JP2003282000A - 支持部材の製造方法、および画像形成装置 - Google Patents

支持部材の製造方法、および画像形成装置

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JP2003282000A
JP2003282000A JP2002083501A JP2002083501A JP2003282000A JP 2003282000 A JP2003282000 A JP 2003282000A JP 2002083501 A JP2002083501 A JP 2002083501A JP 2002083501 A JP2002083501 A JP 2002083501A JP 2003282000 A JP2003282000 A JP 2003282000A
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Akira Hayama
彰 羽山
Koji Shimizu
康志 清水
Masahiro Fushimi
正弘 伏見
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面型画像形成装置の内部の耐大気圧支持部
材としてのスペーサの表面の凹凸に均質な高抵抗膜を形
成する。 【解決手段】 表面に凹凸が形成されたスペーサ102
0を形成する。凹凸を有するスペーサ1020を形成し
た後、固定治具1030に固定する。そして、スパッタ
リング法を用いて、スペーサ1020に導電性膜を矢印
S方向から成膜する。矢印S方向は、スペーサ基準面1
021の法線方向Nから、スペーサ1020の長手方向
に所望の角度偏向した方向である。固定冶具1030に
は駆動機構が備え付けられおり、固定治具1030を移
動しながらスペーサ1020に成膜を実施することによ
り、スペーサ全体に均一に膜を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペーサの構造、
及びその製法と、該スペーサを応用した画像表示装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下、FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属
型放出素子(以下、MIM型と記す)、などが知られて
いる。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio Eng.Ele
ctron Phys.,10,1290,(196
5)や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:”Thin Solid Fi
lms”,9,317(1972)]や、In23/S
nO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad:”IEEE Trans.
ED Conf.”,519(1975)]や、カ−ボ
ン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1
号、22(1983)]等が報告されている。
【0005】前記のような電子放出素子を用いた画像形
成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペ
ースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置
に置き換わるものとして注目されている。
【0006】図11は平面型の画像表示装置をなす表示
パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すた
めにパネルの一部を切り欠いて示している。この図を参
照すると、表示パネルの内部を真空に維持するための外
囲器(気密容器)が、リアプレート3115、側壁31
16、フェースプレート3117およびリアプレート3
115により形成されている。リアプレート3115に
は基板3111が固定されており、この基板3111上
には冷陰極素子3112が、N×M個形成されている
(N、Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画
素数に応じて適宜設定される。)。また、N×M個の冷
陰極素子3112は、図11に示すとおり、M本の行方
向配線3113とN本の列方向配線3114により配線
されている。これら基板3111、冷陰極素子311
2、行方向配線3113および列方向配線3114によ
って構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。ま
た、行方向配線3113と列方向配線3114の少なく
とも交差する部分には、両配線間に絶縁層(不図示)が形
成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0007】フェースプレート3117の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図
示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をな
す上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けられ
ており、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115
側の面には、例えばAlからなるメタルバック3119
が形成されている。
【0008】図中の符号Dx1〜Dxmおよび符号Dy
1〜Dynおよび符号Hvで示す部品は、この表示パネ
ルと不図示の電気回路とを電気的に接続するために設け
た気密構造の電気接続用端子であり、電気接続用端子D
x1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線311
3と、電気接続用端子Dy1〜Dynはマルチ電子ビー
ム源の行方向配線と、さらに電気接続用端子Hvはメタ
ルバック3119と各々電気的に接続されている。
【0009】また、上記の気密容器の内部は10のマイ
ナス6乗Torr(13.3×10 -5Pa)程度の真空
に保持されており、画像表示装置の表示面積が大きくな
るにしたがい、気密容器内部と外部の気圧差によるリア
プレート3115およびフェースプレート3117の変
形あるいは破壊を防止する手段が必要となる。リアプレ
ート3115およびフェースプレート3116を厚くす
ることによる方法は、画像表示装置の重量を増加させる
のみならず、斜め方向から見たときに画像のゆがみや視
差を生ずる。これに対し、図11においては、比較的薄
いガラス板からなり大気圧を支えるための構造支持体
(スペーサあるいはリブと呼ばれる)3120が設けら
れている。このようにして、マルチビーム電子源が形成
された基板3111と蛍光膜3118が形成されたフェ
ースプレート3116との間隔は通常、サブミリないし
数ミリに保たれ、前述したように気密容器内部は高真空
に保持されている。
【0010】また、スペーサは、リアプレートとフェー
スプレートとの間を飛翔する電子の軌道に大きく影響し
てはならない。電子軌道に影響を与える原因はスペーサ
の帯電である。スペーサ帯電は電子源から放出した電子
の一部あるいはフェースプレートで反射した電子がスペ
ーサに入射し、スペーサから二次電子が放出されること
により、あるいは電子の衝突により電離したイオンが表
面に付着することによるものと考えられる。
【0011】スペーサが正帯電するとスペーサ近傍を飛
翔する電子がスペーサに引き寄せられるため、スペーサ
近傍で表示画像に歪みを生ずる。帯電の影響はリアプレ
ートとフェースプレート間隔が大きくなるに従い顕著に
なる。
【0012】一般に帯電を抑制する手段として、帯電面
に導電性を付与し、若干の電流を流すことで電荷を除去
することが行なわれる。この概念をスペーサに応用して
スペーサ表面を酸化スズで被覆する手法が特開昭57-118
355号公報に開示されている。また、特開平3-49135号公
報にはPdO系ガラス材で被覆する手法が開示されてい
る。このように絶縁性のスペーサの表面に高抵抗膜を形
成することによりスペーサ表面に微小電流が流れるよう
にして、表面での帯電を抑制し、スペーサ近傍を飛翔す
る電子がスペーサに引き寄せられるのを防いでいる。
【0013】また、我々の研究により得られた知見で
は、凹凸表面は平滑表面よりも、実効的な二次電子放出
係数が小さいため、スペーサ表面に凹凸を形成すること
によって、スペーサ表面の帯電を抑えることができるよ
うになる。即ち、高抵抗薄膜による帯電防止能力を向上
させる事が出来る。
【0014】スペーサのフェースプレートとリアプレー
トとの当接面には電極を形成することにより上記の被覆
材に均一に電場を印加することにより、接続不良や電流
集中によるスペーサの破壊を防ぐことができる。この様
子を、図12を用いて説明する。図12は図11の表示
パネルの断面の模式図である。
【0015】図12において、スペーサ3120の表面
に高抵抗膜3120aが被覆されている。さらに、スペ
ーサ3120のフェースプレート側当接面901を含む
端部とこれと反対側のリアプレート側当接面902を含
む端部とにも、スペーサ電極(低抵抗膜)3120bが
形成されている。スペーサ電極3120cは通常、スパ
ッタリング法を用いて形成される。
【0016】以上説明した表示パネル(図11)を用い
た画像表示装置は、パネル容器外の電気接続用端子Dx
1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じて各冷陰極
素子3112に電圧を印加すると、各冷陰極素子311
2から電子が放出される。それと同時にメタルバック3
119に電気接続用端子Hvを通じて数百[V]ないし
数千[V]の高圧を印加して、放出された電子を加速
し、フェースプレート3117の内面に衝突させる。こ
れにより、蛍光膜3118をなす各色の蛍光体が励起さ
れて発光し、画像が表示される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来例で示したよう
に、スペーサの表面に高抵抗膜を形成し正帯電を中和す
ることにより、帯電を緩和し、スペーサ近傍を飛翔する
電子がスペーサに引き寄せられるのを防ぐことが可能で
ある。また、スペーサ表面に凹凸を形成することによ
り、上述したように、高抵抗膜による帯電防止能力を向
上させることができる。
【0018】しかしながら、表示画像に対応して、時間
あたりのemissionに領域ごとの分布がある為、スペーサ
上の帯電量に分布を生じる問題があった。即ち、スペー
サ上の帯電量の分布は、表示画像に歪みを生じさせ、高
品位な画像形成を困難にする。
【0019】そこで本発明の目的は、上記の課題を解消
しうるスペーサ(構造支持体)の膜形成方法であって、
本発明の方法を用いて形成されたスペーサを有する画像
形成装置においては、電子ビームずれが少ない高品質の
画像形成を可能とするスペーサの製法を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る一つの態様は、複数の電子放出素子が
設けられた第1基板と、前記第1基板に対向して配置さ
れ、前記電子放出素子から放出された電子を制御する電
極が設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基
板との間に配置され、前記第1基板と前記第2基板とを
支持する支持部材と、を備えた電子線装置における前記
支持部材の所定の方向における断面形状が凸型または凹
型である板状基板表面に高抵抗膜を成膜する、支持部材
の製造方法において、前記支持部材の概ね表面を前記支
持部材の基準面とし、成膜源から前記支持部材の基準面
の成膜領域を結ぶ直線を成膜方向としたとき、前記成膜
方向を偏向する手段を用いることを特徴とする。
【0021】なお、上記の態様の製法では、前記支持部
材の表面の凹凸が周期的な構造を有していても、前記支
持部材の表面の凹凸の他に不規則な凹凸構造を有してい
ても構わない。
【0022】次に、本発明の概要について説明する。
【0023】本発明は、電子放出素子を有する電子源が
設けられた第1の基板と、この第1の基板に対向して設
けられ、電子源から放出された電子のターゲットを有す
る第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間隔を維
持するスペーサとを有する画像形成装置に用いられるス
ペーサの製法に関する。
【0024】スペーサの製法としては、スペーサの基準
面の法線方向から成膜方向を偏向する手段を用いて成膜
する。スペーサの基準面は前記スペーサの表面と定義し
た。
【0025】図1は、成膜方向の偏向方向が、前記第1
基板と前記第2基板の両方に垂直で、かつ、前記スペー
サ基準面とも垂直な平面において、前記スペーサ基準面
の法線から、前記第1基板方向に傾いている成分を有す
ることような成膜方法の、効果を説明しており、スペー
サの凹凸の一部の断面を拡大してある。
【0026】図1(a)は、成膜源1とスペーサ基準面
2と、成膜方向の関係を示している。一般に、成膜源1
はある有限の大きさを持っているため、図1(a)に示
すように、スペーサ3に対して成膜方向Sも、 |P+Q| の幅を持っている。この幅は、成膜源1とスペーサ3の
大きさと、成膜源1とスペーサ3の配置に依存するもの
である。本発明においては、説明を容易にするために、
スペーサ基準面2の中心から成膜源1の表面への垂線と
スペーサ基準面2の法線で作られる方向を、成膜方向S
の代表として、定義する。図1(b)は、成膜方向Sが
スペーサ基準面2の法線に重なるように設置した場合の
断面図で、図1(c)は、成膜方向Sがスペーサ基準面
2の法線方向からずらして設置した場合の断面図であ
る。符号φはスペーサ基準面に平行な面での成膜粒子の
入射角、符号θはスペーサ基準面に平行でない面での成
膜粒子の入射角を表している。また、添え字は、成膜方
向を偏向した方向にある斜面を2、逆側の斜面を1として
いる。
【0027】図1(b)と図1(c)を比較して判るよ
うに、本発明の製法の場合は、 |θb2-φb|<|θa-φa1|=|θa-φa2|<|θb1-
φb| となり、両側の斜面に対する成膜粒子の入射角の差が大
きいので、凹凸表面での膜質差を大きくすることができ
る。このようにして形成されたスペーサの実際の電位規
定は、成膜方向を偏向した方向にある斜面においてなさ
れることから、この凹凸部を精度良く形成することで、
スペーサの電位規定を高精度に形成することが可能であ
る。この|θb1-φb|-|θb2-φb|は膜材料や凹凸形
状により、その最適範囲は変動するため一概に角度を規
定することはできないが、概ね、 20度<|θb1-φb|-|θb2-φb| であることが望ましい。さらに好適には、 40度<|θb1-φb|-|θb2-φb| であることが望ましい。
【0028】また、スペーサ基材に成膜する手段として
は、スパッタリング法、スプレイ法の手段を用いること
が好ましい。
【0029】また、スペーサ表面に形成された高抵抗膜
のシート抵抗が、1E+6Ω/□〜1E+14Ω/□の範囲に
在ることが好ましい。
【0030】さらに本発明は、上記のスペーサの製造方
法を用いて製造した画像形成装置に関する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明に係わるスペーサは、図1
1に示した画像形成装置に用いられるスペーサが少なく
とも一つの基板面の所定の方向における断面形状が凸型
または凹型である板状基板表面を有し、そのスペーサ表
面の膜が凹凸の斜面によって大きく異なったものであ
る。以下に、上記のスペーサの製法について述べる。
【0032】上記のスペーサの凹凸は、をとっており、
例えば加熱延伸法により製造可能である。
【0033】また、膜の製造方法としては、スペーサの
基準面の法線方向から成膜方向を偏向する方法がある。
【0034】また、スペーサ基材に帯電防止被覆を施す
方法としては、(A)スパッタリング法、(B)スプレ
イ法などがあげられるが、これに限定されない。
【0035】偏向手段としては、例えば、スパッタリン
グの場合には、磁石の配置や、電界の印加、または、ス
リット等があげられるが、これに限定されない。スプレ
イ法の場合には、スリットや、あるいは、指向性を高め
たスプレイを使用し、前記スプレイと被成膜物との位置
関係を調整等があげられるが、これに限定されない。
【0036】また、スペーサ基材に成膜する膜は、帯電
防止機能を有する膜(高抵抗膜)であるが、その下地と
なる下地膜の形成にも非常に有効である。これは、スペ
ーサ基材上に1つまたは複数の下地膜を成膜した後に高
抵抗膜を形成する場合もある。その場合に、下地膜にも
均一性が要求されることがあるために、高抵抗膜同様
に、本発明の製造方法を用いることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下に、本発明を実施するのに好適な複数の
実施例を挙げて、スペーサの製造方法について述べる。
【0038】(実施例1)図2は、加熱延伸方法により
部材表面に凹凸を形成する装置を表した模式図である。
これを用いて、以下の工程を実施することにより、比較
的溶融が容易なガラス等の部材を加工することができ
る。
【0039】1)所望の大きさのスペーサ断面と相似形
状を有するスペーサ母材を使用する。このとき、所望の
スペーサの断面積をS1、スペーサ母材の断面積をS2
とし、S1、S2は(S1/S2)<1 を満たすよう
にする。
【0040】2)スペーサ母材の両端を固定し、長手方
向の一部を軟化点以上の温度に加熱するとともに、一方
の端部アを加熱部位方向に速度v1で送り出し、もう一
方の端部イを速度v1と同一方向に速度v2で引き出
す。この時、これら速度v1、v2はS1・v1=S2・
v2 を満たす。加熱温度は用いるスペーサ材料の種
類、加工形状によるが通常500〜700℃とする。
【0041】3)冷却後、引き伸ばされたスペーサ材を
所望の長さに切断する。切断の手法としてはダイヤモン
ドカッターによる切断、砥粒による切断、レーザーによ
る切断など様々な手法を用いる事ができる。
【0042】上記のような方法で、図3の(a)に示す
ような表面に周期的な凹凸が形成されたスペーサ102
0を形成する。図のスペーサ1020では、凹凸表面を
形成する平面部と傾斜部のうちの傾斜部の斜面が最大傾
斜角60度をなす。このような凹凸を有するスペーサ1
020を形成した後、図3の(c)に示すように固定治
具1030に固定する。そして、スパッタリング法を用
いて、スペーサ1020に導電性膜を矢印S方向から成
膜する。本実施例では、磁石を用いて成膜方向を偏向し
た。矢印S方向は、図3の(b)に示すようにスペーサ
基準面1021の法線方向Nから、スペーサ1020の
長手方向に、0度から90度の範囲で傾けた方向であ
り、本実施例では、30度にしてある。この角度は、ス
ペーサ表面の凹凸の傾斜部の最大傾斜角度やスペーサに
対する成膜条件によって、変化させている。なお、スペ
ーサ基準面1021はスペーサの概表面である。スペー
サ基準面(支持部材の基準面)の定義は他の実施例でも
同じである。また、スペーサの長手方向は図12に示す
装置ではリアプレート3115とフェースプレート31
17の両方に平行な面に沿った方向に対応する。
【0043】上記の場合、スペーサ凹凸表面を形成する
平面部と斜面部に対する成膜方向は図3(d)に示した
状態になり、 |θb|=64.3度 となっている。一方、 |φb|=30度となっている。ここで、我々の研究に
より得られた知見では、成膜角度と膜質の関係は、約4
0度までは、あまり変化せず、40度を超えたあたりか
ら急激に変化している。このため、凹凸部の上面と斜面
部の膜質差を大きくすることが可能になる。このように
して形成されたスペーサの実際の電位規定は、成膜方向
を偏向した方向にある斜面においてなされることから、
この凹凸部を精度良く形成することで、スペーサの電位
規定を高精度に形成することが可能である固定冶具10
30には駆動機構が備え付けられており、図3(c)に
示すように固定治具1030を移動しながらスペーサ1
020に成膜を実施することにより、スペーサ全体に均
一に膜を形成できる。なお、固定治具1030へのスペ
ーサ1020の固定の際は固定治具1030の移動方向
とスペーサ1020の長手方向を揃えてある。また、本
実施例では、あらかじめ組成を調整したゲルマニウムと
タングステンの合金ターゲットを、窒素を含むガス中で
スパッタリングすることにより、スパッタ金属原子を窒
化し、タングステンとゲルマニウムとの窒素化合物膜を
成膜した。
【0044】なお、本実施例では、スパッタリングする
ターゲットとして、ゲルマニウムとタングステンの合金
材料を用いたが、そのゲルマニウムの代わりにアルミニ
ウムを用いたり、あるいは、そのタングステンの代わり
に、チタニウム、クロム、タンタル等の遷移金属元素を
用いたりすることも可能である。
【0045】(実施例2)本実施例は、スペーサ基準面
の法線方向から成膜方向を図12に示したスペーサ電極
によるスペーサへの電圧印加方向に偏向した製法であ
り、成膜方向をスペーサ長手方向に偏向した実施例1と
は成膜方法が異なっている。ここでは、異なる点のみ述
べる。
【0046】図4は本実施例での成膜方法を示すもので
あり、導電性膜を矢印S方向から成膜している。矢印S
方向は、スペーサ基準面の法線Nを、スペーサの電圧印
加方向Eに偏向した方向であり、本実施例では、30度
にしてある。なお、電圧印加方向Eは図12に示す装置
ではリアプレート3115とフェースプレート3117
の両方に概ね垂直な方向である。
【0047】上記の場合、スペーサ凹凸表面を形成する
平面部と斜面部に対する成膜方向は図1(c)に示した
状態になり、 |θb2-φb|=30度 |θb1-φb|=60度 となっている。
【0048】このようにして、形成されたスペーサの実
際の電位規定は、成膜方向を偏向した方向にある斜面に
おいてなされることから、この凹凸部を精度良く形成す
ることで、スペーサの電位規定を高精度に形成すること
ができた。
【0049】(実施例6)次に、本発明によるスペーサ
(構造支持体)を適用した画像表示装置の表示パネルの
構成と製造法について、具体的に説明する。
【0050】図7は、上記の実施例のスペーサを用いた
表示パネルの斜視図であり、内部構造を示すためにパネ
ルの一部を切り欠いて示している。図7に示すように、
表示パネルの内部を真空に維持するための気密容器がリ
アプレ−ト1015、側壁1016、フェースプレート
1017により形成されている。気密容器を組み立てる
にあたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を
保持させるため封着する必要があるが、たとえばフリッ
トガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気
中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成すること
により封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する
方法については後述する。また、上記の気密容器の内部
は10のマイナス6乗[Torr](13.3×10-5
(Pa))程度の真空に保持されるので、大気圧や不意
の衝撃などによる気密容器の破壊を防止する目的で、耐
大気圧構造体として、スペーサ1020が設けられてい
る。
【0051】リアプレ−ト1015には、基板1011
が固定されているが、基板1011上には冷陰極素子1
012がN×M個形成されている。(N,Mは2以上の
正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設
定される。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的
とした表示装置においては、N=3000,M=100
0以上の数を設定することが望ましい。)前記N×M個
の冷陰極素子は、M本の行方向配線1013とN本の列
方向配線1014とにより単純マトリクス状に配線され
ている。基板1011と冷陰極素子1012と行方向配
線1013と列方向配線1014によって構成される部
分をマルチ電子ビ−ム源と呼ぶ。
【0052】本発明の画像表示装置に用いるマルチ電子
ビ−ム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制
限はない。したがって、たとえば表面伝導型放出素子や
FE型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いるこ
とができる。
【0053】次に、冷陰極素子として表面伝導型放出素
子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。図8は、図7の表示
パネルに用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基
板1011上には、表面伝導型放出素子が配列され、こ
れらの素子は行方向配線電極1013と列方向配線電極
1014により単純マトリクス状に配線されている。行
方向配線電極1013と列方向配線電極1014の交差
する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成されて
おり、電気的な絶縁が保たれている。
【0054】前記のような構造のマルチ電子源は、あら
かじめ基板上に行方向配線電極1013、列方向配線電
極1014、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導
型放出素子の素子電極1040と導電性薄膜1041を
形成した後、行方向配線電極1013および列方向配線
電極1014を介して各素子に給電して通電フォーミン
グ処理と通電活性化処理を行うことにより製造した。
【0055】本実施例においては、気密容器のリアプレ
ート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を固
定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板101
1が十分な強度を有するものである場合には、気密容器
のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板101
1自体を用いてもよい。
【0056】図9はフェースプレート1017上に設け
る蛍光膜1018の説明図である。蛍光膜1018は、
モノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの
蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライ
プあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電
体1091と蛍光体1092とで構成される。ブラック
ストライプ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、
カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体
1092間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立
たなくすることと、蛍光膜1018における外光反射に
よるコントラストの低下を抑制することである。黒色の
導電体1091には、黒鉛を主成分として用いたが、上
記の目的に適するものであればこれ以外の材料を用いて
も良い。
【0057】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
が設けられている。メタルバック1019を設けた目的
は、蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光
利用率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜1
018を保護する事や、電子ビ−ム加速電圧を印加する
ための電極として作用させる事や、蛍光膜1018を励
起した電子の導電路として作用させる事などである。メ
タルバック1019は、蛍光膜1018をフェースプレ
ート基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化
処理(通常、フィルミングと呼ばれる)し、その上にA
lを真空蒸着する方法により形成した。なお、蛍光膜1
018に低電圧用の蛍光体材料を用いた場合には、メタ
ルバック1019は用いない。
【0058】また、本実施例では用いなかったが、加速
電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フェ
ースプレート基板1017と蛍光膜1018との間に、
たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよい。
【0059】図10は図7中のA−A’線に沿った断面
模式図であり、各部の番号は図7に対応している。
【0060】スペーサ1020は、絶縁性部材であるス
ペーサ1020の表面に帯電防止を目的とした高抵抗膜
1020aを成膜し、かつフェースプレート1017の
内側(メタルバック1019等)及び基板1011の表
面(行方向配線1013または列方向配線1014)に
面したスペーサの当接面及びスペーサの側面部に低抵抗
膜1020bを成膜した部材からなるもので、上記目的
を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて
配置され、フェースプレート1017の内側および基板
1011の表面に固定部材(不図示)により固定され
る。また、高抵抗膜1020aは、スペーサ1020の
表面のうち、少なくとも気密容器内の真空中に露出して
いる面に成膜されており、スペーサ1020上の低抵抗
膜1020bを介して、フェースプレート1017の内
側(メタルバック1019等)及び基板1011の表面
(行方向配線1013または列方向配線1014)に電
気的に接続される。ここで説明される実施例において
は、スペーサ1020の形状は薄板状とし、行方向配線
1013に平行に配置され、行方向配線1013に電気
的に接続されている。
【0061】スペーサ1020としては、基板1011
上の行方向配線1013および列方向配線1014とフ
ェースプレート1017内面のメタルバック1019と
の間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、
かつスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の
導電性を有する必要がある。この点に関しては、既に述
べた通りである。
【0062】スペーサ1020の材料としては、例えば
石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、
ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミックス部材等
が挙げられる。なお、スペーサ1020はその熱膨張率
が気密容器および基板1011を成す部材と近いものが
好ましい。
【0063】スペーサ1020表面の高抵抗膜1020
aには、高電位側のフェースプレート(メタルバック
等)に印加される加速電圧Vaを帯電防止膜である高抵
抗膜の抵抗値Rsで除した電流が流れる。そこで、スペ
ーサの抵抗値Rsは帯電防止および消費電力からその望
ましい範囲に設定される。帯電防止の観点から表面抵抗
(シート抵抗)Rは10の14乗Ω/□以下であることが好
ましい。十分な帯電防止効果を得るためには10の11乗Ω
以下がさらに好ましい。表面抵抗の下限はスペーサ形状
とスペーサ間に印加される電圧により左右されるが、10
の6乗Ω/□以上であることが好ましい。
【0064】スペーサ材である絶縁材料上に形成された
帯電防止膜の厚みtは10nm〜1μmの範囲が望ましい。材
料の表面エネルギーおよび基板との密着性や基板温度に
よっても異なるが、一般的に10nm以下の薄膜は島状に形
成され、抵抗が不安定で再現性に乏しい。一方、膜厚t
が1μm以上では膜応力が大きくなって膜はがれの危険性
が高まり、かつ成膜時間が長くなるため生産性が悪い。
従って、膜厚は50〜500nmであることが望ましい。
【0065】表面抵抗R/□はρ/tであり、以上に述べ
たR/□とtの好ましい範囲から、帯電防止膜の比抵抗ρ
は0.1〜10の8乗[Ωcm]が好ましい。さらに表面抵抗と
膜厚のより好ましい範囲を実現するためには、ρは10の
2乗〜10の6乗[Ωcm]とするのが良い。
【0066】スペーサは上述したようにその上に形成し
た帯電防止膜を電流が流れることにより、あるいはディ
スプレイ全体が動作中に発熱することによりその温度が
上昇する。帯電防止膜の抵抗温度係数が大きな負の値で
あると温度が上昇した時に抵抗値が減少し、スペーサに
流れる電流が増加し、さらに温度上昇をもたらす。そし
て電流は電源の限界を越えるまで増加しつづける。この
ような電流の暴走が発生する抵抗温度係数の値は経験的
に負の値で絶対値が1%以上である。すなわち、帯電防
止膜の抵抗温度係数は-1%未満であることが望ましい。
【0067】帯電防止膜特性を有する材料として、金属
酸化物が優れている。金属酸化物の中でも、クロム、ニ
ッケル、銅の酸化物が好ましい材料である。その理由は
これらの酸化物は二次電子放出効率が比較的小さく、電
子放出素子から放出された電子がスペーサに当たった場
合においても帯電しにくいためと考えられる。金属酸化
物以外にも炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材
料である。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、
スペーサ抵抗を所望の値に制御しやすい。
【0068】しかしながら、上記の金属酸化物、あるい
はカーボンはその抵抗値が帯電防止膜として望ましい比
抵抗の範囲に調整することが難しく、また雰囲気により
抵抗が変化しやすいため、これらの材料のみでは抵抗の
制御性が乏しい。アルミまたはゲルマニウムと遷移金属
合金の窒化物は遷移金属の組成を調整することにより、
良伝導体から絶縁体まで広い範囲に抵抗値を制御でき
る。さらには後述する表示装置作製の工程において抵抗
値の変化が少なく安定な材料である。しかも、その抵抗
温度係数が-1%未満であり、実用的に使いやすい材料で
ある。遷移金属元素としてはTi,Cr,Ta,W等があげられ
る。
【0069】合金窒化膜はスパッタリング、窒素ガス雰
囲気中での反応性スパッタリング、電子ビーム蒸着、イ
オンプレーティング、イオンアシスト蒸着法等の薄膜形
成手段により絶縁性部材上に形成される。金属酸化膜も
同様の薄膜形成法で作製することができるが、この場合
窒素ガスに代えて酸素ガスを使用する。その他、CVD
法、アルコキシド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。
カーボン膜は蒸着法、スパッタリング法、CVD法、プ
ラズマCVD法で作製され、特に非晶質カーボンを作製
する場合には、成膜中の雰囲気に水素が含まれるように
するか、成膜ガスに炭化水素ガスを使用する。
【0070】スペーサ1020表面に形成する低抵抗膜
1020bは、スペーサ1020表面の高抵抗膜102
0aを高電位側のフェースプレート1017(メタルバ
ック1019等)及び低電位側の基板1011(行方向
配線1013、列方向配線1014等)と電気的に接続
する為に設けられたものであり、以下では、中間電極層
(中間層)という名称も用いる。中間電極層(中間層)
は以下に列挙する複数の機能を有することが出来る。
【0071】(1)高抵抗膜1020aをフェースプレ
ート1017及び基板1011と電気的に接続する。
【0072】既に記載したように、高抵抗膜1020a
はスペーサ1020表面での帯電を防止する目的で設け
られたものであるが、高抵抗膜1020aをフェースプ
レート1017(メタルバック1019等)及び基板1
011(行方向配線1013、列方向配線1014等)
と直接接続した場合、接続部界面に大きな接触抵抗が発
生し、スペーサ表面に発生した電荷を速やかに除去でき
なくなる可能性がある。これを避ける為に、フェースプ
レート1017、基板1011と接触するスペーサ10
20の当接面あるいは側面部に低抵抗の中間層を設け
た。
【0073】(2)高抵抗膜1020aの電位分布を均
一化する。冷陰極素子1012より放出された電子は、
フェースプレート1017と基板1011の間に形成さ
れた電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ102
0の近傍で電子軌道に乱れが生じないようにする為に
は、高抵抗膜1020aの電位分布を全域にわたって制
御する必要がある。高抵抗膜1020aをフェースプレ
ート1017(メタルバック1019等)及び基板10
11(行方向配線1013、列方向配線1014等)と
直接接続した場合、接続部界面の接触抵抗の為に、接続
状態のむらが発生し、高抵抗膜1020aの電位分布が
所望の値からずれてしまう可能性がある。これを避ける
為に、スペーサ1020がフェースプレート1017及
び基板1011と当接するスペーサ端部(当接面あるい
は側面部)の全長域に低抵抗の中間層を設け、この中間
層部に所望の電位を印加することによって、高抵抗膜1
020a全体の電位を制御可能とした。
【0074】(3)放出電子の軌道を制御する。
【0075】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ近
傍の冷陰極素子から放出された電子に関しては、スペー
サを設置することに伴う制約(配線、素子位置の変更
等)が生じる場合がある。このような場合、歪みやむら
の無い画像を形成する為には、放出された電子の軌道を
制御してフェースプレート1017上の所望の位置に電
子を照射する必要がある。フェースプレート1017及
び基板1011と当接する面の側面部に低抵抗の中間層
を設けることにより、スペーサ1020近傍の電位分布
に所望の特性を持たせ、放出された電子の軌道を制御す
ることが出来る。
【0076】低抵抗膜1020bは、高抵抗膜1020
aに比べ十分に低い抵抗値を有する材料を選択すればよ
く、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金
属、あるいは合金、及びPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の
金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、
あるいはIn2O3−SnO2等の透明導体及びポリシリコン等
の半導体材料等より適宜選択される。
【0077】本発明構成を平面型の表示装置のスペーサ
に対して説明したが、これに限らず他の用途における構
成として使用することができる。
【0078】また、端子Dx1〜DxmおよびDy1〜Dynお
よびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線
1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向
配線1014と、Hvはフェースプレートのメタルバッ
ク1019と電気的に接続している。
【0079】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr](13.3×10-6(Pa))程度の真空度ま
で排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器内
の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後
に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図示)を形
成する。ゲッター膜とは、たとえばBaを主成分とする
ゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱により加熱
し蒸着して形成した膜であり、該ゲッタ−膜の吸着作用
により気密容器内は1×10マイナス5乗ないしは1か
ける10マイナス7乗[Torr](13.3×10-4
×13.3×10-6(Pa))の真空度に維持される。
【0080】以上のように完成した、図7に示されるよ
うな表示パネルを用いた画像表示装置において、各冷陰
極素子(表面伝導型放出素子)1012には、容器外端
子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じ、走査信号及び変調信号を
不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加することにより
電子を放出させ、メタルバック1019には、高圧端子
Hvを通じて高圧を印加することにより放出電子ビーム
を加速し、蛍光膜1018に電子を衝突させ、各色蛍光
体1092(図9のR、G、B)を励起・発光させること
で画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧V
aは3[kV]ないし10[kV]、各配線1013、
1014間への印加電圧Vfは14[V]とした。
【0081】このとき、スペーサ1020に近い位置に
ある冷陰極素子1012からの放出電子による発光スポ
ットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成
され、鮮明で色再現性のよいカラー画像表示ができた。
このことは、スペーサ1020を設置しても電子軌道に
影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを
示している。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、複数の
電子放出素子を持つ第1基板とこれと対向する、前記電
子放出素子からの放出電子を制御する電極を持つ第2基
板との間に、前記第1基板と前記第2基板とを支持する
支持部材を備えた電子線装置における前記支持部材の表
面に凹凸を形成した後、前記支持部材表面に高抵抗膜を
成膜するときの成膜方法において、前記第1基板と前記
第2基板の両方に垂直な前記支持部材の表面を前記支持
部材の基準面とし、成膜源から前記支持部材の基準面の
成膜領域を結ぶ直線を成膜方向としたとき、(1)前記
成膜方向が、前記第1基板と前記第2基板の両方に平行
な平面内において、前記支持部材の基準面の法線と一致
しない成分を有すること、又は、(2)前記成膜方向
が、前記第1基板と前記第2基板の両方に垂直で、か
つ、前記支持部材の基準面とも垂直な平面内において、
前記支持部材の基準面の法線から、前記第1基板または
第2基板の方向に傾いている成分を有すること、又は、
(3)前記第1基板と前記第2基板の両方に平行な前記
支持部材の基準面内の直線を軸として前記成膜方向が回
転するように、前記成膜源もしくは前記支持部材を回転
させながら成膜すること、により、支持部材の凹凸表面
に均質な膜を形成することができ、均一な帯電防止機能
を有する支持部材を作製することができる。
【0083】また、この支持部材を用いた画像形成装置
においては、均一な画像形成が可能となり、表示品位の
向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるスペーサの成膜方法の
効果を説明する概念図である。
【図2】本発明の実施形態であるスペーサの加工方法を
表した図である。
【図3】本発明の実施例1によるスペーサの成膜方法の
模式図である。
【図4】本発明の実施例2によるスペーサの成膜方法の
模式図である。
【図5】本発明の実施例3によるスペーサの成膜方法の
模式図である。
【図6】本発明の実施例4によるスペーサの成膜方法の
模式図である。
【図7】本発明の実施例6による画像表示装置の表示パ
ネルの断面図である。
【図8】本発明の実施例6による画像表示装置のマルチ
電子ビーム源の平面図である。
【図9】本発明の実施例6による画像表示装置の表示パ
ネルのフェースプレートの蛍光体配列を例示した平面図
である。
【図10】本発明の実施例6による画像表示装置の断面
図(図9のA−A’線での断面)である。
【図11】従来の画像表示装置の、表示パネルの一部を
切り欠いて示した斜視図である。
【図12】電子放出素子を使用した画像形成装置の断面
模式図である。
【符号の説明】
1 成膜源 2 スペーサ基準面 3 スペーサ 401 駆動軸 402 スパッタターゲット 1011 基板 1012 冷陰極素子 1013 行方向配線 1014 列方向配線 1015 リアプレート 1016 側壁 1017 フェースプレート 1018 蛍光膜 1019 メタルバック 1020 構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ば
れるが、本発明の実施例ではスペーサとした。) 1020a 高抵抗膜 1020b 低抵抗膜 1021 スペーサ基準面 1040 素子電極 1041 導電性薄膜 1091 黒色導電体 1092 蛍光体
フロントページの続き (72)発明者 伏見 正弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C028 AA01 AA07 AA10 5C032 CC10 CD06 5C036 EF01 EF06 EG02 EG50

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子が設けられた第1基
    板と、前記第1基板に対向して配置され、前記電子放出
    素子から放出された電子を制御する電極が設けられた第
    2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置さ
    れ、前記第1基板と前記第2基板とを支持する支持部材
    と、を備えた電子線装置において前記支持部材の少なく
    とも一つの表面が前記第2基板との当接面に略並行な方
    向に延在する凸部または凹部を有する板状基板であっ
    て、前記支持部材の凸部または凹部を有した表面に高抵
    抗膜を成膜する工程において、 前記凸部または凹部を有する表面の平均面を基準面と
    し、成膜源から前記支持部材の基準面の成膜領域を結ぶ
    直線上の成膜材料の進行方向を成膜方向としたとき、前
    記成膜方向を偏向する手段を用いる、ことを特徴とする
    支持部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記偏向方向は、前記支持部材の基準面
    の法線から前記支持部材の長手方向に傾けた方向であ
    る、請求項1に記載の支持部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記偏向方向は、前記支持部材の基準面
    の法線から、前記支持部材表面の高抵抗膜に所望の電位
    を印加するときの電圧印加方向に傾けた方向である、請
    求項3に記載の支持部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 同一表面内の抵抗分布がシート抵抗で2
    倍以上となる支持部材を製造する請求項1から3のいず
    れか1項に記載の支持部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 成膜方法がスパッタリング法である、請
    求項1から4のいずれか1項に記載の支持部材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記偏向手段が、磁石であることを特徴
    とする、請求項5に記載の支持部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 成膜方法がスプレイ法である、請求項1
    から4のいずれか1項に記載の支持部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記偏向手段が、スリットであることを
    特徴とする、請求項7に記載の支持部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 高抵抗膜がタングステンとゲルマニウム
    の窒化物を有する、請求項1から8のいずれか1項に記
    載の支持部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項に記載
    の支持部材の製造方法で製造された支持部材を有する電
    子線装置を表示装置に用いた画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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