JP2003277627A - 消臭性熱可塑性樹脂組成物および消臭性熱可塑性樹脂成形品 - Google Patents

消臭性熱可塑性樹脂組成物および消臭性熱可塑性樹脂成形品

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JP2003277627A
JP2003277627A JP2002088233A JP2002088233A JP2003277627A JP 2003277627 A JP2003277627 A JP 2003277627A JP 2002088233 A JP2002088233 A JP 2002088233A JP 2002088233 A JP2002088233 A JP 2002088233A JP 2003277627 A JP2003277627 A JP 2003277627A
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deodorant
deodorizing
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oxide
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Hiromasa Hashimoto
弘昌 橋本
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生活環境における種々の悪臭に対する消臭性
能が顕著に大きく、しかもその効果の持続性に優れた成
形品を与える消臭性熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部と、消臭剤
0.1〜10重量部とを含有する消臭性熱可塑性樹脂組
成物であって、前記消臭剤が、ハイドロタルサイト化合
物100重量部と、これに対して、2価または3価金属
の酸化物10〜150重量部とを含有してなる消臭性熱
可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消臭性熱可塑性樹脂
組成物に関し、詳しくは、生活環境の種々の悪臭に対し
て効果的でしかも持続性の高い消臭機能を、繊維、板、
フィルムなど種々の樹脂成形品に賦与できる消臭性熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】くつした、ストッキングなどには汗の発
酵臭がつき、住宅内の板壁、パーティションなどには往
々にして生ごみ臭、屎尿臭、タバコ臭がついている。汗
の発酵臭はイソ吉草酸、酪酸などの低級脂肪酸の発生
が、生ごみや屎尿の臭いはアンモニア、アミン、硫化水
素、メルカプタンなどの生成が原因である。また、タバ
コ臭はタバコの燃焼に伴う独特な臭気である。近年、こ
れら生活環境にある繊維製品や樹脂成形品に対して、効
果の高い消臭加工が要求されるようになった。
【0003】これに応えて、本発明者は先に繊維製品へ
のコーティング剤として、ハイドロタルサイト化合物、
および、2価または3価金属の酸化物からなる消臭剤
を、アクリルエマルジョンおよびオルガノポリシロキサ
ンで分散させた組成物を提案した(特開2002−11
064号公報)。これにより、消臭加工した繊維の色合
いや風合いを損なわずに高度の消臭効果のある繊維製品
が得られるようになった。しかしながら、この繊維製品
の有する消臭効果は、長期間繰り返し洗濯して使用する
と、消臭剤が脱落するため永久的効果とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生活
環境における種々の悪臭に対する消臭効果の持続性が高
く、繊維、板、フィルムなど種々の樹脂成形品に適用で
きる消臭性熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した
結果、ハイドロタルサイト化合物および特定の金属化合
物を熱可塑性樹脂に配合することにより上記目的が達成
されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。かくして本発明によれば下記(1)〜
(3)が提供される。 (1) 熱可塑性樹脂100重量部と消臭剤0.1〜1
0重量部とを含有する消臭性熱可塑性樹脂組成物であっ
て、前記消臭剤が、ハイドロタルサイト化合物100重
量部と、これに対して、2価または3価金属の酸化物1
0〜150重量部とを含有してなるものである消臭性熱
可塑性樹脂組成物。 (2) ハイドロタルサイト化合物、および、2価また
は3価金属の酸化物のそれぞれの平均粒径が0.01〜
50μmである上記(1)記載の消臭性熱可塑性樹脂組
成物。 (3) 上記(1)または(2)に記載された消臭性熱
可塑性樹脂組成物を成形してなる消臭性熱可塑性樹脂成
形品。さらに、本発明の好ましい発明として、次の
(4)が提供される。 (4) 前記ハイドロタルサイト化合物が、過ハロゲン
酸型ハイドロタルサイトである上記(1)または(2)
記載の消臭性熱可塑性樹脂組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の消臭性熱可塑性樹脂組成
物は、熱可塑性樹脂100重量部と、消臭剤0.1〜1
0重量部、好ましくは0.5〜5重量部を含有してなる
ものである。消臭剤の含有量が過度に少ないと悪臭に対
する消臭効果が発現しないおそれがあり、逆に過度に多
いと成形品の色調が白っぽくなる可能性がある。
【0007】本発明で使用する熱可塑性樹脂は、溶融成
形に供することのできる熱可塑性樹脂であればいずれも
適用できる。熱可塑性樹脂の具体例としては、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、水
素化ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
イソプレン―スチレンブロック共重合体、水素化イソプ
レン―スチレンブロック共重合体、ポリメチルメタクリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、セルロースト
リアセテート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ
アリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、熱
可塑性ポリエステルエラストマー、スチレングラフトエ
チレン−プロピレンエラストマー、脂環式構造含有重合
体樹脂などが挙げられる。
【0008】本発明に使用する消臭剤は、ハイドロタル
サイト化合物100重量部と、これに対して、2価また
は3価金属の酸化物10〜150重量部、好ましくは5
0〜120重量部を含有してなるものである。2価また
は3価金属の酸化物の配合量が過度に少ないと主にアン
モニア、アミン類などに基づく悪臭に対する消臭効果が
低下するおそれがあり、逆に過度に多いと成形品の色調
を白化させたり、繊維製品の風合いが低下させる可能性
がある。
【0009】本発明で使用するハイドロタルサイト化合
物は、一般式〔Mg1−x Al (OH)
〔(COx/2 ・mH0〕 で表わされ
る不定比化合物で、プラスに荷電した基本層〔Mg
1−x Al(OH) と、マイナスに荷電
した中間層〔(COx/2 ・mH0〕
とからなる層状の結晶構造を有する無機物質である。こ
こで、Xは0より大きく、0.33以下の範囲の数であ
る。天然品は、MgAl(OH)16CO
・4HOとして得られ、合成品は、主としてMg
4.5 Al(OH)13CO・3.5H
の形のものが市販されている。合成方法としては、例え
ば特公昭46−2280号公報、特公昭50−3003
9号公報、特公昭51−29129号公報、特公昭61
−174270号公報などに記載の公知の方法を例示す
ることができる。また、ハイドロタルサイト化合物は、
前記ハイドロタルサイト化合物中のMgの一部をZnで
置換したZn変性型を用いてもよい。
【0010】本発明においては、ハイドロタルサイト化
合物として、ハイドロタルサイト化合物と過塩素酸、過
臭素酸、過フッ素酸などの過ハロゲン酸とを水中で任意
の比率で反応させることにより、ハイドロタルサイト化
合物中のCOの一部または全部をClOなどの
過ハロゲン酸根に置換した過ハロゲン酸一部導入型また
は過ハロゲン酸導入型(以下、両者を合わせて「過ハロ
ゲン酸型ハイドロタルサイト」という。実際例としては
「過塩素酸型ハイドロタルサイト」など。)のハイドロ
タルサイトを使用することが好ましい。過ハロゲン酸型
ハイドロタルサイトは、アンモニアやアミンなどの塩基
性悪臭の除去効果が大きいからである。過ハロゲン酸型
ハイドロタルサイト化合物を得る方法としては、例え
ば、ハイドロタルサイト化合物を懸濁させた水に所定量
の過ハロゲン酸や過ハロゲン酸金属塩の水溶液を加えて
よく攪拌してからろ過、乾燥する方法が挙げられる。
【0011】ハイドロタルサイト化合物は、微細粒子が
凝集した粒子形態をとることが多く、平均粒径は、通
常、0.01〜50μm、好ましくは0.01〜5μm
である。ハイドロタルサイト化合物を繊維製造用の熱可
塑性樹脂組成物に配合する場合に、より細かな、平均粒
径が好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.
01〜1.5μmのハイドロタルサイト化合物を使用す
ると、特に、繊維のような色合いの厳格な成形品におい
て有色の場合に白色がかった色調になることが抑えられ
るので望ましい。
【0012】本発明で使用する2価または3価金属の酸
化物は、周期律表第2、3、12および第13族の元素
の酸化物である。具体的には、酸化ベリリウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸
化バリウムなどの第2族の元素の酸化物;酸化スカンジ
ウム、酸化イットリウムなどの第3族の元素の酸化物;
酸化亜鉛、酸化カドミウムなどの第12族の元素の酸化
物;酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸
化インジウムなどの第13族の元素の酸化物が例示され
る。なかでも第2族、第12族および第13族の元素の
酸化物が好ましく、酸化マグネシウム、酸化亜鉛または
酸化アルミニウムが特に好ましい。これらは1種用いて
も、2種以上併用しても差し支えない。
【0013】2価または3価金属の酸化物の粒径は、微
細粒子が凝集した形態をとることが多く、平均粒径は通
常、0.01〜50μm、好ましくは0.01〜5μm
である。2価または3価金属の酸化物を繊維製造用熱可
塑性樹脂組成物に配合する場合、ハイドロタルサイト化
合物と同様に、より細かな、平均粒径が好ましくは0.
01〜2μm、より好ましくは0.01〜1.5μmの
ものを使用すると、成形品の色合いの変化を抑えること
ができるので望ましい。
【0014】本発明の消臭性熱可塑性樹脂組成物には、
本発明の目的を阻害しない範囲で、各種配合剤を必要に
応じて添加することができる。各種配合剤としては、例
えば、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤など)、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、滑剤、防曇剤、染料、着色剤、天然
油、合成油、可塑剤、有機または無機の充填剤、抗菌
剤、発泡剤などが挙げられる。
【0015】本発明の消臭性熱可塑性樹脂組成物の製造
方法は、特に限定されないが、通常、熱可塑性樹脂、ハ
イドロタルサイト化合物、2価または3価金属の酸化物
および必要に応じて添加される上記の任意成分を、ヘン
シェルミキサー、ホバートミキサー、タンブラーミキサ
ーなどの回転混合機で均一に混合することにより粉末状
または顆粒状の均一混合物として調製する方法が挙げら
れる。また、スラッシュ成形等の粉体成形以外の成形法
を行う場合は、これを用いてペレットにすることが好ま
しく、ペレットを得るには、上記の均一な混合物を押出
機で溶融、混練して直径0.5〜3mmの棒状に押出
し、これを長さ1〜5mmに切断する方法、あるいは、
Tダイ押出し、ロールなどにより厚さ0.3〜2mmの
樹脂シートにし、これを一辺2〜10mmの方形に切断
する方法などが挙げられる。
【0016】本発明の消臭性熱可塑性樹脂組成物を用い
て種々の形態の消臭性熱可塑性樹脂成形品を製造するこ
とができる。具体的には、壁材、看板、パネル材などの
平板;塀材、屋根材などの波板;ポール、柱材などの
棒;糸、布製品などの繊維;したじき、ラップフィル
ム、輸液バッグなどのフィルムまたはシート;輸液チュ
ーーブ、給水ホース、下水管などの管;食器、菓子器、
シャンプー容器、飲料水容器などの各種容器;テレビハ
ウジング、エアコンハウジングなどの筐体;プラモデ
ル、電気部品、機械部品などの異形品;まり、浮きなど
の球;クッション材、断熱材などの発泡体;ダッシュボ
ード、ヘッドレストなどの被覆袋;さらに、フェンス
材、電気部品、壁紙、被覆鋼板などの表面を被覆する被
膜などが挙げられる。
【0017】前記熱可塑性樹脂成形品の成形方法は、特
に限定されず、例えば、平板、波板、棒、繊維、フィル
ムまたはシート、管などを成形する押出成形(溶融紡
糸、湿式紡糸含む);フィルムまたはシートなどを成形
するカレンダー成形;筐体、異形品などを成形する射出
成形;ボトルを成形するブロー成形;器、異形品などを
成形する真空成形;平板、器などを成形するプレス成
形;浮き、壁紙など発泡体を成形する発泡成形;被覆袋
を成形するスラッシュ成形;被覆体を成形する流動成
形;まり、壁紙、被覆鋼板などを成形するペースト成形
などが挙げられる。
【0018】本発明の消臭性熱可塑性樹脂組成物を使用
した成形品は、低級脂肪酸、アンモニア、アミン、硫化
水素、メルカプタン、タバコ臭などの生活環境で発生す
る悪臭に対して消臭機能を有し、しかもその効果は、樹
脂成形品の表面が露出している限りハイドロタルサイト
化合物および2価または3価金属の酸化物が臭気に接す
るので永久的に持続する。
【0019】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、「部」および「%」は特記しない限り、重量
基準である。
【0020】(1)平均粒径の測定 ハイドロタルサイト化合物および2価または3価金属の
酸化物のそれぞれの平均粒径は、レーザー回折散乱法に
よる粒径測定器〔SALD2000J、島津製作所
(株)製〕で測定した。即ち、試料粉末を水に添加して
超音波洗浄器で3分間よく分散させてから上記粒径測定
器にて体積基準の累積粒径分布を測定し、累積値50%
に相当する粒径を平均粒径とした。
【0021】(2)消臭剤の調製 ハイドロタルサイト化合物(平均粒径0.5μm)1重
量部と、酸化亜鉛(平均粒径0.3μm)1重量部とを
タンブラーミキサーで 分間混合して消臭剤を調製
した。
【0022】(3)アクリルエマルジョン(繊維後処理
用消臭剤分散液のバインダー)の調製 ステンレス製反応器に、水150部、メチルメタクリレ
ート40部、n−ブチルアクリレート60部、炭素数1
2〜18のアルキル基を有するソジウムアルキルサルフ
ェート1部および過硫酸カリウム0.1部を添加し、撹
拌しつつ昇温し、温度55℃にて乳化重合を行った。重
合率96%で反応を終了させ、固形分濃度39重量%の
アクリルエマルジョンを得た。共重合体のガラス転移温
度(Tg)は−10℃、重量平均分子量(Mw)は7,
600,000であった。
【0023】(4)消臭剤分散液の調製 ハイドロタルサイト化合物(平均粒径0.5μm)1部
を水4部、トリポリ燐酸ナトリウム0.02部とともに
ホモミキサーで高速攪拌して調製したハイドロタルサイ
ト微分散液25部、酸化亜鉛酸化亜鉛(平均粒径0.3
μm)1部を水4部、ポリアクリル酸ナトリウム0.0
5部とともにホモミキサーで高速攪拌して調製した酸化
亜鉛微分散液25部、上記(3)で得たアクリルエマル
ジョン50部および末端メトキシ化ジメチルポリシロキ
サン0.7部を混合し、消臭剤分散液を調製した。
【0024】(5)各臭気成分の濃度測定 各臭気成分の濃度を下記により測定した。 イ.アンモニア:検知管「No.3La、3L」、ガス
テック社製 ロ.硫化水素:検知管「No.4LK、4LT」、ガス
テック社製 ハ.酢酸:検知管「No.81L、81」、ガステック
社製 ニ.イソ吉草酸:ガスクロマトグラフィー(島津製作所
社製)、カラム(キャプラリーカラムTC−5、GLサ
イエンス社製)
【0025】(6)消臭率の測定 容量5リットルのテドラーバッグに試料5gを入れ、バ
ッグ中の空気を真空脱気し、初期臭気成分濃度として、
アンモニア100ppm、硫化水素10ppm、酢酸5
0ppm、およびイソ吉草酸40ppmをそれぞれ含有
する空気5リットルを注入し、120分後にバッグ中の
臭気成分の濃度を検知管にて測定し、初期濃度に対する
減少率を消臭率とした。数値が大きいほど消臭効果が大
きい(単位%)。
【0026】(7)洗濯試験 500mlビーカーに入れた水400mlに対してマグ
ネチックスターラーで一定の強攪拌を行いつつ繊維状試
料5gとラウリル硫酸ナトリウム0.1gを添加し、1
回目の洗濯を5分間行った後、攪拌を止め、繊維状試料
をピンセットで摘出して水400mlを入れた500m
lビーカーに移し、マグネチックスターラーで5分間上
記と同様に強攪拌して1回目のすすぎを行った。次に、
繊維状試料をピンセットで摘出して500mlビーカー
中の400mlの水に移してラウリル硫酸ナトリウム
0.1gを添加し、上記と同条件で2回目の洗濯を5分
間行った後、上記と同様にして2回目のすすぎを5分間
行った。このようにして計30回洗濯およびすすぎを行
った後、繊維状試料をろ紙でろ過して採取し、2枚のろ
紙に挟んで30℃の熱風循環乾燥機に置いて24時間乾
燥した。同様にして50回洗濯およびすすぎを行った後
に乾燥した繊維状試料を作製した。各洗濯済み繊維状試
料につき、上記4種の臭気成分の消臭率を上記(6)の
方法で測定した。
【0027】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(ハイトレル4767、東
レ社製;融点199℃、メルトフローレート18)10
0部にヒンダードフェノール系酸化防止剤ペンタエリス
リチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−ターシャリ−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.
2部、および、上記(2)で調製した消臭剤1部を添加
し、二軸押出機により、樹脂温度300℃にて溶融混練
し、直径1.5mmの棒状に押出しつつ、長さ2mmに
切断してペレットを得た。該ペレットを、押出機{バレ
ル温度290℃、ダイス温度300℃}で溶融、押出
し、押出機に連結させた紡糸用ノズルブロックを通過さ
せ、オイリングを通して水槽で冷却しつつ巻き取り、直
径0.5mmの繊維状成形品を得た。巻き取り速度は1
00m/minであった。次いで該繊維状成形品につい
て、150℃にて3分間保持する熱処理を行った。こう
して得た繊維状試料につき上記(6)の方法により、ま
た、上記(7)の洗濯試験により、各臭気成分に対する
消臭率を求めた結果を表1に記す。
【0028】実施例2 実施例1において、ポリエチレンテレフタレートに代え
て高密度ポリエチレン(ノバテックHJ49、日本ポリ
ケム社製、融点133℃、メルトフローレート20)を
用い、ペレット作製押出機での溶融樹脂温度を240
℃、押出機条件をバレル温度230℃、ダイス温度24
0℃とした他は実施例1と同様に行って得た繊維状試料
につき上記(6)の方法により、また、上記(7)の洗
濯試験により、各臭気成分に対する消臭率を求めた結果
を表1に記す。
【0029】実施例3 実施例1において、ポリエチレンテレフタレートに代え
てポリプロピレン(ハイポールJ700、三井化学社
製、融点155℃、メルトフローレート11)を用い、
ペレット作製押出機での溶融樹脂温度を260℃、押出
機条件をバレル温度250℃、ダイス温度260℃とし
た他は実施例1と同様にして得た繊維状試料につき上記
(6)の方法により、また、上記(7)の洗濯試験によ
り、各臭気成分に対する消臭率を求めた結果を表1に記
す。
【0030】比較例1 実施例1において、消臭剤を添加せずにポリエチレンテ
レフタレートのペレットを作製した他は実施例1と同様
に行って繊維状試料を得た後、この繊維状試料5gを上
記(4)で調製した消臭剤分散液中に浸漬してから取り
出し、ペーパータオルに載せて水分を吸収させ、90℃
で1時間乾燥させて繊維状試料を得た。得られた繊維状
試料につき実施例1と同様にして各臭気成分に対する消
臭率を求めた結果を表1に記す。
【0031】
【表1】
【0032】表1が示すように、ポリエチレンテレフタ
レート、高密度ポリエチレンおよびポリプロピレンのそ
れぞれに、ハイドロタルサイト化合物および酸化亜鉛か
らなる消臭剤を配合した消臭性熱可塑性樹脂組成物から
得られた繊維状成形品は、アンモニア、硫化水素、酢酸
およびイソ吉草酸のいずれに対しても消臭率が高く、し
かも、洗濯を30回、50回行っても消臭率はほとんど
低下しなかった(実施例1〜3)。一方、ポリエチレン
テレフタレートから得られた繊維状試料を、ハイドロタ
ルサイト化合物および酸化亜鉛の分散液に浸漬処理して
得た繊維状成形品の各種悪臭成分に対する消臭率はは、
洗濯を30回、50回と多く行うにつれて低下した(比
較例1)。
【0033】
【発明の効果】本発明により、生活環境の種々の悪臭に
対する消臭性能が顕著に大きく、しかもその効果の持続
性に優れた成形品を与える消臭性熱可塑性樹脂組成物が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA20 AA22 AA33 AA46 AB18 AB21 AE22 BA01 BB06 BC01 BC06 4J002 BB031 BB121 BC031 BG031 BP011 CF001 CF061 CG001 CM041 CN011 CN031 DE077 DE097 DE107 DE147 DE296 FD206 FD207

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部と消臭剤0.
    1〜10重量部とを含有する消臭性熱可塑性樹脂組成物
    であって、 前記消臭剤が、ハイドロタルサイト化合物100重量部
    と、これに対して、2価または3価金属の酸化物10〜
    150重量部とを含有してなるものである消臭性熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ハイドロタルサイト化合物、および、2
    価または3価金属の酸化物のそれぞれの平均粒径が0.
    01〜50μmである請求項1記載の消臭性熱可塑性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された消
    臭性熱可塑性樹脂組成物を成形してなる消臭性熱可塑性
    樹脂成形品。
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JP2013199718A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル系消臭繊維並びにそれを含む紡績糸および織編物。
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JP2020143232A (ja) * 2019-03-07 2020-09-10 Mcppイノベーション合同会社 熱可塑性エラストマー組成物、成形体及び自動車用シール部材

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