送られることがある。
そのため、嫌気ゾーンBを無酸素状態に維持できず、嫌
気ゾーンBを必ずしも十分に形成することができないと
いう問題がある。また、嫌気ゾーンBに供給する原水の
BODが一定でないため、十分な脱窒素処理が行えない
という問題がある。
【0005】本発明は前記問題点を解決するものであ
り、脱窒素処理を確実に行え、オキシデーションディッ
チにおける窒素除去率を向上できるオキシデーションデ
ィッチ方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に係る本発明のオキシデーションディッチ
は、処理水槽の環状の水路を槽内混合液が好気ゾーンと
嫌気ゾーンにわたって循環し、好気ゾーンで槽内混合液
を好気性処理し、嫌気ゾーンで槽内混合液を脱窒素処理
するに際し、嫌気ゾーンの槽内混合液の流れ方向の上流
側に設けた流入部から前記嫌気ゾーンへ槽内混合液を導
入するとともに、原水供給系から新たな原水を前記嫌気
ゾーンへ導入し、前記流入部からの槽内混合液の導入量
を嫌気ゾーン内の槽内混合液の酸化還元電位値に基づい
て前記流入部に設けた流量制御手段を調整することで制
御し、酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値よりも
低下するのに追従して槽内混合液の導入量を増加させ、
酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値よりも上昇す
るのに追従して槽内混合液の導入量を減少させて、嫌気
ゾーンにおける無酸素状態を維持するものである。
【0007】この構成によると、酸化還元電位値に基づ
いて嫌気ゾーンへの処理液導入量を調整することで嫌気
ゾーンにおける槽内混合液の無酸素状態の形成を促進し
て脱窒素処理を安定して行えるため、窒素除去率を向上
できる。
【0008】請求項2に係る本発明のオキシデーション
ディッチ装置は、処理水槽の槽内混合液が好気ゾーンと
嫌気ゾーンとにわたって循環する環状の水路と、前記水
路の好気ゾーン内に配置して槽内混合液を攪拌曝気する
とともに槽内混合液に循環に要する推力を与える攪拌曝
気装置とを有し、前記好気ゾーンで槽内混合液を好気性
処理し、前記嫌気ゾーンで槽内混合液を脱窒素処理する
オキシデーションディッチ装置であって、嫌気ゾーンの
形成位置における水路は、嫌気ゾーンの底板によって嫌
気ゾーンと槽内混合液が流れる流路とに仕切られ、嫌気
ゾーンは、槽内混合液の流れ方向の上流側に設けられた
流入部と下流側に設けられた流出部と新たな原水を導入
する原水供給系とを有し、前記流入部は、嫌気ゾーンが
無酸素状態となる槽内滞留時間を維持するために必要な
流入量となる開口面積を有するものである。
【0009】この構成によると、本発明のオキシデーシ
ョンディッチ方法を容易に実現できる。本発明の請求項
3に係るオキシデーションディッチ装置は、流路は、槽
内混合液の流れ方向の上流側から下流側に向かって流路
が狭くなるように形成されているものである。
【0010】この構成によると、流路を流れる槽内混合
液の流速が高まり、流路における汚泥沈降を低減でき
る。本発明の請求項4に係るオキシデーションディッチ
装置は、嫌気ゾーンは、槽内混合液の酸化還元電位値を
測定する酸化還元電位計と、流入部に設けられた流量制
御手段と、前記酸化還元電位計で測定した酸化還元電位
値に基づいて前記流量制御手段を調整して導入する槽内
混合液の流量を制御する制御手段とを有し、前記制御手
段は、酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値よりも
低下するのに追従して槽内混合液の導入量を増加させ、
酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値よりも上昇す
るのに追従して槽内混合液の導入量を減少させて嫌気ゾ
ーンにおける無酸素状態を維持するものである。
【0011】この構成によると、嫌気ゾーンを確実に無
酸素状態とすることができ、脱窒素効率を高めることが
できる。本発明の請求項5記載のオキシデーションディ
ッチ装置は、水路に連通して膜分離装置を設け、前記膜
分離装置は水路の好気ゾーン内の槽内混合液を膜分離
し、濃縮した槽内混合液を水路の嫌気ゾーンに返送し、
膜透過水を槽外へ取り出すものである。
【0012】この構成によると、槽内槽内混合液中の汚
泥濃度が高まって好気ゾーンにおける生物学的処理によ
る槽内混合液中の溶存酸素の消費量が多くなるため、よ
り一層効果的に排水処理を行える。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、上記従来例と同様の作用を
なすものには同一の符号を付けて説明する。
【0014】図1において、処理水槽1aの楕円形の環
状の水路2には好気ゾーンAと嫌気ゾーンBとが形成さ
れており、槽内混合液が好気ゾーンAと嫌気ゾーンBと
にわたって矢印方向に循環している。
【0015】好気ゾーンAの水路2には、槽内混合液に
環状の水路2を循環させる推力を発生させるための攪拌
曝気装置3が設置されており、この攪拌曝気装置3に
は、スクリュー攪拌曝気装置や機械攪拌曝気装置を使用
することができる。
【0016】嫌気ゾーンBは水路2の一部を隔壁4a,
4bで仕切られてなり、槽内混合液の流れ方向の上流側
の隔壁4aには槽内混合液を嫌気ゾーンBに導入する流
入部5に流入ゲート5aが設けられており、槽内混合液
の流れ方向の下流側の隔壁4bには槽内混合液を嫌気ゾ
ーンBから排出する流出部6が形成されている。流入ゲ
ート5aは、その開口面積を調整可能に構成されてお
り、流量調整手段としての作用をなす。また、流出部6
の開口面積は流入ゲート5aの全開口面積よりも大きい
ことが好ましい。
【0017】隔壁4a,4bの間には、図2に示すよう
に底板4cが設けられており、この底板4cによって水
路2を嫌気ゾーンBとその下に形成された流路7とに仕
切っている。流路7は、槽内混合液の流れ方向の上流側
から下流側に向かって流路が狭くなるように構成されて
おり、ここでは、底板4cを槽内混合液の流れ方向の上
流側から下流側に向かって下勾配で傾斜させている。
【0018】上記のように構成された嫌気ゾーンBに
は、BOD源として新たな原水を導入するための原水供
給系8と、嫌気ゾーンB内の槽内混合液の酸化還元電位
値を測定する酸化還元電位計9とが設けられている。ま
た、流入ゲート5aの制御手段として制御装置10を設
けており、制御装置10は、流入ゲート5aの開口面積
を調整して嫌気ゾーンBにおける無酸素状態を維持可能
な槽内滞留時間を維持する。この嫌気ゾーンBには、さ
らに必要に応じてメタノール等のBOD源の投入ライ
ン、苛性ソーダなどの薬注ラインを接続する。
【0019】以下に、上記構成における作用を説明す
る。槽内混合液は攪拌曝気装置3により攪拌曝気するこ
とで環状の水路2を循環する推力が発生し、好気ゾーン
Aと嫌気ゾーンBとにわたって循環する。
【0020】好気ゾーンAでは、槽内混合液中のNH3
−Nを硝化菌によりNO2−NもしくはNO3−Nに酸化
し、NO2−NもしくはNO3−Nを含む槽内混合液を硝
化液として槽内混合液を好気性処理する。
【0021】嫌気ゾーンBでは、原水供給系8から供給
する原水によりBOD源補給を行いながら溶存酸素のな
い無酸素状態で脱窒素菌により槽内混合液中のNO2
NもしくはNO3−NをN2ガスへ還元して槽内混合液を
脱窒素処理する。
【0022】嫌気ゾーンBの形成位置における水路2
は、嫌気ゾーンBと流路7とに仕切られているため、好
気ゾーンAで好気性処理した槽内混合液の一部は流入ゲ
ート5aから嫌気ゾーンBへ流入し、残りの槽内混合液
は流路7を流れて嫌気ゾーンBの流出口6から排出され
た処理液ともに水路2を循環する。
【0023】嫌気ゾーンBへの槽内混合液の導入量は、
制御装置10によって、酸化還元電位計9により測定し
た酸化還元電位値に基づいて流入ゲート5aの開口面積
を調整することで行う。具体的には、あらかじめ嫌気ゾ
ーンBの無酸素状態を維持可能な槽内滞留時間を維持す
るために必要な所定開口面積に設定しておき、嫌気ゾー
ンB内の槽内混合液の酸化還元電位値が無酸素状態を示
す設定値よりも低下するのに伴って流入ゲート5aの開
口面積を大きくして槽内混合液の導入量を増加させ、酸
化還元電位値が設定値よりも上昇するのにともなって流
入ゲート5aの開口面積を小さくして槽内混合液の導入
量を減少させて、嫌気ゾーンを無酸素状態に維持する。
【0024】このように、酸化還元電位値に基づいて嫌
気ゾーンBへの槽内混合液の導入量を制御することで、
原水のBODが変動しても、嫌気ゾーンBにおける無酸
素状態を確実に実現でき、窒素除去率を高めることがで
きる。
【0025】また、嫌気ゾーンBに供給されずに流路7
を通過する槽内混合液は、上述のように流路7が槽内混
合液の流れ方向の上流側から下流側に向かって狭くなっ
ているために流速が速くなり、嫌気ゾーン下部のメンテ
ナンスしにくい場所における汚泥沈降を防止できる。
【0026】なお、上記説明では、酸化還元電位計9の
測定値に基づいて嫌気ゾーンBの開口ゲート5aの開口
面積を制御することで嫌気ゾーンBの溶存酸素濃度を調
整したが、本発明はこれに限定されるものではなく、原
水のBODがほぼ一定である場合には、嫌気ゾーンBの
開口ゲート5aの開口度を固定的にすることも可能であ
る。
【0027】また、本発明においては、図3に示すよう
に、好気ゾーンAと嫌気ゾーンBとの間に膜分離装置1
1を設けたオキシデーションディッチ装置1bとしても
よい。
【0028】膜分離装置11は水路2の内部もしくは外
部に配置し、水路2の槽内混合液を膜分離して膜透過水
を槽外へ取り出して処理水槽1bの内部の汚泥濃度を高
度に維持するものであり、ここでは膜分離装置11を水
路2の外部に配置した例を挙げて説明する。分離膜の形
態としては浸漬型平膜、回転円盤平膜などを使用するこ
とができる。
【0029】図4に示すように、膜分離装置11は、膜
分離槽12の内部に複数の平膜型膜カートリッジ13を
鉛直方向に沿ってかつ平行に配置しており、各平膜型カ
ートリッジ13の透過液流路に連通して透過液排出系1
4を設けている。透過液排出系14は吸引ポンプ15に
より各平膜型膜カートリッジ13に駆動圧として吸引圧
を作用させるものであるが、膜分離装置11の駆動圧と
しては重力を利用することも可能である。各平膜型膜カ
ートリッジ13の下方には散気装置16を配置し、散気
装置16にはブロワ17を接続している。
【0030】膜分離槽12は槽下部が導入系を介して水
路2の好気ゾーンに連通しており、槽上部が汚泥返送系
18を介して水路2の嫌気ゾーンBに連通している。こ
の実施の形態では、散気装置16から噴出する空気のエ
アリフト作用によって膜分離槽12に上向流を発生さ
せ、導入系19を通して槽内に導入した槽内混合液をオ
ーバーフローにより汚泥返送系18を通して水路2に返
送するが、水路2の槽内混合液を膜分離槽12へ供給す
る手段としては、導入系19にポンプを設けることも可
能である。
【0031】また、汚泥返送系18は水路2の嫌気ゾー
ンへの接続位置を変更(図中に二点鎖線で表示)するこ
とができる。水路2の嫌気ゾーンには処理対象原水を供
給する原水供給系8を設けている。
【0032】以下、上記した構成における作用を説明す
る。処理水槽1bの槽内混合液は攪拌曝気装置3によっ
て曝気されるとともに推力を与えられて水路2を循環
し、原水供給系8から流入する原水を伴って好気ゾーン
Aおよび嫌気ゾーンBを循環する間に生物学的に処理さ
れる。
【0033】膜分離装置11は導入系19を通して膜分
離槽12に流入する水路2の槽内混合液を、散気装置1
6から噴出する空気のエアリフト作用によってクロスフ
ローで各平膜型膜カートリッジ13の膜面に供給して膜
分離し、膜透過水を処理水として透過液排出系を通して
槽外へ排出するとともに、濃縮した槽内混合液を汚泥返
送系18を通して水路2に返送する。膜分離槽12は間
欠曝気を行うことで嫌気状態とすることも可能である。
【0034】このように、槽内混合液を膜分離装置4で
濃縮して処理水槽1bにおける汚泥濃度を10000〜
20000mg/Lの高濃度に維持することで、生物学
的処理による槽内混合液中の溶存酸素の消費量が多くな
り、攪拌曝気装置3による曝気によって与えられた槽内
混合液中の溶存酸素は好気ゾーンで消費され、嫌気ゾー
ンにおける槽内混合液は無酸素状態となる。
【0035】このため、攪拌曝気装置3によって推力を
与えられた槽内混合液が環状の水路2を循環する間に、
好気ゾーンAでは槽内混合液中のNH3−Nを硝化菌に
よりNO2−NもしくはNO3−Nに酸化し、NO2−N
もしくはNO3−Nを含む槽内混合液が硝化液として嫌
気ゾーンBに流入し、嫌気ゾーンBでは原水供給系8か
ら供給する原水によってBOD源補給を行いながら溶存
酸素のない無酸素状態下で脱窒素菌により槽内混合液中
のNO2−N、NO3−NをN2ガスへ還元する。嫌気ゾ
ーンBでは脱窒制御のために、BOD源(メタノール
等)を別途に投入することも可能である。
【0036】このように膜分離装置11を設けること
で、槽内混合液を濃縮して処理水槽中の汚泥濃度を高濃
度に維持することができ、好気ゾーンAにおける生物学
的処理による槽内混合液中の溶存酸素の消費量が多くな
って槽内混合液中の溶存酸素が好気ゾーンAで消費され
るため、槽内混合液を確実に溶存酸素濃度の低い状態で
嫌気ゾーンBに供給することができ、より一層、脱窒素
処理効率を高めることができる。また、汚泥返送系18
による槽内混合液の返送位置を変更することで、槽内混
合液が好気ゾーンAおよび嫌気ゾーンBを流れる槽内滞
留時間を調整することができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、嫌気ゾー
ンの酸化還元電位値に基づいて槽内混合液の嫌気ゾーン
への供給量を調整することで、好気ゾーンの微生物濃度
が低い場合でも確実に嫌気ゾーンを構成することがで
き、また、嫌気ゾーンに供給する原水のBODが一定で
ない場合でも窒素除去率を向上させて硝化脱窒処理を行
うことができる。
【0038】また、本発明のオキシデーションディッチ
装置によれば、嫌気ゾーンが無酸素状態となる槽内滞留
時間を維持するために必要な流入量となる開口面積を有
するように設定されていることで、本発明のオキシデー
ションディッチ方法を容易に実現できる。
【0039】また、水路を嫌気ゾーンとその下に形成さ
れた流路とに仕切り、この流路を、槽内混合液の流れ方
向の上流側から下流側に向かって流路が狭くなるように
構成することで、汚泥詰まりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるオキシデーション
ディッチ装置を示す平面模式図である。
【図2】図1の要部を示す拡大縦断面模式図である。
【図3】同実施の形態における膜分離装置を設けたオキ
シデーションディッチ装置を示す平面模式図である。
【図4】図3の膜分離装置を示す模式図である。
【図5】従来のオキシデーションディッチ装置を示す平
面模式図である。
【符号の説明】
1a,1b 処理水槽 2 水路 3 攪拌曝気装置 4a,4b 隔壁 4c 底板 5 流入部 5a 流入ゲート 6 流出部 7 流路 8 原水供給系 9 酸化還元電位計 10 制御装置 11 膜分離装置 12 膜分離槽 13 平膜型カートリッジ 14 透過液排出系 15 吸引ポンプ 16 散気装置 17 ブロワ 18 汚泥返送系 19 導入系 A 好気ゾーン B 嫌気ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 芳晴 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 株式会社クボタ内 Fターム(参考) 4D006 GA02 HA83 HA93 KA01 KA12 KA44 KA72 KB22 KB23 MA03 PA02 PB08 PC64 4D040 BB07 BB63 BB91 BB92 BB93

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理水槽の環状の水路を槽内混合液が好
    気ゾーンと嫌気ゾーンにわたって循環し、好気ゾーンで
    槽内混合液を好気性処理し、嫌気ゾーンで槽内混合液を
    脱窒素処理するに際し、嫌気ゾーンの槽内混合液の流れ
    方向の上流側に設けた流入部から前記嫌気ゾーンへ槽内
    混合液を導入するとともに、原水供給系から新たな原水
    を前記嫌気ゾーンへ導入し、前記流入部からの槽内混合
    液の導入量を嫌気ゾーン内の槽内混合液の酸化還元電位
    値に基づいて前記流入部に設けた流量制御手段を調整す
    ることで制御し、酸化還元電位値が無酸素状態を示す設
    定値よりも低下するのに追従して槽内混合液の導入量を
    増加させ、酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値よ
    りも上昇するのに追従して槽内混合液の導入量を減少さ
    せて、嫌気ゾーンにおける無酸素状態を維持することを
    特徴とするオキシデーションディッチ方法。
  2. 【請求項2】 処理水槽の槽内混合液が好気ゾーンと嫌
    気ゾーンとにわたって循環する環状の水路と、前記水路
    の好気ゾーン内に配置して槽内混合液を攪拌曝気すると
    ともに槽内混合液に循環に要する推力を与える攪拌曝気
    装置とを有し、前記好気ゾーンで槽内混合液を好気性処
    理し、前記嫌気ゾーンで槽内混合液を脱窒素処理するオ
    キシデーションディッチ装置であって、嫌気ゾーンの形
    成位置における水路は、嫌気ゾーンの底板によって嫌気
    ゾーンと槽内混合液が流れる流路とに仕切られ、嫌気ゾ
    ーンは、槽内混合液の流れ方向の上流側に設けられた流
    入部と下流側に設けられた流出部と新たな原水を導入す
    る原水供給系とを有し、前記流入部は、嫌気ゾーンが無
    酸素状態となる槽内滞留時間を維持するために必要な流
    入量となる開口面積を有することを特徴とするオキシデ
    ーションディッチ装置。
  3. 【請求項3】 流路は、槽内混合液の流れ方向の上流側
    から下流側に向かって流路が狭くなるように形成されて
    いることを特徴とする請求項2記載のオキシデーション
    ディッチ装置。
  4. 【請求項4】 嫌気ゾーンは、槽内混合液の酸化還元電
    位値を測定する酸化還元電位計と、流入部に設けられた
    流量制御手段と、前記酸化還元電位計で測定した酸化還
    元電位値に基づいて前記流量制御手段を調整して導入す
    る槽内混合液の流量を制御する制御手段とを有し、前記
    制御手段は、酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値
    よりも低下するのに追従して槽内混合液の導入量を増加
    させ、酸化還元電位値が無酸素状態を示す設定値よりも
    上昇するのに追従して槽内混合液の導入量を減少させて
    嫌気ゾーンにおける無酸素状態を維持することを特徴と
    する請求項2または3記載のオキシデーションディッチ
    装置。
  5. 【請求項5】 水路に連通して膜分離装置を設け、前記
    膜分離装置は水路の好気ゾーン内の槽内混合液を膜分離
    し、濃縮した槽内混合液を水路の嫌気ゾーンに返送し、
    膜透過水を槽外へ取り出すことを特徴とする請求項2か
    ら4までのいずれか1項に記載のオキシデーションディ
    ッチ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103964633A (zh) * 2014-04-21 2014-08-06 河海大学 一体化高效生物反应器及其反应工艺
CN113955854A (zh) * 2021-11-26 2022-01-21 昆明理工大学 一种氧化沟污水处理工艺建模及智能控制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103964633A (zh) * 2014-04-21 2014-08-06 河海大学 一体化高效生物反应器及其反应工艺
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