JP2003277885A - 絞りしごき缶用樹脂被覆鋼板およびそれを用いた絞りしごき缶 - Google Patents

絞りしごき缶用樹脂被覆鋼板およびそれを用いた絞りしごき缶

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JP2003277885A
JP2003277885A JP2002079872A JP2002079872A JP2003277885A JP 2003277885 A JP2003277885 A JP 2003277885A JP 2002079872 A JP2002079872 A JP 2002079872A JP 2002079872 A JP2002079872 A JP 2002079872A JP 2003277885 A JP2003277885 A JP 2003277885A
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coated steel
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Nobuhiro Iwamoto
暢宏 岩元
Shinichi Taya
慎一 田屋
Yasuyuki Ikeda
保之 池田
Keiichi Shimizu
慶一 志水
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Toyo Kohan Co Ltd
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の両面に樹脂皮膜を被覆した樹脂被覆鋼
板よりなる絞りしごき缶の成形加工において、ヘアの発
生を防止できる樹脂被覆鋼板およびそれを用いた絞りし
ごき缶を提供する。 【解決手段】 樹脂被覆鋼板から絞りしごき缶を成形す
る際に、原板となる鋼板の鋼成分および材質を調整し、
さらに結晶面の面強度比を調整することにより、従来よ
り薄い鋼板を使用し、絞り加工時の缶壁上端部鋼板厚さ
の増加を抑え、主要なヘア発生工程であるしごき工程の
実質のしごき量を低減するとともに、加工中の加工硬化
を抑え、変形抵抗の増加を防止する。また、電解クロム
酸処理などの表面処理を施し、その上に、厳しい加工に
耐えることのできる無延伸のポリエステル樹脂フィルム
を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面に樹脂皮膜を
被覆した絞りしごき缶用樹脂被覆鋼板およびそれを用い
て成形された絞りしごき缶に関する。より詳しくは、絞
り工程およびしごき工程において、加工性に優れ、ヘア
とよばれる樹脂皮膜が髪の毛状に切り取られたものの発
生しにくい樹脂被覆鋼板およびそれを用いて成形された
絞りしごき缶に関する。
【0002】
【従来の技術】絞りしごき缶は、まず鋼板からブランク
を打ち抜き、ブランクを1段又は複数段の絞り加工によ
りカップに成形し、さらに、そのカップをしごき加工用
のポンチに装着し、ポンチとともに1段又は複数段のし
ごき加工ダイスを通過させることによりカップ側壁の厚
さを減少させ、所定の缶高さに仕上げられる。成形後の
缶は耐食性や外観保持のため塗装されるが、塗装には有
機溶剤の使用を伴うため、環境保全の観点から、近年、
2軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを鋼板に被覆した樹
脂被覆鋼板が、主に飲料缶の用途で用いられている。
【0003】樹脂被覆鋼板から絞りしごき缶を成形加工
する場合、ヘアと呼ばれる、缶エッジ部の樹脂皮膜が髪
の毛状に切り取られたものが発生するという問題があ
る。このヘアは、缶のエッジ部に、絞りやしごきの工具
により大きな圧力が加えられることにより、エッジ部の
柔らかい樹脂皮膜が缶のエッジで髪の毛状に切り取られ
ることにより発生する。ヘアが、ポンチやダイスなどの
加工部に蓄積すると加工破断や樹脂皮膜層の破損をもた
らすとともに、使用工具の摩耗や損傷が生じやすくす
る。また缶に付着すると品質欠陥ともなり、そのため、
樹脂被覆鋼板の加工において、ヘアの発生は大きな問題
となる。
【0004】樹脂被覆鋼板を用いた絞り缶成形時にヘア
を発生させない絞り成形方法が、特許第2513379
号公報に開示されている。特許第2513379号公報
は、樹脂被覆鋼板の絞り成形において、通常、商業的に
使用されている絞り成形装置では、しわ抑え力が一定の
荷重であり、絞り成形の終了直前の段階では、環状の保
持部材(しわ抑え)および絞りダイスに接触する残留フ
ランジ部の面積が激減するため、これに伴って残留フラ
ンジ部に加わる圧力が異常に増大するためヘアが生じや
すいとしている。そのため、ヘア発生の原因となる、絞
り工程終了直前のフランジ部の圧下力を無害化させるた
め、有効絞り成形ストローク長の65乃至98%の点
で、環状の保持部材(しわ抑え)とダイスの間隔を被加
工材の板厚よりも広げ、これによりフランジ部の後端を
解放して絞り込むことによりヘアの発生を防止する絞り
成形方法が開示されている。
【0005】しかし、このようにしてヘアの発生を抑え
たフランジのない絞り加工後のカップを、さらに数段の
しごきダイスにより缶壁の厚さを薄くするしごき加工を
施す場合にはヘアの発生が抑えられない。これは、しご
き加工では絞り加工後のフランジがないカップを、さら
に数段のしごきダイスにより大きな圧力をかけて缶壁の
厚さを薄くするため、カップエッジに大きな圧力がかか
るのが避けられず、ヘアが発生しやすくなるためであ
る。本発明は、主に絞り加工の方法に着目してヘアの発
生を抑えようとしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
欠点を解決し、表面処理を施した鋼板の両面にポリエス
テル樹脂フィルムを被覆した樹脂被覆鋼板よりなる絞り
しごき缶の成形加工において、加工性に優れ、ヘアの発
生を防止できる樹脂被覆鋼板およびそれを用いて成形し
た絞りしごき缶を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂被覆鋼板
は、缶底および缶壁が一体の絞りしごき缶用の樹脂被覆
鋼板であって、C:0.0030重量%以下、Mn:
0.05〜0.30重量%、Si:0.03重量%以
下、P:0.02%以下の鋼成分を含み、板面に平行な
結晶面(200)、(222)のX線回折ピーク強度P
200、P222において面強度比P222×100/
200の値が50以上、降伏強度が400〜600N
/mm2、全伸びが30%以下である鋼板の両面に表面
処理した後、両面に無延伸ポリエステル樹脂フィルムを
被覆した絞りしごき缶用樹脂被覆鋼板であることを特徴
とする。前記鋼板は、板厚が缶壁上端部の鋼板厚さの
1.1〜1.4倍の範囲であって、かつ前記缶壁上端部
の鋼板厚さが0.13〜0.17mmであることが望ま
しい。さらに、本発明の絞りしごき缶は、上記の樹脂被
覆鋼板を用いて成形されたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、絞りしごき缶
用樹脂被覆鋼板において、優れたしごき加工性を備え、
絞りしごき成形時のヘアの発生を防止するべく、鋼板の
材質および特性並びに樹脂フィルムの面から研究を重ね
た。その結果、樹脂被覆鋼板を用いた絞りしごき缶の成
形においては、ヘアは特にしごき加工時に発生し、しご
き率が高い場合および鋼板の変形抵抗が高い場合ほど発
生し易くなるため、樹脂被覆鋼鈑の厚さを薄くするとと
もに絞り加工時の缶壁厚さの増加を抑えることによりし
ごき加工時の実質のしごき率を低くすること、鋼板の材
質を軟質にするとともに加工硬化の程度を小さくして変
形抵抗を低くすることにより、しごき加工時のカップエ
ッジにかかる圧力を低減することが、ヘア発生を低減さ
せるために有効であり、このような鋼板を使用すること
により、絞り加工時のヘア防止も可能であることを見い
だした。また、表層の樹脂フィルムとしては、絞り加
工、しごき加工に耐える延性と強度をもつとともに、鋼
板との良好な密着性をもつことが重要であるとの知見を
得た。
【0009】本発明では、鋼板の材質を軟質化するため
に、C:0.0030重量%以下、Mn:0.05〜
0.30重量%、Si:0.03重量%以下、P:0.
02重量%以下とした。ここで、Cは、鋼を硬質化する
元素であり、多くなると硬質化し変形抵抗が高くなるた
め、0.003重量%を上限とした。一方、C量を下げ
すぎた場合には、缶底の必要な耐圧強度が得られなくな
るとともに、結晶粒が極めて大きくなり、加工時、肌荒
れを介して破断しやすくなるため、0.0005重量%
を下限とするのが好ましい。Mnも鋼を硬質化させる元
素であり、変形抵抗を低減するために、0.30重量%
を上限とした。下限値については、鋼中に存在するSに
よる熱間脆性を防止するために、0.05重量%とし
た。Si、Pも鋼を硬質化する元素であるため、それぞ
れの上限を0.03重量%、0.02重量%とした。
【0010】しかし、硬質化元素を低減した鋼を常法に
より熱間圧延鋼板とし、冷間圧延後、焼鈍し調質圧延し
た鋼板では、缶底として必要な耐圧強度が得られないた
め、焼鈍後、再圧延を施すことにより、降伏強度が40
0〜600N/mm2で、全伸びが30%以下とし、必
要な缶底耐圧強度を備え、しかも加工硬化も少なく、変
形抵抗の低い鋼板とした。ここで、降伏強度400N/
mm2は、必要な缶底耐圧強度を確保するための下限値
であり、降伏強度が高すぎる場合には缶底成形時にしわ
が発生しやすくなるため600N/mm2を上限とし
た。また、伸びが多い場合にはそれにつれて加工硬化指
数が上昇する傾向があり、絞りしごき加工中の加工硬化
の程度が大きくなり変形抵抗を増加させるため30%以
下とした。
【0011】次に、本発明では、鋼板の鋼成分および降
伏強度を前記の範囲とするのみならず、鋼板の塑性異方
性に影響するとされている結晶の配向度に着眼して検討
を行った。ここで、結晶の配向度の指標としては、板表
面に平行な結晶面のX線回折ピ−ク強度を用いた。その
結果、板面に平行な結晶面(200)、(222)のX
線回折ピーク強度P200、P222において面強度比
222×100/P 200の値を50以上とすること
により絞り加工時の缶壁鋼板厚さの増加を抑制し、しご
き加工時の実質のしごき率を低減できることを見いだし
た。このX線回折ピ−ク強度値は、鋼成分、熱間圧延の
仕上げ圧延温度、巻き取り温度、一次、二次冷間圧延
率、再結晶熱処理条件等により変化するが、それらの条
件は、絞りしごき加工条件、絞りしごき缶に要求される
特性等を考慮し選択する。
【0012】以上の材質および特性を兼ね備えた鋼板を
用いることにより、缶壁上端部の鋼板厚さが0.13〜
0.17mmの絞りしごき缶用の鋼板として、加工前の
鋼板厚さを缶壁上端部厚さの1.1〜1.4倍の範囲
と、従来の絞りしごき用鋼板の厚さより薄くするもので
あり、この場合、しごき率の低減に加え、コストダウン
も可能となった。また、被覆する樹脂フィルムとの密着
性を高めるために、鋼板に表面処理を施す。表面処理の
種類としては、電解クロム酸処理、ぶりきなどの各種の
表面処理があり、缶として要求される特性に応じて使い
分けることが可能である。
【0013】本発明に適用する樹脂フィルムは単層フィ
ルムまたは2層以上の複層フィルムのいずれも適用可能
であり、熱可塑性樹脂、特にポリエステル樹脂からなる
フィルムであることが好ましい。ポリエステル樹脂とし
ては、エチレンテレフタレート、エチレンイソフタレー
ト、ブチレンテレフタレート、ブチレンイソフタレート
などのエステル単位を有するものが好ましく、さらにこ
れらの中から選択される少なくとも1種類のエステル単
位を主体とするポリエステルであることが好ましい。こ
のとき、各エステル単位は共重合されていてもよく、さ
らには2種類以上の各エステル単位のホモポリマーまた
は共重合ポリマーをブレンドして用いてもよい。上記以
外のもので、エステル単位の酸成分として、ナフタレン
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット
酸などを用いたものなど、またエステル単位のアルコー
ル成分として、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメ
タノール、ペンタエリスリトールなどを用いたものを用
いてもよい。このポリエステルは、ホモポリエステル或
いはコポリエステル、或いはこれらの2種以上から成る
ブレンド物からなる2種以上のポリエステル層の積層体
であってもよい。例えば、ポリエステルフィルムの下層
を熱接着性に優れた共重合ポリエステル層とし、その上
層を強度や耐熱性更には腐食成分に対するバリアー性に
優れたポリエステル層或いは改質ポリエステル層とする
ことができる。
【0014】本発明においては無延伸のポリエステル樹
脂からなるフィルムを用いることを前提としており、ポ
リエステル樹脂フィルムを表面処理鋼板に積層する作業
において樹脂が切れたり、ポリエステル樹脂フィルムを
積層した表面処理鋼板に絞り加工や絞りしごき加工のよ
うな厳しい成形加工を施しても樹脂が削れたり疵付いた
りすることがなく、またクラックが生じたり割れたり、
さらに剥離することがないようにするため、樹脂の固有
粘度を高め、樹脂を強化させる必要がある。このため、
上記のポリエステル樹脂の固有粘度を0.6〜1.4の範
囲とすることが好ましく、0.8〜1.2の範囲とするこ
とがより好ましい。固有粘度が 0.6未満のポリエステ
ル樹脂を用いた場合は樹脂の強度が極端に低下し、絞り
加工や絞りしごき加工を施して成形する缶に適用できな
い。一方、樹脂の固有粘度が1.4を超えると樹脂を加
熱溶融させた際の溶融粘度が極端に高くなり、ポリエス
テル樹脂フィルムを表面処理鋼板に積層する作業が極め
て困難になる。
【0015】樹脂フィルムの厚さは単層フィルムの場合
は5〜60μmであることが好ましく、10〜40μm
であることがより好ましい。厚さが5μm未満の場合は
表面処理鋼板に積層する作業が著しく困難になり、また
絞り加工や絞りしごき加工を施した後の樹脂層に欠陥を
生じやすく、缶に成形して内容物を充填した際に、腐食
成分に対する耐透過性も十分ではない。厚さを増加させ
ると耐透過性は十分となるが、60μmを超える厚さに
することは経済的に不利となる。複層フィルムの場合は
成形加工性や、耐透過性、あるいは内容物のフレーバー
に与える影響などの観点から各層の厚さの比率は変動す
るが、トータル厚みが5〜60μmとなるように、各層
の厚さを調整する。また、樹脂フィルムを製膜加工する
際に、樹脂中に必要な特性を損なわない範囲で着色顔
料、安定剤、酸化防止剤、滑材などを含有させて、フィ
ルムに製膜してもよい。
【0016】無延伸の樹脂フィルムは次のようにして製
膜加工する。すなわち、押出機を用いて樹脂ペレットを
樹脂の融解温度より20〜40℃高い温度で加熱溶融
し、溶融樹脂をTダイからフィルム状に冷却したキャス
ティングロール上に押し出し、延伸せずに無延伸樹脂フ
ィルムとしてコイラーに巻き取る。
【0017】製膜加工された樹脂フィルムを表面処理鋼
板に積層するにあたっては、まずコイル状に巻き取られ
た長尺帯状の表面処理鋼板を解きほどきながら連続的に
加熱する。加熱温度は、無延伸樹脂フィルムは樹脂の融
解温度以下の温度でも表面処理鋼板に接着することがで
きるが、樹脂フィルム(複層フィルムの場合は表面処理
鋼板と接する樹脂層)の融解温度以上に加熱することが
好ましい。そして、加熱されて連続的に移動している表
面処理鋼板の両面に前記の樹脂フィルムを当接し、1対
の加圧ロールで両者を挟み付けて圧着し、直ちに急冷す
る。以上のようにして本発明の樹脂被覆鋼板が得られ
る。
【0018】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに説明する。
表1に示す成分の鋼を転炉で溶製し、常法に従い熱間圧
延を行い、900゜Cでの仕上げ圧延後、600゜Cで
巻き取り熱延鋼板とした。その熱延鋼板を酸洗し、0.
22〜0.28mmの厚さに冷間圧延後、均熱温度70
0゜C×均熱時間60秒の条件で再結晶焼鈍を行い、表
2に示す2次冷延率にて2次冷間圧延を行い、0.20
mmの板厚とした。二次冷間圧延後の降伏強度は、圧延
方向と平行方向、および直角方向の平均値を示す。二次
冷間圧延後、脱脂および電解クロム酸処理(下層は金属
クロムが160mg/m、上層はクロムの水和酸化物
がクロムとして19mg/mの2層構造の皮膜構成)
を施し、次いで缶に成形した際に外面側となる面に、エ
チレンテレフタレート(88モル%)とエチレンイソフ
タレート(12モル%)からなる共重合ポリエステル樹
脂(固有粘度:0.8)に酸化チタン系白色顔料を20
%含有させてなる、厚さ15μmの無延伸または2軸延
伸のフィルムを、缶に成形した際に内面側となる面に、
エチレンテレフタレート(88モル%)とエチレンイソ
フタレート(12モル%)からなる厚さ30μmの無延
伸または2軸延伸の透明共重合ポリエステル樹脂フィル
ムをそれぞれ当接し、1対の加圧ロールで挟み付けて圧
着し、直ちに水中に浸漬し急冷してポリエステル樹脂フ
ィルム被覆鋼板を得た。得られた樹脂被覆鋼板の絞り加
工およびしごき加工は、湿式でも乾式でも可能である
が、本実施例では、乾式で行うこととし、得られた樹脂
被覆鋼板表面にワックスを塗布後、絞りしごき加工に供
した。
【0019】絞りしごき加工は、上記のようにして作成
された樹脂被覆鋼板から直径150mmのブランクを打
ち抜き、次いで、白色に着色したフィルムを積層した面
が容器の外側となるようにして直径90mmのポンチで
絞る絞り工程(絞り比1.67)、その後、直径66m
mのポンチで再絞り加工する再絞り工程(再絞り比1.
36)に従い実施した。このカップを、3段のしごき加
工ダイスからなるしごき成形装置を用いて缶径66m
m、缶壁上端部の厚さが0.15mmの絞りしごき缶に
成形加工した。次いで、上端部をトリミングして高さを
122mmとし、215℃で30秒加熱処理した後、上
端部を縮径加工して開口端部の径を57mmとした。次
いで、開口端部を缶の外側に向かって張り出し加工し、
フランジ端部の径が62mmとなるようにフランジ部を
形成させ、内容物を充填する前の最終形状の缶とした。
【0020】
【表1】
【0021】以上のようにして、鋼板の降伏強度、鋼板
の延び、鋼板の面強度比、絞りしごき缶の成形性及び絞
りしごき成形缶のヘア発生状況を以下のように評価し、
その結果を表2に示した。 [鋼板の降伏強度]と[鋼板の延び]鋼板の降伏強度及
び伸びは、表面処理をする前の鋼板から作製したJIS
5号試験片を、引張試験機で測定した。 [面強度比]表面処理をする前の鋼板の結晶面(20
0)、(222)のX線回折ピーク強度P200とP
222を測定し、強度比P222×100/P200
面強度比として評価した。 [成形性]絞りしごき加工後の缶を目視により調査し、
樹脂被覆鋼板の成形性を「○(成形可)」、「△(樹脂
フィルムの削れ)」、「×(破胴)」の3段階で評価し
た。なお、3段階の評価結果で、実用上使用できるレベ
ルは、「○(成形可)」のみである。 [ヘア発生状況]絞りしごき加工後の缶および工具にお
けるヘア発生状況を目視により調査し、「○(ヘアな
し)」、「△(ヘア極微)」、「×(ヘア発生)」の3
段階で評価した。なお、3段階の評価結果で、「△(ヘ
ア極微)」までは実用上使用できるレベルである。
【0022】
【表2】
【0023】表2に示すように、本発明の樹脂被覆鋼板
を用いて絞りしごき加工することにより、従来はヘア発
生のため成形加工することが極めて困難であった樹脂被
覆鋼板からなる絞りしごき缶を、確実に成形加工できる
ことが判る。
【0024】
【発明の効果】本発明は、樹脂被覆鋼板から絞りしごき
缶を成形する際に、原板となる鋼板の鋼成分および材質
を調整し、さらに結晶面の面方位を調整することによ
り、従来よりも薄い鋼板を使用し、絞り加工時の缶壁上
端部鋼板厚さの増加を抑え、主要なヘア発生工程である
しごき工程の実質のしごき量を低減するとともに、加工
中の加工硬化を抑え、変形抵抗の増加を防止するもので
ある。また、表面に被覆する樹脂フィルムとの密着性を
確保するため、電解クロム酸処理などの表面処理を施
し、その上に、厳しい加工に耐えることのできる無延伸
のポリエステル樹脂フィルムを被覆することを特徴とし
ており、本発明の樹脂被覆鋼板を用いることにより、従
来と同じ方法を用いた絞り工程およびしごき工程でも、
ヘアを発生させずに樹脂被覆鋼板を用いた絞りしごき缶
の成形が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志水 慶一 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA22A AB03A AK42 AK42B AK42C AL01 AL01B AL01C BA03 BA06 BA10B BA10C CA13 CA13B CA13C EJ17 EJ19 EJ26 EJ38 EJ69 EJ69A GB16 JK02A JK08A JL01 YY00A YY00B YY00C 4K044 AA02 AB02 BA10 BA15 BA21 BB03 BC05 CA17 CA18 CA53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶底および缶壁が一体の絞りしごき缶用
    の樹脂被覆鋼板であって、C:0.003重量%以下、
    Mn:0.05〜0.30重量%、Si:0.03重量
    %以下、P:0.02%以下の鋼成分を含み、板面に平
    行な結晶面(200)、(222)のX線回折ピーク強
    度P200、P222において面強度比P222×10
    0/P200の値が50以上、降伏強度が400〜60
    0N/mm2、全伸びが30%以下である鋼板の両面に
    表面処理をした後、両面に無延伸のポリエステル樹脂フ
    ィルムを被覆した絞りしごき缶用樹脂被覆鋼板。
  2. 【請求項2】 前記鋼板は、板厚が缶壁上端部の鋼板厚
    さの1.1〜1.4倍の範囲であって、かつ前記缶壁上
    端部の鋼板厚さが0.13〜0.17mmであることを
    特徴とする請求項1記載の絞りしごき缶用樹脂被覆鋼
    板。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか記載の絞りしご
    き缶用樹脂被覆鋼板を用いて成形された絞りしごき缶。
JP2002079872A 2002-03-22 2002-03-22 絞りしごき缶用樹脂被覆鋼板およびそれを用いた絞りしごき缶 Pending JP2003277885A (ja)

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US9011609B2 (en) 2008-03-26 2015-04-21 Jfe Steel Corporation Ironing method and ironing apparatus

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