JP2003278477A - トンネルの拡幅方法、トンネルおよび簡易プロテクタ - Google Patents
トンネルの拡幅方法、トンネルおよび簡易プロテクタInfo
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Abstract
容易にトンネル断面を拡大できるトンネルの拡幅方法等
を提供すること。 【解決手段】 新設トンネル上半部13を掘削し、吹付
けコンクリート7aを設ける。新設トンネル下半部17
を掘削し、吹付けコンクリート7cを設ける。インバー
ト部10aを掘削し、新設トンネル路盤9aを構築し
て、簡易プロテクタ21および柵型プロテクタ22を設
置し、交通を簡易プロテクタ21に移す。その後、既設
トンネル覆工33を取り壊し、新設トンネル覆工5を設
ける。
Description
法、トンネルおよび簡易プロテクタに関するものであ
る。
化、車高の高いISO規格のコンテナ車の通行を可能に
させるため、あるいは最近の道路構造令に適合させるた
めに既存のトンネルの断面を拡大させる必要が生じてい
る。既設のトンネルの断面を拡大させる方法としては、
既存のトンネルに近接して、より大断面の新設トンネル
を掘削し、新設トンネル完成後に新設トンネルに交通を
移す方法、または、別に迂回ルートを設定し既存トンネ
ルを完全に通行止めにしてトンネルの断面を拡大する方
法、既存トンネルの内空にプロテクタを設置して通過車
輌を防護しながら既存トンネルの覆工を取り壊し、トン
ネルの断面を大きくする方法がとられている。
ンネルに近接して新設トンネル構築する方法は、地形
的、社会的な制約が多く、更に新設トンネルに至るアク
セス道路の建設も必要となる。既存トンネルを完全に通
行止めにする方法は、迂回道路がない場合や、大幅な迂
回になる場合もあり、渋滞等地域の交通に影響を及ぼす
ことがある。既存トンネルの内空にプロテクタを設置す
る方法は、車輌防護のため堅固なプロテクタとなるの
で、通過車輌の車線は減少し、交通渋滞等地域の交通に
与える影響が大きい。また、堅固なプロテクタのため、
作業空間が限定され、通常のトンネルの掘削で使用され
る汎用機械が使えず、能率の低い機械を使用することに
なるので、工期が長期化し、地域の交通への影響も長期
化する。
ものでその目的とするところは、既存トンネルの通常の
通行を確保したまま、容易にトンネル断面を拡大できる
トンネルの拡幅方法等を提供することにある。
ための第1の発明は、既設トンネルの側方を含む第1の
部分を掘削する工程(a)と、前記第1の部分に簡易プ
ロテクタを設置する工程(b)と、前記簡易プロテクタ
内を通行させつつ、前記既設トンネルを取り壊す工程
(c)と、前記第1の部分と、取り壊された前記既設ト
ンネルの部分を含むように新設トンネルを構築する工程
(d)とを具備することを特徴とするトンネルの拡幅方
法である。第1の発明では、既設トンネルの側方を含む
第1の部分を掘削して、簡易プロテクタを設置し、簡易
プロテクタ内に車輌等を通行させつつ、既設トンネルを
取り壊し、第1の部分と、取り壊された前記既設トンネ
ルの部分を含むように新設トンネルを構築する。
第1の部分を掘削する工程(a)と、前記第1の部分に
吹付けコンクリートを設ける工程(b)と、前記第1の
部分内を通行させつつ、前記既設トンネルを取り壊す工
程(c)と、前記第1の部分と、取り壊された前記既設
トンネルの部分を含むように新設トンネルを構築する工
程(d)とを具備することを特徴とするトンネルの拡幅
方法である。第2の発明では、既設トンネルの側方を含
む第1の部分を掘削して、第1の部分に吹付けコンクリ
ートを設け、第1の部分内に車輌等を通行させつつ、既
設トンネルを取り壊し、第1の部分と、取り壊された前
記既設トンネルの部分を含むように新設トンネルを構築
する。
明によるトンネルの拡幅方法によって拡幅されたことを
特徴とするトンネルである。第4の発明は、所定の間隔
でアーチ状の骨組みを設け、前記アーチ状の骨組みに対
し、それらをトンネル軸方向の部材で連結し、周囲を保
護材で包むことを特徴とする簡易プロテクタである。こ
の簡易プロテクタは、全体として、軽量であり、製造も
簡単であり、現場での組立て、移動も容易である。
施の形態を詳細に説明する。図1から図7は、トンネル
の拡幅方法の施工手順を示す断面図であり、図2は、図
1の斜視図であり、図5は、簡易プロテクタ21の斜視
図である。図1、図2に示されるように、地山3中に既
設トンネル31が既に構築されている。既設トンネル3
1を拡幅する場合、一般車輌のプロテクタとして既設ト
ンネル覆工33を使用するため、予め既設トンネル覆工
33のコンクリートの補強を必要箇所について行う。
33の天端部へ裏込め注入を行ったり、グラスファイバ
ーロックボルトを設置したり、既設トンネル覆工33内
側へ支保工を建て込んだり、根固めコンクリート等で根
固めしたりする方法がある。既設トンネル覆工33のコ
ンクリートのクラックの程度、既設トンネル覆工33裏
側の空洞の程度、地山3の強度等により、これらの補強
方法のうち、いくつかを選択する。
ンネル31内は、これまでどおり交通を確保したまま、
新設トンネル1の上半部分に相当する新設トンネル上半
部13の掘削を行う。掘削機(図示せず)は既設トンネ
ル覆工33には載せず、新設トンネル上半部13の上半
盤14に載せる。既設トンネル覆工33自体をプロテク
タとしているため、既設トンネル覆工33に、荷重をか
けないようにするためである。
新設トンネル1の断面の片側に寄せて計画しているた
め、比較的大きな空間を掘削することになり、ロードヘ
ッダ、ツインヘッダ、ブレーカ等の汎用の掘削機械ある
いはこのような掘削機械を改造した機械を使用できる。
る新設トンネル上半部13の隅角部15(a−b間)の
外側の地山3は、掘削せず残す。新設トンネル上半部1
3の掘削が終了後、壁面(a−c間)に、吹付コンクリ
ート7aを打設し、支保工(図示せず)を設置したり、
ロックボルト(図示せず)等を打設したりして、必要な
支保を行う。
アーチ部の構造的弱点と考えられる部分である。そのた
め、隅角部15(a−b間)にも吹付コンクリート7b
を打設する。更にa点において、支保工の根巻をして、
支保工を固定する。これにより、支保工にかかる力を確
実に地山3に伝えることが出来るため、安全性が高ま
る。
1内の交通を確保したまま、新設トンネル上半部13の
下方の新設トンネル下半部17の掘削を行う。この新設
トンネル下半部17の掘削も、前述したような掘削機械
あるいは汎用機械を改造した機械を使用する。新設トン
ネル下半部17の掘削の後、新設トンネル下半部17に
吹付コンクリート7cを設け、支保工(図示せず)を設
置したり、ロックボルト(図示せず)等で支保を行う。
1内の交通を確保したまま、インバート部10aの掘削
を行う。インバート部10aの掘削も、新設トンネル上
半部13の掘削と同様に、汎用の掘削機械あるいは汎用
機械を改造した機械を使用する。インバート部10aの
掘削の後、インバートコンクリート11aを施工する。
次に、新設トンネル路盤9aまで構造物を構築し、新設
トンネル路盤9a面に舗装を行う。尚、新設トンネル路
盤9aは、既設トンネル路盤35と高さが一致してい
る。尚、請求項1および請求項5に示す第1の部分は、
図3に示す新設トンネル上半部13、新設トンネル下半
部17、及び図4に示すインバート部10aの部分であ
る。
にわたって、新設トンネル上半部13、新設トンネル下
半部17を繰り返し掘削し、吹付コンクリート7a、吹
付コンクリート7c、インバートコンクリート11a等
を設ける。次に、全線にわたって、新設トンネル路盤9
a上に簡易プロテクタ21と柵型プロテクタ22を設
け、既存トンネル31内の交通を簡易プロテクタ21内
に切り替える。
において吹付コンクリート7の肌落ちから、簡易プロテ
クタ21内の交通を守り、安全な交通を確保するための
ものである。また、柵型プロテクタ22は、既設トンネ
ル覆工33を取り壊す際に飛散する破片から、簡易プロ
テクタ21を護るものである。尚、図4の工程におい
て、新設トンネル1内が吹付コンクリート7の状態で一
般車の通行が許可された場合は、図4、図5、図6にお
けるプロテクタ21は不要となる。但し、図6の工程に
おける柵型プロテクタ22は必要である。
る。図5は、簡易プロテクタ21の斜視図である。図5
に示すように、簡易プロテクタ21は、骨組みである軽
量のアーチ型部材25(例えばL型鋼を使用)がトンネ
ル軸方向部材26によって連結されている。外側には保
護材である防水シート29が全面に設けられる。尚、保
護材は、ラス網、ネットなどとすることも可能である。
更に、既設トンネル覆工33と簡易プロテクタ21の間
に、既設トンネル覆工33を取り壊す際の破片の飛散か
ら簡易プロテクタ21を護ることを目的とした防護柵で
ある柵型プロテクタ22を設ける。この柵型プロテクタ
22は、H鋼を一定間隔で、新設トンネル路盤9aに一
部埋設して立て、その間に矢板を嵌め込んだものであ
る。
にブロック化されており、各ブロックを現場で接続した
り、分離したりすることができる。この簡易プロテクタ
21は、厚い鉄板と鉄骨を組み合わせ、上部に施工機械
を載せてトンネルの拡幅を行う従来式の堅固なプロテク
タに比較して、極めて簡易な構造であり、各ブロックを
切り離せば、移動も容易である。
トンネル1内の簡易プロテクタ21内に交通を切り替え
た後、図6に示すように、簡易プロテクタ21内に車輌
を通過させながら、既設トンネル覆工33を取り壊すと
共に、新設トンネル上半部13の掘削時に、掘り残した
隅角部15の外側の地山3の掘削も行い、吹付コンクリ
ート7dを設ける。この際、新設トンネル覆工5と接す
る部分の既設トンネル覆工33bは、取り壊さず残す。
次に、新設トンネル下半部17の既設トンネル31との
重複部分の支保工(図示せず)を設置し、新設トンネル
上半部13の支保工と接続する。
ト部10bの掘削を行う。この際、既設トンネル覆工3
3の底盤部を取り壊す。インバート部10bを掘削後、
インバートコンクリート11aと対称となるようにイン
バートコンクリート11bを施工し、新設トンネル路盤
9b面まで構造物を構築して、新設トンネル路盤9b面
の舗装を行う。
ンバート部10bからなるインバート10部が構築され
る。そして、新設トンネル1の全線のわたって、既設ト
ンネル31を取り壊し、新設トンネル1と既設トンネル
31との重複部分の構築を繰り返す。
2を撤去した後、簡易プロテクタ21内を一時通行止め
にして、簡易プロテクタ21を新設トンネル1の中央部
に移動させる。簡易プロテクタ21の移動は、簡易プロ
テクタ21を10m程度のブロックに分離し、ジャンボ
等のトンネル機械により、牽引して行う。
た簡易プロテクタ21内に車輌を通過させながら、新設
トンネル1の全線にわたり新設トンネル覆工5のコンク
リートを打設する。尚、既設トンネル覆工33bの部分
では、既設トンネル覆工33bの内側に新設トンネル覆
工5のコンクリートが打設される。
プロテクタ21内の交通を一次通行止めにし、簡易プロ
テクタ21を撤去する。この後、防護柵等により、新設
トンネル1内の交通を中央部によせ、歩道、照明、諸設
備等の整備を行い、新設トンネル1が完成する。
置関係を示す断面図である。図8に示すように、既設ト
ンネル31を拡幅する場合、新設トンネル1と既設トン
ネル31との位置関係は、両者の路盤である新設トンネ
ル路盤9と既設トンネル路盤35との高さが一致し、図
8における新設トンネル1のd部で、新設トンネル覆工
5の外側と既設トンネル覆工33の内側が一致してい
る。
ネル31の内空幅の概ね2倍ないしはそれ以上あること
が好ましい。
たまま、既設トンネル31を拡幅し、新設トンネル1を
構築する。この際、簡易プロテクタ21を用いることに
より、従来の堅固なプロテクタと比較して、プロテクタ
にかかる費用を低減できる。また、既設トンネル31の
断面位置を新設トンネル1の片側に寄せることにより、
新設トンネル1の拡大部分の掘削断面が大きくなり、汎
用の機械もしくは、汎用の機械を改造した機械の使用が
可能となり、掘削効率の向上に役立つ。
れば、既存トンネルの通常の通行を確保したまま、容易
にトンネル断面を拡大できるトンネルの拡幅方法等を提
供することができる。
係を示す断面図
Claims (8)
- 【請求項1】 既設トンネルの側方を含む第1の部分を
掘削する工程(a)と、 前記第1の部分に簡易プロテクタを設置する工程(b)
と、 前記簡易プロテクタ内を通行させつつ、前記既設トンネ
ルを取り壊す工程(c)と、 前記第1の部分と、取り壊された前記既設トンネルの部
分を含むように新設トンネルを構築する工程(d)と、 を具備することを特徴とするトンネルの拡幅方法。 - 【請求項2】 前記第1の部分は、前記既設トンネルの
側方と、前記既設トンネルの上方を含むことを特徴とす
る請求項1記載のトンネルの拡幅方法。 - 【請求項3】 前記工程(a)は、第1の部分に吹付け
コンクリートを設けることを含むことを特徴とする請求
項1記載のトンネルの拡幅方法。 - 【請求項4】 前記工程(d)は、前記簡易プロテクタ
を新設トンネルの中央部の位置まで移動させた後、新設
トンネルを構築することを特徴とする請求項1記載のト
ンネルの拡幅方法。 - 【請求項5】 既設トンネルの側方を含む第1の部分を
掘削する工程(a)と、 前記第1の部分に吹付けコンクリートを設ける工程
(b)と、 前記第1の部分内を通行させつつ、前記既設トンネルを
取り壊す工程(c)と、 前記第1の部分と、取り壊された前記既設トンネルの部
分を含むように新設トンネルを構築する工程(d)と、 を具備することを特徴とするトンネルの拡幅方法。 - 【請求項6】 前記第1の部分は、前記既設トンネルの
側方と、前記既設トンネルの上方を含むことを特徴とす
る請求項5記載のトンネルの拡幅方法。 - 【請求項7】 請求項1および請求項5記載のトンネル
の拡幅方法によって拡幅されたことを特徴とするトンネ
ル。 - 【請求項8】 所定の間隔でアーチ状の骨組みを設け、
前記アーチ状の骨組みに対し、それらをトンネル軸方向
の部材で連結し、周囲を保護材で包むことを特徴とする
簡易プロテクタ。
Priority Applications (1)
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JP2002082434A JP3796524B2 (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | トンネルの拡幅方法およびトンネル |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008013964A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Shimizu Corp | 坑道閉鎖方法及び坑道閉鎖装置 |
CN117449864A (zh) * | 2023-12-22 | 2024-01-26 | 洛阳高飞桥隧机械股份有限公司 | 一种隧道扩宽行车防护施工装置及隧道扩宽施工方法 |
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CN111472389B (zh) * | 2020-05-06 | 2022-03-11 | 中车建设工程有限公司 | 一种既有隧道改建为双层隧道的明挖施工方法 |
-
2002
- 2002-03-25 JP JP2002082434A patent/JP3796524B2/ja not_active Expired - Lifetime
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