JP2003283009A - レーザ発振器 - Google Patents
レーザ発振器Info
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Abstract
ザ発振器。 【解決手段】 放電管2内で放電3が発生し、レーザガ
ス7が励起されると、光学部品4を用いた共振器によ
り、レーザ光が発生する。レーザガス7は、ブロアを含
む循環路を通して放電管2内を高速で流通する。ブロア
に注入された潤滑用オイルの一部が気化してレーザガス
7に混入する。光学部品4は保持機構8を介して冷却さ
れており、ガス滞留部も形成されるため、気化したオイ
ルが光学部品4の表面で凝固し、付着しようとする。こ
れを光学部品4の近傍に設けたTiO 2等の光触媒9で
分解、除去する。光触媒9の励起には、放電光に含まれ
る紫外線10が利用出来る。光触媒9の担持には中空円
筒状の石英管が使用できる。
Description
工、医学治療、照明や通信に用いられるレーザ発振器に
関し、更に詳しく言えば、発振器内の光学部品周辺の気
体中に存在するオイルミストなどの有機物を光触媒反応
により分解し、光学部品の汚染を低減する機能を備えた
レーザ発振器に関する。
により、光学部品の周辺雰囲気にオイルミストなどの気
化した有機物が存在する。これら気化した有機物が、冷
却されている光学部品の表面で凝固し、付着すると、レ
ーザ光を吸収して、レーザ出力が低下したり、発熱し、
光学部品が劣化したり、歪みが生じて、レーザビーム品
質が悪化する。
にとって説明する図で、ガスレーザ発振器の光学部品の
近傍が例示されている。同図において、符号2は放電管
で、符号4は本例における光学部品を構成する共振器ミ
ラーの一方(リア鏡または出力鏡)を示す。光学部品4
は光学部品保持機構8によって保持される。放電管2
は、共振器ミラー間(一方のみ図示)に配置されるとと
もに、ブロアを含む循環路中に組み込まれている。そし
て。この循環路を使って放電管2中をレーザガス7が高
速で流通する。
スが励起(ポンピング)されると、周知の原理によって
誘導放出光が発生、増幅されて、出力鏡(共振器ミラー
の一方)から出力される。このようなレーザ発振器を運
転していると、上記したように、光学部品4の周辺雰囲
気(ここではレーザガス7)中に、オイルミストなどの
気化した有機物が混入してくる。光学部品4は歪みを防
止するために保持機構8を介して冷却されているのが通
例である。
されている光学部品4の表面で凝固し、付着する。しか
も、図示されているように、気体(ここではレーザガ
ス)の循環路の入口(または出口)と光学部品4の間に
は、気体が流れ難いガス滞留部13が生じるので、有機
物の光学部品4への凝固、付着を加速させる。その結
果、光学部品4を頻繁に清掃あるいは交換することが必
要となり、ランニングコストの増大の原因になってい
る。
には、レーザ発振器の筐体内壁に光触媒層を備える方式
について記載されているが、この技術はガスレーザにお
けるレーザガスの主成分の組成劣化を抑制するためのも
のである。即ち、レーザガスが大量に、また高速で循環
する環境下であるため、レーザガス中に微量に含まれる
オイルミストなどの光学部品の汚染物質に対しては大部
分が無反応であり、効率的にオイルミストを分解除去す
ることができない。また、光触媒の配置が光学部品から
離れているため、光学部品の浄化作用は殆ど期待できな
かった。
器において、光学部品周辺の気体中に微量に含まれるオ
イルミストなどの有機物を効率良く分解除去することを
可能とし、光学部品の汚染、劣化、レーザビーム品質劣
化などの問題点を解消し、光学部品のメンテナンス作業
負担とランニングコストを低減することを目的としてい
る。
放電あるいは化学反応により励起されレーザ光を増幅す
るレーザ媒質と、前記レーザ媒質を挟んで対向して配置
され、前記レーザ媒質から出射されるレーザ光を反射す
る、少なくとも1組の反射鏡を備えたレーザ発振器に適
用される。
媒が配備され、それによって上記課題が解決される。こ
こで、前記光触媒は、前記レーザ媒質を励起する光源、
熱源、放電あるいは化学反応により発生する紫外線で励
起されるものであって良い。また、前記光触媒はオイル
ミストなどの有機物を分解するものであることが好まし
い。
および外壁面の少なくとも一方に光触媒層を備えた、中
空の筒形状体を備えたものを用いることが出来る。前記
光触媒の材料としては、例えばTi02,Zn0,Sn
02,SrTi03,W03,Bi203またはFe203が
ある。前記光触媒の担体としては、例えば石英管を用い
ることが出来る。
その場合に、発振器内部の気体流動が少ない滞留領域に
前記光触媒が備わっていることが好ましい。また、レー
ザ媒質を励起する際に発生する紫外線が直接照射される
領域に前記光触媒が備わっていることが好ましい。
の光学部品が、周辺気体中のオイルミストなどの有機物
によって汚染されるという問題を、その光学部品の近く
に配備することで解決する。典型的には、光学部品近傍
の、紫外光が直接照射され、ガスが滞留する領域に、酸
化チタンなどの光触媒が配備される。これにより、光触
媒はオイルミストなどの有機物を確実に効率良く分解除
去し、光学部品の汚染を著しく低減する。
化分解反応を起こす光触煤自体は既に知られているとこ
ろであるが、本発明はこのような光触煤をレーザ発振器
の光学部品の近傍とする点に新規且つ重要な特徴があ
る。ここで、光触煤の酸化分解反応により、オイルミス
トなどの有機物が分解されるメカニズムは概略以下の通
りである。
れると、光電効果により、下記の式のように、電子e-
と正孔P+が生成され、触媒の表面に移動する。電子e-
は周辺の酸素を還元して、スーパーオキサイドイオンで
ある02 -、0-や03 -が生成される。
れ、強い酸化力をもっている。そのため、有機物分子C
mHn(C;炭素原子、H;水素原子、m、nは正整数)の
酸化反応が起こり、下記式のように炭酸ガスと水に分解
される。
は、レーザ励起によって発生する紫外線等により励起さ
れ、光学部品周辺の気体中に含まれるオイルミストなど
の有機物を分解し、光学部品の汚染を低減する。なお、
光学部品周辺の気体は、ガスレーザのレーザガスに限ら
ず、固体レーザの共振器パージガスであって良いことは
言うまでもない。パージガスにおいてもそこには、オイ
ルミストなどの有機物が混入し、光学部品周辺の気体側
に存在することに変わりはなく、また、固体レーザであ
っても光触媒の励起には例えば励起ランプの放射光に含
まれる紫外線が利用出来る。
明の実施形態について説明する。なお、図4に示した従
来例と共通した要素については、適宜共通した参照符号
を付して図示及び説明を行なう。また、本発明が適用さ
れるレーザ発振器としてここではガスレーザ発振器を取
り上げるが、これは本発明を限定するものではない。
固体のレーザ発振媒体を用いる固体レーザ発振器であっ
ても、パージガスなど、光学部品の周りに気体雰囲気が
存在し、そこにオイルミスト等の有機物が微量でも含ま
れるならば、以下に説明する実施形態とほぼ同様の態様
で本発明を適用出来ることは言うまでもない。
起式の固体レーザ発振器であれば、下記実施形態におけ
るレーザガスをパージガスに置き換えて考えれば良く、
光触媒の励起には励起ランプの放出光に含まれる紫外線
を利用すれば良い。
ザ発振器の全体構成の概略が示されている。
振器について、光学部品の近傍を示した図である。ま
た、図2は同レーザ発振器について、光学部品の近傍を
示した図である。これらの図において、符号1はRF電
源(ラジオ周波数の交流電源)で、放電管2の電極(図
示省略)を励起する。放電管2は、共振器ミラー4、4
(一方が出力鏡、他方がリア鏡)の間に配置される。共
振器ミラー4、4は、本実施形態における光学部品を構
成し、それらはそれぞれ光学部品保持機構8によって保
持される。放電管2内には、図示されているように、熱
交換器5及びブロア6を含む循環路中に組み込まれ、こ
の循環路を使ってレーザガス7が高速で流される。熱交
換器5は高温化したガスを冷やし、ブロア6はレーザガ
ス7を循環させるために、レーザガス7の吸引と送り出
しを行なう。
レーザガス7が励起されると、光学部品4、4で構成さ
れる共振器により、レーザ光が発生する。レーザガス7
は放電3によって高温となるが、ブロア6の前後の熱交
換器5で冷却されて循環することで、放電管2内の昇温
が抑制されている。
されているため、オイルの一部が気化してレーザガスに
混入する。一方、光学部品4は保持機構8を介して冷却
されているため、気化したオイルが光学部品4の表面で
凝固し、付着しようとする。特に、図2に示したよう
に、光学部品4とレーザガスの循環路の入口(または出
口)の間には、気体が流れ難いガス滞留部13が生じる
ので、有機物の光学部品4への凝固、付着が起こり易く
なる。
留が起る光学部品4の近傍に、光触媒9を設け、オイル
ミスト等の有機物を効率的に分解する。ここで、「光学
部品4の近傍」とは、光学部品4と放電3が起る領域の
間と考えて良い。光触媒9の励起には、放電光に含まれ
る紫外線10が利用される。即ち、光触媒9は放電光が
直接入射出来る位置にあり、励起された光触媒が前述し
たような光触媒反応を起こし、オイル分子を分解する。
で、滞留部13に漂ったオイルミストは高い確率で光触
媒9に接近、接触する。その結果、オイルミスト濃度は
低く保たれ、光学部品4へのオイルの付着が抑えられ
る。
たもので、ここでは中空円筒状の石英管11が使用され
ている。即ち、中空円筒形状石英管11の内壁面(場合
によっては外壁面、あるいは、内壁面と外壁面の両方)
に例えば酸化チタンの薄膜からなる光触媒層12が形成
され、図2において符号9で示した部分に配備される。
ここで円筒の内径は、レーザ光が円筒内部を通過出来る
ように選ばれる。即ち、円筒の内径は、レーザビーム径
より大きく、レーザビームが干渉しない形状となってい
る。なお、場合によっては、中空円筒形状石英管11の
内壁面に代えて外壁面に、あるいは、内壁面と外壁面の
両方に光触媒層が形成されても良い。
ガス流動用ブロアから発生するオイルミストの分解、除
去について説明したが、他の固体レーザや化学レーザの
発振器内で、熱や励起光によって、その構成部品表面か
ら発生する有機系の気体や、汚染防止のために注入され
るパージガス中に含まれる油分などについても、同様な
態様で本発明を適用すれば、同様の効果を挙げられるこ
とは、繰り返し説明するまでもないであろう。
て、光触媒を光学部品の近傍に配置することによって、
光学部品の汚染が低減できるため、長期間にわたり、安
定したビーム品質、レーザ出力を維持することができ
る。また、光学部品の清掃および交換周期が長くなるこ
とにより、メンテナンス作業負担およびランニングコス
トが低減できる。
成の概略を示す図である。
て、光学部品の近傍を示した図である。
ーザ発振器の光学部品の近傍を示した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 光源、熱源、放電あるいは化学反応によ
り励起されレーザ光を増幅するレーザ媒質と、前記レー
ザ媒質を挟んで対向して配置され、前記レーザ媒質から
出射されるレーザ光を反射する、少なくとも1組の反射
鏡を備えたレーザ発振器において、 前記反射鏡の近傍に光触媒を備えたことを特徴とするレ
ーザ発振器。 - 【請求項2】 前記レーザ媒質を励起する光源、熱源、
放電あるいは化学反応により発生する紫外線で前記光触
媒を励起することを特徴とする、請求項1に記載のレー
ザ発振器。 - 【請求項3】 前記光触媒がオイルミストなどの有機物
を分解するものであることを特徴とする、請求項1に記
載のレーザ発振器。 - 【請求項4】 内壁面および外壁面の少なくとも一方に
光触媒層を備えた、中空の筒形状体を備えたことを特徴
とする、請求項1に記載のレーザ発振器。 - 【請求項5】 前記光触媒が、Ti02,Zn0,Sn
02,SrTi03,W03,Bi203またはFe203で
あることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ発振
器。 - 【請求項6】 前記光触媒の担体として、石英管を用い
たことを特徴とする、請求項1に記載のレーザ発振器。 - 【請求項7】 レーザ媒質が流動する気体であり、発振
器内部の気体流動が少ない滞留領域に前記光触媒を備え
ていることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ発振
器。 - 【請求項8】 レーザ媒質を励起する際に発生する紫外
線が直接照射される領域に、前記光触媒を備えているこ
とを特徴とする、請求項1に記載のレーザ発振器。
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