JP2003284587A - 黄色色素の製造方法 - Google Patents

黄色色素の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロキシル基をもつカロチノイド系黄色色
素を、植物以外の供給源を開発することにより労力及び
コストを低減し、安価にかつ多量に生産することを目的
とする。 【解決手段】 オーレオバクテリウム(Aureoba
cterium)に属する黄色色素生産菌を培養し、培
養物から黄色色素を分離することにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品添加剤、特に
健康食品用添加剤として有用なヒドロキシル基含有カロ
チノイド系黄色色素の新規な製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、長寿の原因としての生体内におけ
る各種物質の機能が明らかにされるとともに、天然の有
用成分を利用したいろいろの健康食品が提案されてい
る。この中の1つとして、カロチノイド系黄色色素類
は、生体に悪影響を与える活性酸素の除去作用や抗ガン
作用を有する物質として注目されているほか、老化防止
剤としての効用も期待されている。
【0003】他方、カロチノイド系黄色色素の中でヒド
ロキシル基をもつ色素群は、ほうれんそう、パプリカ、
オレンジ、マリーゴールドなどの植物や、卵黄、ヒトの
目の網膜などの動物組織中に存在することが知られてい
るが、ヒトの場合、体内で生産できないため、外部から
の摂取が必要とされる。このため、このものの不足を補
うために、カロチノイド類を添加した食品が市販されて
いる。
【0004】このヒドロキシル基含有カロチノイド系黄
色色素の1種であるデカプレノキサンチンは、セルロモ
ナス属細菌により生産されること[「ジャーナル・オブ
・バクテリオロジー(J.Bacterio
l.,)」,第141巻,第1272〜1278ページ
(1980)]や、ルテインが緑藻類により生産される
こと(特開平8−89279号公報)は知られている。
【0005】ところで、健康食品などに添加されるカロ
チノイド系黄色色素類は、一般に野菜、花卉、果実など
の植物原料から有機溶剤により抽出されているが、近
年、環境汚染、衛生面の点で有機溶剤の使用は制限され
る傾向にある上、植物を原料とするには、所要の植物の
栽培、採種、乾燥、抽出、精製など多大の労力とコスト
をかけなければならないため、これに代わるべき供給源
が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ヒドロキシル基をもつカロチノイド系黄
色色素を、植物以外の供給源を開発することにより労力
及びコストを低減し、安価にかつ多量に生産することを
目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒドロキ
シル基をもつカロチノイド系黄色色素を植物組織以外の
原料を用いて製造する方法について種々研究を重ねた結
果、オーレオバクテリウム(Aureobacteri
um)に属する菌が、デカプレノキサンチンを主成分と
する黄色色素を生産することを見出し、この知見に基づ
いて本発明をなすに至った。
【0008】すなわち、本発明は、オーレオバクテリウ
ム(Aureobacterium)に属する黄色色素
生産菌を培養し、培養物から黄色色素を分離することを
特徴とする黄色色素の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法において培養に用いる
微生物は、オーレオバクテリウム属に属し、黄色色素を
生産する能力を有することをもって特徴づけられる菌
株、例えば菌株AA1であって、これは独立行政法人産
業技術総合研究所特許微生物寄託センターにFERM
P−18698として寄託されている。
【0010】この菌株AA1は熊本県天草郡有明町の海
水から分離された文献未載の新菌であるが、本発明方法
においては、この菌株AA1に限らず、それ以外のオー
レオバクテリウム属に属する黄色色素を生産する能力を
有する菌株や、その変異株、例えば、紫外線や化学薬品
による変異処理によって得られる人工変異株又は自然変
異株なども用いることができる。
【0011】次に本発明方法で用いる微生物の菌学的性
状を菌株AA1を例にして説明する。 (1)形態 コロニーの形態は、偏平で丸く、不透明で黄色である集
落の周辺細胞の伸長は陰性である。細胞の光学顕微鏡観
察に基づく形態は、多形成桿菌で0.4〜0.7μmの
幅を有し、培養の経過により初期の桿菌から対数増殖の
終末期には短桿菌〜球菌状に形状が変化し、また、運動
性を有していた。グラム染色は陽性で、胞子形成能は認
められなかった。 (2)生理学的性質 (a)炭素源の発酵性グルコースの酸化分解性は陰性で
ある。 (b)細胞壁のジアミノ酸はオルニチンである。 (c)主要キノン系はMK−11,MK−10,MK−
12である。 (d)酵素活性 カタラーゼ(catalase)活性は陽性である。オ
キシダーゼ(oxidase)活性は陰性である。 (e)酸素に対する態度は好気的である。
【0012】以上の菌学的性質から菌株AA1は文献を
参考に既知菌種を検索したところ、オーレオバクテリウ
ム(Aureobacterium)属細菌の性状と一
致した。
【0013】本発明方法により黄色色素を製造するに
は、所定の菌株、例えばFERM P−18698を栄
養培地に接種し、好気的に培養する。この菌株の培養方
法は、原則的には一般微生物の培養方法に従って行われ
るが、通常は液体培養による振とう培養、通気撹拌培養
などの好気的条件下で行うのが好ましい。
【0014】この際、培養に用いることのできる培地と
しては、オーレオバクテリウム属に属する微生物が利用
できる栄養源を含有する培地であればよく、各種の合成
培地、半合成培地、天然培地などいずれも用いることが
できる。培地組成としては、例えば、炭素源として、グ
ルコース、シュークロース、プシコース、糖みつ、デン
プンなどを単独又は組み合わせて使用することができ、
窒素源としては、大豆粉、コーンスティープリカー、肉
エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウムなど
を単独又は組み合わせて使用することができる。また必
要に応じて、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、リン酸塩、金属塩などの無機塩を加えるこ
とができる。その他、これらの菌株の生育あるいはグリ
セロ糖脂質の生産を促進する有機物、例えば、ビタミン
類、アミノ酸類を加えることができる。
【0015】この培養においてグリセロ糖脂質の生産量
を増大するには、炭素源としてプシコースなどの緩慢代
謝性の糖類を用いるのが好ましい。また、この際、栄養
源の他、5質量%以下、好ましくは0.5〜3.5質量
%の塩化ナトリウムを添加し、液体培地で培養する場合
は空気を吹き込むか、空気との接触を保つために振とう
するのが好ましい。
【0016】培養条件としては、菌株が良好に生育して
本発明の黄色色素を生産しうる範囲内で適宜選択すれば
よい。例えば、培地のpHは5〜8程度、通常中性付近
とすることが好ましいが、必ずしも調整する必要はな
い。培養温度は、微生物が良好に生育する温度、通常1
0〜40℃、好ましくは15〜35℃に保つのがよい。
培養時間は、1〜14日間程度でよく、好ましくは2〜
5日間である。もちろん上述した各種の培養条件は、使
用微生物の種類や特性、外部条件などに応じて適宜変更
でき、またそれに応じて上記範囲から最適条件を選択、
調整できる。その際、培養液中の黄色色素の蓄積量が最
大になったときに培養を停止して得た培養液を後続の工
程に使用する。
【0017】このようにして得た培養液中に蓄積された
黄色色素は、培養後、濾過、遠心分離などの一般的固液
分離手段によって菌体を分離し、分離した菌体から回収
可能である。
【0018】黄色色素の分離、精製は、これまで知られ
ている種々の方法を選択、組み合わせて行うことができ
る。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、メチルアルコ
ールなどを用いた溶媒抽出や、シリカゲルやアルミナな
どの担体を用いるクロマトグラフィー法を用いることが
できる。これらの担体から目的物質を溶出させる方法
は、担体の種類、性質によって異なるが、一例として、
シリカゲル薄層クロマトグラフィーの場合には、展開及
び溶出溶媒として、クロロホルムとメチルアルコールの
混合溶媒などを用いることができる。さらに展開溶媒と
してジエチルエーテルを用いたシリカゲル薄層クロマト
グラフィーにより、さらに純度を向上させることができ
る。また、これらの方法を単独又は適宜組み合わせて、
場合によっては反復使用することにより、分離、精製す
ることができる。
【0019】このようにして得られた黄色色素は、公知
の方法に従い、無水酢酸とピリジンを用いてアセチル化
したのち、紫外・可視吸光スペクトル、核磁気共鳴スペ
クトル及び質量スペクトルにより、炭素数50、ヒドロ
キシル基2個をもつカロチノイド類であることが同定さ
れた。
【0020】また、このものについて、「ジャーナル・
オブ・バクテリオロジー(J.Bacterio
l.,)」,第141巻,1272〜1278ページに
記載されている方法に従い、溶媒としてヘキサンを用い
て、紫外・可視吸光スペクトルを測定したところ、図1
に示すように6本の吸収極大が467,437,41
4,328,314及び266nmの位置に認められ
た。これは上記の文献に記載されたデカプレノキサンチ
ンの吸収にほぼ一致することから、これはデカプレノキ
サンチンに類似の構造をもつものであると推定される。
【0021】次に、この黄色色素のアセチル化試料につ
いて同様にスペクトルを測定したところ、吸収極大を示
す波長位置に変化は認められなかった。このことから、
アセチル化反応を受けるヒドロキシル基は、この黄色色
素の色調に変化を生じない位置に結合していることが分
る。
【0022】また、重水素化クロロホルム溶液に溶解し
た精製黄色色素を核磁気共鳴法により400MHzでプ
ロトンのスペクトルを測定したときの結果を図2に示
す。これによると、メチル基のプロトン群、オレフィン
のプロトン群、及びヒドロキシル基を有する炭素原子に
結合したプロトンのピークが認められる。メチル基のプ
ロトンはδ1.970,1.933,1.673,1.
530,0.929,0.738ppmの6本であり、
上記文献に記載のデカプレノキサンチンのメチル基群の
ケミカルシフト値と一致している。
【0023】さらに、精製黄色色素及びその色素のアセ
チル化物をメタニトロベンジルアルコールをイオン化の
マトリックスに用いて高速原子衝撃質量スペクトル分析
したときのポジテイブイオン化法による測定結果を図3
に示す。精製黄色色素のスペクトルには質量/荷電比7
04.5のプリカーサーイオンがアセチル化物には質量
/荷電比788.5のプリカーサーイオンピークが認め
られた。また、ヨウ化ナトリウムを添加して同様に測定
したときに、2次精製黄色色素には質量/荷電比70
4.6の他に727.5のプリカーサーイオンピークが
認められたことから、精製黄色色素の分子量は704.
5と同定された。アセチル化した黄色色素のプリカーサ
ーイオンは質量/荷電が788.5でアセチル化反応に
よりアセチル基2個が導入されていることが分る。
【0024】以上のようにして得られる黄色色素は以下
に示す物理化学的性質を有する。 1.黄色色素の物理化学的性質 (1)分子量:704.56 (2)分子式:C50722 (3)図3の高速原子衝撃質量スペクトル(FAB−M
S)よりM+として質量/荷電比はm/z704.6に
イオンピークを示した。これは分子式により計算される
質量値にほぼ一致した値である。 (4)色及び形状:金属光沢を有する暗赤色粉末。 (5)溶解性:クロロホルム、エーテル、ヘキサンなど
有機溶媒に溶け、水にはほとんど溶けない。 (6)薄層クロマトグラフィーのRf値:シリカゲル薄
層プレート(メルク社製:1.05641)において
0.51(展開溶媒クロロホルム:メチルアルコール=
19:1、容積比)を示した。該色素をアセチル化する
とRf値は0.70に上昇した。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0026】実施例1 寒天[デイフコ(Difco)社製、「マリンアガー2
216」]55.1gを水1リットルに溶解し、121
℃で15分オートクレーブ滅菌したのち、直径9cmの
シャーレに30mlを分注し、室温まで放冷することに
より固形培地を調製した。次いで、上記の寒天の表面に
4質量%プシコース溶液200μlを塗布した上に、オ
ーレオバクテリウムに属するFERM P−18698
の菌体を接種し、20℃の恒温インキュベータ中に静置
し、培養した。7日間培養したのち、菌体を採取し、凍
結乾燥することにより、乾燥菌体198mgを得た。
【0027】次に、この乾燥菌体198mgをクロロホ
ルム/メチルアルコール混液(体積比2/1)15ml
を用いて3回抽出し、溶媒をロータリーエバポレーター
を用いて濃縮乾固することにより粗黄色色素28.7m
gを得た。次いでこの粗黄色色素をシリカゲル薄層クロ
マトグラフィー(メルク社製:1.05641)に担持
させたのち、クロロホルム/メチルアルコール(体積比
19/1)で展開した。展開終了後、溶媒を蒸発させ、
Rf値0.51の黄色バンド部分を分取し、クロロホル
ム/メチルアルコール混液(体積比4/1)で溶出し、
溶出液をロータリーエバポレーターで乾固することによ
り黄色色素0.3mgを得た。
【0028】実施例2 トリプトン(デイフコ社製)1.0g、酵母エキス(デ
イフコ社製)0.5g、塩化ナトリウム1.0g及び純
水100mlを混合し、液体栄養培地(pH6.5)を
調製した次に、この液体栄養培地100mlを500m
l体積の三角フラスコに移し、オートクレーブ殺菌した
のち、実施例1と同じ菌体を接取し、ロータリーシェー
カーを用い、20℃、振とう速度100rpmの条件
下、2日間振とう培養し、種母培養液を調製した。別
に、500ml体積三角フラスコ5個を用意し、それぞ
れに、前記の組成の液体栄養培地100mlずつを分注
し、殺菌処理したのち、前記の種母培養液を1mlずつ
接種し、ロータリーシェーカー(100rpm)を用い
て20℃で4日間、振とう培養した。
【0029】培養終了後、培養液を遠心分離して菌体を
集め少量の純水で洗浄後、凍結乾燥することにより、フ
ラスコ1本当り平均141mgの乾燥菌体を得た。次い
で、この乾燥菌体141mgをクロロホルム/メチルア
ルコール混液(体積比2/1)10mlを用いて3回抽
出し溶媒をロータリーエバポレーターにより濃縮乾固さ
せ11.6mgの粗黄色色素を得た。粗黄色色素をシリ
カゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社製:1.05
641)にかけ、クロロホルム/メチルアルコール(1
9/1)で展開した。展開終了後溶媒を乾燥させ、Rf
値0.51の黄色バンド部分を分取し、クロロホルム/
メチルアルコール混液(4/1)で溶出後、ロータリー
エバポレーターで乾固し黄色色素0.1mgを得た。
【0030】実施例3 実施例2で用いた組成の液体栄養培地100mlずつを
三角フラスコ4個に分取し、それぞれにプシコース、グ
ルコース、ガラクトース又はシュークロース0.5gず
つ添加したのち殺菌処理した。次いで、これらに実施例
2で調製した種母培養液1mlずつを接種し、ロータリ
ーシェーカーを用いて、20℃、振とう速度100rp
mで4日間振とう培養した。
【0031】培養終了後、培養液を遠心分離して菌体を
集め少量の純水で洗浄後、凍結乾燥し、乾燥菌体を得
た。この乾燥菌体をクロロホルム/メチルアルコール混
液(体積比2/1)を用いて3回抽出し、この抽出液を
ロータリーエバポレーターにより濃縮乾固させ、粗黄色
色素を得た。次いで、粗黄色色素をシリカゲル薄層クロ
マトグラフィー(メルク社製、1.05641)にか
け、クロロホルム/メチルアルコール(体積比19/
1)で展開した。展開終了後、乾燥させ、Rf値0.5
1の黄色バンド部分を分取し、クロロホルム/メチルア
ルコール混液(体積比4/1)で溶出し、ロータリーエ
バポレーターを用いて濃縮乾固することにより精製黄色
色素を得た。各種の糖を添加したときの乾燥菌体量、粗
黄色色素、黄色色素の量を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例4 プシコース0.5質量%、酵母エキス(デイフコ社製)
0.5質量%、トリプトン(デイフコ社製)1.0質量
%を海水に添加して調製した栄養培地(pH6.3)5
リットルを10リットル体積のジャーファーメンターに
入れ殺菌した。これに実施例2で調製したオーレオバク
テリウムFERM P−18698の種母培養液を接種
し、20℃で撹拌速度300rpm、通気量毎分2リッ
トルで3日間培養した。培養終了後に培養液3.48リ
ットルを遠心分離して菌体を集め凍結乾燥し、乾燥菌体
6.1gを得た。
【0034】乾燥菌体6.1gをクロロホルム/メチル
アルコール混液(体積比2/1)120mlを用いて3
回抽出し、溶媒をロータリーエバポレーターにより濃縮
乾固させ259mgの粗黄色色素を得た。粗黄色色素を
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社製:Ar
t.13792,20×20cm、1mm厚)にかけ、
クロロホルム/メチルアルコール(体積比19/1)で
展開した。展開終了後、乾燥させ、Rf値0.51〜
0.54の黄色バンド部分を分取し、クロロホルム/メ
チルアルコール混液(体積比4/1)で溶出し、溶出液
をロータリーエバポレーターで乾固することにより黄色
色素3.8mgを得た。
【0035】黄色色素3.8mgをジエチルエーテルに
分散し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社
製:1.05641)にかけ、ジエチルエーテルで展開
した。展開終了後、乾燥させ、Rf値0.54の黄色バ
ンドを分取し、ジエチルエーテルで溶出した。ロータリ
ーエバポレーターで乾固し、精製黄色色素2.5mgを
得た。
【0036】
【発明の効果】黄色色素の製造においては従来、植物体
などより抽出して得ていたために、計画的に大量生産し
ようとしても設備なども多く要する上、生産される黄色
色素製剤の量も植物の生育状況に影響されるという欠点
があった。また、植物体における黄色色素の存在は限ら
れた部位であり、含有率が低いために抽出分離に多量の
有機溶剤を必要とし、装置も大規模なものが必要であっ
た。
【0037】これに対し、本発明方法は、細菌を原料と
して用いるため、任意かつ計画的な黄色色素の生産を可
能にするものである。また、細菌はスケールを変えて培
養することが可能であり、培養の条件は任意に制御する
ことが可能であるという利点がある。また、培養槽を大
きくすることにより大量製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 精製黄色色素の紫−可視領域の光吸収スペク
トル。
【図2】 精製黄色色素の400MHzプロトンNMR
スペクトル。
【図3】 ポジテイブイオン化法による高速原子衝撃質
量スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (72)発明者 何森 健 香川県木田郡三木町池戸2393番 香川大学 農学部内 (72)発明者 川浪 康弘 香川県木田郡三木町池戸2393番 香川大学 農学部内 Fターム(参考) 4B018 MA01 MC01 MD85 ME06 ME08 ME10 MF01 MF13 4B064 AH01 BA08 BG02 BH04 BH08 CA02 CC03 CD09 DA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーレオバクテリウム(Aureoba
    cterium)に属する黄色色素生産菌を培養し、培
    養物から黄色色素を分離することを特徴とする黄色色素
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 プシコースを添加した固体培地又は液体
    培地を用いて培養する請求項1記載の黄色色素の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 黄色色素がデカプレノキサンチンを主要
    成分とするヒドロキシル基含有カロチノイド系黄色色素
    である請求項1又は2記載の黄色色素の製造方法。
  4. 【請求項4】 オーレオバクテリウム(Aureoba
    cterium)に属する黄色色素生産菌が菌株FER
    M P−18698である請求項1、2又は3記載の黄
    色色素の製造方法。
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